令和4(ワ)24476 特許権侵害差止等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和5年10月11日 東京地方裁判所
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令和5年10月11日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和4年(ワ)第24476号特許権侵害差止等請求事件口頭弁論終結日令和5年6月27日判決 原告A1 被告パナソニック株式会社 同訴訟代理人弁護士速見禎祥 溝内伸治郎 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 請求被告は、原告に対し、10万円及びこれに対する令和4年11月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 事案の概要等 1 事案の要旨 本件は、発明の名称を「照明装置」とする特許第6813851号の特許(以下「本件特許」という。)に係る特許権(以下「本件特許権」という。)を有する原告が、別紙商品目録記載の商品は本件特許の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)の技術的範囲に属し、被告による当該商品の製造、販売等は本件特許権を侵害すると主張して、被告に対し、不法 行為に基づき、一部請求として、損害金10万円(特許法102条2項又は3 項により算定される額)及びこれに対する不法行為の後の日(訴状送達日の翌日)である令和4年11月29日から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲各証拠(以下、書証番号は 特記しない限り枝番を含む。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 当事者ア原告は、本件特許の特許権者である。 イ被告は、家電 事実並びに後掲各証拠(以下、書証番号は 特記しない限り枝番を含む。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 当事者ア原告は、本件特許の特許権者である。 イ被告は、家電等の製造及び販売を目的とする株式会社である。 被告は、令和4年4月1日、パナソニックホールディングス株式会社 (旧商号は「パナソニック株式会社」)から、マットレス及び照明装置に係る事業を会社分割により承継し、商号を「パナソニック分割準備株式会社」から現商号に変更した(以下、承継及び商号変更の前後を問わず「被告」という。弁論の全趣旨)。 (2) 本件特許 原告は、平成29年11月29日、本件特許に係る特許出願(特願2017-228865号)をし、令和2年12月22日、本件特許権の設定登録(請求項の数2)を受けた(以下、同出願の願書に添付した明細書及び図面を併せて「本件明細書」という。また、明細書の発明の詳細な説明中の段落番号を【0001】などと、図を【図1】などと、それぞれ記載する。)。 (3) 本件発明に係る特許請求の範囲本件特許の特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおりである。 「赤色光を発光する赤色発光手段と、青色光を発光する青色発光手段と、緑色光を発光する緑色発光手段とを有する発光部と、 人の覚醒度合に関する生体情報を取得する覚醒度合生体情報取得部と、 覚醒度合生体情報取得部で取得した人の覚醒度合に関する生体情報に応じて前記三つの発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させるための調節部と、を有する照明装置若しくはディスプレイ。」(4) 構成要件の分説 前記(3)の請求項は、次の構成要件に分説することができる(以下、各構 の発光手段の発光量比を変化させるための調節部と、を有する照明装置若しくはディスプレイ。」(4) 構成要件の分説 前記(3)の請求項は、次の構成要件に分説することができる(以下、各構成要件につき、頭書の記号に従って「構成要件A」などという。)。 A 赤色光を発光する赤色発光手段と、青色光を発光する青色発光手段と、緑色光を発光する緑色発光手段とを有する発光部と、B 人の覚醒度合に関する生体情報を取得する覚醒度合生体情報取得 部と、C/D 覚醒度合生体情報取得部で取得した人の覚醒度合に関する生体情報に応じて前記三つの発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させるための調節部と、E を有する照明装置若しくはディスプレイ。 (5) 被告による商品の販売及び販売の申出被告は、少なくとも、別紙商品目録記載1(1)の商品(以下「本件マットレス(1)」という。)を、遅くとも令和2年12月22日から令和4年3月30日まで、同目録記載2(1)ないし(32)の各商品(以下、これらを総称して「本件各照明装置」という。)を、販売開始日欄の各日以降、販売終了日欄に日付 の記載のあるものはその記載の各日まで、それぞれ販売及び販売の申出をした。 なお、被告が、別紙商品目録記載1(2)の商品(以下「本件マットレス(2)」といい、本件マットレス(1)と併せて「本件各マットレス」という。)の製造、販売又は販売の申出をしたか否かについては争いがある。 (6) 本件マットレス(1)、本件各照明装置等の構成(甲5、乙1、2、弁論の全 趣旨)ア本件マットレス(1)は、当該マットレスを使用する人の睡眠の状態を計測する機能を備えている。 イ本件各照明装置 (1)、本件各照明装置等の構成(甲5、乙1、2、弁論の全 趣旨)ア本件マットレス(1)は、当該マットレスを使用する人の睡眠の状態を計測する機能を備えている。 イ本件各照明装置の発光部は、色温度が異なる2種類の白色に発光するLED(昼光色のLEDと電球色のLED)で構成されている。なお、当該 LEDは、いずれも青色LEDチップを黄色の蛍光体を含む樹脂で封止したものである。 本件各照明装置は、付属又は別売のリモコンによる操作が可能となっており、本件各照明装置の一部の商品においては、使用者が、当該リモコンに設けられた「明るい<>暗い」ボタン及び「白い色<>暖かい色」ボタ ンを押すことで、当該照明装置の明るさ(「明るい」←→「暗い」)及び色温度(「白い色」←→「暖かい色」)を、それぞれ何段階かで変更できる。 また、本件各照明装置の一部の商品においては、使用者が、本件各照明装置と連携する「あかリモ」と称するアプリをスマートフォンにインストールし、そのアプリの実行画面に表示される「調光調色マップ」の四角い領 域の四辺部に設けられた白色外向きの三角を押すことで、当該照明装置の明るさ(「明」←→「暗」)及び色温度(「白い色」←→「暖かい色」)を、それぞれ何段階かで変更できる。 ウ被告は、遅くとも令和2年12月22日以降、「YourSleep」と称するアプリ(以下「本件マットレス連携アプリ」という。)を提供して いる。 本件マットレス連携アプリは、本件マットレス(1)を使用した人の睡眠深度、睡眠スコア、睡眠時間、睡眠効率、寝つき時間、中途覚醒回数、目覚めの状態及び深い睡眠をそれぞれ表示する機能を備えている。 (7) 本件マットレス(1)及び本件各照明装置の構成要件充足性 本 睡眠スコア、睡眠時間、睡眠効率、寝つき時間、中途覚醒回数、目覚めの状態及び深い睡眠をそれぞれ表示する機能を備えている。 (7) 本件マットレス(1)及び本件各照明装置の構成要件充足性 本件マットレス(1)は、構成要件Bを充足する。 また、本件各照明装置は、構成要件Eを充足する。 