平成28(ワ)11478 損害賠償等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成30年3月23日 大阪地方裁判所
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判決文本文17,906 文字)

主文 1 被告Aは,原告に対し,1284万5130円及びこれに対する平成27年6月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告Bは,前項の判決が確定したときは,原告に対し,1284万5130円及びこれに対する平成27年6月14日から支払済みまで年5分の割合による 金員を支払え。 3 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 4 訴訟費用は,これを3分し,その2を原告の負担とし,その余は被告らの負担とする。 5 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 被告Aは,原告に対し,3948万8179円及びこれに対する平成27年6月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告Bは,前項の判決確定を条件として,被告Aと連帯して,原告に対し,3 948万8179円及びこれに対する平成27年6月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,ランニング中の原告が,路上で,被告Aが散歩させていた犬を避けようとして転倒した事故(以下「本件事故」という。)により負傷し,損害が生じた と主張して,⑴ 上記犬の占有者である被告Aに対し,民法718条に基づき,原告に生じた損害3948万8179円及びこれに対する本件事故日である平成27年6月14日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払,⑵ 被告Aを被保険者とする,個人賠償責任補償特約及び賠償事故解決に関する特約が付された自動車損害保険契約を締結した被告Bに対し,同保険 契約の約款に基づき,被告Aに対する上記請求の判決の確定を条件として,被告 Aと連帯して,上記金員の支払をそれぞれ求める事案である。 損害保険契約を締結した被告Bに対し,同保険 契約の約款に基づき,被告Aに対する上記請求の判決の確定を条件として,被告 Aと連帯して,上記金員の支払をそれぞれ求める事案である。 1 前提事実(当事者間に争いがない事実並びに証拠〔個別に掲げるもののほか枝番を含む。以下同じ〕及び弁論の全趣旨によって容易に認められる事実)⑴ 本件事故被告Aが,平成27年6月14日,大阪府高槻市a町内で飼い犬(ミニチュ アダックスフント。以下「本件犬」という。)を散歩させていた際,リードから手が放れた状態となったところ,同日午前10時20分頃,同町c丁目d番e号先の路上(以下「本件事故現場」という。)において,ランニングをしていた原告が,概ね前方方向から本件犬が現れた際に転倒する事故(本件事故)が発生した(なお,本件事故の態様は後記のとおり争いがある。)。 ⑵ 責任原因本件事故は,被告Aの手からリードが放れた本件犬が原告の前に現れ,原告が転倒したことにより発生した事故であり,本件犬の占有者である被告Aは,民法718条に基づき,原告に生じた損害を賠償する責任を負う。 ⑶ 保険契約の締結 被告Aの夫Cは,被告Bとの間で,個人賠償責任補償特約及び賠償事故解決に関する特約が付された,本件事故日を保険期間に含む自動車損害保険契約(以下「本件保険契約」という。)を締結していた。個人賠償責任補償特約は,被保険者の日常生活に起因する偶然な事故によって被保険者が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害に対して,保険金を支払うとされ (同特約第2条⑴②),被保険者には本人及び本人の配偶者が含まれる(同特約第3条⑴①②。甲7)。 本件保険契約の保険約款には,事故によって被保険者の負担する法律上の 険金を支払うとされ (同特約第2条⑴②),被保険者には本人及び本人の配偶者が含まれる(同特約第3条⑴①②。甲7)。 本件保険契約の保険約款には,事故によって被保険者の負担する法律上の損害賠償責任が発生した場合は,損害賠償請求権者は,被保険者が損害賠償請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額について,被保険者と損害賠 償請求権者との間で判決が確定した場合には,被告Bが被保険者に対して支払 責任を負う限度において,被告Bに対して損害賠償額の支払を請求することができる旨の定めがある(賠償事故解決に関する特約第4条⑴,⑵①,⑶,以上,乙1)。 ⑷ 原告の負傷,通院状況,後遺障害の診断ア原告は,本件事故により右橈骨遠位端粉砕骨折,顔面挫創,左肘関節挫創 の傷害を負った。原告は,本件事故後,以下のとおり,D病院に入通院した(甲2,乙5)。 原告は,平成27年6月15日から同月20日までの間,同年11月4日から同月6日までの間,入院した(実日数9日)。 原告は,同年6月14日から平成28年4月25日までの間,通院した (実日数54日)。 