平成11(ワ)423 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成15年12月25日 和歌山地方裁判所
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判決文本文78,932 文字)

平成15年12月25日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成11年(ワ)第423号(以下「第1事件」という。),同年(ワ)第571号(以下「第2事件」という。),同年(ワ)第637号(以下「第3事件」という。),平成15年(ワ)第145号(以下「第4事件」という。)損害賠償請求事件 主文 1 第1事件ないし第4事件被告は,別表の「原告氏名」欄記載の第1事件ないし第4事件原告ら各自に対し,別表の「認容金額」欄記載の金員及びこれに対する第1事件ないし第3事件原告らについては平成10年7月25日から,第4事件原告らについては同月26日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 第1事件及び第2事件原告らのその余の請求を棄却する。 3 訴訟費用は,別表の「原告氏名」欄記載の第1事件ないし第4事件原告らと第1事件ないし第4事件被告との間に生じたものにつき,別表の「訴訟費用負担」欄記載のとおりの負担とする。 4 この判決は,前記1に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 第1事件ないし第4事件原告ら(以下,一括して「原告ら」ともいう。)(1) 第1事件ないし第4事件被告(以下「被告」という。)は,別表の「原告氏名」欄記載の原告ら各自に対し,別表の「請求金額」欄記載の金員及びこれに対する第1事件ないし第3事件原告らについては平成10年7月25日から,第4事件原告らについては同月26日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 訴訟費用は,被告の負担とする。 (3) 仮執行宣言 2 被告(1) 原告らの請求をいずれも棄却する。 (2) 訴訟費用は,原告らの負担とする。 第2 事案の概要 1 事案の要旨原告らは,被告が,平成10年7月25日に開催された和歌山市園部第14自治会の夏祭りにおいて提 らの請求をいずれも棄却する。 (2) 訴訟費用は,原告らの負担とする。 第2 事案の概要 1 事案の要旨原告らは,被告が,平成10年7月25日に開催された和歌山市園部第14自治会の夏祭りにおいて提供されたカレーに砒素化合物を混入したことにより,これを喫食した第1事件ないし第3事件原告ら(同日当時胎児であった第2事件原告らのうち3名を除く。)において急性砒素中毒を発症させるとともに,同日当時胎児であった第2事件原告らのうち3名において,母体を通して砒素に曝露させ,また,第4事件原告らの親族(夫又は子)を急性砒素中毒により死亡させたと主張して,被告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき,別表の「原告氏名」欄記載の原告ら各自に対し,別表の「請求金額」欄記載の金員及びこれに対する第1事件ないし第3事件原告らについては不法行為の日(被告が砒素化合物をカレーに混入しこれを同原告らに喫食させた日)である平成10年7月25日から,第4事件原告らについては,親族らが死亡した日である同月26日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた。 これに対し,被告は,砒素化合物をカレーに混入したことを否認し,争っている。 2 前提事実以下の事実は,当事者間に争いがないか,証拠(甲あ1,3,い2の1・2,4,う1,3,え2,4,お1,4,か1ないし3,き1,2,15,く1,2,13,け1,2,9,こ1,5,さ1,6,し1,2,7,す1,2,せ1,2,そ1の1・2・3の1ないし3,そ5,た1の1・2,5,ち1の1・2,4,つ1,2,4,て1ないし4,と1,9,な1,7,に1,5,ぬ1,2,ね1ないし4,の1,3,は1,4,ひ2,4,ふ1,2,へ1,2,9,ほ1,4,ま1ないし3,9,み1,め1,も1,ゆ1,2,4,よ3,ら1ないし4,り1な ,と1,9,な1,7,に1,5,ぬ1,2,ね1ないし4,の1,3,は1,4,ひ2,4,ふ1,2,へ1,2,9,ほ1,4,ま1ないし3,9,み1,め1,も1,ゆ1,2,4,よ3,ら1ないし4,り1ないし4,る1ないし4,第4事件原告A39,同A41,第1事件原告A20,同A6及び同A17各本人)並びに弁論の全趣旨により容易に認めることができる。 (1) 当事者等原告らのうち第2事件原告A32(平成10年11月13日生),同A35(平成11年1月17日生)及び同A37(同月29日生)を除く者らは,平成10年7月当時,和歌山市園部第14自治会(以下「自治会」という。)の会員又はその親族であった。 原告A39は,亡B(以下「B」という。)の妻であり,第4事件原告A40は,亡Cの妻であり,原告A41は,亡Dの母である。 被告は,自治会1班の班長であったEの妻であり,平成10年7月当時,肩書住居地に居住していた。 (2) 事実経過の概要自治会の会員らのうち主婦の多くは,平成10年7月25日に開催される自治会の夏祭りにカレーライス及びおでんを提供するため,同日午前8時30分ころから,F方車庫(以下「本件車庫」という。)において,4つの鍋をガスコンロ上に設置し,1番西と東から2番目のガスコンロ上に設置された寸胴鍋(東から2番目のガスコンロ上に設置された寸胴鍋を以下「東鍋」という。)でカレーを調理し始め(東鍋で調理されたカレーを以下「本件カレー」という。),1番東と西から2番目のガスコンロ上に設置された平鍋でおでんを調理し始めた。 東鍋が設置されたガスコンロは,同日午前11時過ぎころ,消火され,東鍋の上に,アルミ箔及びつぶした段ボール箱によって蓋がされた。 自治会の各班長は,カレー及びおでんの鍋に子供が近づいて誤って鍋を倒すなどしてやけどをしないよう,本 同日午前11時過ぎころ,消火され,東鍋の上に,アルミ箔及びつぶした段ボール箱によって蓋がされた。 自治会の各班長は,カレー及びおでんの鍋に子供が近づいて誤って鍋を倒すなどしてやけどをしないよう,本件車庫において調理中の鍋の見張りをすることを取り決めていた。 自治会の夏祭りは,同日午後5時50分ころから同日午後7時ころまでの間,同市園部1013番地の5所在の空き地に開設された夏祭り会場において開催され,第1事件ないし第3事件原告らのうち原告A32,同A35及び同A37を除く者ら並びにB,C及びD(以下,一括して「被害者ら」ともいう。)は,本件カレーをかけたカレーライスを喫食した。 被害者らは,本件カレーを喫食後,いずれも嘔吐,悪心などの腹部症状を呈し,同日中に医療機関において治療を受けた。 被害者らのうち,Bは,翌日の同月26日午前3時3分,G病院において,Cは,同日午前7時35分,H病院において,Dは,同日午前10時16分,I医療センターにおいて,いずれも死亡した。 3 争点及びこれに対する当事者の主張(1) 被告が本件カレーに砒素化合物を混入したか。 (原告らの主張)被告は,平成10年7月25日午後0時過ぎころから同日午後1時ころまでの間,夫のEが自治会1班の班長であったことから,カレー鍋の見張りをすることとなり,1人でカレー鍋の見張りをしていたところ,その間に,自宅に隠匿保管していた砒素化合物を青色紙コップに入れて本件車庫内に持ち込み,夏祭りで提供されるカレーライスを食べる可能性がある者らを無差別に殺害する意図で,前記砒素化合物(砒素含有量100グラム以上)を東鍋において調理中であった本件カレーに混入し,そのことを知らない第1事件ないし第3事件原告らのうち原告A32,同A35及び同A37を除く者ら並びにB,C及びDをして,東鍋のカレ 100グラム以上)を東鍋において調理中であった本件カレーに混入し,そのことを知らない第1事件ないし第3事件原告らのうち原告A32,同A35及び同A37を除く者ら並びにB,C及びDをして,東鍋のカレーをかけたカレーライスを喫食させ,B,C及びDをいずれも同月26日,急性砒素中毒により死亡させ,第1事件ないし第3事件原告らのうち原告A32,同A35及び同A37を除く者らを砒素中毒に罹患させるとともに,当時胎児であった原告A32,同A35及び同A37にもカレーライスを喫食した母体を通して砒素に曝露させた。 (被告の主張)被告が本件車庫内に砒素化合物を持ち込み,これを本件カレーに混入したとの点は否認する。 B,C及びDの死因並びに第1事件ないし第3事件原告らが砒素中毒に罹患し,又は母体内で砒素に曝露したとの点は知らない。 (2) 原告らに生じた損害はいくらか。 (原告らの主張)ア第4事件原告ら(原告A39,同A40及び同A41)について(ア) 前記(1)の原告らの主張のとおり,被告は,本件カレーに砒素化合物を混入し,B,C及びDをして本件カレーを喫食させ,同人らを殺害したものであり,夫を失った原告A39及び同A40並びに子を失った同A41は,被告の前記不法行為により,筆舌に尽くし得ないほどの精神的苦痛を受けたのであるから,被告に対し,固有の慰謝料請求権を有しているというべきであり,その慰謝料額は,それぞれ少なくとも1000万円を下るものではない。 (イ) B,C及びDは,同人らに砒素化合物を混入した本件カレーを喫食させ,死亡させた被告に対し,それぞれ固有の慰謝料請求権を有するというべきであり,その慰謝料額は各自3000万円を下るものではない。そして,Bの妻である原告A39,Cの妻である同A40及びDの母である同A41は,いずれも相続により れ固有の慰謝料請求権を有するというべきであり,その慰謝料額は各自3000万円を下るものではない。そして,Bの妻である原告A39,Cの妻である同A40及びDの母である同A41は,いずれも相続により,被告に対し,前記慰謝料額の2分の1に相当する各自1500万円の慰謝料請求権を有するというべきである。 (ウ) 以上のとおり,原告A39,同A40及び同A41は,被告に対し,不法行為に基づき,各自合計2500万円の損害賠償請求権を有するというべきところ,上記原告らは,被告に対し,そのうち各自1000万円及びB,C及びDが死亡した日である平成10年7月26日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求する。 イ本件カレーを喫食した第1事件ないし第3事件原告ら(原告A32,同A35及び同A37を除く第1ないし第3事件原告ら)について第1ないし第3事件原告らのうち,平成10年7月25日に開催された夏祭りにおいて,本件カレーを喫食した者らは,被告が本件カレーに砒素化合物を混入した不法行為により,急性砒素中毒に罹患し,腹部症状や神経症状を発症したことにより,以下のとおり,各自損害を被った。 (ア) 第1事件原告A1原告A1は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,J病院に平成10年7月25日から同月28日まで及び同月29日から同年8月4日までの合計11日間入院するとともに,同病院に同月10日から同年9月28日までの間のうち5日間通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A1に生じた損害は,以下のとおり,合計274万5074円である。 a 治療費及び交通費合計6万5270円b 休業損害 27万9804円原告A1は,平成10年7月当時,42歳の主婦であり,夫,長女(当時19歳),長男(当時17歳)と 74万5074円である。 a 治療費及び交通費合計6万5270円b 休業損害 27万9804円原告A1は,平成10年7月当時,42歳の主婦であり,夫,長女(当時19歳),長男(当時17歳)と同居し,家事労働に従事していたところ,前記入院期間中及び通院治療を受けた日においては,家事労働をすることができず,また,その余の通院期間中においては,家事労働能力が少なくとも30パーセントは制限されたというべきである。そして,平成10年度の賃金センサスにおける42歳の女性平均賃金が年346万2000円であることに照らすと,原告A1の休業損害は,以下の計算のとおりであり,その合計は27万9804円を下るものではない。 346万2000円÷365日×(11日+5日)=15万1758円346万2000円÷365日×(50日-5日)×0.3=12万8046円15万1758円+12万8046円=27万9804円c 入通院慰謝料 240万円原告A1の精神的苦痛及び恐怖感に対する慰謝料は,本件の態様,特殊性及び傷害の程度を考慮すれば,240万円を下ることはない。 (イ) 第1事件原告A2原告A2は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,G病院に平成10年7月25日から同年8月1日まで8日間入院するとともに,G病院に同月2日から同月6日までの間のうち2日間,J病院に同月10日から同年9月28日までの間のうち6日間通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A2に生じた損害は,以下のとおり,合計230万2708円である。 a 治療費及び交通費合計10万2708円b 入通院慰謝料 220万円原告A2の精神的苦痛及び恐怖感等に対する慰謝料は,本件の態様,特殊性及び傷害の程度を考慮すれば,220万円を下ることはな 。 a 治療費及び交通費合計10万2708円b 入通院慰謝料 220万円原告A2の精神的苦痛及び恐怖感等に対する慰謝料は,本件の態様,特殊性及び傷害の程度を考慮すれば,220万円を下ることはない。 (ウ) 第1事件原告A3原告A3は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,G病院に平成10年7月25日から同年8月21日まで及び同年10月10日から同年11月26日までの合計76日間入院するとともに,G病院に同年8月24日から同年12月25日までの間のうち7日間,I医療センターに同年9月2日から同年11月16日までの間のうち12日間通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A3に生じた損害は,以下のとおり,合計430万4633円である。 a 治療費及び交通費合計90万4633円b 入通院慰謝料 340万円原告A3の精神的苦痛及び恐怖感等に対する慰謝料は,本件の態様,特殊性及び傷害の程度を考慮すれば,340万円を下ることはない。 (エ) 第1事件原告A4原告A4は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,G病院に平成10年7月25日から同年8月17日まで24日間入院するとともに,G病院に同年8月24日から同年10月26日までの間のうち4日間,I医療センターに同年9月9日から同月30日までの間のうち2日間通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A4に生じた損害は,以下のとおり,合計279万8225円である。 a 治療費及び交通費合計29万8225円b 入通院慰謝料 250万円同原告の精神的苦痛及び恐怖感等に対する慰謝料は,本件の態様,特殊性及び傷害の程度を考慮すれば,250万円を下ることはない。 (オ) 第1事件原告A5原告A5は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患した の精神的苦痛及び恐怖感等に対する慰謝料は,本件の態様,特殊性及び傷害の程度を考慮すれば,250万円を下ることはない。 (オ) 第1事件原告A5原告A5は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,K病院に平成10年7月25日から同月28日まで4日間入院するとともに,K病院に同年8月3日から同月24日までの間のうち4日間,L病院に同月25日から同年12月10日までの間のうち2日間通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A3に生じた損害は,以下のとおり,合計322万2548円である。 a 治療費合計4万1970円b 交通費合計8400円原告A5は,K病院に4日間,L病院に2日間通院したところ,原告A5方からK病院へはバス片道590円及び電車片道170円(合計760円)を要し,L病院へはバス片道580円を要するから,通院交通費として,合計8400円(=760円×2×4日+580円×2×2日)を要し,これと同額の損害を受けた。 c 休業損害 17万2178円原告A5の収入額は,平成10年5月ないし同年7月分(合計91日間)の給与合計82万4670円を基礎とすると,日額9062円となるところ,原告A5は,急性砒素中毒に罹患したことから,同年7月27日から同年8月25日まで合計19日間勤務先を欠勤したから,その間の給与相当額17万2178円は,被告の不法行為により生じた原告A5の休業損害に該当するというべきである。 d 入通院慰謝料 300万円原告A5の精神的苦痛に対する慰謝料は,本件の態様及び傷害の程度を考慮すれば,300万円を下ることはない。 (カ) 原告A6原告A6は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,H病院に平成10年7月25日から同月26日まで,I医療センターに同日から同年8月12日 ,300万円を下ることはない。 (カ) 原告A6原告A6は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,H病院に平成10年7月25日から同月26日まで,I医療センターに同日から同年8月12日まで合計19日間入院するとともに,I医療センターに同月13日から平成11年2月12日までの間のうち5日間通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A6に生じた損害は,以下のとおり,合計376万9943円である。 a 治療費合計5万5653円b 付添看護費 6万6000円原告A6は,入院中の平成10年7月26日から同年8月5日までの11日間にわたり,長女及び次女の付添看護を受けた。その付添看護費用に相当する損害は,6万6000円を下ることはない。 c 交通費合計5100円原告A6は,平成10年9月7日,同月14日,同年10月9日,同年12月11日及び平成11年2月12日の5日間,バスを利用してI医療センターに通院して,急性砒素中毒の治療を受けた。原告A6方からI医療センターまでは,バスで片道510円を要するから,通院交通費に相当する損害額は,合計5100円となる。 d 休業損害 64万3190円原告A6(昭和5年9月25日生)は,平成10年7月当時68歳の主婦であり,平成10年賃金センサスの68歳女性の平均賃金が年296万4200円であること,入院期間(19日間)及び実際に通院した期間(5日間)においては,家事労働をすることができず,それ以外の治療期間内(平成10年7月25日から平成11年2月12日まで212日間のうち上記入通院実日数24日間を控除した184日間)においては,砒素中毒によりその労働能力を30パーセント失っていたことに照らすと,被告の不法行為により原告A6に生じた休業損害は,以下のとおり,64万3190 院実日数24日間を控除した184日間)においては,砒素中毒によりその労働能力を30パーセント失っていたことに照らすと,被告の不法行為により原告A6に生じた休業損害は,以下のとおり,64万3190円となる。 296万4200円÷365日×24日=19万4906円296万4200円÷365日×184日×0.3=44万8284円19万4906円+44万8284円=64万3190円e 入通院慰謝料 300万円原告A6の精神的苦痛に対する慰謝料は,本件の態様及び傷害の程度等を考慮すれば,300万円を下ることはない。 (キ) 第1事件原告A7原告A7は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,H病院に平成10年7月25日から同月26日まで,I医療センターに同日から同年8月6日まで合計13日間入院するとともに,I医療センターに同月13日から平成11年2月12日までの間のうち10日間通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A7に生じた損害は,以下のとおり,合計350万3150円である。 a 治療費合計16万3890円b 交通費合計1万0200円原告A7は,10日間,バスを利用してI医療センターに通院して,急性砒素中毒の治療を受けた。原告A7方からI医療センターまでは,バスで片道510円を要するから,通院交通費に相当する損害額は,合計1万0200円となる。 c 休業損害 32万9060円原告A7は,年間500万4461円の給与所得を得ていたところ,入院期間(14日間)及び実際に通院した期間(10日間)においては,労働をすることができなかったことに照らすと,被告の不法行為により原告A7に生じた休業損害は,32万9060円となる。 d 入通院慰謝料 300万円原告A7の精神的苦痛に対する慰謝料は,本 いては,労働をすることができなかったことに照らすと,被告の不法行為により原告A7に生じた休業損害は,32万9060円となる。 d 入通院慰謝料 300万円原告A7の精神的苦痛に対する慰謝料は,本件の態様及び傷害の程度等を考慮すれば,300万円を下ることはない。 (ク) 第1事件原告A8原告A8は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,H病院に平成10年7月25日から同月26日まで2日間入院するとともに,I医療センターに同月27日から平成11年2月12日までの間のうち13日間通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A8に生じた損害は,以下のとおり,合計357万7971円である。 a 治療費合計2万5125円b 交通費合計1万3260円原告A8は,13日間,バスを利用してI医療センターに通院して,急性砒素中毒の治療を受けた。原告A8方からI医療センターまでは,バスで片道510円を要するから,通院交通費に相当する損害額は,合計1万3260円となる。 c 休業損害 73万9586円原告A8(昭和42年11月25日生)は,平成10年7月当時31歳の主婦であり,平成10年賃金センサスの31歳女性の平均賃金が年378万0800円であること,入院期間(2日間)及び実際に通院した期間(13日間)においては,家事労働をすることができず,それ以外の治療期間内(平成10年7月25日から平成11年2月12日まで212日間のうち上記入通院実日数15日間を控除した日のうち188日間)においては,砒素中毒によりその労働能力を30パーセント失っていたことに照らすと,被告の不法行為により原告A8に生じた休業損害は,以下のとおり,73万9586円となる。 378万0800円÷365日×15日=15万5375円378万08 セント失っていたことに照らすと,被告の不法行為により原告A8に生じた休業損害は,以下のとおり,73万9586円となる。 378万0800円÷365日×15日=15万5375円378万0800円÷365日×188日×0.3=58万4211円15万5375円+58万4211円=73万9586円d 入通院慰謝料 280万円原告A8の精神的苦痛に対する慰謝料は,本件の態様及び傷害の程度等を考慮すれば,280万円を下ることはない。 (ケ) 第1事件原告A9原告A9は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,H病院に平成10年7月25日及び同月26日,I医療センターに同年8月5日から同年11月30日までの間に通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A9に生じた損害は,以下のとおり,合計251万1435円である。 a 治療費合計1万1435円b 通院慰謝料 250万円原告A9の精神的苦痛に対する慰謝料は,本件の態様及び傷害の程度等を考慮すれば,250万円を下ることはない。 (コ) 第1事件原告A10原告A10は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,M病院に平成10年7月25日から同年9月7日までの間通院するとともに,I医療センターに同年7月27日に通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A10に生じた損害は,以下のとおり,合計220万9455円である。 a 治療費合計9455円b 通院慰謝料 220万円原告A10の精神的苦痛に対する慰謝料は,本件の態様及び傷害の程度等を考慮すれば,220万円を下ることはない。 (サ) 第1事件原告A11原告A11は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,M病院に平成10年7月27日から同月30日までの4日間入院す 度等を考慮すれば,220万円を下ることはない。 (サ) 第1事件原告A11原告A11は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,M病院に平成10年7月27日から同月30日までの4日間入院するとともに,M病院に同月25日,26日及び同月31日から同年9月7日までの間に通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A11に生じた損害は,以下のとおり,合計205万5410円である。 a 治療費合計5万5410円b 入通院慰謝料 200万円原告A11の精神的苦痛及び恐怖に対する慰謝料は,同原告が昭和63年生まれで平成10年当時小学生であったことを勘案すると,200万円を下ることはない。 (シ) 第1事件原告A12原告A12は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,N病院に平成10年7月25日から同月28日まで,L病院に同日から同年8月10日まで入院するとともに,L病院に同月17日及び同月24日の2日間通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A12に生じた損害は,以下のとおり,合計205万9990円である。 a 治療費合計5万9990円b 入通院慰謝料 200万円原告A12の精神的苦痛及び恐怖に対する慰謝料は,同原告が昭和60年生まれで平成10年当時中学生であったことを勘案すると,200万円を下ることはない。 (ス) 第1事件原告A13原告A13は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,Nに平成10年7月25日から同月28日まで,L病院に同日から同年8月5日まで入院するとともに,L病院に同月10日,17日及び同月24日の3日間通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A13に生じた損害は,以下のとおり,合計205万6640円である。 a 治療費合計 ,L病院に同月10日,17日及び同月24日の3日間通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A13に生じた損害は,以下のとおり,合計205万6640円である。 a 治療費合計5万6640円b 入通院慰謝料 200万円原告A13の精神的苦痛及び恐怖に対する慰謝料は,同原告が昭和62年生まれで平成10年当時小学生であったことを勘案すると,200万円を下ることはない。 (セ) 第1事件原告A14原告A14は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,N病院に平成10年7月25日から同月28日まで,L病院に同日から同年8月5日まで入院するとともに,L病院に同月10日,17日及び同月24日の3日間通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A14に生じた損害は,以下のとおり,合計205万4280円である。 a 治療費合計5万4280円b 入通院慰謝料 200万円原告A14の精神的苦痛及び恐怖に対する慰謝料は,同原告が平成2年生まれで平成10年当時小学生であったことを勘案すると,200万円を下ることはない。 (ソ) 第1事件原告A15原告A15は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,J病院に平成10年7月25日から同月27日まで3日間入院するとともに,I医療センターに同月29日から同年9月2日までの間のうち7日間,O産婦人科に同年7月28日から平成11年2月16日までの間のうち23日間通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A15に生じた損害は,以下のとおり,合計445万0329円である。 a 治療費合計14万6040円b 休業損害 30万4289円原告A15(昭和44年7月4日生)は,平成10年7月当時29歳の主婦であり,平成10年賃金センサスの29歳女 5万0329円である。 a 治療費合計14万6040円b 休業損害 30万4289円原告A15(昭和44年7月4日生)は,平成10年7月当時29歳の主婦であり,平成10年賃金センサスの29歳女性の平均賃金が年347万0800円であるところ,原告A15は前記入院及び通院により32日間家事労働が不可能であったから,その間の休業損害の額は,30万4289円となる。 c 入通院慰謝料 400万円原告A15は,平成10年7月25日当時妊娠中(5か月)であり,胎児に対する砒素の悪影響をおそれ,妊娠中絶すべきか否かの決断に迫られ苦悩していたのであるから,被告の不法行為による同原告の精神的苦痛に対する慰謝料は,400万円を下ることはない。 (タ) 第1事件原告A16原告A16は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,P病院に平成10年7月25日から同年8月8日まで15日間入院するとともに,L病院に同月10日以降通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A16に生じた損害は,以下のとおり,合計481万5095円である。 a 治療費合計24万0770円b 休業損害 57万4325円原告A16の平成9年度の年間収入額は,210万4267円であったところ,被告の不法行為により入通院を余儀なくされ,平成10年度の年間収入額は,152万9942円と減少した。この差額に相当する57万4325円が,被告の不法行為により原告A16に生じた休業損害というべきである。 c 入通院慰謝料 400万円原告A16の精神的苦痛に対する慰謝料は,本件の態様及び傷害の程度等を考慮すれば,400万円を下ることはない。 (チ) 原告A17原告A17は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,Kに平成10年7月25日から同月26日までの2 件の態様及び傷害の程度等を考慮すれば,400万円を下ることはない。 (チ) 原告A17原告A17は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,Kに平成10年7月25日から同月26日までの2日間,L病院に同月27日から同年8月11日まで16日間入院するとともに,L病院に同月17日以降通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A17に生じた損害は,以下のとおり,合計357万3109円である。 a 治療費合計21万0900円b 休業損害 36万2209円原告A17(昭和25年10月5日生)は,平成10年7月当時48歳の主婦であり,平成10年賃金センサスの48歳女性の平均賃金が年367万2400円であるところ,上記入通院により36日間家事労働ができなかったことからすれば,前記平均賃金の36日間分に相当する36万2209円が,被告の不法行為により原告A17に生じた休業損害に該当するというべきである。 c 入通院慰謝料 300万円原告A17の精神的苦痛に対する慰謝料は,本件の態様及び傷害の程度等を考慮すれば,300万円を下ることはない。 (ツ) 第1事件原告A18原告A18は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,M病院に平成10年7月25日から同月26日までの間,I医療センターに同日から同年8月7日までの間の合計14日間入院するとともに,I医療センターに同月8日から同年9月28日までの間のうち8日間通院し,治療を受けた。 以上によると,被告の不法行為により,原告A18に生じた損害は,以下のとおり,合計391万7666円である。 a 休業損害 31万7666円原告A18の平成9年分の給与所得は374万0261円であるところ,平成10年7月25日に急性砒素中毒に罹患したことにより,同月26日から同年8月2 666円である。 a 休業損害 31万7666円原告A18の平成9年分の給与所得は374万0261円であるところ,平成10年7月25日に急性砒素中毒に罹患したことにより,同月26日から同年8月25日までの31日間(入院実日数14日間及びその後の療養として17日間)欠勤したから,その期間に相当する給与所得の額31万7666円が,被告の不法行為により原告A18に生じた休業損害に該当するというべきである。 b 入通院慰謝料 360万円原告A18の精神的苦痛に対する慰謝料は,本件の態様及び傷害の程度等を考慮すれば,360万円を下ることはない。 (テ) 第1事件原告A19原告A19は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,M病院に平成10年7月25日及び同月26日の2日間,Q病院に同月25日から同年1月29日までの間において,I医療センターに同年8月17日から同年9月28日までの間において通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A19に生じた損害は,以下のとおり,合計413万6754円である。 a 休業損害 53万6754円原告A19(昭和44年11月7日生)は,平成10年7月当時28歳の主婦であり,平成8年賃金センサスの28歳女性の平均賃金が年345万5300円であるところ,前記のとおり,原告A19は,被告の不法行為により,平成10年7月25日から平成11年1月29日までの189日間通院治療を受け,その間主婦として行うべき家事労働が30パーセントできなかったことに照らすと,その期間に相当する53万6754円が休業損害に該当するというべきである。 b 通院慰謝料 360万円原告A19は,平成10年7月25日当時妊娠中であり,胎児に対する砒素の悪影響をおそれ,妊娠中絶すべきか否かの決断に迫られ苦悩していたの 害に該当するというべきである。 b 通院慰謝料 360万円原告A19は,平成10年7月25日当時妊娠中であり,胎児に対する砒素の悪影響をおそれ,妊娠中絶すべきか否かの決断に迫られ苦悩していたのであるから,被告の不法行為による同原告の精神的苦痛に対する慰謝料は,360万円を下ることはない。 (ト) 原告A20原告A20は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,R病院に平成10年7月25日から同月26日まで,L病院に同日から同年8月13日まで合計20日間入院するとともに,L病院に同月14日から同年9月1日までの間に通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A20に生じた損害は,以下のとおり,合計292万2545円である。 a 治療費合計20万9950円b 入院雑費 3万円(1500円×20日)c 休業損害 18万2595円原告A20の平成9年度の年間収入額は,333万2352円であったところ,被告の不法行為により前記のとおり20日間の入院を余儀なくされたから,前記年間収入額のうち20日分に相当する18万2595円が休業損害に該当するというべきである。 d 入通院慰謝料 250万円原告A20の精神的苦痛に対する慰謝料は,本件の態様及び傷害の程度等を考慮すれば,250万円を下ることはない。 (ナ) 第1事件原告A21原告A21は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,L病院に平成10年7月25日から同年8月10日まで17日間入院するとともに,L病院に同月11日から同年11月2日までの間に通院し,治療を受けた。 以上によると,被告の不法行為により,原告A21に生じた損害は,以下のとおり,合計284万1898円である。 a 治療費合計14万4060円b 入院雑費 2万5500円(1500円×17日 けた。 以上によると,被告の不法行為により,原告A21に生じた損害は,以下のとおり,合計284万1898円である。 a 治療費合計14万4060円b 入院雑費 2万5500円(1500円×17日)c 休業損害 17万2338円原告A21(昭和29年9月25日生)は,平成10年7月当時,43歳の主婦であり,平成8年度女性労働者の平均賃金は年370万0200円であるところ,前記のとおり,原告A21は,被告の不法行為により,17日間の入院を余儀なくされ,その間家事労働ができなかったことに照らすと,その期間における平均賃金額に相当する17万2338円が休業損害に相当するというべきである。 d 入通院慰謝料 250万円原告A21の精神的苦痛に対する慰謝料は,本件の態様及び傷害の程度等を考慮すれば,250万円を下ることはない。 (ニ) 第1事件原告A22原告A22は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,N病院に平成10年7月25日から同月26日まで,L病院に同日から同年8月10日まで,合計17日間入院するとともに,L病院に同月11日以降通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A22に生じた損害は,以下のとおり,合計279万9290円であり,原告A22は,このうち252万5500円を請求する。 a 治療費合計27万1790円原告A22は,急性砒素中毒に対する治療費として,N病院に対し,1万6810円,L病院に対し,25万4980円をそれぞれ支払っており,これと同額の損害を被った。 b 入院雑費 2万5500円(1500円×17日)c テレビ賃借料 2000円(平成10年7月30日から同年8月8日まで)d 入通院慰謝料 250万円原告A22の精神的苦痛に対する慰謝料は,入院期間が17日間であ 00円×17日)c テレビ賃借料 2000円(平成10年7月30日から同年8月8日まで)d 入通院慰謝料 250万円原告A22の精神的苦痛に対する慰謝料は,入院期間が17日間であり,その後も通院検査を受けていることに照らすと,250万円を下ることはない。 (ヌ) 第1事件原告A23原告A23は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,J病院に平成10年7月25日から同月27日までの3日間入院するとともに,J病院に同月28日から同年9月28日までの間のうち10日間通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A23に生じた精神的損害に対する慰謝料は,230万円である。 (ネ) 第1事件原告A24原告A24は,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患したため,J病院に平成10年7月25日から同月26日まで,I医療センターに同日から同年8月27日まで合計34日間入院するとともに,I医療センターに同月28日から,S病院に平成11年1月27日からそれぞれ少なくとも平成11年5月20日まで通院し,治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A24に生じた損害は,以下のとおり,合計503万9430円である。 a 休業損害 103万9430円原告A24(昭和44年6月24日生)は,本件訴え提起(平成11年7月23日)当時28歳の主婦であり,平成8年の賃金センサスの29歳の女性平均賃金が年345万5300円であるところ,前記のとおり,原告A24は,被告の不法行為により,24日間の入院を余儀なくされ,その間家事労働ができなかったこと,平成10年7月25日から少なくとも平成11年5月20日までの間の入通院期間310日間のうち前記入院期間を控除した286日間においては,家事労働の労働能力が3 れ,その間家事労働ができなかったこと,平成10年7月25日から少なくとも平成11年5月20日までの間の入通院期間310日間のうち前記入院期間を控除した286日間においては,家事労働の労働能力が30パーセント減少したということができることに照らすと,原告の休業損害は,以下のとおり,合計103万9430円を下ることはないというべきである。 345万5300円÷365日×24日間=22万7198円345万5300円÷365日×286日間×0.3=81万2232円b 入通院慰謝料 400万円原告A24の精神的苦痛に対する慰謝料は,本件の態様及び傷害の程度等を考慮すれば,400万円を下ることはない。 (ノ) 第2事件原告A25原告A25は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,T外科に平成10年7月25日から同年9月21日までの間のうち11日間通院し,治療を受けた。以上によると,原告A25が被告の不法行為により受けた損害は,以下のとおり,合計394万9443円である。 a 治療費 6110円b 休業損害 114万3333円原告A25は有限会社U急便の代表取締役であり,3か月(90日)分の取締役報酬は105万円であるところ,原告A25は,急性砒素中毒に罹患したことにより,平成10年7月26日から同年10月末日まで98日間(休日を含む。)欠勤したのであるから,その期間に相当する114万3333円(=105万円÷90日×98日間)の休業損害を被ったというべきである。 c 通院慰謝料 280万円原告A25が受けた精神的苦痛及び恐怖感に対する慰謝料は,本件の特殊性,傷害の程度に照らすと,280万円を下ることはない。 (ハ) 第2事件原告A26原告A26は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,G病院に平成10年7月25日か 慰謝料は,本件の特殊性,傷害の程度に照らすと,280万円を下ることはない。 (ハ) 第2事件原告A26原告A26は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,G病院に平成10年7月25日から同年8月3日までの10日間入院し,G病院に同月4日から同年9月28日までの間のうち7日間,I医療センターに同年9月30日から同年10月20日までの間のうち2日間通院し(通院実日数合計9日間),治療を受けた。以上によると,原告A26が被告の不法行為により受けた損害は,以下のとおり,合計213万7370円である。 a 治療費合計12万9410円b 交通費合計7960円原告A26方からG病院に通院するには,バス片道260円及び電車片道200円を要し,I医療センターに通院するには,電車片道160円及びバス片道220円を要する。 c 慰謝料 200万円原告A26の精神的苦痛に対する慰謝料は,本件の態様及び傷害の程度等を考慮すれば,200万円を下ることはない。 (ヒ) 第2事件原告A27原告A27(昭和5年3月13日生)は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,J病院に平成10年7月25日から同月27日までの3日間入院し,治療を受けた。以上の事実に,原告A27が平成10年7月当時68歳であり,血液透析のために定期通院中であったことも併せると,被告の不法行為により,原告A27に生じた精神的損害及び死への恐怖に対する慰謝料は,200万円である。 (フ) 第2事件原告A28原告A28は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,P病院に平成10年7月25日から同月26日までの2日間入院し,T外科に同月29日から同年8月11日までの間のうち11日間通院し,治療を受けた。以上によると,原告A28が被告の不法行為により受けた損害は,以下のと 0年7月25日から同月26日までの2日間入院し,T外科に同月29日から同年8月11日までの間のうち11日間通院し,治療を受けた。以上によると,原告A28が被告の不法行為により受けた損害は,以下のとおり,合計202万6540円である。 a 治療費 2万6540円b 入通院慰謝料 200万円原告A28が平成10年7月当時66歳であったことや本件の態様及び傷害の程度等を考慮すれば,被告の不法行為により,原告A28に生じた精神的損害に対する慰謝料は,200万円を下ることはない。 (へ) 第2事件原告A29原告A29は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,V病院に平成10年7月27日から同月30日まで入院し,治療を受けた。以上によると,原告A29が被告の不法行為により受けた損害は,以下のとおり,合計213万7204円である。 a 治療費 4万3916円b 休業損害 4万3288円原告A29の本件以前3か月(90日)分の給与所得は97万3985円であったところ,原告A29は,急性砒素中毒に罹患したことにより,前記のとおり,入院により4日間欠勤したのであるから,その期間に相当する4万3288円(=97万3985円÷90日×4日間)の休業損害を被ったというべきである。 c 入通院慰謝料 205万円原告A29が受けた精神的苦痛及び恐怖感に対する慰謝料は,本件の特殊性,傷害の程度に照らすと,205万円を下ることはない。 (ホ) 第2事件原告A30原告A30は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,I医療センター消化器科に平成10年7月25日から同月29日まで(連日),同年8月2日,同月3日,同月10日,同年9月14日に通院し,またI医療センター神経内科に同年8月26日,同年9月14日に通院し(通院日数合計10日間)治療を受け 25日から同月29日まで(連日),同年8月2日,同月3日,同月10日,同年9月14日に通院し,またI医療センター神経内科に同年8月26日,同年9月14日に通院し(通院日数合計10日間)治療を受けた。以上によると,被告の不法行為により,原告A30に生じた損害は,以下のとおり,合計261万5486円である。 a 治療費合計2万0820円b 休業損害 9万4666円原告A30(昭和44年9月8日生)は,平成10年7月当時28歳の主婦であり,28歳女性の平均賃金が年345万5300円であるところ,原告A30は前記通院により10日間家事労働が不可能であったから,その間の休業損害の額は,9万4666円となる。 c 通院慰謝料 250万円原告A30は,平成10年7月25日当時妊娠中であり,胎児の健康をも思いながら治療を続け,しかも胎児を出産する決意をするに至ったものの,その間の精神的苦痛は想像を絶するものがあったことは明らかであり,被告の不法行為による同原告の精神的苦痛に対する慰謝料は,250万円を下ることはない。 (マ) 第2事件原告A31原告A31は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,I医療センターに平成10年7月25日から同年12月2日までの間に通院し,また,同年7月27日から同年8月4日までの間,I医療センターに入院し,治療を受けた。以上によると,原告A31が被告の不法行為により受けた損害は,以下のとおり,合計261万9356円である。 a 治療費 10万5856円b 入院雑費 1万3500円(1500円×9日間)c 慰謝料 250万円原告A31の精神的苦痛に対する慰謝料は,本件の態様及び傷害の程度等を考慮すれば,250万円を下ることはない。 (ミ) 第2事件原告A33原告A33は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に 250万円原告A31の精神的苦痛に対する慰謝料は,本件の態様及び傷害の程度等を考慮すれば,250万円を下ることはない。 (ミ) 第2事件原告A33原告A33は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,I医療センターに平成10年7月25日から同年10月26日までの間のうち9日間通院し,治療を受けた。以上によると,原告A33が被告の不法行為により受けた損害は,以下のとおり,合計200万2100円である。 a 治療費(文書料) 2100円b 慰謝料 200万円原告A33(平成7年2月23日生)が平成10年7月当時3歳であり,今後の成長において砒素中毒の影響による精神的,肉体的苦痛が筆舌に尽くし難いことに照らすと,被告の不法行為により,原告A33に生じた精神的損害に対する慰謝料は,200万円を下ることはないというべきである。 (ム) 第2事件原告A34原告A34は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,I医療センターに平成10年7月25日から同年10月26日までの間のうち9日間通院し,治療を受けた。