令和4(ネ)10063 不正競争行為差止等請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
令和5年7月19日 知的財産高等裁判所 3部 判決 控訴棄却 東京地方裁判所 令和1(ワ)26105
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判決文本文35,301 文字)

令和5年7月19日判決言渡 令和4年(ネ)第10063号不正競争行為差止等請求控訴事件(原審東京地方裁判所令和元年(ワ)第26105号)口頭弁論終結日令和5年5月15日判決 控訴人株式会社タグチ工業(以下「控訴人タグチ工業」という。) 控訴人株式会社タグチアシスト(以下「控訴人タグチアシスト」という。) 上記両名訴訟代理人弁護士平野和宏同訴訟代理人弁理士森寿夫 被控訴人東宝株式会社 同訴訟代理人弁護士辻居幸一同佐竹勝一 同西村英和同訴訟代理人弁理士石戸孝 主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人らの負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決中控訴人ら敗訴部分を取り消す。 2 前項の部分につき、被控訴人の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする。 第2 事案の概要 1 本件は、被控訴人が、①控訴人らは、それぞれ、被控訴人が商品等表示として使用する著名な又は需要者の間に広く認識されている原判決別紙原告商品等表示目録記載の表示(以下「被控訴人表示」という。)に類似する原判決別紙被告商品等表示目録記載1の表示(以下「控訴人表示1」という。)を使用したTシャツ、マスキングテープ等の商品を 決別紙原告商品等表示目録記載の表示(以下「被控訴人表示」という。)に類似する原判決別紙被告商品等表示目録記載1の表示(以下「控訴人表示1」という。)を使用したTシャツ、マスキングテープ等の商品を譲渡等し(不正競争防止法2条1項2号)、 又は、更に被控訴人の商品又は営業と混同を生じさせて(同項1号)、被控訴人の営業上の利益を侵害し、被控訴人はこれによって損害を受けたと主張して、控訴人らに対し、各差止請求権(同法3条1項)及び各廃棄等請求権(同条2項)に基づき、上記の各商品の譲渡等の差止め及びその廃棄を求める(原判決「事実及び理由」第1の1、2)とともに、各不法行為による損害賠償請求権 (同法4条、民法709条、719条)に基づき、控訴人タグチ工業に対し95万5486円及びこれに対する令和元年10月16日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法(以下「旧民法」という。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を、控訴人タグチアシストに対し102万3258円及びこれに対する上記同様の遅延損害金の支払 を、控訴人らに対し連帯して1万2188円及びこれに対する上記同様の遅延損害金の支払をそれぞれ求め(原判決「事実及び理由」第1の3~5)、②控訴人タグチ工業は、被控訴人表示に類似する原判決別紙被告商品等表示目録記載2の表示(以下「控訴人表示2」という。)をアトラクション用ロボットキャラクターに使用し、同記載3の表示(以下「控訴人表示3」といい、控訴人表示1 から3までを併せて「各控訴人表示」という。)をシミュレーションゲームに使 用して(不正競争防止法2条1項2号)、又は、更に被控訴人の商品又は営業と混同を生じさせて(同項1号)、被控訴人の営業上の利益を侵害し又は法律上の原 という。)をシミュレーションゲームに使 用して(不正競争防止法2条1項2号)、又は、更に被控訴人の商品又は営業と混同を生じさせて(同項1号)、被控訴人の営業上の利益を侵害し又は法律上の原因なく利得し、被控訴人はこれによって損害又は損失を受けたと主張して、控訴人タグチ工業に対し、各差止請求権(同法3条1項)に基づき、上記のキャラクターにおける控訴人表示2の使用及び上記のゲームにおける控訴人表示3 の使用の停止を求める(原判決「事実及び理由」第1の6)とともに、主位的に不法行為による損害賠償請求権(同法4条、民法709条)に基づき、6175万円及び各内金に対する旧民法所定の年5分の割合又は民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求め(原判決「事実及び理由」第1の7(1))、予備的に不当利得返還請求権(民法703条、704条)及び不法行為による損 害賠償請求権に基づき、6115万円及び各内金に対する旧民法所定の年5分の割合による利息又は同割合若しくは民法所定の年3分の割合による遅延損害金の支払を求める(原判決「事実及び理由」第1の7(2))事案である。 原審が、①控訴人らに、控訴人表示1を付したTシャツ、マスキングテープ、時計、フィギュア、タオル、グローブ、キャップ及びパーカーの譲渡、引渡し、 貸渡し、輸入又は譲渡若しくは引渡しのための展示の差止め、②控訴人タグチ工業に、控訴人表示1を付したフィギュアの廃棄、③控訴人タグチ工業に、49万5869円及びこれに対する遅延損害金の支払、④控訴人タグチアシストに、55万7091円及びこれに対する遅延損害金の支払、⑤控訴人らに、連帯して1万2188円及びこれに対する遅延損害金の支払、⑥被控訴人タグチ 工業に、アトラクション用ロボットキャラクターへの控訴人表示 7091円及びこれに対する遅延損害金の支払、⑤控訴人らに、連帯して1万2188円及びこれに対する遅延損害金の支払、⑥被控訴人タグチ 工業に、アトラクション用ロボットキャラクターへの控訴人表示2の使用の差止め、⑦控訴人タグチ工業に、シミュレーションゲームへの控訴人表示3の使用の差止め、⑧控訴人タグチ工業に、973万円及びこれに対する遅延損害金ないし利息の支払を命ずる判決をしたところ、控訴人らがその取消しと被控訴人の請求をいずれも棄却することを求めて本件控訴を提起した。 2 前提事実並びに争点及び争点に関する当事者の主張は、次のとおり補正し、 後記3のとおり当審における控訴人らの主な補充主張を付加するほかは、原判決の「事実及び理由」中、第2の1及び2(原判決5頁15行目ないし32頁3行目)に記載のとおりであるから、これを引用する。 (1) 原判決6頁16行目の「使用している」の次に「とする」を加え、同頁25行目ないし同頁26行目及び同7頁7行目の各「記載の各個数」の次にそれぞ れ「(なお、括弧内は内数であり、いずれも、控訴人タグチ工業から控訴人らの関連会社である株式会社田口クリエイト(以下「田口クリエイト」という。)を経て控訴人タグチアシストに無償譲渡された個数である。)」を加える。 (2) 同7頁8行目の「の各額」の次に「(「売上高」欄の括弧内は、いずれも、控訴人タグチ工業から田口クリエイトを経て控訴人タグチアシストに無償譲渡 されたことに係る無償提供分の損害として被控訴人が主張する額である。)」を加え、同頁11行目文頭から同頁14行目末尾までを削る。 (3) 同8頁23行目の「21日」を「22日」と改め、同9頁4行目文頭から同頁5行目末尾までを次のとおり改める。 「た(同裁判所平成29年(行ケ 頁11行目文頭から同頁14行目末尾までを削る。 (3) 同8頁23行目の「21日」を「22日」と改め、同9頁4行目文頭から同頁5行目末尾までを次のとおり改める。 「た(同裁判所平成29年(行ケ)第10214号)。 控訴人タグチ工業は、平成30年7月25日、控訴人商標1と同一の商標につき、指定商品を後記分割後の商標登録第5490432号の2と同一の「第7類パワーショベル用の破砕機・切断機・掴み機・穿孔機等のアタッチメント」とする出願を行い、平成31年4月3日に登録査定を受け、令和元年5月10日、設定登録を受けた(登録第6143667号。以下「本件 商標権3」という。)。 令和元年6月14日、前記知的財産高等裁判所の判決は確定した。(甲1、151)」(4) 同9頁19行目の「ついて、」の次に「控訴人商標1は、被控訴人の業務に係る商品との間で出所の混同のおそれがあるとし、同商標権の分割の効果は登 録の時点から将来に向かって生じるから、審決の判断の当否に影響することは なく、商標権の分割の効果を主張して審決の取消しを求めることは手続上の信義則に反し又は権利を濫用するものとして許されないとして、」を加え、同頁22行目の「36号)」の次に「が、不受理決定がされ同判決は確定した」を加え、同10頁22行目の「26日」を「23日」と改め、同頁24行目の「いること、」の次に「これら各控訴人表示の使用の中止及び控訴人商標権2のほ か控訴人タグチ工業の有する3件の商標権(商標登録第6143667号(本件商標権3)、同第5661900号及び同第6143668号)の放棄を求め、」を加え、同頁26行目の「送付し」の次に「、同月26日に控訴人タグチ工業に到達し」を加える。 (5) 同10頁20行目の末尾の次を改行して以 61900号及び同第6143668号)の放棄を求め、」を加え、同頁26行目の「送付し」の次に「、同月26日に控訴人タグチ工業に到達し」を加える。 (5) 同10頁20行目の末尾の次を改行して以下のとおり加える。 「ウ本件商標権3に係る商標につき、令和元年11月6日、被控訴人は、特許庁に無効審判請求をし(無効2019-890064号)、令和4年3月31日、同商標の登録を無効とする審決がされた。これにつき、控訴人タグチ工業は、審決取消訴訟を提起した。(甲232、弁論の全趣旨)」(6) 同11頁5行目の「工業は、」の次に「令和3年7月8日の第9回弁論準備 手続期日において陳述された」を、同頁8行目及び同頁12行目の末尾の次にそれぞれ「(当裁判所に顕著な事実)」を、同頁13行目の「工業は、」の次に「令和3年12月7日の第13回弁論準備手続期日において陳述された」をそれぞれ加え、同頁19行目の「本項につき、」を削り、同12頁8行目及び同頁12行目の各「不競法」をいずれも「不正競争防止法」と改める。 (7) 同19頁7行目の「商品」の次に「(別紙控訴人行為1一覧のうち括弧内に表記したもの)」を加え、同頁26行目の「(別紙」から同20頁1行目の「もの)」まで及び同21頁15行目から同頁17行目までをそれぞれ削除する。 (8) 同22頁4行目の「SUPERGODZILLA」の次に「(被控訴人は「GODZILLA」を含む語として「SUPERGODZILLA」(平成5年発売のゲーム「超ゴジラ」) を使用している。)」を加える。 3 当審における控訴人らの主な補充主張(1) 争点①(被控訴人が被控訴人表示を商品等表示として使用しているか。)及び争点②(被控訴人表示が著名であり(不正競争防止法2条1項 加える。 3 当審における控訴人らの主な補充主張(1) 争点①(被控訴人が被控訴人表示を商品等表示として使用しているか。)及び争点②(被控訴人表示が著名であり(不正競争防止法2条1項2号、又は、需要者の間に広く認識されている(同項1号)か。)についてア原判決は、被控訴人表示は、平成6年9月より前から現在に至るまで、被 控訴人の著名な商品等表示として使用されていると認めたが、怪獣「ゴジラ」及びその名称が著名であったとしても、8文字の欧文字のみから成り、実際に被控訴人が使用している書体は様々である被控訴人表示が、取引者・需要者に対して出所表示機能を奏すべき商品等表示として著名性を有することを意味しない。 被控訴人表示は、時計の文字盤のデザイン(甲9)、Tシャツのデザイン(甲10、15)、マスキングテープのデザイン(甲13)、「TOPLEAGUE×GODZILLA」としてニット帽のデザイン(甲14)、電話ケースやマウスパッドのデザイン(甲16、17)、シートベルトのデザイン(甲18)、マグカップや水筒のデザイン(甲19、20)、パーカーの デザイン(甲21)として、いずれも怪獣「ゴジラ」の図柄や、「ゴジラ」なるカタカナ文字とともに使用されており、怪獣「ゴジラ」のキャラクターを意味するものとして使用されているのであって、「GODZILLA」という8文字の欧文字のみから成る被控訴人表示が、特定の出所を表示する商品等表示として使用されているわけではない。 また、甲91はラジオコントロール玩具であるところ、欧文字「GODZILLA」は、「ゴジラ」という架空の怪獣の肖像やその名称(固有名詞)である「ゴジラ」という片仮名文字が併せて表示されているものであり、甲92は「続・怪獣玩具ゴジラTOY 博物館」 文字「GODZILLA」は、「ゴジラ」という架空の怪獣の肖像やその名称(固有名詞)である「ゴジラ」という片仮名文字が併せて表示されているものであり、甲92は「続・怪獣玩具ゴジラTOY 博物館」という書籍であるところ、商品名とともに怪獣「ゴジラ」の肖像が表示されており、同書籍中電動プラモデ ル(甲92の57頁~59頁)における欧文字「GODZILLA」の使用 は、「ゴジラ」という架空の怪獣の肖像(写真・図柄を含む。)やその名称(固有名詞)である「ゴジラ」という片仮名文字が併せて表示されているものであって、いずれも著作物である「ゴジラ」という架空の怪獣のキャラクターが有する顧客吸引力を利用する商品において、キャラクターの名称(固有名詞)を指すものとしての使用であって、商品等表示としての使用ではな い。さらに、甲49、54~57、59~72、134~136のゲームについても、いずれも著作物である「ゴジラ」という架空の怪獣のキャラクターが有する顧客吸引力を利用するキャラクター商品において、キャラクターの名称(固有名詞)を指すものとしての使用であって、商品等表示としての使用ではない。 また、原判決は、被控訴人は、怪獣「ゴジラ」等について著作権等を有するなどとして、怪獣「ゴジラ」に関する名称、形状等に関し使用を許諾したことがあり、これらの例においては、許諾の対象に被控訴人表示の使用も含まれており、一部の商品等には被控訴人表示が実際に使用され、この一部では、被控訴人表示が主に使用され、また、使用に当たっては、原則として、 被控訴人が権利を有することや、被控訴人の商号等を表示しなければならない旨が定められていたとするが、原判決が引用する甲12、21、139、140、142、143、146、182、183、185 被控訴人が権利を有することや、被控訴人の商号等を表示しなければならない旨が定められていたとするが、原判決が引用する甲12、21、139、140、142、143、146、182、183、185、199、200、204~223、227、228に係る契約は、専ら怪獣「ゴジラ」というキャラクターの商品化許諾契約であり、許諾の対象に欧文字から成る被 控訴人表示の使用が含まれているといっても、怪獣「ゴジラ」というキャラクターの名称としての使用が許諾されているにすぎない。 イ原判決は、被控訴人表示は、平成6年9月より前に、怪獣「ゴジラ」や「ゴジラ」シリーズの映画自体を意味するだけでなく、被控訴人の商品、営業を表示するものとなり、その後も現在に至るまで、被控訴人の商品、営業を表 示するものであると認められると判断したが、原判決の認定は、被控訴人表 示が怪獣「ゴジラ」のキャラクター商品において使用されることがあったことを示すものであるものの、そのような使用がなされたのは、被控訴人表示が怪獣「ゴジラ」の名称であることから、商品の内容(怪獣「ゴジラ」のキャラクター商品であること)を示すために使用されたものであって、怪獣「ゴジラ」のキャラクター(著作物)や怪獣「ゴジラ」のキャラクターが有する 顧客吸引力を利用していることを意味しているにすぎず、商品等表示としては被許諾者独自のブランドが付されており、被控訴人表示が当該商品について自他商品識別力を発揮しているものではないので、被控訴人表示は、販売等される商品の出所を識別させる商品等表示として使用されたものではない。 したがって、被控訴人表示をもって、被控訴人の商品、営業を表示するものと認められるとした原判決の判断は誤っている。 ウ不正競争防止法2条1項2号にいう著 として使用されたものではない。 したがって、被控訴人表示をもって、被控訴人の商品、営業を表示するものと認められるとした原判決の判断は誤っている。 ウ不正競争防止法2条1項2号にいう著名性を獲得するための要件については、一般需要者又は取引者の間で全国的に広く知られていること(地域的範囲)だけでなく、2号が広義の混同すら生じなくとも、フリーライド、ダイ リューション及びポリューションから商品等表示を保護するというのであるから、周知の商品等表示の中でも特にその表示主体の営業努力などによって高い信用・名声・評価(優れたブランド力)を獲得したものでなければならず、その判断手法は、周知性と同様であるが、その程度は周知性よりも高度なものが要求される。 この点、原判決は、怪獣「ゴジラ」のキャラクターとは区別された8文字の欧文字のみから成り、実際に被控訴人が使用している書体は様々である被控訴人表示自体について、全国的に広く知られている商品等表示であることや、高い名声、信用及び評価(優れたブランド力)を獲得したものであることを具体的に認定することなく、被控訴人表示が著名であると判断しており、 その判断は誤っている。 被控訴人から許諾を受けた多数の者が製造、販売する商品等であるとされる甲8ないし21記載の商品についても、その販売地域、販売時期、売上額等を示す客観的な証拠も全く提出されておらず、また、怪獣「ゴジラ」というキャラクターの形状及び名称を対象とする商品化契約書ではなく、「GODZILLA」という欧文字のみから成る被控訴人表示のみを商品等表示と して許諾対象とする「特定の表示に関する商品化契約」であることを示す契約書もない状況においては、被控訴人表示が被控訴人の商品等表示としてどの程度認識されてい 成る被控訴人表示のみを商品等表示と して許諾対象とする「特定の表示に関する商品化契約」であることを示す契約書もない状況においては、被控訴人表示が被控訴人の商品等表示としてどの程度認識されているかを示す事情を認定することは困難であり、被控訴人の商品等表示として著名又は周知であると認めることはできない。 (2) 争点③(控訴人らが被控訴人表示と類似の控訴人表示1を商品等表示として 使用した商品を譲渡等するなどし(不正競争防止法2条1項2号)、又は、控訴人表示1を使用した商品を譲渡等するなどして被控訴人の商品又は営業と混同を生じさせて(同項1号)、被控訴人の営業上の利益を侵害したか。)についてア原判決は、取引の実情のもとにおいて、取引者、需要者は、被控訴人表示 と称呼及び外観において類似する部分がある控訴人表示1から著名な被控訴人表示を容易に想起するものといえ、両表示は全体的に類似のものと認められると判断した。しかし、不正競争防止法2条1項2号における類似性の判断基準も、同項1号におけるそれと基本的には同様であるが、両規定の趣旨に鑑み、同項1号においては、混同が発生する可能性があるのか否かが 重視されるべきであるのに対し、同項2号にあっては、その保護目的が、フリーライドやダイリューション、ポリューションの防止にあることから、類似性については、著名な商品等表示とそれを有する著名な事業主との一対一の対応関係を崩し、稀釈化を引き起こすような程度に類似しているような表示か否か、すなわち、容易に著名な商品等表示を想起させるほど類似し ているような表示か否かを検討すべきである。 そして、複数の商品等表示における類似性を判断するに当たっては、それらの表示に含まれる各部分を総合考慮し、共通点から生じる印象 類似し ているような表示か否かを検討すべきである。 そして、複数の商品等表示における類似性を判断するに当たっては、それらの表示に含まれる各部分を総合考慮し、共通点から生じる印象の強さと相違点から生じる印象の強さを比較衡量して、需要者又は取引者において両表示が類似するものと受け取られるおそれがあるか否かを検討すべきである。全体的印象も含めて総合的に判断する全体観察、取引者・需要者に対 して働きかける力の強い部分に重点を置いて判断する要部観察をすることが求められる。 