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主文 本件控訴を棄却する。控訴費用は被告の負担とする。事実 第一、 原判決主文と当事者の申立。(原判決主文、但し被告の関係部分のみ)被告は、原告らが、別紙目録(一)記載の土地につき大阪法務局北出張所昭和二八年一月一四日受付第三二七号をもつてなした第四番保全仮登記の抹消登記の抹消回復登記をするについて承諾をなし、かつ、右抹消回復登記がなされることを条件として、原告らが、右土地につき同法務局同出張所昭和二六年六月一八日受付第一〇、九三〇号を以てなした移転請求権保全仮登記の本登記手続をするについて承諾をせよ。訴訟費用は被告の負担とする。(被告の申立)原判決を取消す。原告らの請求を棄却する。訴訟費用は一、二審ともに原告らの負担とする。(原告らの申立)控訴棄却。(請求の趣旨は原判決の主文と同旨)第二、 当事者の主張つぎに記載する外は、原判決事実摘示のとおりである。(被告の主張)一、 被告は本件土地を競落により所有者となつた訴外Aから昭和(以下昭和を略する。)三四年九月一六日善意無過失で買受けてこれが所有権を取得し、同月一七日に所有権移転登記手続を了したものである。二、 原告らは、昭和三〇年に大阪簡易裁判所へ訴外Gを被告として仮登記の抹消回復登記請求の訴(同庁同年(ハ)第三三九号)を提起している。その請求は抹消登記の原因無効による仮登記の回復であるから、当然に予告登記がなされてしかるべきである。そしてこのこような訴の提起者は予告登記のなさるべき旨を具申し、裁判所の注意を呼起すべきである。これは、自らの権利を保全し且つ善意の第三者に不測の損害を与えることを未然に防止し、社会取引の安全をはかるための信義則上の義務と解せられる。しかるに当時予告登記がなされて 所の注意を呼起すべきである。これは、自らの権利を保全し且つ善意の第三者に不測の損害を与えることを未然に防止し、社会取引の安全をはかるための信義則上の義務と解せられる。 予告登記のなさるべき旨を具申し、裁判所の注意を呼起すべきである。これは、自らの権利を保全し且つ善意の第三者に不測の損害を与えることを未然に防止し、社会取引の安全をはかるための信義則上の義務と解せられる。しかるに当時予告登記がなされて 所の注意を呼起すべきである。これは、自らの権利を保全し且つ善意の第三者に不測の損害を与えることを未然に防止し、社会取引の安全をはかるための信義則上の義務と解せられる。しかるに当時予告登記がなされていなかつた。若し予告登記がなされていたならば、訴外株式会社第十八銀行から本件土地競売の申立もなされていなく、右申立があつても競売に参加する者がこれを考慮に入れて行動したであろう。また、競落者から本件土地を買受けんとする者は躊躇したであろう。なお、原告らとしては仮登記に基づく本登記請求権を被保全権利として処分禁止の仮処分をしておくべきであつた。本件土地につき競売申立登記がなされた三〇年四月一日から訴外Aが競落した三三年一二月二二日までの三年八箇月の間、原告らは競売をEれる何等の措置も講じていない。これは原告らの故意ないし重大な過失というべく、これが見逃がされてよいという理由がない。このような訴訟をする原告らは常に細心の注意を払い少なくとも半年ないし一年毎には登記簿を閲覧しているのが常識であるから、原告らが右競売申立の事実を知らなかつたということは絶対にあり得ない。また、競売開始決定がなされれば裁判所の命を受けた鑑定人が鑑定のために物件所在地において、価額、賃借権の有無等につき調査するから、本件土地上の建物に終戦前から引続き居住するという原告らが競売開始決定の事実を知らぬ筈がない。三、 仮登記の抹消登記の回復にあたつては、当該登記の抹消後に登記を受けた第三者に対する関係ではその者が悪意であるときは回復登記につき承諾義務を負らが、善意であるときは承諾義務がないというのが、判例である。(原告らの主張)一、 被告は、予告登記がなされなかつたこととか、仮処分をしなかつたことを事由として云々するが、原告らが不法に抹消された仮登記について、これ 諾義務がないというのが、判例である。(原告らの主張)一、 被告は、予告登記がなされなかつたこととか、仮処分をしなかつたことを事由として云々するが、原告らが不法に抹消された仮登記について、これが回復登記手続を求める権利はこのような事由で奪われるものではない。 張)一、 被告は、予告登記がなされなかつたこととか、仮処分をしなかつたことを事由として云々するが、原告らが不法に抹消された仮登記について、これ 諾義務がないというのが、判例である。(原告らの主張)一、 被告は、予告登記がなされなかつたこととか、仮処分をしなかつたことを事由として云々するが、原告らが不法に抹消された仮登記について、これが回復登記手続を求める権利はこのような事由で奪われるものではない。