以上によると,原告A34が被告の不法行為により受けた損害は,以下のとおり,合計200万2100円である。 a 治療費(文書料) 2100円b 慰謝料 200万円原告A34(平成8年12月9日生)が平成10年7月当時1歳8か月であり,今後の成長において砒素中毒の影響による精神的,肉体的苦痛が筆舌に尽くし難いことに照らすと,被告の不法行為により,原告A34に生じた精神的損害に対する慰謝料は,200万円を下ることはないというべきである。 (メ) 第2事件原告36原告36(平成8年8月10日生)は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,M病院に平成10年7月25日及び同月26日の2日間,I医療センターに平成10年8 (メ) 第2事件原告36原告36(平成8年8月10日生)は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,M病院に平成10年7月25日及び同月26日の2日間,I医療センターに平成10年8月5日から同年9月28日までの間のうち5日間通院し(通院実日数合計7日間),治療を受けた。以上の事実に,原告36が平成10年7月当時1歳11か月であることを併せると,被告の不法行為により,原告36に生じた精神的損害に対する慰謝料は,200万円である。 (モ) 第3事件原告A38原告A38(昭和62年4月29日生)は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,J病院に平成10年7月25日の1日間入院するとともに,Wクリニックに同月26日から同年9月28日までの間のうち10日間通院し,治療を受けたものであり,以上の事実関係に原告A38が平成10年当時小学生であることからすれば,本件カレーを喫食したことによる急性砒素中毒への罹患が死の恐怖を伴うものということができることを併せると,被告の不法行為により,原告A38に生じた精神的損害に対する慰謝料は,200万円である。 ウ平成10年7月25日当時出生していなかった第2事件原告ら(原告A32,同A35及び同A36)について(ア) 平成10年7月25日当時胎児として出生していなかった原告A32,同A35及び同A36は,それぞれの母である原告A30,原告A15及び原告A19が本件カレーを喫食し,砒素中毒に罹患したことにより,母体を通して砒素に曝露し,生まれながらにして砒素中毒に罹患し又はその疑いがあったのであり,今後,砒素の悪影響におびえて検査,治療を受けなければならないことに照らすと,前記イのとおり本件カレーを喫食した第1事件ないし第3事件原告らと同様に,被告の本件カレーに砒素化合物を混入すると であり,今後,砒素の悪影響におびえて検査,治療を受けなければならないことに照らすと,前記イのとおり本件カレーを喫食した第1事件ないし第3事件原告らと同様に,被告の本件カレーに砒素化合物を混入するという不法行為により,精神的苦痛を被ったというべきであり,その精神的損害に対する慰謝料は,各自200万円である。 (イ) 原告A32は,平成11年7月8日,同年8月11日及び同年9月6日,I医療センターを受診し,砒素による影響がないか検査を受けるなどし,同年7月28日には6045円,同年8月11日には31円,同年9月6日には2万5048円をそれぞれ支払ったのであるから,被告の不法行為により,前記(ア)の慰謝料200万円のほか,上記治療費合計3万1124円に相当する損害を受けたというべきである。 (被告の主張)被告が本件カレーに砒素化合物を混入したとの点は否認し,原告らの主張は争う。 B,C及びDの死因並びに第1事件ないし第3事件原告らに砒素中毒に罹患又は母体内で砒素に曝露したとの点は不知。 第3 争点に対する判断 1 争点(1)(被告が本件カレーに砒素化合物を混入したか。)について(1) 前提事実(2)に加えて,証拠(甲共8の1ないし3,9及び10の各1・2,11,甲あ1,3,い2の1・2,4,う1,3,え2,4,お1,4,か1ないし3,き1,2,15,く1,2,13,け1,2,9,こ1,5,さ1,6,し1,2,7,す1,2,せ1,2,そ1の1・2・3の1ないし3,5,た1の1・2,5,ち1の1・2,4,つ1,2,4,て1ないし4,と1,9,な1,7,に1,5,ぬ1,2,ね1ないし4,の1,3,は1,4,ひ2,4,ふ1,2,へ1,2,9,ほ1,4,ま1ないし3,9,み1,む1,め1,も1,や1,ゆ1,2,4,よ1ないし3,ら1ないし4,り1ないし 1,5,ぬ1,2,ね1ないし4,の1,3,は1,4,ひ2,4,ふ1,2,へ1,2,9,ほ1,4,ま1ないし3,9,み1,む1,め1,も1,や1,ゆ1,2,4,よ1ないし3,ら1ないし4,り1ないし4,る1ないし4,原告A39,同A41,同A20,同A6及び同A17各本人)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められ,これに反する証拠はない。 ア(ア) 自治会の会員らのうち主婦の多くは,平成10年7月25日午前8時30分ころから,本件車庫において,4つの鍋をガスコンロ上に設置し,東鍋及び1番西の鍋においてカレーの調理を開始し,その余の2つの鍋において,おでんの調理を開始した。 東鍋で調理されていた本件カレーが,同日午前11時過ぎころ,煮詰まってきたため,調理に参加していた自治会員らは,東鍋が設置されていたガスコンロの火を消し,アルミ箔及びつぶした段ボール箱によって東鍋に蓋をした。 (イ) 自治会の各班長は,夏祭りの開始前において,カレー及びおでんの鍋に子供が近づき,誤って鍋を倒すなどしてやけどをしないよう本件車庫において鍋の見張りをすることを取り決めていた。この取り決めに従い,各班長又はその家族らは,本件車庫において東鍋等の見張りを実施し,自治会1班の班長であったEの妻である被告は,平成10年7月25日午後0時過ぎころから同日午後1時ころまで,本件車庫において東鍋を含む4つの鍋を見張っていた。 イ自治会の夏祭りは,平成10年7月25日午後5時50分ころから,夏祭り会場において開催され,同日午後7時ころ終了した。 原告A6は,夏祭りが開始したころ,本件カレーの味見をした後,原告A28とともに,原告A6,同A28,息子夫婦である原告A7及び同A8並びにBのために本件カレーをかけたカレーライスを準備し,原告A6,同A28,同A7,同A8, ろ,本件カレーの味見をした後,原告A28とともに,原告A6,同A28,息子夫婦である原告A7及び同A8並びにBのために本件カレーをかけたカレーライスを準備し,原告A6,同A28,同A7,同A8,B及び原告A7と同A8の子である原告A9が,本件カレーを喫食した。原告A6は,本件カレーを喫食した直後に吐き気を催したことから,他の自治会員に配膳の担当を交代してもらい,人目に付かない場所で嘔吐した。原告A6は,体調の悪化のため,徒歩で帰宅しようとしたが,その道中歩行困難を来したり,数度にわたり嘔吐したりした。また,原告A9は,夏祭り会場で1回嘔吐し,原告A7及び同A8は,同A9を連れて帰宅したが,その道中でも原告A9は嘔吐し,帰宅後,既に帰宅していた原告A6及び同A9だけでなく,原告A7及び同A8も多数回の嘔吐を繰り返し,原告A6は,意識を喪失するに至った。 そのため,原告A7が,救急車を呼び,原告A6,同A7,同A8及び同A9は,Hに搬送され,点滴投与等の治療を受けた。 他方,原告A28及びBも,本件カレー喫食直後から吐き気を催し,原告A28は嘔吐するなどしたことから,原告A28は,T外科を受診し,同外科からP病院に搬送され,同病院において救急入院し,Bは,T外科を受診し,同外科からG病院に搬送され,同病院に入院して治療を受けた。 原告A6,同A7,同A8,同A9,同A28,Bを除くその余の被害者らも,本件カレーの提供を受け,夏祭り会場ないしその近隣又は自宅若しくは親族方において喫食した直後ないし約3時間後に吐き気,嘔吐などの腹部症状を来たし,医療機関を受診し,原告A9,同A10,同A19,同A25,同A30,同A33,同A34,同36を除く被害者らは,入院して治療を受けることとなった(なお,被害者らの本件カレーの喫食の状況,その後の医療機関 関を受診し,原告A9,同A10,同A19,同A25,同A30,同A33,同A34,同36を除く被害者らは,入院して治療を受けることとなった(なお,被害者らの本件カレーの喫食の状況,その後の医療機関における治療状況の詳細は,後記2のとおりである。)。 ウ(ア) Bは,平成10年7月26日午前3時3分,入院先のG病院において死亡し,Cは,同日午前7時35分,入院先のH病院において死亡し,Dは,同日午前10時16分,入院先のI医療センターにおいて死亡した。 B,C及びDの死後,同人らの血液(正常人の砒素含有量は,血液1グラム当たり0.001ないし0.016マイクログラム,正常人の平均値は血液1グラム当たり0.007マイクログラムであり,砒素中毒による死亡例においては,血液1グラム当たり0.6ないし9.3マイクログラムである。),胃内容物,肝臓組織(正常人の砒素含有量は組織1グラム当たり0ないし0.40マイクログラム,正常人の平均値は組織1グラム当たり0.181マイクログラムであり,砒素中毒による死亡例においては,組織1グラム当たり2.0ないし120マイクログラム)及び左腎臓組織(正常人の砒素含有量は組織1グラム当たり0ないし0.3マイクログラム,正常人の平均値は組織1グラム当たり0.142ミリグラムであり,砒素中毒により死亡例においては,組織1グラム当たり0.2ないし70マイクログラムである。)中の砒素含有量を測定したところ,Bの血液1グラム当たり1.2マイクログラム,同人の胃内容物1グラム当たり109マイクログラム,同人の肝臓組織1グラム当たり20.4マイクログラム,同人の左腎臓組織1グラム当たり8.3マイクログラムの砒素が含有されていること,Cの血液1グラム当たり1.6マイクログラム,同人の胃内容物1グラム当たり36.6マイクログラム, .4マイクログラム,同人の左腎臓組織1グラム当たり8.3マイクログラムの砒素が含有されていること,Cの血液1グラム当たり1.6マイクログラム,同人の胃内容物1グラム当たり36.6マイクログラム,同人の肝臓組織1グラム当たり14.6マイクログラム,同人の左腎臓組織1グラム当たり6.0マイクログラムの砒素が含有されていること,Dの血液1グラム当たり1.1マイクログラム,同人の胃内容物1グラム当たり0.6マイクログラム,同人の肝臓組織1グラム当たり12.7マイクログラム,同人の左腎臓組織1グラム当たり5.6マイクログラムの砒素が含有されていることが判明した。 (イ) B,C及びDを除く被害者らのうち,原告A2,同A8,同A9,同A15,同A16,同A25,同A28,同A29,同A30,同A31,同A33,同A34及び同36は,診察を受けた医療機関における尿検査の結果,いずれも急性砒素中毒であると診断され,その余の者らについても,診察を受けた医療機関において,いずれも急性砒素中毒であると診断された。 エ(ア) 警察庁技官らが,科学警察研究所において,平成10年7月29日から同年9月30日までの間に実施した鑑定において,東鍋において調理された本件カレーに砒素化合物である三酸化二砒素(いわゆる亜砒酸,以下「亜砒酸」という。)が検出され,同年8月6日から同年10月20日までの間に実施した鑑定において,夏祭り会場にあったゴミ袋から発見された青色紙コップ(以下「本件紙コップ」という。)に付着していた物質が,亜砒酸であることが判明し,同年10月13日から同年12月25日までの間に実施された鑑定において,原告A1の夫で,原告A2の父であるXが任意提出した,同人宅において,原告D,同A2が喫食したカレー及び本件カレーから砒素が検出された。 (イ) Y1東京 月25日までの間に実施された鑑定において,原告A1の夫で,原告A2の父であるXが任意提出した,同人宅において,原告D,同A2が喫食したカレー及び本件カレーから砒素が検出された。 (イ) Y1東京理科大学教授が,平成11年7月23日付けで,刑事事件の捜査過程において平成10年12月9日被告の右側頭前部から採取された頭髪の鑑定を行ったところ,頭髪は1か月当たり約12ミリメートル伸びるとされるところ,砒素が切断面(毛根から切断面までの長さは不明である。)から50ないし53ミリメートルのところに局在していた。 同教授が,平成12年3月28日付けで,毛髪に付着した砒素が長期間残存する可能性があるかについて鑑定を行ったところ,一度毛髪に付着した砒素は,ほぼ毎日洗髪をしても,少なくとも5か月間にわたり残存することが確認された。 (ウ) 兵庫県警察技術吏員が,同県警察本部刑事部科学捜査研究所において,平成13年9月26日付けで,被告を被告人とする本件に関する刑事被告事件において実施した鑑定の結果,本件カレーから抽出されたX線高吸収性結晶性物質,本件紙コップに付着していた結晶性物質及び被告方台所から押収されたプラスチック製容器(「白アリ薬剤」と記載されたもの,以下「被告方容器」という。)に付着していた結晶性物質は,いずれも亜砒酸であることが判明した。 (エ) Y2大阪電気通信大学工学部教授及びY3広島大学大学院工学研究科助教授が,平成13年8月1日から同年11月22日までの間に,被告を被告人とする本件に関する刑事被告事件における鑑定において,被告及びEが被告の実兄に預けた亜砒酸(入れられていた容器に応じて4種類存在した。以下,一括して「実兄方亜砒酸」という。),被告及びEが被告肩書住居地に居住する前に居住していた建物に居住する者が同建物内において所 の実兄に預けた亜砒酸(入れられていた容器に応じて4種類存在した。以下,一括して「実兄方亜砒酸」という。),被告及びEが被告肩書住居地に居住する前に居住していた建物に居住する者が同建物内において所持していた亜砒酸(以下「被告前住居の亜砒酸」という。),被告方容器に付着していた亜砒酸,本件紙コップに付着していた亜砒酸,本件カレー中で結晶化した亜砒酸の異同識別をした結果,不純物の含有状況等からみて,実兄方亜砒酸の4種類,被告前住居の亜砒酸及び本件紙コップに付着していた亜砒酸は製造段階において同一である同種のものであり(以下,一括して「同種亜砒酸」ともいう。),これらと本件カレー中で結晶化していた亜砒酸とは,類似すると判断することができ,同種亜砒酸と被告方容器に付着していた亜砒酸とは,被告方容器に付着していた亜砒酸がごく少量であるため,断定はできないものの,同種亜砒酸と同種である可能性があるとされた。 (2)ア前記(1)ウ(ア),(イ)認定のとおり,被害者らのうち死亡したB,C及びDの血液,肝臓組織及び左腎臓組織から正常人の平均値のみならず正常人の上限値及び砒素中毒による死亡例の下限を超える量の砒素が検出されるとともに,B及びCの胃の内容物から自然に存在する食物を摂取しただけとは考えられない量の砒素が検出されたこと(甲ら及びりの各4),原告A2,同A8,同A9,同A15,同A16,同A25,同A28,同A29,同A30,同A31,同A33,同A34及び同36が,尿検査の結果,いずれも急性砒素中毒であると診断されたこと,その他の被害者らも,診療を受けた各医療機関において,急性砒素中毒であると診断されたことに照らすと,被害者ら全員が急性砒素中毒に罹患したものと推認される。 そして,前記(1)イ,エ(ア),(ウ)認定のとおり,被害者らが,いずれ けた各医療機関において,急性砒素中毒であると診断されたことに照らすと,被害者ら全員が急性砒素中毒に罹患したものと推認される。 そして,前記(1)イ,エ(ア),(ウ)認定のとおり,被害者らが,いずれも本件カレー喫食の直後から約3時間後までの間に,吐き気,嘔吐といった腹部症状等を発症し,医療機関を受診していること,東鍋に入っていた本件カレー並びに原告A1及び同A2が持ち帰ったカレーライスから砒素が検出され,本件カレーから抽出されたX線高吸収性結晶性物質が砒素の化合物である亜砒酸であったことからすれば,被害者らが急性砒素中毒に罹患した原因は,被害者らが,砒素化合物である亜砒酸の混入された本件カレーを喫食したからであると推認される。 イ砒素は,毒物及び劇物取締法2条,別表第1の21号により,砒素の化合物も原則として,同別表の28号,毒物及び劇物指定令1条23号により,毒物に指定され,その製造,販売,授与等が規制されている結果,砒素及びその化合物である亜砒酸は一般家庭の日常生活で通常手にすることはなく,ましてカレーの通常の調理過程で砒素が混入されることはあり得ないこと,前記(1)エ(ア),(ウ),(エ)認定のとおり,夏祭り会場にあったゴミ袋から発見された本件紙コップに亜砒酸の結晶が付着していたこと,本件カレー中で結晶化していた亜砒酸と本件紙コップに付着していた亜砒酸とが類似すると判断できることに照らすと,何者かが,本件紙コップ内に入っていた亜砒酸を本件カレーに混入したと推認され,これに反する証拠はない。 ウ前記(1)ア(ア),(イ)認定のとおり,本件カレーの調理に当たっては,自治会の会員らのうち主婦の多くが関与していること,自治会の各班長が夏祭りの開始前において,カレー及びおでんの鍋に子供が近づき,誤って鍋を倒すなどしてやけどをしないよう 件カレーの調理に当たっては,自治会の会員らのうち主婦の多くが関与していること,自治会の各班長が夏祭りの開始前において,カレー及びおでんの鍋に子供が近づき,誤って鍋を倒すなどしてやけどをしないよう本件車庫において鍋の見張りをすることを取り決め,この取り決めに従い班長ないしその家族による見張りが行われていたことに照らすと,本件カレーの調理ないし見張りに関与した者以外の者が,本件カレーに亜砒酸を混入することができたとは考え難く,本件カレーの調理ないし見張りに関与した者が,本件カレーに亜砒酸を混入したと推認され,これに反する証拠はない。 エ前記(1)エ(イ),(ウ),(エ)認定のとおり,被告方台所から亜砒酸の付着した被告方容器が押収されたこと,本件紙コップに付着していた亜砒酸と被告及びEが被告の実兄に預けた実兄方亜砒酸の4種類及び被告前住居の亜砒酸とが同種であり,これら同種亜砒酸と被告方容器に付着していた亜砒酸とが同種である可能性がある(矛盾しない。)ことに照らすと,被告ないしその家族は,本件カレーに混入された亜砒酸と同種の亜砒酸を入手することが可能であったか現に入手していたということができ,また,毛髪に付着した亜砒酸中の砒素は,少なくとも5か月間にわたり残存するところ,被告の頭髪に平成10年12月9日の時点において,切断面から50ミリメートルないし53ミリメートルの位置に砒素が付着していたことからすれば,被告が,以前,何らかの形で亜砒酸等の砒素化合物を使用したと推認される上,同日から137日(約4か月半)前の時点において砒素化合物を使用していたとしても矛盾はなく,さらに,前記(1)ア(イ)認定のとおり,被告は,平成10年7月25日午後0時過ぎころから同日午後1時ころまで,本件車庫において東鍋を含む4つの鍋を見張っており,本件カレーに亜 としても矛盾はなく,さらに,前記(1)ア(イ)認定のとおり,被告は,平成10年7月25日午後0時過ぎころから同日午後1時ころまで,本件車庫において東鍋を含む4つの鍋を見張っており,本件カレーに亜砒酸を混入する機会があったということができる。他方,前記イ説示のとおり,砒素及びその化合物が毒物として製造,販売,授与が規制され,砒素の化合物である亜砒酸が一般家庭の日常生活において通常で手にすることがないことに加え,本件カレーの調理ないし見張りに関与した者(自治会員らのうちの主婦の多く及び各班長又はその家族)のうち,被告以外に砒素ないし亜砒酸を所持していたり,使用していた者がいたと認めるに足りる証拠はないことに照らすと,本件紙コップを使用して,本件カレーに亜砒酸を混入したのは,被告であると推認され,これを覆すに足りる証拠はない。 以上によれば,被告が,本件カレーに亜砒酸を混入したと認めることができる。 (3) そして,前記(1)ア(ア),(イ),(2)イ,エ認定の事実及び説示のとおり,被告が本件カレーの調理中にではなく,ガスコンロが消火され,アルミ箔及び段ボール箱で蓋がされている東鍋を見張っている平成10年7月25日午後0時過ぎころから同日午後1時ころまでの間に,その蓋を開けて本件紙コップを経由して本件カレーに亜砒酸を混入していることからすれば,被告が,過失によって亜砒酸を本件カレーに混入したとは到底考えられず,本件カレーを喫食するであろう不特定多数の者に対する加害の故意をもって,これを混入したことは明らかであるといわざるを得ない。 2 争点(2)(原告らの損害)について(1) 第4事件原告ら(原告A39,同A40及び同A41)の損害についてア原告A39前提事実(1),(2),前記1(1)イ,ウ(ア)認定の事実,証拠(甲ら1,3,4,原 原告らの損害)について(1) 第4事件原告ら(原告A39,同A40及び同A41)の損害についてア原告A39前提事実(1),(2),前記1(1)イ,ウ(ア)認定の事実,証拠(甲ら1,3,4,原告A39本人)及び弁論の全趣旨によれば,B(昭和8年12月16日生)は,昭和41年9月26日,原告A39と婚姻し,平成10年当時成年に達した子が2人いたこと,平成10年7月当時,健康状態に特に問題はなかったこと,同月25日午後6時ころ,本件カレーを喫食し,その直後から吐き気及び倦怠感等の症状を訴え,T外科を受診した後,同日午後9時ころ,G病院に,救急車で搬送され,同病院に入院して治療を受けたが,症状が改善することなく,同月26日午前3時3分,急性砒素中毒により死亡したことが認められる。 以上のとおり,平成10年7月当時64歳で健康状態に特に問題がなかったBが,亜砒酸の混入された本件カレーを喫食した直後から急性砒素中毒に罹患し,吐き気等の症状を呈し,それが改善することなく,苦悶の末に死亡するに至ったことに照らすと,Bが,被告が本件カレーに亜砒酸を混入した不法行為(以下「本件不法行為」という。)により,筆舌に尽くし難い精神的苦痛を被ったことは明らかであり,これらの事情を考慮すると,Bの受けた精神的苦痛を慰謝するに足りる慰謝料の額は,3000万円を下ることはないというべきである。そして,原告A39は,Bの被告に対する不法行為に基づく損害賠償請求権のうち,法定相続分(2分の1)にしたがい,1500万円の慰謝料請求権を相続により,取得したというべきである。 また,約32年にわたり婚姻生活を営んできた夫であるBを,被告の本件不法行為により突然失った原告A39自身の精神的苦痛もまた甚大であったことは明らかであり,被告の本件不法行為により生じたBの死に伴う原告 ,約32年にわたり婚姻生活を営んできた夫であるBを,被告の本件不法行為により突然失った原告A39自身の精神的苦痛もまた甚大であったことは明らかであり,被告の本件不法行為により生じたBの死に伴う原告A39固有の精神的損害に対する慰謝料の額は,1000万円を下ることはないというべきである。 以上によれば,被告は,原告A39に対し,不法行為に基づき,慰謝料合計2500万円の損害賠償義務を負うべきであるところ,原告A39は,被告に対し,そのうち1000万円の支払を求めているから,被告は,原告A39に対して,この金額である別表の原告A39に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 イ原告A40前提事実(1),(2),前記1(1)ウ(ア)認定の事実,証拠(甲り1,3,4)及び弁論の全趣旨によれば,C(昭和19年8月12日生)は,昭和50年11月7日,原告A40と婚姻し,平成10年当時成年に達した子が2人いたこと,同年7月25日,被告が亜砒酸を混入した本件カレーを喫食した後から急性砒素中毒により,吐き気,心窩部の痛み等の症状を発症し,同日午後7時50分ころ,子の付添でH病院に入院し,入院後も嘔吐,吐き気,悪寒,下痢,腹痛,全身倦怠感といった症状が軽減することなく,同月26日午前7時35分,急性砒素中毒により死亡したことが認められ,その一方で,Cの健康状態に特段の問題があったことは窺われない。 以上のとおり,平成10年7月当時53歳で,健康状態に特に問題があったとは窺われないCが,亜砒酸の混入された本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患し,吐き気,嘔吐,悪寒,下痢,腹痛,全身倦怠感等の症状に苦しみ,死亡するに至ったことに照らすと,Cが,被告の本件不法行為により,筆舌に尽くし難い精神的苦痛を被ったことは明らかであり,これらの事情を し,吐き気,嘔吐,悪寒,下痢,腹痛,全身倦怠感等の症状に苦しみ,死亡するに至ったことに照らすと,Cが,被告の本件不法行為により,筆舌に尽くし難い精神的苦痛を被ったことは明らかであり,これらの事情を考慮すると,Cの前記苦痛を慰謝するに足りる慰謝料の額は,3000万円を下ることはないというべきである。そして,原告A40は,Cの被告に対する不法行為に基づく損害賠償請求権のうち,法定相続分(2分の1)にしたがい,1500万円の慰謝料請求権を相続により取得したというべきである。 