【DRY-RUN】○ 主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 ○ 事実 第一 求める判決 一 控訴人 1 原判決を取り消す。 2 控訴人が昭和四九年五月二二日付及び同五〇年三月二六日付で被控訴人に対
○ 主文本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 ○ 事実第一求める判決一控訴人 1 原判決を取り消す。 2 控訴人が昭和四九年五月二二日付及び同五〇年三月二六日付で被控訴人に対してした京王線府中駅北口広場の利用認可申請につき、被控訴人が許否の決定をしないのは違法であることを確認する。 3 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。 二被控訴人主文第一項と同旨。 第二主張一請求原因(控訴人) 1 控訴人は、昭和三九年五月八日東京陸運局長から東京都府中市区域における一般乗用旅客自動車運送事業の免許を受けたタクシ-業を営む株式会社であり、同市<地名略>に営業所を設け、京王線府中駅局辺をその営業基盤としている。 被控訴人は普通地方公共団体である府中市の市長である。 2 府中市は、昭和四九年四月京王線府中駅北口に広場(以下「本件広場」という。)を開設し、タクシ-乗降所を設置した。右本件広場は、地方自治法二四四条にいう「公の施設」に該当し、同法一四九条七号の規定により被控訴人が管理権を有するものである。 3 そこで、控訴人は、被控訴人に対し、府中市総務部安全対策課長の教示に基づいて、昭和四九年五月二二日付及び同五〇年三月二六日付の各文書(以下、「本件各文書」という。)をもつて、本件広場の利用(タクシ-乗入れ)の認可申請をした。 4 ところが、被控訴人は、控訴人の右認可申請について、未だに許否の決定をしない。 5 よつて、控訴人は、行政事件訴訟法三条五項の規定に基づき、被控訴人が右許否の決定をしない不作為が違法であることの確認を求める。 二請求原因に対する認否(被控訴人) 1 請求原因1のうち、控訴人がタクシ-業を営む株式会社であり、その主張の場所に営業所を設けていること及び被控訴人の地位は認めるが、その余の事実は知らな める。 二請求原因に対する認否(被控訴人) 1 請求原因1のうち、控訴人がタクシ-業を営む株式会社であり、その主張の場所に営業所を設けていること及び被控訴人の地位は認めるが、その余の事実は知らない。 2 同2のうち、府中市が本件広場を開設し一般の供用が開始されたのは、後記のとおり昭和五〇年一〇月一日であつて、同日以降についての主張事実は認めるが、右同日前についての主張事実は否認する。 3 同3のうち、控訴人が本件広場の利用に関し本件各文書を被控訴人宛に提出したことは認めるが、その余の事実は否認する。右各文書が「認可申請」に該当しないものであることは後記のとおりである。 4 同4は認める。 三被控訴人の主張 1 本件広場は、左記のとおり、控訴人主張のような「認可」の対象となるものではない。 (一) 京王線府中駅北口前の広場、すなわち本件広場は、昭和四九年一月当時、訴外京王帝都電鉄株式会社(以下「京王帝都電鉄」という。)の所有に属し、専ら京王帝都電鉄のバス発着所及びその子会社である訴外京王自動車株式会社(以下「京王自動車」という。)のタクシ-乗降所として利用されていたところ、府中市において都市計画に基づく東京都府中市計画三本木土地区画整理事業の一環として、右広場及びその北側から国道二〇号線(甲州街道)への出入口となる道路を公共施設として整備してバス・タクシ-等の乗降発着用の駅前交通広場と都市計画道路(一等大路第二類第二号府中駅北口線。以下「本件計画道路」という。)を築造することとなつた。 ところで、一般に土地区画整理事業によつて道路、公園、広場等の公共施設を整備するにあたつては、その早期整備が望まれるところから、築造予定地が更地の多い場所である場合には、仮換地指定に先立つて当該土地を所有者から事業施行者が借り受けて施設の築造に着手し、もつ 公共施設を整備するにあたつては、その早期整備が望まれるところから、築造予定地が更地の多い場所である場合には、仮換地指定に先立つて当該土地を所有者から事業施行者が借り受けて施設の築造に着手し、もつて、事業の円滑な進行を図ることが多いが、本件広場の築造についても、施行者である府中市は、京王帝都電鉄の承諾を得て、その敷地を本件区画整理事業の遂行上必要な限度で、昭和四九年一月一日から仮換地指定の効力が発生する日の前日まで無償で借り受け、工事に着手した。その結果、本件広場の整備は進み、全体の整備完成を待たずにバス及びタクシ-の乗降所等が暫定的に設置されるまでに至つたものである。 しかし、本件広場から国道二〇号線への出入口となるべき本件計画道路予定部分の敷地は京王帝都電鉄のほかに訴外A、同Bが所有し、その部分の借受けについて、右C両名の協力が得られなかつたため、都市計画通りの幅員三〇メートルの本件計画道路が完成し、本件広場全体が公の施設として一般に供用されることとなつたのは昭和五五年一〇月一日である。控訴人主張の昭和四九年四月から右同日の前日までの間は本件計画道路部分は未完戊であつて、その間は本件広場も、国道との間の取付道路が幅員一一メートルしかないことの制約を受けて暫定的に整備したに過ぎないものであつたので、土地区画整理事業施行者たる府中市は、右道路が計画通り幅員三〇メ-トルに拡幅されると同時に、これに対応してタクシー等車両の駐車場、バス及びタクシーの各乗降所、照明灯、植込帯、歩道の位置等の変更工事を施してこれを完成させ、前記日時に一般に供用開始したものである。 右のとおり昭和四九年一月一日から本件広場が完成して公の施設として一般に供用された昭和五五年一〇月一日の前日までは、本件広場は公の施設としては未完成であり、右の期間その管理にたずさわるの のである。 右のとおり昭和四九年一月一日から本件広場が完成して公の施設として一般に供用された昭和五五年一〇月一日の前日までは、本件広場は公の施設としては未完成であり、右の期間その管理にたずさわるのは土地区画整理事業施行主体たる府中市であつて、普通公共団体としての府中市にはその管理権はなかつたのであり(土地区画整理法一〇五条、一〇六条)、それと同時に、右の期間、本件広場は未完成であつていまだ地方自治法二四四条にいう「公の施設」ではなかつたのであるから、控訴人主張の「認可」の対象となるものではなかつた。 (二) 本件広場が完成成し、一般の供用に開始された昭和五五年一〇月一日以降その管理権は普通公共団体として府中市に属することとなつたが、被控訴人は、本件広場の工事自体が完成し、事実上その移管を受けると同時に、本件広場及び完成した本件計画道路について、昭和五五年九月府中市議会の議決を経てそれを一括して道路法に基づく市道・府中駅北口線として告示したうえ前記のとおり同年一〇月一日から一般に供用したものであつて、それ以後は本件広場は公の施設である府中市道路として一般に自由に使用されており、何人もその使用については何らの認可申請をも必要としない。したがつて、タクシー業者である控訴人が本件広場にタクシーを乗り入れて使用するには被控訴人に対し法令に基づく認可申請を必要としないのであるから、被控訴人が何らかの処分その他公権力の行使に当たる行為をすべき場合に該当せず、被控訴人には行政事件訴訟法三条五項にいう不作為はない。 なお、本件広場においてのタクシー営業については、交通安全対策上警察の指示に基づき行政指導として広場における同時駐車台数を一二台に制限し、広場に駐車待機中のタクシーは到着順に発進して乗客乗場で乗客を乗せることとしているが、それ以外には何らの制限 交通安全対策上警察の指示に基づき行政指導として広場における同時駐車台数を一二台に制限し、広場に駐車待機中のタクシーは到着順に発進して乗客乗場で乗客を乗せることとしているが、それ以外には何らの制限も存せず、道路占用許可願い等も全く必要としないものである。 2 控訴人が被控訴人宛に提出した本件各文書は、その標題、内容等からみて、単なる被控訴人に対する陳情としか解しえないものであり、控訴人主張のような認可申請とみることはできない。また、本件広場においてタクシー業者が営業するについては前記のとおり何らの認可も必要としない。したがつて、いずれの点からしても、控訴人の本件各文書は行政事件訴訟法三条五項に規定する「法令に基づく申請」ということはできず、本件訴えは不適法である。 四被控訴人の主張に対する認否被控訴人の主張1の(一)のうち、本件広場が昭和五五年一〇月一日の前日までは未完成で地方自治法二四四条の「公の施設」ではなかつたとの点は否認し、それ故に右前日まで被控訴人には本件広場の管理権がなかつたとする点を争い、その余の事実は認める。 同(二)のうち、本件広場及び完成された本件計画道路に関して被控訴人主張のとおりの府中市議会の議決、被控訴人の告示があつたこと、右道路が道路法にいう道路となつて昭和五五年一〇月一日から一般の供用に開始された点は認め、その余は争う。 五控訴人の反論 1 本件各文書の趣旨は、要するに、本件広場に他社のタクシ-乗入れが認可されているのであるから、控訴人営業所のタクシーが本件広場に乗入れすることの認可を求めるというものであり、単なる陳情書ではない。もつとも、右のうち昭和五〇年三月二六日付文書のなかには、陳情の字句が使用されているが、これは府中市総務部安全対策課長の教示に従つたまでのものである。 2 本件広場は、昭和四九年 なる陳情書ではない。もつとも、右のうち昭和五〇年三月二六日付文書のなかには、陳情の字句が使用されているが、これは府中市総務部安全対策課長の教示に従つたまでのものである。 2 本件広場は、昭和四九年四月に府中市により開設され、それ以降タクシー乗降所としての機能を完全に果たしているのであつて、被控訴人主張の開設時期である昭和五五年一〇月一日の前後を問わず、府中市の公の施設として、その管理権は被控訴人に属するものといわなければならない。 3 被控訴人は、昭和四九年四月以降本件広場について、いずれのタクシー業者にもその使用許可等を与えたことはないと主張するが、事実に反している。すなわち、府中市は、昭和四九年三月二八日本件広場の利用について協議するため同市内で営業している控訴人その他のタクシー業者を同市役所に集め、予め京王自動車と相談のうえ決めた一〇台ないし一二台の乗入れ案を示し、各業者の意見を徴したところ、「府中市に本社のある会社を主として考えるべきである。」との発言があつたので、控訴人はこれに反対した。そのため、結論をみるにいたらず、さらに会合を重ねることとなつて散会したが、その後、府中市当局は、会合を開かずに控訴人を除外して京王自動車及び当時府中市に本社を置く三社のみと協議してその乗入れを決定したのであつて、昭和五五年一〇月一日前にも被控訴人が京王自動車ほか三社に本件広場のタクシー乗降所利用の認可(京王自動車九台、ほかの三社各一台)を与えたことは明らかである。 仮に右自動車会社の選定及び台数の割当てについて被控訴人が直接関与せず、京王自動車が中心となつて取決めたものであつたとしても、被控訴人はその結果の報告を受けて承認し、これを認可したものである。さらに控訴人の府中営業所長が本件広場の乗場のタクシー使用につき被控訴人の総務部安全対策課長に相 なつて取決めたものであつたとしても、被控訴人はその結果の報告を受けて承認し、これを認可したものである。さらに控訴人の府中営業所長が本件広場の乗場のタクシー使用につき被控訴人の総務部安全対策課長に相談したところ、同課長は、右使用についての許可申請を提出するようにと教示したので、控訴人はそれに従つて本件各文書を提出した経過からみても、被控訴人が京王自動車ほか三社に対し本件広場を使用するについて認可を与えていることは明らかである。 また、被控訴人は右昭和五五年一〇月一日以後も京王自動車ほか数社に本件広場使用の認可を与えている。 4 昭和五五年一〇月一日以降、控訴人の府中営業所長らが本件広場に営業のためタクシーを乗入れたところ、他社のタクシー運転者に取り巻かれて「自分らは市の許可を受けて広場に入つているのだが、君らは市の許可を受けているのか」と文句を言われた事実があり、控訴人は本件広場で自由な営業ができない状態におかれており、控訴人が本件広場で自由に営業するには被控訴人の認可が必要である。 第三証拠(省略)○ 理由一控訴人が府中市内に営業所を設けてタクシー業を営む株式会社であり、被控訴人が普通地方公共団体府中市の市長であること、本件広場及び完成した本件計画道路が昭和五五年一〇月一日以降道路法による認定及び公示を経た府中市道路であつて、一般に供用されている地方自治法二四四条にいう「公の施設」に該当し、同法一四九条七号の規定により被控訴人がその管理権を有すること並びに控訴人が被控訴人に対し昭和四九年五月二二日付及び同五〇年三月二六日付の本件各文書を提出していることはいずれも当事者間に争いがない。 また、本件各文書が、控訴人から被控訴人に対する本件広場についての認可申請書であると認めるのが相当であることは、原判決中のこの点に関する説示(原判決一 していることはいずれも当事者間に争いがない。 また、本件各文書が、控訴人から被控訴人に対する本件広場についての認可申請書であると認めるのが相当であることは、原判決中のこの点に関する説示(原判決一五丁表四行目の「まず」から同裏八行目末尾までと同じであるから、これを引用する。 