令和7年11月26日宣告秋田地方裁判所刑事部判決令和7年(わ)第35号、第61号収賄被告事件 主文 被告人を懲役2年6月に処する。 この裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予する。 被告人から金300万円を追徴する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、第1 [令和7年5月16日付起訴状の公訴事実に対応する事実]令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間、秋田県秋田地域振興局建設部保全・環境課道路保全班の班長として、同班が担当する道路の維持管理業務を掌理し、その担当に係る道路事業の計画・要望・調整等をするなどの職務に従事するとともに、履行期間を令和3年3月1日から令和5年3月31日までとする同局発注の「道路・河川等維持管理業務委託」の主任監督員として、同委託に係る道路等の復旧・修繕の範囲及び内容等を受注者と協議するほか、同業務において再委託が必要となった場合にはその再委託先の業者につき受注者と協議し、承諾するなどの職務に従事していたところ、令和4年度に同局が競争入札の方法で発注した道路補修工事に関し、その設計図書に記載される転落防止柵の仕様を、従前の鋼材加工品からA株式会社のみが同局管内で取り扱う防腐性能等を有する木材加工品の仕様に変更させ、同社がその下請等で受注することにつき有利かつ便宜な取り計らいをしたこと、及び前記「道路・河川等維持管理業務委託」に基づき実施された「B転落防止柵補修」工事の再委託に係る受注者との協議に関し、再委託先の業者として前記A株式会社を推奨し、承諾するなどの有利かつ便宜な取り計らいをしたことに対する謝礼、並びに今後も同様の取り計らいを受けたいとの趣旨の下に供与されるものであることを知りながら、前記A株式会社の代表 取締役を務 、承諾するなどの有利かつ便宜な取り計らいをしたことに対する謝礼、並びに今後も同様の取り計らいを受けたいとの趣旨の下に供与されるものであることを知りながら、前記A株式会社の代表 取締役を務めていたCから、令和5年5月10日、秋田市ab丁目c番d号「D」において、現金200万円の供与を受け、第2 [令和7年8月8日付起訴状の公訴事実に対応する事実]令和6年4月1日から令和7年3月31日までの間、秋田県産業労働部公営企業課企業施設チームのチームリーダーとして、同チームが担当する発電土木施設の維持管理等に関し、その担当に係る土木工事等の設計、積算、監督、検査の業務等を掌理するなどの職務に従事していたところ、令和6年度に秋田県及び同県秋田発電・工業用水道事務所が特命随意契約等の方法で発注した発電土木施設における土木工事に関し、受注先等の業者選定等について前記A株式会社が有利かつ便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたいとの趣旨の下に供与されるものであることを知りながら、前記A株式会社Eセンターに勤務していたFから、令和6年11月9日、秋田市e字f地内路上に駐車中の自動車内において、現金100万円の供与を受け、もって、いずれも自己の職務に関し賄賂を収受したものである。 (量刑の理由)本件は、秋田県職員であった被告人が、県の発注した工事の再委託先又は受注先に選定した事業者の役員らから、その謝礼等の趣旨で現金の供与を受けた収賄の事案である。被告人は見返りを期待して複数回にわたり贈賄側に便宜を図っており、犯行態様は悪質であり、その利欲的な動機経緯に酌量の余地はない。収賄額は合計300万円と高額に上っており、職務の公正に対する信頼を毀損した程度も大きい。 以上によれば被告人の行為は厳しい非難 り、犯行態様は悪質であり、その利欲的な動機経緯に酌量の余地はない。収賄額は合計300万円と高額に上っており、職務の公正に対する信頼を毀損した程度も大きい。 以上によれば被告人の行為は厳しい非難に値し、その刑事責任を軽く見ることはできない。他方で、被告人は公訴事実を全て認めて反省の態度を示している。また、自業自得とはいえ懲戒免職処分となり、退職金を不支給とする処分を受けたことも認められる。さらに、被告人に前科がなく、妻が出廷し今後の監督を約束したこと等も併せて考慮すると、執行猶予を付することを許容できると判断したが、犯情に照らし期間は通常より長期とするのが相当である。 (求刑懲役2年6月、主文同旨の追徴)令和7年11月26日秋田地方裁判所刑事部 裁判官川畑百代
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