イ原告は,平成28年4月25日,D病院の医師から症状固定の診断を受けた(甲2)。 ウ被告Bは,同年7月,原告の右手関節の機能障害につき,「1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」として,自動車損害賠償保障法施行 令別表第二(以下「後遺障害等級」という。)12級6号に該当すると判断した(甲3)。 ⑸ 損害の填補被告Bは,本件事故に関し,原告(医療機関に直接支払う場合を含む。)に対し,127万8629円(①治療費50万9760円,②通院交通費15万0 350円,③休業損害55万1579円,④ 填補被告Bは,本件事故に関し,原告(医療機関に直接支払う場合を含む。)に対し,127万8629円(①治療費50万9760円,②通院交通費15万0 350円,③休業損害55万1579円,④雑費9082円,⑤物的損害5万7858円の合計)を支払った。 2 争点及び当事者の主張⑴ 事故態様,過失割合(原告の主張) ア本件事故は,被告Aが,リードを放したまま本件犬を散歩させ,通行中の 原告の目の前に本件犬を飛び出させた結果,それに驚いた原告が本件犬を避けようとして転倒したというものである。 イ被告らの過失相殺の主張は争う。 原告に,リードを放れた本件犬が曲がり角から突然進入してくるのを避ける義務はなく,行動の予測できない犬が足元に突進してくることを避けるの は,事故当時の状況下にあって不可能である。 (被告らの主張)ア本件事故は,かなりの速度で本件事故現場付近をランニングしていた原告が,Eとすれ違った直後に,本件犬が足元にはいなかった状態で,足がもつれるようにして,転倒したことによって発生した。原告が転倒した際,本件 犬は,原告の通行を妨害するような場所にいなかった。 イ被告Aが本件犬のリードを放したことが本件事故の遠因にはなっているが,故意に放しておらず,他の犬を見て興奮した本件犬が強く引っ張ったことをきっかけにリードを放したもので,被告Aの注意義務違反の程度は著しく大きくない。他方,原告にも,周囲の状況を十分に確認し,状況に応じて 適切な速度や進路を取るなどして,他の歩行者や動物等との接触を回避すべき注意義務があるにもかかわらず,相当程度の速度でジョギングをし,本件犬等の発見が遅れ,本件犬が足元にたどり着いていないに 適切な速度や進路を取るなどして,他の歩行者や動物等との接触を回避すべき注意義務があるにもかかわらず,相当程度の速度でジョギングをし,本件犬等の発見が遅れ,本件犬が足元にたどり着いていないにも関わらずバランスを崩して転倒した点で,注意義務違反の程度は小さくない。そうすると,本件事故について,原告には少なくとも3割の過失があるといえる。 ⑵ 原告の後遺障害の程度(原告の主張)他動で健常側とされる左手関節の可動域が170度(その2分の1は85度)であるのに対し,原告の右手関節の可動域は自動で100度であり,わずかに可動域が2分の1に制限されているといえないが,その差は15度である。5 度単位で計測するために誤差が切り捨てられのではないかということ,他動に よる左手首の掌屈の可動域が自動によるそれとの格差が他の運動に比して少ないのが多少不自然に感じられることや,参考運動とされる尺屈の可動域が2分の1に制限されていること,リハビリが終了した平成27年12月15日時点における可動域が症状固定時の平成28年4月25日時点の数値より悪く,同日の症状が正確に記載されたか疑わしいことからすれば,原告の右手関節の 後遺障害は,上肢の三大関節の一つの可動域が2分の1以下に制限される後遺障害等級10級に該当するというべきである。 (被告らの主張)否認する。 原告の後遺障害は,せいぜい後遺障害等級12級6号に該当する程度である。 原告の右手関節の可動域が健側の可動域の2分の1を相当程度上回っており,わずかに上回るものではない。 ⑶ 原告の損害額(原告の主張)本件事故により原告には以下の損害が生じた。 ア治療費 50万9760円 上回っており,わずかに上回るものではない。 ⑶ 原告の損害額(原告の主張)本件事故により原告には以下の損害が生じた。 ア治療費 50万9760円イ通院交通費 15万0350円原告の自宅からD病院は,公共交通機関で行くには,バスを乗り継ぐしかなく,また,半日休業の場合,午前中出勤して午後D病院に行くには,最寄駅からD病院の間はタクシー以外の利用手段がない。右手の粉砕骨折をした 原告に,バスの乗車は苦痛を伴うもので,タクシー利用の必要性があり,また,タクシーの利用については,被告Bの指示すらあり,相当因果関係のある損害である。 ウ休業損害 55万1579円 原告は,本件事故当時,F株式会社(以下「本件勤務先」という。)に勤 務していたところ,平成27年7月18日までは,医師の診断により自宅 療養の必要があり,休業した。半日の休業になっている日は,午後にリハビリの予定が組まれている日であり,午前中にリハビリがある日は,1日休業した。原告の休業損害の額は,以下の計算式のとおりである。 9117円(1日当たりの休業損害額)×60.5日=55万1578円(1円未満切捨て) なお,平成27年10月7日,同月9日,同年12月4日は,本件事故前に本件勤務先と労働組合との話合いにより決まった特別有給休暇(この特別有給休暇は,個人による指定ができないと聞いている。)