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昭和43(オ)341 建物収去土地明渡等請求

裁判所

昭和47年5月23日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所 昭和42(ネ)1138

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1,275 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人村上直の上告理由第一点および第二点について。借地法一〇条による建物買取請求権が行使された場合における建物の買取価格は、建物が現存するままの状態における価格であり、その算定には、建物の敷地の借地権そのものの価格は加算すべきではないが、建物の存在する場所的環境を参酌すべきものである(最高裁昭和三四年(オ)第七三〇号・同三五年一二月二〇日第三小法廷判決、民集一四巻一四号三一三〇頁参照)。ところで、このような場所的環境を参酌した建物の価格は、所論のように、敷地の借地権の価格に対する一定の割合をもつて一律に示されるものではなく、また、所論の収益還元法に依拠してのみ定めるべきものでもなく、要するに、建物自体の価格のほか、建物およびその敷地、その所在位置、周辺土地に関する諸般の事情を総合考察することにより、建物が現存する状態における買取価格を定めなければならないものと解するのを相当とする。これを本件についてみるに、原判決は、上告人が建物買取請求をした昭和四〇年五月一日現在における物理的な本件建物自体の価格が四〇万五〇〇〇円ないし四五万九〇〇〇円であることのほか、これに加えて、その所在場所の交通の便、周辺土地の利用状況、本件建物および敷地の使用目的、面積、ならびに過去における取引価格など、適法に認定した諸般の事情を総合して、右の日現在における本件建物の価格は一三〇万円をもつて相当とする旨判断しているのであつて、右価格は、場所的環境を参酌した本件建物の価格として相当なものということができる。原判決は、所論のように、昭和三三年二月二八日当時の取引価格のみをもつてただちに右- 1 -買取請求時における本件建物の適正価格と 的環境を参酌した本件建物の価格として相当なものということができる。原判決は、所論のように、昭和三三年二月二八日当時の取引価格のみをもつてただちに右- 1 -買取請求時における本件建物の適正価格と認定したものではないから、この点に関する論旨は、原判決を正解しないものであり、また、原判決が所論の各鑑定の結果を排斥した判断も、前示のところに照らし、正当として是認することができる。 る本件建物の適正価格と 的環境を参酌した本件建物の価格として相当なものということができる。原判決は、所論のように、昭和三三年二月二八日当時の取引価格のみをもつてただちに右- 1 -買取請求時における本件建物の適正価格と認定したものではないから、この点に関する論旨は、原判決を正解しないものであり、また、原判決が所論の各鑑定の結果を排斥した判断も、前示のところに照らし、正当として是認することができる。したがつて、原判決の認定・判断に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官田中二郎裁判官下村三郎裁判官関根小郷裁判官天野武一裁判官坂本吉勝- 2 -

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