二、 原告Bは終始本件土地上の建物に居住し、競売に伴う執行吏の調査等があつた場合は、常に本件物件は原告らが買得しているもので、訴訟中である旨を述べ続けてきたもので、競落人もしくはその承継人こそ悪意もしくは過失があるというべきである。第三証拠(原告ら)甲一、二号証、同三ないし五号証の各一と二、同六号証を提出。原審における原告C本人尋問の結果を援用。乙一、二号証の成立を認。(被告) 乙一、二号証を提出。甲五号証の一の成立は不知。その他の甲号各証の成立を認。理由 一、 成立に争いのない甲一、二号証、同三、四号証の各一と二、同五号証の二、右により成立を認めることができる同号証の一、成立に争いのない乙一、二号証、及び原審における原告C本人尋問の結果に弁論の全趣旨を合せて考えるとつぎの事実を認めることができる。1 別紙目録(一)記載の土地(以下本件土地と略称する)及び同目録(二)記載の建物(以下地上建物と略称する)は、いずれも訴外DとEが所有し、地上建物を原告らに賃貸していたところ、原告らは同人から二五年五月二八日地上建物を代金五万円で、二六年二月頃本件土地を代金二万で買受けた。右代金の内金として二五年五月末に一万円の支払がなされたが、残金は毎月三、〇〇〇円宛に分割して支払う定めであり、二六年五月までに合計三七、八〇〇円の支払があつた。その頃DとEの代理人として右分割金の取立をしていたFとDとEの間に紛争を生じて、同人から分割金の支払を一時 〇〇〇円宛に分割して支払う定めであり、二六年五月までに合計三七、八〇〇円の支払があつた。その頃DとEの代理人として右分割金の取立をしていたFとDとEの間に紛争を生じて、同人から分割金の支払を一時停止するように申入れがあつたので、原告らはその後の分割金を支払つていなかつた。2 右売買による所有権移転登記は、代金完済と同時にする定めであつたので、その間原告らの買主としての権利を保全するため、DとEの承諾を得た上、所有権移転の仮登記に代えて本件土地及び地上建物につき二六年六月一八日大阪法務局北出張所受付第一〇、九三〇号を以て同年四月三〇日付売買予約を原因とする所有権移転請求権保全の仮登記を了した。 するように申入れがあつたので、原告らはその後の分割金を支払つていなかつた。2 右売買による所有権移転登記は、代金完済と同時にする定めであつたので、その間原告らの買主としての権利を保全するため、DとEの承諾を得た上、所有権移転の仮登記に代えて本件土地及び地上建物につき二六年六月一八日大阪法務局北出張所受付第一〇、九三〇号を以て同年四月三〇日付売買予約を原因とする所有権移転請求権保全の仮登記を了した。訴外Fは、DとEとの紛争解決のための話し合いの結果、二八年一月一四日同所受付第三二八号を以て、本件土地及び地上建物につき、二七年一二月二四日売買を原因として同人名義にする所有権移転登記を受けたが、その際、原告らから預つて保管中の原告らの印章を冒用して右仮登記の抹消登記手続に必要な書類を作成の上、原告らに無断で二八年一月一四日同所受付第三二七号の申請をし、不法にも右各仮登記の抹消登記手続をし、二七年一二月二四日権利抛棄を原因とする右各仮登記の抹消登記がなされた。3 原告らは、昭和三〇年DとEの相続人GとFを被告として、大阪簡易裁判所に、両名に対しては右仮登記上の権利抛棄の不存在の確認及び、右仮登記の回復登記の承認請求の、Dに対しては残金三二、二〇〇円の支払いと引換に右仮登記による所有権移転の本登記手続請求の、戸坂に対しては同人名義の右所有権移転の抹消登記手続請求の訴訟を提起し、三六年九月一二日右各請求認容の判決が言渡され、右判決は確定した。原告らは三九年六月一〇日右残代金三二、二〇〇円をGに支払つた。4 なお、原告らは、賃借当時から本 消登記手続請求の訴訟を提起し、三六年九月一二日右各請求認容の判決が言渡され、右判決は確定した。原告らは三九年六月一〇日右残代金三二、二〇〇円をGに支払つた。4 なお、原告らは、賃借当時から本件地上建物に居住しているものであつて、原告Cは三五、六年頃から他に転出したが、原告Bはその後も引続いて右建物に居住している。5 本件土地及び地上建物について、三〇年二月七日同所受付第二、七二六号を以て同年一月三〇日売買を原因とする取得者訴外浜田恭子の所有権移転登記がなされていたが、訴外株式会社十八銀行の競売申立により同年三月三一日付不動産競売開始決定がなされて同年四月一日その登記がなされた。右競売手続の結果、地上建物は訴外鹿獄清司が同年一二月一七日競落し、本件土地は訴外Aが三三年一二月二二日競落して、前者は三一年二月二一日、後者は三四年三月二五日それぞれ所有権移転登記がなされた。 七二六号を以て同年一月三〇日売買を原因とする取得者訴外浜田恭子の所有権移転登記がなされていたが、訴外株式会社十八銀行の競売申立により同年三月三一日付不動産競売開始決定がなされて同年四月一日その登記がなされた。