また,22年以上にわたり婚姻生活を営んできた夫であるCを,被告の本件不法行為により突然失った原告A40自身の精神的苦痛もまた甚大であったことは明らかであり,被告の本件不法行為により生じたCの死に伴う原告A40固有の精神的損害に対する慰謝料の額は,1000万円を下ることはないというべきである。 以上によれば,被告は,原告A40に対し,不法行為に基づき,慰謝料合計2500万円の損害賠償義務を負うべきであるところ,原告A40は,被告に対し,そのうち1000万円の支払を求めているから,被告は,原告A40に対して,この金額である別表の原告A40に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 ウ原告A41前提事実(1),(2),前記1(1)ウ(ア)認定の事実,証拠(甲る1,3,4,原告A41本人)及び弁論の全趣旨によれば,D(昭和57年7月1日生)は,原告A41及び父であるA42の子として出生し,平成10年当時,高校1年在学中で,健康状態に特に問題はなかったこと,同年7月25日午後6時40分ころ,本件カレーを喫食した約1時間後から嘔吐や吐き気の症状を発症し,同日午後7時47分ころ,I医療センターに救急車で搬送され,入院したが,入院後も嘔吐,下痢が改善せず,血圧低下 5日午後6時40分ころ,本件カレーを喫食した約1時間後から嘔吐や吐き気の症状を発症し,同日午後7時47分ころ,I医療センターに救急車で搬送され,入院したが,入院後も嘔吐,下痢が改善せず,血圧低下,呼吸困難等を呈した後,同月26日午前10時16分,急性砒素中毒により死亡したことが認められる。 以上のとおり,平成10年当時16歳と若年で健康状態に特に問題のなかったDが,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患し,腹部症状,血圧低下,呼吸困難等を発症し,前途ある人生を絶たれるに至ったことからすれば,Dが,被告の本件不法行為により,想像を絶するに余りある精神的苦痛を被ったことは明らかであり,これらの事情を考慮すると,Dの前記苦痛を慰謝するに足りる慰謝料の額は,3000万円を下ることはないというべきである。そして,原告A41は,Dの被告に対する不法行為に基づく損害賠償請求権のうち,法定相続分(2分の1)にしたがい,1500万円の慰謝料請求権を相続により取得したというべきである。 また,最愛の子を突然失った原告A41自身の精神的苦痛もまた筆舌に尽くし難いものであったことは明らかであり,被告の本件不法行為により生じたDの死に伴う原告A41固有の精神的損害に対する慰謝料の額は,1000万円を下ることはないというべきである。 以上によれば,被告は,原告A41に対し,不法行為に基づき,慰謝料合計2500万円の損害賠償義務を負うべきであるところ,原告A41は,被告に対し,そのうち1000万円の支払を求めているから,被告は,原告A41に対して,この金額である別表の原告A41に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (2) 原告A32,同A35及び同A37を除く第1事件ないし第3事件原告ら(被害者らのうち生存している者ら)の損害についてア A41に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (2) 原告A32,同A35及び同A37を除く第1事件ないし第3事件原告ら(被害者らのうち生存している者ら)の損害についてア原告A1証拠(甲あ1,2の1ないし8,3,い1)及び弁論の全趣旨によれば,原告A1(昭和31年12月24日生)は,平成10年当時,夫,子2人と同居して生活している主婦で,家事労働に従事していたこと,平成10年7月25日午後6時過ぎころ,自宅において,本件カレーを喫食し,その後間もなく,嘔吐,腹痛,微熱,四肢のしびれといった症状を呈したことから,同日,T外科を受診し,同日中に同外科からJ病院に搬送され,同日から同月28日までの4日間,同病院に入院し,同月29日から同年8月4日までの7日間,同病院に再度入院し,再度退院した後も倦怠感が継続していたことから,同月10日,同月17日,同月24日,同月31日及び同年9月28日の5日間,同病院に通院して治療を受けたこと,同病院に対し,治療費として,同年7月28日に1万9600円,同年8月4日に合計3万2040円,同月10日に2280円,同月17日に1340円,同月24日に7690円,同月31日に1280円,同年9月28日に1040円をそれぞれ支払ったこと(支払額合計6万5270円)が認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A1に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計274万9672円である。そして,原告A1は,このうちの274万5074円の支払を被告に求めているから,被告は,原告A1に対して,この金額である別表の原告A1に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 6万5270円(イ) 休業損害 28万4402円原告A1は,平成10年7 1に対して,この金額である別表の原告A1に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 6万5270円(イ) 休業損害 28万4402円原告A1は,平成10年7月25日当時,42歳の主婦であったところ,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,11日間の入院加療を余儀なくされ,その間,家事労働を行うことができなかったということができる(なお,原告A1は,実際に通院した日についても,家事労働ができなかった主張するが,これを裏付けるに足りる客観的な資料はないので,にわかに採用することはできない。)。また,原告A1がJ病院を退院した日の翌日である同年8月5日から最後の通院治療の日である同年9月28日までの55日間については,急性砒素中毒の影響により倦怠感等を呈していたことにかんがみると,その家事労働能力が30パーセント喪失していたとみるのが相当である。これに,当裁判所に明らかな平成10年賃金センサス(産業計・企業規模計・学歴計)において,40歳ないし44歳の女性労働者の平均賃金が年377万4800円であることを併せると,原告A1の急性砒素中毒に対する治療期間中の休業損害は,以下の計算のとおり,28万4402円とみるのが相当である。 377万4800円÷365日×11日=11万3761円(円未満切り捨て,以下同様)377万4800円÷365日×55日×0.3=17万0641円11万3761円+17万0641円=28万4402円(ウ) 慰謝料 240万円原告A1が,平成10年7月25日,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,11日間の入院治療を余儀なくされるとともに,その後も同年9月28日までの2か月強にわたる期間において,5日間にわたる通院治療を要し,その間も倦怠感 レーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,11日間の入院治療を余儀なくされるとともに,その後も同年9月28日までの2か月強にわたる期間において,5日間にわたる通院治療を要し,その間も倦怠感を呈していたことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A1が受けた精神的苦痛は,甚大であったということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,240万円とみるのが相当である。 イ原告A2証拠(甲い1,2の1・2,3の1ないし12,4)及び弁論の全趣旨によれば,原告A2(昭和56年5月26日生)は,平成10年当時,高校2年在学中であったところ,同年7月25日午後6時ころ,自宅において,本件カレーを喫食した後間もなく,嘔吐,腹痛,下痢といった症状を呈し,同日,T外科から救急車でG病院に搬送され,同日から同年8月1日までの8日間,同病院に入院し,退院後も同月6日までの間に2度,同病院に通院して治療を受け,同月10日から同年9月28日までの間のうち6日間にわたり,J病院に通院して治療を受けたこと,G病院に対し,治療費として,同年8月1日に合計7万9828円,同月3日に合計3940円,同月6日に680円,同月8日に660円,同月24日に5250円(文書料)を支払い,J病院に対し,治療費として,同月10日に4220円,同月17日に1870円,同月24日に1870円,同月31日に480円,同年9月28日に3910円を支払ったこと(支払額合計10万2708円)が認められる。 以上によると,被告が本件カレーに亜砒酸を混入した不法行為により,原告A2に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計230万2708円で,原告A2は,被告に対し,この金額の支払を求めているから,被告は,原告A2に対して,この金額である別表の原告A2に該 告A2に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計230万2708円で,原告A2は,被告に対し,この金額の支払を求めているから,被告は,原告A2に対して,この金額である別表の原告A2に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 10万2708円(イ) 慰謝料 220万円原告A2は,平成10年7月25日当時,17歳と若く,特に健康状態に問題があるとも窺われなかったにもかかわらず,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,8日間の入院加療を余儀なくされ,また,本件カレーを喫食してから同年9月28日までの2か月強の間に,8日間にわたり通院治療を要したことなど諸般の事情に照らすと,被告が本件カレーに亜砒酸を混入した不法行為により,原告A2が受けた精神的苦痛は,相当なものであったということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,220万円を下ることはないというべきである。 ウ原告A3証拠(甲う1,2の1ないし31,3,え1,4)及び弁論の全趣旨によれば,原告A3(昭和22年9月9日生)は,平成10年7月25日午後6時ころ,自宅で,子(原告A4)と本件カレーを喫食し,間もなく,悪心,嘔吐等の症状を呈したことから,T外科を受診し,同外科で点滴の投与を受けたが,症状が改善せず,救急車でG病院に搬送され,同日から同年8月21日までの28日間,同病院に入院して治療を受け,同病院を退院した後も四肢の痛みが継続したことから,同病院(同年8月24日,同月28日,同月31日,同年9月7日,同月28日),及びI医療センター(同年9月2日,同月3日,同月9日,同月16日,同月18日,同月30日,同年10月6日,同月9日)に通院して治療を受けていたが,症状が改善しなかったため,同年10月10 日),及びI医療センター(同年9月2日,同月3日,同月9日,同月16日,同月18日,同月30日,同年10月6日,同月9日)に通院して治療を受けていたが,症状が改善しなかったため,同年10月10日から同年11月26日までの48日間,G病院に再度入院して治療を受けたこと,同病院入院中も,同年10月12日,同月19日,同年11月2日,同月16日にI医療センターに通院して治療を受け,G病院から退院した後の同年12月11日,同月25日,同病院にて通院治療を受けたこと,G病院に対し,入院治療費として,同年8月5日には13万7204円,同月18日には12万2078円,同月24日には3万7961円,同年11月9日には合計20万8720円,同月18日には19万5030円,同月26日には14万9110円(入院治療費支払合計85万0103円),通院治療費として,同年8月24日には1660円,同月28日には470円,同月31日には870円,同年9月7日には合計7060円,同月28日には200円,同年12月11日には740円,同月25日には710円(通院治療費支払合計1万1710円)を支払い,I医療センターに対し,通院治療費として,同年9月2日には1万0980円,同月3日には合計1100円,同月9日には1150円,同月16日には合計2120円,同月18日には1270円,同月30日には3850円,同年10月6日には2830円,同月9日には960円,同月12日には合計2740円,同月19日には合計3430円,同年11月2日には2570円,同月16日には9820円を支払ったこと(I医療センターへの支払額合計4万2820円,支払総合計90万4633円)が認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A3に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は, ったこと(I医療センターへの支払額合計4万2820円,支払総合計90万4633円)が認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A3に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計430万4633円で,原告A3は,被告に対し,この金額の支払を求めているから,被告は,原告A3に対して,この金額である別表の原告A3に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 90万4633円(イ) 入通院慰謝料 340万円原告A3は,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,合計76日間にのぼる長期の入院を余儀なくされ,そのほかにも,平成10年12月25日までの間に,合計19日間にわたり,医療機関に通院して治療を受けることを必要としたなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A3が受けた精神的苦痛及び恐怖感は甚大なものであったことは明らかであり,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,340万円を下ることはないというべきである。 エ原告A4証拠(甲う3,え1,2,3の1ないし10,4)及び弁論の全趣旨によれば,原告A4(昭和55年8月22日生)は,平成10年7月当時,高校3年在学中であったところ,同月25日午後6時ころ,自宅において,父(原告A3)とともに,本件カレーを喫食し,その後間もなく,嘔吐,呼吸困難等の症状を呈し,T外科で点滴投与を受けた上,同日,G病院に搬送され,同日から同年8月17日までの24日間,同病院に入院して治療を受け,退院後も四肢のしびれが継続したことから,同月24日,同年9月7日,同月28日,同年10月26日の4回にわたり,同病院に通院し治療を受け,同年9月9日及び同月30日の2回にわたり,I医療センターに通院し治療を受けたこと,G病院に対し,入 ,同月24日,同年9月7日,同月28日,同年10月26日の4回にわたり,同病院に通院し治療を受け,同年9月9日及び同月30日の2回にわたり,I医療センターに通院し治療を受けたこと,G病院に対し,入院治療費として,同年8月5日には12万9266円,同月17日には14万6929円を(支払額合計27万6195円),通院治療費として,同月24日には合計2620円,同年9月7日には合計4920円,同月28日には770円,同年10月26日には3400円を(支払額合計1万1710円),I医療センターに対し,治療費として,同年9月10日に7580円,同月30日に2740円を支払ったこと(同センターへの支払額合計1万0320円,支払額総合計29万8225円)が認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A4に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計279万8225円で,原告A4は,被告に対し,この金額の支払を求めているから,被告は,原告A4に対して,この金額である別表の原告A4に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 29万8225円(イ) 入通院慰謝料 250万円原告A4は,平成10年7月当時,17歳と若く,健康状態に特に問題があったとも窺われない状況であったにもかかわらず,同月25日,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,24日間の長期にわたる入院治療を余儀なくされ,また,退院後も,同年10月26日までの間に,6回にわたり通院治療を要したなど諸般の事情に照らすと,被告が本件カレーに亜砒酸を混入した不法行為により,原告A4が相当な精神的苦痛を受けたことは明らかであり,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,250万円を下ることはないというべきである。 オ原告A5証 件カレーに亜砒酸を混入した不法行為により,原告A4が相当な精神的苦痛を受けたことは明らかであり,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,250万円を下ることはないというべきである。 オ原告A5証拠(甲お1,2の1の1ないし6,2の2の1・2,3ないし5)によれば,原告A5(昭和21年4月20日生)は,平成10年7月25日,夏祭り会場において,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患し,同日から同月28日までK病院に入院し治療を受け,その後,同年8月3日,同月10日,同月17日,同月24日の4回にわたり,同病院に通院し治療を受け,同月25日及び同年12月10日の2回にわたり,L病院に通院して検査を受けたこと,K病院に対し,治療費として,同年8月3日には5070円,同月10日には810円,同月17日には1920円,同月24日には通院治療費1120円及び入院治療費2万7510円を,同病院に対し,文書料として,平成11年6月29日,2100円を,L病院に対し,治療費として,平成10年8月25日には1640円を,同年12月12日には1800円を支払ったこと(支払総額4万1970円),K病院及びL病院への通院に際しては,自家用車を使用したこと,前記入通院及び療養のため,同年7月27日から同年8月25日までの間の19日間,勤務先を欠勤したこと,勤務先から給与を支給され,平成10年5月分(稼働日数30日),同年6月分(同31日),同年7月分(同30日)として各22万9501円(合計68万8503円,社会保険料及び所得税を控除したもの)を受領していたことが認められる。 以上によると,被告が本件カレーに亜砒酸を混入した不法行為により,原告A5に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計178万5723円である。よって,被告は,原告A5に対して,こ れる。 以上によると,被告が本件カレーに亜砒酸を混入した不法行為により,原告A5に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計178万5723円である。よって,被告は,原告A5に対して,この金額である別表の原告A5に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費(文書料を含む。) 4万1970円(イ) 交通費原告A5は,K及びL病院への通院に当たり,バス及び電車を利用したことを前提に,バス及び電車の往復運賃に相当する合計8400円の損害を受けたと主張するが,前記認定のとおり,原告A5は,自家用車で通院したのであるから,バス及び電車の運賃に相当する通院交通費相当の損害を受けたとは認められず,他に,原告A5が通院交通費に相当する損害を受けたことを認めるに足りる証拠はない。 (ウ) 休業損害  14万3753円原告A5は,91日分の給与として,合計68万8503円を受領していたところ,本件カレーを喫食したことにより,19日間にわたり,勤務先を欠勤したから,その休業損害は,14万3753円(=68万8503円÷91日×19日)とするのが相当である。 (エ) 慰謝料  160万円原告A5が,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,4日間の入院加療を余儀なくされ,その後も,平成10年12月10日までの間に合計6日間にわたり,医療機関を受診し,検査,治療を受ける必要があったことなど諸般の事情に照らすと,被告が本件カレーに亜砒酸を混入した不法行為により,原告A5が相当な精神的苦痛を受けたことは明らかであり,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,160万円を下ることはないというべきである。 カ原告A6前記1(1)イ認定の事実,証拠(甲か1ないし3,5ないし8の各1・2,9ないし13,け3,原告A6 ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,160万円を下ることはないというべきである。 カ原告A6前記1(1)イ認定の事実,証拠(甲か1ないし3,5ないし8の各1・2,9ないし13,け3,原告A6本人)及び弁論の全趣旨によれば,原告A6(昭和5年9月25日生)は,子の原告A7,同原告の妻の原告A8,原告A7と同A8の子(原告A6の孫)の原告A9と同居し,原告A8と家事労働を分担して行い,日常の家事を原告A6が4割程度,同A8が6割程度行っていたこと,平成10年7月25日午後5時50分ころ,夏祭り会場で,本件カレーを喫食し,その直後から嘔吐,意識障害等の症状を呈したことから,救急車でH病院に搬送され,同日から同月26日まで,同病院に入院し治療を受け,同日,同病院からI医療センターに転送され,同日から同年8月12日までの18日間同センターに入院して治療を受け,同センター退院後も,胃痛,下肢のしびれが継続し,頻回の嘔吐により喉の炎症も呈したことから,バス(運賃片道510円)を利用して,同年9月7日(神経内科及び内科),同月14日(内科及び耳鼻咽喉科),同年10月9日(神経内科),同年12月11日(神経内科)及び平成11年2月12日(神経内科)の5回にわたり,同センターに通院して治療を受けたこと,I医療センター入院中の平成10年7月26日から同年8月5日までの11日間,子2名の付添を受けたこと,H病院に対し,治療費として,平成10年8月7日には5780円,同月25日には5250円を支払い(支払額合計1万1030円),I医療センターに対し,治療費として,同月6日には1万1005円,同月12日には合計2万5627円,同月19日には500円,同月22日には4200円,同月24日には500円,同年9月7日には合計500円,同月14日には791円,同年 ,同月6日には1万1005円,同月12日には合計2万5627円,同月19日には500円,同月22日には4200円,同月24日には500円,同年9月7日には合計500円,同月14日には791円,同年10月9日には500円,同年12月11日には500円,平成11年2月12日には500円を支払ったこと(同センターへの支払額合計4万4623円,支払額総合計5万5653円)が認められる。 以上によると,被告が本件カレーに亜砒酸を混入した不法行為により,原告A6に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計236万9836円である。よって,被告は,原告A6に対して,この金額である別表の原告A6に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 5万5653円(イ) 付添看護費  6万6000円原告A6は,I医療センター入院中の平成10年7月26日から同年8月5日までの11日間,子2名の付添を受けたから,その付添看護費用に相当する6万6000円(=1日当たり6000円×11日)と同等の損害を受けたとみるのが相当である。 (ウ) 交通費 5100円(=運賃510円×通院5日×2)(エ) 休業損害  24万3083円原告A6は,平成10年7月当時,67歳の主婦であり,原告A8と家事を分担して,4割程度の家事を行っていたところ,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患し,同月25日から同年8月12日までの19日間にわたり入院治療を受け,その間,家事労働をすることができなかったということができる(なお,原告A6は,通院治療を受けた日においても,家事労働ができなかったと主張するが,これを裏付けるに足りる客観的な資料はないので,にわかに採用することはできない。)