平成15年5月13日宣告平成15年(わ)第433号危険運転致傷被告事件判決 主文 被告人を懲役1年に処する。 未決勾留日数中30日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,平成15年2月17日午前零時43分ころ,千葉市a区fg丁目h番i号付近道路において,運転開始前に飲んだ酒の影響により前方注視及び運転操作が困難な状態で普通乗用自動車の走行を開始し,もってアルコールの影響により正常な運転が困難な状態で上記車両を走行させたことにより,同日午前零時45分ころ,同区j町k番地l付近道路を同区m町方面から同区n町方面に向かい時速約50キロメートルで走行中,進路前方で前車に続いて停止中のB(当時19歳)運転の普通乗用自動車後部に自車前部を衝突させた上,その衝撃で同人運転車両を前方に押し出して,同車前部をその前方で停止中のC(当時27歳)運転の普通乗用自動車後部に衝突させ,よって,上記Bに全治約3週間を要する頸椎捻挫等の傷害を,上記Cに全治約2週間を要する頸椎捻挫の傷害をそれぞれ負わせた。 (証拠の標目)省略(法令の適用)省略(量刑の理由)本件は,アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で普通乗用自動車を走行させて,自車を信号待ちのため停止していた先行普通乗用自動車2台に玉突き衝突させ,各車両の運転者2名を負傷させた,という危険運転致傷の事案である。 被告人は,友人とパチンコをした後同友人を誘って自車を運転して酒を飲みに行き,大量に飲酒した末,店を出たときには足がふらつき,前方注視及び運 者2名を負傷させた,という危険運転致傷の事案である。 被告人は,友人とパチンコをした後同友人を誘って自車を運転して酒を飲みに行き,大量に飲酒した末,店を出たときには足がふらつき,前方注視及び運転操作が困難な状態であることが明らかであったにもかかわらず,帰宅するため自車の運転を開始し,時速約50キロメートルで走行中,運転開始後約300メートル走行した地点で,自車を信号待ちのため停止していた先行普通乗用自動車に衝突させ,さらに同車をその前方で同様に停止中の普通乗用自動車に衝突させたもので,被告人がブレーキをかけた形跡は全くなく,被告人は先行停止車両に気付かないままこれに追突したものと認められる。被告人は,事故後一人で歩けないほど酩酊した状態であったもので,事故後8時間近く経過した時点で採取した被告人の血液からは,1ミリリットル中1.4ミリグラムのアルコールが検出されていることからすると,被告人は,本件犯行時は,血液1ミリリットルにつき2ミリグラムを超える大量のアルコールを身体に保有していたと推定され,かかる状態で前記車両を走行させることの危険性は火を見るよりも明らかであって,本件は他の交通関与者の安全を無視した誠に悪質な犯行である。被害者らの傷害の程度は軽いものではなく,かかる危険な運転行為に対する被害者らの憤りは大きい。しかも,被告人は,事故後現場に急行した救急隊員や警察官に対し悪態をつき,呼気検査に応じるよう求めた警察官に対しても,「おれは運転していないから風船なんかふくらまさない」などと言ってこれを拒否するなど,犯行後の情状も極めて悪い。 加えて,被告人には,平成14年8月にも呼気1リットルにつき0.56ミリグラムという相当多量のアルコールを身体に保有する状態で敢行した酒気帯び運転の罪により罰金20万円に処せ 情状も極めて悪い。 加えて,被告人には,平成14年8月にも呼気1リットルにつき0.56ミリグラムという相当多量のアルコールを身体に保有する状態で敢行した酒気帯び運転の罪により罰金20万円に処せられた前科があることをも併せ考えると,被告人の刑事責任は軽いものではなく,今後保険により相当額の賠償のなされることが期待できること,被告人が今後は運転をしない旨述べるなど反省の態度を示していること,若年であり,公判請求を受けたのは今回が初めてであること,母が監督を約し,勤務先の経営者も被告人を引き続き雇用して監督する旨約していることなど被告人のため酌むべき事情を十分考慮しても,本件が刑の執行を猶予するのが相当な事案であるとはいえず,この際被告人を主文の実刑に処するのはやむを得ない。 (求刑懲役1年8月)平成15年5月13日千葉地方裁判所刑事第1部 裁判官金谷暁
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