平成20(ネ)10080 特許権侵害差止等請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
平成21年7月29日 知的財産高等裁判所 3部 判決 控訴棄却 大阪地方裁判所 平成19(ワ)13244
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判決文本文9,896 文字)

- 1 -平成21年7月29日判決言渡平成20年(ネ)第10080号特許権侵害差止等請求控訴事件(原審・大阪地方裁判所平成19年(ワ)第13244号)口頭弁論終結日平成21年5月25日判決控訴人株式会社カテル控訴人X控訴人ら訴訟代理人弁護士吉峯啓晴同吉峯康博同室伏美佳同高橋拓也同金舜植同大井倫太郎同木ノ切隆行同大河原啓充同中村栄治同朴鐘賢被控訴人株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ訴訟代理人弁護士大野聖二訴訟代理人弁理士鈴木守主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は,控訴人らの負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨 原判決を取り消す。 - 2 - 被控訴人は,別紙決済方法目録記載の決済方法を使用してはならない。 被控訴人は,控訴人らに対し,金1000万円及びこれに対する平成19年11月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 訴訟費用は,第1,2審とも,被控訴人の負担とする。 第2事案の概要控訴人ら(以下「原告ら」という。)は,「決済方法及び該決済方法を採用した決済システム並びに決済管理サーバ」の発明に係る特許権(特許番号第3671375号。以下「本件特許権」という。)の特許権者である。 原告らは,被控訴人(以下「被告」という。)が株式会社エムティーアイの提供する楽曲の情報料金について使用する決済方法(以下「被告方法」という。)が,本件特許権の特許発明の技術的範囲に属し,本件特許権を侵害したものであると主張して,被告に対し,民法709条,特許法102条2項に基づき,不可分債権として,各自金1000万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日 特許発明の技術的範囲に属し,本件特許権を侵害したものであると主張して,被告に対し,民法709条,特許法102条2項に基づき,不可分債権として,各自金1000万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成19年11月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた。これに対し,被告は,被告方法は本件特許発明の技術的範囲に属さないと主張して,これを争った。 原判決は,被告方法には本件発明の「決済管理サーバ」が存在せず,また,被告方法では本件発明の「認証情報」を用いていないから,被告発明は本件特許発明の構成要件を充足しないとして,原告らの請求を棄却した。原告らは,これを不服として控訴し,控訴の趣旨記載の判決を求めた。 前提事実,本件の争点は,原判決の「事実及び理由」の「第2事案の概要」中の「1前提事実(争いのない事実)」及び「3争点」記載のとおりであるから,これを引用する。なお,略語は,原判決と同一の表記を用いる。 第3争点に係る当事者の主張 原判決の訂正次のとおり訂正するほかは,原判決の「事実及び理由」の「第3争点に係- 3 -る当事者の主張」に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1)原判決10頁2行目の「本件特許請求の範囲」を「本件特許権の出願の願書に添付された明細書(以下「本件明細書」という。)の特許請求の範囲」に,19行目の「本件特許請求の範囲」を「本件明細書の特許請求の範囲」に改める。 (2)原判決10頁4行目,12行目,12行目から13行目,23行目,24行目,26行目,11頁12行目,13行目,12頁17行目,13頁11行目,13頁11行目から12行目,16頁12行目,20行目,17頁7行目,18頁4行目,20頁19行目の「特許」を「発明」に改める。 (3)原判決10頁9行目 13行目,12頁17行目,13頁11行目,13頁11行目から12行目,16頁12行目,20行目,17頁7行目,18頁4行目,20頁19行目の「特許」を「発明」に改める。 (3)原判決10頁9行目,17行目,22行目の「特許」を「特許権」に改める。 (4)原判決14頁11行目の「本件特許発明」を「本件特許権」に改める。 当審における原告らの主張(新たな主張を含む。)被告方法は,原判決別紙「被告主張方法目録」4記載の「被告方法の概要」のとおりであることは認める。しかし,甲3の画面⑧,⑩及び⑪の各図面によれば,各特徴点があるので,以下では,被告方法について,その特徴を前提として,各構成要件該当性を主張する。 (1)構成要件A充足性被告方法は,コンピュータネットワーク上に開設されたホームページMUSIC.JPにおいて,提出されている楽曲のうち30コイン分の楽曲(有料情報等)が購入できる30コイン(認証情報)を,それを購入する意思表示をした利用者の携帯電話機に対して発行し,30コイン(を行使すること)によって上記楽曲を購入する際に発生する代金315円を当該コンピュータネットワークに接続されたMTIサーバ(決済管理サーバ)を介して決済する決済方法である。 したがって,被告方法は,「コンピュータネットワーク上に開設されたホ- 4 -ームページにおいて提供されている有料情報等が購入できる認証情報を,該有料情報等を購入する意思表示をした利用者の携帯電話機に対して発行し,当該認証情報によって有料情報等を購入する際に発生する代金を当該コンピュータネットワークに接続された決済管理サーバを介して決済する決済方法」(構成要件A)を備えている。 (2)構成要件B充足性甲3の画面⑧,⑩によれば,被告方法においては,「承諾しMUSIC. JP300に登録 ワークに接続された決済管理サーバを介して決済する決済方法」(構成要件A)を備えている。 (2)構成要件B充足性甲3の画面⑧,⑩によれば,被告方法においては,「承諾しMUSIC. JP300に登録」をクリックすることが示されている。クリックによって発生した信号は,当該携帯電話機を特定する情報と30コイン分の楽曲を購入するための代金が315円であるという情報とを含む,30コイン(認証情報)の発行を希望する信号(希望信号)である。 このように,被告方法においては,携帯電話機から一旦MTIサーバに対し,30コイン分の楽曲が購入できる30コイン(認証情報)の発行を希望する希望信号を発信し,MTIサーバはこれを受信している。 したがって,被告方法は,「決済管理サーバが,コンピュータネットワークを介して前記携帯電話機から,当該携帯電話機を特定する情報と前記有料情報等の代金に対応した情報とを含む認証情報の発行を希望する希望信号を受信するステップ」(構成要件B)を備えている。 (3)構成要件C充足性甲3の画面⑧,⑩によれば,被告方法では,「承諾しMUSIC.JP300に登録」をクリックすることによって,MTIサーバが携帯電話機からの希望信号を受信した後に,当該携帯電話機を特定する情報がMTIサーバのデータベースに記録されているか否かを判断した上で当該携帯電話機をiモードサーバに接続させていることが推認される。 したがって,被告方法は,「決済管理サーバが,前記希望信号を受けて,前記携帯電話機を特定する情報が決済管理サーバのデータベースに記録され- 5 -ているか否かを判断するステップ」(構成要件C)を備えている。 仮に,被告が主張するように,課金可能な携帯電話機のみがMTIサーバにアクセスし得るという仕組みをこの段階以前に設け,MTIサーバが希望信号 るか否かを判断するステップ」(構成要件C)を備えている。 仮に,被告が主張するように,課金可能な携帯電話機のみがMTIサーバにアクセスし得るという仕組みをこの段階以前に設け,MTIサーバが希望信号を受信した時点で,MTIサーバがデータベースの検索を行わなかったとしても,課金可能な携帯電話機のみがMTIサーバにアクセスし得るという仕組みは,構成要件Cと均等であるといえる。 (4)構成要件D充足性甲3の画面⑧,⑩から画面⑪によれば,被告方法では,MTIサーバ(決済管理サーバ)は,iモードサーバ(課金サーバ)に当該携帯電話機のために課金をさせる契機となるサーバであることからすれば,当該携帯電話機がiモードサーバにアクセスする(画面⑪)に先立って,MTIサーバからiモードサーバに対し,30コインの発行にかかる代金315円を内容とする情報(利用料金情報)を送信しているといえる。 したがって,被告方法は,「決済管理サーバが,前記携帯電話機を特定する情報が前記データベースに記録されていると判断したときに,電話使用料を課金している課金サーバに対して前記有料情報等の代金に対応した利用料金情報を送信するステップ」(構成要件D)を備えている。 (5)構成要件E充足性被告方法においては,MTIサーバは当該携帯電話機を介してiモードサーバに対し,代金315円という利用料金情報を送金しているが,課金に関しては,これを受信したiモードサーバがMTIサーバに対してリクエストを発信し,これを受けたMTIサーバからマイメニュー登録のレスポンスの返信を受けてiモードサーバにおいて課金の処理をする。しかし,リクエストを受けたMTIサーバにおいては何らの有意な判断をせずに単にレスポンスを返信するだけであるから,iモードがリクエストを送信する段階で既に課金処理は確定してお いて課金の処理をする。しかし,リクエストを受けたMTIサーバにおいては何らの有意な判断をせずに単にレスポンスを返信するだけであるから,iモードがリクエストを送信する段階で既に課金処理は確定しており,iモードのリクエスト送信自体が課金済通知に他- 6 -ならない。 したがって,被告方法は,「課金サーバが,前記有料情報等の代金に対応した利用料金情報を受信し,前記有料情報等の代金に対応した利用料金を携帯電話機の電話使用料金に対して加算して課金した後,課金済通知を決済管理サーバに送信するステップ」(構成要件E)を備えている。 (6)構成要件F充足性被告方法においては,上記(5)のとおり,課金済情報であるリクエストをiモードサーバからMTIサーバが受信している。 したがって,被告方法は,「決済管理サーバが,前記課金サーバから前記課金済通知を受信するステップ」(構成要件F)を備えている。 (7)構成要件G,H充足性被告方法において,MTIサーバは,iモードサーバからリクエスト信号を受けて,当該携帯電話機のために,代金315円に対応する,MUSIC.JPにおいて30コイン分の楽曲を購入できる認証情報である30コインを発行し,残高管理を行うために当該携帯電話機が30コインを保有するものとしてデータベースに記録している。 したがって,被告方法は,「決済管理サーバが,前記課金済通知を受けて前記利用料金に基づく有料情報等を購入できる認証情報を生成するステップ」,「決済管理サーバが,前記生成した認証情報を,前記携帯電話機を特定する情報に関連付けて決済管理サーバのデータベースに記録するステップ」(構成要件G,H)を備えている。 (8)構成要件I充足性甲3の画面⑭によれば,被告方法において,MTIサーバは,「ご登録ありがとうございました。」とのメッセー のデータベースに記録するステップ」(構成要件G,H)を備えている。 (8)構成要件I充足性甲3の画面⑭によれば,被告方法において,MTIサーバは,「ご登録ありがとうございました。」とのメッセージ,すなわち,当該携帯電話機が求めたとおりにコインが発行された旨を通知することによって,30コインという認証情報を当該携帯電話機に送信している。 - 7 -したがって,被告方法は,「決済管理サーバが,コンピュータネットワークを介して前記認証情報を前記携帯電話機へ送信するステップ」(構成要件I)を備えている。 以上のとおり,被告方法は,本件構成要件をすべて充足する。 被告の反論(1)構成要件Aの充足性に対し原告らは,MTIサーバが決済管理サーバに対応し,コインが認証情報に対応すると主張する。 しかし,本件発明は,決済管理サーバが情報提供者や電話会社のいずれとも異なることを当然の前提としており,情報提供者のサーバであるMTIサーバが決済管理サーバであることはない。被告方法には決済管理者は存在せず,決済管理者が運用する決済管理サーバも存在しない。また,原告らは,コインが認証情報に対応すると主張するが,コインは認証情報に該当するものといえない。したがって,被告方法は,構成要件Aを充足しない。 (2)構成要件BないしDの充足性に対し原告らは,被告方法は,マイメニュー登録を選択すると,一旦,MTIサーバにコインの発行を希望する希望信号を発信し,MTIサーバに接続させる方式を採用していると主張する。 しかし,被告方法は,原告主張に係る方法を採用するものではない。 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ない。 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●- 8 -●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●以上のとおり,被告方法は,原告ら主張に係る方法を採用していないから,構成要件BないしDをいずれも充足しない。