昭和30(ネ)603 土地所有権確認等事件

裁判年月日・裁判所
昭和32年1月22日 仙台高等裁判所 棄却
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判決文本文3,336 文字)

主文 本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。事実 控訴代理人は、「原判決を取消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴代理人は控訴棄却の判決を求めた。当事者双方の事実上及び法律上の主張、並びに証拠の提出、援用認否は、次に記載するほか、原判決摘示事実と同一であるからこれを引用する。(ただし原判決中甲第五号証とあるは同号証の一、二と訂正する。)被控訴代理人は、原審での主張事実のうち、(一)本件土地はもと松林寺庄職Aの所有であつたが、被控訴人は昭和二三年一〇月一〇日宮城県知事から自作農創設特別措置法第一六条の規定により売渡しを受け、昭和二五年三月一三日所有権取得の登記を経由し、所有権を取得した。との主張を、本件土地は祖先伝来の被控訴人の所有地で、約四〇年前に開墾し畑としたものであるが、土地台帳及び登記簿上松林寺所有となつていたため、形式上宮城県知事から自作農創設特別措置法の規定による売渡しを受けたこととし、昭和二五年三月一三日所有権取得の登記を経由したものである。(二)控訴人は昭和二八年秋ころ、本件土地は自己の所有であると主張した。との主張を、控訴人は昭和二八年秋ころ、本件土地はその子Bの所有であると主張した。とそれぞれ改めると述べ、控訴代理人は、右(一)で改めた被控訴人の主張事実を否認し、被控訴人は本件土地は祖先伝来の所有地であると主張するが、かように地番、地目及び畝歩をも明らかにせず、単に地表の一部を指して、自己の所有であると主張することは許されないと述べ、立証として、被控訴代理人は、当審証人C、D、A、Eの各言及び当審での検証の結果を援用し、乙第一六ないし第一八号証の成立を認めると述べ、控訴代理 自己の所有であると主張することは許されないと述べ、立証として、被控訴代理人は、当審証人C、D、A、Eの各言及び当審での検証の結果を援用し、乙第一六ないし第一八号証の成立を認めると述べ、控訴代理人は、乙第一六号証、第一七号証の一、二、第一八号証を提出し、当審証人F、G、H、Bの各証言、当審での控訴本人尋問の結果及び検証の結果を援用した。 援用し、乙第一六ないし第一八号証の成立を認めると述べ、控訴代理 自己の所有であると主張することは許されないと述べ、立証として、被控訴代理人は、当審証人C、D、A、Eの各言及び当審での検証の結果を援用し、乙第一六ないし第一八号証の成立を認めると述べ、控訴代理人は、乙第一六号証、第一七号証の一、二、第一八号証を提出し、当審証人F、G、H、Bの各証言、当審での控訴本人尋問の結果及び検証の結果を援用した。理由 成立に争のない甲第一ないし第三号証、第五号証の一、二、原審証人I、J、K、L、M(第一、二回)、N、O、P、Q、原審及び当審証人A(原審第一、二回)、E、当審証人C、Dの各証言、原審での被控訴本人尋問の結果、原審及び当審での検証の結果を総合すると、宮城県本吉郡a町大字b字cd番の一畑の南方で、県道、寺道及び県道からR神社に至る道路に囲まれた略三角形の本件土地(別紙見取図参照)は被控訴人の祖先が代々所有地として承継した土地であつて、約四〇年前被控訴人先代元治が開墾して畑としてからは、一時他に貸与したほか同人及び被控訴人が耕作し、かつ本件土地の畦畔部に生立する椿の実を採取してきたこと、被控訴人は本件土地を自己の所有と信じ、またそれを争う者もなく過してきたが、昭和二三年いわゆる農地改革に際し、本件土地が公簿面上松林寺所有の字be番の一部にあたるということで、Sのすすめにより、公簿面上の同地につき旧自作農創設特別措置法にもとづき、買収及び売渡し手続を経て、昭和二五年三月一三日字be番のf畑九畝一一歩として所有権取得の登記を経由したこと、昭和二八年秋控訴人は被控訴人に対し本件土地かその長男Bの所有であるからとてその耕作をとどめられたい旨申入れ、その後本件土地の畦畔部に生立する椿の実を採取したことから、被控訴人は同年一一月T村農業委員会に対し、本件二地が被控訴人の所有であること 