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主文 控訴及び訴訟承継により、原判決を次の通り変更する。控訴人は、被控訴人Aに対し金二、五二三、五四七円、被控訴人Bに対し金三、三六四、七二九円、被控訴人Cに対し金一、六八二、三六四円、及び各これに対する昭和三六年一月三〇日以降完済まで年五分の割合による金員を支払え。被控訴人らのその余の金員請求は、いずれもこれを棄却する。被控訴人らの附帯控訴は、いずれもこれを棄却する。被控訴人A、同Bの裁決変更の請求は、これを却下する。訴訟費用(附帯控訴費用を含む)は第一、二審を通じこれを四分し、その三を被控訴人ら、その一を控訴人の負担とする。事実 控訴人(附帯被控訴人、以下単に控訴人と称する)代理人は、控訴につき「原判決を取消す。本件訴(裁決変更の新請求を含む)を却下する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人(附帯控訴人、以下単に被控訴人と称する)らの負担とする。」との判決、予備的に「原判決中控訴人敗訴部分を取消す。被控訴人らの請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。」との判決、各附帯控訴につき附帯控訴棄却の判決を求め、被控訴人A、同B代理人は、控訴につき「本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。」との判決、附帯控訴(昭和四三年(ネ)第六六九号事件)として原判決を次の通り変更する。別紙目録記載の土地につき、大阪府収用委員会が昭和三五年一二月一六日になした裁決中の損失補償金一〇、六三四、五六〇円を、金三三、七三四、〇〇〇円と変更する。控訴人は、被控訴人Aに対し金七、六九九、八一三円、同Bに対し金一五、三九九、六二六円、及び各これに対する昭和三六年一月三〇日以降完済まで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は第一、二審とも る。控訴人は、被控訴人Aに対し金七、六九九、八一三円、同Bに対し金一五、三九九、六二六円、及び各これに対する昭和三六年一月三〇日以降完済まで年五分の割合による金員を支払え。 三三、七三四、〇〇〇円と変更する。控訴人は、被控訴人Aに対し金七、六九九、八一三円、同Bに対し金一五、三九九、六二六円、及び各これに対する昭和三六年一月三〇日以降完済まで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は第一、二審とも る。控訴人は、被控訴人Aに対し金七、六九九、八一三円、同Bに対し金一五、三九九、六二六円、及び各これに対する昭和三六年一月三〇日以降完済まで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は第一、二審とも控訴人の負担とする。」との判決並びに仮執行の宣言を求め、被控訴人C訴訟代理人は、控訴につき「本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。」との判決、附帯控訴(昭和四六年(ネ)第一六九八号事件)として「原判決中被控訴人C敗訴部分を取消す。控訴人は同被控訴人に対し、金八、八八一、四三〇円、及びこれに対する昭和三六年一月三〇日以降完済まで年五分の割合による金員を支払え。附帯控訴費用は控訴人の負担とする。」との判決並びに、仮執行の宣言を求めた。当事者双方の事実に関する主張、証拠の提出援用認否は、被控訴人A、同B代理人において、土地収用に関する損失補償の訴の性質は、形式に於ては抗告訴訟的であるが、実質に於ては当事者訴訟であり、裁決の中でも、これを主に私益に関する事項と見たがために、その救済については、これを独立の訴として、訴願を経ずして提起し得ることを認めたものというべきで、これがためには、必ずしも裁決の変更の訴を要するものではないと考える。右請求は従来給付の訴として考えられて来たが、近時に於ては、これを、裁決の取消、変更を求める形成の訴と見るのが通説、判例となつたので、本訴においても、この見解に従つて請求の趣旨を一部変更(追加)したのであるが、訴提起の期間遵守については、当初の訴提起の時期を基準として考えるべきである。