。また,原告A6がI医療センターを退院した日の ,通院治療を受けた日においても,家事労働ができなかったと主張するが,これを裏付けるに足りる客観的な資料はないので,にわかに採用することはできない。)。また,原告A6がI医療センターを退院した日の翌日である同月13日から最終の治療日である平成11年2月12日までの184日間においては,急性砒素中毒による下肢のしびれ等の症状により,家事労働能力を30パーセント喪失していたとみるのが相当である。これに,当裁判所に明らかな平成10年賃金センサス(産業計・企業規模計・学歴計)における65歳以上女性労働者の平均賃金が年298万9400円であることに照らすと,以下のとおり,原告A6の休業損害は,合計24万3083円とみるのが相当である。 298万9400円÷365日×19日×0.4=6万2245円298万9400円÷365日×184日×0.3×0.4=18万0838円6万2245円+18万0838円=24万3083円(オ) 慰謝料  200万円原告A6は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,19日間にわたる入院治療を余儀なくされ,その後も平成11年2月12日までの間に,5回にわたる通院治療を要したことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A6が受けた精神的苦痛は相当なものであったということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,200万円とみるのが相当である。 キ原告A7前記1(1)イ認定の事実,証拠(甲き1,2,3,5,6,7,10の各1・2,4,8,9,11ないし15,け3)及び弁論の全趣旨によれば,原告A7(昭和33年9月23日生)は,平成10年において,勤務先から年間500万4461円の給与の支払を受けていたこと,平成10年7月25日午後6時過ぎころ,本件カレーを喫食し,帰宅した同日午後6時30 (昭和33年9月23日生)は,平成10年において,勤務先から年間500万4461円の給与の支払を受けていたこと,平成10年7月25日午後6時過ぎころ,本件カレーを喫食し,帰宅した同日午後6時30分ころから,吐き気,嘔吐の症状を呈したことから,同日午後7時ころ,H病院に搬送され,同日から同月26日まで同病院に入院して治療を受け,同月26日,I医療センターに転送され,同日から同年8月6日まで12日間,同センターに入院して治療を受け,同センター退院後も,同月9日,同月12日,同月19日,同月24日,同年9月14日,同年10月9日,同年11月4日,同月11日,同年12月11日,平成11年2月12日の10日間にわたり,勤務先を欠勤し,バス(運賃片道合計510円)を利用して,同センターに通院して検査,治療を受け,平成10年11月3日,H病院にて通院治療を受けたこと,H病院に対し,治療費として,同年7月27日に1万6070円,同年8月26日に5250円,同年11月4日に1410円を支払い(支払額合計2万2730円),I医療センターに対し,同年8月6日に合計12万5010円,同月12日に1080円,同月19日に合計3190円,同月24日に980円,同年9月14日に310円,同年10月9日に2520円,同年11月4日に2610円,同月11日に合計420円,同年12月11日に2520円,平成11年2月12日に2520円を支払ったこと(同センターへの支払額合計14万1160円,支払額総合計16万3890円)が認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A7に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計290万3150円である。よって,被告は,原告A7に対して,この金額である別表の原告A7に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなけ 告A7に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計290万3150円である。よって,被告は,原告A7に対して,この金額である別表の原告A7に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 16万3890円(イ) 交通費 1万0200円(=バス片道510円×10日×2)(ウ) 休業損害  32万9060円原告A7は,勤務先から平成10年において年額500万4461円の給与の支給を受けていたところ,本件カレーを喫食したことにより,合計13日間の入院加療及び合計11日間の通院加療を余儀なくされ,その間勤務先を欠勤したことに照らすと,原告A7の休業損害は,32万9060円(=500万4461円÷365日×24日)とみるのが相当である。 (エ) 慰謝料  240万円原告A7は,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,合計13日間の入院加療を余儀なくされ,その後平成11年2月12日までの間に,合計11日間の通院加療を要したことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A7が相当の精神的苦痛を受けたことは明らかであり,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,240万円とみるのが相当である。 ク原告A8前記カ,1(1)イ認定の事実,証拠(甲く1,2,3ないし8の各1・2,9ないし13,け3,原告A6本人)及び弁論の全趣旨によれば,原告A8(昭和42年11月25日生)は,夫の原告A7,子の原告A9,義母の原告A6と同居し,原告A6と家事労働を分担し,家事の6割程度を行っていたこと,平成10年7月25日午後6時過ぎころ,夏祭り会場において,被告が亜砒酸を混入した本件カレーを喫食し,帰宅後の同日午後6時30分ころ,吐き気,嘔吐の症状を呈したことから,救急車でH病院に搬送され,同 成10年7月25日午後6時過ぎころ,夏祭り会場において,被告が亜砒酸を混入した本件カレーを喫食し,帰宅後の同日午後6時30分ころ,吐き気,嘔吐の症状を呈したことから,救急車でH病院に搬送され,同日及び同月26日の2日間,同病院に通院して治療を受け,その後も症状が継続したことから,同月27日から同月31日まで,同年8月5日,同月19日,同月24日,同年9月2日,同月14日,同年10月9日,同年12月11日,平成11年2月12日の13日間にわたり,バス(運賃片道合計510円)を利用して,I医療センターに通院して検査及び治療を受けたこと,H病院に対し,治療費として,平成10年7月26日に合計3010円を支払い,I医療センターに対し,治療費として,同月27日には5375円,同月28日には640円,同月29日には640円,同月30日には640円,同月31日には1500円,同年8月5日には2300円,同月19日には300円,同月24日には300円,同年9月2日には合計1210円,同月14日には3780円,同年10月9日には3780円,同年12月11日には1350円,平成11年2月12日には300円を支払ったこと(同センターへの支払額合計2万2115円,支払額総合計2万5125円)が認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A8に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計222万3266円である。よって,被告は,原告A8に対して,この金額である別表の原告A8に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 2万5125円(イ) 交通費 1万3260円(=バス片道510円×13日×2)(ウ) 休業損害  38万4881円原告A8は,平成10年7月当時,30歳の主婦であり,原告A6と家 費 2万5125円(イ) 交通費 1万3260円(=バス片道510円×13日×2)(ウ) 休業損害  38万4881円原告A8は,平成10年7月当時,30歳の主婦であり,原告A6と家事を分担して,6割程度の家事を行っていたところ,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患し,平成11年2月12日までの203日間において,急性砒素中毒による症状により,家事労働能力を30パーセント喪失していたとみるのが相当であるところ,当裁判所に明らかな平成10年賃金センサス(産業計・企業規模計・学歴計)における30歳以上34歳以下の女性労働者の平均賃金が年384万4600円であることに照らすと,以下のとおり,原告A8の休業損害は,合計38万4881円(=384万4600円÷365日×203日×0.3×0.6)とみるのが相当である(なお,原告A8は,実際に医療機関に通院した日は,全く家事労働ができなかったと主張するが,これを裏付けるに足りる客観的な資料はないので,にわかに採用することができない。)。 (エ) 慰謝料  180万円原告A8は,被告が亜砒酸を混入した本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,平成11年2月12日までの間に,15日間にわたる通院加療を余儀なくされたことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A8が相当の精神的苦痛を受けたということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,180万円とみるのが相当である。 ケ原告A9前記1(1)イ認定の事実,証拠(甲け1ないし3,4,5及び7の各1・2,6,8,9)及び弁論の全趣旨によれば,原告A9(平成6年4月14日生)は,平成10年7月25日午後6時過ぎころ,夏祭りの会場において,本件カレーを喫食し,その後間もなく,数回の嘔吐が発現したことから, 8,9)及び弁論の全趣旨によれば,原告A9(平成6年4月14日生)は,平成10年7月25日午後6時過ぎころ,夏祭りの会場において,本件カレーを喫食し,その後間もなく,数回の嘔吐が発現したことから,救急車でH病院に搬送され,応急処置を受けて帰宅し,同月26日も同病院で治療を受け,その後,同年8月5日,同月31日,同年9月21日,同年11月25日,同月26日,同月30日の6日間にわたり,I医療センターで検査(尿検査の結果,急性砒素中毒と診断された。),治療を受けたこと,H病院に対し,治療費として,同月26日,合計1330円を支払い,I医療センターに対し,同年8月5日に4195円,同月31日に380円,同年9月21日に380円,同年11月26日に合計4090円,同月30日に1060円を支払ったこと(同センターへの支払額合計1万0105円,支払額総合計1万1435円)が認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A9に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計181万1435円である。よって,被告は,原告A9に対して,この金額である別表の原告A9に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 1万1435円(イ) 慰謝料  180万円原告A9は,平成10年7月当時,4歳と幼少であるにもかかわらず,被告が亜砒酸を混入した本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患し,同年11月30日までの4か月強の間に,8日間にわたり通院治療を受けることを余儀なくされたことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A9は相当の精神的苦痛を受けたということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,180万円とみるのが相当である。 コ原告A10証拠(甲こ1ないし5)及び弁論の全趣旨によれば 行為により,原告A9は相当の精神的苦痛を受けたということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,180万円とみるのが相当である。 コ原告A10証拠(甲こ1ないし5)及び弁論の全趣旨によれば,原告A10(昭和16年1月6日生)は,平成10年7月25日午後7時過ぎころ,自宅において,本件カレーを喫食し,その直後から悪心,多数回の嘔吐が発現したため,救急車でM病院に搬送され,治療を受けて帰宅し,その後,同月26日,同年8月3日,同月24日,同年9月7日の合計4回にわたり,同病院に通院して治療を受け,同病院に対し,治療費合計5970円を支払い,また,同年7月27日,I医療センターに通院して治療を受け,治療費として,3485円を支払ったこと(支払額合計9455円)が認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A10に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計160万9455円である。よって,被告は,原告A10に対して,この金額である別表の原告A10に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 9455円(イ) 慰謝料 160万円原告A10は,平成10年7月25日,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,その後,同年9月7日までの45日間の間に,合計6回にわたり,通院治療を受けることを余儀なくされたことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A10は相当の精神的苦痛を受けたということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,160万円とみるのが相当である。 サ原告A11証拠(甲さ1,3ないし6)及び弁論の全趣旨によれば,原告A11(昭和63年11月2日生)は,平成10年当時,小学4年生であったこと,同年7月25日,本件カレーを喫食して,急性 る。 サ原告A11証拠(甲さ1,3ないし6)及び弁論の全趣旨によれば,原告A11(昭和63年11月2日生)は,平成10年当時,小学4年生であったこと,同年7月25日,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患したため,同日,M病院を受診し,治療を受け,同月27日から同月30日までの4日間,同病院に入院して検査及び治療を受け,その後も,同年9月7日までの間,同病院に通院して治療を受け,同病院に対し,治療費として,合計5万5410円支払ったことが認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A11に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計165万5410円である。よって,被告は,原告A11に対して,この金額である別表の原告A11に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 5万5410円(イ) 入通院慰謝料 160万円原告A11は,平成10年当時,小学4年生と若齢であるにもかかわらず,同年7月25日,被告が亜砒酸を混入した本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患し,4日間の入院治療を余儀なくされ,その後も,同年9月7日までの間,通院治療を必要としたことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,相当の精神的苦痛を受けたということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,160万円とみるのが相当である。 シ原告A12証拠(甲し1ないし7)及び弁論の全趣旨によれば,原告A12(昭和60年11月4日生)は,平成10年当時,中学1年生であったこと,同年7月25日,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患し,同日から同月28日までの4日間,N病院に入院し治療を受け,同日,L病院に転院し,同年8月10日までの14日間同病院に入院し治療を受け,退院後も同月17日,同月24 を喫食して,急性砒素中毒に罹患し,同日から同月28日までの4日間,N病院に入院し治療を受け,同日,L病院に転院し,同年8月10日までの14日間同病院に入院し治療を受け,退院後も同月17日,同月24日と同病院に通院し治療を受けたこと,N病院に対し,治療費として,同月13日に2万2520円を支払い,L病院に対し,同月17日に1270円を,同年9月3日までに3万6200円を支払ったこと(同病院に対する支払額合計3万7470円,支払額総合計5万9990円)が認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A12に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計185万9990円である。よって,被告は,原告A12に対して,この金額である別表の原告A12に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 5万9990円(イ) 入通院慰謝料  180万円原告A12は,平成10年当時,中学1年生であったところ,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒症に罹患し,合計17日間の入院治療を余儀なくされ,その後も同年8月24日までの間に通院治療を要したことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A12が受けた精神的苦痛は相当なものであったということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,180万円とするのが相当である。 ス原告A13証拠(甲し6,7,す1ないし5)及び弁論の全趣旨によれば,原告A13(昭和62年7月22日生)は,平成10年当時,小学5年生であったこと,同年7月25日,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患し,同日から同月28日までの4日間,N病院に入院し治療を受け,同日,L病院に転院し,同年8月5日までの9日間同病院に入院し治療を受け,退院後も同月10日,同月17日, 喫食して,急性砒素中毒に罹患し,同日から同月28日までの4日間,N病院に入院し治療を受け,同日,L病院に転院し,同年8月5日までの9日間同病院に入院し治療を受け,退院後も同月10日,同月17日,同月24日と同病院に通院し治療を受けたこと,N病院に対し,治療費として,同月13日,2万2410円を支払い,L病院に対し,同月17日に1270円を,同年9月3日までに3万2960円を支払ったこと(同病院に対する支払額合計3万4230円,支払額総合計5万6640円)が認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A13に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計165万6640円である。よって,被告は,原告A13に対して,この金額である別表の原告A13に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 5万6640円(イ) 入通院慰謝料  160万円原告A13は,平成10年当時,小学5年生であったところ,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒症に罹患し,合計12日間の入院治療を余儀なくされ,その後も同年8月24日までの間に通院治療を要したことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A13が受けた精神的苦痛は相当なものであったということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,160万円とするのが相当である。 セ原告A14証拠(甲し6,7,せ1ないし5)及び弁論の全趣旨によれば,原告A14(平成2年5月30日生)は,平成10年当時,小学2年生であったこと,同年7月25日,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患し,同日から同月28日までの4日間,N病院に入院し治療を受け,同日,L病院に転院し,同年8月5日までの9日間同病院に入院し治療を受け,退院後も同月10日,同月17日 ーを喫食して,急性砒素中毒に罹患し,同日から同月28日までの4日間,N病院に入院し治療を受け,同日,L病院に転院し,同年8月5日までの9日間同病院に入院し治療を受け,退院後も同月10日,同月17日,同月24日と同病院に通院し治療を受けたこと,N病院に対し,治療費として,同月13日,2万3050円を支払い,L病院に対し,同月17日に1270円を,同年9月3日までに2万9960円を支払ったこと(同病院に対する支払額合計3万1230円,支払額総合計5万4280円)が認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A14に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計165万4280円である。よって,被告は,原告A14に対して,この金額である別表の原告A14に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 5万4280円(イ) 入通院慰謝料  160万円原告A14は,平成10年当時,小学2年生であったところ,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒症に罹患し,合計12日間の入院治療を余儀なくされ,その後も同年8月24日までの間に通院治療を要したことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A14が受けた精神的苦痛は相当なものであったということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,160万円とみるのが相当である。 ソ原告A15証拠(甲そ1の1・2,1の3の1ないし3,2の1ないし3,3の1ないし5,4の1ないし10,5,や1,2)及び弁論の全趣旨によれば,原告A15(昭和44年7月4日生)は,平成10年7月25日当時,夫及び子2名(原告A33及び同A34)とともに生活をしていた主婦であり,妊娠15週であったこと,同日,子の原告A33及び同A34とともに,夏祭り会場において 月4日生)は,平成10年7月25日当時,夫及び子2名(原告A33及び同A34)とともに生活をしていた主婦であり,妊娠15週であったこと,同日,子の原告A33及び同A34とともに,夏祭り会場において,本件カレーを2,3口喫食し,その直後から,嘔吐を呈したため,同日午後8時15分ころ,救急車でJ病院に搬送され,同日から同月27日までの3日間,同病院に入院して治療を受け,退院後も消化器症状が継続したことから,同月29日,同年8月3日,同月10日,同月17日,同月24日,同月31日の6日間にわたり,I医療センター消化器科に通院して治療を受けるとともに,同年9月2日,同センター神経内科に通院して,末梢神経障害の有無につき診察を受ける一方,胎児への砒素の影響を検査するため,同月28日から平成11年2月16日までの間に,23日間,O産婦人科を受診するとともに,平成10年8月3日,I医療センター産婦人科に通院して診察を受けたこと,妊娠中の胎児への砒素の影響を心配して,出産するか妊娠中絶するかにつき,O医師等に相談した上,出産を決意し,平成11年1月17日,原告A35を出産したこと,J病院に対し,平成10年7月27日,治療費として,1万9890円,平成11年5月8日,文書料として,2100円を支払い(同病院への支払額合計2万1990円),I医療センターに対し,治療費として,平成10年7月29日には3355円,同年8月3日には合計7225円,同年10月13日には合計7万5000円,文書料として,平成11年5月7日に合計(消化器科,神経内科,産婦人科の3通分)6300円を支払い(同センターへの支払額合計9万1880円),O産婦人科に対し,治療費として,平成10年9月3日に合計1万0260円,同年10月17日に2710円,同年12月14日に1万5000円, 00円を支払い(同センターへの支払額合計9万1880円),O産婦人科に対し,治療費として,平成10年9月3日に合計1万0260円,同年10月17日に2710円,同年12月14日に1万5000円,診断書代として,平成11年5月10日に4200円を支払ったこと(同産婦人科への支払額合計3万2170円,医療機関への支払額総合計14万6040円)が認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A15に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計434万5832円である。