平成29(ワ)1302 費用負担金返還請求事件

裁判年月日・裁判所
令和元年5月10日 大阪地方裁判所
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判決文本文34,853 文字)

判決主文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由 第1 請求の趣旨 1 甲事件及び乙事件関係被告は,原告1~23に対し,それぞれ別表の「請求金額合計」欄記載の各金員及びこれに対する同表の「契約締結日」欄記載の各日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 丙事件関係被告は,原告24~33に対し,それぞれ別表の「請求金額合計」欄記載の各金員及びこれに対する同表の「催告書送達日」欄記載の各日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は,国有林野の管理経営に関する法律(以下「管理経営法」という。)第17条の2~6の規定に基づいて,国有林野に生育している樹木を,契約により,被告と被告以外の者(以下「費用負担者」という。)との共有とし,費用負担者からその持分の対価並びに樹木について被告が行う保育及び管理(以下「育林」という。)に要する費用の一部を支払わせ,育林による収益を被告及び費用 負担者が分収するという分収育林契約(以下「分収育林契約」という。)を被告との間で締結した費用負担者又は費用負担者からその持分を承継取得した持分権者である原告らが,被告が分収育林契約上の管理経営計画(以下「管理経営計画」という。)に記載された実施年度に「主伐」を実施しなかったことが被告の同契約上の債務不履行に当たるので,同債務不履行に基づき同契約を解除し たと主張して,被告に対し,解除に基づく原状回復請求として,分収育林契約 の締結時に,費用負担者(原告らのうちの一部の者とその余の者の被承継人。 以下「原告ら又はその被承継人」という。)が被告に対して支払った各費 対し,解除に基づく原状回復請求として,分収育林契約 の締結時に,費用負担者(原告らのうちの一部の者とその余の者の被承継人。 以下「原告ら又はその被承継人」という。)が被告に対して支払った各費用負担金相当額(別表の「原告氏名」欄記載の各原告に対応する同表の「請求金額合計」欄記載の各金員)の返還及び原告1~23(甲事件及び乙事件の原告ら)については上記各金員に対する同表の「契約締結日」欄記載の各日から,原告 24~33(丙事件の原告ら)については上記各金員に対する同表の「催告書送達日」欄記載の各日の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による法定利息の支払を求めた事案である。 2 関連法令の定め(1) 管理経営法の定め 第17条の2(分収育林契約の締結)農林水産大臣は,国有林野について,契約により,一定の土地に生育している樹木を国以外の者との共有とし,その者の持分の対価並びに当該樹木について国が行う保育及び管理(育林)に要する費用の一部をその者に支払わせ,育林による収益を国及びその者(費用負担者)が分収するもの とすることができる。 第17条の3(分収育林契約の内容)前条の契約(分収育林契約)においては,次に掲げる事項を定めなければならない。 1号分収育林契約の目的たる国有林野(以下「分収林」という。)の所 在及び面積並びに当該契約の目的たる樹木(以下「分収木」という。)の樹種別及び樹齢別の本数2号当該契約の存続期間3号分収木に係る費用負担者の持分の割合4号費用負担者が支払うべき額 5号育林の方法 6号伐採の時期及び方法7号その他必要な事項第17条の4(収益の分収)分収林につき,費用負担者は,分収育林契約に定められた分収木に係る持分 き額 5号育林の方法 6号伐採の時期及び方法7号その他必要な事項第17条の4(収益の分収)分収林につき,費用負担者は,分収育林契約に定められた分収木に係る持分の割合により,分収木に係る収益を国と分収するものとする。 第17条の5(分収育林契約の存続期間)第1項分収育林契約の存続期間は,60年を超えることができない。 ただし,農林水産大臣は,費用負担者から長伐期施業を行うため当該存続期間を延長したい旨の申し出があった場合において,分収林の有する公益的機能の維持増進を図るため適当であると認 めるときは,これを延長することができる。 第2項前項ただし書の規定により延長する期間は,1回ごとに60年を超えることができない。 第3項分収育林契約は,更新することができる。 (2) 管理経営法施行規則の定め 第39条の5(分収)第1項分収林の収益分収は,分収木の売払代金をもってする。 第2項分収木の売払いは,森林管理局長又は森林管理署長が行うものとする。 3 前提事実(裁判所に顕著な事実及び当事者間に争いがない事実並びに後掲各 証拠及び弁論の全趣旨によって認定できる事実)(1) 国有林における分収育林の制度化ア分収育林とは,生育途上の樹木を対象に契約当事者が契約を結び,当該樹木について共有持分を取得し,当該樹木を伐採する時点で,あらかじめ契約に定めた分収割合により,販売収益を分収する林業経営の一方式であ る。 イ我が国の森林資源は,経営の客体となるべき人工林が,昭和30年代からの造林によるものが多く,昭和51年当時,民有林,国有林とも,30年生以下の若齢林が全体の8割強を占める状 る。 イ我が国の森林資源は,経営の客体となるべき人工林が,昭和30年代からの造林によるものが多く,昭和51年当時,民有林,国有林とも,30年生以下の若齢林が全体の8割強を占める状況にあり,これらの樹木は,健全な森林を造成するために不可欠な保育,間伐を要する時期に達しており,早急な森林整備が必要になっていた。そのため,同年度から公有林を 対象として,モデル事業として分収育林事業が始められたところ,同事業は相当の成果を収めたことから,昭和58年5月には,分収造林特別措置法が改正されて,民有林についての分収育林制度が創設された。 このような中,改めて国有林を対象とする分収育林の制度化が検討されるようになり,昭和59年4月27日,国有林野法(現在の管理経営法) の改正が行われて(施行は同年10月1日),国有林を対象とする分収育林が制度化されるに至った(以下,この制度を「本件分収育林制度」という。)。 (乙共1,2)(2) 本件分収育林制度の概要本件分収育林制度の概要は,次のとおりである。 ア対象樹種は,主にスギ,ヒノキ等の人工林とし,林齢は中齢級(おおむね21年生以上30年生以下)とする。 イ契約の存続期間(契約時から分収時に至る期間)は,おおむね20~30年程度とする。 ウ費用負担割合に応じて収益分収割合を定めるものとし,対象森林につい ての費用及び販売収益は,契約によって被告(国)と費用負担者全員との間での折半とするものとする。 エ分収育林契約の対象となる樹木(分収木)は,契約によって被告と費用負担者との共有とし,その収益分収の割合は,樹木の持分の割合と等しいものとする。なお,民法256条(共有物の分割請求)の規定は,分収木 には適用しない。 木)は,契約によって被告と費用負担者との共有とし,その収益分収の割合は,樹木の持分の割合と等しいものとする。なお,民法256条(共有物の分割請求)の規定は,分収木 には適用しない。 オ被告は,分収木について,契約に定める「管理経営計画」に基づいて,適正な施業を実施し,分収木に明認方法を施すとともに,火災の予防,標識の設置等の善良な保護管理を行い,費用負担者の権利の保全を図るため,必ず森林保険に入るよう指導し,生育状況について,定期的に費用負担者に通知し,「台帳」を整備し,求めに応じ閲覧に供する。 カ費用負担者は,営林(支)局長の同意を得なければ持分の処分をすることができない。 キ公用,公共用等で必要な場合は,営林(支)局長は,契約の全部又は一部を解除することができる。 ク被告は,分収林の所在地の近傍において森林レクリエーション,保健休 養等の機会を提供するものとする。 ケ 1団地を一定額に分割して,1口単位で契約を行い,1口の金額は,原則として50万円とする。広く一般国民の参加を求め,定額販売により,原則として公募抽選方式とする。 (乙共1) (3) 本件分収育林制度における分収育林契約の内容ア管理経営法17条の3には,分収育林契約に定められるべき事項として,① 分収育林契約の目的たる国有林野(分収林)の所在及び面積並びに当該契約の目的たる樹木(分収木)の樹種別及び樹齢別の本数(1号),②当該契約の存続期間(2号),③ 分収木に係る費用負担者の持分の割合 (3号),④ 費用負担者が支払うべき額(4号),⑤ 育林の方法(5号),⑥ 伐採の時期及び方法(6号),⑦ その他必要な事項(7号)を定めなければならないものとされている。 イ被告と各費用負担者と ),④ 費用負担者が支払うべき額(4号),⑤ 育林の方法(5号),⑥ 伐採の時期及び方法(6号),⑦ その他必要な事項(7号)を定めなければならないものとされている。 イ被告と各費用負担者との間で締結された分収育林契約の契約書(以下「本件契約書」という。)には,管理経営法17条の3の規定に対応して,① 分収林の所在及び面積並びに分収木の樹種別及び樹齢別の本数,② 契約 の存続期間,③ 分収木に係る各費用負担者の持分の割合,④ 被告による保育及び管理(育林)の方法(後記4条及び6条を引用),⑤ 分収(主伐)の時期が記載されるとともに,おおむね次のような条項が定められていた(以下では,甲とは被告(契約担当官は営林(支)局長)を指し,乙とは各費用負担者を指す。)。 (ア) 分収木の共有及び明認方法(2条)a 分収木は,甲,乙及び分収木に係る他の費用負担者(以下「契約当事者」という。)の共有とする(1項)。 b 甲は,前項の共有者の権利を公示するため,分収木につき,遅滞なく明認方法を施すものとする(2項)。 (イ) 共有物の分割請求の禁止(3条)甲及び乙は,分収木の分割を請求することができない。 (ウ) 管理経営(4条)甲は,この契約において別に定めるもののほか,次に掲げる管理経営を行う。 