二そこで、本件広場の完成時期及びその経過について検討する。 いずれも原本の存在と成立に争いのない甲第三号証、第四号証、乙第一〇号証の一、二、第一一号証の一ないし六、成立に争いのない乙第一三、第一四号証、第一五号証の一、二、第一六号証、原審における証人Dの証言により成立を認める乙第一ないし第四号証、同証人Eの証言により原本の存在と成立を認める乙第五、第七号証の各一ないし三、いずれも本件広場の写真であることは争いがなく、その撮影年月日については原審及び当審における証人Fの証言によりこれを認める甲第一一ないし第一三号証、第一九、第二二号証の各一、二及び原審における証人G、同E、同Dの各証言並びに弁論の全趣旨によると、次の事実が認められ、それに反する証拠はない。 1 府中市は、京王線府中駅北口を含む同市の約九九万平方メートル(三〇万坪)の都市計画区域内の土地について公共施設の整備改善等のため本件区画整理事業を施行することとなつたが、右都市計画においては、国道二〇号線から府中駅北口に通じる道路として幅員三〇メートル、延長約四〇メートルの本件計画道路を開設し、かつ、右道路に続く府中駅北口前に面積約三六〇〇平方メートルの本件広場を設置すべきことが定められ、本件広場は、独立の施設としてではなく、本件計画道路が府中駅北口前で行止まりとなるところから、車両の折返し等のために本件計画道路に付属する交通広場として設置される施設であり、両者は一体をなすものとされていること。 2 本件広場の なく、本件計画道路が府中駅北口前で行止まりとなるところから、車両の折返し等のために本件計画道路に付属する交通広場として設置される施設であり、両者は一体をなすものとされていること。 2 本件広場の敷地は京王帝都電鉄の所有であることから、従前は専ら同電鉄のバスの発着所及び同電鉄の子会社である京王自勲車のタクシー乗降所として利用されていたものであり、本件区画整理に伴い京王帝都電鉄に対しては将来他の場所に仮換地が指定される予定であつたが、府中市は、交通対策上仮換地指定の手続をとる前に本件広場の整備をするため、本件広場の敷地の利用につき京王帝都電鉄と交渉した結果、昭和四九年一月一日から当該敷地についての仮換地指定の効力が発生する日の前日まで右敷地を本件広場及び本件計画道路の築造のために府中市が無償で一時使用することを京王帝都電鉄が承諾し、本件広場の築造・整備が終了したときは、京王帝都電鉄のバス及び京王自動車のタクシーが従前どおり右広場に乗入れすることになつたこと。 3 そして、本件区画整理事業施行者たる府中市は、本件広場の築造・整備工事に着手し、バス、タクシーの各乗降所や照明灯の設置、街路樹の植樹、舗装も一応終了し、昭和五二年七月一五日作成の本件広場現況図(乙第二号証)に記載の通りの状況とし、昭和四九年四月から暫定的に使用を開始して、同年四月一五日発行の府中市の「広報ふちゆう」で右使泪開始を市民に知らせるとともに以後の継続工事に対する市民の協力を呼びかけたこと。 4 右のようにして工事が進めたれた結果、本件広場及び幅員三〇メートルの本件計画道路が次第に完成に近づいたが、その後、府中市は、本件広場完成に伴う暫定工事の改修工事を施行してタクシー等の駐車場、バス・タクシーの各乗降所、照明灯、植込帯、歩道の位置等を変更(前掲乙第二号証から同乙第一五号 に完成に近づいたが、その後、府中市は、本件広場完成に伴う暫定工事の改修工事を施行してタクシー等の駐車場、バス・タクシーの各乗降所、照明灯、植込帯、歩道の位置等を変更(前掲乙第二号証から同乙第一五号証の二のとおりに変更。)したこと。 5 かようにして本件広場を含む計画道路が事実上完成し、これに伴う移管手続が進捗したため、被控訴人は昭和五五年九月八日府中市議会に対し右道路につき、その路線名を府中駅北口線とし、起点に接続し地続三、〇一九・八八平方メートルの付設広場を含む府中市道路線の認定を求める議案を提出したところ、同月一九日右議会の議決を得たので、同月二五日に右市道認定の告示、該道路区域の決定の告示、右道路の供用開始の期日を昭和五五年一〇月一日とする告示をして、右一〇月一日から一般に供用を開始したこと。(なお、1のうち、本件区画整理事業は府中市が府中駅の北口駅前広場を含む都市計画区域内の土地について施行するものであること、2のうち、本件広場敷地の所有、利用関係及び府中市がこれを無償で使用することになつたこと、3のうち、当時本件広場にバス・タクシーの各乗降所が設置されていたこと、5のうち、本件広場及び完成された本件計画道路につき府中市議会の議決があつたこと、被控訴人が各公示をしたこと、右道路が昭和五五年一〇月一日から一般の供用に開始されたことは、いずれも当事者間に争いがない。)以上の経過をたどつて、前記のとおり本件広場及び本件計画道路が一体となつて昭和五五年一〇月一日府中市の地方自治法二四四条にいう「公の施設」として一般に供用が開始されたものである。 三そこで、控訴人が被控訴人に対し、昭和四九年五月二二日付の本件文書を提出してから、本件広場が一般の使用に供されることとなつた前日の同五五年九月末日までの期間において、本件広場が地方公共団体た 。 三そこで、控訴人が被控訴人に対し、昭和四九年五月二二日付の本件文書を提出してから、本件広場が一般の使用に供されることとなつた前日の同五五年九月末日までの期間において、本件広場が地方公共団体たる被控訴人の公の施設に該当するかについては、当裁判所もこれを消極に判断するものであるが、その理由は原判決中の右の点に関する説示(原判決一五丁裏九行目から二三丁裏末行の「ものである。」までと同じであるから、これを引用する。したがつて、右の期間においてその違法を原因とする本件訴えは、実体法上の判断をするるまでもなく、不適法として許されないところである。 四次に、本件広場が、一般に供用が開始された前記昭和五五年一〇月一日以降タクシー業者が本件広場においてその営業を行うのに被控訴人の認可が必要か否かを検討する。 前記当事者間に争いのない事実及び前記認定事実から明らかなとおり、本件広場及び完成した本件計画道路は一体として、道路法に定めるところの府中市道路線・府中駅北口線として昭和五五年一〇月一日から一般に供用されているのであるから、道路法上の道路である限りその使用については市制定の条例又は道路交通安全確保の観点からの公安委員会等による必要最少限度の特別の規制が無い限り、原則として何人も何らの制限を受けずに通常に使用することができるものといわなければならない。