平成13(タ)63 離婚等請求

裁判年月日・裁判所
平成13年12月6日 神戸地方裁判所
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判決文本文2,780 文字)

判決平成13年12月6日神戸地方裁判所平成13年(タ)第63号離婚等請求事件 主文 1 本件訴えを却下する。 2 訴訟費用は,原告の負担とする。 事実 第1 当事者の求めた裁判 1 請求の趣旨(1)原告と被告とを離婚する(2)原告と被告との間の子である長女A(平成7年5月11日生)の親権者を被告とする。 (3)訴訟費用は被告の負担とする。 2 請求の趣旨に対する答弁(1)原告の請求を棄却する。 (2)訴訟費用は原告の負担とする。 第2 当事者の主張 1 請求原因(1)当事者原告と被告は,平成11年6月23日大阪高等裁判所で離婚届に署名押印して離婚届出をなすことを合意した夫婦である。 (2)離婚理由婚姻を継続しがたい事由原告と被告は,平成8年から別居しており,平成10年12月22日には神戸地方裁判所尼崎支部平成10年(タ)第7号離婚等請求事件として離婚判決を受け(以下「前訴」という),前述のとおり平成11年6月23日大阪高等裁判所(大阪高等裁判所平成11年(ネ)第522号事件)で離婚届に署名押印して,被告が離婚届出をなす事を合意して和解調書が作成され(以下「本件和解」という),即日被告に原告の署名押印した離婚届が交付されたが,被告はこれを届出ない。 原告と被告の婚姻関係は破綻しかつ離婚届出をなすことで合意しており,婚姻を継続し難い事由がある。 よって,原告は,民法770条1項5号により被告との離婚,および長女Aの親権者を被告と定めることを求める。 2 請求原因に対する認否(1)請求原因(1) 継続し難い事由がある。 よって,原告は,民法770条1項5号により被告との離婚,および長女Aの親権者を被告と定めることを求める。 2 請求原因に対する認否(1)請求原因(1)のうち,原告と被告が夫婦であることは認める。但し,離婚の合意については,後述の被告の主張のとおり。 (2)請求原因(2)は否認する。原告は,本件和解の存在を婚姻を継続しがたい事由としているようであるが,同和解の原審である第1審判決理由は,本件訴訟の原告に不貞行為があったと認定しており,婚姻を継続し難い事由があるとして判決したものではない。前訴の判決及び本件和解は,婚姻を継続しがたい事由にはあたらず,本訴が有責配偶者からの離婚請求であることを示すものであって,本訴はこの前訴の既判力に拘束されて判断されるものである。 3 被告の主張(1)神戸地方裁判所尼崎支部における前訴の判決で認定しているとおり,原告はいわゆる有責配偶者に該当するものであるが,有責配偶者からの離婚請求は認められない。 (2)原告が本件和解の無効・取消を主張する趣旨であれば,本訴ではなく,大阪高等裁判所への期日指定の申立をすべきである。 第3 証拠証拠の関係は,本件訴訟記録中の書証目録に記載のとおりであるから,これを引用する。 理由 1 職権によって調査するに,本件の事実関係は次のとおりである。 (1) 原告と被告が夫婦であることについては,当事者に争いがなく,また,原告と被告は平成10年12月22日には神戸地方裁判所尼崎支部平成10年(タ)第7号離婚等請求事件として離婚判決を受け(前訴),平成11年6月23日大阪高等裁判所(大阪高等裁判所平成11年(ネ)第522号事件)で原告が離婚届用紙に署名押印して,被告が離婚届出をなすことを タ)第7号離婚等請求事件として離婚判決を受け(前訴),平成11年6月23日大阪高等裁判所(大阪高等裁判所平成11年(ネ)第522号事件)で原告が離婚届用紙に署名押印して,被告が離婚届出をなすことを合意して和解調書が作成され(本件和解),即日被告に原告の署名押印した離婚届用紙が交付されたとの事実は,原告において認めて争わないところである。 (2) 次に,被告は平成11年6月23日の本件和解の席上で届出を託された離婚届用紙を現時点に至るもいまだ届け出ていないとの事実は,当事者間に争いがない。 (3) そこで,原告は,被告を相手方として,平成13年7月11日,判決による離婚を求めるため当庁に本件訴えを提起した(当裁判所に顕著な事実である。)。 2 前示事実関係のもとで,本件原告の訴えの適否について検討するに,前訴の控訴審(大阪高等裁判所平成11年(ネ)第522号事件)においていったん成立した「協議離婚をする旨の合意」を内容とする本件和解は,離婚届の不受理を解除条件として成立した和解であると解される。本件において,前示のとおり,被告が,平成11年6月23日,前訴の控訴審で成立した和解期日において,原告の署名押印のある離婚届用紙の交付を受け,その届出を託されたにもかかわらず(甲3の和解条項1項),約2年半近く経過した現時点においても,いまだその届出をしていないばかりか,原告が被告との婚姻関係不継続(離婚)を主張して本件離婚の訴えを提出しているのであるから,被告にはもはや協議離婚の意思はなく,離婚届が受理される見込みのないことが相当程度の蓋然性をもって窺われるところ,かかる事情にかんがみると,前示解除条件(離婚届の不受理)は既に成就したものと認めるのが相当である。 そうだとすると,本件和解の効力は解除条件により消滅し 蓋然性をもって窺われるところ,かかる事情にかんがみると,前示解除条件(離婚届の不受理)は既に成就したものと認めるのが相当である。 そうだとすると,本件和解の効力は解除条件により消滅し(民法127条2項),前訴の控訴審の事件は終了しておらず,したがって,同事件当事者である原,被告としては,本件和解の効力の消滅を理由に同事件の期日指定の申立をすることによって対処すべき筋合いのものと思料する。 これを実質的にみても,このように解することが,前訴も本訴も共に同一当事者間の婚姻関係不継続(離婚)に関する主張の当否を争う訴訟であるから,かかる両当事者の主張を一本にまとめて争いを一挙に解決するため,一方,当該婚姻関係についての訴訟を集中するとともに,他方,別訴を禁止する諸規定(人事訴訟手続法7条ないし9条)や,同一事件の重複起訴を禁ずる法の趣旨(民訴法142条)に適合する所以だからである。 3 これを要するに,原告の本件離婚の訴えは,前示の別訴禁止の趣旨(人事訴訟手続法9条)ないし重複訴訟禁止(民訴法142条)を定めた法の趣旨に抵触するものとして,不適法であるから却下を免れないものというべきである。 4 よって,本件訴えは不適法であるから,その余の点について判断するまでもなくこれを却下することとし,訴訟費用の負担につき民訴法61条を適用して,主文のとおり判決する。 神戸地方裁判所第6民事部裁判官松村雅司

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