3 争点(1) 被告が製造、販売等する商品が本件発明の技術的範囲に属するか(争点1)ア被告が製造、販売等している商品の範囲(争点1-1)イ構成要件Aの充足性(争点1-2) ウ構成要件C/Dの充足性(争点1-3)(2) 無効の抗弁の成否(争点2)ア 「赤色発光手段」等に関する明確性要件違反(争点2-1)イ 「発光量の総和を略一定にしたまま」に関する明確性要件違反(争点2-2) ウ 「調節部」に関するサポート要件違反(争点2-3)エ特開2009-266484号公報(以下「乙3公報」という。)を主引用例とする新規性及び進歩性欠如(争点2-4)オ国際公開第2010/123031号(以下「乙4文献」という。)を主引用例とする新規性欠如(争点2-5) (3) 原告に生じた損害及びその額(争点3) 4 争点に関する当事者の主張(1) 争点1-1(被告が製造、販売等している商品の範囲)について(原告の主張)被告が製造、販売及び販売の申出をしている商品は、以下のア又はイのと おり(選択的主張)、本件各マットレスと本件各照明装置とを組み合わせて一体とした商品である。すなわち、本件各マットレスと本件各照明装置とは、通信装置によって繋がっており、「発光部」、「覚醒度合生体情報取得部」及び「調節部」をそれぞれ有する商品が有機的に関連付けられて一つの機能を持つ商品となっているものである。 と本件各照明装置とは、通信装置によって繋がっており、「発光部」、「覚醒度合生体情報取得部」及び「調節部」をそれぞれ有する商品が有機的に関連付けられて一つの機能を持つ商品となっているものである。 ア本件各照明装置は、いずれも各照明装置に付属する調光調色可能なリモ コン又は調光調色用スマートフォンアプリ「あかリモ」による操作ができる。 そして、被告は、令和2年3月18日以降、本件各マットレス及び本件各照明装置を組み合わせたものを一体の商品(以下「本件組合せ商品1」という。)とし、業として、本件組合せ商品1の製造、販売及び販売の申出 をしている。 イ被告は、令和2年3月18日から現在にかけて、本件各マットレス、本件各照明装置及び「快眠環境サポートサービス」(本件各マットレスで計測した睡眠データに基づき、本件マットレス連携アプリの実行画面に、睡眠状態をグラフやスコアなどの形で表示させるもの)を組み合わせたものを 一体の商品(以下「本件組合せ商品2」といい、本件組合せ商品1と総称して「本件各組合せ商品」という。)とし、業として、本件組合せ商品2の製造、販売及び販売の申出をしている。 (被告の主張)被告は、本件各マットレスと本件各照明装置とを一体のものとして、製造、 販売又は販売の申出をしたことはない。 なお、本件各照明装置のうちの一部は、「快眠環境サポートサービス」に対応していない。 (2) 争点1-2(構成要件Aの充足性)について(原告の主張) ア 「赤色光を発光する赤色発光手段」、「青色光を発光する青色発光手段」及び「緑色光を発光する緑色発光手段」の意義本件明細書の【0025】は、「赤色発光手段は、概ね610~670nm の波長の光を発するもの」、「赤色発光手段は 段」、「青色光を発光する青色発光手段」及び「緑色光を発光する緑色発光手段」の意義本件明細書の【0025】は、「赤色発光手段は、概ね610~670nm の波長の光を発するもの」、「赤色発光手段は、…赤色光を発し得るものであればよい。」との記載のとおり、当該波長の光を発していれば赤色発光手段であ ると定義しており、赤色発光素子に限定していない。また、本件明細書の 【0024】には、「発光部が有する各色の発光手段の数は一又は複数」と記載されている。さらに、本件明細書の【0020】においても、「本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。」旨が注記されている。したがって、本件発明の「赤色発光手段」は、上記の波長域の光を発するもの であれば足りる。 青色発光手段と緑色発光手段についても同様に、それぞれ「概ね435~490nm の波長の光を発するもの」(【0026】)と「概ね495~570nm の波長の光を発するもの」(【0027】)であれば足りる。 したがって、一つの発光手段で「概ね610~670nm の波長の光」、「概ね 435~490nm の波長の光」及び「概ね495~570nm の波長の光」を発するもの、より具体的には白色光を発光する発光手段も、「赤色光を発光する赤色発光手段」、「青色光を発光する青色発光手段」及び「緑色光を発光する緑色発光手段」に当たる。 イ本件各照明装置の構成 白色灯である本件各照明装置の一部は、その発光部が青色LEDと黄色の蛍光体によって構成されており、黄色の蛍光体に青色LEDが発した光線を照射することによって、白色の光線を生成している。LEDが生成する白色光のスペクトルは、「概ね43 その発光部が青色LEDと黄色の蛍光体によって構成されており、黄色の蛍光体に青色LEDが発した光線を照射することによって、白色の光線を生成している。LEDが生成する白色光のスペクトルは、「概ね435~490nm」、「概ね495~570nm」及び「概ね610~670nm」の波長域を全て含んでいる。 ウ小括前記(1)(原告の主張)のとおり、本件各組合せ商品は、本件各照明装置と他の商品とを組み合わせたものである。 したがって、本件各組合せ商品は、構成要件Aを充足する。 (被告の主張) ア 「赤色光を発光する赤色発光手段」、「青色光を発光する青色発光手段」 及び「緑色光を発光する緑色発光手段」の意義構成要件Aの「赤色光を発光する赤色発光手段」とは、その文言上、用語の通常の意味として、赤色に発光する手段を指すと理解される。 また、本件明細書の【0025】にも、「赤色発光手段は、概ね610~670nm の波長の光を発するもので、例えばLEDや有機ELなどの発光素子 を用いることで実現でき、これ以外の発光素子であっても赤色光を発し得るものであればよい。」と記載されている。 したがって、「赤色光を発光する赤色発光手段」とは、特許請求の範囲の文言の用語の通常の意味に鑑みても、本件明細書の記載を参酌しても、文字どおり「赤色」に「発光する」「手段」と理解される。 「青色光を発光する青色発光手段」及び「緑色光を発光する緑色発光手段」についても、同様に「青色」に「発光する」「手段」及び「緑色」に「発光する」「手段」と理解される。 イ構成要件Aを充足しないこと本件各照明装置は、色温度が異なる2種類の白色に発光するLED(昼 光色のLEDと電球色のLED)で構成されているから、構成要 する」「手段」と理解される。 イ構成要件Aを充足しないこと本件各照明装置は、色温度が異なる2種類の白色に発光するLED(昼 光色のLEDと電球色のLED)で構成されているから、構成要件Aの「赤色光を発光する赤色発光手段」、「青色光を発光する青色発光手段」及び「緑色光を発光する緑色発光手段」をいずれも有しない。 したがって、本件各照明装置は、構成要件Aを充足しないから、本件各組合せ商品の構成にかかわらず、構成要件Aを充足する余地はない。 (3) 争点1-3(構成要件C/Dの充足性)について(原告の主張)ア 「調節部」の意義構成要件C/Dの「調節部」の制御が自動的に行われるものであることは、本件発明の特許請求の範囲にも本件明細書にも何ら記載がない。本件 明細書中の「このような装置の一部をソフトウェアとして構成することが できる」との記載(【0023】)は、本件発明の実施形態の一つを示しているものにすぎない。 本件発明は、ヒトの生理は照明の波長によって変化するという自然法則を利用し、少なくとも、明るさ(照度)を維持しつつ照明の波長によってヒトの生理を変えるという課題を、ヒトの覚醒度合(生理)に応じて照度 を略一定にしつつ色温度を変化させるという技術思想をもって解決した点に、発明性が認められたものである。