平成18(行ウ)25 登記申請却下処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成20年2月15日 広島地方裁判所
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判決文本文10,175 文字)

- 1 -主文 本件訴えのうち,広島法務局三原出張所登記官が平成18年3月16日付けで原告に対してなした広島法務局三原出張所平成18年2月10日受付第773号の建物構造変更及び附属建物滅失の各登記申請を却下する旨の決定を取り消すよう求める部分をいずれも却下する。 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1請求広島法務局三原出張所登記官が平成18年3月16日付けで原告に対してなした,原告の広島法務局三原出張所平成18年2月10日受付第773号登記申請を却下する旨の決定はこれを取り消す。 第2事案の概要 本件は,原告が,広島法務局三原出張所登記官に対し,別紙物件目録記載の建物(以下「本件建物」という。)について,別紙登記申請目録記載の各登記申請をした(以下,これらを個別に呼称するときは,その内容に応じて「本件○○の登記申請」といい,これらを併せて呼称するときは「本件各登記申請」という。)が,これらをいずれも却下する旨の決定(以下「本件各却下決定」という。)がなされたとして,その取消しを求めている事案である。 基礎となる事実(証拠を付さない事実は,当事者間に争いがない。)(1) 本件各登記申請(争いがない,乙1)原告は,平成18年2月10日,広島法務局三原出張所登記官に対し,本件建物について,本件各登記申請をした。 (2) 本件各却下決定等(甲3,乙1,20,弁論の全趣旨)広島法務局三原出張所職員は,平成18年2月27日,本件建物を実地調査し,その結果,本件建物の現況は,その主たる建物の部分(以下「本件A- 2 -建物」という。)と三原市a町bc番地のd所在の家屋番号c番dの建物(以下「本件B建物」という。)とが各々の障壁を除去し一個の建物となったものであり ,その主たる建物の部分(以下「本件A- 2 -建物」という。)と三原市a町bc番地のd所在の家屋番号c番dの建物(以下「本件B建物」という。)とが各々の障壁を除去し一個の建物となったものであり,不動産登記法(以下「不登法」という。)49条にいう合体による登記等を行うべきであると判断した。 広島法務局三原出張所登記官は,同年3月16日,本件各登記申請に係る不動産の表示が登記官の調査の結果と合致しないとして,本件各却下決定をしたが,その後の平成19年12月17日,本件建物構造変更及び本件附属建物滅失の各登記申請どおり,本件建物の主たる建物の構造変更登記並びに符号1及び2の各附属建物の滅失登記をした。 (3) 本訴提起等(甲4の1,5,顕著な事実)原告は,平成18年5月16日,広島法務局長に対し,本件各却下決定が不当であるとして審査請求をしたが,同年6月22日,本件各却下決定には処分性がないとして,この審査請求を却下する旨の裁決を受けたため,同年9月12日,当庁に対し,本件訴えを提起した。 争点及び争点に対する当事者の主張(1) 争点ア本件各却下決定が取消訴訟の対象となる「処分」(行政事件訴訟法3条2項)に該当するか。 イ本件各却下決定は違法か。 (2) 原告の主張ア本件各却下決定が「処分」に該当すること(争点アに対し)土地台帳法及び家屋台帳法の下では,申告は単に登記官の職権発動を促す意味しかなく,却下の応答も予定されていなかった。しかし,現行不登法の下では,登記官は,表示に関する登記の申請に係る不動産の表示が登記官の調査の結果と合致しない場合には,理由を付した決定で,登記の申請を却下しなければならず(不登法25条11号),登記官の処分を不当- 3 -とする者は,当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求がで 致しない場合には,理由を付した決定で,登記の申請を却下しなければならず(不登法25条11号),登記官の処分を不当- 3 -とする者は,当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求ができる(不登法156条1項)こととされている。このように,現行の不登法は当事者に手続上の登記申請権を認めているから,これを侵害する本件各却下決定は「処分」に該当するものである。 また,本件建物については表示に関する登記を前提として権利に関する登記がなされており,このような表示に関する登記は,単なる公証機能を果たすにとどまらず,私人の権利義務に影響を及ぼすものと評価できる。 