イ原判決は、「取引者、需要者は、被控訴人表示と称呼及び外観において類似する部分がある控訴人表示1から著名な被控訴人表示を容易に想起するものといえ、両表示は全体的に類似のものと認められる」と判断している が、実際に被控訴人が使用している書体は様々であり、仮に被控訴人表示と控訴人表示1が外観上又は称呼上類似するとしても、特定の観念を生じない欧文字のみから成る控訴人表示1から、著名な怪獣「ゴジラ」の観念が生じる被控訴人表示を容易に想起することはなく、原判決が認定するように、怪獣「ゴジラ」に関連する映画が被控訴人を代表する作品の一つであり、平 成7年以降、怪獣「ゴジラ」を被控訴人の商品又は営業を象徴するものとして扱ってきたと認められるとすれば、著名な怪獣「ゴジラ」の観念が生じる被控訴人表示とそれを有する控訴人との一対一の対応関係を崩し、稀釈化を引き起こすような程度に類似しているとはいえず、控訴人表示1を被控訴人表示と類似する商品等表示と解することはできない。なお、キャラクタ ーが著名であればあるほど、そのイメージ(外観や姿態、動き、声、性格など)は確固たるものとして確立し、外縁が明確になるので、当該キャラクターを想起させない表示とは区 きない。なお、キャラクタ ーが著名であればあるほど、そのイメージ(外観や姿態、動き、声、性格など)は確固たるものとして確立し、外縁が明確になるので、当該キャラクターを想起させない表示とは区別しやすいものであり、著名な商品等表示とそれを有する著名な事業主との一対一の対応関係を崩し、稀釈化を引き起こすこともない。 ウ控訴人らは、控訴人タグチ工業の社員や関係事業者、販売代理店、製品 を購入したユーザー、建機マニア等に対して、各控訴人商品をノベルティとして無償配布したり、実費程度で販売したりしていたものであり、控訴人表示1は、出所を識別する機能を発揮しておらず、商品等表示性を有するものではなく、また、被控訴人表示にフリーライドしたり、被控訴人表示を稀釈化したりするものではない。 そして、原判決も、控訴人タグチ工業は、平成6年9月頃から、主力商品である「ガジラ」シリーズと称する控訴人アタッチメントに控訴人表示1を使用して取引を行っており、テレビ番組、「働くクルマ」と題する図鑑、専門誌、地域情報誌、少年誌、成人誌などで控訴人表示1を使用した機体の写真、映像等と共に紹介されたり、公益財団法人日本デザイン振興会からグッ ドフォーカス賞を授与されたり、地方新聞である「山陽新聞」にも控訴人表示1を使用した控訴人アタッチメントの広告を掲載したり、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究開発事業に参画し、その取組が科学専門誌「nature」に控訴人表示1を使用した控訴人アタッチメントの写真とともに紹介されたほか、経済誌に取り上げられるなど、控訴人表示1 の使用につき独自の信用を形成しているものである。 以上述べたことから明らかなとおり、仮に被控訴人表示と控訴人表示1が外観上又は称呼上類似すると か、経済誌に取り上げられるなど、控訴人表示1 の使用につき独自の信用を形成しているものである。 以上述べたことから明らかなとおり、仮に被控訴人表示と控訴人表示1が外観上又は称呼上類似するとしても、控訴人表示1は、フリーライド、ダイリューション、ポリューションがなく、被控訴人表示と被控訴人との一対一の対応関係を崩し、稀釈化を引き起こすような程度に類似しているもの ではない。 また、原判決が認定するように、怪獣「ゴジラ」に関連する映画が被控訴人を代表する作品の一つであり、平成7年以降、怪獣「ゴジラ」を被控訴人の商品又は営業を象徴するものとして扱ってきたと認められるとすれば、仮に被控訴人表示と控訴人表示1が外観上又は称呼上類似するとしても、 各控訴人商品は、人形等玩具、衣料品、文房具、食料品、雑貨等の商品であ るものの、著名な怪獣「ゴジラ」を想起させるキャラクター商品ではなく、特定の観念を生じない控訴人表示1が、著名な怪獣「ゴジラ」の観念が生じる被控訴人表示とそれを有する被控訴人との一対一の対応関係を崩し、稀釈化を引き起こすような程度に類似しているとはいえず、控訴人表示1を被控訴人表示と類似する商品等表示と解することはできない。 したがって、控訴人表示1と被控訴人表示とは、観念において、相紛れるおそれがないうえ、控訴人表示1の指定商品と被控訴人が被控訴人表示の使用を許諾した一般消費者向けの商品(人形等玩具、衣料品、文房具、食料品、雑貨等)が、その性質、用途又は目的において関連性を有するものではなく、その取引者及び需要者も異なるにもかかわらず、称呼及び外観におい ても相紛らわしいことを理由に、控訴人表示1と被控訴人表示とは、類似性が高い商品等表示ということができると認めた原判決の判断は誤っており 及び需要者も異なるにもかかわらず、称呼及び外観におい ても相紛らわしいことを理由に、控訴人表示1と被控訴人表示とは、類似性が高い商品等表示ということができると認めた原判決の判断は誤っており、その判断の誤りは原判決の結論に影響を及ぼすものである。 エ原判決は、控訴人行為1は、被控訴人表示の有する顧客吸引力を利用し、被控訴人表示の稀釈化を生じさせ得るものであるので、控訴人らは、被控訴 人の営業上の利益を侵害したものと認められると判断した。 しかし、被控訴人表示が顧客吸引力を有するのは、著名な怪獣「ゴジラ」の名称であり、その観念を生じるからであって、特定の観念を生じない欧文字のみから成る控訴人表示1から、著名な怪獣「ゴジラ」の観念が生じる被控訴人表示を容易に想起することはない。控訴人行為1は、被控訴人表示の 有する顧客吸引力を利用するものではなく、被控訴人表示の稀釈化を生じさせ得るものではなく、原判決の判断は誤りである。 したがって、控訴人行為1は、被控訴人の営業上の利益を侵害するものではない。 なお、不正競争防止法2条1項1号の適用についても、控訴人行為1は、 被控訴人表示の有する顧客吸引力を利用するものではなく、被控訴人表示 との混同を生じさせ得るものではなく、被控訴人の営業上の利益を侵害したものと認めることはできない。 オ控訴人表示1が使用された控訴人商品が一般消費者向けにも広く販売、頒布されていたとしても、控訴人タグチ工業の行為としては、ほとんどは関連会社である控訴人タグチアシストへの販売、社内販売、社内使用、無償譲渡 であり、第三者に対する社外販売は微々たるものである。控訴人タグチアシストの行為としても、大部分は関連会社への販売、社内販売、社内使用であり、一般消費者に対するネット販 売、社内使用、無償譲渡 であり、第三者に対する社外販売は微々たるものである。控訴人タグチアシストの行為としても、大部分は関連会社への販売、社内販売、社内使用であり、一般消費者に対するネット販売はほんの僅かである。そして、各控訴人商品は、原判決42頁15行目ないし16行目のとおり、控訴人ら及びその関連会社並びに控訴人アタッチメントの宣伝広告のため販売等されていた ものである。 つまり、各控訴人商品は、控訴人らや控訴人アタッチメントと繋がりを持ちつつ販売等されていたのであり、控訴人表示1から被控訴人表示を想起し、思い浮かべるとしても、各控訴人商品の需要者は、控訴人らや控訴人アタッチメントとの繋がりを意識しているため、控訴人表示1により識別さ れる出所と被控訴人表示により識別される出所が無関係の別系統のものであることを十分に認識するはずであり、被控訴人表示の有する顧客吸引力の利用、被控訴人表示の稀釈化という結果の発生は考えられないものである。 一般人が展示会等に参加したり、インターネット上のウェブサイトを閲 覧することに関しても同様であり、展示会等は、控訴人タグチ工業及び控訴人アタッチメントの宣伝広告のために催されたもので、インターネット上のウェブサイトに掲載されている動画等も、控訴人キャラクターや控訴人ゲームの広告用動画等である。そのため、展示会等に参加したり、インターネット上のウェブサイトを閲覧する一般人は、広告目的の存在を認知し、控 訴人らとの繋がりを意識したうえで、各控訴人表示を見ることになるので あるから、同様に、各控訴人表示により識別される出所と被控訴人表示により識別される出所が無関係の別系統のものであることを十分に認識するはずである。被控訴人表示の有する顧客吸引力の利用、被控訴人表 あるから、同様に、各控訴人表示により識別される出所と被控訴人表示により識別される出所が無関係の別系統のものであることを十分に認識するはずである。被控訴人表示の有する顧客吸引力の利用、被控訴人表示の稀釈化という結果の発生は考えられない。 以上のとおり、各控訴人表示の使用態様も考慮すれば、不正競争防止法2 条1項2号が防止しようとする稀釈化等が生じることはない。そのため、控訴人らの行為を規制しても、公正な競争の維持・発展に役立つことは何もない。反対に、その規制は言葉としての被控訴人表示の独占を容認することに等しいから、被控訴人の同号に基づく差止請求及び損害賠償請求は認められない。 (3) 争点④(控訴人表示1の使用が登録商標の使用として許されるか。)について原判決は、控訴人商標2は、欧文字の「GUZZILLA」と片仮名の「ガジラ」を上下二段に並べて表記して成るものであるところ、欧文字の「GUZZILLA」のみから成る控訴人表示1の使用は、控訴人商標2の使用である とは認められないとし、控訴人らによる控訴人表示1の使用は登録商標である控訴人商標2の使用であるとはいえないと判断した。 しかし、登録商標と完全に同一でなくとも、登録商標と同一性のある商標(社会通念上同一とみられる商標)も専用権の範囲に含まれるところ、「GUZZILLA」の欧文字とそれよりやや小さな文字で「ガジラ」の片仮名文字 を上下2段書した控訴人商標と、欧文字「GUZZILLA」のみから成る控訴人表示1は、少なくとも社会通念上同一とみられる商標である。なお、商標法38条5項は、登録商標について、「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであつて同一の称呼及び観念を生ずる商標、外 。なお、商標法38条5項は、登録商標について、「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであつて同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形から なる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)」 と規定している。 しかるところ、商標法46条の2第1項本文は、「商標登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、商標権は、初めから存在しなかつたものとみなす。」