であると同時に療養に費消された。同年11月11日は,就労禁止として医師が指示した期間であり,同月12日は,抜釘手術のため寝たきりであった原告が ぎっくり腰になったため,会社から退社するように命令されたことが原因である。平成28年4月25日及び同月2 として医師が指示した期間であり,同月12日は,抜釘手術のため寝たきりであった原告が ぎっくり腰になったため,会社から退社するように命令されたことが原因である。平成28年4月25日及び同月27日は,後遺障害の診断のために休業した。 エ通院慰謝料 190万円平成27年6月14日の本件事故日から平成28年4月25日の症状固 定日までの原告の通院期間(10か月10日)に加え,本件が右手首に後遺障害を残す粉砕骨折という重症と評価される傷害を負ったことからすれば,通院慰謝料は190万円とするのが相当である。 オ雑費 9082円カ後遺障害慰謝料 530万円 上記⑵(原告の主張)のとおり,原告の後遺障害が後遺障害等級10級に該当することからすると,原告の後遺障害慰謝料は530万円が相当である。 キ逸失利益 2869万8345円上記⑵(原告の主張)のとおり,原告の後遺障害は後遺障害等級10級に該当するところ,このことに加え,原告は,本件事故前に決まっていた昇進 が白紙撤回された。また,本件事故を境に昇給の割合が減少し,後遺障害等 級判断では評価しつくされない損害を受けた。原告の後遺障害による逸失利益は,以下の計算式のとおり,2869万8345円とするのが相当である。 788万円(本件勤務先の平成27年の従業員平均年収)×0.27(後遺障害等級10級の労働能力喪失率)×13.4886(労働能力喪失期間23年に相当するライプニッツ係数)=2869万8345円 ク小計上記金額のうち,被告Bより支払済みの治療費50万9760円,通院交通費15万0350円,休業損害55万1579円及び雑費9082円の合計122万0771円 万8345円 ク小計上記金額のうち,被告Bより支払済みの治療費50万9760円,通院交通費15万0350円,休業損害55万1579円及び雑費9082円の合計122万0771円を除くと,原告の損害額は,3589万8345円となる。 ケ弁護士費用本件事故と相当因果関係のある弁護士費用は358万9834円とするのが相当である。 コ合計 3948万8179円(被告らの主張) ア原告の主張アは認める。 イ同イのうち,タクシー利用代は,原告が受傷したのが右手であることからすると,バスを利用することにより通院することに支障はなく,タクシー利用の必要性,相当性が認められない。 ウ同ウは否認する。 原告は,本件事故後平成27年7月20日までは連日休業し,同月21日からは通院日を中心に休業しているようであるが,通院日以外の日は業務に従事することが可能であり,また,半日しか休業していない日も稀ではなかったから終日休業する必要があったとは考え難い。同年11月5日までは,仮に休業の必要があるとしても1通院日当り半日である。 抜釘手術を受けた平成27年11月5日より後は,休業の必要性を認め 難く,同月6日以降は,通院日であっても,休業の必要性がない。 通院又は医師の指示がないにもかかわらず,休業している日(平成27年10月7日,同月9日,同年11月11日,同月12日,同月23日,同年12月4日,平成28年4月27日)は,休業の必要性がない。 そうすると,本件事故と相当因果関係のある休業損害は,以下の計算式 のとおり,31万9095円である。 9日(入院)+52日(平成2 月27日)は,休業の必要性がない。 そうすると,本件事故と相当因果関係のある休業損害は,以下の計算式 のとおり,31万9095円である。 9日(入院)+52日(平成27年11月5日までの通院)×0.5=35日9117円(1日当たりの休業損害額)×35日=31万9095円エ同エは否認する。高額に過ぎる。 オ同オは認める。 カ同カは否認する。高額に過ぎる。 キ同キは否認する。 原告が昇給したであろう蓋然性があるとはいえないことなどからすれば,基礎収入額は,事故直前の現実収入額を採用すべきである。 上記⑵(被告らの主張)記載のとおり,原告の後遺障害はせいぜい後遺障害等級12級6号に該当する程度である。 また,原告の後遺障害の内容,程度に鑑みれば,労働能力は徐々に回復するものと思料され,当初5年間は12級を前提とする14パーセント程度の労働能力を喪失したとしても,その後の5年間は5パーセント程度の労働能 力の喪失にとどまり,症状固定後10年を超えれば労働能力喪失はないものと思料する。 ク同ケは否認する。 ケ損益相殺被告Bは,本件事故につき合計127万8629円を支払い,これは原告 の損害額から損益相殺として控除すべきである。 第3 当裁判所の判断 1 争点⑴について⑴ 前記前提事実並びに証拠(後掲各証拠〔枝番を含む。以下同じ〕のほか,甲10,乙2,11,証人E,原告本人,被告A本人。ただし,後記認定に反する部分を除く。)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ア原告は,休日にランニングをすることがしばしばあり,その際,ランニングコースとして本 本人。ただし,後記認定に反する部分を除く。)