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昭和55(ネ)961 求償金等請求事件

裁判所

昭和55年9月3日 東京高等裁判所

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1,521 文字

主文 原判決中控訴人敗訴の部分を取消す。右部分につき、控訴人の訴を却下する。控訴費用は、控訴人の負担とする。事実 第一当事者の求めた裁判一控訴人原判決中控訴人敗訴の部分を取消す。被控訴人は控訴人に対し三五六万円及びこれに対する昭和五〇年八月二八日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。旨の判決ならびに第二項に対する仮執行宣言二被控訴人控訴棄却の判決第二当事者の主張被控訴人において、請求原因事実を全部認める、と述べたほか、原判決事実摘示と同一であるから、これを引用する。第三証拠原判決挙示のとおりであるから、これを引用する。理由 一被控訴人は控訴人には本件求債権を行使する権限がないと主張するので、まず、この点につき検討するに、控訴人は 1 控訴人が昭和四八年六月二二日横浜家庭裁判所小田原支部から亡A(昭和四七年一一月五日死亡)の自筆証書遺言の遺言執行者に選任されて就職した。2 亡Aは右遺言によつて、同人が平塚市中央農業協同組合に対して有する定期預金債権四〇〇万円及び被控訴人に対する貸金債権七五万円を、長女B、二女C、三女D、四女E、五女Fに遺贈した。3 右定期預金債権には、亡Aが生存中から被控訴人の右農協に対する借入金を担保するため質権が設定されており、弁済期にあたる昭和五〇年八月二六日ころ右質権の実行により三五六万円が右債務の弁済に充当された。との事実関係にもとづき、受遺者である右五名の有する求償債権三五六万円及びこれに対する付帯請求を遺言執行者として被控訴人に対し請求するものであるところ、右事実関係によると、受遺者らが遺贈を受けた定 との事実関係にもとづき、受遺者である右五名の有する求償債権三五六万円及びこれに対する付帯請求を遺言執行者として被控訴人に対し請求するものであるところ、右事実関係によると、受遺者らが遺贈を受けた定期預金債権は、遺贈者である亡Aが死亡した昭和四七年一一月五日、右質権が設定された状態で当然に受遺者らに各五分の一ずつの割合で債権移転の効力が生じたはずであり、その後右定期預金債権は質権が実行されたため、受遺者らが被控訴人に対して各五分の一ずつの割合による求債権を取得するに至つたというべきである。 求を遺言執行者として被控訴人に対し請求するものであるところ、右事実関係によると、受遺者らが遺贈を受けた定期預金債権は、遺贈者である亡Aが死亡した昭和四七年一一月五日、右質権が設定された状態で当然に受遺者らに各五分の一ずつの割合で債権移転の効力が生じたはずであり、その後右定期預金債権は質権が実行されたため、受遺者らが被控訴人に対して各五分の一ずつの割合による求債権を取得するに至つたというべきである。一般に、遺言執行者は、相続財産又は特定財産の管理その他償言の執行に必要な一切の権利<要旨>義務を有するものとされているが、既に受遺者に帰属した債権に関し後に発生した求償権の取立をすること</要旨>までの権限があると解すべき根拠はなく、前記求債権の行使は権利者である受遺者ら自らにおいて訴訟を追行ずれば足りる。従つて控訴人に本件求償金請求訴訟の当事者適格はないと解するのが相当であり、被控訴人の主張は理由がある。二よつて、控訴人の右求償金にかかる本訴は、当事者適格を欠くものとして却下すべきところ、原判決中本訴につき控訴人の請求を棄却した部分は失当であるからこれを取り消した上、控訴人の訴を却下することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第九五条、第八九条を適用して主文のとおり判決する。(裁判長裁判官石川義夫裁判官寺澤光子裁判官原島克己)

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