構成要件C/Dの「調節部」の制御が、手動、半自動及び自動のいずれであるかという点は、本件発明の根幹ではなく、使用者が任意に選択すべき実施形態の一つにすぎない。 したがって、「調節部」には、使用者が手動で発光量の総和を略一定にし たまま発光量比を変化させる機能を備える構成を含むものである。 イ 「略一定」の意義「一定」とは、「ある決めた状態・もの。一の分量」を意味 には、使用者が手動で発光量の総和を略一定にし たまま発光量比を変化させる機能を備える構成を含むものである。 イ 「略一定」の意義「一定」とは、「ある決めた状態・もの。一の分量」を意味する。 そして、「略一定」とあるように、厳密に同一である必要はなく、「ある決めた状態」に対し、ある程度の差を許容して「一定」であるとみなせる ものを含む。 ウ本件各組合せ商品の構成(ア) 本件各照明装置に付属するリモコンには、「白い色<>暖かい色」、「明るい<>暗い」のボタンがそれぞれ設けられており、「暖かい色」ボタンを押下すると照明は暖色へと変化し、「明るい<>暗い」ボタンを押下す ると照度が変化する。そして、本件各照明装置の照度は、これらのボタン操作により次のように変化する。 ボタン操作ルクス 操作前90.3 「白い色」1回押下93.2 「白い色」2回押下95.8 「白い色」3回押下98.7 「白い色」4回押下101.9 「白い色」5回押下104.5 「暗い」1回押下90.3このように、本件各照明装置は、付属のリモコンの「白い色」ボタン を5回押下した後、「暗い」のボタンを1回押下することにより、発光量を一定にしたまま、暖かい色から白い色へ変化させることができる。 カタログにおいても、本件各組合せ商品の壁型リモコンを用いて色温度を2700Kから6200Kに上昇させた場合の照度の変化は10パーセント以内となっている旨が記載されている。 (イ) また、本件各照明装置は、電磁的に接続された端末(スマートフォンなど)のアプリ「あかリモ」に表示される「調光調色マップ」の四角い領域の4辺部に設けられた白い外向きの 載されている。 (イ) また、本件各照明装置は、電磁的に接続された端末(スマートフォンなど)のアプリ「あかリモ」に表示される「調光調色マップ」の四角い領域の4辺部に設けられた白い外向きの矢印を押すことで、四角い領域内の任意の点に調光調色可能となっており、「明」又は「暗」という照度変更をすることなく、「暖かい色」又は「白い色」に調色できる。 エあてはめ本件各組合せ商品の使用者は、本件マットレス連携アプリの表示を見ながら、本件各照明装置に付属するリモコン等を操作して、各発光手段の発光量比を変化させることができる。その際、当該使用者は、光色を直感的に選択できる微細な余地があるにすぎず、それ以外の制御は、発光部、覚 醒度合生体情報取得部及び調節部のいずれにおいても、機械が自動的に行っている。 また、前記ウ(ア)及び(イ)のとおり、本件各照明装置は、付属するリモコン又は「あかリモ」をインストールして、電磁的に接続された端末(スマートフォンなど)から発信する信号によって、発光量を略一定にしたまま、 赤色光と青色光と緑色光のそれぞれの発光手段の発光量比を変化させるこ とができるものである。 「快眠環境サポートサービス」は「あかリモ」と連携するものであるから、「あかリモ」を用いて、発光量を略一定にしたまま、赤色光と青色光と緑色光のそれぞれの発光手段の発光量比を変化させることができる以上、「快眠環境サポートサービス」を用いても同様の動作となることは明らか である。 オ小括以上によれば、本件各照明装置は、構成要件C/Dの「前記三つの発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させるための調節部と、」との構成を有する。 そして、前記( よれば、本件各照明装置は、構成要件C/Dの「前記三つの発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させるための調節部と、」との構成を有する。 そして、前記(1)(原告の主張)のとおり、本件各組合せ商品は、本件各照明装置と他の商品とを組み合わせたものである。 したがって、本件各組合せ商品は、構成要件C/Dを充足する。 (被告の主張)ア本件各照明装置は「生体情報に応じて…発光手段の発光量の総和を略一 定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させる調節部」との構成を有しないこと照明装置の使用者が、自分の意思及び判断で発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させること(すなわち、人間である当該使用者が「調節」する場合)は、人間の精神活動そのものを含 んでおり、特許法2条1項所定の「発明」に当たらない。本件発明が同項所定の「発明」に当たるとすれば、このような人間の活動を前提とする構成は、当然に構成要件C/Dの「調節部」に含まれない。 そして、本件明細書の【0029】、【0044】及び【0045】の記載を参酌すれば、構成要件C/Dの「生体情報に応じて…発光手段の発光 量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させる 調節部」とは、生体情報に応じて三つの発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させるためのプログラムを備えるなど、生体情報に応じて自動的に発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させる機能を有する構成を指すものと理解される。 しかし、原告の主張する明るさや色温度の調節は、本件各照明装置が行っているのではなく、リモコン等を操 たままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させる機能を有する構成を指すものと理解される。 しかし、原告の主張する明るさや色温度の調節は、本件各照明装置が行っているのではなく、リモコン等を操作する者により行われている。すなわち、本件各照明装置には、生体情報に応じて自動的に発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させる機能は備わっていない。 イ本件各照明装置は「発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させる」構成を有しないこと原告の主張する本件各照明装置の照度変化は、最大約14ルクス(104.5ルクスから90.3ルクスへと13.6パーセント減少)に達する。 したがって、本件各照明装置が「発光量の総和を略一定にしたままそれ ぞれの発光手段の発光量比を変化させる」構成を備えないことは明らかである。 (4) 争点2-1(「赤色発光手段」等に関する明確性要件違反)について(被告の主張)本件発明の「照明装置」又は「ディスプレイ」は、「赤色光を発光する赤色 発光手段」、「青色光を発光する青色発光手段」及び「緑色光を発光する緑色発光手段」の各構成を備えるところ、原告は、本件各照明装置のように、赤色に発光する構成、青色に発光する構成及び緑色に発光する構成を明らかに備えない場合であっても、白色に発光するものは、赤色、青色及び緑色に相当する波長域の光を発するといえるから、上記各構成を備えると主張する。 このような原告の主張を前提とすると、本件発明の「赤色光を発光する赤 色発光手段」、「青色光を発光する青色発光手段」及び「緑色光を発光する緑色発光手段」の各構成の意義は、不明確といわざるを得ないから、本件発明に係る特許請求の範 の「赤色光を発光する赤 色発光手段」、「青色光を発光する青色発光手段」及び「緑色光を発光する緑色発光手段」の各構成の意義は、不明確といわざるを得ないから、本件発明に係る特許請求の範囲の記載は、明確性要件(特許法36条6項2号)に適合しない。 