よって,被告は,原告A15に対して,この金額である別表の原告A15に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 14万6040円(イ) 休業損害 19万9792円原告A15は,平成10年7月当時29歳であり,主婦として家事労働に従事していたところ,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,3日間の入院加療を要し,この間家事労働をすることができなかったとみるのが相当である(原告A15は,実際に通院した日も家事労働が不可能であった旨主張するが,これを裏付けるに足りる客観的な資料はなく,にわかに採用することができない。)。また,原告A15は,退院翌日の同月28日以降も自身の消化器症状の治療及び末梢神経障害の有無につき診察を受けるために,同年9月2日までの37日間に,合計7日間の通院治療を受けたのであるから,この37日間においては,家事労働能力を30パーセント喪失していたとみるのが相当である。さらに,原告A15は,その後も,胎児(原告A35)に砒素の影響がないかを検査するために,平成11年2月16日までの204日間のうち,合計23日間(この23日間という日数は,通常の出産に必要な期間は含まれていない。)に その後も,胎児(原告A35)に砒素の影響がないかを検査するために,平成11年2月16日までの204日間のうち,合計23日間(この23日間という日数は,通常の出産に必要な期間は含まれていない。)にわたり,医療機関に通院し診察,検査を受けたのであり,この合計23日間についても,家事労働能力を30パーセント喪失していたとみるのが相当である。これに当裁判所に明らかな平成10年賃金センサス(産業計・企業規模計・学歴計)における25歳ないし29歳の女性労働者の平均賃金が年347万2600円であることを併せると,被告の本件不法行為により,原告A15に生じた休業損害は,以下のとおり,19万9792円とみるのが相当である。 347万2600円÷365日×3日=2万8541円347万2600円÷365日×(37日+23日)×0.3=17万1251円2万8541円+17万1251円=19万9792円(ウ) 慰謝料 400万円原告A15は,平成10年7月当時,妊娠5か月であったところ,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,自身の治療のために,3日間の入院加療及び合計7日間の通院加療を余儀なくされたのみならず,胎児に砒素の影響が生じないかを懸念し,出産すべきか妊娠中絶すべきかを思い悩み,合計24日間にわたる医療機関の検査,診察を受けるなどし,最終的に,原告A35を出産するに至ったことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A15が受けた精神的苦痛は,筆舌に尽くし難いものであったということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,400万円とみるのが相当である。 タ原告A16証拠(甲た1の1・2,2の1ないし4,3の1ないし5・8・10・11・14・16・18・21・22・24ないし27,4の1 るに足りる慰謝料の額は,400万円とみるのが相当である。 タ原告A16証拠(甲た1の1・2,2の1ないし4,3の1ないし5・8・10・11・14・16・18・21・22・24ないし27,4の1,5,原告A17本人)及び弁論の全趣旨によれば,原告A16(昭和22年11月17日生)は,平成9年において,210万4267円の所得を得ていたこと,平成10年7月25日午後6時20分ころ,妻の原告A17とともに,自宅において,本件カレーを喫食した直後から,悪心,嘔吐といった症状を呈し,T外科において,点滴投与を受け,同外科から救急車でP病院に搬送され,同日から同年8月8日までの15日間同病院に入院し,退院後も足のしびれ等の症状が継続したことから,同月10日,同月20日,同月24日,同月31日,同年9月2日,同月7日,同月14日,同月21日,同月28日,同年10月12日,同月26日,同年11月5日,同月9日,同月30日,同年12月14日,平成11年3月8日,同年4月5日とL病院第1内科に通院して治療を受け,同年6月26日時点においても通院を継続していること,P病院に対し,治療費として,平成10年8月5日に5万7160円,同月8日に5万1660円,同月21日に診断書代として5000円,同月25日に保険会社へ提出するための診断書代として5000円を支払い(同病院への支払額合計11万8820円),L病院に対し,治療費として,同月10日に7330円,同月20日に7720円,同月24日に950円,同月31日に1570円,同年9月2日に4120円,同月7日に2720円,同月14日に860円,同月21日に820円,同月28日に980円,同年10月12日に2260円,同月26日に910円,同年11月5日に470円,同月9日に2730円,同月30日に1120円, 0円,同月14日に860円,同月21日に820円,同月28日に980円,同年10月12日に2260円,同月26日に910円,同年11月5日に470円,同月9日に2730円,同月30日に1120円,同年12月14日に930円,平成11年3月8日に2290円,同年4月5日に970円を支払ったこと(同病院への支払額合計3万8750円,医療機関への支払総額15万7570円)が認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A16に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計326万5426円である。よって,被告は,原告A16に対して,この金額である別表の原告A16に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 15万7570円なお,原告A16は,本件カレー喫食から41日後の平成10年9月3日ころ,尿道結石を発症し,L病院において治療を受けたから,その治療費に相当する合計8万3200円も,被告の不法行為により,原告A16に生じた損害に含まれると主張する。 しかしながら,原告A17本人及び弁論の全趣旨によれば,L病院の医師において,原告A16が急性砒素中毒に罹患したことと尿道結石の発症との因果関係は不明であると述べていることが認められ,これによれば,原告A16が本件カレーを喫食したことにより,尿道結石を発症したとは認められないから,この点に関する原告A16の主張は採用することができない。 (イ) 休業損害  30万7856円原告A16は,平成9年における年間収入額210万4267円と平成10年における収入額152万9942円との差額57万4325円が,原告A16に生じた休業損害であると主張するが,前記(ア)のとおり,原告A16の休業の原因には,本件カレーを喫食したことによるとは認められない尿道結 入額152万9942円との差額57万4325円が,原告A16に生じた休業損害であると主張するが,前記(ア)のとおり,原告A16の休業の原因には,本件カレーを喫食したことによるとは認められない尿道結石による治療期間も含まれることに照らし,採用できない。 もっとも,原告A16が,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したことにより,15日間にわたり入院加療を余儀なくされ,その間は,労働が不可能であったこと,退院後も,平成10年中は同年12月14日までの間に15回にわたり,通院加療を要し,その後,平成11年3月8日に至るまで,特段の症状が出なかったこと(弁論の全趣旨)に照らすと,本件カレーを喫食した平成10年7月25日から同年12月14日までの143日間から入院日数15日間を控除した128日間については,四肢のしびれ等により,30パーセントの労働能力を喪失したとみるのが相当であり,これに,原告A16の平成9年における年間収入額が,210万4267円であることを併せると,原告A16の休業損害は,以下のとおり,30万7856円とみるのが相当である。 210万4267円÷365日×15日=8万6476円210万4267円÷365日×128日×0.3=22万1380円8万6476円+22万1380円=30万7856円(ウ) 慰謝料  280万円原告A16が,平成10年7月25日に本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患し,15日間にわたり,入院治療を余儀なくされ,その後も,平成10年中に15日間,平成11年に入ってからも,同年3月8日,同年4月5日と,急性砒素中毒に起因するとみられる四肢のしびれの治療を受けていることなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A16は甚大な精神的苦痛を受けたということができ,これ ,同年4月5日と,急性砒素中毒に起因するとみられる四肢のしびれの治療を受けていることなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A16は甚大な精神的苦痛を受けたということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,280万円とみるのが相当である。 チ原告A17証拠(甲ち1及び2の各1・2,3の1ないし20,4,原告A17本人)及び弁論の全趣旨によれば,原告A17(昭和25年10月5日生)は,夫の原告A16及び子とともに生活する主婦で,家事労働に従事していたこと,平成10年7月25日午後6時20分ころ,自宅において,原告A16とともに,本件カレーを喫食した直後,悪心,嘔吐を呈し,T外科において点滴の投与を受け,同日,同外科から救急車でK病院へ搬送され,同日から同月26日まで同病院に入院し,同日,L病院に転院し,同日から同年8月11日まで,同病院に入院し,退院後も急性砒素中毒に起因する末梢神経障害等の治療のため,同月17日,同月20日,同月24日,同月31日,同年9月7日,同月14日,同月21日,同月28日,同年10月12日,同月26日,同月29日,同年11月5日,同月9日,同月30日,同年12月14日,平成11年1月11日,同年2月8日,同月18日とL病院に通院して治療を受け,同年5月31日時点においても同病院に通院して治療を受け,K病院に対し,治療費として,平成10年8月3日に1万8460円,同月11日に文書料として3150円を支払い(同病院に対する支払額合計2万1610円),L病院に対し,治療費として,同月11日に合計13万8230円,同月17日に2540円,同月20日に4300円,同月24日に860円,同月31日に1810円,同年9月7日に3490円,同月14日に1440円,同月21日に4260円,同月28日に1 8230円,同月17日に2540円,同月20日に4300円,同月24日に860円,同月31日に1810円,同年9月7日に3490円,同月14日に1440円,同月21日に4260円,同月28日に1510円,同年10月12日に670円,同月26日に4270円,同月29日に1440円,同年11月5日に4240円,同月9日に5080円,同月30日に1390円,同年12月14日に5060円,平成11年1月11日に4310円,同年2月8日に2950円,同月18日に1440円を支払ったこと(同病院への支払額合計18万9290円,医療機関への支払額総額21万0900円)が認められる。 以上によると,被告が本件カレーに亜砒酸を混入した不法行為により,原告A17に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計382万7077円であり,原告A17は,被告に対して,そのうちの357万3109円の支払を求めているので,被告は,原告A17に対して,この金額である別表の原告A17に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 21万0900円(イ) 休業損害  61万6177円原告A17は,平成10年7月当時,47歳の主婦で,家事労働に従事していたところ,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,合計18日間にわたり,入院加療を余儀なくされ,この間については,家事労働をすることができなかったということができる。また,原告A17は,同年8月11日に退院した後も,急性砒素中毒に起因する末梢神経障害等の治療のため,通院していたところ,少なくとも,平成10年12月31日までの142日間においては,家事労働能力が30パーセント喪失していたとみることができる。これに,当裁判所に明らかな平成10年賃金センサス(産業計・企業 たところ,少なくとも,平成10年12月31日までの142日間においては,家事労働能力が30パーセント喪失していたとみることができる。これに,当裁判所に明らかな平成10年賃金センサス(産業計・企業規模計・学歴計)における45歳ないし49歳の女性労働者の平均賃金が年371万1300円であることを併せると,被告の本件不法行為により,原告A17に生じた休業損害は,以下のとおり,合計61万6177円とみるのが相当である。 371万1300円÷365日×18日=18万3023円371万1300円÷365日×142日×0.3=43万3154円18万3023円+43万3154円=61万6177円(ウ) 慰謝料  300万円原告A17は,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したことにより,合計18日間にわたる入院加療及び平成11年5月21日に至るまで,少なくとも18日間にわたる通院加療を余儀なくされていことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A17は,甚大な精神的苦痛を受けたことは容易に推認でき,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,300万円とみるのが相当である。 ツ原告A18証拠(甲つ1ないし4,ゆ3)及び弁論の全趣旨によれば,原告A18(昭和48年1月22日生)は,勤務先から給与の支給を受け,平成9年分の給与として,374万0261円の支払を受けたこと,平成10年7月25日,妻の原告A19の実家(原告A10方)において,本件カレーを喫食し,その直後から,嘔吐,全身のしびれ,意識障害といった症状を呈し,救急車でM病院に搬送され,同日から同月26日まで,同病院に入院し,同日,I医療センターに転院し,同年8月7日まで入院し(入院日数合計14日間),退院後も四肢にしびれが継続したことから,同年9月28日まで M病院に搬送され,同日から同月26日まで,同病院に入院し,同日,I医療センターに転院し,同年8月7日まで入院し(入院日数合計14日間),退院後も四肢にしびれが継続したことから,同年9月28日までの間のうち,8日間にわたり,同センターに通院して治療を受け,その間,同年7月26日から同年8月25日までの31日間にわたり,勤務先を欠勤したことが認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A18に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計291万7666円である。よって,被告は,原告A18に対して,この金額である別表の原告A18に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 休業損害 31万7666円原告A18の平成9年分の給与所得が,374万0261円であること,原告A18が,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,入通院及び療養のため,勤務先を31日間にわたり欠勤したことに照らすと,被告が本件カレーに亜砒酸を混入する不法行為により,原告A18に生じた休業損害は,31万7666円(=374万0261円÷365日×31日)とみるのが相当である。 (イ) 慰謝料 260万円原告A18は,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,約2か月間の間に,14日間の入院治療及び合計8日間の通院治療を余儀なくされたことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A18が受けた精神的苦痛は相当なものであるということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,260万円とみるのが相当である。 テ原告A19証拠(甲て1ないし4,ゆ3)及び弁論の全趣旨によれば,原告A19(昭和44年11月7日生)は,夫の原告A18,子の原告36とともに生活する主婦であり,家事労働に従 のが相当である。 テ原告A19証拠(甲て1ないし4,ゆ3)及び弁論の全趣旨によれば,原告A19(昭和44年11月7日生)は,夫の原告A18,子の原告36とともに生活する主婦であり,家事労働に従事していたこと,平成10年7月25日当時,妊娠13週6日であったこと,同日,実家において,原告A18,同36とともに本件カレーをスプーン数杯程度喫食し,その直後から嘔吐を呈したため,救急車でM病院に搬送され,治療を受け,同日中に帰宅し,同月26日も同病院に通院して治療を受け,その後も,自身の治療のために,同年8月17日から同年9月28日までの間に,I医療センターに通院して治療を受け,また,砒素の胎児への影響を懸念し,その検査のために,同年7月25日から平成11年1月29日までの間,J病院に通院して診察,検査を受けたこと(妊娠出産のための日数を除く通院実日数の合計は18日である。),同日,原告A36を出産したことが認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A19に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計418万8376円であり,原告A19は,被告に対して,そのうちの413万6754円の支払を求めているので,被告は,原告A19に対して,この金額である別表の原告A19に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 休業損害 18万8376円原告A19は,平成10年7月当時,28歳の主婦であり,家事労働に従事していたところ,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,自身の治療のために,同月25日から同年9月28日まで,通院し治療を受け,砒素の胎児(原告A36)への影響を検査するために,原告A36を出産する平成11年1月29日までの間,通院し診察,検査を受けていたのであり,少なくとも自 日から同年9月28日まで,通院し治療を受け,砒素の胎児(原告A36)への影響を検査するために,原告A36を出産する平成11年1月29日までの間,通院し診察,検査を受けていたのであり,少なくとも自己の治療のために通院していた平成10年7月25日から同年9月28日までの66日間については,家事労働能力を30パーセント喪失していたとみるのが相当であり,これに当裁判所に明らかな平成10年賃金センサス(産業計・企業規模計・学歴計)における25歳ないし29歳の女性労働者の平均賃金が年347万2600円であることを併せると,被告が本件カレーに亜砒酸を混入した不法行為により,原告A19に生じた休業損害は,18万8376円(=347万2600円÷365日×66日×0.3)とみるのが相当である。 (イ) 慰謝料 400万円原告A19は,平成10年7月25日当時,妊娠13週6日であったところ,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,自身の治療のためのみならず,胎児に砒素の影響が生じないかを懸念し,合計18日間にわたる医療機関の検査,診察,治療を受け,出産するか妊娠中絶するか悩み,最終的に,原告A36を出産するに至ったものの,健康な子を出産できるか思い悩んでいた(甲て4)ことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A19が受けた精神的苦痛は,筆舌に尽くし難いものであったということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,400万円とみるのが相当である。 ト原告A20証拠(甲と1ないし7,9,原告A20本人)及び弁論の全趣旨によれば,原告A20(昭和25年5月14日生)は,平成9年においては,自営業により,年間333万2352円の所得を得たこと,平成10年7月25日午後7時ころ,自宅において,妻の原告A21と本件カレ よれば,原告A20(昭和25年5月14日生)は,平成9年においては,自営業により,年間333万2352円の所得を得たこと,平成10年7月25日午後7時ころ,自宅において,妻の原告A21と本件カレーを喫食し,その直後から,嘔吐等の症状を呈したことから,T外科において,点滴の投与を受け,不整脈を発現したことから,同日午後8時ころ,R病院に救急車で搬送され,同日から同月26日まで,同病院に入院し,同日,L病院に転送され,同日から同年8月13日まで,同病院に入院して治療を受け(R病院及びL病院への入院期間の合計20日間),退院後も,同年9月1日までの間に,同病院に通院して治療を受けたこと,R病院に対し,治療費として,同年8月,2万8050円を支払い,L病院に対し,治療費として,同月13日,合計17万8740円,同月18日に2130円,同月25日に1030円を支払ったこと(同病院への支払額合計18万1900円,医療機関への支払額総合計20万9950円)が認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A20に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計282万2544円である。よって,被告は,原告A20に対して,この金額である別表の原告A20に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 20万9950円(イ) 入院雑費 3万円原告A20が,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患したことにより,R病院及びL病院に,平成10年7月25日から同年8月13日までの20日間入院したことに照らすと,原告A20は,その間の入院雑費として,1日当たり1500円,合計3万円を要したとみるのが相当であり,原告A20は,これに相当する損害を受けたというべきである。 (ウ) 休業損害  18万2594円原 A20は,その間の入院雑費として,1日当たり1500円,合計3万円を要したとみるのが相当であり,原告A20は,これに相当する損害を受けたというべきである。 (ウ) 休業損害  18万2594円原告A20の平成9年における年間所得額が333万2352円であるところ,原告A20は,本件カレーを喫食して,20日間の入院加療を余儀なくされたことに照らすと,原告A20は,本件カレーを喫食したことにより,18万2594円(=333万2352円÷365日×20日)に相当する休業損害を受けたということができる,(エ) 慰謝料  240万円原告A20は,平成10年7月25日,本件カレーを喫食したことにより,20日間の入院加療を余儀なくされ,その後も同年9月1日までの間に,数度にわたり,通院加療を要したことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A20は,相当な精神的苦痛を受けたということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,240万円とみるのが相当である。 