平成13年(行ケ)第414号審決取消請求事件判決原告 A訴訟代理人弁理士津國肇、伊藤温、束田幸四郎被告日鐵溶接工業株式会社訴訟代理人弁理士田中久喬、内藤俊太 主文 特許庁が平成11年審判第35756号について平成13年5月8日にした審決を取り消す。 訴訟費用は各自の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の求めた裁判主文第1項同旨の判決。 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯原告は、発明の名称を「炭酸ガスアーク溶接用セラミック裏当材」とする特許第2907794号の特許権者である。本件特許は、平成9年5月19日(パリ条約による優先権主張1996年5月22日、韓国)に出願され、平成11年4月2日に設定の登録がされた。被告は、平成11年12月20日に本件特許を無効とすべき旨の審判請求をし、平成11年審判第35756号として審理されたが、平成13年5月8日、「特許第2907794号の請求項1ないし3に係る発明についての特許を無効とする。」との審決があり、その謄本は、同月19日原告に送達された。 2 後記訂正前の本件発明の要旨【請求項1】酸化マグネシウム5~18重量%、酸化アルミニウム25~40重量%および酸化珪素47~65重量%を含み、三酸化二鉄が0.7重量%以下であることを特徴とする炭酸ガスアーク溶接用セラミック裏当材。 【請求項2】アルカリ金属酸化物および/またはアルカリ土類金属酸化物0.5~2.5重量%を更に含む、請求項1記載の裏当材。 【請求項3】耐火度が1,380~1,500℃である、請求項1または2記載の裏当材 3 後記訂正審決に係る訂正事項(特許請求の範囲に係る部分)上記請求項1中の「三酸化二鉄が0.7重量%以下であること」を「 】耐火度が1,380~1,500℃である、請求項1または2記載の裏当材 3 後記訂正審決に係る訂正事項(特許請求の範囲に係る部分)上記請求項1中の「三酸化二鉄が0.7重量%以下であること」を「三酸化二鉄が0.7重量%以下(ただし、0重量%を除く)であること」と訂正。 4 審決の理由の要点請求項1に係る発明は、特開昭59-137193号公報に記載の発明であるとともに、特公昭63-7877号公報に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、また請求項2に係る発明は、特公昭63-7877号公報に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、更に請求項3に係る発明は、特開昭59-137193号公報及び特公昭63-7877号公報に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、本件請求項1ないし3に係る特許は、特許法29条の規定に違反してなされたものであって、無効とすべきものである。 5 訂正審決の確定原告は、本訴提起と同日の平成13年9月14日、本件特許につき、特許請求の範囲の減縮を目的として、明細書の訂正をする審判を請求したところ(訂正2001-39159号)、平成14年9月2日、当該訂正を認める旨の審決があり、その謄本は同月12日原告に送達され、訂正審決は確定した。 第3 原告主張の審決取消事由審決は、訂正前の請求項に基づき請求項1~3の発明の要旨を認定し、これに基づき刊行物に記載の発明との対比において請求項1~3の発明の新規性ないし進歩性を否定しているが、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を認める審決が確定したことにより、審決は、結果的に本件発明の要旨の認定を誤ったことになり、違法となったものである。 第4 当裁判所の判断原告主張の事由により審決は 求の範囲の減縮を目的とする訂正を認める審決が確定したことにより、審決は、結果的に本件発明の要旨の認定を誤ったことになり、違法となったものである。 第4 当裁判所の判断原告主張の事由により審決は取り消されるべきものであり、本訴請求は理由がある。よって、訴訟費用の負担につき行訴法7条、民訴法62条を適用して、主文のとおり判決する。 (平成14年10月3日口頭弁論終結)東京高等裁判所第18民事部裁判長裁判官永井紀昭裁判官塩月秀平裁判官田中昌利
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