昭和33(オ)310 家屋明渡請求

裁判年月日・裁判所
昭和36年1月27日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人らの負担とする。          理    由  上告代理人諏訪栄次郎の上告理由第一点について。  論旨は「D及び同Eは真実本

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判決文本文1,621 文字)

主文本件上告を棄却する。 上告費用は上告人らの負担とする。 理由上告代理人諏訪栄次郎の上告理由第一点について。 論旨は「D及び同Eは真実本件家屋を被上告人に譲渡したものであつて、虚偽仮装のものではなく、また、信託法一一条違反のものでもない」旨の原審(及びその引用する第一審判決)の認定を争うのであるが、右原審(及びその引用する第一審判決)の認定は、その挙示する証拠関係に照し、首肯することができ、その間所論のごとき違法はない。 同第二点について。 論旨は、原判決が、被上告人の上告人に対する本訴明渡請求は権利の濫用というを得ない旨判断したことを非難するのであるが、原審認定の事実関係のもとでは、被上告人の本訴明渡請求をもつて権利の濫用とはいい難い。所論はひつきよう、原審の事実認定を争うか、または、原審の認定しない事実を前提として原判決を非難するものであつて、採用するを得ない。 同第三点について。 論旨は、「Dが本件家屋を被控訴人(被上告人)に売り渡したことは、Eの住居を不安ならしめる意思を有したものとは勿論認められず、また、不安ならしめるものとも認められないから、本件家屋の処分行為が未成年者Eと利益相反の行為と認められない」旨の原審の認定判断を非難するに帰する。 しかし、右原審の認定は、その挙示の証拠に徴し、肯認することができる。のみならず、本件の事実関係は、本件家屋がDとその子Eの共有に係るものであり、Eが未成年者であるため、親権者たるDが同人の法定代理人としてその持分を同時に- 1 -被上告人に売り渡したというのであつて、右売渡行為自体から見て、親権者の代理行為が親権者のために利益であつて、未成年者のために不利益な結果を生ずるものと認め得る場合ではないから、本件のごとき場合 -被上告人に売り渡したというのであつて、右売渡行為自体から見て、親権者の代理行為が親権者のために利益であつて、未成年者のために不利益な結果を生ずるものと認め得る場合ではないから、本件のごとき場合には、民法八二六条を適用すべきではないと解するを相当とする。従つて所論は採用できない。 同第四点について。 論旨(一)(二)について。屋根の葺替費用を有益費とし、勝手、湯殿の工事費用を通常の必要費又は有益費であるとした原審の認定判断は、その挙示の証拠関係に照し、首肯し得られる。所論は採用できない。 論旨(三)について。民法一九六条二項により占有者が有益費の償還を請求するためには、有益費の支出によつて生じた価格の増加が現存する場合に限るのであるから、上告人が右事実の主張立証をしない本件において原判決が「現存価格につき主張立証がないから、有益費の償還請求を認め得ない」旨判示したのは相当であつて、所論は採用できない。 論旨(四)について。建物の占有者が建物の敷地の地代及び建物の固定資産税を支払つたとしても、右の如き地代及び固定資産税はいずれも建物の維持保存のために当然に支出ぜらるべき費用ではあるが、右は民法五九五条一項の「通常の必要費」に属するものというべきであるから、上告人は右支出につき償還請求権を有しないことになり、従つて、原審が留置権を否定したのは結局相当であつて、論旨は採用できない。 同第五点について。 原判決に所論のごとき上告人の主張しない抗弁事実につき判断した違法があるとしても、何ら原判決に影響を及ぼすこと明かな法令違背とはいえないから、所論は採用の限りでない。 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、- 2 -主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判 所論は採用の限りでない。 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、- 2 -主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官藤田八郎裁判官池田克裁判官河村大助裁判官奥野健一- 3 -

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