昭和24(れ)1924 賍物故買

裁判年月日・裁判所
昭和24年12月26日 最高裁判所第三小法廷 決定 棄却 大阪高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人鍛治利一の上告趣意第一点について。  原判決は、所論のように、被告人Aの供述の外に、第一審共同被告人であつたB 及

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判決文本文2,058 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人鍛治利一の上告趣意第一点について。 原判決は、所論のように、被告人Aの供述の外に、第一審共同被告人であつたB及びCに対する原審受命判事の訊問調書中の同人等の証人としての供述記載並に右Bに対する司法警察官の訊問調書中の同人の供述記載等を証拠とし、これ等を綜合して被告人の犯罪事実を認定したものである。しかし既に当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第一六七号同二三年七月一九日大法廷判決等)に示されている通り、相被告人の供述を被告人の自白の補強証拠としても憲法第三八条第三項の規定の違反とはならないのであるから、原判決を以て憲法違反と主張する論旨は採用できない。 同第二点について。 論旨は、原判決摘示第三の二の事実は無罪たるべきものであるに拘らず、原審がこれを有罪としたのは、理由不備の裁判であるというにある。しかし右の事実は、原判決が証拠として挙示している被告人Aに対する司法警察官の訊問調書中の同人の供述記載及びBに対する司法警察官の訊問調書中の同人の供述記載等により認め得られることである。論旨は、これ等の供述記載の真実性を疑う理由となるものとして、Dの証言、原審公判廷におけるAの供述記載の一部及び受命判事訊問調書のBの供述記載の一部分等を援用しているが、これ等は何れも原判決が証拠として採用していないものである。論旨は又盗品一覧表に一六、九八〇円に相当するものと記載されている衣類を被告人Aが五六、〇〇〇円で買い、更らにこれをE市場で五八、〇〇〇円で売つたという供述が事実でないこと言うをまたないところであると述べているが、盗品一覧表の評価の標準はさまざまであつて、それが公定価格に準じて評価されたような場合には、実際にはそれより遙に高い価格で売買されること- 1 - ないこと言うをまたないところであると述べているが、盗品一覧表の評価の標準はさまざまであつて、それが公定価格に準じて評価されたような場合には、実際にはそれより遙に高い価格で売買されること- 1 -もあるのであるのであるから、そのことだけによつて、右の供述が真実でないという理由とはならない。要するに論旨は、証拠の取捨選択又は事実認定の非難に帰着するから、採用することができない。 同第三点について。 記録を調べてみると、原審に於て検事は、第一審判決摘示と同旨の公訴事実を陳述したと記載されている。しかるに第一審判決摘示の第八は、「被告人Aは被告人B、C等が他から窃取して来た賍物であることを知りながら、昭和二二年一〇月初頃より昭和二三年五月中頃迄の間一五回に亘り、被告人Aの肩書居宅に於いて、B等より手織単衣着物一枚外衣類四百数十点を代金合計四十七万七干二百円にて買受け以て故買したものである」というのであるから、検事は、それぞれ独立した一罪を成す多数の犯罪を一括して陳述したことが窺われる。論旨に従えば、かように各箇の犯罪を個別的に特定しない陳述は、数箇の犯罪事実の公訴として適格性を欠き、従つてかような漫然たる公訴事実から九箇の犯罪事実について有罪判決をしたの違法である、という。しかし旧刑訴第二九一条第一項によれば、公訴を提起するには被告人を指定し犯罪事実及び罪名を示せば足りるのである。前記検事の陳述に於ても、犯罪の数が一五であること、その各箇の犯罪について、被告人がAであること、罪名は賍物故買であること、賍物はB、C等が窃取した衣類であること、犯罪の日時は昭和二二年一〇月初頃から同二三年五月半頃迄であること、犯罪の場所はAの肩書居宅であること等は特定されているのであるからこの程度に犯罪事実を特定した検事の陳述を不適法なものということはできな 日時は昭和二二年一〇月初頃から同二三年五月半頃迄であること、犯罪の場所はAの肩書居宅であること等は特定されているのであるからこの程度に犯罪事実を特定した検事の陳述を不適法なものということはできない。従つて原判決には所論のような違法はなく、論旨は理由がない。 同第四点について。 なるほど公訴事実は、「昭和二二年一〇月初頃より昭和二三年五月中頃迄」の間の賍物故買であるのに、原判決は昭和二三年五月二九日過頃行われた所為をも罰し- 2 -ていること、所論の通りである。しかし犯罪の日時は罪となるべき事実そのものではなく又公訴事実も厳密に「五月一五日」というのではなくて漠然「五月中頃」と曰つているのであるから、右の程度の喰ひ違いあるの故を以て、所論のように、原判決は公訴事実を離れ審判の対象とすべからざる事実について有罪を言渡した違法を犯したものであるということはできない。論旨は理由がない。 以上の理由により旧刑訴第四四六条に従い主文の通り判決する。 この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。 検察官田中巳代治関与昭和二四年一二月二六日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官井上登裁判官河村又介裁判官穂積重遠- 3 -

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