と規定し、遡及効を認めているが、控訴人タグチ工業が控訴人商標2に係る商標権を放棄しなければ、当該商標権に係る商標登録を無効にすべき旨の 審決が確定するまでの間、当該商標権は有効に存在したものであり、控訴人らが当該商標権に係る登録商標に瑕疵があることについて正確な判断をすることは困難であって、過失はなかったというべきであり、原判決の判断は誤っている。 (4) 争点⑥(控訴人らに控訴人表示1の使用につき故意又は過失があるか。)に ついて原判決は、著名な被控訴人表示と類似の控訴人表示1を商品等表示として使用した各控訴人商品を譲渡して(不正競争防止法2条1項2号)、被控訴人の営業上の利益を侵害したものであり、被控訴人表示が著名であったことに鑑みれば、控訴人らには、控訴人表示1の使用につき故意があったものと認めら れると判断している。 しかしながら、被控訴人表示が著名な商品等表示に該当するか否かはともかく、控訴人タグチ工業は、欧文字の「GUZZILLA」と片仮名の「ガジラ」を上下二段に並べて表記して成る控訴人商標2について商標登録を受けていたものであり、しかも、特定の観念を生じない欧文字「GUZZILLA」 のみから成る控訴人表示から、著名な怪獣 の「ガジラ」を上下二段に並べて表記して成る控訴人商標2について商標登録を受けていたものであり、しかも、特定の観念を生じない欧文字「GUZZILLA」 のみから成る控訴人表示から、著名な怪獣「ゴジラ」の観念が生じる被控訴人表示を容易に想起することはなく、控訴人らには、控訴人表示1の使用が不正競争防止法2条1項2号に該当するとの認識はなかったものであり、原判決の判断は誤っている。 なお、不正競争防止法2条1項1号の適用についても、控訴人らには、控訴 人表示1の使用が不正競争防止法2条1項1号に該当するとの認識はなかっ たものであり、控訴人らに、控訴人表示1の使用につき故意があったものとは認められない。 (5) 争点⑦(被控訴人が控訴人表示1の使用に係る不正競争により被った損害及び額)についてア控訴人タグチ工業による行為に係る損害額について (ア) 損害不発生の抗弁原判決は、控訴人行為1一覧記載1の「関連会社」欄、同「社内販売」欄及び同「社内使用」欄各記載の譲渡等について、各控訴人商品は、控訴人ら及びその関連会社並びに控訴人アタッチメントの宣伝広告のために販売等されていたものであり、従業員に対して無償で譲渡等された場 合であっても、これらの譲渡等は、各控訴人商品を関連会社や従業員に使用させることにより、上記の控訴人ら等の宣伝広告という目的を達しようとする面を有し、同「無償譲渡」欄記載の譲渡等は、従業員、その家族、取引先、職場見学に訪れた中学生、就職活動者、地方公共団体の職員、報道関係者、一般の者に対し、景品、記念品等として、無償でされたもので あるが、専ら控訴人ら等の宣伝広告のためにされたものであり、控訴人行為1①は、そもそも一般消費者をも需要者として行われており、控訴人行為 の者に対し、景品、記念品等として、無償でされたもので あるが、専ら控訴人ら等の宣伝広告のためにされたものであり、控訴人行為1①は、そもそも一般消費者をも需要者として行われており、控訴人行為1①は、著名な被控訴人表示の有する顧客吸引力を利用し、また、被控訴人表示の価値の稀釈化を生じさせ得るものであって、控訴人行為1①における控訴人表示1の使用により、被控訴人の商品等表示の使用に対し受 けるべき金銭の額に相当する額の損害(不正競争防止法5条3項1号)が発生するものと認められると判断した。 このうち、控訴人行為1①(特に「社内販売」欄、「社内使用」欄及び「無償譲渡」欄各記載の譲渡等)について、控訴人表示1は出所表示機能を奏しておらず、また、不正競争防止法2条1項2号が「自己の商 品等表示として他人の著名な商品等表示と同一若しくは類似のものを使 用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供する行為」をもって不正競争行為と規定していることからして、商品等表示性が問題となるのは、商品等表示を付した商品等を譲渡する行為の際のことであるところ、原判決がいう控訴人ら等の宣伝広告は、各控 訴人商品を譲渡等する行為がなされた後の問題であり、これをもって不正競争防止法5条3項1号に規定する損害とする原判決の解釈は誤りである。 また、特にノベルティを含め無償提供した商品については、各控訴人商品に付された控訴人表示1が出所表示機能や顧客吸引力・広告宣伝力を奏 するものではなく、「事業者間の公正な競争」の場とは関係がない、一つの企業内部又はグループ内部で控訴人商品がやり取りされているにすぎず、控訴人表示1を使用すること 顧客吸引力・広告宣伝力を奏 するものではなく、「事業者間の公正な競争」の場とは関係がない、一つの企業内部又はグループ内部で控訴人商品がやり取りされているにすぎず、控訴人表示1を使用することが顧客の商品選択に貢献するものではなく、各控訴人商品の売上げに寄与していないから、不正競争防止法違反を理由とした損害が被控訴人に生じることはなく、この点においても原判決 の判断は誤りである。 (イ) 損害額算定の基礎となる料率原判決は、映画系のキャラクターの使用料率は平均5.286%であるとされているところ、被控訴人表示は著名であり、長年にわたり、被控訴人が権利を与えた多数の者により被控訴人表示を使用した商品等が多数 販売等されてきたことに照らせば、被控訴人表示は相当高い顧客吸引力を有していたものと認められ、各控訴人商品の譲渡等の態様にかかわらず、被控訴人表示と類似の控訴人表示1の使用は相応に控訴人らの営業に貢献したものと認められるとし、控訴人行為1①について、被控訴人が被控訴人表示の使用に対し受けるべき金銭の額に相当する額の損害(不正競争 防止法5条3項1号)として、各控訴人商品の価格等の10%相当額に譲 渡個数を乗じた額(又は売上げの10%相当額)が認められるのは相当であると判断した。 しかし、被控訴人が締結した実際の許諾契約が著名な怪獣「ゴジラ」というキャラクターの商品化契約であることからも明らかなとおり、被控訴人表示が顧客吸引力を有するように見えるとしても、それは著名な怪獣 「ゴジラ」というキャラクターが有する顧客吸引力であって、「GODZILLA」という8文字の欧文字によるものではない。また、控訴人表示1の使用が控訴人らの営業に貢献したものではないことは、その譲渡個数又は売上額から明らかであ が有する顧客吸引力であって、「GODZILLA」という8文字の欧文字によるものではない。また、控訴人表示1の使用が控訴人らの営業に貢献したものではないことは、その譲渡個数又は売上額から明らかである。 したがって、被控訴人が被控訴人表示の使用に対し受けるべき金銭の額 に相当する額の損害として、損害額算定の基礎となる料率を10%とした原判決の判断は誤りである。 イ控訴人タグチアシストによる行為に係る損害額について(ア) 損害不発生の抗弁控訴人タグチアシストに係る控訴人行為1②(特に、「社内販売」欄 記載の譲渡等、「社内使用」欄記載の譲渡等及び「無償譲渡」欄記載の譲渡等)について、控訴人表示1は出所表示機能を奏しておらず、また、不正競争防止法2条1項2号が「自己の商品等表示として他人の著名な商品等表示と同一若しくは類似のものを使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出 し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供する行為」が不正競争行為と規定していることからして、商品等表示性が問題となるのは、商品等表示を付した商品等の譲渡の際のことであるところ、原判決がいう控訴人ら等の宣伝広告は、各控訴人商品の譲渡等がなされた後の問題であり、これをもって不正競争防止法5条3項1号に規定する損害とする原判決の 解釈は誤りである。 (イ) 損害額算定の基礎となる料率控訴人タグチ工業による行為に係る損害額について述べたとおり、被控訴人表示が顧客吸引力を有するように見えるとしても、それは著名な怪獣「ゴジラ」というキャラクターが有する顧客吸引力であって、「GODZILLA」という8文字の欧文字によるものではない。また、控訴人表示 1の使用が控訴人 るように見えるとしても、それは著名な怪獣「ゴジラ」というキャラクターが有する顧客吸引力であって、「GODZILLA」という8文字の欧文字によるものではない。また、控訴人表示 1の使用が控訴人らの営業に貢献したものではないことは、その譲渡個数又は売上額から明らかである。 したがって、被控訴人が被控訴人表示の使用に対し受けるべき金銭の額に相当する額の損害(不正競争防止法5条3項1号)として、損害額算定の基礎となる料率を10%とした原判決の判断は誤っている。不正競争防 止法2条1項1号の適用について、控訴人タグチ工業に係る主張と同様である。 (6) 争点⑧(控訴人タグチ工業が被控訴人表示と類似の控訴人表示2を商品等表示として使用して被控訴人の営業上の利益を侵害したか。)及び争点⑨(控訴人タグチ工業が被控訴人表示と類似の控訴人表示3を商品等表示として使用 して被控訴人の営業上の利益を侵害したか。)についてア類似性の判断基準原判決は、取引者、需要者は、被控訴人表示と称呼及び外観において類似する部分がある控訴人表示2、3から著名な被控訴人表示を容易に想起するものといえ、被控訴人表示と控訴人表示2、3は全体的に類似のものと認め られると判断した。 しかし、控訴人表示1と同様に、仮に被控訴人表示と控訴人表示2、3が外観上又は称呼上類似するとしても、特定の観念を生じない欧文字のみから成る控訴人表示から、著名な怪獣「ゴジラ」の観念が生じる被控訴人表示を容易に想起することはなく、原判決が認定するように、怪獣「ゴジラ」に関 連する映画が被控訴人を代表する作品の一つであり、平成7年以降、怪獣「ゴ ジラ」を被控訴人の商品又は営業を象徴するものとして扱ってきたと認められるとすれば、著名な怪獣「ゴジラ」の観念が生 連する映画が被控訴人を代表する作品の一つであり、平成7年以降、怪獣「ゴ ジラ」を被控訴人の商品又は営業を象徴するものとして扱ってきたと認められるとすれば、著名な怪獣「ゴジラ」の観念が生じる被控訴人表示とそれを有する被控訴人との一対一の対応関係を崩し、稀釈化を引き起こすような程度に類似しているとはいえず、控訴人表示2、3は被控訴人表示と類似する商品等表示と解することはできない。