a 甲の定める管理経営計画(本件契約書に別紙として添付されている)に従って,分収木の保育(間伐を含む。以下同じ)を行うこと。なお,管理経営計画は,原則として変更しないものとする(1号。以下省略)。 b 分収木の管理のため,(a) 火災の予防及び消防,(b) 盗伐,誤伐その他の加害行為の予防及び防止,(c) 有害動物及び有害植物の駆除 及びそのまん しないものとする(1号。以下省略)。 b 分収木の管理のため,(a) 火災の予防及び消防,(b) 盗伐,誤伐その他の加害行為の予防及び防止,(c) 有害動物及び有害植物の駆除 及びそのまん延防止,(d) 境界標その他の標識の保存,(e) その他上記に付帯関連する行為を行うこと(2号)。 c 管理経営計画に従って,分収木の販売を行うこと(3号)。 d 分収木に関し,第三者に対して損害賠償,損失補償等を請求する場合の当該請求に係る行為を行うこと(4号)。 (エ) 費用の支払い(5条) a 乙の費用負担額の内容は,(a) 分収木に係る持分の対価,(b) 乙の持分につき保育に要する費用,(c) 乙の持分につき,管理に要する費用(地代を含む),(d) 上記のほか,この契約の履行に必要とする諸経費とする(1項)。 b 甲は,上記a(b)~(d)の費用については,その使用額の多寡にかか わらず追徴し,又は返還することはしないものとする(2項)。 c 乙は,費用負担額を本件契約書作成と同時に甲に支払うものとする(3項)。 (オ) 保育状況の報告(6条)甲は,管理経営計画に基づく保育を実行したときは,その実施年度終 了後遅滞なくその状況を乙に通知するものとする。 (カ) 収益分収の方法(7条)a 乙は,分収木の販売代金を本件契約書に定める持分の割合(以下「持分割合」という。)に応じて分収するものとする。ただし,乙の分収すべき額が1000円に満たない場合は,国庫に帰属するものとする(1 項)。 b 分収木の主伐及び間伐等(ただし,間伐等に係る収支が負価となる場合を除く。)に係る販売代金の分収については,甲が分収木の に満たない場合は,国庫に帰属するものとする(1 項)。 b 分収木の主伐及び間伐等(ただし,間伐等に係る収支が負価となる場合を除く。)に係る販売代金の分収については,甲が分収木の買受人に対し,各契約当事者の持分割合に応じた分収額を指示し,分収木の買受人から直接各契約当事者に速やかに支払わせるものとする(2項)。 c 甲は,管理経営計画に基づき分収木を販売しようとする場合は,販売予定月の6箇月前までにその旨を乙に通知するものとする(3項)。 d 分収(主伐)の終わった土地については,契約書記載の契約の存続期間(以下「契約の存続期間」という。)にかかわらず,分収育林契約の効力は消滅するものとする(4項)。 e 甲は,天災地変その他特別の事由により分収(主伐)の時期(以下 「分収(主伐)の時期」という。)に分収することができない場合には,契約の存続期間を1年を単位として延長することができる。この場合,乙は甲に延長期間に係る乙の持分に相当する費用について甲の算定した額を支払うものとする(5項)。 (キ) 損害金についての処理(8条) 分収木に関し,第三者から受けた損害賠償金,損失補償金等は,持分割合に応じ,前条第2項に準じて分収するものとする(以下省略)。 (ク) 損害てん補制度への加入(11条)乙は,本件契約締結後速やかに乙の持分につき,乙を被保険者とする森林国営保険に加入するものとする(1項。1項以下は省略) (ケ) 持分の処分(12条)乙は,甲の同意を得なければ,その持分の処分をしてはならない。この場合甲は分収(主伐)の時期前1年間は,処分について同意を与えないものとする(1項。1 (ケ) 持分の処分(12条)乙は,甲の同意を得なければ,その持分の処分をしてはならない。この場合甲は分収(主伐)の時期前1年間は,処分について同意を与えないものとする(1項。1項以下は省略)。 (コ) 持分の処分があった場合の処置(13条) a 上記(ケ)の規定により持分の処分があったときは,乙は譲受人の住所,氏名及び持分(口数)を,乙が死亡しこの契約上の権利義務につき相続がなされた時は,その相続人がその住所,氏名及び持分を遅滞なくそれぞれ書面をもって甲に通知するものとする(1項)。 b 上記aの相続の場合において,数人が相続人(以下「共同相続人」 という。)となった時は,共同相続人は,この契約に関する権利の行使又は義務の履行に関し,代表者1人を選定し,他の相続人の委任状を添えて上記aの規定による通知をするものとする(2項)。 c 上記a,bの通知を受けた時は,本件契約書の名義人及び当該契約者の持分の名義変更があったものとみなす。この場合甲はその旨を当 該承継人(上記bの場合にあってはその代表者)に通知するものとす る(3項)。 (サ) 分収育林台帳(15条)甲は,分収木について各契約当事者の住所,氏名及び持分割合を記載した台帳(以下「分収育林台帳」という。)を作成,保管し,これを閲覧に供するものとする(1項。1項以下は省略)。 (シ) 契約の解除等(16条)甲は,分収林が公用,公共用又は国の企業若しくは公益事業の用に供する必要が生じたとき(1号),火災その他の原因により,この契約の目的を達することができないと認められるとき(2号),分収林につき,乙が罪を犯したとき(3号)には,分収木の全部又 は公益事業の用に供する必要が生じたとき(1号),火災その他の原因により,この契約の目的を達することができないと認められるとき(2号),分収林につき,乙が罪を犯したとき(3号)には,分収木の全部又は一部について,この 契約を解除することができる(1項。2項は省略)。 (ス) 前条による契約の解除等の効果(17条)a 前条第1項1号及び2号又は第2項の規定により契約の全部又は一部が解除され,又は解約された場合は,甲は,当該解除等に係る分収木を販売し,第8条の収益分収の方法(損害賠償金についての処理) により収益を分収する(1項)。 b 前条第1項3号の規定により契約が解除された場合は,甲は解除時における乙の持分の対価について,甲の算定した額を支払うものとする(2項。以下省略)(セ) 乙の自己都合による解約の申入れ(19条) 乙は,自己都合により契約の解約を申し入れることはできないものとする。 (当事者間に争いがない。)(4) 本件分収育林制度における分収林の調査と管理経営計画の策定ア分収林の調査は,その結果が分収育林価格算定の基礎数値となるほか, 管理経営計画の策定に当たって,営林署長が提出する意見書の基礎ともな るものであり,「分収育林対象森林の調査要領」に基づいて,的確に実施されなければならないものとされている。 イ管理経営計画は,営林(支)局長が,分収林の調査結果を踏まえ契約の存続期間における分収林の保育の種類,年度,分収(主伐)の年度について定めるものであり,契約後の分収林の森林施業は,同計画に従って実施 されることになる。 管理経営計画で定める分収(主伐)の時期については,分収育林契約 年度,分収(主伐)の年度について定めるものであり,契約後の分収林の森林施業は,同計画に従って実施 されることになる。 管理経営計画で定める分収(主伐)の時期については,分収育林契約の存続期間として管理経営法17条の5第1項に定める60年の範囲内で,当該地域施業計画を基本としつつ,当該地方の伐採齢を勘案するとともに,国有林の著しく偏った林齢構成の平準化に資するよう(伐期を延ばす方向) に定めることとされている。 (乙共1)(5) 本件分収育林制度における分収林の評価及び募集口数ア分収林の評価額である分収育林価格は,① 当該分収林の評価時(契約時)における立木の評価額に,② 契約時以後,分収(主伐)時に至るまでの 間の保育及び管理(育林)に要する費用の合計額とされている。本件分収育林制度における分収育林契約の当事者は,土地所有者で育林者である国と費用負担者との2者契約によるものとされており契約価格は分収育林価格の2分の1とされている。 評価時における立木の評価額は,中齢級の林木の評価に最も適合する方 式として,一般に広く用いられているグラーゼル式(なお,育成林業においては,投入費の多くが造林初期の10年間に偏在することから,グラーゼル式の一部を変形した補正式が採用されている。)を用いて算定するものとされている。 イ本件分収育林制度における分収育林契約は,あらかじめ公示した予定価 格(原則として募集1口当たり50万円)をもって締結するものとされて おり,この中には,森林損害てん補制度への加入に伴う保険料(又は共済掛金)を含むものとされている。 募集口数の決定に当たっては,まず,1口当たりの費用負担額を求めた上で,分収育林価格を上記 り,この中には,森林損害てん補制度への加入に伴う保険料(又は共済掛金)を含むものとされている。 募集口数の決定に当たっては,まず,1口当たりの費用負担額を求めた上で,分収育林価格を上記1口当たりの費用負担額で除して得た数値を総口数とし,その2分の1の端数を切り捨てた整数をもって決定される。 (乙共1,乙共3)(6) 分収育林契約における分収時の取扱いア分収の時期は,主伐及び間伐並びに被害木を販売した時期とされている。 間伐は,人工林における立木相互の競合関係を緩和するために行われる目的樹種の立木の抜取りであり,残存木の成長に必要な森林の空間を生み 出すことを目的とするものであることから,伐採後における次世代の立木の生育(更新)を伴わないものであり,管理経営計画に基づいて行われる。 これに対して主伐は,皆伐と択伐に大別されるが,原則として,いずれも伐採跡地における更新を伴う(伐採によって森林に生じた空間は,次世代の立木の生育に供される)ものである。主伐は,分収育林契約の存続期 間として法律上定めた60年以内の期間をもって,営林(支)局長が契約に当たって林木の総成長量の年平均が最大となる時期を基準とし,その利用価値を考慮して定められた時期に行われる。 イ分収育林契約の満了時(主伐時)における収益分収の具体的な方法については,管理経営法等の法令には特段の定めはないところ,分収育林契約 においても,分収木の売買代金をもって分収を行う代金分収の方法が採用されているのみであり,それ以外の具体的な規定は存在しない。