次に、収用土地の評価は、従来一坪当り金三〇万円、本件土地一六八坪六合七勺につき総額五〇、六〇一、〇〇〇円と主張していたところを、一坪当り金二〇万円、総額三三、七三四、〇〇〇円と主張し、これよりすでに支払を受けた金一〇、六三四 一坪当り金三〇万円、本件土地一六八坪六合七勺につき総額五〇、六〇一、〇〇〇円と主張していたところを、一坪当り金二〇万円、総額三三、七三四、〇〇〇円と主張し、これよりすでに支払を受けた金一〇、六三四、五六〇円を差引いた残金は二三、〇九九、四四〇円(そのうち、原審認容額は一三、二〇二、〇〇六円)となるところ、承継前の被控訴人Dは昭和四〇年六月二二日死亡し、同人の妻A(三分の一)及び長男B(三分の二)が相続人として(Cは相続人ではない)その権利義務を承継したので、控訴人に対し、被控訴人Aは金七、六九九、八一三円、被控訴人Bは金一五、三九九、六二六円の支払を求め(うち、原審認容額以上の分は附帯控訴により)、右被控訴人両名において本件裁決中の損失補償金額の変更を求める。 一三、二〇二、〇〇六円)となるところ、承継前の被控訴人Dは昭和四〇年六月二二日死亡し、同人の妻A(三分の一)及び長男B(三分の二)が相続人として(Cは相続人ではない)その権利義務を承継したので、控訴人に対し、被控訴人Aは金七、六九九、八一三円、被控訴人Bは金一五、三九九、六二六円の支払を求め(うち、原審認容額以上の分は附帯控訴により)、右被控訴人両名において本件裁決中の損失補償金額の変更を求める。と述べ、証拠として、甲第九、一〇号証を提出し、乙第一六ないし二四号証の成立を認め、同二〇ないし二四号証を利益に援用し、被控訴人C代理人において、本件土地の損失補償金不足分としては、原審通り金三九、九六六、四四〇円を主張する。そして承継前の被控訴人Dの昭和四〇年六月二二日の死亡による相続人は、被控訴人A(妻、相続分三分の一)、同B(長男、同九分の四)のほか、被控訴人C(相続分九分の二)があり、同被控訴人は、亡Dと訴外Eとの間の子として昭和四年五月一八日に出生したものであるが、祖父Fが私生子としての届出を嫌い、自己の五女として届出で、母Eが早く死亡したため、専らFの許で養育され、D生前には認知されなかつたため、同人死後認知訴訟を提起し、昭和四二年六月一二日勝訴判決があり、同年七月一日確定したものであるがら、亡Dの権利義務を承継した相続人として控訴人に対し本件補償金のうち前記相続分九分の二に該当する金八、八八一、四三〇円と、これに対する昭和三六年一月三〇日以降年五分の割合の損害金の請 ものであるがら、亡Dの権利義務を承継した相続人として控訴人に対し本件補償金のうち前記相続分九分の二に該当する金八、八八一、四三〇円と、これに対する昭和三六年一月三〇日以降年五分の割合の損害金の請求権があるのでその支払を求める(うち原審認容分の相続分二、九三三、三三三円以上は附帯控訴として)。被控訴人A、同Bの主張中Dの死亡による相続関係の点を除く主張を利益に援用する、と述へ、証拠として丙第一号証を提出し、右被控訴人A、同Bの提出、援用証拠及び控訴人の証拠に対する認否をも援用し、控訴代理人において、土地収用法に基づく収用委員会の裁決のうち、損失補償に関する訴は、形式的には当事者訴訟として扱われているが(土地収用法第一三三条二項)、その実質は有効な裁決の取消、変更を求める抗告訴訟、即ち裁決の当否を訴訟物とする形成訴訟と解すべきものであるところ、被控訴人らの請求は、裁決の変更を求めずして直ちに補償金額以上の金員の支払を求める給付訴訟に外ならないから、不適法であり、却下を免れない。 代理人において、土地収用法に基づく収用委員会の裁決のうち、損失補償に関する訴は、形式的には当事者訴訟として扱われているが(土地収用法第一三三条二項)、その実質は有効な裁決の取消、変更を求める抗告訴訟、即ち裁決の当否を訴訟物とする形成訴訟と解すべきものであるところ、被控訴人らの請求は、裁決の変更を求めずして直ちに補償金額以上の金員の支払を求める給付訴訟に外ならないから、不適法であり、却下を免れない。