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ア原告は,休日にランニングをすることがしばしばあり,その際,ランニングコースとして本件事故現場を通っていた。また,原告は,20キロメートルを1時間50分前後で走ることができた。 イ本件事故現場付近の概況は,別紙事故発生状況図(以下「別紙図面」という。なお,縮尺は必ずしも正確とはいえない。)記載のとおりであり,本件事 故は,東西に延びる道路(以下「東西道路」という。)上で生じ,本件事故が起きた付近の幅員は約4.4メートルであるが,別紙図面㋐付近より西側は,道路幅が北側にかまぼこ状に膨らんでいる。東西道路の東側には,別紙図面記載の交差点(以下「本件交差点」という。)があり,同交差点を基点に北方向に延びる最大で幅員約6.3メートルの道路(以下「北側道路」という。) と,同交差点を基点に南方向に延びる幅員約1.5メートルの道路(以下「南側道路」という。)とがある(乙2,3)。 本件事故現場付近は,民家等がある住宅街であり,本件事故発生時の人通りは多くない。 ウ被告Aは,本件犬を散歩させており,平成27年6月14日午前10時2 0分頃,北側道路を北方向から本件交差点方向に向かって歩いており,当初,本件犬につないだリードを手に持っていた。 その頃,Eが,飼い犬(柴犬。平成29年11月時点で7歳。以下「本件柴犬」という。)を散歩させており,南側道路を南方向から本件交差点に向かい進行し,当初は,本件交差点を渡って,北側道路を北方向に進もうとした が,前方から本件犬が南方向に進行してきており,本件犬がほえだしたこと から,本件柴犬と本件犬がけんかなどにならないように,北側道路 件交差点を渡って,北側道路を北方向に進もうとした が,前方から本件犬が南方向に進行してきており,本件犬がほえだしたこと から,本件柴犬と本件犬がけんかなどにならないように,北側道路に進行するのをやめ,本件交差点を横断した後,左折して,東西道路の北端を西方向に進行しようとした。 Eが東西道路を西側方向に曲がる少し手前,別紙図面のbにいた頃,本件犬が,突然南方向に走り出し,被告Aが手に持っていたリードが放れてしま った。 Eが,東西道路を西方向に進行する際,本件柴犬は,Eの後ろについて進行しており,Eに抱きかかえられていなかった。本件犬は,Eと本件柴犬を追うように本件交差点を西方向に右折して,東西道路を西進した。 エ他方,原告は,本件事故現場付近をランニングしており,時速10キロメ ートルを超える程の速度で,東西道路を西方向から東方向に,東西道路の北端に沿うように走行していた。 そして,原告が,東西道路の別紙図面㋐付近に差し掛かった際,東西道路を東方向から西方向に走行してきたEが前方に現れる形になった。その際の,原告とEの距離は,約一,二メートルであった。原告は,Eを避けようと原 告から見て右側(南側)にEを避けたところ,Eの後方を東方向から西方向に本件犬が単独で進行してきたことに驚き,避けようと,転倒した。原告が転倒したのは別紙図面㋒付近(東西道路の北側にある民家の出入口付近。乙3・3頁一番下の写真×印付近)であり,その際,本件犬が原告の足元まで来たり,本件犬と接触したわけではなかったが,倒れた際の原告と本件犬と の距離はおおよそ50センチメートル程であった。 オ被告Aが本件犬を追い北側道路から本件交差点を右折して東西道路に入ると,既に原告が上記㋒付近で倒 かったが,倒れた際の原告と本件犬と の距離はおおよそ50センチメートル程であった。 オ被告Aが本件犬を追い北側道路から本件交差点を右折して東西道路に入ると,既に原告が上記㋒付近で倒れており,上記東西道路北側の民家の出入口付近を本件犬がうろついていた。被告Aは,原告が転倒した場面を見ていない。 カ本件事故後まもなくして,大阪府高槻警察署の警察官が本件事故現場を通 りかかった。原告は,興奮した様子で,被告A等に対し,大声で文句を述べていた。警察官は,E,原告及び被告Aから事情を聴き取った。その後,原告は,救急車で搬送され,警察官から治療後の聴取りはされなかった(甲1,11,乙2)。 ⑵ 事実認定の補足説明 ア Eの証言の信用性についてEは,証人尋問で,上記⑴に沿う供述をする。 この点,Eは,本件事故の状況を間近で目撃しており,原告が目の前に現れてから原告が転倒するまでの状況を,目を離さず見ており,目撃状況に問題がなく,また,本件事故後証言までに期間が経過しているものの, 反対尋問も含めて,基本的に自己の記憶する範囲の部分を明確に述べている。また,Eに,原告や被告Aとの利害関係等,虚偽供述をする動機があることを窺わせる事情はない。 これに対し,原告は,①Eの供述する事故状況は,高槻警察署が作成した回答(甲1)添付の現場見取図と異なる,②東西道路を進行する際,本 件犬が向かってきているのに,Eの後ろを本件柴犬が歩いていたのは不自然である,③Eは,本件事故前から被告Aと面識があり,本件事故の責任を問われる可能性があり,被告Aと意思を通じる動機を有していた旨主張する。 この点,高槻警察署が作成した上記現場見取図は,原告,本件犬,被告 Aの大 と面識があり,本件事故の責任を問われる可能性があり,被告Aと意思を通じる動機を有していた旨主張する。 この点,高槻警察署が作成した上記現場見取図は,原告,本件犬,被告 Aの大まかな位置関係や,原告の進行状況や原告が本件犬をかわそうとして転倒した旨が記載されている。