もっとも,本件分収育林制度が創設された時点(国有林野法の改正が行われた昭和59年4月頃の時点)においては,販売額がそのまま最終の収益となり,正確,公明で費 り,それ以外の具体的な規定は存在しない。もっとも,本件分収育林制度が創設された時点(国有林野法の改正が行われた昭和59年4月頃の時点)においては,販売額がそのまま最終の収益となり,正確,公明で費用負担者にとって理解しやすく,事務手続も簡素,迅速で合 理的であるなどの理由によって,立木のまま販売を行う立木販売の方式に よることが想定されていた。なお,農林水産省が平成25年12月25日に策定した「国有林野の管理経営に関する基本計画」においても,国有林野の林産物の供給に当たっては,より効率的な事業運営を図る観点から原則として立木販売によることとし,高付加価値が期待できる高品質材等の供給や,間伐材の利用促進に当たっては,素材(丸太)販売により実施す るものとされており,平成28年度に伐採された国有林については,主伐のうちの約69.6%が立木販売の方法によって販売されており,製品販売(素材販売)の方法によって販売されたものは約19.5%である(他方,間伐については,約83.4%が製品販売(素材販売)の方法によって販売されており,立木販売の方法によって販売されたものは約7.2% である。)。 ウ農林水産省が定めた国有林野の産物売払規程(昭和25年5月17日農林省告示第132号)によると,売払産物の搬出期間は,引渡しを終わり又は採取を承認した日から起算して,立木については2年の期間内で営林署長が定めるものとされていた。なお,同規程は昭和61年10月7日に 改正され,立木については3年の期間内で森林管理署長が定めるものとされた。 (乙共1,乙共10,乙共11,乙共26,乙共27,乙共28,乙共37,乙共38,弁論の全趣旨)(7) 分収木について被告が売買契約を締結する場合の手続 された。 (乙共1,乙共10,乙共11,乙共26,乙共27,乙共28,乙共37,乙共38,弁論の全趣旨)(7) 分収木について被告が売買契約を締結する場合の手続 ア分収木については,被告が共有持分を有することから国有財産となるため,これについて売買契約を締結する場合においては,原則として一般競争入札の方法によることになる(会計法29条の3第1項,同条の5第1項参照)。 イ一般競争入札の方法による場合には,入札前に,取引の実例価格,需給 の状況,履行の難易,数量の多寡,履行期間の長短等を考慮して適正な予 定価格を定めた上(予算決算及び会計令80条第2項),収入原因契約にあっては,その予定価格を最低として最高の入札をした者を落札者とするものとされている(会計法29条の6第1項)。 ウ一般競争入札の方法によった場合に,入札者がいない時,又は再度の入札をしても落札者がいない時は,契約担当官及び支出負担行為担当官(以 下「契約担当官等」という。)は随意契約によることができるが,この場合においては,履行期限を除き,当初競争に付する時に定めた予定価格その他の条件を変更することはできないものとされている(予算決算及び会計令99条の2)。 エ契約担当官等は,入札者若しくは落札者がいない場合又は落札者が契約 を結ばない場合には,改めて公告して競争入札に付することができる(再度公告入札)。再度公告入札は,当初の入札とは別個の入札としての性質のものであるから,予定価格等は初度の入札の場合と全く同一である必要はないが,契約目的が同一であることなどから,入札の条件を著しく変更するような性質のものではないとされている。 (乙共12,乙共13)(8) 被告が 入札の場合と全く同一である必要はないが,契約目的が同一であることなどから,入札の条件を著しく変更するような性質のものではないとされている。 (乙共12,乙共13)(8) 被告が作成した本件分収育林制度に係る募集用パンフレットの記載内容ア被告が昭和59年頃に作成した本件分収育林制度に係る募集用パンフレット(「あなたも緑のオーナー。」と題するもの。乙共24の1)では,本件分収育林制度(緑のオーナー制度)における契約の主な内容として,「参 加される皆さまは,① 1口当たり50万円(森林保険料を含みます)を負担していただき,契約の対象となる森林の立木の共有者となり,持分を取得します。② 契約で定めた時期に,立木を販売して,その収益の分配を受けます。③ 万一の災害に備えて,森林保険に加入していただきます。」「国有林は,① 契約書に定めた計画にしたがって,必要な手入れを行い, 森林を良好に管理します。② 森林の生育状況を参加いただいた皆さまに 定期的にご報告します。③ 契約した森林の台帳をととのえ,ご要望に応じていつでも閲覧していただきます。」などといった紹介がされている。 また,分収育林契約の募集・契約から分収までの流れを示したフローチャートにおいては,「分収(契約の分配)」についての説明として,「契約に定めた分収(伐採)の時期がきますと,国有林は契約対象森林の立木を販 売し,その収益を持分の割合に応じて分収(収益の分配)します。分収が終われば契約終了になりますので,その旨を通知いたします。」との記載があるほか,「主伐」の用語の説明として,「契約で定めた分収の時期になったら,対象森林の立木を販売します。(以下略)」と記載され,切り倒されて丸太になった樹木等のイラストが示されている。 の記載があるほか,「主伐」の用語の説明として,「契約で定めた分収の時期になったら,対象森林の立木を販売します。(以下略)」と記載され,切り倒されて丸太になった樹木等のイラストが示されている。 イ被告が昭和63年頃及び平成2年頃に作成した本件分収育林制度に係る募集用パンフレット(光と緑と水国有林「緑のオーナー」制度のごあんない」と題するもの。乙共24の2・3)にも,ほぼ,上記アと同様の記載がある(なお,これらのパンフレットには,上記アのイラストは使用されていない。)。 (乙共24の1~3)(9) 被告と原告ら又はその被承継人との間の分収育林契約の締結及び同人らによる費用負担額として定められた金員の支払並びにその後の被告による育林の状況ア原告29を除く原告ら又はその被承継人は,被告との間で,別表記載の 各「契約締結日」欄記載の各日に,各「契約番号」欄記載の各分収育林契約を締結した。原告ら又はその被承継人と被告との間の各分収育林契約における「契約番号」「担当営林局」「国有林野所在地」「面積(ヘクタール)」,「持分割合」「費用負担金額(一口当たり)」「口数」「森林国営保険料」「契約締結日」「満期日」「分収(主伐)の時期」は,別表1~28,30~3 3の各欄に記載されたとおりである。また,これらの各契約の契約書には, 別紙として「実測図」及び「管理経営計画」が添付されている。 (当事者間に争いがない。)イ原告29の法定代理人らは,被告との間で,別表29記載の「契約締結日」欄記載の日(平成8年9月10日)に,「契約番号」欄記載の分収育林を締結した。原告29と被告との間の分収育林契約における「契約番号」 「担当営林局」「国有林野所在地」「面積(ヘクタ 契約締結日」欄記載の日(平成8年9月10日)に,「契約番号」欄記載の分収育林を締結した。原告29と被告との間の分収育林契約における「契約番号」 「担当営林局」「国有林野所在地」「面積(ヘクタール)」,「持分割合」「費用負担金額(一口当たり)」「口数」「森林国営保険料」「契約締結日」は,別表29の各欄に記載のとおりである。また,同契約の契約書には,別紙として「実測図」及び「管理経営計画」が添付されている。なお,同契約の「満期日」(契約の存続期間の終期)は,平成30年3月31日であり, 「分収(主伐)の時期」は平成30年度である(同契約の契約書には契約の存続期間の終期が「平成26年3月31日」,「分収(主伐)の時期」が「平成25年度」と記載されているものの,同契約書に別紙として添付された「管理経営計画」には,主伐の実施年度は平成30年(樹齢55年)と記載されており,管理経営計画が前記(4)で認定したようなものであること などの事情に鑑みると,同契約書の上記の記載は誤記であるとみるのが相当である。)。 (甲個29A1,弁論の全趣旨)ウ原告ら又はその被承継人は,別表1,3~33の「契約締結日」欄記載の各日に,同各別表「請求金額」欄記載の各金員を被告に支払った。なお, 原告2の被承継人が被告に支払った額は,別表2の「費用負担金額(一口あたり)」欄に記載された金額である(以下では,原告ら又はその被承継人が締結した各分収育林契約(以下,これらの各契約を総称して「本件各分収育林契約」という。)について,個別の契約を取り上げる場合には,各別表の各「契約番号」欄記載の各契約番号の横に記載したとおり,原告らに 付した原告番号に応じて,「契約1」などと表記し,一人の原告に対応する 分収育林契約が を取り上げる場合には,各別表の各「契約番号」欄記載の各契約番号の横に記載したとおり,原告らに 付した原告番号に応じて,「契約1」などと表記し,一人の原告に対応する 分収育林契約が複数ある場合には,「契約6-1」などと表記する。)。 エ被告は,本件各分収育林契約の対象となった分収林について,各契約について定められた管理経営計画に従って,除伐,間伐等の保育を行い,その状況を原告ら又はその被承継人に通知した。 被告は,本件各分収育林契約の対象となった分収林について,本件契約 書所定の管理を実施し,同分収林の生育状況を原告ら又はその被承継人に通知した。また,風害等が発生した分収林については,当該分収林の共有者らに被害の報告を行った。 (当事者間に争いがない。)(10) 分収育林契約の存続期間満了時に行われる手続 ア本件各分収育林契約においては,被告が管理経営計画に基づいて分収木を販売しようとする場合は,販売予定月の6箇月前までにその旨を費用負担者に通知するものとされているところ(本件契約書7条3項。以下,この通知を「6箇月前通知」という。),被告は,この際,併せて費用負担者に対する意向確認(以下「意向確認」という。)を行っている。 