被控訴人A、同Bの当審における裁決変更の請求は、法定の三ケ月の出訴期限たる昭和三六年三月二一日を約九ケ年も経過した不適法なものであるがら、却下せらるべきである。土地収用の損失補償額は、客観的適正額でなくとも、相対的適正額であれば足り、被収用者が任意受領すれば請求権は消滅するのであるから、これと同様に、被収用者が供託額を任意に還付受領すれば、請求権は当然に消滅すべき筋合である。次に、補償額の算定に関し、更地価額を決定するについて、これを大差のある各鑑定人の算定価額を単純に平均するが如き計算方法で決定することには何等の合理性はなく、そのうち最も信用度の高い鑑定結果(乙第五、六、七号証)の平均値を採り、これに時点修正として平均的推移倍率(約一、二一倍)を乗じて求むべ 平均するが如き計算方法で決定することには何等の合理性はなく、そのうち最も信用度の高い鑑定結果(乙第五、六、七号証)の平均値を採り、これに時点修正として平均的推移倍率(約一、二一倍)を乗じて求むべく、そうすれば、昭和三五年一二月一六日当時の本件土地の更地価額は、商店街を形成する商業地たる甲地(西側表道路より東へ奥行六間の部分、約六二坪五合六勺)については、一坪金二六二、五七〇円、バラツク建住宅の密集する任宅地たる乙地(その余の部分、約一〇六坪一合一勺)については一坪金六八、九七〇円が相当である。また承継前の被控訴人亡Dが、本件土地の賃借人中、G、H1、I、Jに対して為した昭和三四年一〇月一七日付の地代の支払催告及び条件付解除の意思表示は、従来賃貸面積を過大に主張して来たところから、従前地代が実面積に対しては不当な高額であつたものであるから、信義則違反又は権利濫用となり、解除の効力を生じない。なお、右の催告時点においては、本件土地収用の起業者たる控訴人は、土地賃借人らと土地収用法第四〇条所定の協議を行つていた時期であり、右賃借人らは、近い将来において、起業者たる控訴人との間に、控訴人のために、その賃借権を消滅せしめる黙示的な合意がすでに成立していた後であり、しかも賃貸人としても、自ら賃借地を使用する意思はなかつたのであるから、すでに賃貸借契約の解除の機能を失つていたものであり、右の解除は、賃借地を故らに更地として不当の補償金を要求する目的のみから為されたものであるがら、権利濫用に外ならず、その効力を生じない。 り、右賃借人らは、近い将来において、起業者たる控訴人との間に、控訴人のために、その賃借権を消滅せしめる黙示的な合意がすでに成立していた後であり、しかも賃貸人としても、自ら賃借地を使用する意思はなかつたのであるから、すでに賃貸借契約の解除の機能を失つていたものであり、右の解除は、賃借地を故らに更地として不当の補償金を要求する目的のみから為されたものであるがら、権利濫用に外ならず、その効力を生じない。承継前の被控訴人Dが昭和四〇年六月二二日死亡したこと、妻の被控訴人A、長男の被控訴人Bが相続人であるほか、被控訴人Cより右亡Dに対する認知請求事件の判決がCの勝訴に確定し、Cも相続人とされたことは認める。と述べ、証拠として、乙第一六 日死亡したこと、妻の被控訴人A、長男の被控訴人Bが相続人であるほか、被控訴人Cより右亡Dに対する認知請求事件の判決がCの勝訴に確定し、Cも相続人とされたことは認める。と述べ、証拠として、乙第一六ないし二四号証を提出し、当審における鑑定証人Pの証言及び鑑定人Pの鑑定の結果を援用し、甲第九、一〇号証、丙第一号証の成立を認めたほか原判決事実摘示と同一(但し、原判決八枚目表六行目の「裁決に服したものではなく、」の次に「元来、右供託は民法の定める弁済供託ではなく、土地収用法第一〇〇条に基づく起業者に対する補償金支払義務の強制の目的から認められたものであり、弁済に代る免責を生じない性質のものであるから」を加える)であるから、これを引用する。