したがって、本件特許は、特許法123条1項4号、36条6項2号によ り無効とされるべきものである。 (原告の主張)前記(2)(原告の主張)アのとおり、「発光部」の意義は明確である。 (5) 争点2-2(「発光量の総和を略一定にしたまま」に関する明確性要件違反)について (被告の主張)本件発明の「照明装置」又は「ディスプレイ」は、「前記三つの発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させる」構成を備えるところ、原告は、この意義に関し、照度(これを発光量と同視する)が104.5ルクスから90.3ルクスへと13.6パーセント 減少する場合も「略一定にしたまま」に該当すると主張する。 このような原告の主張を前提とすると、本件発明の「発光量の総和を略一定にしたまま」の範囲は不明確といわざるを得ず、当業者は、いかなる場合が「発光量の総和を略一定にしたまま」に含まれ、いかなる場合が「発光量の総和を略一定にしたまま」に含まれないかを理解することができないから、 本件発明に係る特許請求の範囲の記載は、明確性要件(特許法36条6項2号)に適合しない。 したがって、本件特許は、特許法123条1項4号、36条6項2号により、無効とされるべきものである。 (原告の主張) 否認ないし争う。 (6) 争点2-3(「調節部」に関するサポート要件違反)について(被告の主張)原告は、覚醒度合に関する生体情報 きものである。 (原告の主張) 否認ないし争う。 (6) 争点2-3(「調節部」に関するサポート要件違反)について(被告の主張)原告は、覚醒度合に関する生体情報を表示するスマートフォンを見ながら、使用者がリモコンのボタンを何回か操作して色温度や明るさを変化させる場合も、「三つの発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手 段の発光量比を変化させるための調節部」との構成を有するといえると主張するが、この構成は本件明細書に一切記載されていない。 このような原告の主張を前提とすると、本件発明の「三つの発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させるための調節部」は、発明の詳細な説明に記載されたものではない構成を含ん でいることになるから、本件発明に係る特許請求の範囲の記載は、サポート要件(特許法36条6項1号)に適合しない。 したがって、本件特許は、特許法123条1項4号、36条6項1号により、無効とされるべきものである。 (原告の主張) 本件明細書の【0030】には、「各発光手段の発光量比の変化に応じて各発光手段に供給する駆動電流量や印加電圧値を調節する。」と、発光方法と調節方法が記載されている。 (7) 争点2-4(乙3公報を主引用例とする新規性及び進歩性欠如)について(被告の主張) ア乙3公報に記載された発明乙3公報(平成21年11月12日公開)には、次の発明(以下「乙3発明」という。)が記載されている。 3a 赤色光を発光するLEDを用いる第1の光源11と、青色光を発光するLED及び緑色光を発光するLEDを用いる第2の 光源12と、を有する光源部1と、 3b 被照射者の眼の開 赤色光を発光するLEDを用いる第1の光源11と、青色光を発光するLED及び緑色光を発光するLEDを用いる第2の 光源12と、を有する光源部1と、 3b 被照射者の眼の開閉状態を検出する検出器6と、3c/d 検出器6で取得した被照射者の眼の開閉状態を示す信号に応じて、第1の光源11及び第2の光源12の発光量の総光量を一定にしたまま第1の光源11及び第2の光源12の発光量比を変化させる光源制御部3と、 3e を有する照明装置10。 イ本件発明と乙3発明との対比(ア) 乙3発明の第1の光源11で用いられるLEDは、赤色光を発光するLEDであるから、本件発明の「赤色光を発光する赤色発光手段」に該当する。 乙3発明の第2の光源12で用いられる青色光を発光するLEDは、本件発明の「青色光を発光する青色発光手段」に該当する。また、第2の光源12で用いられる緑色光を発光するLEDは、本件発明の「緑色光を発光する緑色発光手段」に該当する。 したがって、乙3発明の「光源部1」(構成3a)は、本件発明におけ る「発光部」(構成要件A)に相当する。 (イ) 乙3公報の【0056】には、「第2の光源12として、464nm近傍の波長域の分光成分が多く含まれる光を発する光源であることが望ましい。このような光源を第2の光源12として用いることにより、光源からの光は開眼状態の被照射者の網膜上の光受容体に光刺激を与えてメ ラトニンの分泌を効果的に抑制することができ、被照射者を速やかに覚醒させることができる」と記載されている。この記載から、人の眼の開閉状態は、人の覚醒度合に関する生体情報である。 したがって、乙3発明の「被照射者の眼の開閉状態を検出する検出器6」(構成3b)は、本 ることができる」と記載されている。この記載から、人の眼の開閉状態は、人の覚醒度合に関する生体情報である。 したがって、乙3発明の「被照射者の眼の開閉状態を検出する検出器6」(構成3b)は、本件発明における「人の覚醒度合に関する生体情報 を取得する覚醒度合生体情報取得部」(構成要件B)に相当する。 (ウ) 乙3公報の【0078】には、「光源制御部3は、センサ信号の少なくとも一つが閉眼状態を示す信号であるとき、第1の光源11及び第2の光源12の総光量を一定に保ちつつ、第1の光源11の光量をセンサ信号が開眼状態を示す信号であるときよりも増加させるようにしてある。 即ち、第1の光源11の光量の増加分だけ、第2の光源12の光量を減 少させるようにしてある。」と記載されている。また、乙3公報の【0064】には、「光源制御部3は、入力装置5により与えられた入力信号及び画像信号解析部63により与えられたセンサ信号に基づいて光量情報記憶部7により読込まれた第1の光源11及び第2の光源12夫々の光量情報の初期設定値を補正する。光源制御部3は、初期設定値又は補正 された光量情報の設定値に基づいて光源調光用信号を生成し、生成された光源調光用信号に応じて第1の光源11及び第2の光源12夫々を駆動制御する。」と記載されている。そして、乙3公報の【0059】によれば、検出器6は、被照射者を撮影する撮像部61と、該撮像部61を制御する撮像制御部62と、撮像部61により撮影された画像を解析す る画像信号解析部63とを備えてなるものである。 以上によれば、乙3公報には、検出器6の画像信号解析部63により与えられるセンサ信号が被照射者の眼の閉眼状態を示す信号であるときに、光源制御部3によって、第1の光源11及び第2の光 のである。 以上によれば、乙3公報には、検出器6の画像信号解析部63により与えられるセンサ信号が被照射者の眼の閉眼状態を示す信号であるときに、光源制御部3によって、第1の光源11及び第2の光源12の発光量の総光量を一定に保ちつつ第1の光源11の光量を増加させること、 つまり第1の光源11及び第2の光源12の発光量比を変化させることが開示されている。 したがって、乙3発明の「光源制御部3」(構成3c/d)は、本件発明における「調節部」(構成要件C/D)に相当する。 (エ) 乙3発明の「照明装置10」(構成3e)は、本件発明における「照明 装置」(構成要件E)に相当する。 ウ本件発明は新規性を欠くこと前記イのとおり、本件発明は、乙3発明と同一である。 