ナ原告A21証拠(甲な1ないし7,原告A20本人)及び弁論の全趣旨によれば,原告A21(昭和29年9月25日生)は,夫の原告A20と子供2人とともに生活する主婦であり,家事労働に従事していたこと,平成10年7月25日,午後7時ころ,自宅において,原告A20とともに本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患し,同日から同年8月10日までの17日間,L病院に入院して治療を受け,退院後も,四肢のしびれ等の症状が継続したことから,同年11月2日まで,同病院に通院し治療を受けたこと,同病院に対する治療費として,同年8月10日に合計14万1490円,同月17日に860円,同月24日に270円,同年9月7日に1440円支払ったこと(支払額合計14万4060円)が認められる。 以上によると 対する治療費として,同年8月10日に合計14万1490円,同月17日に860円,同月24日に270円,同年9月7日に1440円支払ったこと(支払額合計14万4060円)が認められる。 以上によると,被告が本件カレーに亜砒酸を混入した不法行為により,原告A21に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計284万5372円である。原告A21は,被告に対して,そのうちの284万1898円の支払を求めているので,被告は,原告A21に対して,この金額である別表の原告A21に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 14万4060円(イ) 入院雑費 2万5500円原告A21が,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患したことにより,L病院に,平成10年7月25日から同年8月10日までの17日間入院したことに照らすと,原告A21は,その間の入院雑費として,1日当たり1500円,合計2万5500円を要したとみるのが相当であり,原告A21は,これに相当する損害を受けたというべきである。 (ウ) 休業損害  17万5812円原告A21は,平成10年7月当時42歳であり,主婦として家事労働に従事していたところ,本件カレーを喫食したことにより,L病院において17日間の入院加療を余儀なくされ,その間,家事労働をすることができなかったのであり,これに,当裁判所に明らかな平成10年賃金センサス(産業計・企業規模計・学歴計)における40歳ないし44歳の女性労働者の平均賃金が年377万4800円であることを併せると,原告A21が本件カレーを喫食したことにより受けた休業損害は,少なくとも,17万5812円(=377万4800円÷365日×17日)を下ることはないとみるべきである。 (エ) 慰謝料  250万円原告A2 1が本件カレーを喫食したことにより受けた休業損害は,少なくとも,17万5812円(=377万4800円÷365日×17日)を下ることはないとみるべきである。 (エ) 慰謝料  250万円原告A21は,本件カレーを喫食したことにより,平成10年7月25日から同年11月2日までの3か月強の間に,17日間の入院加療及び通院治療を余儀なくされたことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A21が相当の精神的苦痛を受けたことが容易に認められ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,250万円を下ることはないというべきである。 ニ原告A22証拠(甲に1,2,3の1ないし13,4,5)及び弁論の全趣旨によれば,原告A22(昭和56年9月26日生)は,平成10年7月25日,本件カレーを喫食した直後に嘔吐し,T外科で治療を受けた後,同日中に,N病院に救急入院し,治療を受けたが,下痢,血圧低下,心電図異常が認められたことから,同月26日,L病院に転院し,同日から同年8月10日まで,同病院に入院して,4日間にわたる集中治療室における循環動態の管理などの治療を受け,退院後も,四肢のしびれが継続したことから,同月13日,同月17日,同月24日,同月31日,同年9月14日,同月28日,同年10月15日,同月26日,同年11月30日,同年12月21日,同月28日,平成11年8月27日の合計12日間にわたり,同病院に通院して治療を受けたこと,N病院に対し,治療費として,同年8月18日に1万6810円支払い,L病院に対し,治療費として,同月10日に,合計21万5910円,同月13日に6650円,同月17日に1420円,同月24日に270円,同月31日に650円,同年9月14日に3670円,同月28日に780円,同年10月15日に1440円,同月26日 万5910円,同月13日に6650円,同月17日に1420円,同月24日に270円,同月31日に650円,同年9月14日に3670円,同月28日に780円,同年10月15日に1440円,同月26日に930円,同年11月30日に270円,同年12月21日に270円,同月28日に3040円,平成11年10月21日に2870円を支払ったこと(同病院への支払額合計23万8170円,支払額総額25万4980円)が認められる。 以上によると,被告が本件カレーに亜砒酸を混入した不法行為により,原告A22に生じた損害は,以下のとおり,入院雑費及び慰謝料のみで,原告A22が請求する252万5500円を下ることはないから,被告は,原告A22に対して,この金額である別表の原告A22に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 入院雑費 2万5500円原告A22が,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患したことにより,N病院及びL病院に,平成10年7月25日から同年8月10日までの17日間入院したことに照らすと,原告A22は,その間の入院雑費として,1日当たり1500円,合計2万5500円を要したとみるのが相当であり,原告A22は,これに相当する損害を受けたというべきである。 (イ) 慰謝料  250万円原告A22は,平成10年7月25日,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患し,17日間の入院加療を余儀なくされた上,その後少なくとも平成10年中において,11日間にわたり,L病院に通院し治療を受ける必要があったことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A22が甚大な精神的苦痛を受けたということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,250万円とみるのが相当である。 ヌ原告A23証拠(甲ぬ1,2)及び弁 すと,被告の本件不法行為により,原告A22が甚大な精神的苦痛を受けたということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,250万円とみるのが相当である。 ヌ原告A23証拠(甲ぬ1,2)及び弁論の全趣旨によれば,原告A23(昭和44年10月2日生)は,平成10年7月25日,自宅において,本件カレーを喫食し,その直後から,悪心,嘔吐等の症状を呈したため,同日から同月27日までの3日間,J病院に入院して治療を受け,退院後も四肢のしびれが継続したことから,同年9月28日までの間に,10日間にわたり,同病院に通院して治療を受けたことが認められる。 以上のとおり,被告の本件不法行為により,原告A23は,3日間の入院加療を余儀なくされた上,その後も同年9月28日までの約2か月間のうちに,10日間の通院加療を要したことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A23が甚大な精神的苦痛を受けたということができ,これを慰謝するのに足りる慰謝料の額は,230万円を下ることはないというべきである。 よって,被告は,原告A23に対して,この慰謝料額である別表の原告A23に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 ネ原告A24証拠(甲ね1ないし4)及び弁論の全趣旨によれば,原告A24(昭和44年6月24日生)は,夫の原告A23及び子とともに生活する主婦であり,家事労働に従事していたこと,平成10年7月25日,自宅において,本件カレーを喫食し,その直後から,悪心,嘔吐,冷や汗といった症状を呈したため,同日から同月26日までの間,J病院に入院して治療を受け,同日,I医療センターに転送され,同日から同年8月27日まで入院して治療を受け,退院後も,四肢のしびれが継続したことから,少なくとも,平成11年5月20日までの間,同センタ 院に入院して治療を受け,同日,I医療センターに転送され,同日から同年8月27日まで入院して治療を受け,退院後も,四肢のしびれが継続したことから,少なくとも,平成11年5月20日までの間,同センターに通院して治療を受け,また,本件カレーに亜砒酸が混入されたことを知った恐怖感等から,抑うつ反応による不安感,不眠,抑うつ気分を呈したことから,平成11年1月27日,同年2月5日,同月9日,同月12日,同月19日,同月24日,同年3月10日,同月24日,同月29日,同年4月21日,同月30日,同年5月6日,同月12日,同月13日,同月18日とS病院に通院し治療を受けたこと,同病院のS医師は,原告A24につき,同日以降も当分の間,加療が必要であるとの診断書を作成したことが認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A24に生じた損害は,以下のとおりであり,その損害額は,合計458万2690円である。よって,被告は,原告A24に対して,この金額である別表の原告A24に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 休業損害  108万2690円原告A24は,平成10年7月当時29歳の主婦であり,家事労働に従事していたところ,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,34日間の入院加療を余儀なくされ,その間において,家事労働をすることはできなかったことは明らかであり,また,退院後も急性砒素中毒に起因する四肢のしびれや本件カレーに亜砒酸が混入されたことを知ったことによって発症した抑うつ反応により,少なくとも同年7月25日から平成11年5月20日までの300日間のうち,実際に入院していた34日間を除く266日間において,相当程度(30パーセント)家事労働能力が減殺されたということができ,これに,当裁判所に明 25日から平成11年5月20日までの300日間のうち,実際に入院していた34日間を除く266日間において,相当程度(30パーセント)家事労働能力が減殺されたということができ,これに,当裁判所に明らかな平成10年賃金センサス(産業計・企業規模計・学歴計)における25歳ないし29歳の女性労働者の平均賃金が年347万2600円であることを併せると,被告が本件カレーに亜砒酸を混入した不法行為により,原告A24に生じた休業損害は,以下のとおり,108万2690円を下ることはないというべきである。 347万2600円÷365日×34日=32万3475円347万2600円÷365日×266日×0.3=75万9215円32万3475円+75万9215円=108万2690円(イ) 慰謝料 350万円原告A24は,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,24日間の入院加療を余儀なくされたばかりか,退院後も急性砒素中毒に起因する四肢のしびれ及び本件カレーに亜砒酸が混入されたことを知ったことによる抑うつ反応の発症により,少なくとも平成11年5月20日までの間,通院治療を余儀なくされていることなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A24に生じた精神的損害は,甚大なものであるということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,350万円とするのが相当である。 ノ原告A25証拠(甲は1ないし4)及び弁論の全趣旨によれば,原告A25(昭和23年9月29日生)は,平成10年7月25日午後6時過ぎころ,自宅において,本件カレーを喫食し,その後間もなくして,吐き気,嘔吐,四肢のしびれを来したことから,T外科において点滴を受け,同日午後11時30分ころ帰宅し,その後,同外科に同年9月21日まで通院し(通院実日 ,本件カレーを喫食し,その後間もなくして,吐き気,嘔吐,四肢のしびれを来したことから,T外科において点滴を受け,同日午後11時30分ころ帰宅し,その後,同外科に同年9月21日まで通院し(通院実日数合計11日間),輸液,解毒剤の投与及び尿検査といった治療,検査を受け,平成11年7月12日,治療費として4610円を,同年8月18日,診断書代として1500円を同外科に対し支払ったこと(支払額合計6110円),原告A25は,有限会社U急便の代表取締役として同社から月額35万円の給与の支給を受け,社会保険料,所得税及び住民税を控除した受領額は,平成10年4月分及び同年5月分が32万2450円,同年6月分が31万2530円であった(受領額合計95万7430円)ところ,本件カレー喫食後,手足のしびれを来していたため,同年7月26日から同年10月31日までの98日間欠勤し,前記のとおり,通院治療を受けたほか,自宅で療養していたことが認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A25が受けた損害は,以下のとおりであり,その合計は,303万7188円である。よって,被告は,原告A25に対して,この金額である別表の原告A25に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 6110円(イ) 休業損害 103万1078円95万7430円÷91日(4月ないし6月分合計日数)×98日=103万1078円(ウ) 慰謝料  200万円原告A25は,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,吐き気,嘔吐などの症状を呈し,約2か月間の通院治療を含む98日間の療養を余儀なくされ,その治療期間中において,四肢のしびれが継続していたことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A き気,嘔吐などの症状を呈し,約2か月間の通院治療を含む98日間の療養を余儀なくされ,その治療期間中において,四肢のしびれが継続していたことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A25が受けた精神的苦痛及び恐怖感は相当なものであったということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,200万円とみるのが相当である。 ハ原告A26前記1(1)ウ認定の事実,証拠(甲ひ1,2,3の1ないし11,4,5)及び弁論の全趣旨によれば,原告A26(昭和56年5月24日生)は,平成10年7月25日,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患したため,同日から同年8月3日までの10日間,G病院に入院し,その後も同月5日,同月6日,同月10日,同月17日,同月24日,同年9月7日,同月28日の合計7日間,同病院に通院し,治療を受け,同病院に,同年8月3日には11万4640円,同月5日には1550円,同月10日には1550円,同月17日には830円,同月24日には350円,同年9月7日には2740円,同月28日には960円をそれぞれ支払った(支払額合計12万2620円)こと,原告A26は,その後,同年9月30日及び同年10月20日,I医療センターに通院し,急性砒素中毒に関する検査を受け,同月1日には6490円,同月20日には300円をそれぞれ支払ったこと(支払額合計6790円,医療機関への支払総額12万9410円),原告A26は,G病院及びI医療センターへの通院に当たっては,母の運転する自動車により通院していたこと,夏祭りに一緒に参加した友人であるDが本件カレーを喫食して死亡したことから,心理状態が不安定となり,カウンセリングを受けたことが認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A26の受けた損害は,以下のとおりであり, Dが本件カレーを喫食して死亡したことから,心理状態が不安定となり,カウンセリングを受けたことが認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により,原告A26の受けた損害は,以下のとおりであり,その合計は,212万9410円である。よって,被告は,原告A26に対して,この金額である別表の原告A26に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費  12万9410円(イ) 交通費原告A26は,G病院への通院交通費として,バス片道260円,電車片道200円を要することを前提として,合計6440円を要したこと,I医療センターへの通院交通費として,電車片道160円,バス片道220円を要することを前提として,合計1520円を要したことから,その合計7960円の支出も被告の本件不法行為によって生じた損害であると主張する。 しかしながら,前記認定のとおり,原告A26は,G病院及びI医療センターへの通院に当たり,母の運転する自動車を利用していたのであるから,公共交通機関の交通費に相当する支出をして,これに相当する損害が生じたとは認められない。そして,他に,原告A26が,被告の本件不法行為により,通院交通費に相当する損害が発生したことを認めるに足りる証拠はない。 (ウ) 慰謝料 200万円原告A26は,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,10日間の入院を含む約3か月間(通院実日数合計9日間)の治療を余儀なくされたこと,夏祭りに一緒に参加した友人であるDが,同様に本件カレーを喫食した後死亡したことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A26が受けた精神的苦痛及び恐怖感は相当なものであったことは明らかであり,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,200万円を下るものではない。 ヒ原告 情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A26が受けた精神的苦痛及び恐怖感は相当なものであったことは明らかであり,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,200万円を下るものではない。 ヒ原告A27証拠(甲ふ1,2)及び弁論の全趣旨によれば,原告A27(昭和5年3月13日生)は,平成10年当時,腎臓疾患により,J病院において,1週間当たり3回の血液透析の治療を受けていたこと,平成10年7月25日,本件カレーを喫食した後,急性砒素中毒に罹患し,数回嘔吐したため,同日,J病院に入院し,その後特に症状の変化がなかったことから,同月27日,定期で実施された人工透析を受けた後退院し,その後も定期的に人工透析の治療を定期的に受けていたこと,同年12月22日,橋出血(脳出血)を発症し,同日から平成11年7月15日まで,J病院に入院し治療を受けたこと,原告A27が急性砒素中毒に罹患したことと橋出血を発症したこととの間の因果関係は医学的には不明であることが認められる。 以上によれば,被告の本件不法行為と原告A27の橋出血の発症との間に因果関係を認めることはできないものの,原告A27が平成10年7月当時68歳と比較的高齢であった上,腎臓疾患により人工透析の治療を受けており,砒素中毒による死亡の可能性が健常者と比較して同等又は低いとはいえないこと,本件カレーを喫食したことにより,3日間の入院加療を余儀なくされたことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により原告A27が受けた精神的苦痛及び恐怖感は相当なものであったということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,100万円を下ることはないというべきである。 よって,被告は,原告A27に対して,この金額である別表の原告A27に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 フ原告 る慰謝料の額は,100万円を下ることはないというべきである。 よって,被告は,原告A27に対して,この金額である別表の原告A27に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 フ原告A28前記1(1)イ認定の事実,証拠(甲へ1ないし9)及び弁論の全趣旨によれば,原告A28(昭和7年12月8日生)は,平成10年7月25日午後5時50分ころ,夏祭り会場において,本件カレーを喫食した直後に嘔吐したことから,同日,T外科を受診し,同日,同外科からP病院に救急車で搬送され,同病院に入院し,急性砒素中毒に対する諸種加療を受けた後,症状が軽快したことから,同月26日に退院し,同月27日,同病院に外来で治療を受け,同月29日から同年8月11日までの間,T外科に通院し(通院実日数11日間),急性砒素中毒に対する輸液及び内外用薬の投与による治療を受け,その後,週に1度,尿中の砒素濃度を測定して経過観察していたこと,P病院に対し,同年7月27日,合計2万0520円を支払ったこと,T外科に対し,同月29日に1160円,同月30日に2570円,同年8月3日に430円,同月11日に1860円を支払ったこと(T外科に対する支払額合計6020円,医療機関に対する支払総額2万6540円)が認められる。 以上によると,被告が本件カレーに亜砒酸を混入した不法行為により原告A28に生じた損害は,以下のとおり,合計102万6540円である。よって,被告は,原告A28に対して,この金額である別表の原告A28に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 2万6540円(イ) 慰謝料  100万円原告A28は,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,2日間の入院加療を余儀なくされ,その後約15日間のうち,P病院に1 ) 治療費 2万6540円(イ) 慰謝料  100万円原告A28は,本件カレーを喫食したことにより,急性砒素中毒に罹患し,2日間の入院加療を余儀なくされ,その後約15日間のうち,P病院に1日間,T外科に11日間通院して治療を受ける必要があったことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A28が受けた精神的苦痛は相当なものであったということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,100万円とみるのが相当である。 ヘ原告A29証拠(甲ほ1ないし4)及び弁論の全趣旨によれば,原告A29(昭和47年6月22日生)は,平成10年7月25日午後6時30分ころ,自宅において,本件カレーを喫食し,その約15分後に吐き気,嘔吐,頭痛といった症状を来したことから,V病院を受診し点滴投与の治療を受けたが,症状が軽快しなかったため,同月27日から同月30日まで同病院に入院し,治療を受け,退院後も,同病院に通院して,血液検査及び尿検査を受け,同年9月4日の尿検査において,初めて,尿中の砒素濃度が正常値となったこと,同病院に対し,同年10月7日,入院治療費として,4万3916円を支払ったこと,勤務先(同病院)から,給与を支給されており,同年4月分給与として26万7343円,同年5月分給与として28万0691円,同年6月分として25万7701円を受領していること(いずれも社会保険料及び所得税を控除した額,受領額合計80万5735円),入院した4日間は勤務先を欠勤したことが認められる。 以上によると,被告が本件カレーに亜砒酸を混入した不法行為により,原告A29に生じた損害は,以下のとおり,合計157万9332円である。