右競売手続の結果、地上建物は訴外鹿獄清司が同年一二月一七日競落し、本件土地は訴外Aが三三年一二月二二日競落して、前者は三一年二月二一日、後者は三四年三月二五日それぞれ所有権移転登記がなされた。被告はAから三四年九月一六日本件土地を代金五〇万円で買受け、代金を完済して同月一七日同所受付第二二、二二一号を以て所有権移転登記を了している。右のとおり認められ、他に右認定をくつがえすに足る証拠はない。二、 1 右認定の事実によると、本件土地についての、原告らの不法に抹消された所有権移転請求権保全の仮登記は、被告の所有権取得登記に先立つものである。従つて、原告らの右仮登記の抹消回復登記及び仮登記の本登記について、被告は登記上の利害関係を有する第三者というべきである。<要旨>2 仮登記は、本登記の如く不動産物権の変動につき対抗力を有するものではない。しかし、本登記の要件を</要旨>具備するに至つた仮登記権利者は、昭和三五年法律第一四号で改正される前の不動産登記法の下においても仮登記後にその効力に抵触する物権変動につき登記を受けている第三者に対し、その抹消登記 要件を</要旨>具備するに至つた仮登記権利者は、昭和三五年法律第一四号で改正される前の不動産登記法の下においても仮登記後にその効力に抵触する物権変動につき登記を受けている第三者に対し、その抹消登記手続の請求権があるものとされていたが、右改正後はこのような第三者に対し本登記手続の承諾請求権があるものとされている。右のように仮登記にも一種の対抗力があるものと解することができる。ところで、仮登記の主たる効力は、本登記をすることにより、仮登記から本登記までの間に登記のあつた物権変動の効力を仮登記に抵触する限度で失わしめることができることである。右の如き仮登記の効力は、仮登記が不法に抹消せられることがあつても消滅するものではない。右抹消登記の回復登記は登記簿上の状態を本来の姿に回復するに過ぎないものであつて、これにより第三者は実体上何らの損害も蒙るものではない。従つて登記上利害関係ある第三者は善意無過失であつても右回復登記に承諾の義務があるものと解せられる。 記のあつた物権変動の効力を仮登記に抵触する限度で失わしめることができることである。右の如き仮登記の効力は、仮登記が不法に抹消せられることがあつても消滅するものではない。右抹消登記の回復登記は登記簿上の状態を本来の姿に回復するに過ぎないものであつて、これにより第三者は実体上何らの損害も蒙るものではない。従つて登記上利害関係ある第三者は善意無過失であつても右回復登記に承諾の義務があるものと解せられる。被告は、その主張の如く善意無過失で本件土地を買受けその代金を支払つて所有権移転登記を経ているものであるとしても原告らが不法に抹消された本件仮登記の回復登記手続をするにつき、承諾の義務を有することは、右に説明したとおりである。被告が原告らの登記によつて損害を蒙るのは、回復登記のためではなく、所有権移転の本登記のためである。そして、本登記によつて仮登記後に物権変動の登記を受けた第三者が損害を蒙ることのあるのは、仮登記の効力のためであつて、やむを得ないところである。3 そして、原告らは、前記認定のとおり代金を完済して右仮登記による本登記請求権を有するに至つているものであるから、被告は、原告らのする本登記手続につき承諾の義務があることも明らかである。三、 被告主張の原告らの本訴請求は単 のとおり代金を完済して右仮登記による本登記請求権を有するに至つているものであるから、被告は、原告らのする本登記手続につき承諾の義務があることも明らかである。三、 被告主張の原告らの本訴請求は単に暴利をむさぼることのみを目的とするとの事実は、これを認めるに足る証拠がない。被告主張の予告登記がなされていなく、また、原告らが仮処分の申請をしていないとの事実は、予告登記や仮処分制度の性質から考えて、右承諾請求権に影響を及ぼすことがないことは明らかである。(被告が損害を蒙るに至つたのは仮登記の不法抹消登記によるものと考えられる。)よつて、右抗弁はいずれも採用できない。四、 以上の次第であるから、原告らの被告に対し抹消回復登記手続につき、承諾を求める請求、及び、右回復登記がなされることを条件とする本登記手続につき承諾を求める請求は、いずれも正当であつて、これを認容した原判決は相当である。よつて本件控訴を棄却することとし、民訴法八九条を適用して主文のとおり判決する。(裁判長裁判官乾久治裁判官前田覚郎裁判官新居康志)目録(一)(本件土地)大阪市a区b町c番のd一、 宅地一七坪八合三勺(五八・九四平方米)目録(二)右宅地上家屋番号同町f番のg一、 木造瓦葺二階建店舗一階一一坪四合四勺(三七・八一平方米)二階七坪七合(二五・四五平方米)
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