なお、キャラクターが著名であればあ るほど、そのイメージ(外観や姿態、動き、声、性格など)は確固たるものとして確立し、外縁が明確になるので、当該キャラクターを想起させない表示とは区別しやすいものであり、著名な商品等表示とそれを有する著名な事業主との一対一の対応関係を崩し、稀釈化を引き起こすこともない。 また、控訴人キャラクターや控訴人ゲームを利用したり、これらに関心を 有するイベント参加者等は、控訴人キャラクターや控訴人ゲームの出所如何に関係なく、控訴人キャラクターの外観、動き、控訴人ゲームの操縦性に注目して、控訴人キャラクターや控訴人ゲームを利用したり、イベントに来場したりしていたものであり、控訴人表示2や控訴人表示3は、出所を識別する機能を発揮しておらず、商品等表示性を有するものではなく、また、被控 訴人表示にフリーライドしたり、被控訴人表示を稀釈化したりするものではない。 そして、原判決も認定しているとおり、控訴人タグチ工業は、平成6年9月頃から、主力商品である「ガジラ」シリーズと称する控訴人アタッチメントに控訴人表示1を使用して取引を行っており、テレビ番組、「働くクルマ」 と題する図鑑、専門誌、地域情報誌、少年誌、成人誌などで控訴人表示1を使用した機体の写真、映像等と共に紹介されたり、公益財団法人日本デザイン振興会か を行っており、テレビ番組、「働くクルマ」 と題する図鑑、専門誌、地域情報誌、少年誌、成人誌などで控訴人表示1を使用した機体の写真、映像等と共に紹介されたり、公益財団法人日本デザイン振興会からグッドフォーカス賞を授与されたり、地方新聞である「山陽新聞」にも控訴人表示1を使用した控訴人アタッチメントの広告を掲載したり、JAXAの研究開発事業に参画し、その取組が科学専門誌「nature」に控訴人 表示1を使用した控訴人アタッチメントの写真とともに紹介されたほか、経 済誌に取り上げられるなど、各控訴人表示の使用につき独自の信用を形成しているものである。 以上のとおり、仮に被控訴人表示と控訴人表示2、3が外観上又は称呼上類似するとしても、控訴人表示には、被控訴人表示へのフリーライドや、ダイリューション、ポリューションがなく、被控訴人表示と被控訴人との一対 一の対応関係を崩し、稀釈化を引き起こすような程度に類似しているものではない。 仮に被控訴人表示と控訴人表示2、3が外観上又は称呼上類似するとしても、各控訴人商品は、人形等玩具、衣料品、文房具、食料品、雑貨等の商品であるものの、著名な怪獣「ゴジラ」を想起させるキャラクター商品ではな く、控訴人ら及びその関連会社並びに控訴人アタッチメントの宣伝広告のために販売等されていたものであり、控訴人アタッチメント自体の取引者、需要者は専門的かつ特殊な者であり、特定の観念を生じない控訴人表示2,3が、著名な怪獣「ゴジラ」の観念が生じる被控訴人表示とそれを有する被控訴人との一対一の対応関係を崩し、稀釈化を引き起こすような程度に類似し ているとはいえず、控訴人表示2,3を被控訴人表示と類似する商品等表示と解することはできない。 したがって、控訴人表示2,3と被控訴人表 対応関係を崩し、稀釈化を引き起こすような程度に類似し ているとはいえず、控訴人表示2,3を被控訴人表示と類似する商品等表示と解することはできない。 したがって、控訴人表示2,3と被控訴人表示とが、観念において、相紛れるおそれがないうえ、控訴人表示2,3の指定商品と被控訴人が被控訴人表示の使用を許諾した一般消費者向けの商品(人形等玩具、衣料品、文房具、 食料品、雑貨等)が、その性質、用途又は目的において関連性を有するものではなく、その取引者及び需要者も異なるにもかかわらず、称呼及び外観においても相紛らわしいことを理由に、控訴人表示2,3と被控訴人表示とは、類似性が高い商品等表示ということができると認めた原判決の判断は誤っており、その判断の誤りは原判決の結論に影響を及ぼすものである。 イ営業上の利益の侵害 原判決は、控訴人行為2、3は、被控訴人表示の有する顧客吸引力を利用し、被控訴人表示の稀釈化を生じさせ得るものであるので、控訴人らは、被控訴人の営業上の利益を侵害したものと認められると判断した。 しかし、前記のとおり、被控訴人表示が顧客吸引力を有するのは、著名な怪獣「ゴジラ」の名称であり、その観念を生じるからであって、特定の観念 を生じない欧文字のみから成る控訴人表示2,3から、著名な怪獣「ゴジラ」の観念が生じる被控訴人表示を容易に想起することはなく、また、控訴人キャラクターや控訴人ゲームを利用したり、これらに関心を有するイベント参加者等は、控訴人キャラクターや控訴人ゲームの出所如何に関係なく、控訴人キャラクターの外観、動き、控訴人ゲームの操縦性に注目して、控訴人キ ャラクターや控訴人ゲームを利用したり、イベントに来場したりしていたものであり、控訴人行為2、3は、被控訴人表示の有する顧客吸 ャラクターの外観、動き、控訴人ゲームの操縦性に注目して、控訴人キ ャラクターや控訴人ゲームを利用したり、イベントに来場したりしていたものであり、控訴人行為2、3は、被控訴人表示の有する顧客吸引力を利用するものではなく、被控訴人表示の稀釈化を生じさせ得るものでもなく、原判決の判断は誤りである。 なお、不正競争防止法2条1項1号の適用についても、控訴人行為2、3 は、被控訴人表示の有する顧客吸引力を利用するものではなく、被控訴人表示との混同を生じさせるものでもないから、被控訴人の営業上の利益を侵害したものと認めることはできない。 (7) 争点⑪(控訴人タグチ工業に控訴人表示2、3の使用につき故意又は過失があるか)について 原判決は、著名な被控訴人表示と類似の控訴人表示2、3を商品等表示として使用して(不正競争防止法2条1項2号)、被控訴人の営業上の利益を侵害したものであり、被控訴人表示が著名であったことに鑑みれば、控訴人らには、控訴人表示2、3の使用につき故意があったものと認められると判断した。 しかし、被控訴人表示が著名な商品等表示に該当するか否かはともかく、特 定の観念を生じない欧文字「GUZZILLA」のみが識別力を有する控訴人 表示2,3から、著名な怪獣「ゴジラ」の観念が生じる被控訴人表示を容易に想起することはなく、控訴人タグチ工業は、控訴人表示2、3の使用が不正競争防止法2条1項2号に該当するとの認識はなかったものであり、原判決の判断は誤っており、その判断の誤りは原判決の結論に影響を及ぼすものである。 なお、不正競争防止法2条1項1号の適用についても、控訴人タグチ工業に は、控訴人表示2、3の使用が不正競争防止法2条1項1号に該当するとの認識はなかったものであり、控訴人タグチ工業に、 る。 なお、不正競争防止法2条1項1号の適用についても、控訴人タグチ工業に は、控訴人表示2、3の使用が不正競争防止法2条1項1号に該当するとの認識はなかったものであり、控訴人タグチ工業に、控訴人表示2、3の使用につき故意があったものとは認められない。 (8) 争点⑫(控訴人表示2、3の使用に係る不正競争により被控訴人が被った損害及び額)について ア損害不発生の抗弁原判決は、控訴人表示2、3は、専ら控訴人タグチ工業等及び控訴人アタッチメントの宣伝広告のためにされていたのであるから、いずれの場合においても、著名な被控訴人表示の有する顧客吸引力を利用し、被控訴人表示の価値の稀釈化を生じさせ得るものであって、控訴人表示2、3の使用により、 被控訴人に商品等表示の使用に対し受けるべき金銭の額に相当する額の損害(不正競争防止法5条3項1号)が発生したと認められると判断した。 しかし、控訴人タグチ工業は、控訴人キャラクター、控訴人ゲームに控訴人表示2、3を使用して、自社製品を展示する展示会、自社店舗における展示会や業界向けの各種イベントで控訴人キャラクターを設置し、控訴人キャ ラクターを稼働させることがあったが、上記イベントの来場客は、欧文字のみから成る控訴人表示2、3に誘引されて来場するものではなく、控訴人表示2又は控訴人表示3を使用することによって、被控訴人に不正競争防止法5条3項1号所定の使用料相当額の損害が発生することはない。 控訴人行為2・3のうち、来場者が、 専門需要者に限られた業界向けのイ ベント等は、原判決別紙被告行為2・3一覧の来場対象者欄に「建機業界」 と記載したものであり、同来場対象者欄に「技術展示商談会」と記載したイベントは、出展企業に就職する可能性のある、高校生等も来場 は、原判決別紙被告行為2・3一覧の来場対象者欄に「建機業界」 と記載したものであり、同来場対象者欄に「技術展示商談会」と記載したイベントは、出展企業に就職する可能性のある、高校生等も来場することがあるものの、出展企業が自社の技術を展示し、事業者と商談を行うことを目的とする事業者向けのイベント等であって(乙133)、それらのイベント等について、控訴人表示2や控訴人表示3は専門需要者に対する顧客吸引力を 有しないので、控訴人表示2又は控訴人表示3を使用することによって、被控訴人に不正競争防止法5条3項1号所定の使用料相当額の損害が発生することはない。 イ損害額の算定原判決は、控訴人表示2、3の使用について、被控訴人が被控訴人表示の 使用に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭が、控訴人キャラクター若しくは控訴人ゲーム又はその両方の展示等につき、1日当り10万円に展示等日数を乗じた額とするのが相当であると判断した。 原判決は、被控訴人表示が著名であり、相当高い顧客吸引力を有していることを前提とした判断をしているものであるが、被控訴人表示が顧客吸引力 を有するのは、著名な怪獣「ゴジラ」の名称であり、その観念を生じるからであって、特定の観念を生じない欧文字のみから成る控訴人表示2,3から、著名な怪獣「ゴジラ」の観念が生じる被控訴人表示を容易に想起することはなく、控訴人行為2,3は、被控訴人表示の有する顧客吸引力を利用するものでも、被控訴人表示の稀釈化を生じさせ得るものでもないこと、控訴人キ ャラクター若しくは控訴人ゲーム又はその両方の展示等によって、控訴人タグチ工業は、少なくとも直接的な利益を得ることはないことからすれば、控訴人キャラクター若しくは控訴人ゲーム又はその両方の展示等につき、1日当り10 控訴人ゲーム又はその両方の展示等によって、控訴人タグチ工業は、少なくとも直接的な利益を得ることはないことからすれば、控訴人キャラクター若しくは控訴人ゲーム又はその両方の展示等につき、1日当り10万円に展示等日数を乗じた額は過大な損害額であることは明らかであり、原判決の判断は誤りである。 (9) 争点⑮(控訴人タグチ工業の控訴人表示2、3の使用により被控訴人が受け た損失及び額)についてア損害不発生の抗弁原判決は、控訴人タグチ工業は、本来、金銭を支払うなどして許諾を受けない限り不正競争行為であり使用することができなかった控訴人表示2、3について、金銭の支払をせずにこれらを使用した一方、被控訴人は許諾をし た場合には受け得る金銭の支払を受けなかったものといえ、控訴人タグチ工業は、法律上の原因なく利益を受け、これにより被控訴人に損失を及ぼしたものと認められると判断している。 しかし、不正競争防止法は、同法2条1項1号及び2号所定の不正競争行為という特定の行為を禁止すべきであるとして、その実効性確保のために特 定の者に請求権者を限定しているが、それは特定の行為を禁止すべきであると法が判断していることの反射的効果にすぎず、商標法25条本文が商標権の効力について「商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。」と規定しているのと異なり、不正競争防止法は商品等表示の使用について財貨として特定の者に財産権を帰属させるという 目的で排他権を帰属させているものではない。また、周知又は著名な商品等表示の主体が被許諾者に対して商標法30条で規定されている専用使用権や同法31条で規定されている通常使用権のような法律上の使用権を許諾することはできない。 したがって、被控訴人が不当利得 な商品等表示の主体が被許諾者に対して商標法30条で規定されている専用使用権や同法31条で規定されている通常使用権のような法律上の使用権を許諾することはできない。 したがって、被控訴人が不当利得返還請求権を行使し得る理由はなく、差 止請求権を行使しないという契約(ライセンス契約)が締結されることなく、損害賠償請求権が時効で消滅した場合、不正競争行為者は契約に基づく債務は負担せず、損害賠償としての使用料相当額を支払う義務を適法に免れることになるから、不当利得返還請求権を有するとする原判決の判断は誤りである。 イ控訴人タグチ工業の悪意 原判決は、被控訴人表示が著名であったことに鑑みれば、控訴人タグチ工業は利得について悪意であったものと認められ、利得より後の日である平成30年11月22日から支払済みまで年5分の割合による利息を付して返還すべきであると判断した。 しかし、被控訴人表示が著名な商品等表示に該当するか否かはともかく、 控訴人タグチ工業は、特定の観念を生じない欧文字「GUZZILLA」を含む控訴人表示2、3から、著名な怪獣「ゴジラ」の観念が生じる被控訴人表示を容易に想起することはなく、控訴人表示2、3の使用が不正競争防止法2条1項2号に該当するとの認識はなかったものであり、原判決の判断は誤りである。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所は、被控訴人の請求については、原判決が認容した限度で理由があるが、その余は理由がないものと判断する。その理由は、当審における控訴人らの主な補充主張も踏まえ、次のとおり補正するほかは、原判決の「事実及び理由」中、第3の1ないし12(原判決32頁5行目ないし65頁22行目)に 記載のとおりであるから、これを引用する。 (1) 原判決34頁10行目の のとおり補正するほかは、原判決の「事実及び理由」中、第3の1ないし12(原判決32頁5行目ないし65頁22行目)に 記載のとおりであるから、これを引用する。 (1) 原判決34頁10行目の末尾の次を改行し、次のとおり加える。 「『GODZILLA』の表記となった理由について、『JI』の発音がアメリカ人には難しいため、神を意味する『GOD』を入れたなど諸説あり、関係者による『GOD』がついたプロセスを記した本があって、そこには日 本でつけられた旨が書かれていたとするもの、昭和31年に米国版ゴジラを公開する際に米国で付けられたとするものなどもあるが、いずれにしろ詳細は不明である(甲76、乙2)。」(2) 同35頁8行目の「されている。」の次に「国産初の玩具(プラモデル)の発売は昭和39年であるが、その1年前には既にアメリカ合衆国において 同国の会社からプラモデルが発売されているほか、前記国産初の玩具(プラ モデル)の外箱には、被控訴人表示が付されている。」を、同行目の「21、」の次に「87、」をそれぞれ加え、同頁22行目の「ついて」を「関連する」と改め、同36頁3行目の末尾の次に「令和3年10月頃までには、後記ケの契約につき累計4008万9400円の、同サの契約につき累計6377万6700円の、同スの契約につき累計1055万6106円の、使用料を それぞれ収受した(甲223)。」を加え、同39頁18行目の末尾の次を改行し、次のとおり加える。 「(6) 被控訴人は、映画『シン・ゴジラ』(平成28年7月25日公開)、映画『GODZILLA キングオブモンスターズ』(令和元年5月31日公開)、及び、映画『ゴジラvsコング(GODZILLAvs. KONG)』(令和3年7月2日公開)について、産 公開)、映画『GODZILLA キングオブモンスターズ』(令和元年5月31日公開)、及び、映画『ゴジラvsコング(GODZILLAvs. KONG)』(令和3年7月2日公開)について、産廃業、解体業及び建築業などの業態のサービスを提供する企業との間で、被控訴人表示の使用の許諾を含めて、タイアップをした実績がある(甲235~252)。 また、被控訴人は、平成17年(2005年)に、株式会社竹中工務 店から、被控訴人保有ビルの工事現場において、ゴジラの名称を使用することの許諾を求められたことがあった(甲256)。平成28年(2016年)には、被控訴人は、鹿島建設株式会社に対し、同社の工事現場において、被控訴人表示を含むゴジラの表示やロゴ等の使用許諾をした(甲255)。」 (3) 同39頁23行目の「行っている」を「行っているとする(ただし、控訴人タグチ工業が最初に控訴人表示1を用いたのは小割破砕機であるとし(乙85)、その1号機は緑色であったとしてそれを示す写真も社内誌に掲載されているが(乙75。そのアタッチメントに控訴人表示1は表示されていない。)、当時のものとされるカタログ(総販売元ユタニ工業株式会社の表示 のあるもの。乙9)、及び、工場内に置かれ控訴人表示1の写った平成8年 の撮影日付けのある写真(乙8の2,3)に写った小割破砕機は、いずれも青色であることや、前記カタログに掲載されたアタッチメントには控訴人表示1が表示されたものがないことなどから、控訴人アタッチメントに控訴人表示1を表示して実際の取引を行った時期は明確ではないというほかない。)」と、同41頁9行目の「被告タグチ」を「田口」とそれぞれ改め、 同42頁14行目の文頭から同行目の末尾までを削る。 同頁25行目の「DX」を の取引を行った時期は明確ではないというほかない。)」と、同41頁9行目の「被告タグチ」を「田口」とそれぞれ改め、 同42頁14行目の文頭から同行目の末尾までを削る。 同頁25行目の「DX」を「DS」と、同頁25行目ないし同頁26行目の「DXS」を「DSX」とそれぞれ改める。 (4) 同43頁16行目の「展示会等」を「一般消費者向けの自家用車販売を目的とした展示会や放送局の視聴者向けイベント、誰でも参加可能な展示会等」 と改め、同頁18行目の「152、」の次に「270~275」を加え、同44頁4行目の「あった。」の次に「このうちの一般の者向けとされるお台場での展示につき、控訴人タグチ工業は、『完成後にお台場で展示をされていたそうですね。反響はいかがでした?』との問いに対し、『小さい子には喜んでもらえましたね。大人からすると『なんでコックピットから動かせな いんだ』とか、『解体屋さんからは『これは動かしていいのか?』と言われましたが、お台場のイベント会場でぶんぶん動かしたら危ないですよね(笑)』としている。」を、同頁4行目の「38、」の次に「48、」をそれぞれ加え、同頁10行目の「紹介したり、」の次に「控訴人キャラクターにつき『次世代重機』であるとし、『岡山の夏を代表するお祭り『うらじゃ祭り』に、 今年もまた弊社作の重機型巨大ロボット『スーパーガジラ』を展示いたします。』と紹介し、『タグチ工業による〔ProjectGUZZILA〕『壊す』ことの無限の可能性を追求したエンターテインメントコンテンツを創造。スーパーガジラを中心に、今後もさらなる開発を目指します』などと記載するほか、」を、同頁17行目の「160、」の次に「190、」をそ れぞれ加え、同45頁21行目の末尾の次を改行し、次のとおり加える。 中心に、今後もさらなる開発を目指します』などと記載するほか、」を、同頁17行目の「160、」の次に「190、」をそ れぞれ加え、同45頁21行目の末尾の次を改行し、次のとおり加える。 「(9) 各控訴人表示に関連し、以下のとおりのインターネット上の書込み等がある。 ・「多くの読者がツッコミたく気になるのは名称の由来でしょうが、実はGUZZILLA(ガジラ)とは、同社の切断機や粉砕機に付けられたブランド名。」(甲189) ・「今夜の『ほこxたて』をリアルタイムで見ました!!あれっていいね~~最高っす。最強の鉄球VSガジラ(ゴジラの兄弟?笑)はさすがの名勝負。・・・」(甲261)・「タグチ工業って岡山の会社なんだ、すげ~。ガジラって商品名は東宝になんか言われないのか心配だけど。。」(甲262) ・「ゴジラでした。と言うことでガジラです」(甲263)・「GUZZILLAシリーズ解体現場で活躍する油圧ショベル専用アタッチメントシリーズ。外国の方が『ガジラ』と仰っていたのが『GODZILLAゴジラ』に聞こえて、色々想像して・・・」(甲264)」(5) 同46頁3行目の「されたほか、」の次に「昭和39年に発売されたプラ モデルにも被控訴人表示が付されており、」を加える。 (6) 同47頁6行目の「原告の商品、営業を表示するものとなり、その後も現在に至るまで、原告の商品、営業を表示するものである」を「その製作主体である被控訴人という出所を表示する商品等表示として機能するようになり、その後も現在に至るまで、同様の機能を有する商品等表示である」と改 め、また、同頁20行目の「と認められる。」