本件広場については、当審における証人Fの証言及び弁論の全趣旨により、交通安全対策上タクシーの一時的駐車台数を一二台とする規制が行政指導としてなされていることが認められるのみで、それ以外に何ら特別の規制がなされているとは認められない。したがつて、控訴人が本件広場においてタクシー営業を行うについては右の駐車台数の事実上の制限に服するのみで、何ら被控訴人の認可等を必要としないものといわなければならない。 れているとは認められない。したがつて、控訴人が本件広場においてタクシー営業を行うについては右の駐車台数の事実上の制限に服するのみで、何ら被控訴人の認可等を必要としないものといわなければならない。また、本件広場の使用について、市条例等でその使用許可申請制度等が定められている事実を認めるに足りる証拠はない。 なお、控訴人は、本件広場が公の施設として一般に供用される前から以後にかけて、被控訴人が京王自動車ほか三社のタクシー営業者に本件広場において営業のため使用する許可を与えている旨主張し、原審及び当審における証人Fはこれに沿う証言をするが、前掲各証拠及びそれにより認められる前記認定事実に照らせば右証言はたやすく採用できないところであり、また、同証言により原本の存在及び成立が認められる甲第三〇号証並びに同証言(右供述部分を除く。)によれば、京王自動車が本件広場完成後、被控訴人宛の「道路占用許可願」を作成し、控訴人にもその書面に「判を押してくれ」と要求してきたが控訴人はこれを断つた事実が認められるが、前記認定事実に照らせば、右事実はタクシー業者が「道路占用許可願」を作成・提出しなければならない根拠を推認させるものということができず、また、仮に京王自動車ほかのタクシー業者が右のような書面を提出したとしても、被控訴人がこれに対し許可を与える権限を有し、その権限に基づいて許可を与えたと認めるに足りるものと評することもできない。他に右主張を認めるに足りる的確な証拠は存しない。 五ところで、控訴人は行政事件訴訟法三条五項に基づいて、控訴人の「申請」に対する被控訴人の不作為の違法確認を求めているのであるが、その要件としての申請権は、右条項にいう「法令に基づく申請」であることを要するが、これは法令上に当該申請制度が明文で規定されている場合に限らず、現行法 控訴人の不作為の違法確認を求めているのであるが、その要件としての申請権は、右条項にいう「法令に基づく申請」であることを要するが、これは法令上に当該申請制度が明文で規定されている場合に限らず、現行法制の条理解釈として、右の制度に関連し行政庁が特定の者に対し応答義務を負うような申請権が付与されていると認められる場合をも含むものと解されるところ、本件広場の使用については前記のとおりその使用の許可申請制度については明文の規定がなく、また前記認定の諸事実に照らせば条理解釈としてもタクシー業者たる控訴人において、その業務を行うにあたり本件広場の使用許可を求めた場合に、被控訴人がそれに対し応答義務を負うような申請権があるとは、とうてい認められない。したがつて、控訴人の本件各文書は「法令に基づく申請」ということはできず、その不作為の違法確認を求める本件訴えは右の要件を欠くので、その余の点の判断をするまでもなく、不適法というべきである。 六よつて、本件訴えを却下した原判決は、その結論においては相当であり、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、控訴費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法九五条本文、八九条を適用して、主文のとおり判決する。 (裁判官岡垣学磯辺喬松岡靖光)(原裁判等の表示)○ 主文本件訴えを却下する。 訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実(当事者の求めた判決)第一原告一原告が昭和四九年五月二二目付及び昭和五〇年三月二六1日付で被告に対してした京王線府中駅北口広場の利用認可申請につき、被告が許否の決定をしないのは違法であることを確認する。 二訴訟費用は被告の負担とする。 第二被告主文同旨(当事者の主張)第一請求原因一原告は、昭和三九年五月八日東京陸運局長から東京都府中市区域における一般乗用 違法であることを確認する。 二訴訟費用は被告の負担とする。 第二被告主文同旨(当事者の主張)第一請求原因一原告は、昭和三九年五月八日東京陸運局長から東京都府中市区域における一般乗用旅客自動車運送事業の免許を受けたタクシー業者であり、同市<地名略>に営業所を設け、京王線府中駅周辺をその営業基盤としている。 二府中市は、昭和四九年四月ころ京王線府中駅北口に広場(以下「本件広場」という。)を開設し、タクシー乗降所を設置した。このことは、同年四月一五日付で発行された同市の広報紙「広報ふちゆう」に、「府中駅北口駅前広場が完成」との見出しのもとに「京王線府中駅北口の広場が完成しました。この駅前広場は、約三三〇〇平方メートルでバスの乗車所五か所、降車所二か所のほか、タクシー乗降所も設置されました。」との記事が掲載されたことからも明らかである。 ところで、本件広場は、府中市が施行する東京都府中都市計画三本木土地区画整理事業(以下「本件区画整理事業」という。)の対象として工事が進められていたものであるが、地方自治法二四四条の二第一項は、「普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない。」と規定しているところ、本件区画整理事業を規定する府中市の「東京都府中都市計画三本木土地区画整理事業に関する条例」(以下「本件区画整理事業に関する条例」という。)三一条は、「公共施設の管理」という見出しのもとに「整理施行により開設した駅広場の管理については、京王帝都電鉄株式会社社長と府中市長との協定に基づき管理するものとする。」と定め、本件広場が公共施設であることを明らかにするとともに、その管理の仕方について規定している。 したがつて、本件広場が右条例三 帝都電鉄株式会社社長と府中市長との協定に基づき管理するものとする。」と定め、本件広場が公共施設であることを明らかにするとともに、その管理の仕方について規定している。 したがつて、本件広場が右条例三一条にいう「整理施行により開設した駅広場」として完成したものである以上、これが地方自治法二四四条にいう「公の施設」に該当するものであることは明らかで、同法一四九条七号の規定により被告が管理権を有するものというべきである。 三そこで、原告は、昭和四九年五月二二日付及び昭和五〇年三月二六日付各文書をもつて、被告に対し本件広場の利用(タクシー乗入れ)の認可申請をした。しかし、被告は、京王自動車株式会社(以下「京王自動車」という。)