昭和36(オ)5 着手金並びに報酬金請求

裁判年月日・裁判所
昭和37年2月1日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 福岡高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人弁護士高木定義の上告理由第一点ないし第三点について。 (一) 所論中

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判決文本文1,762 文字)

主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人弁護士高木定義の上告理由第一点ないし第三点について。 (一) 所論中違憲をいう点は原判決が不当であるという主張を前提とするもので あるから、後記のように原判決に不当な点を認められない以上採るを得ない。 (二) 弁護士の報酬額につき当事者間に別段の定めのなかつた場合において、裁 判所がその額を認定するには、事件の難易、訴願及び労力の程度だけからこれに応 ずる額を定むべきではなく、当事者間の諸般の状況を審査し、当事者の意思を推定 して相当報酬額を定むべきであることは所論のとおりであり、その旨の大審院判例 の存することも所論のとおりである。しかしながら、原判文を通読すれば判明する ように、原判決は、挙示の証拠により本件は当事者に意思表示を以て報酬額につき 別段の定めのなかつた場合であると認定した上、被上告人が予て上告人から月五、 〇〇〇円の顧問料をうけていた法律顧問であつたこと(この顧問の点につき原審と して所論の点にまで審究判断しなければ本件報酬額が決定できないものとは考えら れない。)、本件訴訟事件委任の際のいきさつ、事件の進行状況、難易の程度、事 件終結当時のてんまつ等を顧慮し、更に被上告人所属の福岡県弁護士会所定の報酬 規程にも鑑み、その他判示のような諸般の情況をも斟酌して、上告人は被上告人に 着手金として訴願の五分に当る金三二万二九八八円、成功報酬金として和解による 受益金の五分に当る金三〇万四〇〇〇円、計六二万六九八八円を支払うべきものと 判断しているのであるから、右は前示判例に一致こそすれ、これに抵触するもので ないことは勿論右判断の過程に所論法令違反等違法のかどあるを発見できない。従 つて、この点に関する所論は原判決を正解していないも 断しているのであるから、右は前示判例に一致こそすれ、これに抵触するもので ないことは勿論右判断の過程に所論法令違反等違法のかどあるを発見できない。従 つて、この点に関する所論は原判決を正解していないものというの外なく、採用で - 1 - きない。 (三) 原判決は福岡県弁護士会の報酬に関する規程は当事者を拘束する効力を有 するものとは判断しておらず、ただ本件報酬額を定めるについてこれを一資料とし て参酌しているに止まるものであることは判文上明らかであるから、この点に関す る所論もまた原判決を正解しないものというの外はない。 (四) 所論は被上告人において本件訴訟事件を受任し処理するにつき善良な管理 者の注意義務を欠いたと主張する。しかし、この点に関する原判決の事実上、法律 上の判断はすべて正当と認められるから、所論は採用できない。 (五) 原判決が第一審判決の誤算にかかる部分を正当に訂正していることは原判 文上一見明瞭である。そして、原判決は、被控訴人(被上告人)からの独立控訴も 附帯控訴もない本件においては第一審判決判定の範囲内で判断する外ないとしてい るのであり、その判断は固より正当である。この点に関する所論も原判決を正解し ないもので採るを得ない。 (六) 以上の他、所論は種々論議するが、ひつきようするに、原審が適法になし た具体的事実認定を非難攻撃するに帰するものであつて、すべて採用に値しない。 (七) 以上の次第で、原判決には所論のような不当なかどあるものとは到底認む べくもない。  よつて、民事訴訟法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文 のとおり判決する。      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    下 飯 坂   潤   夫             裁判官    斎   藤   悠   輔             裁 決する。      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    下 飯 坂   潤   夫             裁判官    斎   藤   悠   輔             裁判官    入   江   俊   郎             裁判官    高   木   常   七 - 2 -

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