しかし,高槻警察署による聴取は,人身の交通事故のように捜査を念頭においてなされたことが窺われず,上記現場見取図も本件事故現場の状況,距離等が具体的に記載されていないかなり簡潔なものであることからすると,上記現場見取図が事故現場や本件事 故の状況を正確に聴き取り,それを再現したものであるとはいえない(な お,上記現場見取図では,原告が,本件犬の周囲を,半円を描くようにかわしている旨が図示されているが,E及び原告の供述に照らしても,そのような事実までは認められない。)。そうすると,原告が東西道路において本件犬を避けようとして転倒したこと以上に,上記現場見取図記載の状況が信用できるとはいえず,かつ,原告が本件犬を避けようとして転倒した ことと,Eの述べる原告が本件犬に驚いて転倒したという供述が矛盾するものとまではいえないから,上記現場見取図の記載をもってEの供述が信用できないとはいえない。 次に,Eは,東西道路に入った後,本件柴犬がEの後ろ側をついてきた理由について,本件事故現場は車道が迫っていて,通りにくいので,リー ドで指示をして後ろ側に位置を変えた,トレーニングを受けた犬は,自分の飼い主より前を歩くことを許されていないので,後ろ側にする,Eが本件柴犬を抱きかかえることは困難である旨,本件柴犬がEの後ろ側を歩いた理由について具体的に供述しており,その内容も不合理とはいえないから,Eが,本件犬がEの側の方に来ているこ ,後ろ側にする,Eが本件柴犬を抱きかかえることは困難である旨,本件柴犬がEの後ろ側を歩いた理由について具体的に供述しており,その内容も不合理とはいえないから,Eが,本件犬がEの側の方に来ていることを認識していたことを踏ま えても,このようなEの行動が不自然とはいえない。 また,本件事故前から被告AとEの間に面識があったとの事実を認めるに足りる証拠はなく,本件柴犬のリードを握りながら東西道路の北端を直進し,特段問題のある行動を取っていないEが,原告が主張するような虚偽供述の動機を有していたとは認められない。 そうすると,原告の上記主張は採用できない。 よって,Eの供述は,信用できるといえる。 イ原告は,本人尋問で,Eが本件柴犬を抱きかかえており,原告の顔か胸にかけて本件柴犬とぶつかった,その後,足元で本件犬とぶつかって転倒したと思う,原告が転倒したのは,別紙図面㋒の地点よりも東側であった旨供述 する。 確かに,原告の診療録(乙4の1・9頁)や診断書(乙5・1頁)にも,原告が犬を抱いていた女性や本件犬とぶつかった(又は飛びついてきた際にバランスを崩した)旨を説明した旨の記載がある。 しかし,①原告は,本件訴訟において,本人尋問まで,E及び本件柴犬や本件犬とぶつかったなどとは主張しておらず,原告の陳述書(甲10)にも その旨の記載がないこと,②原告が,本人尋問で述べるEとぶつかった箇所が上半身,顔から胸にかけてと明確ではないこと(原告本人・18,19頁),③原告は,本件犬とぶつかった場面を見たわけではなく,何か足にぶつかった感触があったので,本件犬とぶつかったと思う旨供述するにとどまり,また,転倒するまでのわずかな時間の間に,何かと接触した記憶があったとし ,本件犬とぶつかった場面を見たわけではなく,何か足にぶつかった感触があったので,本件犬とぶつかったと思う旨供述するにとどまり,また,転倒するまでのわずかな時間の間に,何かと接触した記憶があったとし ても,それが本件犬との接触であったかは明らかでないこと,④原告が本件事故後,興奮状態にあり,本件事故の状況を正確に記憶できたか疑問があること,⑤Eの後ろを本件柴犬が進行し,原告とは接触していない旨の信用できるEの供述に反していることからすると,原告の上記供述は,採用できない。 ウよって,信用できるEの供述を踏まえ,本件事故の態様について,上記のとおり認定した。 ⑶ 上記⑴のとおり,本件事故は,ランニングをしていた原告が,東西道路を別紙図面㋐に来た時点で,約1,2メートルの距離にいるE及び本件柴犬の存在に気付き,原告から見て右側(南側)にEを避けたものの,さらに,前方にい る本件犬に気付いて驚き,本件犬を避けようと,本件犬に接触することなく,転倒した(転倒した際の位置は約50センチメートル)ものと認められる。 本来,犬を含む動物は,飼い主を含めて予想できない行動をとり,人の身体等に損害を及ぼすこともあり得るから,動物の占有者は,動物を散歩させる際,動物を係留する義務を負う。しかるに,被告Aは,本件柴犬が前方から現れた という特別な状況でもないにもかかわらず,突然,本件犬が走り出したことに より手を放してしまい,本件犬が単独で道路を進行したことにより,本件事故が発生したものであって,被告Aの過失は,動物を占有する者としての基本的な注意義務に違反したもので,過失の程度は重いといえる。そうすると,本件事故は,主として,本件犬のリードが被告Aから放れて単独で原告の近くを進行したことにより発生したも 物を占有する者としての基本的な注意義務に違反したもので,過失の程度は重いといえる。そうすると,本件事故は,主として,本件犬のリードが被告Aから放れて単独で原告の近くを進行したことにより発生したものと認められ,本件事故の主たる原因は,被告A が本件犬を係留しない状態にさせたことにあるといえる。 