被告は,6か月前通知に併せて意向確認の書類を各費用負担者(又はその承継人。以下,費用負担者とその承継人を特に区別することなく,単に「費用負担者」という。)に送付する際には,意向確認後の手続の流れなどを示した「分収期を迎えるオーナーの皆様へ」と題する冊子を併せて送付している。 イ意向確認の際の確認内容及び意向確認後の手続の流れは,おおむね次のとおりである(以下,意向確認及びその後に行われる手続を「本件販売等 皆様へ」と題する冊子を併せて送付している。 イ意向確認の際の確認内容及び意向確認後の手続の流れは,おおむね次のとおりである(以下,意向確認及びその後に行われる手続を「本件販売等の手続」という。)。 (ア) 森林管理局長は,分収育林契約の存続期間が満了する分収林について,当該分収林の費用負担者全員に対して,意向(① 契約延長を希望 する,② 被告による持分の買受けを希望する,又は③ 販売による分 収を希望するのいずれか)を確認するための通知を行う。 なお,本件契約書においては,管理経営計画は原則として変更しないものとされていたが,平成11年度に関係通達が一部改正されたことによって,費用負担者全員から延長の申出があり,又は延長についての同意が得られた場合には契約を延長することが可能になった。上記①の契 約延長は,現在の契約を更に20年間(10年ごと)延長するというものである。また,上記②の被告による持分の買受けの制度(以下「持分買受制度」という。)は,関係通達の一部改正によって平成19年度に創設されたものであり,それ以前は,費用負担者のうち1人でも契約延長の希望を申し出る者がいた場合には,改めて費用負担者全員の意向(契 約延長の希望の有無)を確認するものとされていた。 (イ) 意向確認の結果,費用負担者の意向がまとまらず,分収林の取扱いが決定できない場合は,再度意向確認を行う。 (ウ) 意向確認の結果,費用負担者全員が契約延長又は被告による持分の買受けのいずれかを希望する場合には,契約延長を希望する費用負担者 とは契約期間を延長する変更契約の手続を,被告による買受けを希望する費用負担者とは持分買受けの手続を進める。 (エ) 最初の意向確認で費用負担者 合には,契約延長を希望する費用負担者 とは契約期間を延長する変更契約の手続を,被告による買受けを希望する費用負担者とは持分買受けの手続を進める。 (エ) 最初の意向確認で費用負担者の全員が分収木の販売を希望する場合,又は再度の意向確認で1人でも販売を希望する費用負担者がいた場合には,本件契約書に基づき,一般競争入札の手続を進める。 (オ) 被告による持分の買受けの手続を進める場合には,第三者委員会の意見を聴いて決定した金額が買受け金額となるが,この買受け金額は,買受け時点の分収木を立木で評価した金額となる。費用負担者が上記買受け金額での持分の買受けに同意した場合は,被告が持分を買受け,契約を終了する。上記買受け金額での持分の買受けに同意しない費用負担 者については,改めて意向確認を行う。 (カ) 上記買受け金額を提示する最終的な意向確認の段階で,買受けを希望する費用負担者の同意が得られず,かつ,当該費用負担者が販売を希望する場合には,改めて販売に向けて一般競争入札の手続を進める場合がある。 ウなお,平成29年度に関係通達が一部改正され,被告による持分の買受 け制度が拡大され,分収(主伐)の時期に分収できない場合には,他に販売を希望する費用負担者がいる場合であっても,持分の買受けを希望する費用負担者について,持分の買受けを行うことができるよう制度が改められ(以下「持分買受制度の拡大」という。),各費用負担者にその旨が通知された。 (当事者間に争いがない。)(11) 本件各分収育林契約に関して存続期間満了時以降,本件各訴えの提起までの間に行われた本件販売等の手続等ア被告は,平成19年度以降,分収林について本件販売等の手続を実施したが,その状況は 11) 本件各分収育林契約に関して存続期間満了時以降,本件各訴えの提起までの間に行われた本件販売等の手続等ア被告は,平成19年度以降,分収林について本件販売等の手続を実施したが,その状況は別紙「販売手続が行われた分収林の箇所数とその結果」 のとおりであって,不落又は応札なしの結果となった分収林の数が,落札又は不落随契(落札者がいないことから随意契約の方法により契約をしたもの)によって販売がされた分収林の数を大きく上回る状況となっていた。 また,落札された分収林についても,平成20年度の四国森林管理局の販売実績では,間伐収入等を含んだ分収額の平均は,費用負担額50万円 に換算して,21万2000円となるなど,当初の費用負担者による費用の負担額を大幅に下回る結果となっていた。 (乙共23,乙個5A6の8の1)イ被告は,本件各分収育林契約に基づいて,それぞれ本件販売等の手続を実施したが,いずれについても,原告らが甲事件,乙事件及び丙事件に係 る訴え(以下,それぞれ「甲事件に係る訴え」「乙事件に係る訴え」「丙事 件に係る訴え」といい,これらを併せて「本件各訴え」という。)を提起するまでの間(原告1~3については平成29年2月15日,原告4~23については同年6月29日,原告24~33については同年9月4日)には売却には至らなかった。なお,原告29が共有持分を有する分収林については,「分収(主伐)の時期」が平成30年度であることから(前記(9) イ参照),被告は,原告29に対し,平成30年2月に,分収木の販売を同年9月頃に実施する旨の通知をするとともに,併せて1回目の意向確認を行った。 (当事者間に争いがない。)ウ原告らが共有持分を有する分収林については,後記(13)に記 木の販売を同年9月頃に実施する旨の通知をするとともに,併せて1回目の意向確認を行った。 (当事者間に争いがない。)ウ原告らが共有持分を有する分収林については,後記(13)に記載したもの を除き,本件の口頭弁論終結時に至るまで売却されておらず,また持分買受制度による持分の買受けもされていない。 (当事者間に争いがない。)(12) 原告らによる本件各分収育林契約の解除の意思表示等ア原告らは,被告に対して,本件各分収育林契約における各管理経営計画 の記載に従って,書面到達後1か月以内に「主伐」を履行するよう求める旨の催告書を送付し,これらは別表1~33の各「催告書送達日」欄記載の日に被告に到達した。なお,各別表記載の「催告書送達日」欄記載の日が平成29年5月31日以降の催告書においては,指定した期限内に「主伐」が履行されない場合には,再度の催告を要せず,分収育林契約を当然 に解除する旨の意思表示がされている。 これに対し,被告は,本件各分収育林契約を所掌する森林管理局の局長名で,一般競争入札による立木販売を行う旨の回答を行い,その後も本件販売等の手続に沿う対応を継続した。 (当事者間に争いがない。) イ原告1~3は平成29年2月15日,甲事件に係る訴えを提起し,その 訴状において,上記各原告に係る分収育林契約を解除する旨の意思表示をした。甲事件に係る訴えの訴状は,同月22日,被告に送達された。 ウ原告4~23は,平成29年6月29日,乙事件に係る訴えを提起し,その訴状において,各別表記載の「催告書送達日」欄記載の日が平成29年2月15日又は同月16日である催告書において「主伐」の履行を催告 した各分収育林契約について,同契約を解除する旨の意 起し,その訴状において,各別表記載の「催告書送達日」欄記載の日が平成29年2月15日又は同月16日である催告書において「主伐」の履行を催告 した各分収育林契約について,同契約を解除する旨の意思表示をした。乙事件に係る訴えの訴状は,同年7月6日,被告に送達された。 (当事者間に争いがない。)(13) 本件各訴え提起後の状況本件各訴えの提起後も,被告は,本件各分収育林契約の対象である分収林 について,本件販売等の手続に沿う対応を継続したが,これによって,下記の原告らに関する下記の契約については,一般競争入札により落札され,あるいは持分買受制度による持分の買受けが行われた。 ア原告5(契約5)について原告5は,平成29年7月13日,被告からの意向確認に対して持分買 受けを希望する旨回答していたことから,被告は,持分買受制度の拡大を受けて,原告5に対し,持分の買受けの手続を行う旨を通知した上で,持分の買受金額を提示した。原告5は,平成30年2月24日,上記買受け金額による持分の買受けに同意し,買受金の受領をもって分収育林契約を終了することに同意する旨を回答した。そこで被告は,同年3月23日, 原告5に対し,その指定する銀行口座に買受金を振り込んだ上,同月30日,契約5に係る分収育林契約が終了した旨を通知した。 イ原告6(契約6-2,契約6-5,契約6-6,契約6-8,契約6-9)について(ア) 契約6-2 契約6-2については,一般競争入札による販売の手続が進められて いたところ,平成29年8月22日に実施した分収木の販売において落札されたことから,被告は原告6に対し,その旨を通知した。同手続における落札者は,同年9月15日,原告6の指定する銀 れて いたところ,平成29年8月22日に実施した分収木の販売において落札されたことから,被告は原告6に対し,その旨を通知した。同手続における落札者は,同年9月15日,原告6の指定する銀行口座に分収金を振り込んだことから,被告は,同年10月13日,原告6に対し,契約6-2が終了した旨を通知した。 (イ) 契約6-5及び契約6-6契約6-5及び契約6-6については,一般競争入札による販売の手続が進められていたところ,平成30年9月25日に実施した分収木の販売において落札されたことから,被告は原告6に対し,その旨を通知した。同手続における落札者は,同年10月10日,原告6の指定する 銀行口座に分収金を振り込んだことから,被告は,同月29日,原告6に対し,契約6-5及び契約6-6が終了したことを通知した。 (ウ) 契約6-8契約6-8については,一般競争入札による販売の手続が進められていたところ,平成29年9月20日に実施した分収木の販売において不 落となったものの,入札参加者と交渉を行い随意契約の合意に至ったことから,被告はその旨を原告6に通知した。