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昭和30(ツ)1 請求異議事件

裁判所

昭和30年3月11日 東京高等裁判所 棄却

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2,458 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用を上告人の負担とする。理由 上告代理人は「原判決を破毀する。本件を東京地方裁判所え差戻す。」との判決を求め、その理由として、別紙上告理由書記載のとおり主張した。上告理由第一点に対する判断。上告人が原審において、上告人の主張のように主張し、その立証として甲第一号訂の一、二を提出し、右甲第一号証の一にはその主張のような記載のあることはその主張のとおりであるが、右甲第一号証の一、二は訴外A宛に出された書面であり、右書証と証人Aの証言によつても上告人主張のような事実は必ずしも認めなければならないものでもない。かつ原判決はその事実の部において上告人が甲第一号証の一、二を提出し、証人Aの証言を援用した旨を記載し、その理由の部において上告人の主張を認めるに足る証明がたいと判示しているのであるから、甲第一号証の一、二と証人Aの証言を排斥したのであるといわなければならない故に、この点に関する上告人の主張は理由がない。上告理由第二点に対する判断。上告人主張の本件家屋の明渡請求が権利の濫用でないことについては原判決が判示しているところであり、その判示している理由は正当であつて、上告人主張のように、権利の濫用であるとはとうてい解することができない。故に、上告人の主張は、結局独自の見解に立つて、原判決を非難しているに帰するから、採用することはできない。上告理由第三点に対する判断。上告人が原審において、被上告人の本件強制執行が権利の濫用となる事由の一として、所論(一)のような事実を主張していることは、本件記録によつて窺い得られるが、原判文を通読すれば、原判決は、仮りに所論(一)のような事実があるとしても、本件債務名義にもとずく強制執行を以て権利の濫用ということはで うな事実を主張していることは、本件記録によつて窺い得られるが、原判文を通読すれば、原判決は、仮りに所論(一)のような事実があるとしても、本件債務名義にもとずく強制執行を以て権利の濫用ということはできないと、判示していることが、明瞭であるから、原判決には所論前段でいうような判断遺脱の違法はない。 仮りに所論(一)のような事実があるとしても、本件債務名義にもとずく強制執行を以て権利の濫用ということはで うな事実を主張していることは、本件記録によつて窺い得られるが、原判文を通読すれば、原判決は、仮りに所論(一)のような事実があるとしても、本件債務名義にもとずく強制執行を以て権利の濫用ということはできないと、判示していることが、明瞭であるから、原判決には所論前段でいうような判断遺脱の違法はない。また上告人が原審で、必要費、有益費の償還請求権の成立を主張したのは、反訴としてこれらの費用の償還を請求するためではなく、留置権成立の要件として主張したのにすぎないことは本件記録に徴して明かである。したがつて、原判決が上告人の本件建物に対する占有が不法行為によるものであることを認定し、この点において上告人主張の留置権が成立する余地のないことを判示していること、原判文上明瞭であるから、原判決が所論(二)のような必要費、有益費の償還請求権の成否についての判断を省略したのは当然であつて、これを目して判断遺脱の違法あるものということはできたい。論旨は原判文を正解しないて、いたずらに原判決を非難するにすぎないものであつて、到底採用することができない。上告理由第四点に対する判断。原判決は証拠を挙示し、これによつて、上告人が本件建物の所有者たる被上告人に対抗できる権原なくしてこれを占有し、かつ少くとも右不法占有について上告人に過失があつたことを認定判示したことは原判文上明かであるから、原判決が証拠によらないで右の認定判示をしたとの論旨前段の所論は到底採用することができ<要旨>ない。次に民法第二九五条第二項でいう「占有が不法行為に因りて始まりたる場合」とは、占有取得行為自体</要旨>が占有の侵奪とか、詐欺、強迫とかによる場合にかぎらず、留置権によつて担保せられる債権の債務者に対抗し得る占有の権原がなく、しかも、これを知り又は過失により知らずして占有を始めた場 行為自体</要旨>が占有の侵奪とか、詐欺、強迫とかによる場合にかぎらず、留置権によつて担保せられる債権の債務者に対抗し得る占有の権原がなく、しかも、これを知り又は過失により知らずして占有を始めた場合をも包含するものと解するのが相当である。蓋し後の場合も前の場合と同様、占有者に留置権を認めて、その者の債権を特別に保護しなければならないなんらの理由がないからである。 過失により知らずして占有を始めた場 行為自体</要旨>が占有の侵奪とか、詐欺、強迫とかによる場合にかぎらず、留置権によつて担保せられる債権の債務者に対抗し得る占有の権原がなく、しかも、これを知り又は過失により知らずして占有を始めた場合をも包含するものと解するのが相当である。蓋し後の場合も前の場合と同様、占有者に留置権を認めて、その者の債権を特別に保護しなければならないなんらの理由がないからである。そして上告人が原審で主張した留置権は被上告人に対する費用償還請求権を被担保債権とするものであること記録上明白であり、本件建物に対する上告人の占有取得が上記原判示のとおりであるから、前示民法の条項によつて、上告人は被上告人に対し留置権を以て本件建物の引渡を拒むことができないものといわなければならない。したがつて結局右と同趣旨に出た原判決は正当であり、論旨に縷述するところは右と異る上告人独自の見解によつて、原判決を非難するに帰するものであるから、本論旨もまた採用することができない。よつて本件上告は理由がないから、民事訴訟法第四〇一条によつて本件上告を棄却し、上告審での訴訟費用の負担について同法第九五条、第八九条を適用し、主文のように判決する。(裁判長判事柳川昌勝判事村松俊夫判事中村匡三)

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