の後に、改行し次のとおり加える。 「ある商品等表示が不正競争防止法2条1項1号にいう他人の商品等 るまで、同様の機能を有する商品等表示である」と改 め、また、同頁20行目の「と認められる。」の後に、改行し次のとおり加える。 「ある商品等表示が不正競争防止法2条1項1号にいう他人の商品等表示と類似するか否かについては,取引の実情のもとにおいて,取引者又は需要者が両表示の外観,称呼又は観念に基づく印象,記憶,連想等から両 表示を全体的に類似のものとして受け取るおそれがあるか否かを基準と して判断するのが相当である(最高裁昭和57年(オ)第658号同58年10月7日第二小法廷判決・民集37巻8号1082頁参照)。また、不正競争防止法2条1項2号における類似性の判断基準も,同項1号におけるそれと基本的には同様であるが,同項2号にあっては,著名な商品等表示とそれを有する著名な事業主との一対一の対応関係を崩し,稀釈化を 引き起こすような程度に類似しているような表示か否か,すなわち,容易に著名な商品等表示を想起させるほど類似しているような表示か否かを検討すべきものと解するのが相当である。以下、検討する。」⑺ 同49頁1行目の「部分がある」を削る。 (8) 同49頁末行の「原告表示の有する」の前に、「容易に著名な商品等表示 を想起させるほど類似しているような表示であって、」を加える。 (9) 同50頁1行目の末尾の次を改行し次のとおり加える。 「この点につき控訴人らは、各控訴人表示の使用態様も考慮すれば稀釈化等が生じることはない旨を主張し、それに沿う証拠として、乙159、160を提出する。 控訴人らの提出する証拠(乙159、160。いずれも法律意見書)では、控訴人表示1が使用された各控訴人商品が一般消費者向けにも広く販売、頒布されていたとしても、控訴人タグチ工業の行為としては、ほとんどは関連会 出する証拠(乙159、160。いずれも法律意見書)では、控訴人表示1が使用された各控訴人商品が一般消費者向けにも広く販売、頒布されていたとしても、控訴人タグチ工業の行為としては、ほとんどは関連会社である控訴人タグチアシストへの販売等であり、第三者に対する社外販売は微々たるものであるから、各控訴人商品は、控訴人らや控 訴人アタッチメントと繋がりを持ちつつ販売等されており、控訴人表示1から被控訴人表示を想起し思い浮かべるとしても、各控訴人商品の需要者は控訴人らや控訴人アタッチメントとの繋がりを意識しているため、識別する出所が無関係の別系統であるものを十分に認識するはずであり、被控訴人表示の有する顧客吸引力の利用や被控訴人表示の稀釈化の結果は発 生しないとする。 しかし、上記意見書については、控訴人表示1が使用された各控訴人商品が一般消費者向けに広く販売、頒布されていたとすることとの関連性が明らかでないほか、前記2(3)及び(4)のとおり、控訴人タグチ工業による控訴人商品の販売等の態様は、一般消費者に向けて、いわゆるノベルティとは異なるグッズとしての販売等として積極的になされていたものであり、 これによれば、各控訴人商品の販売等を通じて、実際に被控訴人表示の稀釈化を生じさせていたことも明らかであって、前提とする事実関係が異なるものというほかない。 したがって、控訴人らの主張は採用することができない。」(10) 同50頁13行目の末尾の次を改行し、次のとおり加える。 「加えて、控訴人商標2の登録は商標法4条1項15号に違反するものとして無効とされた経緯にも鑑みれば、控訴人表示1の使用が登録商標の使用に当たるとして許されるものとは認め難い。 したがって、控訴人らの主張は採用することができない。」 条1項15号に違反するものとして無効とされた経緯にも鑑みれば、控訴人表示1の使用が登録商標の使用に当たるとして許されるものとは認め難い。 したがって、控訴人らの主張は採用することができない。」(11) 同頁25行目の「DX」を「DS」と、同行目の「DXS」を「DSX」 とそれぞれ改め、同51頁14行目の「被告」及び同52頁4行目の「価値の」をそれぞれ削る。 (12) 同53頁4行目の「権利」を「許諾」と、同頁5行目ないし6行目の「されてきたこと」を「され、使用許諾に基づき相当額の使用料収入も得ているところ、契約の中には、利益の●●%に相当する額や商品単価の●●●●% を使用料とするものもあること」とそれぞれ改め、同頁20行目の「3600円で」の次に「(乙117の4)」を、同頁21行目の「3603円で」の次に「(乙138。なお、販売価額合計6万4856円を販売した18着で除したもの)」を、同行から同頁22行目の「2万5000円で」の次に「(乙120の5)」をそれぞれ加え、同行目の「DX」を「DS」と改め、 同行目の「3300円で」の次に「(乙122の5)」を、同頁23行目の 「4363円で」の次に「(乙123の5)」を、同行目の「1239円で」の次に「(乙124の4)」を、同頁24行目の「2761円で」の次に「(乙138。なお、販売価額合計5522円を販売した2個で除したもの)」を、同頁25行目の「190円で」の次に「(乙119の2)」をそれぞれ加える。 (13) 同54頁2行目の「主張の範囲内でその合計は」を「の求める各商品ごとに損害額を合計すると」と改め、同頁8行目の「(前記」から「2(7))」まで及び同55頁21行目の「価値の」をそれぞれ削る。 (14) 同56頁9行目の「2万5000円 計は」を「の求める各商品ごとに損害額を合計すると」と改め、同頁8行目の「(前記」から「2(7))」まで及び同55頁21行目の「価値の」をそれぞれ削る。 (14) 同56頁9行目の「2万5000円で」の次に「(乙120の5)」を、同行目の「1239円で」の次に「(乙124の4)」を、同頁10行目の 「284円で」の次に「(乙125の3)」をそれぞれ加え、同頁17行目の「(前記」から「2(7))」までを削る。 (15) 同57頁23行目の「2⑸)。」の次に「控訴人タグチ工業は、控訴人キャラクターを『次世代重機』や重機型巨大ロボットであるとして(前記2⑹)、」を、同58頁18行目の「⑷)」の次に「ほか、工事現場における被控訴人 表示の使用許諾や、産廃業、解体業及び建築業等の業種の企業への使用許諾等を行っている(前記1(6))。」を、同59頁15行目の「⑸、⑹)」の次に「、現に出所の混同を招く旨の指摘のある書込みがされていること(前記2(9))」をそれぞれ加える。 (16) 同59頁16行目の「被告行為2,3は、」の次に「容易に著名な商品等 表示を想起させるほど類似しているような表示であって、」を加え、同頁17行目の「価値の」を削る。 (17) 同60頁18行目の「価値の」を削る。 (18) 同65頁3行目の「対する」から同頁4行目の「万円」までを「対する671万円の損害賠償請求権」と、同頁5行目の「⑭」を「⑮」とそれぞれ改 める。 2 当審における控訴人らの主な補充主張に対する判断(1) 争点①(被控訴人が被控訴人表示を商品等表示として使用しているか。)及び争点②(被控訴人表示が著名であり(不正競争防止法2条1項2号、又は、需要者の間に広く認識されている(同項1号)か。)(補充主張(1))に 訴人が被控訴人表示を商品等表示として使用しているか。)及び争点②(被控訴人表示が著名であり(不正競争防止法2条1項2号、又は、需要者の間に広く認識されている(同項1号)か。)(補充主張(1))について 控訴人らは、被控訴人表示は、怪獣「ゴジラ」のキャラクターを意味するものとして使用され、商品化許諾契約もキャラクターの使用の許諾であり、被控訴人表示は特定の出所を表示する商品等表示として使用されているわけではない、被控訴人表示が全国的に知名度を獲得したことや、高い名声や信用等を獲得したことを具体的に示す証拠もないことから、被控訴人表示 が著名ないし周知な商品等表示であるとはいえない旨を主張する。 しかし、補正の上で引用した原判決第3の3のとおり、被控訴人表示は、著名な怪獣「ゴジラ」に係る映画や商品等と共に、長期間にわたり、繰り返し幅広く使用されることにより、多数の辞書にも掲載されるなど、怪獣「ゴジラ」や「ゴジラ」シリーズの映画自体を意味するだけではなく、被控訴人 の商品、営業を表示するものとして、被控訴人の著名な商品等表示となったものと認められる。 したがって、控訴人らの上記主張は採用することができない。 (2) 争点③(控訴人らが被控訴人表示と類似の控訴人表示1を商品等表示として使用した商品を譲渡等するなどし(不正競争防止法2条1項2号)、又 は、控訴人表示1を使用した商品を譲渡等するなどして被控訴人の商品又は営業と混同を生じさせて(同項1号)、被控訴人の営業上の利益を侵害したか。)(補充主張(2))について控訴人らは、不正競争防止法2条1項2号の類似性の判断に当たっては、著名な商品等表示とそれを有する著名な事業主との一対一の対応関係を崩 し稀釈化を引き起こすような程度に類似しているか否か、すなわ 訴人らは、不正競争防止法2条1項2号の類似性の判断に当たっては、著名な商品等表示とそれを有する著名な事業主との一対一の対応関係を崩 し稀釈化を引き起こすような程度に類似しているか否か、すなわち容易に 著名な商品等表示を想起させるほどに類似しているか否かを検討すべきであるところ、控訴人表示からは著名な怪獣「ゴジラ」の観念が生じる被控訴人表示を容易に想起することはなく、稀釈化を引き起こす程度に両表示が類似しているとはいえないなどと主張する。 しかし、補正の上で引用した原判決第3の4のとおり、控訴人表示1は称 呼及び外観において、著名な被控訴人表示と類似しており、各控訴人商品は人形等玩具、衣料品等の商品で一般消費者向けにも販売されてきたところであり、控訴人表示1は容易に著名な被控訴人表示を想起させるほど類似しているといえるから、控訴人表示1は被控訴人表示と類似し、控訴人行為1は、被控訴人表示の稀釈化を招くものということができる。 したがって、控訴人らの上記主張は採用することができない。 (3) 争点④(控訴人表示1の使用が登録商標の使用として許されるか。)