よって,被告は,原告A29に対して,この金額である別表の原告A29に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければな より,原告A29に生じた損害は,以下のとおり,合計157万9332円である。よって,被告は,原告A29に対して,この金額である別表の原告A29に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 4万3916円(イ) 休業損害  3万5416円原告A29が,勤務先から給与として,平成10年4月分26万7343円,同年5月分28万0691円,同年6月分25万7701円(合計80万5735円)を受領していたところ,原告A29は,平成10年7月25日,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患し,同月27日から同月30日までの4日間入院治療を受け,その間,勤務先を欠勤したことに照らすと,被告の本件不法行為により,原告A29に生じた休業損害は,3万5416円(=80万5735円÷91日《4,5,6月分の合計日数》×4日)とみるのが相当である。 (ウ) 慰謝料 150万円原告A29は,本件カレーを喫食したことにより,4日間の入院加療を余儀なくされ,その後,少なくとも平成10年9月4日まで通院治療を受けざるを得なかったことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告が受けた精神的苦痛は相当なものであったということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,150万円とみるのが相当である。 ホ原告A30証拠(甲ま1ないし3,5の1ないし3・7の各1・2,5の5,8,9)及び弁論の全趣旨によれば,原告A30(昭和44年9月8日生)は,平成10年7月25日当時夫と子(原告A31)の3人で生活する主婦であり,家事労働に従事しており,妊娠26週時であったこと,同日,原告A31とともに夏祭り会場で被告が亜砒酸を混入した本件カレーを喫食して間もなく,吐き気を催し,T外科を受診し,同外科において嘔吐し,同外科から救急 従事しており,妊娠26週時であったこと,同日,原告A31とともに夏祭り会場で被告が亜砒酸を混入した本件カレーを喫食して間もなく,吐き気を催し,T外科を受診し,同外科において嘔吐し,同外科から救急車でI医療センターに搬送され,同センターで点滴の投与を受け,同日帰宅したものの,顔にむくみが生じ,嘔吐が継続したことから,同月26日から同月29日まで,同年8月2日,同月3日,同月10日,同月26日及び同年9月14日,同センターを受診したこと(通院実日数合計10日間であり,そのうち,同年8月3日には,産婦人科及び消化器科を受診し,同月26日には神経内科のみ受診し,同年9月14日には,神経内科及び消化器科を受診し,その余の通院においては,消化器科のみを受診した。),I医療センターに対し,治療費として,同年7月27日に3190円,同月28日に合計9040円,同月29日に2120円,同年8月3日に1970円,同月26日に300円,同月14日に合計4200円(文書料)を支払ったこと(支払額合計2万0820円),同年11月13日,原告A32を出産したこと,原告A32に砒素の影響がないかを調査するため,同原告の頭髪,尿,胎盤等を調査のため送付したことが認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により原告A30に生じた損害は,以下のとおり,合計266万9237円である。そして,原告A30は,被告に対して,このうちの261万5486円の支払を求めているから,被告は,原告A30に対して,この金額である別表の原告A30に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 2万0820円(イ) 休業損害  14万8417円原告A30は,平成10年7月当時,28歳の主婦であったところ,同月25日,本件カレーを喫食したことにより,同年 ばならない。 (ア) 治療費 2万0820円(イ) 休業損害  14万8417円原告A30は,平成10年7月当時,28歳の主婦であったところ,同月25日,本件カレーを喫食したことにより,同年9月14日までの52日間のうち10日間にわたり,I医療センターに通院して治療を受けることを余儀なくされたため,この52日間,家事労働にかかる労働能力が30パーセント喪失していたとみるのが相当である。これに,当裁判所に明らかな平成10年賃金センサス(産業計・企業規模計・学歴計)における25歳ないし29歳の女性労働者の平均賃金年347万2600円であることを併せると,原告A30が本件カレーを喫食したことにより生じた休業損害は,少なくとも,14万8417円(=347万2600円÷365日×52日×0.3)を下ることはないというべきである。 (ウ) 慰謝料 250万円原告A30自身が急性砒素中毒に罹患したことにより,10日間の通院を余儀なくされたことに加えて,同原告は,妊娠26週時において,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患したことから,砒素によるどのような影響が胎児に出現するかが明らかでなく,不安を感じていたことは容易に認められ,また,原告A32出生後も同原告に砒素の影響がないかどうかを調査するなどしているなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A30が受けた精神的苦痛は甚大なものであったということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,少なくとも原告A30主張の250万円を下ることはないというべきである。 マ原告A31証拠(甲ま8,9,み1,2の1・2・4・5の各1・2,2の3・6ないし10)及び弁論の全趣旨によれば,原告A31(平成8年10月21日生)は,平成10年7月25日,夏祭り会場において,本件カレーを喫食 (甲ま8,9,み1,2の1・2・4・5の各1・2,2の3・6ないし10)及び弁論の全趣旨によれば,原告A31(平成8年10月21日生)は,平成10年7月25日,夏祭り会場において,本件カレーを喫食して間もなく嘔吐したことから,同日,I医療センターを受診し,点滴の治療を受け,同日中に帰宅したが,全身にむくみを来たし,下痢,尿量の減少といった症状があったことから,同月26日も同センターに通院し治療を受け,同月27日から同年8月4日までの9日間,同センターに入院し,24時間連続で点滴投与を受けるなどの治療を受け,尿検査の結果,急性砒素中毒と診断されたこと,同センター退院後も,同月12日,同月19日,同年9月4日,同月16日,同年12月2日,平成11年7月28日,同年9月6日の7日間にわたり,同センターに通院して,検査及び投薬等の治療を受けたこと,上記の治療費として,同センターに対し,平成10年7月28日に8690円及び1940円,同年8月4日に4万8271円,2万9700円及び2040円,同月12日に620円,同月19日に1180円,同年9月4日に3060円,同月16日に710円,同年12月2日に1311円,平成11年7月28日に2510円,同年9月6日に4134円,同月14日に2100円(神経内科における診断書の文書料)及び2100円(小児科における診断書の文書料)をそれぞれ支払ったこと(支払額合計10万8366円)が認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により原告A31に生じた損害は,以下のとおり,合計262万1866円である。原告A31は,被告に対して,このうちの261万9356円の支払を求めているから,被告は,原告A31に対して,この金額である別表の原告A31に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア は,被告に対して,このうちの261万9356円の支払を求めているから,被告は,原告A31に対して,この金額である別表の原告A31に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費 10万8366円(イ) 入院雑費 1万3500円原告A31が,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患したことにより,I医療センターに,平成10年7月27日から同年8月4日までの9日間入院したことに照らすと,原告A31は,その間の入院雑費として,1日当たり1500円,合計1万3500円を要したとみるのが相当であり,原告A31は,これに相当する損害を受けたというべきである。 (ウ) 慰謝料  250万円原告A31は,平成10年7月当時,1歳9か月と幼少であったにもかかわらず,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患し,9日間にわたる入院加療を余儀なくされたばかりでなく,その後も,同年中に5回(入院前にも2回)にわたり,平成11年に入ってからも同年7月28日及び同年9月6日の2回にわたり,長期間の通院加療を余儀なくされたことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A31が受けた精神的苦痛は甚大であるということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,250万円とみるのが相当である。 ミ原告A33証拠(甲そ5,め1ないし3)及び弁論の全趣旨によれば,原告A33(平成7年2月23日生)は,平成10年7月25日,夏祭りの会場において,母の原告A15,弟の同A34とともに,本件カレーを喫食し,その直後から嘔吐等の症状を呈したため,同日夜,I医療センターを受診し,同日から同年10月26日までの間に,9日にわたり,同センターに通院して,尿検査等の検査や治療を受けたこと,平成11年8月20日,同センターに対し,文書料 呈したため,同日夜,I医療センターを受診し,同日から同年10月26日までの間に,9日にわたり,同センターに通院して,尿検査等の検査や治療を受けたこと,平成11年8月20日,同センターに対し,文書料として2100円を支払ったことが認められる。 以上によると,被告の本件不法行為により原告A33に生じた損害は,以下のとおり,合計200万2100円である。よって,被告は,原告A33に対して,この金額である別表の原告A33に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費(文書料)  2100円(イ) 慰謝料 200万円原告A33は,平成10年7月当時,3歳5か月と幼少であったにもかかわらず,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患し,その後約3か月間で9日間の通院加療を余儀なくされたことなど諸般の事情に照らすと,被告が本件カレーに亜砒酸を混入する不法行為により,原告A33が受けた精神的苦痛は相当なものであったということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,200万円とみるのが相当である。 ム原告A34証拠(甲そ5,も1ないし3)及び弁論の全趣旨によれば,原告A34(平成8年12月9日生)は,平成10年7月25日,夏祭りの会場において,母の原告A15,兄の同A33とともに,本件カレーを喫食し,その直後から嘔吐等の症状を呈したため,同日夜,I医療センターを受診し,同日から同年10月26日までの間に,9日にわたり,同センターに通院して,尿検査等の検査や治療を受けたこと,平成11年8月20日,同センターに対し,文書料として,2100円を支払ったことが認められる。 以上によると,被告が本件カレーに亜砒酸を混入するという不法行為により原告A34に生じた損害は,以下のとおり,合計200万2100円である。よって,被 して,2100円を支払ったことが認められる。 以上によると,被告が本件カレーに亜砒酸を混入するという不法行為により原告A34に生じた損害は,以下のとおり,合計200万2100円である。よって,被告は,原告A34に対して,この金額である別表の原告A34に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (ア) 治療費(文書料)  2100円(イ) 慰謝料 200万円原告A34は,平成10年7月当時,1歳8か月弱と幼少であったにもかかわらず,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患し,その後約3か月間で9日間の通院加療を余儀なくされたことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為により,原告A34が受けた精神的苦痛は相当なものであったということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,200万円とみるのが相当である。 メ原告36証拠(甲ゆ1ないし4)及び弁論の全趣旨によれば,原告36(平成8年8月10日生)は,平成10年7月25日,親族方において,父の原告A18及び母の同A19とともに,本件カレーをスプーン2,3杯程度喫食し,その直後から嘔吐を呈したことから,救急車で,M病院に搬送され,治療を受け帰宅した後,同月26日,同病院に通院し,治療を受け,同年8月5日,I医療センターを受診し,尿検査を受け,その後,同年9月28日までの間に,4回にわたり,同センターに通院したことが認められる。 以上のとおり,原告36は,平成10年7月25日当時,1歳11か月と幼少であったにもかかわらず,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患し,その後2か月間のうちに7日間にわたり,通院治療を余儀なくされたことに照らすと,被告の本件不法行為により,原告36に相当の精神的損害が生じたということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,200万 2か月間のうちに7日間にわたり,通院治療を余儀なくされたことに照らすと,被告の本件不法行為により,原告36に相当の精神的損害が生じたということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,200万円とみるのが相当である。 よって,被告は,原告36に対して,この金額である別表の原告36に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 モ原告A38証拠(甲の1ないし3)及び弁論の全趣旨によれば,原告A38(昭和62年4月29日生)は,平成10年当時小学5年生であったところ,同年7月25日午後7時ころ,祖母方で,本件カレーを一口だけ喫食したところ,味が良くなかったため,その後は喫食せず,同日午後10時ころ,下痢,嘔吐を呈したことから,J病院を受診したものの同日中に帰宅し,同月26日,下痢,腰痛,背部痛を訴え,Wクリニックを開設する医師Wの診察を受け,点滴及び腰部牽引の治療を受け,その後,同月29日,同年8月4日から同月6日まで,同月10日,同月24日,同年9月7日,同月28日及び同年10月24日,Wクリニックに通院して治療を受け,急性砒素中毒と診断され,同年9月28日に実施された尿検査の結果,尿中の砒素濃度が臨床的に問題ない程度に低下したことから,一応治癒したと判断されたことが認められ,原告A38が,平成10年7月当時,特に健康状態に問題があったことを窺わせるに足りる事実はを認めるに足りる証拠はない。 以上のとおり,原告A38が,平成10年7月当時,特に健康状態に問題があったことを窺わせるに足りる事実が認められないにもかかわらず,本件カレーを一口喫食しただけで,下痢,嘔吐,腰痛,背部痛といった症状を呈し,その後同年9月28日に至るまでの約2か月間(通院実日数10日間),急性砒素中毒に対する治療を受けなければならなかったことな カレーを一口喫食しただけで,下痢,嘔吐,腰痛,背部痛といった症状を呈し,その後同年9月28日に至るまでの約2か月間(通院実日数10日間),急性砒素中毒に対する治療を受けなければならなかったことなど諸般の事情に照らすと,被告の本件不法行為によって,原告A38に生じた精神的苦痛ないし恐怖感は相当なものであったということができ,これを慰謝するに足りる慰謝料の額は,200万円を下ることはないというべきである。 よって,被告は,原告A38に対して,この金額である別表の原告A38に該当する「認容金額」欄記載の金員を支払わなければならない。 (3) 平成10年7月25日以後に出生した原告A32,同A35及び同A37の損害についてア原告A32前記(2)ホ認定の事実,証拠(甲ま2,4,9,む1,2の1ないし4)及び弁論の全趣旨によれば,原告A30は,妊娠26週時の平成10年7月25日,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患したこと,原告A30は,同年8月3日,I医療センター産婦人科を受診した際,胎児(原告A32)に特段の異常は認められなかったこと,原告A30は,妊娠後,医療法人Zクリニックを受診していたところ,急性砒素中毒罹患後の同年7月29日以降の同クリニックを受診における定期的な産科検診においても,胎児に異常は認められなかったこと,原告A32は,同年11月13日,自然分娩にて出生し,同日,血液検査を受けたが,特に異常は認められなかったこと,原告A30及び同A32は,同月18日,経過良好にて退院したこと,原告A32は,退院後,同月27日から平成11年1月13日までの間のうち3日間,同クリニックに通院し診察を受けたことが認められる。他方,原告A32が砒素中毒に罹患したことを認めるに足りる証拠はない。 以上のとおり,原告A32自身が,砒素中毒に罹 1月13日までの間のうち3日間,同クリニックに通院し診察を受けたことが認められる。他方,原告A32が砒素中毒に罹患したことを認めるに足りる証拠はない。 以上のとおり,原告A32自身が,砒素中毒に罹患したとは認められない以上,砒素中毒に罹患した原告らと同等の精神的苦痛を受けたということはできない。しかしながら,原告A32の母である原告A30が,原告A32を妊娠中に,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患し,その結果,原告A32も出生前に,母胎内で砒素に曝露し,出生時から砒素中毒に罹患しているおそれがあったこと,そのための検査等を受ける必要が生じたことに照らすと,原告A32が,被告の本件不法行為により,一定程度の精神的苦痛を受けたとみることができる。そして,その精神的苦痛を慰謝するに足りる慰謝料の額は,50万円とみるのが相当である。 なお,原告A32は,I医療センターを受診した治療費として,3万1124円の支出をし,これに相当する損害を受けたと主張し,証拠(甲む2の1・3・4)によれば,原告A32は,平成11年7月28日,同年8月11日及び同年9月6日,I医療センターを受診し,合計3万1124円を支払ったことが認められるが,このI医療センター受診が,被告の不法行為に起因するものであることを認めるに足りる証拠はなく,これを被告の本件不法行為による原告A32の損害と認めることはできない。 以上によれば,被告は,原告A32に対して,前記50万円(別表の原告A32に該当する「認容金額」欄記載の金員)を支払わなければならない。 イ原告A35前記(2)ソ認定の事実,証拠(甲そ1の2,5,や1,2)及び弁論の全趣旨によれば,原告A15は,妊娠15週時の平成10年7月25日,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患したこと,原告A15は,同年8月3日, 定の事実,証拠(甲そ1の2,5,や1,2)及び弁論の全趣旨によれば,原告A15は,妊娠15週時の平成10年7月25日,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患したこと,原告A15は,同年8月3日,I医療センター産婦人科を受診し,産科的診察の結果上は異常がなかったこと,原告A15は,同年7月28日以降O産婦人科に通院して診察を受けたところ,同日の胎児(原告A35)の心音には異常はなく,その後,胎児の発育状態が小さかったものの,妊娠33週以降は正常の発育レベルとなったこと,原告A35は,平成11年1月17日,正常分娩にて出生し,その後特に異常もなく同月22日退院し,同年2月16日に実施された1か月健診においても特に異常は認められなかったことが認められる。他方,原告A35が砒素中毒に罹患したことを認めるに足りる証拠はない。 以上のとおり,原告A35自身が,砒素中毒に罹患したとは認められない以上,砒素中毒に罹患した原告らと同等の精神的苦痛を受けたということはできない。しかしながら,原告A35の母である原告A15が,原告A35を妊娠中に,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患し,その結果,原告A35も出生前に,母胎内で砒素に曝露し,出生時から砒素中毒に罹患しているおそれがあったこと,そのための検査等を受ける必要が生じることが容易に推認できることに照らすと,原告A35が,被告の本件不法行為により,一定程度の精神的苦痛を受けたとみることができる。そして,その精神的苦痛を慰謝するに足りる慰謝料の額は,50万円とみるのが相当である。 よって,被告は,原告A35に対して,この50万円(別表の原告A35に該当する「認容金額」欄記載の金員)を支払わなければならない。 ウ原告A37前記(2)テ認定の事実,証拠(甲て2,よ1ないし3)及び弁論の全趣旨によれば に対して,この50万円(別表の原告A35に該当する「認容金額」欄記載の金員)を支払わなければならない。 ウ原告A37前記(2)テ認定の事実,証拠(甲て2,よ1ないし3)及び弁論の全趣旨によれば,原告A19は,妊娠13週6日の平成10年7月25日,本件カレーを喫食して,急性砒素中毒に罹患したこと,原告A19は,同日以降,Q病院に通院して,砒素の胎児への影響を調べるために,尿検査や頭髪検査を受けたこと,原告A37は,平成11年1月29日出生したことが認められる。ところで,Q病院のQ医師は,平成11年10月1日付けで,原告A37が砒素中毒に罹患した旨の診断書を作成した(甲よ1)が,その診断の根拠としては,母体内で砒素曝露があったことのみしか記載されておらず,前記ア,イ認定のとおり,原告A32及び同A35が,同様に母体内で砒素に曝露したにもかかわらず,砒素中毒に罹患したとは認められないことに照らすと,上記診断書をもって,直ちに原告A37が砒素中毒に罹患したとは認められず,他に,原告A37が砒素中毒に罹患したと認めるに足りる証拠はない。 以上のとおり,原告A37自身が,砒素中毒に罹患したとは認められない以上,砒素中毒に罹患した原告らと同等の精神的苦痛を受けたということはできない。しかしながら,原告A37の母である原告A19が,原告A37を妊娠中に,本件カレーを喫食し,急性砒素中毒に罹患し,その結果,原告A37も出生前に,母胎内で砒素に曝露し,出生時から砒素中毒に罹患しているおそれがあったこと,そのための検査等を受ける必要が生じることが容易に推認できることに照らすと,原告A37が,被告の本件不法行為により,一定程度の精神的苦痛を受けたとみることができる。そして,その精神的苦痛を慰謝するに足りる慰謝料の額は,50万円とみるのが相当である。 よっ ることに照らすと,原告A37が,被告の本件不法行為により,一定程度の精神的苦痛を受けたとみることができる。そして,その精神的苦痛を慰謝するに足りる慰謝料の額は,50万円とみるのが相当である。 よって,被告は,原告A37に対して,この50万円(別表の原告A37に該当する「認容金額」欄記載の金員)を支払わなければならない。 3 結論以上の次第で,被告は,別表の「原告氏名」欄記載の原告ら各自に対し,別表の「認容金額」欄記載の金員及びこれに対する原告A39,同A40及び同A41については,B,C及びDが死亡した日である平成10年7月26日から,その余の原告らについては,被告が本件カレーに亜砒酸を混入する不法行為を行った日である同月25日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を支払う義務があるというべきである。よって,原告らの本件請求は,この限度で理由があるからこれを認容し,その余の請求は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 和歌山地方裁判所第二民事部裁判長裁判官礒尾正裁判官秋本昌彦裁判官成田晋司 (別表省略)

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