及び府中市に本社を有するタクシー業者三社には本件広場のタクシー乗降所の利用を認可しでいるにもかかわらず、原告の右認可申請については、未だに許否の決定をしない。 四よつて、原告は、行政事件訴訟法三条五項の規定に基づき、被告が右許否の決定をしない不作為が違法であることの確認を求める。 第二請求原因に対する認否一請求原因一のうち、原告がタクシー業者であり、その主張の場所に営業所を設けていることは認めるが、その余の事実は知らない。 二同二のうち、本件広場にタクシー乗降所が設置されていること、府中市の広報紙「広報ふちゆう」に原告の主張のような記事が掲載されたこと、本件広場が府中市の施行する本件区画整理事業の対象となつていること、本件区画整理事業に関する条例三一条の規定が原告主張のとおりであることは認めるが、その余は争う。 三同三のうち、原告から本件広場の利用に関し昭和四九年五月二二日付及び昭和五〇年三月二六日付各文書が被告に提出されたこと、京王自動車及び府中市内に本社を有するタクシー業者三社が本件広場のタクシー乗降所を利用して 、原告から本件広場の利用に関し昭和四九年五月二二日付及び昭和五〇年三月二六日付各文書が被告に提出されたこと、京王自動車及び府中市内に本社を有するタクシー業者三社が本件広場のタクシー乗降所を利用していること、被告が原告の本件広場の利用についてなんらの決定をしていないことは認めるが、その余は争う。 四同四は争う。 第三被告の主張一原告が昭和四九年五月二二日付及び昭和五〇年三月二六日付で被告に提出した各文書は、その標題、内容等から被告に対する陳情としか解しえないものであり、原告主張のような認可申請とみることはできない。したがつて、行政事件訴訟法三条五項に規定する「法令に基づく申請」があつたということはできず、本件訴えは、不適法である。 二のみならず、以下に述べるとおり、本件広場は未だ府中市の公の施設となつておらず、被告は本件広場の管理権を有しないのであるから、その利用について被告が許否の決定をなすべき場合には当たらない。したがつて、本件訴えは、この点においても不適法である。 1 京王線府中駅北口前の広場は京王帝都電鉄株式会社(以下「京王帝都電鉄」という。)が所有し、専ら京王帝都電鉄のバス発着所及びその子会社である京王自動車のタクシー乗降所として利用されていたところ、府中市においては、都市計画に基づく土地区画整理事業の一環として、右広場及びその北側から国道二〇号線(甲州街道)への出入口となる道路を公共施設として整備してバス・タクシー等の乗降発着用の駅前交通広場と都市計画道路(一等大路第二類第二号府中駅北口線。以下「本件計画道路」という。)を築造することとなつた。 ところで、一般に土地区画整理事業によつて道路、公園、広場等の公共施設を整備するにあたつては、その早期整備が望まれるところから、築造予定地が更地の多い場所である場合には、仮換地 造することとなつた。 ところで、一般に土地区画整理事業によつて道路、公園、広場等の公共施設を整備するにあたつては、その早期整備が望まれるところから、築造予定地が更地の多い場所である場合には、仮換地指定に先立つて当該土地を所有者から事業施行者が借り受けて施設の築造に着手し、もつて、事業の円滑な進行を図ることが多いが、本件広場の築造についても、施行者である府中市は、京王帝都電鉄の承諾を得て、その敷地を本件区画整理事業の遂行上必要な限度で昭和四九年一月一日から仮換地指定の効力が発生する日の前日まで無償で借り受け、工事に着手した。その結果、本件広場の整備は進み、バス及びタクシーの乗降所等が設置されるまでに至つたものである。 2 しかし、本件広場から国道二〇号線への出入口となるべき本件計画道路予定部分の敷地は京王帝都電鉄のほかにA、Bが所有し、これの借受けについては右Cらの協力が得られなかつたため、都市計画においては幅員三〇メートルに拡幅することが予定されているにもかかわらず、現在は幅員一一メートルの暫定的進入路が存するにすぎない。このため、本件広場への車両の出入りについては、バス優先の立場から交通安全上タクシーの乗入れを制限せざるをえない状況である。このように本件広場と一体となるべき本件計画道路の整備が未了であること並びに本件広場の敷地の借受けが暫定的なものであることからすれば、本件広場は完成したということはできないのであり、そのため本件区画整理事業に関する条例三一条の被告と京王帝都電鉄の社長との協定も未だ締結されていないのである。 3 土地区画整理法は、土地区画整理事業の施行により設置された公共施設の管理権は、他の法律又は規約、定款等に別段の定がある場合を除き、換地処分の公告があつた日の翌日において、その公共施設の所在する市町村の管理に属し( は、土地区画整理事業の施行により設置された公共施設の管理権は、他の法律又は規約、定款等に別段の定がある場合を除き、換地処分の公告があつた日の翌日において、その公共施設の所在する市町村の管理に属し(一〇六条一項)、公共施設の用に供する土地は、同じく換地処分の公告があつた日の翌日において、その公共施設を管理すべき者に帰属する(一〇五条三項)と定めている。 また、同法は、換地処分の公告がある日以前においても、公共施設に関する工事が完了した場合においては、施行者はその公共施設を管理する者となるべき者にその管理を引き継ぐことができる(一〇六条二項)とも定めている。 しかし、本件においては、換地処分の公告はもとよりのこと、仮換地の指定も未だなされておらず、また、本件広場は前記のとおり工事が完了していないため換地処分前の引継ぎということもされていないのであるから、本件広場は、普通地方公共団体としての府中市の管理に属するものではなく、したがつて、地方自治法二四四条の公の施設ということはできないのである。もつとも、本件区画整理事業の施行者も府中市であるが、普通地方公共団体としての府中市と土地区画整理事業の施行主体たる府中市とはその立場を異にするのであつて、両者を混同してはならない。 土地区画整理事業の施行者には市町村に限らず国、都道府県あるいは日本住宅公団、更には組合等でもなりうるのである(土地区画整理法三条)。 4 原告が援用する「広報ふちゆう」の記事は、広報紙の性質上市民から要望のあつたタクシーの乗入れが事実上実現したことを市民に知らせるために掲載したにすぎないのであつて、右記事の故をもつて本件広場が法律上も公の施設として完成したとするのは相当でない。しかも、右記事の末尾には、「甲州街道への出入口は、都市計画道路1・2・2号線として幅員三〇メートル(歩道 のであつて、右記事の故をもつて本件広場が法律上も公の施設として完成したとするのは相当でない。しかも、右記事の末尾には、「甲州街道への出入口は、都市計画道路1・2・2号線として幅員三〇メートル(歩道は両側に各3・5メートル)に拡幅する計画です。