そして,本件建物床面積変更の登記申請どおりに登記がなされれば,本件建物の増築部分である本件B建物の根抵当権設定登記は無効となり,関係者の権利義務に影響を及ぼすから,この観点からしても,本件各却下決定は「処分」に該当する。 イ本件各却下決定は違法であること(争点イに対し)建物の独立性ないし個数,及び一個の建物を増築した建物であるか二個の建物を合体した建物であるかは,当事者等の認識や登記簿上の記載と無関係に,物理的な状態から客観的に決まるものである。 現況の本件建物は,既存の本件A建物の基礎,柱及び壁を利用して本件B建物が築造され,本件A建物及び本件B建物の全体が居住の用に一体として利用されており,本件A建物との同一性も失われていないから,その物理的な状態からして,本件A建物に本件B建物とされていた部分が増築されたものというべきである。本件床面積変更の登記申請どおりに登記がなされると,本件A建物の増築部分と本件B建物につき,重複した表示に関する登記が生ずるが,本件B建物が新築された実態がない以上,かかる重複登記の解消は本件B建物の表示に関する登記を原始的に無効なものとして取り消 件A建物の増築部分と本件B建物につき,重複した表示に関する登記が生ずるが,本件B建物が新築された実態がない以上,かかる重複登記の解消は本件B建物の表示に関する登記を原始的に無効なものとして取り消せば足りる。 そして,本件建物の現況は,その余の部分についても本件各登記申請のとおりであるから,実態に符合した本件各登記申請を却下する旨の本件各- 4 -却下決定は,違法なものとして取り消されるべきである。 (3) 被告の主張ア本件各却下決定は「処分」に該当しないこと(争点アに対し)建物の表示に関する登記は,当該建物に権利に関する登記がなされていたとしても,当該建物の物理的状況及び客観的事実を登記記録上に反映する事実的行為にすぎず,それが誤っていても,当該建物の客観的状況について誤った公証がなされているといった事実上の不利益を生じさせるだけであるから,建物の表示に関する登記の申請を却下する決定は,国民の権利義務に直接影響を及ぼすものではない。登記官は,表示に関する登記の申請に係る不動産の表示が登記官の調査の結果と合致しない場合には,理由を付した決定で,登記の申請を却下しなければならず(不登法25条11号),この理由付記は申請者が審査請求(不登法156条1項)をする上で実質的便宜を与えるものであるが,その趣旨は登記官の判断を慎重なものとして恣意を抑制する点にあるから,この理由付記の制度があるからといって表示に関する登記の申請を却下する決定が国民の権利義務に直接影響を及ぼすものとなるわけではない。 他方,表示に関する登記は,登記官が,職権ですることができ(不登法28条),表示に関する登記の申請は,この職権の発動を促すものにすぎないから,表示に関する登記の申請権があるとは解されない。建物の表示に関する登記に係る登記事項に変更があったときの登記 でき(不登法28条),表示に関する登記の申請は,この職権の発動を促すものにすぎないから,表示に関する登記の申請権があるとは解されない。建物の表示に関する登記に係る登記事項に変更があったときの登記申請義務(不登法51条1項)も,建物の物理的状況の変更を一番よく知る者に公法上の義務を課すことで,その変更を正確に登記記録上に公示させようとしたものにすぎず,表示に関する登記の申請権を認めたものではない。 このように表示に関する登記の申請を却下する決定は,国民の権利義務に直接影響を及ぼすものではなく,表示に関する登記の申請権を侵害するものでもないから,本件各却下決定は「処分」に該当しない。 - 5 -イ本件各却下決定は違法でないこと(争点イに対し)不動産登記制度は,不動産の表示及び不動産に関する権利を公示するための登記に関する制度について定めることにより,国民の権利の保全を図り,もって取引の安全と円滑に資することを目的とするものである(不登法1条)から,建物の独立性ないし個数,及び一個の建物に増築した建物であるか又は二個の建物を合体した建物であるかについても,このような観点から検討されるべきである。 本件B建物は,新築時の所有者のCにより,独立した一個の建物として表示に関する登記及び所有権保存登記がなされた上,Cないし原告により,贈与を原因とする所有権移転登記がなされたり抵当権設定登記及び根抵当権設定登記が複数回なされたりするなど独立した一個の建物として取引の対象とされており,原告は,現在も本件B建物を独立した一個の建物として認識している。また,本件建物の実地調査の結果,本件A建物と本件B建物とは,元々それぞれが独立した建物であったと考えられる外観で,その内部には柱のこん跡,すき間等が見られたのであるから,独立した二個の建物であったとい 本件建物の実地調査の結果,本件A建物と本件B建物とは,元々それぞれが独立した建物であったと考えられる外観で,その内部には柱のこん跡,すき間等が見られたのであるから,独立した二個の建物であったというべきである。