長男Bの所有であるからとてその耕作をとどめられたい旨申入れ、その後本件土地の畦畔部に生立する椿の実を採取したことから、被控訴人は同年一一月T村農業委員会に対し、本件二地が被控訴人の所有であることの証明を願い出たので、同委員会は現地を踏査し討議した結果、控訴人と被控訴人間の本件土地の争いは、字bと字cとの境界を認定すれば、おのずから解決されるとの見地から右両字の境界を県道から松林寺に通ずる道路と認定し、被控訴人の主張を間接に支持したことが認められる。 申入れ、その後本件土地の畦畔部に生立する椿の実を採取したことから、被控訴人は同年一一月T村農業委員会に対し、本件二地が被控訴人の所有であることの証明を願い出たので、同委員会は現地を踏査し討議した結果、控訴人と被控訴人間の本件土地の争いは、字bと字cとの境界を認定すれば、おのずから解決されるとの見地から右両字の境界を県道から松林寺に通ずる道路と認定し、被控訴人の主張を間接に支持したことが認められる。控訴人は、本件土地はその長男B所有の字cg番のhにあたると主張し、これに添う原審及び当審証人Fの証言、当審での証人Bの証言及び控訴本人尋問の結果は採用するに値しない。また成立に争のない乙第四号証(仙台法務局志津川出張所法務事務官U作成の字c地面一部の謄写図)によるも、字cg番のhは、字bとの境界から字ci番のjをへだてて位置することになつているばかりでなく、その形状著しく本件土地と異なり、本件土地を示すものとは到底認め難い。以上の次第で反証のない本訴では、本件土地は被控訴人の所有と認定することが相当である。もつとも前示乙第四号証と成立に争のない甲第六号証(仙台法務局志津川出張所法務事務官U作成の字b地面一部の謄写図)とは明らかにくいちがい、そのいずれを正しいものとするかも明らかでなく、かつまた右甲第六号証によるも、位置、地形上、本件土地が字be番のf畑九畝一八歩にあたるとは認めることができないのであつて、その他本件土地の公簿面上の地番、地目及び畝歩を明らかにする証拠なく、これを認定することを得ないから、原判決主文中、「字be番のf畑九畝一一歩」とあるを消除して更正する。<要旨>控訴人は地番、地目及び畝歩を明らかにしないで、土地所有権を主張することは許されない旨主張するが、</要旨> ないから、原判決主文中、「字be番のf畑九畝一一歩」とあるを消除して更正する。<要旨>控訴人は地番、地目及び畝歩を明らかにしないで、土地所有権を主張することは許されない旨主張するが、</要旨>本件土地は原審及び当審での検証の結果により、前示のとおり具体的に明らかにされているのである。そして、公簿面上の地番、地目、畝歩のごときは土地の属性に過ぎないのであるから、かかる事実関係を明らかにしなくとも、土地そのものの範囲が具体的に明らかにされている限り、その所有権を主張する妨げとならないものと解するから、控訴人の右主張は、理由がない。 土地所有権を主張することは許されない旨主張するが、</要旨>本件土地は原審及び当審での検証の結果により、前示のとおり具体的に明らかにされているのである。そして、公簿面上の地番、地目、畝歩のごときは土地の属性に過ぎないのであるから、かかる事実関係を明らかにしなくとも、土地そのものの範囲が具体的に明らかにされている限り、その所有権を主張する妨げとならないものと解するから、控訴人の右主張は、理由がない。以上のほか、本件土地についての所有権の確認の利益の有無及び被控訴人の控訴人に対する損害賠償請求についての判断は原判決の理由と同じであるからこれを引用する。そうすると、原判決は結局相当であつて、本件控訴は理由がないから、民訴法第三八四条、九五条、八九条を適用して主文のとおり判決する。(裁判長判事斎藤規矩三判事沼尻芳孝判事羽染徳次)(別紙見取図は省略する。)

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