今後とも関係の方がたの深いご理解とご協力をお願いいたします。」と記載されており、本件広場が全体としては今なお土地区画整理事業の施行途中にあることを明らかにしているのである。 5 本件広場のタクシー乗降所を、現在、京王自動車外三社が利用していることは、原告主張のとおりであるが、これは、次のような事情によるものであつて、被告が認可をして利用させているものではない。すなわち、前記のとおり、本件広場の敷地は京王帝都電鉄の所有であり、従前は専ら京王帝都電鉄のバス発着所及びその子会社の京王自動車のタクシー乗降所として使用されていたが、市民の間では京王自動車のみでなく他社のタクシーの乗入れも希望する声が強く、また、乗入れを希望するタクシー業者から市議会に請願があり、市議会もこれを採択したことから、府中市は、本件広場の敷地を京王帝都電鉄から借り受ける際、京王帝都電鉄に対し住民の利便のため京王自動車だけでなく他の業者のタクシー乗入れも認めるように申し入れた。京王帝都電鉄は、当初これに難色を示したが、種々折衝の結果、京王帝都電鉄及び京王自動車とも一応これに同意するにいたつた。しかし、京王帝都電鉄は、これに同意する代わりに、乗入れ業者の選定及び乗入れ台数の割合については京王帝都電鉄及び京王自動車と他の業者との協議によることを申し入れてきた。府中市としては、本件広場の性格上バスの運行を最優先にすべきものであり、また、国道二〇号線への出入口道路が狭いので、タクシーの台数をバスの安全な運行に支障を来たさない限度に制限すること し入れてきた。府中市としては、本件広場の性格上バスの運行を最優先にすべきものであり、また、国道二〇号線への出入口道路が狭いので、タクシーの台数をバスの安全な運行に支障を来たさない限度に制限することの了解を得たうえ、本件広場の敷地を京王帝都電鉄から無償で借り受けていること及び京王自動車が長年にわたつて右敷地を専用していた実績等を考慮して、右申入れに応じることにした。そして、業者間の協議の結果、本件広場に新たに乗入れるタクシー業者は府中市に本社を置く三社とし、乗り入れ台数は京王自動車九台、その他の三社各一台とすることとなり、以後、この協議の結果に従つて本件広場のタクシー乗降所が利用されているのであつて、被告は、右乗入れ業者の選定等にはなんら関与していないのである。 三以上のとおりであるから、原告の本件訴えは却下されるべきである。 第四被告の主張に対する認否一被告の主張一は争う。 二同二の前文は争う。同二の1のうち、本件広場の敷地の借受けが本件区画整理事業の遂行上必要な限度に限定されていることは知らないが、その余の事実は認める。同二の2のうち、本件広場から国道二〇号線への出入口道路が幅員三〇メートルに拡幅される計画であることは認めるが、本件広場が完成していないことは争い、その余の事実は知らない。同二の3のうち、普通地方公共団体としての府中市が本件広場の管理権を取得していないことは争い、その余の事実は知らない。同二の4の主張の趣旨は争う。同二の5のうち、府中市が京王帝都電鉄に京王自動車以外の業者のタクシー乗入れを認めるように申し入れるにいたつた経緯は認めるが、本件広場に乗り入れる業者の選定等がタクシー業者間の協議によるものであつて被告がこれに関与していないことは争い、その余の事実は知らない。 第五原告の反論一原告が被告に提出した昭 経緯は認めるが、本件広場に乗り入れる業者の選定等がタクシー業者間の協議によるものであつて被告がこれに関与していないことは争い、その余の事実は知らない。 第五原告の反論一原告が被告に提出した昭和四九年五月二二日付及び昭和五〇年三月二六日付各文書の趣旨は、要するに、本件広場に他社のタクシー乗入れが認可されているのであるから、原告営業所のタクシーが本件広場に乗入れすることの認可を求めるというものであり、単なる陳情書ではない。もつとも、昭和五〇年三月二六日付文書のなかには、陳情の字句が使用されている個所もあるが、これは、原告の府中営業所長が府中市総務部安全対策課長に本件広場利用の認可申請手続について相談したところ、「文書に本件広場の利用の認可を求める意思表示がしてあれば、文書の形式は問わない。申請でも陳情でもよい。」との教示があつたので、陳情との字句を使用したまでのことである。 二府中市は、本件広場の敷地の所有権は有しないにしても、その上に使用権を有し、府中市の財政支出によつて本件広場を完成させ、タクシー乗降所として利用に供しているのであるから、たとえ、被告が主張するように仮換地の指定や換地処分の公告がなされておらず、また、本件区画整理事業に関する条例三一条の被告と京王帝都電鉄の社長との協定も未だ締結されていないとしても、本件広場は府中市の公の施設として、被告がその管理権を有するものというべきである。被告は、本件計画道路が未完成であることを理由に本件広場は完成していないと主張するが、本件広場は、右道路の拡幅工事が未了であつても、タクシー乗降所としての機能を完全に果たしているのであるから、被告の主張は失当である。また、被告は、本件広場につき土地区画整理法一〇六条二項に定める引継手続がなされていないことをも根拠として、普通地方公共団体とし しての機能を完全に果たしているのであるから、被告の主張は失当である。また、被告は、本件広場につき土地区画整理法一〇六条二項に定める引継手続がなされていないことをも根拠として、普通地方公共団体としての府中市は本件広場の管理権を有しないと主張するが、仮に、本件の場合に本件区画整理事業の施行者としての府中市から普通地方公共団体としての府中市への引継ぎが必要であつたとしても、その代表者はいずれも被告であつて、その被告が、市の広報紙において本件広場の完成の事実を広く市民に公表していることからすれば、本件広場の引継ぎはすでになされたものと認めるべきである。 三本件広場への乗入れ業者の選定等に府中市が関与していないとの被告の主張は、全く、事実に反するものである。すなわち、府中市当局は、昭和四九年三月二八日本件広場の利用について協議するため同市で営業している原告その他のタクシー業者を同市役所に集め、予め京王自動車と相談のうえ決めた一〇台の乗入れ案を示し、各業者の意見を徴したところ、「府中市に本社のある会社を主として考えるべきである。」との発言があつたので、原告はこれに反対した。そのため、近いうちに更に会合することとなり、散会したが、その後、府中市当局は、会合を開かず、原告を除外して京王自動車及び府中市に本社を置く三社と協議し現在のような乗入れを決定したのであつて、府中市が京王自動車外三社に本件広場のタクシー乗降所利用の認可を与えたことは明らかである。 (証拠関係)(省略)○ 理由一原告が府中市<地名略>に営業所を有するタクシー業者であることは、当事者間に争いがない。 二まず、原告が被告に対し本件広場の利用について認可申請をしたかどうかについて判断する。 原告が被告に対し昭和四九年五月二二日付(甲第一号証)及び昭和五〇年三月二六日付(甲第二号 間に争いがない。 二まず、原告が被告に対し本件広場の利用について認可申請をしたかどうかについて判断する。 原告が被告に対し昭和四九年五月二二日付(甲第一号証)及び昭和五〇年三月二六日付(甲第二号証)各文書を提出したことは、当事者間に争いがない。そして、原本の存在と成立に争いのない甲第一、第二号証によれば、右両文書の標題や本文の一部には「お願い」とか「陳情」とかの語が用いられているものの、証人Fの証言をも勘案して記載全体をみると、その実質的内容は、要するに、本件広場が公共的施設として完成したことに伴いかねて原告のタクシーの乗入れを申し出ていたにもかかわらず、被告が他社タクシーについてのみ乗入れを認めたことは不公平であるから、原告の乗入れについても早急に認可されるよう求めるという権利主張をする趣旨であることが読み取れるのであつて、かかる内容からすれば、右両文書は、原告から被告に対する本件広場の利用についての認可申請書であると認めるのが相当である。 三次に、本件広場が地方自治法二四四条にいう公の施設であるかどうかについて判断する。 1 本件広場の写真であることに争いのない甲第一一ないし第一七号証の各一、成立に争いのない乙第一二号証、原本の存在と成立に争いのない甲第三号証、乙第一〇号証の一、二、第一一号証の一ないし六、証人Dの証言により成立を認める乙第一ないし第四号証、証人Eの証言により原本の存在と成立を認める乙第五号証の一ないし三、同証言により成立を認める乙第六号証、証人Gの証言により成立を認める乙第七号証の一ないし三及び証人F、同G、同H、同E、同Dの各証言並びに弁論の全趣旨を総合すると、次の事実が認められる。 (一) 麻中市は、京王線府中駅の北口駅前を含む同市の約三〇万坪の都市計画区域内の土地について公共施設の整備改善等のため本件区画 、同Dの各証言並びに弁論の全趣旨を総合すると、次の事実が認められる。 (一) 麻中市は、京王線府中駅の北口駅前を含む同市の約三〇万坪の都市計画区域内の土地について公共施設の整備改善等のため本件区画整理事業を施行することとなつたが、右都市計画においては、国道二〇号線から府中駅北口に通じる道路として幅員三〇メートル、延長約四〇メートルの本件計画道路を開設し、かつ、右道路に続く府中駅北口前に面積約三六〇〇平方メートルの本件広場を設置すべきことが定められていること。しかし、右都市計画によれば、本件広場は、独立の施設としてではなく、本件計画道路が、府中駅北口前で行止まりとなるところから、車両の折返し等のために本件計画道路に付属する交通広場として設置される施設であり、両者は一体をなすものとされていること(二) 本件広場の敷地は京王帝都電鉄の所有であることから、従前は専ら同電鉄のバスの発着所及び同電鉄の子会社である京王自動車のタクシー乗降所として利用されていたものであり、本件区画整理に伴い京王帝都電鉄に対しては将来他の場所に仮換地が指定される予定であつたが、府中市は、交通対策上仮換地指定の手続をとる前に本件広場の整備をするため、本件広場の敷地利用につき京王帝都電鉄と交渉した結果、昭和四九年一月一日から当該敷地についての仮換地指定の効力が発生する日の前日まで右敷地を本件広場と本件計画道路の築造のために府中市が無償で一時使用することを京王帝都電鉄が承諾したこと。もつとも、右築造のための一時使用を除いては、右敷地は仮換地指定があるまで所有者である京王帝都電鉄において利用しうるものであるため、広場の築造を終えたときは、同社のバス及び京王自動車のタクシーが従前どおり右広場に乗入れをすることになつたこと(三) かくして、府中市は、本件広場の工事に着手し、現在 いて利用しうるものであるため、広場の築造を終えたときは、同社のバス及び京王自動車のタクシーが従前どおり右広場に乗入れをすることになつたこと(三) かくして、府中市は、本件広場の工事に着手し、現在、バス、タクシーの各乗降所や照明灯、街路樹等の設置や舗装も終り、予定された整備は実際上ほぼ完了していること(四) しかし、本件計画道路の整備については、その敷地が京王帝都電鉄、A、Bの所有に属し、府中市は、これら所有者に当該所有部分の借地方を申し入れたが、右敷地の西半分近くを所有するAとBからは協力を得ることができず、京王帝都電鉄からも本件広場に接する一九〇平方メートルの部分について使用承諾を得ただけであり、結局、本件計画道路の敷地の約八五パーセントの部分については府中市が使用権限を取得していないこと(五) したがつて、本件計画道路の整備は現在まで全く進行しておらず、ただ、右道路敷地の東側約半分の京王帝都電鉄所有地が幅員約一一メートルの私道となつていることから、これが本件広場と国道二〇号線とを結ぶ唯一の車道として機能し((六)で述べるバス及びタクシーの出入口もこれによつて行われている。)他に車両の出入口はないこと(六) 現在、本件広場には京王帝都電鉄のバス及び京王自動車のタクシーが乗り入れているほか、同所のタクシー乗降所を府中観光交通株式会社等三社のタクシー業者が利用しているが、このように京王帝都電鉄関係以外のタクシーが乗入れをするようになつたのは、府中市が市民の要望に基づいて本件広場へのタクシー乗入れを京王自動車以外のタクシー業者にも認めてもらいたい旨京王帝都電鉄及び京王自動車に申入れをし、両社が府中市に本社を有する三社に限つて乗入れを認めたため、実現したものであること(七) 本件区画整理事業の進捗状況は、未だ換地処分はもとより、仮換 いたい旨京王帝都電鉄及び京王自動車に申入れをし、両社が府中市に本社を有する三社に限つて乗入れを認めたため、実現したものであること(七) 本件区画整理事業の進捗状況は、未だ換地処分はもとより、仮換地の指定をするにも至つていないこと(八) 府中市は、右のように本件計画道路が未整備であるため、これと一体をなす本件広場の整備も完了したとはいえないとの見解をとり、したがつて、本件広場の管理については、本件区画整理事業に関する条例三一条に規定する府中市長と京王帝都電鉄の社長との協定も締結されていないこと以上の事実が認められる((一)のうち、本件区画整理事業は府中市が府中駅の北口駅前を含む都市計画区域内の土地について施行するものであること、(二)の本件広場敷地の所有、利用関係及び府中市がこれを無償で使用することになつたこと、(三)のうち、本件広場にバス、タクシーの乗降所が設置されていること、(六)のうち、本件広場のタクシー乗降所を府中市に本社を有する三社のタクシー業者が利用していることは、いずれも当事者間に争いがない。)