(補充主張(3))について控訴人らは、控訴人表示1の使用が控訴人商標2の使用であるとは認められないとしても、登録商標と完全に同一でなくとも、登録商標と同一性の ある商標(社会通念上同一とみられる商標)も専用権の範囲に含まれるものであり、控訴人タグチ工業が控訴人商標権2を放棄しなければ、当該商標権に係る商標登録を無効にすべき旨の審決が確定するまでの間、商標権は有効に存在したものであり、控訴人らが当該商標権に係る登録商標に瑕疵があることについて正確な判断をすることは困難であり、過失はなかった旨 を主張する。 しかし、補正の上で引用した原判決第3 有効に存在したものであり、控訴人らが当該商標権に係る登録商標に瑕疵があることについて正確な判断をすることは困難であり、過失はなかった旨 を主張する。 しかし、補正の上で引用した原判決第3の5のとおり、控訴人表示1は控訴人商標2の使用とは認められないところであり、被控訴人表示は著名であることからすれば、控訴人表示1の使用につき控訴人らに過失がないものとは到底認められないというべきである。 したがって、控訴人らの上記主張は採用することができない。 (4) 争点⑥(控訴人らに控訴人表示1の使用につき故意又は過失があるか。)(補充主張(4))について控訴人らは、原判決は控訴人表示1の使用につき故意があったと認めたが、控訴人タグチ工業は控訴人商標2について商標登録を受けており、特定の観念を生じない欧文字「GUZZILLA」のみから成る控訴人表示1か ら、著名な怪獣「ゴジラ」の観念が生じる被控訴人表示を容易に想起することはなく、控訴人らには、控訴人表示1の使用が不正競争防止法2条1項2号に該当するとの認識はなく、控訴人表示1の使用につき故意はない旨を主張する。 しかし、補正の上で引用した原判決第3の4(5)で判示したとおりであり、 不正競争防止法4条及び5条に基づく請求につき、控訴人らにおいて、自己の行為が不正競争防止法上の不正競争行為に該当することまでの認識又は予見を必要とするものではないから、控訴人らには控訴人表示1の使用につき故意があったものと認められる。 したがって、控訴人らの上記主張は採用することができない。 (5) 争点⑦(被控訴人が控訴人表示1の使用に係る不正競争により被った損害及び額)(補充主張(5))についてア控訴人タグチ工業の行為に係る損害について、控訴人タグチ工 とができない。 (5) 争点⑦(被控訴人が控訴人表示1の使用に係る不正競争により被った損害及び額)(補充主張(5))についてア控訴人タグチ工業の行為に係る損害について、控訴人タグチ工業は、原判決の指摘する宣伝広告に係る行為は、譲渡後になされたものであるから、損害算定の基礎にはなし得ない、無償提供行為は各控訴人商品の売 上に寄与していないから損害は発生していない、損害額算定の基礎となる料率についても10%とするのは相当でない旨を主張する。 補正の上で引用した原判決第3の7(1)のとおり、控訴人らに係る宣伝広告目的も持つ控訴人らの譲渡行為(控訴人行為1)は、それ自体、著名な被控訴人表示の稀釈化を招くものであるから、被控訴人に損害を発生 させるものであり、その算定の基礎とし得ることは明らかである。 ところで、不正競争防止法5条3項に基づく損害の額の算定に当たっては,必ずしも当該商品等表示についての許諾契約における料率に基づかなければならない必然性はなく、不正競争行為をした者に対して事後的に定められるべき実施に対し受けるべき料率は,むしろ,通常の料率に比べて自ずと高額になるというべきであり、これを前提として損害の 額の算定がなされるべきである。そして、その前提となる実施に対し受けるべき料率は,①当該商品等表示の実際の許諾契約における料率や,それが明らかでない場合には業界における料率の相場等も考慮に入れつつ,②当該商品等表示の持つ顧客吸引力の高さ,③不正競争行為の態様並びに当該商品等表示又はそれに類似する表示の不正競争行為を行った 者の売上げ及び利益への貢献の度合い,④当該商品等表示の主体と不正競争行為を行った者との関係など訴訟に現れた諸事情を総合考慮して定められるべきである。 その上で、 示の不正競争行為を行った 者の売上げ及び利益への貢献の度合い,④当該商品等表示の主体と不正競争行為を行った者との関係など訴訟に現れた諸事情を総合考慮して定められるべきである。 その上で、補正の上で引用した原判決第3の7(1)のとおり、被控訴人表示の使用許諾を締結するに当たっては、相応の料率によることとされ ているほか、被控訴人表示を使用した商品は被控訴人の許諾により多数の者によって販売がされ、被控訴人表示の使用許諾による使用料も相当額にのぼるものもあり、その契約の中には、利益の●●%に相当する額や商品単価の●●●●%を使用料とするものもあることなどから、被控訴人表示は相当高い顧客吸引力を有しているものであり、原判決第3の 7(1)イ記載の事情にもよれば、損害額算定の基礎とすべき料率は10%とするのが相当である。 したがって、控訴人タグチ工業の上記主張は採用することができない。 イ控訴人タグチアシストの行為に係る損害について、控訴人タグチアシストは、原判決の指摘する宣伝広告に係る行為は、譲渡後になされたも のであるから、損害算定の基礎にはなし得ない、無償提供行為は各控訴 人商品の売上に寄与していないから損害は発生していない、損害額算定の基礎となる料率についても10%とするのは相当でない旨を主張する。 しかし、控訴人らに係る宣伝広告目的も持つ控訴人らの譲渡行為(控訴人行為1)は、それ自体、著名な被控訴人表示の価値の稀釈化を招くも のであるから、被控訴人に損害を発生させるものであり、その算定の基礎とし得ることは明らかであり、補正の上で引用した原判決第3の7(2)のほか、前記アのとおりの事情からすれば、損害額算定の基礎とすべき料率は10%とするのが相当である。 したがって、控訴人タグチアシス し得ることは明らかであり、補正の上で引用した原判決第3の7(2)のほか、前記アのとおりの事情からすれば、損害額算定の基礎とすべき料率は10%とするのが相当である。 したがって、控訴人タグチアシストの上記主張は採用することができ ない。 (6) 争点⑧(控訴人タグチ工業が被控訴人表示と類似の控訴人表示2を商品等表示として使用して被控訴人の営業上の利益を侵害したか。)及び争点⑨(控訴人タグチ工業が被控訴人表示と類似の控訴人表示3を商品等表示として使用して被控訴人の営業上の利益を侵害したか。)(補充主張(6))について 控訴人らは、控訴人表示2、3は、いずれも被控訴人表示の稀釈化を引き起こすような程度には類似しておらず、その顧客吸引力を利用しているものでもないから、被控訴人の営業上の利益を侵害するものではない旨を主張する。 しかし、補正の上で引用した原判決第3の8のとおり、控訴人タグチ工業 は、控訴人キャラクターを「次世代重機」や重機型巨大ロボットであるなどとして、控訴人行為2、3につき、著名な被控訴人表示と類似する控訴人表示2,3を自社及び関連会社の営業上の宣伝に利用し、その結果、一般向けのイベントに子供らのほか解体業を営む者も参加していることから、著名な被控訴人表示に類似する控訴人らによる控訴人表示2、3の使用は、被控訴 人表示の顧客吸引力を利用するものであり、被控訴人の営業上の利益を侵害 するものであることが認められる。 したがって、控訴人らの上記主張は採用することができない。 (7) 争点⑪(控訴人タグチ工業に控訴人表示2、3の使用につき故意又は過失があるか)(補充主張(7))について控訴人タグチ工業は、控訴人表示2,3の使用につき故意ないし過失はな い旨を主張する。 しかし、補 人タグチ工業に控訴人表示2、3の使用につき故意又は過失があるか)(補充主張(7))について控訴人タグチ工業は、控訴人表示2,3の使用につき故意ないし過失はな い旨を主張する。 しかし、補正の上で引用した原判決第3の8(4)のとおり、著名な被控訴人表示と類似する控訴人表示2,3の使用につき、控訴人タグチ工業には故意があったものと認められる。 したがって、控訴人らの上記主張は採用することができない。 (8) 争点⑫(控訴人表示2、3の使用に係る不正競争により被控訴人が被った損害及び額)(補充主張(8))について控訴人らは、控訴人らによる控訴人表示2,3の使用につき、被控訴人に損害は発生しておらず、損害額算定の基礎として1日当たり10万円として展示等日数を乗じるのは相当でない旨を主張する。 しかし、前記(5)の判示内容に加え、補正の上で引用した原判決第3の10のとおり、控訴人行為2,3は被控訴人表示の価値の稀釈化を招くものであるから、被控訴人に損害を発生させるものであり、その算定の基礎とし得ることは明らかであり、又、同(2)記載の事情にもよれば、損害額算定の基礎として1日当たり10万円を、展示等日数に乗じるのは相当である。 したがって、控訴人らの上記主張は採用することができない。 (9) 争点⑮(控訴人タグチ工業の控訴人表示2、3の使用により被控訴人が受けた損失及び額)(補充主張(9))について控訴人タグチ工業は、控訴人表示2,3の使用につき被控訴人が受けた損失及び額につき、被控訴人が不当利得返還請求権を行使し得る理由はなく、 控訴人タグチ工業も悪意とはいえない旨を主張する。 しかし、不正競争行為に係る損害賠償請求権が時効により消滅した場合、不正競争行為に基づき行為者が利得した分 使し得る理由はなく、 控訴人タグチ工業も悪意とはいえない旨を主張する。 しかし、不正競争行為に係る損害賠償請求権が時効により消滅した場合、不正競争行為に基づき行為者が利得した分につき、権利者が不当利得返還請求権を行使することが妨げられる理由はないから、補正の上で引用した原判決第3の12のとおり、控訴人タグチ工業は、控訴人表示2,3の使用により、法律上の原因なく利益を受け、これにより被控訴人に損失を及ぼしたも のであり、被控訴人表示の著名性に鑑みれば控訴人タグチ工業は悪意であったものと認められる。 したがって、控訴人らの上記主張は採用することができない。 3 以上の認定・判断は、当審における控訴人らのその余の補充主張によっても左右されるものではない。 よって、原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第3部 裁判長裁判官東海林 保 裁判官今井弘晃 裁判官水野正則

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