そうすると,増築を原因とする本件建物所在地番変更及び本件建物床面積変更の各登記申請は実態に符合しないから,本件各却下決定のうちこれら各登記申請を却下した部分は違法ではない。 また,床面積の変更又は更正の登記を申請する際には,変更又は更正後の建物図面及び各階平面図を添付情報として提供する必要があり(不動産登記令(以下「不登令」という。)7条1項6号,別表14項添付情報欄ロ(1)),これが提供されないときは,登記官は,理由を付した決定で,登記の申請を却下しなければならない(不登法25条9号)。建物図面及び各階平面図は主たる建物と附属建物を合わせた一個の建物ごとに作成しなければならない(不動産登記規則(以下「不登規則」という。)81- 6 -条)ものであり,増築を原因とする上記各登記申請が却下されると,本件A建物と本件建物の符号3の附属建物とを合わせた一個の建物についての建物図面及び各階平面図が提供されないことになるから,本件各却下決定のうち本件附属建物床面積更正の登記申請を却下した部分も違法ではない。 第3当裁判所の判断 本件各却下決定が「処分」に該当するか(争点ア)について表示に関する登記は,不動産の実体的な権利関係に影響を及ぼすものではなく,また,登記官が職権ですることができるものである(不登法28条)から,当事者に表示に関する登記の申請権はなく,当事者による登記の申請は,単に登記官の職権の発動を促すだけのものと考える余地もある。 しかし,そもそも不登法は,国民の権利の保全を図り,もって取引の安全に資することを目的として 登記の申請権はなく,当事者による登記の申請は,単に登記官の職権の発動を促すだけのものと考える余地もある。 しかし,そもそも不登法は,国民の権利の保全を図り,もって取引の安全に資することを目的として,不動産の表示及び不動産に関する権利を公示するための登記に関する制度を定めたものであり(不登法1条),このような目的を達するため,不動産の現況を正確に公示し,その取引の安全及び円滑に資する情報を提供するものとして,表示に関する登記の制度を設けており,さらに,不登法25条は,権利に関する登記のみならず表示に関する登記についても,当事者が登記の申請をすることができることを前提として,同条各号に掲げる場合には,理由を付した決定で,登記の申請を却下しなければならないとし,表示の登記の申請に対しても,理由を付して応答することを義務付けている。 このような不登法の諸規定は,実際には存在する不動産について表示に関する登記がなかったり,不動産の現況と表示に関する登記が食い違っていたりすると,当該不動産の実体的な権利関係を形成する際に実際上大きな障害を生ずることから,不動産の現況を正確に公示してもらうという当事者の利益を法的に重要なものとして保障し,これを申請権として具体化させたものと解すべく,登記官の処分を不当とする者が当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができるとする不登法156条1項において,表示に- 7 -関する登記の申請を却下する決定がその対象から除外されていないのは,上記解釈に基づき,表示に関する登記の申請を却下する決定が,行政不服審査法上及び行政事件訴訟法上の処分に当たることを前提にしているものである。 なお,証拠(乙3)によれば,法務省民事局長は,建物の表題部の変更及び更正並びに建物の滅失の各登記の申請に対する却下の 不服審査法上及び行政事件訴訟法上の処分に当たることを前提にしているものである。 なお,証拠(乙3)によれば,法務省民事局長は,建物の表題部の変更及び更正並びに建物の滅失の各登記の申請に対する却下の決定について,出訴期間等の教示(行政事件訴訟法46条1項)の対象外としていたと認められるが,このような行政内部での取扱いをもって取消訴訟の対象となるか否かが決まるとすれば,行政が自ら行った行為が取消訴訟の対象となるか否かを自ら自由に決定できることにもなりかねないから,上記法務省民事局長の取扱いのゆえに上記判断が覆されることはない。 そうすると,広島法務局三原出張所登記官がした,本件建物の表示に関する登記の申請(本件各登記申請)を却下する旨の本件各却下決定は,「処分」に該当するものと解するのが相当である。 本件訴えのうち,本件建物構造変更及び本件附属建物滅失の各登記申請を却下した決定の取消しを求める部分の訴えの利益について本件建物構造変更及び本件附属建物滅失の各登記申請については,後日その申請どおりの登記がなされている(前記第2の2(2))ものであるから,本件訴えのうち,上記各登記申請を却下した決定の取消しを求める部分については,訴えの利益を欠く不適法なものである。 