同契約における買受人は,同年10月11日,原告6の指定する銀行口座に分収金を振り込んだことから,被告は,同年11月17日,原告6に対し,契約6-8が終了した旨を通知した。 (エ) 契約6-9契約6-9については,一般競争入札による販売の手続が進められていたところ,平成29年9月26日に実施した分収木の販売において落札されたことから,被告は原告6に対し,その旨を通知した。同手続における落札者は,同年10月22日,原告6の指定する銀行口座に分収 金を振り込んだことから,被告は,同月29日,原告6に対し,契約6 ことから,被告は原告6に対し,その旨を通知した。同手続における落札者は,同年10月22日,原告6の指定する銀行口座に分収 金を振り込んだことから,被告は,同月29日,原告6に対し,契約6 -9が終了した旨を通知した。 ウ原告7(契約7-1,契約7-4,契約7-6,契約7-8,契約7-9,契約7-10)について(ア) 契約7-1契約7-1については,一般競争入札による販売の手続が進められて いたところ,平成29年10月25日に実施した分収木の販売において落札されたことから,被告は原告7に対し,その旨を通知した。同手続における落札者は,同年11月15日,原告7の指定する銀行口座に分収金を振り込んだことから,被告は,同年12月8日,原告7に対し,契約7-1が終了した旨を通知した。 (イ) 契約7-4契約7-4については,一般競争入札による販売の手続が進められていたところ,平成29年8月22日に実施した分収木の販売において落札されたことから,被告は原告7に対し,その旨を通知した。同手続における落札者は,同年9月15日,原告7の指定する銀行口座に分収金 を振り込んだことから,被告は,同年10月13日,原告7に対し,契約7-4が終了した旨を通知した。 (ウ) 契約7-6及び契約7-9原告7は,契約7-6及び契約7-9に関し,平成30年3月19日,被告からの意向確認に対して持分買受けを希望する旨回答したことから, 被告は,原告7に対し,同年8月15日,これらの各契約に係る持分の買受金額を提示した。原告7は,同月28日,上記買受金額による持分の買受けに同意し,買受金の受領をもって分収育林契約を終了することに同意する旨を回答した。そこで被告は,同年9月7日, 約に係る持分の買受金額を提示した。原告7は,同月28日,上記買受金額による持分の買受けに同意し,買受金の受領をもって分収育林契約を終了することに同意する旨を回答した。そこで被告は,同年9月7日,原告7に対し,その指定する銀行口座に買受金を振り込んだ上,同月10日,契約7- 6及び契約7-9に係る分収育林契約が終了した旨を通知した。 (エ) 契約7-8原告7は,契約7-8に関し,平成29年6月5日,被告からの意向確認に対して持分買受けを希望する旨回答していたことから,被告は,原告7に対し,持分買受制度の拡大を受け,同年11月1日,契約7-8に係る持分の買受金額を提示した。原告7は,平成30年2月22日, 上記買受金額による持分の買受けに同意し,買受金の受領をもって分収育林契約を終了することに同意する旨を回答した。そこで被告は,同年3月20日,原告7に対し,その指定する銀行口座に買受金を振り込んだ上,同月27日,契約7-8に係る分収育林契約が終了した旨を通知した。 (オ) 契約7-10契約7-10については,一般競争入札による販売の手続が進められていたところ,平成29年7月11日に実施した分収木の販売において落札されたことから,被告は原告7に対し,その旨を通知した。同手続における落札者は,同年8月3日,原告7の指定する銀行口座に分収金 を振り込んだことから,被告は,同年9月5日,原告7に対し,契約7-10が終了した旨を通知した。 エ原告9(契約9)について契約9については,一般競争入札による販売の手続が進められていたところ,平成29年7月19日に実施した分収木の販売において不落となっ たものの,入札参加者と交渉を行い随意契約の合意に至ったことか 約9については,一般競争入札による販売の手続が進められていたところ,平成29年7月19日に実施した分収木の販売において不落となっ たものの,入札参加者と交渉を行い随意契約の合意に至ったことから,被告はその旨を原告9に通知した。同契約における買受人は,同年8月10日,原告9の指定する銀行口座に分収金を振り込んだことから,被告は,同年10月31日,原告9に対し,契約9が終了した旨を通知した。 オ原告10(契約10)について 原告10は,契約10に関し,平成23年4月20日,被告からの意向 確認に対して持分買受けを希望する旨回答していたことから,被告は,原告10に対し,持分買受制度の拡大を受け,契約10に係る持分の買受けの手続を行う旨を通知した上で,平成30年1月26日,持分の買受金額を提示した。原告10は,同年2月16日,上記買受金額による持分の買受けに同意し,買受金の受領をもって分収育林契約を終了することに同意 する旨を回答した。そこで被告は,同年同月28日,原告10に対し,その指定する銀行口座に買受金を振り込んだ上,同年3月12日,契約10に係る分収育林契約が終了した旨を通知した。 カ原告12(契約12)及び原告13(契約13)について契約12及び契約13については,一般競争入札による販売の手続が進 められていたところ,平成29年7月11日に実施した分収木の販売において落札されたことから,被告は原告12及び原告13に対し,その旨を通知した。同手続における落札者は,同年8月3日,原告12及び原告13の指定する銀行口座に分収金を振り込んだことから,被告は,同年9月5日,原告12及び原告13に対し,契約12及び契約13が終了した旨 を通知した。 キ原告21(契約21) び原告13の指定する銀行口座に分収金を振り込んだことから,被告は,同年9月5日,原告12及び原告13に対し,契約12及び契約13が終了した旨 を通知した。 キ原告21(契約21)について契約21については,一般競争入札による販売の手続が進められていたところ,平成29年7月13日に実施した分収木の販売において落札されたことから,被告は原告21に対し,その旨を通知した。同手続における 落札者は,同年8月8日,原告21の指定する銀行口座に分収金を振り込んだことから,被告は,同年9月4日,原告21に対し,契約21が終了した旨を通知した。 ク原告22(契約22)について契約22については,平成29年12月11日,被告からの意向確認に 対して持分買受けを希望する旨回答していたことから,被告は,原告22 に対し,持分の買受金額を通知して意向の確認を行ったところ,原告22は,平成30年1月15日,持分の買受けに不同意である旨及び契約延長を希望する旨を回答した。そこで,被告は,同年7月17日,原告22に対し,契約存続期間延長に係る変更契約書を送付したところ,原告22は,同書面に押印の上,これを被告に提出した。これを受けて,被告は,同月 25日,原告22に対し,管理経営計画の「主伐」の実施年度を「平成40年度」に,契約の存続期間を「至平成41年3月31日」に変更する分収育林変更契約書を送付した。 ケ原告29(契約29)について契約29については,「分収(主伐)の時期」が平成30年度であったこ とから,被告は,平成30年2月13日,原告29に対し,管理経営計画に基づく分収木の販売を同年9月頃に実施する旨を通知するとともに,併せて意向確認の通知を行った。原告2 成30年度であったこ とから,被告は,平成30年2月13日,原告29に対し,管理経営計画に基づく分収木の販売を同年9月頃に実施する旨を通知するとともに,併せて意向確認の通知を行った。原告29は,上記意向確認に対し,販売を希望する旨の回答をしたことから,一般競争入札による販売の手続が進められたたところ,同月25日に実施した分収木の販売において落札された ことから,被告は原告29に対し,その旨を通知した。同手続における落札者は,同年11月6日,原告29の指定する銀行口座に分収金を振り込んだことから,被告は,同月16日,原告29に対し,契約29が終了した旨を通知した。 コ原告33(契約33)について 契約33については,一般競争入札による販売の手続が進められていたところ,平成29年9月27日に実施した分収木の販売において落札されたことから,被告は原告33に対し,その旨を通知した。同手続における落札者は,同年10月23日,原告33の指定する銀行口座に分収金を振り込んだ。 (当事者間に争いがない。) 4 争点(1) 本件各分収育林契約において被告が負うべき義務の内容-被告は同契約に定められた「分収(主伐)の時期」に分収木を伐採して売却する義務を負うか否か(2) 本件各分収育林契約が解除された場合における被告の原状回復義務の範 囲等 5 争点に対する当事者の主張(1) 争点(1)(本件各分収育林契約において被告が負うべき義務の内容-被告は同契約に定められた「分収(主伐)の時期」に分収木を伐採して売却する義務を負うか否か)について (原告らの主張)ア主伐とは,更新(伐採跡地が,再び立木地となること)を伴う伐採である。主伐の「伐」は木を切ること, 時期」に分収木を伐採して売却する義務を負うか否か)について (原告らの主張)ア主伐とは,更新(伐採跡地が,再び立木地となること)を伴う伐採である。主伐の「伐」は木を切ること,切り倒すことを意味しており,主伐の「主」は間伐の「間」と区別する趣旨である。主伐とは,辞書によると,伐採の時期に達した樹木を伐ることなどとされており,「木を切ること」を 意味することは明らかである。 イ被告は,分収育林契約における「主伐」とは,分収木の伐採を意味するものではなく,育成した分収木について販売の手続を執ることである旨主張するが,被告の解釈は,文言解釈の限界を超えている。管理経営法6条の5第1項第1号及び第2号では,樹木の「伐採又は売払い」と規定され ており,伐採と売払いは区別されているし,その他の法令においても,主伐が伐採の意味を含まず,販売の手続を執ることを意味するものとして使用されている例は存在しない。 