理由 一、 損失補償の訴の性質と訴の適法性の有無について控訴人は、土地収用の損失補償金の請求は、収用裁決の有効を前提として、その内容の取消、変更を求めるものであるがら、その実質は抗告訴訟であり、従つて、別に収用裁決自体の変更を求めるのでなければ、裁決額以上の補償金請求は許されず、本訴は不適法である(被控訴人A、同Bの裁決変更の新請求<要旨>は、出訴期限徒過で、それ自体が不適法却下を免れない)と主張するので、按ずるに、土地収用において、</要旨>損失補償金の裁決額に不服があり、裁決額以上の金員の支払を求めるのは、とりもなおさず、裁決内容の一部の取消、変更を求めるものに外ならないと見るべきではあるが、土地収用制度及びこれに関する手続の全般より眺めた場合、補償金額に対する不服は、土地収用自体は兎も角これを肯定する態度の上に立つものであること、補償金の額は、収用条件の中でも、収用される物件自体に関するものでなく、その対価たる金銭の多寡に関するに過ぎないこと等の点で、収用の可否自体、又は 金員の支払を求めるのは、とりもなおさず、裁決内容の一部の取消、変更を求めるものに外ならないと見るべきではあるが、土地収用制度及びこれに関する手続の全般より眺めた場合、補償金額に対する不服は、土地収用自体は兎も角これを肯定する態度の上に立つものであること、補償金の額は、収用条件の中でも、収用される物件自体に関するものでなく、その対価たる金銭の多寡に関するに過ぎないこと等の点で、収用の可否自体、又は 兎も角これを肯定する態度の上に立つものであること、補償金の額は、収用条件の中でも、収用される物件自体に関するものでなく、その対価たる金銭の多寡に関するに過ぎないこと等の点で、収用の可否自体、又は収用方法その他補償金額以外の点に関する不服と比べて、その性質及びその処理方法につき顕著な差異を考えることができ、土地収用法第一三三条も、この点に着眼して、補償に関する訴の方法を、同条所定の如く、特別にこれを規定し、裁決処分の当事者である収用委員会を除外した訴訟形式に依らしめ、土地所有者又は関係人よりは、費用負担者である起業者へ、恰も給付訴訟の如き形において、その負担の増加の可否という結果をもたらす金員請求を為す道を認めたものと解すべきであつて、このように補償金額に関する不服につき、他の点の不服方法とは切り離した方式における特異の訴訟形態を認める以上は、不服の対象である裁決内容への取消、変更請求は、訴により、その請求の理由として述べれば足り、申立としては、窮極の請求目的である金員請求のみを掲げる方法に依ることが許され、否むしろ、端的に、この方法に依ることを以て相当とするものと解することが可能である。この見解に立つ以上、土地所有者又は関係人よりは、裁決の取消、変更自体を、何等直接にはその権限を有しない起業者に対して別に請求することは無用の業といつて差支なく、従つて、別に適法な裁決の取消、変更がないことを以て、本訴が不適法であり、却下せらるべきであるとする控訴人の主張は、理由がない。なお、右と同様の理由で、控訴人を相手方として、裁決自体(その補償金額)の変更を求める被控訴人A、同Bの当審における新請求も、その訴の利益が認められないから、却下を免れない。二、 本件土地の収用から裁決に至るまでの事実経過と賃借権の存否について承継前の被控訴人Dの所 更を求める被控訴人A、同Bの当審における新請求も、その訴の利益が認められないから、却下を免れない。 るとする控訴人の主張は、理由がない。なお、右と同様の理由で、控訴人を相手方として、裁決自体(その補償金額)の変更を求める被控訴人A、同Bの当審における新請求も、その訴の利益が認められないから、却下を免れない。二、 本件土地の収用から裁決に至るまでの事実経過と賃借権の存否について承継前の被控訴人Dの所 更を求める被控訴人A、同Bの当審における新請求も、その訴の利益が認められないから、却下を免れない。二、 本件土地の収用から裁決に至るまでの事実経過と賃借権の存否について承継前の被控訴人Dの所有であつた本件土地が、起業者たる控訴人のために収用されるについての手続、即ち、これについての建設大臣の裁定、大阪府収用委員会の裁決及びその内容並びに右裁決の送達に関する被控訴人らの主張事実、及び本件収用土地のうちの一部、即ち原判決引用図面1ないし6の部分については、右裁決時たる昭和三五年一二月一六日当時において、訴外G、K、H1またはH2、I、Jは賃借権を有していなかつたとする被控訴人らの主張事実は、当裁判所もこれを肯認するものであつて、その理由は、原判決理由の一及び二の3(原判決九枚目表一行目冒頭から一四枚目表一〇行目末尾まで)のうち、同一三枚目裏一一行目の末尾に「それにも拘らず大阪府収用委員会が右Gら五名についてこれを賃借権着である関係人として