本件各却下決定が違法か(争点イ)について(1) 本件却下決定のうち,本件建物所在地番変更及び本件建物床面積変更の各登記申請を却下した部分についてア建物に加えられた築造が従前の建物と一体となり全体として一個の建物を構成するか従前の建物と別個独立の建物となるかは,建物の物理的構造のみならず,従前の建物と築造部分のそれぞれの種類・構造・面積,造作,周囲の建物との接着の程度,四辺の状況等の客観的事情及び登記されるに- 8 -至った所有者側の事情を総合し,もって,築造部分が従前 みならず,従前の建物と築造部分のそれぞれの種類・構造・面積,造作,周囲の建物との接着の程度,四辺の状況等の客観的事情及び登記されるに- 8 -至った所有者側の事情を総合し,もって,築造部分が従前の建物から独立して取引又は利用の対象とされ得るか否かも勘案して決すべきものである(最高裁昭和35年(オ)第856号同39年1月30日第一小法廷判決・民集18巻1号1967頁参照)。 本件B建物は,本件A建物よりも敷地面積が広く,本件A建物と屋根が分かれていて,本件A建物と本件B建物の両方に柱のこん跡らしきものがみられる一方,本件B建物と本件A建物との間には,約1.5cmのすき間しかなく,隔壁もなかったもので(甲1,4の3,6,7,10,乙1,6,16),このような物理的構造だけから,本件B建物が本件A建物と一体となっているか別個独立のものとなっているかを決することは困難である。しかし,本件B建物については,昭和41年7月11日,同月6日に新築されたものとして,原告の夫のCによりその旨の表示に関する登記及び所有権保存登記がなされ,昭和57年6月23日,原告に対する同月22日付け贈与を原因とする所有権移転登記がなされている上,昭和47年以降,抵当権設定登記及び根抵当権設定登記とその抹消登記が4度も繰り返され,その後になされた平成10年12月1日付け根抵当権設定登記は,現在も抹消されていない(甲7,乙6,16)。他方,本件A建物については,昭和5年12月26日,Dにより表示に関する登記及び所有権保存登記がなされ,昭和43年12月14日,Cに対する同年5月3日付け相続を原因とする所有権移転登記がなされているものの,昭和41年以降に抵当権設定登記等はなされておらず,本件各登記申請がなされた平成18年2月10日までに,増築を原因とする床面積変更等の登 3日付け相続を原因とする所有権移転登記がなされているものの,昭和41年以降に抵当権設定登記等はなされておらず,本件各登記申請がなされた平成18年2月10日までに,増築を原因とする床面積変更等の登記申請はなされていない(甲1,6)。加えて,C及び原告は,今もなお本件A建物と本件B建物とはそれぞれが一個の建物であると認識しているというのである(甲13)。 そうすると,本件B建物は,そもそもが当時の本件A建物の所有者とは- 9 -異なる者によりそれ自体が独立した一個の建物として登記がなされた上,40年以上もの間,身内との関係だけではなく第三者との関係でも,独立した一個の建物として取引の対象とされ,上述のような物理的構造を考慮しても,本件A建物から独立して取引の対象とされ得るものというべきであるから,本件B建物と本件A建物とは登記上別個独立の建物として取り扱うのが相当である。そして,登記上別個独立のものとして取り扱われている各建物につき,登記上一個の建物とするには,不登法49条の合体による登記等をなすべきであるから,本件A建物の増築に伴う所在地番及び床面積の各変更を原因とする,本件建物所在地番変更及び本件建物床面積変更の各登記申請は,却下されるべきものである。 イまた,登記記録は,一筆の土地又は一個の建物ごとに作成されるもので(一不動産一登記記録主義・不登法2条5号),既に表示に関する登記がされている土地又は建物につき,重ねてした表示に関する登記の申請は,申請に係る登記が既に登記されているときに当たり,却下されるべきものである(不登法25条3号)。 本件建物所在地番変更及び本件建物床面積変更の各登記申請は,本件A建物の増築に伴う所在地番及び床面積の各変更があったことを原因としているが,結局は,既に一個の建物として表示に関する登記がなさ 号)。 本件建物所在地番変更及び本件建物床面積変更の各登記申請は,本件A建物の増築に伴う所在地番及び床面積の各変更があったことを原因としているが,結局は,既に一個の建物として表示に関する登記がなされている本件B建物について,重ねて表示に関する登記を求めるものであるから,不登法25条3号により,却下を免れない。 原告は,本件A建物の増築部分と本件B建物とで重複した表示に関する登記が生じたとしても,後者の表示に関する登記を原始的に無効なものとして取り消せば足りると主張するが,そのような方策が,重複して表示に関する登記が生じてしまった場合の事後的なものとして採り得るか否かは格別,これから表示に関する登記をすれば重複が生ずることが明らかなのであれば,上述のとおり,その申請を却下すべきものであるから,原告の- 10 -主張は採り得ない。 