エ本件発明は進歩性を欠くこと(ア) 本件発明と乙3発明の相違点仮に、乙3公報に、第2の光源12について、青色光を発光するLE D又は緑色光を発光するLEDのいずれかを用いることしか開示されていないとすると、本件発明と乙3発明とは次の点で相違する。 本件発明の発光部は「赤色光を発光する赤色発光手段と、青色光を発光する青色発光手段と、緑色光を発光する緑色発光手段」により構成されているのに対し、乙3発明の光源部1は「赤色光を発光するLED」 と「青色光を発光するLED又は緑色光を発光するLED」により構成されている点(イ) 相違点の容易想到性a 周知慣用技術の適用による容易想到性一つの光源が複数の発光素子(例えば、赤色光を発光するLED、 緑色光を発光するLED及び青色光を発光するLEDの全部又は二つ)を有してもよいことは、周知慣用技術である。 乙3公報に、第2の光源12について、青色光を発光するLED又は緑色 LED、 緑色光を発光するLED及び青色光を発光するLEDの全部又は二つ)を有してもよいことは、周知慣用技術である。 乙3公報に、第2の光源12について、青色光を発光するLED又は緑色光を発光するLEDのいずれかを用いることしか開示されていないとした場合、乙3発明の第1の光源11(赤色光を発光するLE D)と第2の光源12(青色光を発光するLED又は緑色光を発光するLED)によって生じる光は白色光とならない。乙3公報には、第1の光源11について白色LEDを用いてもよいこと(【0047】、【図4】)、第2の光源12について疑似白色LEDを用いてもよいこと(【0055】、【図8】)が開示されており、また、乙3公報の照明 装置は会議室等で使用されるものであるから白色光が望ましいことは 技術常識である。 そうすると、当業者は、乙3公報における上記開示や技術常識に基づき、第1の光源11と第2の光源12によって生じる光を白色光とすることが動機付けられ、乙3発明の照明装置の光を白色光とするために、「青色光を発光するLED又は緑色光を発光するLED」によっ て構成される第2の光源12に、一つの光源が複数の発光素子(例えば、赤色光を発光するLED、緑色光を発光するLED及び青色光を発光するLEDの全部又は二つ)を有してもよいという周知慣用技術を適用し、「青色光を発光するLED及び緑色光を発光するLED」へと改変することを容易に想到できる。 b 乙4文献記載事項の適用による容易想到性乙4文献(平成22年10月28日公開)には、覚醒光L1を、赤色光を照射する赤色光源21と、緑色光を照射する緑色光源22と、青色光を照射する青色光源23とにより照射する構成が開示されている(【0012】)。 22年10月28日公開)には、覚醒光L1を、赤色光を照射する赤色光源21と、緑色光を照射する緑色光源22と、青色光を照射する青色光源23とにより照射する構成が開示されている(【0012】)。 乙3公報及び乙4文献記載の各発明は、いずれも、照明分野という技術分野が共通し、また、人の覚醒状態に影響を及ぼすために照明装置の光の状態を変化させるという点で課題及び作用・機能が共通している。さらに、両発明は、人の瞼の光透過率が光の波長によって異なることに着目して、光の色温度を変化させる発明であるという点でも 作用・機能が共通している。 そうすると、当業者は、乙3発明の光源部1を、乙4文献に記載されているように赤色光を発光する赤色光源21と、青色光を発光する青色光源23と、緑色光を発光する緑色光源22によって構成し、相違点に係る本件発明の構成とすることは容易に想到できる。 c まとめ 以上によれば、本件発明は、進歩性を欠く。 オ小括したがって、本件特許は、特許法123条1項2号、29条1項3号又は同条2項により、無効とされるべきものである。 (原告の主張) 否認ないし争う。 (8) 争点2-5(乙4文献を主引用例とする新規性欠如)について(被告の主張)ア乙4文献に記載された発明乙4文献には、次の発明(以下「乙4発明」という。)が記載されている。 4a 赤色光を発光する赤色光源21と、青色光を発光する青色光源23と、緑色光を発光する緑色光源22と、を有する覚醒光L1を照射する発光部と、4b 就寝中のユーザH1の体動、脈拍、心拍、血圧、脳波などの生体情報を検出するセンサと、 4c/d センサで取得した生体情報に応じて、覚醒光L1の出力を略 1を照射する発光部と、4b 就寝中のユーザH1の体動、脈拍、心拍、血圧、脳波などの生体情報を検出するセンサと、 4c/d センサで取得した生体情報に応じて、覚醒光L1の出力を略一定又は一定値LS´にしたまま、赤色光源21、緑色光源22及び青色光源23の発光量比を変化させる制御装置3と、4e を有する照明装置2。 イ本件発明と乙4発明との対比 (ア) 乙4発明の「赤色光を発光する赤色光源21」、「青色光を発光する青色光源23」及び「緑色光を発光する緑色光源22」は、それぞれ本件発明の「赤色光を発光する赤色発光手段」、「青色光を発光する青色発光手段」及び「緑色光を発光する緑色発光手段」に該当する。 したがって、乙4発明の発光部(構成4a)は、本件発明における 「発光部」(構成要件A)に相当する。 (イ) 乙4発明の「就寝中のユーザH1の体動、脈拍、心拍、血圧、脳波などの生体情報」は本件発明における「人の覚醒度合に関する生体情報」に該当する。 したがって、乙4発明の「センサ」(構成4b)は本件発明における「覚醒度合生体情報取得部」(構成要件B)に相当する。 (ウ) 乙4発明の「覚醒光L1の出力を略一定又は一定値LS´にしたまま、赤色光源21、緑色光源22及び青色光源23の発光量比を変化させる」は、本件発明の「発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させる」に該当する。 したがって、乙4発明の「制御装置3」(構成4c/d)は、本件発明 の「調節部」(構成要件C/D)に相当する。 (エ) 乙4発明の「照明装置2」(構成4e)は、本件発明における「照明装置」(構成要件E)に相当する。 ウ小括前記イのとおり、本件発明は、乙4発明と 調節部」(構成要件C/D)に相当する。 (エ) 乙4発明の「照明装置2」(構成4e)は、本件発明における「照明装置」(構成要件E)に相当する。 ウ小括前記イのとおり、本件発明は、乙4発明と同一であるから、新規性を欠 く。 したがって、本件特許は、特許法123条1項2号、29条1項3号により、無効とされるべきものである。 (原告の主張)否認ないし争う。 (9) 争点3(原告に生じた損害及びその額)について(原告の主張)ア特許法102条2項により算定される損害額被告は、令和2年から現在まで、本件各組合せ商品を販売することにより、少なくとも10万円の利益を得た。 イ特許法102条3項により算定される損害額 本件発明の技術分野、本件各組合せ商品の市場、コスト構造、類似事例、実務慣行のほか、侵害があったことを前提として合意をするとしたならば特許権者が得ることとなる対価を考慮すると、本件発明の実施についての相当な実施料率は7パーセントを下らない。 また、原告は、遅くとも令和元年12月10日以降、本件発明をホーム ページで公開し、ライセンシーを募集しているところ、令和4年2月14日の時点で、その実施料を年額7000万円としている。 そして、被告は、遅くとも令和2年3月18日から本件各組合せ商品の製造、販売等をしているから、被告が支払うべき相当な実施料の額は、少なくとも3年分の2億1000万円を下らない。 原告は、被告に対し、その一部である10万円の支払を求める。 (被告の主張)否認ないし争う。 当裁判所の判断 1 本件明細書の記載事項等 (1) 本件明細書の発明の詳細な説明には、以下の記載がある(下記記載中に引用する図面は省略した。)。 (被告の主張)否認ないし争う。 当裁判所の判断 1 本件明細書の記載事項等 (1) 本件明細書の発明の詳細な説明には、以下の記載がある(下記記載中に引用する図面は省略した。)