本件各分収育林契約において定められた「分収(主伐)の時期」は,管理経営法17条の3第6号が定める「伐採の時期」に対応しており,主伐 という言葉が伐採を意味していることは明らかである。実際に,被告の作 成したパンフレット(乙共24の1)においても,「主伐」の説明をした部分に,切り倒された丸太のイラストが使用されている。 本件契約書においては,主伐を含む管理経営計画は,原則として変更しないものとされているのであるから,材価の低迷を理由に,被告が主伐の実施を延期することは許されず,被告は,本件各分収育林契約に定められ た「分収(主伐)の時期」に,分収木を伐採すべき義務を負っている。 被告は,本件各分収育林契約において定められた「分収(主伐)の時期」に分収林の伐採を行っていないのであ 分収育林契約に定められ た「分収(主伐)の時期」に,分収木を伐採すべき義務を負っている。 被告は,本件各分収育林契約において定められた「分収(主伐)の時期」に分収林の伐採を行っていないのであるから,同契約上の義務を履行していないということができる。 ウまた,被告は,分収木の販売方法は立木販売方式によるものであるから, 主伐には伐採の意味は含まれないと主張する。しかしながら,被告の執り得る販売方法には,立木販売以外に製品販売(素材販売)もあり,実際に,被告は国有林野の樹木について,立木販売と素材販売の両方の方法による販売を行っている。分収林を販売する方式を立木販売方式に限定する法令上の根拠も,公示・通達上の根拠も存在しないのであるから,被告は,立 木販売の方法で売却先が見つからないのであれば,分収木を伐採した上で,素材販売の方法での売却を行うべきである。 エ被告は,国有林野の産物売払規定において,立木販売後の伐採期間は2年(改正後は3年)と定められている以上,分収の時期と伐採の時期が同一年度にならないことがあるから,「主伐」は分収木の伐採を意味するもの ではない旨主張する。 しかしながら,被告の定める「国有林分収育林事業の実施について」(昭和59年10月4日付59林野業二第88号。以下「実施通達」という。)では,「(分収育林契約の)対象森林の区画は,単年度に一括して伐採することになると見込まれる区画ごとに設定する」ことや「一区画の面積の上 限は,・・・単年度に一括して伐採することが可能と見込まれる規模とする」 ことが定められている。実施通達において上記のように定められているのは,「あらかじめ伐期を年度で特定せず,収益を数年にわたり分割して支払うこととなる場合は,費用負担者の潜在的な期待感 」 ことが定められている。実施通達において上記のように定められているのは,「あらかじめ伐期を年度で特定せず,収益を数年にわたり分割して支払うこととなる場合は,費用負担者の潜在的な期待感を減殺することとなる」からである。このことからみても,管理経営法17条の3第6号に定められている「伐採の時期」と「分収の時期」は同じ年度に属することが当初 から予定されているということができる。また,実施通達は,分収木の販売方法を立木販売に限定しておらず,分収林について素材販売方式が採用される場合がありうることを前提にしていると解される。なお,分収林について素材販売を行うための手続が定められていないとしても,そのことが被告において素材販売をしなくてよい理由になるものではない。 オ分収育林契約は,育成途上の人工林について,都市住民を中心とする多数の者と樹木を共有し,育林費用を負担してもらい,伐採収益を分け合う制度であるから,費用負担者は,伐採収益の配分を得ることを目的に同契約を締結しているということができる。したがって,本件契約書の「主伐」の文言の解釈は,費用負担者の目的と合理的意思に従って行われなければ ならないところ,被告の債務の終着点は,費用負担者に分収林販売の収益を分配することであるから,販売の努力をするだけでは債務を履行したことにならないのは当然である。 カ被告は,原告らが本件販売等の手続が行われるに際して,何らの異議を述べなかったことや,原告らの中に販売による分収金を受領したり,契約 延長に応じたり,被告による持分の買受けに応じたりするなど,本件各分収育林契約が解除されていないことを前提とした行動を取っている者がいることを理由に,被告には債務不履行はないなどと主張する。しかしながら,原告らは 被告による持分の買受けに応じたりするなど,本件各分収育林契約が解除されていないことを前提とした行動を取っている者がいることを理由に,被告には債務不履行はないなどと主張する。しかしながら,原告らは,上記のような対応をしなければ実際に負担した費用を回収することができないのであるから,原告らのこのような行動は,やむを得 ず選択された苦肉の策であるにすぎず,そのことを理由に被告の債務不履 行が否定される理由はない。 (被告の主張)ア分収育林契約における「主伐」の具体的内容は,同契約の内容についての合理的解釈から,育成した分収木について販売の手続を執ることであると解するのが相当であって,分収木について買受人と売買契約を締結する ことや売却代金を分収することまでを含むものではない。 分収育林契約においては,分収木の「販売」と「分収」とは区別して用いられており,「分収」に「販売」が含意されることはない。また,同契約では,「主伐」の結果得られた販売代金を「分収」することが予定されていると解されることからすると,「主伐」とは「分収」に至る前提としての「分 収木の販売」までを意味していると解すべきである。本件契約書に「分収(主伐)の時期」と記載されているのは,通常,分収木についての売買契約が成立すれば,同じ年度に分収に至ると考えられることから,通常,同一の年度に行われる分収と主伐の時期をまとめて記載しているにすぎない。 また,国有財産である分収木を販売するに当たっての販売方法としては, 一般競争入札が予定されているところ,一般競争入札においては,予定価格が定められている。そして,予定価格は,算定時以降に資材価格等の算定因子に変動がある場合のほかは変更しないこととされており,随意契約による場合でも されているところ,一般競争入札においては,予定価格が定められている。そして,予定価格は,算定時以降に資材価格等の算定因子に変動がある場合のほかは変更しないこととされており,随意契約による場合でも変更できないとされているから,落札されない場合であっても,予定価格を操作するなどして,落札や随意契約の締結を誘導するこ とはできない。そうすると,被告としては,一般競争入札において落札者がいなければ,当該分収木につき同手続を繰り返さざるを得ないことになる。また,分収木の販売代金の分収については,買受人から直接費用負担者に支払われることになっており,代金の授受に被告が介在することは予定されていない。そうすると,一般競争入札において被告が落札者を探し てきてその者に落札させるとか,その者と売買契約を締結して分収木を売 却するなどといった,被告にとっておよそ不可能な行為や,被告が直接介在しない分収金の配分のようにおよそ被告が履行することはできない行為が,分収育林契約上の被告の義務になることはあり得ない。被告は,育林した分収木について,管理運営計画に記載された実施年度において販売の手続を執れば足り,落札者がいなかった場合には,販売手続を繰り返せ ば足りる。 そして,被告は,本件各分収育林契約に基づいて,原告らが共有持分を有する分収木について,本件販売等の手続を執っているのであるから,被告には,同契約についての債務不履行はなく,原告らが主張する同契約の解除が認められる余地はない。 イ管理経営法においては,分収育林契約における分収木の販売方法について,特定の販売方式を取ることを明示する規定はない。もっとも,本件分収育林制度を創設するための国有林野法の改正に当たっては,立木販売方式のみが想定されており,それ以外 における分収木の販売方法について,特定の販売方式を取ることを明示する規定はない。もっとも,本件分収育林制度を創設するための国有林野法の改正に当たっては,立木販売方式のみが想定されており,それ以外の販売方法を採ることは想定されていなかった。 また,本件分収育林制度の運用においても,対象森林の評価方法としては,分収育林価格を立木評価額を基準として算定し,それによって算定された分収育林価格を基に募集口数を決定したり,各費用負担者から費用負担金を徴するなど,立木販売方式を前提とした運用が定められている。仮に,分収木の販売方法として,立木販売方式だけでなく製品販売(素材販 売)方式での販売も想定されているとすれば,理論的には立木評価額に加工費や運搬費等(素材生産経費)を加算した価額が製品販売(素材販売)方式での評価額となることから,分収育林価格を算定するに当たり,素材生産経費を加算すべき必要があるところ,そのような方法での分収育林価格の算定は一切されていない。 さらに,分収育林契約においては,分収木の加工やその委任等の製品販 売(素材販売)に必要な行為については,契約の要素とはされていない。 分収木は国と費用負担者との共有物であるから,分収木を伐採して加工するなど,共有物に変更を加える場合には,他の共有者の同意を得ることが必要であるが,本件各分収育林契約上,そのような手続は何ら定められていないし,製品生産事業や製品販売を行う旨の規定やその際の契約書の作 成等の手続を定めた規定も存在しない。そもそも,分収育林契約において立木販売方式によることとしている理由は,分収の方法として,同方式が正確,公明で費用負担者に理解しやすく,事務手続も簡素,迅速で合理的であるからである。 加えて,立木での販売におい 林契約において立木販売方式によることとしている理由は,分収の方法として,同方式が正確,公明で費用負担者に理解しやすく,事務手続も簡素,迅速で合理的であるからである。 加えて,立木での販売においては,仮に入札が成立しなくても,再び販 売手続をとることが可能であるが,素材(丸太)での販売では,入札が成立しない場合には,素材(丸太)の質が時間の経過に伴って低下していき,最後には廃棄せざるを得ない状態になるなどの問題がある。製品販売方式は,立木販売方式に比較してリスクが高く,そのようなリスクを分収木の共有者である費用負担者に負担させることは相当ではない。 