昭和22(ク)3 都会議員当選無効事件につきなした保証金供託を命ずる決定に対する抗告

裁判年月日・裁判所
昭和22年12月19日 最高裁判所第三小法廷 決定 却下 東京高等裁判所 0
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【DRY-RUN】- 1 - 主 文 本件抗告を却下する。 抗告費用は抗告人の負担とする。 理 由 最高裁判所の裁判権を定めた裁判所法第七条は「最高裁判所は左の事項について裁 判権を有する」と規定し其第一号は「上告」と

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判決文本文1,933 文字)

- 1 - 主 文 本件抗告を却下する。 抗告費用は抗告人の負担とする。 理 由 最高裁判所の裁判権を定めた裁判所法第七条は「最高裁判所は左の事項について裁 判権を有する」と規定し其第一号は「上告」と言い、第二号は「訴訟法において特 、 に定める抗告」と言つて居る。第一号は右の如く単純に「上告」と言つて居り、又高 等裁判所の裁判権を定めた同法第十六条の第二号は「……地方裁判所の決定及命令に 対する抗告」と言い、地方裁判所の裁判権を定めた、同法第二十四条の第三号も同様 の字句を用いて居る。然るに第七条第二号に限りこれ等の用語例に従はず「訴訟法に おいて特に定める抗告」と言う様な特別の字句を用いて居るのは、特別の意義がある のである。此規定は従来の大審院と異り僅少の裁判官を以て構成するに拘はらず其権 限は遙かに重大且広汎である最高裁判所の負担があまりに過重になることを防ぐため 比較的重要ならざる事項に関する裁判(決定命令の如き)は一応高等裁判所を以て打 ち切ることとし特別の場合の外最高裁判所には来ない様にすることを其趣旨とするも のであるので茲に言う「訴訟法において特に定める抗告」とは、訴訟法が特に最高裁 判所に(大審院ではない)申立てることが出来る旨を定めた場合のみを指す意味であ る。此「訴訟法において特に定める」とあるのを受けて昭和二十二年法律第七十五号 日本国憲法の施行に伴う民事訴訟法の応急的措置に関する法律第七条及同年法律第七 十六号日本国憲法の施行に伴う刑事訴訟法の応急的措置に関する法律第十八条は共に 「……最高裁判所に特に抗告することが出来る」と規定して居るのであつて、かよう に最高裁判所に抗告を申立てることが出来る旨を特に法が定めて居る場合に限り最高 - 2 - 裁判所に対する抗告を認め、其外には一切同裁判所に対しては、抗告を為し得ない事 にしたのが裁判所法第七条 かよう に最高裁判所に抗告を申立てることが出来る旨を特に法が定めて居る場合に限り最高 - 2 - 裁判所に対する抗告を認め、其外には一切同裁判所に対しては、抗告を為し得ない事 にしたのが裁判所法第七条第二号の趣旨である。つまり右の如く、最高裁判所に申立 てることが出来る旨が規定せられて居る場合は、高等裁判所の決定、命令に対する場 合たると、他の裁判所の決定、命令に対する場合たるとを問はず、最高裁判所に対す る抗告を許すが、其以外には高等裁判所の決定、命令に対する抗告、再抗告は一切こ れを認めない趣旨なのである(若しそうでなく従来訴訟法において抗告を認めて居 。 る場合総て高等裁判所の決定、命令に対する抗告を許す趣旨ならば、裁判所法第七条 第二号は、同条第一号の例に従い「再抗告」と書くか、或は同法第十六条の第二号 、 及第二十四条の第三号の例に従い「高等裁判所の決定及命令に対する抗告」と言う 、 風に書く筈である。尚右第十六条第二号及第二十四条第三号において、第七条第二号 の抗告を除外して居るのは、右法文の趣旨が前記の如く「特に最高裁判所に申立てる ことが出来る旨を定めて居る抗告」と言う趣旨であり、従つて此場合は地方裁判所又 は簡易裁判所の決定命令に対する抗告でも、最高裁判所に行く趣旨だからである。 ) 最高裁判所に申立てることが出来る抗告の範囲が、右の如く限定せられたとなると、 高等裁判所の決定、命令に対しては(前記の如き特別の場合の外)抗告を申立てるこ とが出来ない事になり従つて高等裁判所の決定、命令は、前記昭和二十二年法律第七 十五号第七条及同年法律第七十六号第十八条に言うところの「訴訟法の規定により不 服を申立てることの出来ない決定又は命令」中に入ることになるから、これに対して は右二法条によれば憲法違反を理由とする場合でなければ、抗告をする事が出来ない わけである。 ところの「訴訟法の規定により不 服を申立てることの出来ない決定又は命令」中に入ることになるから、これに対して は右二法条によれば憲法違反を理由とする場合でなければ、抗告をする事が出来ない わけである。然るに、本件抗告は憲法違反を理由とするものでない事は、抗告理由に より明であり、其他本件の如き抗告を特に最高裁判所に申立てる事が出来る旨を定め た規定は存在しないから、本件抗告は不適法として之れを却下すべきものである。 - 3 - よつて抗告費用を抗告人に負担せしめ、主文の通り決定する。 昭和二十二年十二月十九日 最高裁判所第三小法廷 裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎 裁判官 井 上 登 裁判官 庄 野 理 一 裁判官 島 保 裁判官 河 村 又 介

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