取扱つた理由については、成立に争のない乙第八号証(裁決書)によると、右賃借権の消滅については争いが存し訴訟繋属中の場合には、土地所有者において、その消滅について裁判所の判決によつて証明をなさない限りは、一応賃貸借契約はなお存続しているものとして、それを前提として補償裁決をするを妥当と考えたことに因るものであることが認められるけれども、行政処分を為すについては、その基盤たる事実関係に紛争が存する場合には、処分権者として、その権能の許す限り、自ら調査を為して積極的に事実を確認した上で、処分を行うべき職責があるのであつて、関係当事者の一方にのみ公的手段による立証の責任を負課して、これによつて自ら調査責任を免れ得る筋合のものではないから、右収用委員会の裁決理由を以てしては、右Gら五名について、賃借権の存在を であつて、関係当事者の一方にのみ公的手段による立証の責任を負課して、これによつて自ら調査責任を免れ得る筋合のものではないから、右収用委員会の裁決理由を以てしては、右Gら五名について、賃借権の存在を否定しなかつた裁決の正当性を肯定することはできない。 立証の責任を負課して、これによつて自ら調査責任を免れ得る筋合のものではないから、右収用委員会の裁決理由を以てしては、右Gら五名について、賃借権の存在を であつて、関係当事者の一方にのみ公的手段による立証の責任を負課して、これによつて自ら調査責任を免れ得る筋合のものではないから、右収用委員会の裁決理由を以てしては、右Gら五名について、賃借権の存在を否定しなかつた裁決の正当性を肯定することはできない。」と附加するほか、右原判決理由説示の通りであるがら、これを引用する。控訴人は、前記賃貸借契約の解除の前提となつた催告及び条件付契約解除の意思表示又は契約解除を以て、信義則違反又は権利濫用で無効である旨抗弁するけれども、たとえ控訴人主張のように賃貸面積の主張が過大であつたとしても、それだけの理由で、延滞賃料の催告等が全部無効となるいわれはないし、またG等五名の賃借人との間に、控訴人主張のような控訴人との間の賃借権消滅の黙示的合意があつたとの事実は、控訴人の全立証によつても確認できないから、右抗弁は採用できない。三、 本件土地の裁決時の価額について右価額の判定に関する資料の証拠能力及び本件土地の評価上の区分として、これを原判決理由の示す如く、甲・乙両地に区別することの正当性は、当裁判所もこれを肯認するものであつて、その理由は、原判決理由の二の4の(一)(二)(原判決一四枚目表一一行目冒頭から一五枚目裏九行目末尾まで)と同一であるがら、これを引用する。次に右土地の評価基準として、更地価格を検討するに、前掲乙第四ないし七号証、証人L、同Mの証言、鑑定人N、同Oの鑑定結果を綜合すれば、昭和三五年四月初現在における本件土地の更地価格の評価としては、一坪当り、甲地金二二五、〇〇〇円、乙地六万円(甲地については、乙第五、六号証の平均値を採り、乙第七号証の評価二〇万円はその甲地の区分範囲の奥行が深いため、多少の評価増をする要があり、そうすれば、右平均値の相当性を左右しない。乙地については、乙第五、 いては、乙第五、六号証の平均値を採り、乙第七号証の評価二〇万円はその甲地の区分範囲の奥行が深いため、多少の評価増をする要があり、そうすれば、右平均値の相当性を左右しない。乙地については、乙第五、六号証により、乙第七号証の評価は、前同様多少の評価増をすれば、右評価の相当性を左右しない。なおN鑑定は一坪二〇八、〇〇〇円、O鑑定は一坪二〇一、六〇〇円を算定していて、いずれも甲・乙両地の区分をしたものではないが、その内容を検討すると、果して右の両地の土地条件による価値の差等を意識していたか否かの点も疑わしい上に、その結論を証人Lの証言と対比検討すると、右両鑑定の評価は、乙地の評価としては余りにも懸絶するので、専ら甲地に着眼した評価としてのみ採用し得るものというべく、そうすれば、前認定を支持する根拠とこそなれ、これを左右する資料たり得ない。 〇〇円を算定していて、いずれも甲・乙両地の区分をしたものではないが、その内容を検討すると、果して右の両地の土地条件による価値の差等を意識していたか否かの点も疑わしい上に、その結論を証人Lの証言と対比検討すると、右両鑑定の評価は、乙地の評価としては余りにも懸絶するので、専ら甲地に着眼した評価としてのみ採用し得るものというべく、そうすれば、前認定を支持する根拠とこそなれ、これを左右する資料たり得ない。