これに対し,原告は,動物が係留されずに単独で走っていることまでを予見すべきであるとまでは直ちにいえないものの,道路を進行する際,一般的に前方を注視して,第三者等と衝突することのないよう適切に進行する注意義務を負っているといえる。この点,東西道路における,別紙図面㋐地点より西側の 北端部分から東方向への見通しは必ずしも良くなく(乙3・3頁一番上の写真),原告もこのことを認識又は認識し得たと認められるにもかかわらず,原告は,本件事故現場付近を,時速10キロメートルを超える程の速度で進行し,別紙図面㋐付近で直前になってE(本件柴犬を含む)の存在に気付き,これを避けようとバランスを崩したと認められ,この点で原告の前方確認やこれに応じて 自己の進行速度を適切に調節することが不十分であったといえる。そして,原告が転倒した時点で,本件犬が原告に相当程度接近していたとはいえ,原告と接触するほどまで迫っていなかったことからすると,原告が転倒したのは,上記のとおり原告の前方確認等が不十分でバランスを崩したところ,さらに,本件犬が前方から現れてこれを避けようとしたことにより更にバランスを崩し たことによると考えられる。このように,原告が,前方確認の不十分等もあってEとの接触を避けようとバランスを崩した上,本件犬が現れて更にバランスを崩して転倒したものと認められることからすると,原告が転倒したのは,上記の前方確認不十分等が影響したことも否定 不十分等もあってEとの接触を避けようとバランスを崩した上,本件犬が現れて更にバランスを崩して転倒したものと認められることからすると,原告が転倒したのは,上記の前方確認不十分等が影響したことも否定できない。 以上の事情を総合考慮すれば,本件事故の過失割合は,被告A9割,原告1 割とするのが相当である。 2 争点⑵について⑴ 証拠(甲2)によれば,原告は,平成28年4月25日,D病院の医師から,右手関節について,症状固定とともに関節機能障害の診断を受けたこと,その際,原告の手関節は,健側である左手関節については,他動で,背屈90度,掌屈80度(合計170度),橈屈30度,尺屈40度(合計70度),患側で ある右手関節については,他動で,背屈55度,掌屈55度(合計110度),橈屈25度,尺屈25度(合計50度)であったこと,自動で,背屈50度,掌屈50度(合計100度),橈屈20度,尺屈20度(合計40度)であったことが認められる。 そうすると,手関節の主要運動である背屈と掌屈において,原告の右手関節 の可動域は,健側である左手関節の170度に対し,他動で110度,自動で100度と,4分の3以下に制限されていたといえるから,「1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」として,後遺障害等級12級6号に該当するといえる。 ⑵ これに対し,原告は,左手関節の可動域の2分の1と右手関節の可動域(自 動)の差は15度とわずかであること,5度単位で計測するために誤差が切り捨てられたのではないかということ,他動による左手首の掌屈の可動域が自動によるそれとの格差が他の運動に比して少ないのが多少不自然に感じられることや,参考運動とされる尺屈の可動域が2分の1に制限されていること,リ はないかということ,他動による左手首の掌屈の可動域が自動によるそれとの格差が他の運動に比して少ないのが多少不自然に感じられることや,参考運動とされる尺屈の可動域が2分の1に制限されていること,リハビリが終了した平成27年12月15日時点における可動域が症状固定時 の平成28年4月25日時点の数値より悪く,同日の症状が正確に記載されたか疑わしいことからすれば,原告の右手関節の後遺障害は,上肢の三大関節の一つの可動域が2分の1以下に制限される後遺障害等級10級に該当すると主張する。 しかし,そもそも15度の差がわずかであるとはいえないから,5度単位で 計測することによる誤差や,参考運動とされる尺屈の可動域が2分の1に制限 されていること(ただし,橈屈と併せれば,原告の右手関節の参考運動の可動域が2分の1以下に制限されていない。),他動による左手首の掌屈の可動域が自動によるそれとの格差が他の運動に比して少なかったことをもって,原告の右手関節の後遺障害を,可動域が2分の1に制限されている場合と同視することはできない。また,原告のリハビリが終了した平成27年12月15日以降 に時間の経過とともに関節の可動域が改善することはあり得ることであるから,同日から4か月以上が経過した平成28年4月25日の症状固定時の関節可動域の測定等が不当であるとはいえない。 よって,原告の右手関節の後遺障害を,主要運動の可動域が2分の1以下に制限されている場合と同視して後遺障害等級10級に該当するということは できず,原告の上記主張は採用できない。 3 争点⑶について⑴ 治療費 50万9760円治療費50万9760円が本件事故と相当因果関係のある損害であることは,当事者間に争いがない。 上記主張は採用できない。 3 争点⑶について⑴ 治療費 50万9760円治療費50万9760円が本件事故と相当因果関係のある損害であることは,当事者間に争いがない。 ⑵ 通院交通費 4万9280円原告は,通院交通費としてタクシー料金が本件事故と相当因果関係のある損害である旨主張する。 タクシー料金が通院交通費として相当因果関係のある損害と認められるには,タクシーの利用について必要性や相当性が認められることが必要である。 