ウしたがって,本件却下決定のうち,本件建物所在地番変更及び本件建物床面積変更の各登記申請を却下した部分については,違法なものではない。 (2) 本件却下決定のうち,本件附属建物床面積更正の登記申請を却下した部分について建物の床面積の変更又は更正の登記の申請をする場合には,変更後又は更正後の建物図面及び各階平面図を登記所に提供しなければならない(不登令7条1項6号,別表の14の項ロ(1))。これらの建物図面及び各階平面図は,登記所に備える建物図面つづり込み帳につづり込んで,又は登記所の管理する電磁的記録に記録して保存され(不登規則17条,22条),何人もそれらの写し(電磁的記録に記録されているときは,当該記録された情報の内容を証明した書面)の交付ないしそれらの閲覧を請求できるもので(不登法121条1項,2項本文,不登令21条1項,不登規則193条1項),登記簿とともに建物の表示を公示する機能を果たすものであ 報の内容を証明した書面)の交付ないしそれらの閲覧を請求できるもので(不登法121条1項,2項本文,不登令21条1項,不登規則193条1項),登記簿とともに建物の表示を公示する機能を果たすものである。 そして,主たる建物の床面積を変更・更正する登記と併せて附属建物の床面積を変更・更正する登記が一括して申請され,それに際して一つの建物図面及び各階平面図が提供された場合,主たる建物の床面積を変更・更正する登記の申請が却下されたのであれば,残りの登記の申請についても,これを却下するほかない。主たる建物の床面積を変更・更正する登記の申請が却下されると,少なくともその部分につき建物図面及び各階平面図は誤ったものとなるが,建物図面及び各階平面図は,主たる建物と附属建物とを合わせた一個の建物ごとに作成しなければならず(不登規則81条),一個の建物ごとに上述の公示の機能を果たすものであるから,仮に上記申請に際して提供された建物図面及び各階平面図の残りの部分が申請と合致していたとしても,上述の公示の機能を果たし得ないものしか提供されておらず,結局,不登令7条1項6号,別表の14の項ロ(1)所定の添付情報が提供されていないも- 11 -のといわざるを得ないからである。 そうすると,本件建物床面積変更の登記申請が却下を免れない以上,本件附属建物床面積更正の登記申請も却下を免れず,本件各却下決定のうちこの登記申請を却下した部分も違法ではない(なお,建物の所在する土地の地番を変更し,又は更正する登記の申請をする場合には,変更後又は更正後の建物図面を登記所に提供しなければならない(不登令7条1項6号,別表の14の項イ)以上,建物の所在地番の変更・更正する登記の申請についても上述の道理は同じく妥当するから,本件各却下決定のうち本件建物所在地番変更の登記申請を却 ればならない(不登令7条1項6号,別表の14の項イ)以上,建物の所在地番の変更・更正する登記の申請についても上述の道理は同じく妥当するから,本件各却下決定のうち本件建物所在地番変更の登記申請を却下した部分は,この観点からも違法ではない。)。 結論 よって,本件訴えのうち,本件建物構造変更及び本件附属建物滅失の各登記申請を却下した決定の取消しを求める部分については,いずれも不適法であるからこれを却下することとし,その余の部分に係る本訴請求については,いずれも理由がないからこれを棄却することとし,訴訟費用の負担について行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 広島地方裁判所民事第1部裁判長裁判官野々上友之裁判官大森直哉- 12 -裁判官安木進- 13 -(別紙)物件目録主たる建物の表示所在三原市a町bc番地家屋番号e番種類居宅構造木造亜鉛メッキ鋼板葺2階建床面積1階66.11㎡2階26.44㎡附属建物の表示符号1種類納屋構造木造草葺平家建床面積69.42㎡符号2種類納屋構造木造草葺平家建床面積39.66㎡符号3種類納屋構造木造瓦葺平家建床面積19.83㎡- 14 -(別紙)登記申請目録広島法務局三原出張所平成18年2月10日受付第773号 建物所在地番変更原因昭和41年7月6日変更地番三原市a町bc番地f,g番地h,i番地,j番地,k番地 建物構造変更原因昭和35年月日不詳構造木造瓦葺2階建 建物床面積変更原因昭和41年7月6日増築床面積1階192.84㎡2階98.29㎡ 附属建物滅失符号1の附属建物について原因昭 昭和35年月日不詳構造木造瓦葺2階建 建物床面積変更原因昭和41年7月6日増築床面積1階192.84㎡2階98.29㎡ 附属建物滅失符号1の附属建物について原因昭和40年10月2日取毀符号2の附属建物について原因昭和49年3月15日取毀 附属建物床面積更正符号3の附属建物について原因錯誤床面積27.20㎡

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