。 ア 【技術分野】【0001】本発明は、照明装置に関し、光源となる赤色光、青色光、緑色光の各 発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させることができる照明装置に関する。 【背景技術】【0002】メラトニンは動物、植物が有するホルモンのひとつであり、メラトニ ンの分泌が睡眠促進などの生体リズムの調整に関与している。…メラト ニンの分泌は日中の日射しを受けることで抑制され、暗くなるにつれて分泌量が増える。分泌されるメラトニンが脈拍、体温、血圧などを低下させることで睡眠が促される。 【0003】このようにメラトニンの分泌は光の影響を受けるのであるが、とくに 波長が約460nm から480nm の主に青色の光によってメラトニンの分泌が抑制されることが知られている。したがって、この波長の青色光を夕方以降も受けてメラトニンの分泌が抑制されることで、夜間になっても眠気が誘発されず睡眠不足や睡眠障害をもたらすおそれがある。…【0004】 メラトニンの分泌に青色の光が影響を及ぼすことに鑑み、体内リズムを好ましく調整するための技術として、例えば、青色発光体の発光強度を調整することで使用者の生体リズムを調整して、かつ色温度を略一定に保ち白色光を形成する光源に係る技術がある(特許文献1)。 【発明が解決しようとする課題】 【0006】特許文献1に開示されている技術は光源の色温度を略一定にすることで、色温度の変化によりもたらされる使用者の違 る技術がある(特許文献1)。 【発明が解決しようとする課題】 【0006】特許文献1に開示されている技術は光源の色温度を略一定にすることで、色温度の変化によりもたらされる使用者の違和感を防止することができるというメリットがある。しかし、メラトニンの分泌を促すために青色発光体の発光強度を弱めつつ色温度を略一定にしようとする場合、 青色発光体の発光強度のみならず緑色発光体及び赤色発光体の発光強度をも弱めることになるため光源による明るさも低下することになる。したがって、明るさを維持することが求められる照明装置に係る技術を適用することはできない。 イ 【課題を解決するための手段】 【0009】 …赤色光を発光する赤色発光手段と、青色光を発光する青色発光手段と、緑色光を発光する緑色発光手段とを有する発光部と、人の覚醒度合に関する生体情報を取得する覚醒度合生体情報取得部と、覚醒度合生体情報取得部で取得した人の覚醒度合に関する生体情報に応じて前記三つの発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発 光量比を変化させるための調節部と、を有する照明装置を提供する。 ウ 【発明の効果】【0018】以上のような構成による本発明により、赤色、青色及び緑色の各発光手段の発光量の総和を略一定にしたまま、時間に応じて青色光の発光を 抑制するといった調節などを行うことのできる照明装置を提供することができる。 エ 【発明を実施するための形態】【0020】以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は これら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。 【0023】本明細書に記載の 発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は これら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。 【0023】本明細書に記載の各実施形態は装置として実現できるのみでなく、その一部または全部を方法としても実現可能である。また、このような装 置の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を固定した記録媒体も、当然に本明細書に記載の各実施形態の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。 【0024】 発光部0101は、赤色光を発光する赤色発光手段0104と、青色光を発光する青色発光手段0105と、緑色光を発光する緑色発光手段0106とを有する。発光部が有する各色の発光手段の数は一又は複数である。 【0025】 赤色発光手段は、概ね610~670nm の波長の光を発するもので、例えばLEDや有機ELなどの発光素子を用いることで実現でき、これ以外の発光素子であっても赤色光を発し得るものであればよい。 【0026】青色発光手段は、概ね435~490nm の波長の光を発するもので、例えば LEDや有機ELなどの発光素子を用いることで実現でき、これ以外の発光素子であっても青色光を発し得るものであればよい。 【0027】緑色発光手段は、概ね495~570nm の波長の光を発するもので、例えばLEDや有機ELなどの発光素子を用いることで実現でき、これ以外の 発光素子であっても緑色光を発し得るものであればよい。 【0029】調節部0103は、計時部での計時に応じ えばLEDや有機ELなどの発光素子を用いることで実現でき、これ以外の 発光素子であっても緑色光を発し得るものであればよい。 【0029】調節部0103は、計時部での計時に応じて前記三つの発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させるための機能を果たす。調節部は係る機能を果たすためのプログラム、 当該プログラムを保持する不揮発性メモリ、当該プログラムを実行し各種の演算処理を行うCPUなどによって構成することができる。 【0030】発光量は、光度エネルギー(lm・s)である。三つの発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させる ためは、例えばそれぞれの発光手段の発光量比とその発光量比となるよ うに各発光手段を発光させるための駆動電流量や印加電圧値と各発光手段による発光量の総和との関係に基づき、各発光手段の発光量比の変化に応じて各発光手段に供給する駆動電流量や印加電圧値を調節する。あるいは本照明装置が光量センサーを備えるものとして、当該光量センサーによる検知結果をフィードバックして各発光手段の発光量比の変化に 応じて、三つの発光手段の発光量の総和が略一定となるように各発光手段への駆動電流量や印加電圧値を調節する。 【0037】このような構成を備える本照明装置は、室内照明などとして用いる場合だけでなく、ディスプレイとしても用いることができる。ディスプレ イは赤色、青色及び緑色のいわゆる三原色の組み合わせにより画素を構成し、各画素の発光を制御することで様々な像を映すものであるが、画素を構成する三原色の光源として、本照明装置の各構成を応用することができる。すなわち、赤色光を発光する赤色発光手段と、 画素を構成し、各画素の発光を制御することで様々な像を映すものであるが、画素を構成する三原色の光源として、本照明装置の各構成を応用することができる。すなわち、赤色光を発光する赤色発光手段と、青色光を発光する青色発光手段と、緑色光を発光する緑色発光手段とを有する発光部 と、時間を測定する計時部と、計時部での計時に応じて前記三つの発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させるための調節部と、を有するディスプレイとして応用できる。 【0038】このように構成したディスプレイにより、計時に応じて赤色、青色及 び緑色の各発光手段の発光量比を適宜変化させることで、ディスプレイが照射する光による人体への影響を制御し得る。