ウ立木販売方式が採用された場合,買い受けた分収木について買受人が伐採し搬出するまでの期間は,農林省告示に基づき引渡しを完了した日から起算して2箇年(改正後は3箇年)と定められており,実際の分収木の伐採は,この期間内に分収木の買受人により行われることになっていることからすると,分収木の伐採は,必ずしも管理経営計画に定める「主伐」の 実施年度に行われるわけではなく,「主伐」には分収木の伐採までは含まれていないというべきである。 また,立木販売方式が採用されている分収育林契約においては,実際に分収木の伐採を行うのは,分収木の買受人であるから,買受人がどの時点で分収木の伐採を行うかをあらかじめ定めることはできない。被告が本件 分収育林制度の説明に用いるために作成したパンフレット(乙共24の1 ~3)でも,「主伐」について,「契約で定めた分収の時期になったら,対象森林の立木(樹木)を販売します。」と一様に記載している。 エ本件各分収育林契約における被告の債務である「主伐」が分収木について販売手続を執ることであると解されることは,原告らが,被 ったら,対象森林の立木(樹木)を販売します。」と一様に記載している。 エ本件各分収育林契約における被告の債務である「主伐」が分収木について販売手続を執ることであると解されることは,原告らが,被告から販売できるまで本件販売等の手続を繰り返す旨の告知を受けながら,平成28 年12月頃まで特段の異議を申し立てていなかったことや,本件各訴えの提起後においても,原告らの中に,分収金の受領に応じたり,契約延長に応じたり,被告による持分の買受けに応じるなど,本件各分収育林契約が有効に存続していることを前提とする行動を取っている者がいることからも裏付けられている。 (2) 争点(2)(本件各分収育林契約が解除された場合における被告の原状回復義務の範囲等)について(原告らの主張)ア分収育林契約の本質は,被告が,国民から国有林野事業の資金を集め,それによって生育した分収木の収益を分収するということにあり,投資的 な性格を有するものである。したがって,同契約は一回的給付に還元することが可能な性質のものであるから,いわゆる継続的契約には当たらない。 イ被告は,分収育林契約に賃貸借契約や準委任契約の側面があることをもって継続的契約であると主張している。しかしながら,分収林の保育及び管理の過程は,原告らと被告の間の契約関係における本質的な側面ではな く,単に分収に至るまでの過程にすぎない。また,原告らの支払った費用負担金は,本件分収育林制度における保育及び管理の費用に充てられず,人件費と借入金の返済など国有林野事業の赤字補てんに使用されてきた実態がある。また,分収育林契約における費用負担額を決定するに当たっては,グラーゼル補正式という評価方式が用いられているところ,同評価方 式によると,初期造林費と分 赤字補てんに使用されてきた実態がある。また,分収育林契約における費用負担額を決定するに当たっては,グラーゼル補正式という評価方式が用いられているところ,同評価方 式によると,初期造林費と分収時までの期間における育林費のうち持分に 相当する額が,費用負担者の支払う費用負担額に含まれている計算になるから,費用負担者は,契約時に費用負担額を支払うことによって,自らの持分権に相当する保育管理費用の支払を済ませていることになる。さらに分収育林契約においては,費用負担者からの契約期間中の解除は制限されており,契約上,原告らには契約関係から離脱する自由もない。このよう な実態からすると,分収育林契約上,原告らが負う債務の本質は,持分に対応する保育管理費用等を加味して決定された費用負担額を契約時点で支払うという一回的給付であり,被告の債務の本質は,分収期に主伐を行い,費用負担者に対して分収金を支払うという一回的な給付に還元されることになる。したがって,分収育林契約は継続的契約には当たらない。 ウまた,被告は,本件各分収育林契約についての解除が有効であったとしても,被告が原告らに支払うべき金額は,解除時における分収木の評価額に基づいて算定した持分相当額とするのが相当である旨主張するが,被告がその論拠として挙げる規定は,本件において当てはめられるべきものではない。 エ以上によると,本件各分収育林契約の解除の効力は遡及し,被告は原告らの支払った費用負担額を返還し,これについての利息を支払うべき義務を負う。 (被告の主張)ア分収育林契約の法的性質は,被告が費用負担者に対し分収木の持分を付 与する契約(売買契約),費用負担者が被告に対しその持分相当分について保育及び管理を委託する契約(準 (被告の主張)ア分収育林契約の法的性質は,被告が費用負担者に対し分収木の持分を付 与する契約(売買契約),費用負担者が被告に対しその持分相当分について保育及び管理を委託する契約(準委任契約)並びに被告が費用負担者に対し土地の使用収益を認める契約(賃貸借契約)の3つの要素を含んだ混合契約である。本件各分収育林契約は,被告が費用負担者に対し,分収木の持分を付与するとともに,契約ごとに通常20~30年程度の存続期間を 定めた上で,継続的に土地を使用収益させ,その間,費用負担者からの委 託に基づいて分収木の保育及び管理(育林)を継続的に行い,所定の時期に成長した分収木を販売してその収益を分収するというものであるから,継続的契約に該当する。 イ継続的契約においては,ある時点で契約を解消する場合に,それまで存続してきた契約の効力を原状に回復することは不可能に近く,かつ無意味 であるから,このような契約における解除は,将来に向かっての契約の解消であると解すべきであるところ,分収育林契約についても同様に解されるべきである。 そして,費用負担者が支払うべき費用負担金の額が,① 契約時における分収木の評価額と,② 契約の存続期間において被告が行うべき育林に 関する費用のそれぞれについての持分相当額の合計額であり,上記②の費用については,既に契約の存続期間における保育及び管理等の費用として用いられており,その保育及び管理行為の成果が分収木の評価額に反映されていることに鑑みると,仮に原告らによる本件各分収育林契約の解除が有効であるとしても,被告が原告らに支払うべき金額は,解除時における 分収木の評価額に基づき算定した持分相当額と解するのが相当である。このように解することは,本件契約書上,契約が解除さ 解除が有効であるとしても,被告が原告らに支払うべき金額は,解除時における 分収木の評価額に基づき算定した持分相当額と解するのが相当である。このように解することは,本件契約書上,契約が解除された場合には費用負担者に対し解除時における費用負担者の持分の対価について被告が算定した金額を支払うものとする旨規定していること(17条2項)や,被告による持分の買取制度において時価評価額に基づいて持分の買受け金額 を算定していることと整合する。 ウ以上によると,被告は解除時における分収木の評価額に基づき算定した持分相当額を支払えば足り,支払済みの費用負担金全額を返還する義務を負うものではない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件各分収育林契約において被告が負うべき義務の内容-被告は 本件各分収育林契約に定められた「分収(主伐)の時期」に分収木を伐採して売却する義務を負うか否か)について(1) 前提事実(1)で認定したとおり,分収育林とは,生育途上の樹木を対象に契約当事者が契約を結び,当該樹木について共有持分を取得し,当該樹木を伐採する時点で,あらかじめ契約に定めた分収割合により,販売収益を分収 する林業経営の一方式であるところ,本件分収育林制度は,国有林を対象として分収育林を行うものであるから,分収育林契約の対象となる樹木(分収木)を販売して,その販売収益を契約当事者において分収することを目的とする制度であるということができる。 そして,前提事実(3)及び(9)のとおり,本件各分収育林契約の契約書には, 「分収(主伐)の時期」が特定の年度で記載されるとともに,分収に関する被告の義務として,管理経営計画に従って,分収木の保育を行うとともに(4条1号),その販売を行うこと(4条3号) 書には, 「分収(主伐)の時期」が特定の年度で記載されるとともに,分収に関する被告の義務として,管理経営計画に従って,分収木の保育を行うとともに(4条1号),その販売を行うこと(4条3号)が定められているほか,各費用負担者は,分収木の販売代金を持分割合に応じて分収するものとすること(7条1項),分収木の主伐及び間伐等に係る販売代金の分収については,被告が 分収木の買受人に対し,各契約当事者の持分割合に応じた分収額を指示し,分収木の買受人から直接各契約当事者に速やかに支払わせるものとすること(同条2項),被告は,管理経営計画に基づき分収木を販売しようとする場合は,販売予定月の6か月前までにその旨を各費用負担者に通知するものとすること(同条3項)等が定められており,このような本件契約書の規定に鑑 みると,本件各分収育林契約において,被告の義務の中核となっているのは,同契約における最終的な目的である分収木の販売収益の分収の前提となる,管理経営計画に従った分収木の保育と販売を行うことであるということができる。 (2) そこで,被告が,本件各分収育林契約における義務のうち,分収木の販売 に係る義務として,具体的にどのような内容の義務を負っているのかについ て検討する(なお,本件においては,本件各分収育林契約における被告の上記義務のうち,分収木の保育に係る義務については特段問題となっていない。)。 ア前提事実(6)で認定したとおり,管理経営法等の法令には,収益分収の具体的な方法についての特段の定めはないものの,前記(1)で指摘した本件 契約書の規定に鑑みると,本件分収育林制度における収益分収の方法は,分収木の売買代金をもって行う代金分収の方法が採用されているということができる。 イ ものの,前記(1)で指摘した本件 契約書の規定に鑑みると,本件分収育林制度における収益分収の方法は,分収木の売買代金をもって行う代金分収の方法が採用されているということができる。 