この点,原告が,D病院までバスを利用せずに,タクシーを利用したのは,被告Bの担当者からタクシーを利用してもよいとの説明を受けたことや,他の患者も乗る中でトラブルになっては嫌であるというものであるが(原告本人・6,7頁),かかる事情が存在したとしても,直ちに,タクシーの利用が必要,相当であることを基礎付けるものとまではいえない。原告の負傷が右手の複雑 骨折であり,公共交通機関による通院が困難であったとまではいえないこと, タクシーの利用について医師の指示等の存在も認められないことからすると,タクシーの利用が必要,相当なものであったとはいえず,タクシー料金相当額が,本件事故と相当因果関係のある通院交通費であるとは認められない。 そして,前記前提事実のとおり,原告が2回にわたり入院し,合計54回通院したこと,原告の自宅からD病院までの通院交通費は,1回片道440円で あること(原告本人)からすると,以下のとおり,4万9280円とするのが相当である(なお,原告が,本件勤務先からG駅を経由してD病院に通院した場合があり,その場合,G駅からD病院までの通院交通費は220円であると認められるが〔原告本人〕,その場合も,本件事故によって 相当である(なお,原告が,本件勤務先からG駅を経由してD病院に通院した場合があり,その場合,G駅からD病院までの通院交通費は220円であると認められるが〔原告本人〕,その場合も,本件事故によって,自宅からG駅を経由して本件勤務先に行った後,D病院への通院が必要となる以上,通院交通費 は片道440円とするのが相当である。)。 440円(片道)×2×56日=4万9280円⑶ 休業損害 50万1380円ア原告は,本件事故後,平成27年6月15日から同月20日まで入院し,退院後も同年7月20日までほぼ連日休業していること(乙7),その後, 通院をした日は一日又は半日休業しているところ(乙4,5,7),原告が治療の必要性があるため平成28年4月25日の症状固定時まで通院していることからすると,本件事故後平成27年7月20日までの休業した日,及び,同月21日以降症状固定時である同日までに通院した日(後遺障害の診断のために通院した同月27日を含む。)は,いずれも休業損害 が認められるべきである。 また,午前中に通院する場合,午後1時までの出社が困難であり1日休業した旨の原告の主張も不合理とはいえないから,通院した日において,原告が1日休業した日は1日を,半日休業した日は半日を,それぞれ休業期間と認めるのが相当である。 さらに,平成27年11月10日の休暇は,通院日ではないが,原告が 同月5日に抜釘手術を受け,医師より「同月4日より向こう7日間」の休業を指示されたことによるものと認められる(乙4の1・129,130頁)。 そうすると,平成27年6月においては12日間,同年7月においては17日間,同年8月においては3日間,同年9月においては4.5日間, 同年10月 (乙4の1・129,130頁)。 そうすると,平成27年6月においては12日間,同年7月においては17日間,同年8月においては3日間,同年9月においては4.5日間, 同年10月においては3日間,同年11月においては8日間,同年12月においては3日間,平成28年1月から同年3月までは各1日間(合計3日間),同年4月においては1.5日間の合計55日は(乙7。いずれも半日休業した場合は0.5日で計算),休業損害を認めるのが相当である。 他方,平成27年10月7日,同月9日,同年12月4日は,本件事故 後によって療養が必要となり休暇としたものではなく,本件事故前から特別休暇日と指定されていた日を結果として療養に充てた(通院はしていない。)ものであるから,本件事故によって休業したとまでは認められない。 また,同年11月10日までの休暇は,上記のとおり医師より「同月4日より向こう7日間」の休業を指示されたものの,同月11日及び同月1 2日は,相当因果関係のある休業とは認められない(原告が抜釘手術後にぎっくり腰になったために休業を指示されたことをもって本件事故と相当因果関係のある損害とは認められない。)。 同月23日の休業は,本件事故と相当因果関係のある休業とは認められない。 そうすると,原告の休業日は,上記のとおり,合計55日と認められる。 イ証拠(乙7)によれば,原告の本件事故前3か月間の収入は82万0498円と認められ,これを90日で除すると1日当たりの休業損害額は,9117円と認められ,これに休業日数である55日を乗じると,以下の計算式 のとおり,原告の休業損害の額は,50万1380円となる。 82万0498円÷90日= 業損害額は,9117円と認められ,これに休業日数である55日を乗じると,以下の計算式 のとおり,原告の休業損害の額は,50万1380円となる。 82万0498円÷90日=9116円(1円未満切捨て。以下同じ)9116円×55日=50万1380円⑷ 通院慰謝料 180万円原告の右手の粉砕骨折という受傷内容,原告の入通院期間等を考慮すれば,本件事故と相当因果関係のある通院慰謝料は,180万円とするのが相当であ る。 ⑸ 雑費 9082円雑費9082円が本件事故と相当因果関係のある損害であることは,当事者間に争いがない。 ⑹ 後遺障害慰謝料 280万円 前記2のとおり,原告の後遺障害は後遺障害等級12級に該当することからすると,本件事故と相当因果関係のある後遺障害慰謝料は280万円とするのが相当である。 ⑺ 逸失利益 867万0389円ア基礎収入 原告の本件事故の前年である平成26年の給与所得が459万1385円(乙7・4頁)であったところ,原告が,平成12年に本件勤務先に就職し(甲10),本件事故当時,就職から約15年が経過し,43歳であったことからすると,後遺障害による逸失利益の算定における基礎収入は,原告の前年の実収入459万1385円とするのが相当である。 原告は,本件勤務先の平均収入788万円を基礎収入とすべきである,本件事故が原因で本件事故前に決まっていた昇進が白紙撤回された旨主張し,本人尋問でそれに沿う供述をする。しかし,原告が本件事故前に昇進が決まっていたことを裏付ける客観的な証拠はなく,他に原告の基礎収入を,原告の本件事故の前年の実収入以上とするのが相当であるとする事情は認め 尋問でそれに沿う供述をする。しかし,原告が本件事故前に昇進が決まっていたことを裏付ける客観的な証拠はなく,他に原告の基礎収入を,原告の本件事故の前年の実収入以上とするのが相当であるとする事情は認めら れないことからすると,原告の上記主張は採用できない。 イ労働能力喪失期間,労働能力喪失率原告の年齢(症状固定時44歳),前記2記載の後遺障害の内容,原告の業務内容等からすれば,労働能力喪失期間は,67歳までの23年間とし,労働能力喪失率は14パーセントとするのが相当である。 これに対し,被告らは,労働能力は徐々に回復するものと考える旨主張す るが,原告の労働能力が回復することを窺わせる具体的な事情はないから,被告らの主張は採用できない。 ウそうすると,原告の逸失利益は,以下の計算式のとおり,867万0389円となる。 459万1385円×0.14×13.4886(労働能力喪失期間2 3年に相当するライプニッツ係数)=867万0389円⑻ 小計50万9760円+4万9280円+50万1380円+180万円+9082円+280万円+867万0389円=1433万9891円⑼ 過失相殺,損害の填補 前記1のとおり,本件事故については,原告についても1 割の過失相殺をするのが相当であるところ,過失相殺後の金額は,以下の計算式のとおり,1290万5901円となる。 1433万9891円×(1-0.1)=1290万5901円前記前提事実記載のとおり,被告Bは,原告に対し,127万8629円(う ち物的損害の填補分5万7858円)を支払ったものの,原告は,本件訴訟で人的損害について請求するものであるから 前記前提事実記載のとおり,被告Bは,原告に対し,127万8629円(う ち物的損害の填補分5万7858円)を支払ったものの,原告は,本件訴訟で人的損害について請求するものであるから,物的損害の填補分まで原告の人的損害額から控除するのは相当でない。そこで,上記1290万5901円から,122万0771円(127万8629円から物的損害の填補分5万7858円を除いた金額)を控除すると,原告の人的損害額は1168万5130円と なる。 ⑽ 弁護士費用本件事案の内容,原告の認容額等からすれば,本件事故と相当因果関係のある弁護士費用は116万円とするのが相当である。 合計 1284万5130円 4 原告は,被告Aの民法718条に基づく損害賠償債務及び被告Bの損害保険契 約の約款に基づく保険金支払債務は,連帯債務の関係にある旨主張する。 しかし,被告Bの原告に対する損害保険契約の約款に基づく保険金支払債務は,被告Aの原告に対する民法718条に基づく損害賠償債務の支払を填補するものではあるが,両債務が,連帯債務であるとの意思表示や法律上の規定があるとは認められないから,両債務が連帯関係にあるとはいえず,原告の上記主張は採 用できない。 5 まとめよって,原告は,⑴ 被告Aに対し,民法718条に基づき,1284万5130円及びこれに対する本件事故日である平成27年6月14日から支払い済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払,⑵ 被告Bに対し,被 告Bが締結した損害保険契約の約款に基づき,被告Aに対する判決が確定したときは,1284万5130円及びこれに対する本件事故日である平成27年6月14日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支 た損害保険契約の約款に基づき,被告Aに対する判決が確定したときは,1284万5130円及びこれに対する本件事故日である平成27年6月14日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めることができる。 第4 結論 以上の次第で,原告の被告Aに対する請求は主文第1項の限度で理由があり,被告Bに対する請求は主文第2項の限度で理由があり,その限度でこれらを認容し,その余は理由がないから,いずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。なお,仮執行免脱宣言は相当でないから,付さないこととする。 大阪地方裁判所第24民事部 裁判官塩原学

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