例えばスマートフォンやタブレットのディスプレイとした場合に、夜が更けるにつれて青色発光手段の発光量比を減らすことでメラトニン分泌を促し目が冴えて眠れないといったことを生じにくくすることができる。 【0041】 本実施形態の照明装置は、実施形態1における照明装置が時間に応じて発光量比を変化させるものであったのに対して、人の覚醒度合に関する生体情報に応じて、赤色、青色及び緑色の各発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させるものである。 【0042】図2は、本実施形態の照明装置の機能ブロックの一例を示すブロック図である。図示するように、本実施形態の照明装置0200は、発光部0201と、覚醒度合生体情報取得部0202と、調節部0203とを有する。そして、発光部は、赤色発光手段0204と、青色発光手段0 205と、緑色発光手段0206とを有する。本実施形態の発光部は実施形態1における発光部 取得部0202と、調節部0203とを有する。そして、発光部は、赤色発光手段0204と、青色発光手段0 205と、緑色発光手段0206とを有する。本実施形態の発光部は実施形態1における発光部と同様であるため説明を省略する。 【0043】覚醒度合生体情報取得部0202は、人の覚醒度合に関する生体情報を取得する機能を有する。人の覚醒度合に関する生体情報としては、例 えば、心拍数、心拍数変動、呼吸数、呼吸量、α波、θ波含有率、発汗量、深部体温、眼球運動などに関する情報が挙げられる。また、顔画像から瞳孔散大の程度を生体情報として取得してもよい。これらの生体情報の取得は、それぞれの生体情報に応じた検出手段により取得される。 【0044】 本実施形態における調節部0203は、覚醒度合生体情報取得部で取得した人の覚醒度合に関する生体情報に応じて前記三つの発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させる機能を果たす。例えば、取得した生体情報に基づき覚醒度合の低下が認められた場合には、青色発光手段の発光量比を高めることで覚醒を 促すといった具合である。 【0045】このような構成の照明装置を、覚醒を求められる環境(運転車両内、作業場、職場など)に用い、当該環境にいる者の生体情報を取得し、適宜発光量比を変化させることでその者の覚醒を促し、居眠りの防止や作業効率の向上などを図ることができる。 (2) 前記(1)の記載事項によれば、本件明細書には、本件発明に関し、以下の開示があると認められる。 従来、睡眠促進などに関与しているメラトニンの分泌に青色の光が影響を及ぼすことに鑑み、体内リズムを好ましく調整するための技術として、青色発光体の発光強度を調整する 以下の開示があると認められる。 従来、睡眠促進などに関与しているメラトニンの分泌に青色の光が影響を及ぼすことに鑑み、体内リズムを好ましく調整するための技術として、青色発光体の発光強度を調整することで使用者の生体リズムを調整して、かつ色 温度を略一定に保ち白色光を形成する光源に係る技術があったが、青色発光体の発光強度を弱めつつ色温度を略一定にしようとすると、青色発光体の発光強度のみならず緑色発光体及び赤色発光体の発光強度をも弱めることになり、光源による明るさも低下することになるため、明るさを維持することが求められる照明装置に適用することができないという課題があった(【000 2】ないし【0004】、【0006】)。 「本発明」は、上記の課題を解決するため、赤色光を発光する赤色発光手段と、青色光を発光する青色発光手段と、緑色光を発光する緑色発光手段とを有する発光部と、人の覚醒度合に関する生体情報を取得する覚醒度合生体情報取得部と、覚醒度合生体情報取得部で取得した人の覚醒度合に関する生 体情報に応じて前記三つの発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させるための調節部とを有する照明装置との構成を採用したものであり、赤色、青色及び緑色の各発光手段の発光量の総和を略一定にしたまま、青色光の発光を抑制するといった調節などを行うことのできる照明装置を提供することができるとの効果を奏する(【000 9】、【0018】)。 2 争点1-2(構成要件Aの充足性)について事案に鑑み、まず、争点1-2について検討する。 (1) 「赤色光を発光する赤色発光手段」、「青色光を発光する青色発光手段」及び「緑色光を発光する緑色発光手段」の意義ア発光手段の個数について 事案に鑑み、まず、争点1-2について検討する。 (1) 「赤色光を発光する赤色発光手段」、「青色光を発光する青色発光手段」及び「緑色光を発光する緑色発光手段」の意義ア発光手段の個数について 本件発明の特許請求の範囲には、構成要件Aにおける「発光手段」として、「赤色光を発光する赤色発光手段」、「青色光を発光する青色発光手段」及び「緑色光を発光する緑色発光手段」の三つが並列的に記載されている。 他方で、本件発明の特許請求の範囲及び本件明細書において、「赤色発光手段」、「青色発光手段」及び「緑色発光手段」のうち、いずれか一つ又は二 つの発光手段を欠く構成が許容されていることを示す記載はない。 また、構成要件C/Dにおいて、「前記三つの発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させる」として、「三つの発光手段」及び「それぞれの発光手段」と記載されていることからすると、「三つ」の「それぞれの発光手段」を区別できることが前提とさ れていると理解することができる。 したがって、構成要件Aの「発光部」は、「赤色光を発光する赤色発光手段」、「青色光を発光する青色発光手段」及び「緑色光を発光する緑色発光手段」の3種類の発光手段を、それぞれ少なくとも1個以上備えているものと解するのが相当である。 イ各発光手段が発する光について本件明細書には、「赤色発光手段は、概ね610~670nmの波長の光を発するもので、…赤色光を発し得るものであればよい」こと(【0025】)、「青色発光手段は、概ね435~490nm の波長の光を発するもので、…青色光を発し得るものであればよい」こと(【0026】)、「緑色発光手段は、概ね495 ~570nm の波長の光を発するもので、…緑 、概ね435~490nm の波長の光を発するもので、…青色光を発し得るものであればよい」こと(【0026】)、「緑色発光手段は、概ね495 ~570nm の波長の光を発するもので、…緑色光を発し得るものであればよ い。」こと(【0027】)が記載されている。 これらの記載から、「赤色発光手段」が「赤色光を」、「青色発光手段」が「青色光を」、「緑色発光手段」が「緑色光を」、それぞれ「発し得るもの」であり、「概ね610~670nm の波長の光」、「概ね435~490nm の波長の光」及び「概ね495~570nm の波長の光」が、それぞれ、「赤色光」、「青色光」及び 「緑色光」に当たるものであると理解することができる。そして、上記各範囲内の波長を有する光が、それぞれ「赤色光」、「青色光」及び「緑色光」として人間に認識されることは、技術常識である。 したがって、「赤色光を発光する赤色発光手段」とは「赤色光」と認識される光を発する「発光手段」を、「青色光を発光する青色発光手段」とは 「青色光」と認識される光を発する「発光手段」を、「緑色光を発光する緑色発光手段」とは「緑色光」と認識される光を発光する「発光手段」を、それぞれ意味するものと解される。 ウ原告の主張について(ア) 原告は、一つの発光手段で「概ね610~670nm の波長の光」、「概ね435 ~490nm の波長の光」及び「概ね495~570nm の波長の光」を発するものも、「赤色光を発光する赤色発光手段」、「青色光を発光する青色発光手段」及び「緑色光を発光する緑色発光手段」に当たり、白色光を発光する発光手段もこれに含まれると主張する。 