なお,原告らは構成要件Cに関し均等論を主張しているが,被告方法は,原告ら主張に係る方法ではないから,その前提において失当である。 (3)構成要件E,Fの充足性に対し原告らは,被告方法は,「リクエストを受けたMTIサーバにおいては何らの有意な判断をせずに単にレスポンスを返信するだけであるから,iモードがリクエストを送信する段階で既に課金処理は確定している」と主張する。 しかし,被告方法は,原告ら主張に係る方法を採用するものではない。 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●以上のとおり,被告方法は構成要件E,Fを充足しない。 (4)構成要件G,Hの充足性に対しコインは認証情報に該当しないから,被告方法は構成要件G,Hを充足しない。 (5)構成要件Iの充足性に対し原告らは,登録完了の後に,端末がMTIサーバにアクセスしたときに表- 9 -示される「ご登録ありがとうございました。」(画面⑭)のメッセージが,コインが発行された旨の通知であると主張する。しかし,画面⑭は,指定したURLへのリンクをユーザが選択したときに初めて表示される画面であり(被告方法イ-8),ユーザが指定されたURLへのリンクを選択しない限り表示されない。すなわち,信号の流れの観点からは,画面⑭は,原告らが希望信号であると主張するマイメニュー登録に対応して表示される画面ではない。 以上のとおり,被告方法は構成要件Iを充足しない。 第4当裁判所の判断当裁判所は,被告方法には,本件発明の「決済管理サーバ」が存在せず,また,本件発明の「認証情報」を用いていないから,被告方法は本件発明の構成要件を充足しないと判断する。 原判決の付加訂正以下のとおり訂正付加するほか,原判決の「事実及び理由」欄の第4の1ないし4記載のとおりであるから,これを引用する。 (1)原判決26頁7行目,28頁24行目,32頁10行目の「本件特許」を「本件明細書」に改める。 (2)原判決28頁12行目の「本 欄の第4の1ないし4記載のとおりであるから,これを引用する。 (1)原判決26頁7行目,28頁24行目,32頁10行目の「本件特許」を「本件明細書」に改める。 (2)原判決28頁12行目の「本件特許」を「本件発明」に改める。 (3)原判決28頁22行目,34頁7行目の「本件特許の明細書」をいずれも「本件明細書」に改める。 (4)原判決33頁14行目の末尾に行を改めて次のとおり加える。 「原告らは,本件発明について,電話会社,情報提供者,認証情報管理者及び利用者の4者が存在することが前提であって,同一の者が認証情報管理者及び情報提供者を兼ねることは想定されず,認証情報管理者(決済管理サーバ)は,情報提供者や電話会社のいずれとも異なることが必要であると解釈することは,特許請求の範囲に基づかない解釈であると主張する。 - 10 -しかし,原告らの主張は,以下のとおり採用できない。すなわち,本件明細書の発明の詳細な説明に記載された目的ないし解決課題である「情報提供者や仮想店舗管理者等が電話会社との間で利用料金を課金する契約をしなくても,有料情報の閲覧,有料データのダウンロード,商品の購入等の際に発生する代金を受け取ることができる決済方法を提供する」には,電話会社,情報提供者,認証情報管理者及び利用者の4者が存在することが前提となるのは,自然であり,同一の者が認証情報管理者及び情報提供者を兼ねると解釈する余地はない。」(5)原判決33頁26行目から34頁1行目の「当該携帯電話機を特定する情報と前記有料情報等の代金に対応した情報とを含む認証情報」を「当該携帯電話機を特定する情報と前記有料情報等の代金に対応した情報とを含む認証情報の発行を希望する希望信号」に改める。 (6)原判決34頁26行目から35頁3行目までを次のとおり改める。 「以 を「当該携帯電話機を特定する情報と前記有料情報等の代金に対応した情報とを含む認証情報の発行を希望する希望信号」に改める。 (6)原判決34頁26行目から35頁3行目までを次のとおり改める。 「以上の構成によれば,認証情報は,決済管理サーバがその課金済通知を受信した上で生成されるものであるから(構成要件F,G),構成要件Bにおいて「当該携帯電話機を特定する情報と前記有料情報等の代金に対応した情報とを含む認証情報の発行を希望する希望信号を受信」するステップでは認証情報は生成されていない。