また当審鑑定人Pの鑑定結果は、鑑定目的物件の正確性を欠く上に、甲・乙両地を意識的に一括して一筆地としての評価をしているところ、このような等差の著しい両地を一括評定するについての基準の正確性が認められないから、たやすく採用できない)を相当と認め、これに証人Lの証言により認められる昭和三五年当時の地価の年間上昇率一割五分ないし二割の平均値と、右評価時と裁決時との時間差を乗じて得られる比率を加算するときは、本件裁決時の更地価格は、坪当り、甲地二五四、二五〇円、乙地六七、八〇〇円を以て、相当とする。次に、右価額を基準として、底地価格、建付地価格を算定すると、底地価格については、借地権割合を、甲・乙両地で区別して算定するを相当とし、その割合は前掲乙第五、六号証、N鑑定、O鑑定を綜合すると、甲地については借地権割合を六割(底地価格四割)、乙地については借地権割合五割(底地価格五割)、建付地割合は九割五分を相当と認め 相当とし、その割合は前掲乙第五、六号証、N鑑定、O鑑定を綜合すると、甲地については借地権割合を六割(底地価格四割)、乙地については借地権割合五割(底地価格五割)、建付地割合は九割五分を相当と認める。そして右算定基準による算定法としては、当裁判所は、原判決理由二、4、(七)(一八枚目表八行目冒頭から一九枚目表三行目末尾まで)の方法を正当と認めるから、右理由を引用する(従つて、甲・乙両地の各合計は、甲地六〇坪一合四勺、乙地一〇八坪五合三勺となる。)右計算方法により、計算すると、本件裁決時の地価は、甲地部分の建付地価格に依つたもの金一四、五二六、〇三五円、乙地部分の底地価格によつたもの金三、六七九、一六七円、合計金一八、二〇五、二〇二円となる。乙第一六、一七号証によつても、右認定を覆すに足らず、以上に検討した各証拠資料のほかに、右認定を左右するに足る証拠は、他に見出すことができない。 各合計は、甲地六〇坪一合四勺、乙地一〇八坪五合三勺となる。)右計算方法により、計算すると、本件裁決時の地価は、甲地部分の建付地価格に依つたもの金一四、五二六、〇三五円、乙地部分の底地価格によつたもの金三、六七九、一六七円、合計金一八、二〇五、二〇二円となる。乙第一六、一七号証によつても、右認定を覆すに足らず、以上に検討した各証拠資料のほかに、右認定を左右するに足る証拠は、他に見出すことができない。四、 控訴人の補償金供託と、その還付請求の効力について控訴人が昭和三六年一月二七日本件裁決補償金額である金一〇、六三四、五六〇円を大阪法務局布施出張所に供託したことは、当事者間に争がなく、承継前の被控訴人Dが、同年二月一三日右供託金全額の払渡請求を為し、これを受領したことは、成立に争のない乙第二号証の一、二と弁論の全趣旨により、これを認めることができる。控訴人は、右供託金受領を以て、相対的適正額の任意受領と同一であるがら、被控訴人らのその余の補償金請求権は消滅した旨抗弁するので按ずるに、成立に争のない乙第一号証によると、右供託は土地収用法第九五条第二項第一号に準拠して為されたものであることが明白で、同法第一〇〇条等の同法の規定を参酌すると、右供託の制度は主として土地収用の効果を確保、促進する目的から置かれたものであり、民法所定の弁済供託とは、おのずから 拠して為されたものであることが明白で、同法第一〇〇条等の同法の規定を参酌すると、右供託の制度は主として土地収用の効果を確保、促進する目的から置かれたものであり、民法所定の弁済供託とは、おのずからその趣旨、目的を異にしているものと認むべきであるから、供託者が供託をしただけでは、一方的に債務を免れたことにはならず(何となれば、もしこれを肯定すれば、一方的な供託によつて、一切の不服を封ずる結果となり、その不当なことは明白であるからである)、従つて供託の相手方についても、その者がこれが還付を請求してこれを受領したというだけでは、他に特段の事情のない限り、補償金額についての不服申立の権利を放棄したり消滅させたりすることにはならないと解すべきである(事柄は、確定債務額の弁済の成否の問題ではなく、債務額そのものに対する不服の許容の問題であつて、両者の論点は全く異なるものというべきである)。