しかし、本件発明の特許請求の範囲及び本件明細書には、発する光に 「概ね610~6 手段」及び「緑色光を発光する緑色発光手段」に当たり、白色光を発光する発光手段もこれに含まれると主張する。 しかし、本件発明の特許請求の範囲及び本件明細書には、発する光に 「概ね610~670nm の波長の光」を含む発光手段の全てが「赤色発光手段」に、発する光に「概ね435~490nm の波長の光」を含む発光手段の全てが「青色発光手段」に、発する光に「概ね495~570nm の波長の光」を含む発光手段の全てが「緑色発光手段」に、それぞれ該当すると解し得る記載はない。 また、一般的な字義に照らしても、「白色光」と認識される光を発する 発光手段を、「赤色発光手段」、「青色発光手段」又は「緑色発光手段」と称することは不自然であるところ、特許請求の範囲又は本件明細書において、このような解釈を正当化するような記載もない。 (イ) 原告は、本件発明の「赤色発光手段」が「概ね610~670nm の波長の光」を発するものであれば足りる根拠として、本件明細書の【0024】に 「発光部が有する各色の発光手段の数は一又は複数」と記載されていることを指摘する。 しかし、「各色の発光手段」の種類ではなく「数」について「一又は複数」とされていることからすると、この記載は、むしろ、「発光部」が、「赤色発光手段」、「青色発光手段」及び「緑色発光手段」を、それぞれ 少なくとも1個以上備えていることを裏付けるものというべきであって、原告の主張の根拠となるものではない。 エ小括以上によれば、構成要件Aの「発光部」は、「赤色光」と認識される光を発する「赤色発光手段」、「青色光」と認識される光を発する「青色発光手 段」及び「緑色光」と認識される光を発光する「緑色発光手段」という3種類の発光手段を、それ は、「赤色光」と認識される光を発する「赤色発光手段」、「青色光」と認識される光を発する「青色発光手 段」及び「緑色光」と認識される光を発光する「緑色発光手段」という3種類の発光手段を、それぞれ少なくとも1個以上備えているものと解するのが相当である。 (2) 本件各照明装置の構成前提事実(6)イのとおり、本件各照明装置の光源は、昼光色と電球色の2種 類のLEDによって構成されている。 (3) 充足性の検討本件各照明装置の昼光色のLED及び電球色のLEDは、いずれも「発光手段」に当たると認められる。 しかし、前記(1)のとおり、構成要件Aの「発光部」は、3種類の発光手段 を、それぞれ少なくとも1個以上備えているものであると解釈されるのに対 し、本件各照明装置の発光手段は、昼光色のLED及び電球色のLEDの2種類の発光手段で構成されているものである。 また、本件各照明装置のLEDが発する光は、昼光色及び電球色であって、点灯時の状況を撮影した写真(乙2の写真4及び5)からは、いずれも、「赤色光」、「青色光」又は「緑色光」と認識することはできず、本件証拠によっ ても、「赤色光」、「青色光」又は「緑色光」と認識される光であると認めることはできない。したがって、本件各照明装置のLEDは、構成要件Aの「赤色光を発光する赤色発光手段」、「青色光を発光する青色発光手段」又は「緑色光を発光する緑色発光手段」のいずれに当たるともいえない。 以上によれば、本件各照明装置が構成要件Aを充足するとは認められない というべきである。 3 争点1-3(構成要件C/Dの充足性)について(1) 「調節部」の意義原告は、構成要件C/Dの「調節部」に、使用者が手動で発光量の総和を略一定にしたま い というべきである。 3 争点1-3(構成要件C/Dの充足性)について(1) 「調節部」の意義原告は、構成要件C/Dの「調節部」に、使用者が手動で発光量の総和を略一定にしたまま発光量比を変化させる機能を備える構成が含まれると主張 する。 そこで検討するに、本件発明の特許請求の範囲の記載によれば、構成要件C/Dの「調節部」について、「照明装置若しくはディスプレイ」(構成要件E)が有する構成であって、「覚醒度合生体情報取得部」が取得した「人の覚醒度合に関する生体情報」(構成要件B)に応じて三つの発光手段の発光量の 総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化させる機能を有するものであると規定されていると理解できる。 そうすると、「調節部」は、「照明装置若しくはディスプレイ」が有する構成であって、かつ、「人の覚醒度合に関する生体情報」に応じて三つの発光手段の発光量の総和を略一定にしたままそれぞれの発光手段の発光量比を変化 させるという機能を果たすために、「覚醒度合生体情報取得部」が取得した 「人の覚醒度合に関する生体情報」が「調節部」に対して入力されるように構成されている必要があるといえる。 このように解される以上、発光量の総和を略一定にしたまま発光量比を変化させるために使用者による判断又は操作を介するものは、照明装置若しくはディスプレイ」が有する構成であるとはいえず、「覚醒度合生体情報取得部」 が取得した「人の覚醒度合に関する生体情報」が入力されることにより、それに応じて上記の機能を果たす構成であるともいえないから、構成要件C/Dの「調節部」に当たるということはできない。 (2) 本件各照明装置の構成前提事実(6)イのとおり、本件各照明装置は、付 れに応じて上記の機能を果たす構成であるともいえないから、構成要件C/Dの「調節部」に当たるということはできない。 (2) 本件各照明装置の構成前提事実(6)イのとおり、本件各照明装置は、付属又は別売のリモコンによ る操作が可能となっており、本件各照明装置の一部の商品においては、使用者が、当該リモコンに設けられた「白い色<>暖かい色」ボタンを押すことで、当該照明装置の色温度を何段階かで変更できる。また、本件各照明装置の一部の商品においては、使用者が、スマートフォンにインストールしたアプリ「あかリモ」を用いて、その実行画面に表示される「調光調色マップ」 に設けられた白色外向きの三角を押すことで、当該照明装置の色温度を何段階かで変更できる。 (3) 充足性の検討前記(2)のとおり、本件各照明装置は、使用者が、リモコンに設けられた「白い色<>暖かい色」ボタン又はスマートフォンにインストールしたアプ リ「あかリモ」の実行画面に表示される「調光調色マップ」に設けられた白色外向きの三角を押すことにより、色温度を変更することが可能となっているものであって、これは「覚醒度合生体情報取得部」が取得した「人の覚醒度合に関する生体情報」を入力するものとはいえない。 また、「調節部」には、発光量の総和を略一定にしたまま発光量比を変化さ せるために使用者による判断又は操作を介するものを含むと解することはで きないから、本件各照明装置が前記(2)の構成を有することをもって、「調節部」を備えているということはできない。 そして、前記(2)の構成以外の構成を検討しても、本件証拠上、本件各照明装置が「調節部」を備えているとは認められない。 以上によれば、本件各照明装置が構成要件C/Dを充足するとは認 はできない。そして、前記(2)の構成以外の構成を検討しても、本件証拠上、本件各照明装置が「調節部」を備えているとは認められない。以上によれば、本件各照明装置が構成要件C/Dを充足するとは認められないというべきである。 結論 よって、その余の点について判断するまでもなく、原告の請求は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官 國分隆文 裁判官 間明宏充 裁判官 木村洋一

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