したがって,構成要件F,Gのステップより前の構成要件Bのステップにおいては,認証情報は,まだ生成されていないのであるから,「当該携帯電話機を特定する情報」及び「前記有料情報等の代金に対応した情報」は,認証情報が,まだ生成されていないことを前提として,その発行を希望する意思表示の内容をなす情報と解するのが相当である。そして,構成要件Gにおける「利用代金に基づく有料情報等を購入できる認証情報」との記載や構成要件Hにおける「前記生成した認証情報を,前記携帯電話機を特定する情報に関連付けて決済管理のデータベースに記録する」との記載及び発明の詳細な説明における「【0031】前記代金と同額- 11 -の利用料金に基づく前記有料情報等を購入できる認証番号」との記載(本件特許公報15頁4行目,5行目)からみれば,認証情報は,当該携帯電話機を特定する情報は含まず,有料情報等を購入することができることに関する情報と解するのが相当である。」(7)原判決35頁4行目の「本件特許公報」を「本件明細書」と改める。 (8)原判決35頁7行目,8行目を次のとおり改める。 「認証情報とは,利用者が提供を希望した特定の有料情報等を購入することができるとする情報と解される。」(9) 報」を「本件明細書」と改める。 (8)原判決35頁7行目,8行目を次のとおり改める。 「認証情報とは,利用者が提供を希望した特定の有料情報等を購入することができるとする情報と解される。」(9)原判決35頁19行目「いえない。」の後に行を改めて次のとおり付加する。 「原告らが主張する「コイン」は,有料情報等を購入する際に利用可能なものであるとしても,特定の有料情報等に関係づけられたものではなく,MTIサーバから送信される「コイン数」は,単にMTIサーバ内で管理されている残高コイン数(あるいは使用したコイン数)を認識するための通知にすぎず,「認証情報」とはいえない。」(10)原判決35頁20行目から21行目の「有料情報等の代金に対応した情報を含む認証情報」を「利用者が提供を希望した特定の有料情報等を購入することができるとする情報である認証情報」に改める。 原告らの新たな主張に対する判断について原告らは,被告方法においては,「承諾しMUSIC.JP300に登録」をクリックすることによって,当該携帯電話機から一旦MTIサーバに対し,当該携帯電話機を特定する情報と30コイン分の楽曲の代金が315円であるであるという情報とを含む30コイン分の楽曲が購入できる30コインの発行を希望する希望信号を発信し,これを受信したMTIサーバは,当該携帯電話機を特定する情報が記録されているか否かを判断していると主張する。 しかし,本件全証拠によっても,被告方法が,マイメニュー登録の段階で,- 12 -MTIサーバが携帯電話機から上記の希望信号を受信した後に,当該携帯電話機を特定する情報がMTIサーバのデータベースに記録されているか否かを判断した上で当該携帯電話機をiモードサーバに接続させる処理経路が採用されていることを認めることはできない。●●●●● 該携帯電話機を特定する情報がMTIサーバのデータベースに記録されているか否かを判断した上で当該携帯電話機をiモードサーバに接続させる処理経路が採用されていることを認めることはできない。●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●以上のとおり,原告らの主張に係る被告方法が採用されていることについては,これを裏付ける的確な証拠はないから,構成要件充足性を判断するまでもなく,原告らの主張には理由がない。 第5 結論 以上によれば,原告らの主張は理由がない。原告らは,その他縷々主張するが,いずれも理由がない。 よって,原告らの本件控訴は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第3部裁判長裁判官飯村敏明裁判官大須賀滋- 13 -裁判官齊木教朗- 14 -(別紙)決済方法目録被告が運営する公式サイトのホームページ「iMENU」に表示されている「ミュージック」のリンク先である,株式会社エムティーアイが楽曲のダウンロードサービスを提供するウェブページ「Music.jp」において提供されている楽曲がダウンロードできるコインを,該楽曲をダウンロードする意思表示をした利用者の携帯電話に対して発行し,当該コインによって楽曲をダウンロードする際に発生する代金を当該コンピュータネットワークに接続された「エムティーアイサーバ」を介して決済する決済方法

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