。 2 地方自治法は、二四四条一項において「普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設けるものとする。」と規定し、同条二項以下において公の施設の利用や管理等に関する事項を定めているが、右にいう公の施設が専ら一般住民の利用に供されるものであることからすれば、ある施設を公の施設といえるためには、少なくとも、当該施設がその設置目的にそつた一般住民の利用を可能ならしめるに足りる形態及び機能等を具備していることが必要であると解される。 いま、これを本件についてみると、前認定のように、本件広場は都市計画に定められた交通広場として本件区画整理事業により設置されるものである。したが 及び機能等を具備していることが必要であると解される。 いま、これを本件についてみると、前認定のように、本件広場は都市計画に定められた交通広場として本件区画整理事業により設置されるものである。したがつて、それに関する工事が都市計画で定められたところに適合して完了するまでは、区画整理事業施行者たる府中市において専ら同事業のためにこれを管理しているものであつて、当然には一般車両がこれを利用しうることになるものではないし、また、工事そのものは完了していても、客観的に交通広場としての機能を果たしうる状態になつていない場合には、未だ一般車両の利用に供される施設であるということはできない。 ところで、本件広場は、都市計画のうえでは、本件計画道路の附属施設として設置されることとなつているものであるから、形式的にいえば、本件計画道路が完成しない限りは、これと利用上一体をなす本件広場も都市計画に定められたとおりに完成したとはいいがたい理である。のみならず、実質的に考察しても、本件広場は駅前の交通広場としてバス、タクシーその他一般車両の乗降、発着に利用することを目的とする施設であるから、これらの車両が国道その他の外部の道路から右広場に出入りするための取付道路なくしてはその機能を果たしえないものであることは明らかであるところ、本件広場と国道二〇号線とを結ぶ予定の本件計画道路の整備状況は前記のとおりであり、現在、本件広場から外部の道路に通じる車両の出入口は、本件計画道路敷地内にある京王帝都電鉄所有の幅員約一一メートルの私道以外にはなく、しかも、府中市は右私道につきなんら使用権原を有していないのであるから、府中市が京王帝都電鉄関係以外の一般車両について本件広場への出入りのため右私道を利用させることは、京王帝都電鉄の承諾なしには自由になしえない状況にあるのである ら使用権原を有していないのであるから、府中市が京王帝都電鉄関係以外の一般車両について本件広場への出入りのため右私道を利用させることは、京王帝都電鉄の承諾なしには自由になしえない状況にあるのである。すなわち、本件広場は、取付道路が現状のままでは、一般車両の利用する交通広場としての本来の機能を果たしえないものというべきである(もつとも、本件広場へのバスの乗入れは京王帝都電鉄によつてなされているので、実際上、バスの運行には支障はない。)。更に、本件広場の敷地は、府中市が京王帝都電鉄の承諾を得て仮換地指定の効力が発生する日の前日まで無償で使用しているものであるが、その使用目的は本件広場及び本件計画道路の築造のためという約定であるから、右築造後における本件広場の一般車両の利用をも京王帝都電鉄が当然に許容しているものと解することはできない。したがつて、府中市が仮換地指定前に本件広場を京王帝都電鉄関係以外の一般車両に解放することは、敷地所有者である京王帝都電鉄の承諾を得ない限り制約されているというほかなく、この点においても本件広場の交通広場としての機能には基本的に欠けるところがある(現在、本件広場に京王帝都電鉄関係以外の三社のタクシーが乗り入れているのは、市民の便利のために京王自動車以外のタクシー業者にも乗入れを認めてもらいたいとの府中市の申入れを京王帝都電鉄が応諾したからであつて、府中市が一方的に右乗入れを許しているものであるとは認められない。)。 以上のように、本件広場は、それ自体としては予定された整備をほぼ完了しているとしても、都市計画上一体的に定められた本件計画道路が未整備であるため、その設置目的にそつた機能を果たしえない状況にあるばかりでなく、仮換地指定がなされるまでは、敷地の権利関係上からも府中市がこれを一般車両の利用に供することがで られた本件計画道路が未整備であるため、その設置目的にそつた機能を果たしえない状況にあるばかりでなく、仮換地指定がなされるまでは、敷地の権利関係上からも府中市がこれを一般車両の利用に供することができないようになつているのである。これらの点からすれば、本件広場は現在未だ土地区画整理事業の施行途上にあるものと認めるのが相当であつて、事実上限られた範囲のバス、タクシー等により利用されてはいるが、広く住民一般の利用に供することを目的とした公の施設としては完成していないというべきである。土地区画整理事業による公共施設の設置につき、同施設予定地の所有者に対する仮換地指定又は使用収益停止の手続をとることなく、右所有者の承諾による一時使用方式によつて工事を行うときは、本件のような問題を生ずることを避けがたいが、右のいずれの方式をとるかは事業施行者の判断に任されている以上、やむをえないところといわざるをえない。また、昭和四九年四月一五日付の府中市の広報紙「広報ふちゆう」に本件広場が完成した旨の記事が掲載されたことは、当事者間に争いがないが、原本の存在と成立に争いのない甲第四号証によれば、右記事は、本件広場そのものの整備が一応完了したことを内容とするものにすぎないことが認められ、以上の認定判断を妨げるに足りるものではない。 四以上のとおりであるから、原告が本件広場の利用について被告に対してした認可申請は、地方自治法上住民一般に利用申請権が認められている地方公共団体の公の施設を対象としたものということはできず、これにつき被告に応答義務を負わせるに由ないものである。したがつて、その不作為の違法をいう本件訴えは、実体上の判断をするまでもなく許されないというべきである。 よつて、本件訴えを却下することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条 したがつて、その不作為の違法をいう本件訴えは、実体上の判断をするまでもなく許されないというべきである。 よつて、本件訴えを却下することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。
▼ クリックして全文を表示