イそして,前提事実(7)で認定したところによると,分収木は,被告が共有持分を有するため国有財産となることから,これについて売買契約を締結 するためには,原則として一般競争入札の方法によることになるところ,一般競争入札においては,入札前に,取引の実例価格,需給の状況,履行の難易,数量の多寡,履行期間の長短等を考慮して適正な予定価格を定めた上,収入原因契約にあっては,その予定価格を最低として最高の入札をした者を落札者とするものとされており,入札者がいない時,又は再度の 入札をしても落札者がいない時は,随意契約によることができるものの,この際,上記予定価格等の条件を変更することはできず,また,入札者若しくは落札者がいない場合又は落札者が契約を結ばない場合には,改めて公示して競争入札に付することができるものの,この際,予定価格等の入札の条件を著しく変更することはできないものとされているというので ある。そうすると,被告において,分収木について一般競争入札による販売の手続を行ったとしても,入札者若しくは落札者がいない場合又は落札者が契約を結ばない場合には,分収木についての売買契約が成立しない場合もあり得ることになる。そして,このような事態が生じることは,制度上,やむを得ないことであるといわざるを得ない。 ウこのことに加えて,前記(1)で指摘したとおり,本件各分収育林契約にお いては,分収木の販売(本件契約書4条3号)と販売代金の分収(同7条2項)とは異なる概念として使い分けられており,販売については被告の 前記(1)で指摘したとおり,本件各分収育林契約にお いては,分収木の販売(本件契約書4条3号)と販売代金の分収(同7条2項)とは異なる概念として使い分けられており,販売については被告の義務として定められているものの,販売代金の分収については,被告は分収木の買受人に対し,各契約当事者の持分割合に応じた分収額を指示し,これを買受人から直接各契約当事者に支払わせるものとすると定められ ていて,被告において,直接,分収金の配分を行うことは想定されていない。 エ以上によると,本件各分収育林契約における分収木の販売に係る被告の義務は,被告において,販売予定月の6か月前までに,管理経営計画に基づいて分収木の販売を行う旨を費用負担者に通知した上で(本件契約書7 条3項),意向確認の結果,分収木の販売を行うことになった場合には,前提事実(10)で認定したとおりの本件販売等の手続を行うことに止まるというべきであり,それを超えて,本件各分収育林契約の対象となっている分収木について,買受人との間で分収木についての売買契約を成立させたり,分収金の配分を行ったりする義務を負うものではないということにな る。 (3) これに対して原告らは,本件各分収育林契約における「主伐」の用語は,分収木を伐採することを意味しているとした上で,被告においては,国有林野の樹木について,立木販売と製品販売(素材販売)の両方の方式による販売を行っており,分収木を販売する方法を立木販売方式に限定する法令上の 根拠も,公示・通達上の根拠も存在しないのであるから,立木販売の方法で売却することができないのであれば,被告は,分収木を伐採した上で,製品販売の方法で売却を行うべき義務を負っている旨主張する。 アそこで検討するに,まず,分収木につい のであるから,立木販売の方法で売却することができないのであれば,被告は,分収木を伐採した上で,製品販売の方法で売却を行うべき義務を負っている旨主張する。 アそこで検討するに,まず,分収木についての販売が行われた場合,分収木を買い受けた者は,当該分収木を素材(丸太)として使用したり,販売 したりすることを想定していると考えられることからすると,本件分収育 林制度においては,分収木は契約の存続期間が満了する時期頃には伐採されることが想定されており,それゆえに,管理経営法17条の3第6号では,分収育林契約においては,「伐採の時期及び方法」が定められるべきものとされているということができる。したがって,「主伐」という用語それ自体は,分収木を伐採するとの意味で使用されているものとみるのが相当 である。 イそこで,これを前提として,被告において本件各分収育林契約において「分収(主伐)の時期」として定められた特定の年度に,分収木を伐採する義務を負っているということができるか否かについて検討する。 前提事実(6)で認定したとおり,分収木の販売に関しては,国有林野法の 改正によって本件分収育林制度が創設された時点においては,販売額がそのまま最終の収益となり,正確,公明で費用負担者にとって理解しやすく,事務手続も簡素,迅速で合理的であるなどの理由によって,分収木を立木のまま販売する立木販売方式によることが想定されていたというのである。そして,同方式による場合,本件販売等の手続における意向確認の結 果,分収木を販売することになり,そのための一般競争入札が行われた際,入札者や落札者がいなかったり又は落札者が契約を締結しなかったりしたとしても,改めて,販売のために本件販売等の手続を繰り返すことについて,特段の支障はな になり,そのための一般競争入札が行われた際,入札者や落札者がいなかったり又は落札者が契約を締結しなかったりしたとしても,改めて,販売のために本件販売等の手続を繰り返すことについて,特段の支障はないのに対し,製品販売方式を採用する場合には,まず,被告において分収木を伐採して,これを素材(丸太)に加工する必要が あることから,加工等のための費用が別途必要になる上,当該素材について一般競争入札が行われた場合に,入札者や落札者がいなかったり又は落札者が契約を締結しなかったりした場合には,被告において当該素材を,更に費用をかけて保管しなければならないことになる。そして,これらの費用は,当該分収木の共有者である被告及び各費用負担者が最終的に負担 しなければならないことになると解されるので,上記のような場合には, 加工や保管のための費用に相当する額について,被告及び各費用負担者が最終的に取得することになる分収額が減少し,売買契約が成立する時期によっては,上記の各費用の合計額が売買代金の額を上回る事態になって,分収額がゼロになる場合も起こりうることになる。 そうすると,分収木の販売について製品販売方式ではなく立木販売方式 を採用することについては,一定の合理性があるということができる。 ウまた,前提事実(5)で認定したところによると,本件分収育林制度における分収林の評価額である分収育林価格は,当該分収林の契約時における立木の評価額に,契約時以後,分収(主伐)時に至るまでの間の保育及び管理(育林)に要する費用の合計額とされており,これを前提として,募集 口数が決定されているというのであるところ,上記の費用には,製品販売を行うことを前提とした,分収木の加工に要する費用や,加工した素材の保管に要する費 計額とされており,これを前提として,募集 口数が決定されているというのであるところ,上記の費用には,製品販売を行うことを前提とした,分収木の加工に要する費用や,加工した素材の保管に要する費用等は含まれていない。 そうすると,本件分収育林制度においては,分収木を製品販売の方式によって売却することは,制度設計上も想定されていなかったものとみるの が相当である。 エなお,本件各分収育林契約においては「分収(主伐)の時期」として特定の年度が定められているところ,上記「(主伐)」との記載は,同じく分収の対象となる間伐(主伐が伐採跡地における更新(次世代の立木の生育)を伴うのに対し,間伐は,伐採後における更新を伴わない)と区別するた めに記載されたものであるとみるのが相当であるから,「分収(主伐)の時期」との記載は,同契約の対象となった分収木について「間伐ではなく主伐による分収が行われるべき時期」を意味しているにすぎず,当該時期に当該分収木の伐採を行わなければならないことを示しているわけではないとみるのが相当である。 オ以上によると,本件各分収育林契約において用いられている「主伐」の 用語は,分収木を伐採することを意味しているということはできるものの,同契約において,「分収(主伐)の時期」として特定の年度が定められていることから,直ちに,同契約上,主伐による分収が行われるべき時期に,被告において分収木を伐採して,これを製品販売方式によって売却すべき義務を負っているということはできないといわざるを得ない。 したがって,この点に関する原告らの主張は,採用することができない。 2 以上によると,被告は,本件各分収育林契約上,同契約の対象となった分収木について,販売予定月の を得ない。 したがって,この点に関する原告らの主張は,採用することができない。 2 以上によると,被告は,本件各分収育林契約上,同契約の対象となった分収木について,販売予定月の6か月前までに,管理経営計画に基づいて分収木の販売を行う旨を費用負担者に通知した上で,本件販売等の手続を行うべき義務を負っているというべきであるところ,前提事実(11)のとおり,本件各分収育 林契約に基づいて,原告らが共有持分を有する分収木について,それぞれ本件販売等の手続を実施しているのであるから,被告は本件各分収育林契約上の義務を履行しているということになる。したがって,被告について,本件各分収育林契約上の債務についての不履行があったということはできない。 そして,前提事実(12)のとおり,原告らは,本件各分収育林契約の解除の意 思表示を行っているものの,被告には,本件各分収育林契約上の債務の不履行はないのであるから,上記解除の意思表示が効力を生ずることはないことになる。 したがって,その余の点について判断するまでもなく,原告らの請求は理由がないことになる。 第4 結論以上のとおりであるから,原告らの請求はいずれも理由がないので,これらを棄却することとして,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第25民事部 裁判長裁判官金地香枝 裁判官亀井健斗 裁判官林田敏幸は,填補のため署名押印することができない。 裁判長裁判官金地香枝 い。 裁判長 裁判官金地香枝

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