そして、右の特段の合意その他の不服権放棄等に関する事由については、控訴人の何等主張、立証しないところであるがら、右控訴人の抗弁は理由がない。 他に特段の事情のない限り、補償金額についての不服申立の権利を放棄したり消滅させたりすることにはならないと解すべきである(事柄は、確定債務額の弁済の成否の問題ではなく、債務額そのものに対する不服の許容の問題であつて、両者の論点は全く異なるものというべきである)。そして、右の特段の合意その他の不服権放棄等に関する事由については、控訴人の何等主張、立証しないところであるがら、右控訴人の抗弁は理由がない。そうすると、承継前の被控訴人Dの本訴請求により、同人の受くべかりし正当な補償金額は、前認定の金一八、二〇五、二〇二円と変更せらるべく、同人は、右金額より、さきに供託金還付により受領した前認定の金員を差引いた残金七、五七〇、六四二円につき、起業者たる控訴人に対して、これが支払を求める権利を取得したものというべきである。そしてその取得の時期は、収用発効の日である昭和三六年一月二九日(裁決日より四五日目、この点は当事者間に争がない)であること明白である。五、 被控訴人らの相続と承継金額について承継前の被控訴人Dが昭和四〇年六月二二日死亡したこと、同人の相続人として妻である被控訴人A、長男である被控訴人Bがあることはすべて ること明白である。五、 被控訴人らの相続と承継金額について承継前の被控訴人Dが昭和四〇年六月二二日死亡したこと、同人の相続人として妻である被控訴人A、長男である被控訴人Bがあることはすべての当事者間に争がなく、他に相続人として認知による子である被控訴人Cがあることは、同被控訴人と控訴人間では争がなく、その他の当事者間では、当裁判所において成立を認める丙第一号証(判決及び確定証明)により、これを認めることができるから、右被控訴人合計三名の相続分は、民法第九〇〇条に則り、被控訴人Aは三分の一、被控訴人Bは九分の四、被控訴人Cは九分の二となる訳である。よつて、前記被相続人Dの取得した補償金残額七、五七〇、六四〇円(原判決認容額以内)を右相続分に応じて分割すると、被控訴人Aは金二、五二三、五四七円、被控訴人Bは金三、三六四、七二九円、被控訴人Cは金一、六八二、三六四円、、(各、円未満切捨)となる。そして、控訴人は各これに対し、昭和三六年一月三〇日以降完済まで、年五分の割合による遅延損害金の支払義務があるというべきである。六、 結論すると被控訴人らの請求は、右認定の限度においてのみ正当であるが、その余の部分は失当であるところ、右限度を越えてこれを認容した原判決は、一部失当であるから、控訴人の控訴によりこれを変更し、右限度においてのみ被控訴人らの請求を認容し、訴訟承継により、前認定の通り分割するため、原判決を変更(更正)すべきものとし、被控訴人らの各附帯控訴及び被控訴人A、Bの当審新請求はすべて理由がないから、これを棄却及び却下すべきものとし、仮執行宣言は、裁判額の変更の実質を含むから、相当ならずと認めて、これを附せざることとし、訴訟費用につき民事訴訟法第九六条第八九条第九二条第九三条を適用して、主文の通り判決する。 おいてのみ被控訴人らの請求を認容し、訴訟承継により、前認定の通り分割するため、原判決を変更(更正)すべきものとし、被控訴人らの各附帯控訴及び被控訴人A、Bの当審新請求はすべて理由がないから、これを棄却及び却下すべきものとし、仮執行宣言は、裁判額の変更の実質を含むから、相当ならずと認めて、これを附せざることとし、訴訟費用につき民事訴訟法第九六条第八九条第九二条第九三条を適用して、主文の通り判決する。(裁判長裁 し、仮執行宣言は、裁判額の変更の実質を含むから、相当ならずと認めて、これを附せざることとし、訴訟費用につき民事訴訟法第九六条第八九条第九二条第九三条を適用して、主文の通り判決する。(裁判長裁判官宮川種一郎裁判官林繁裁判官平田浩)(別紙)目録東大阪市ab丁目c番地宅地三三四坪三合九勺(一、七二・三六平方米)右のうち一六七坪六合七勺(五五七・五八平方米)
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