【DRY-RUN】主 文 原判決中上告人敗訴の部分を破棄する。 右部分について本件を東京高等裁判所に差し戻す。 理 由 上告代理人石田享、同中田直人の上告理由第三点に
主文原判決中上告人敗訴の部分を破棄する。 右部分について本件を東京高等裁判所に差し戻す。 理由上告代理人石田享、同中田直人の上告理由第三点について。 所論は、帰するところ本件新築にかかる建物のうち原判決添付図面ワ、カ、ヨ、ニ、ハ、ロ、ワの各点を順次結ぶ直線で囲まれた部分二坪五合(以下「甲部分」という。)が、従前の建物たる主屋(以下「主屋部分」という。)に附合しないとした原審の判断が、附合に関する法規の解釈、適用を誤るものである旨主張するものであるところ、原判決は、甲部分は、その基礎が主屋部分の基礎から離して設けられており、その柱は主屋部分の柱と接合されておらず、その屋根も防水の関係で主屋部分の屋根の下に差し込めてあるが構造的には両者は分離しているものであり、これに反し、新築建物のうち原判決添付図面ニ、ヨ、タ、ト、ヘ、ホ、ニの各点を順次結ぶ直線で囲まれた部分二坪(以下「乙部分」という。)は、主屋部分の北方一間の線に柱を建て、この柱と主屋部分北側の柱とをたる木でつなぎ、そのたる木は、主屋部分の柱に欠き込みをして接合せしめ、床は全部たたきとして、玄関、浴室、物置に使用され、甲部分と乙部分とは、柱および屋根が構造的に接合していない事実を認定し、右乙部分は主屋部分に附合するが、甲部分は主屋部分に附合せず、ために、主屋部分の前所有者Dは、甲部分の所有権を取得せず、Dから主屋部分を買い受けた上告人も甲部分の所有権を取得せず、甲部分は、被上告人の所有に属する旨判示し、これに対する賃貸借契約の効力を否定している。 しかし、右新らたに築造された甲部分が主屋部分および従前の建物に附合する乙部分に原判示の部分において構造的に接合されていないからといつて、ただちに甲部分が主屋部分に附合していないとするこ ている。 しかし、右新らたに築造された甲部分が主屋部分および従前の建物に附合する乙部分に原判示の部分において構造的に接合されていないからといつて、ただちに甲部分が主屋部分に附合していないとすることはできない。原判示によれば、甲部分- 1 -と主屋部分とは屋根の部分において接着している部分もあるというのであるから、さらに甲部分と主屋部分および乙部分との接着の程度ならびに甲部分の構造、利用方法を考察し、甲部分が、従前の建物たる主屋部分に接して築造され、構造上建物としての独立性を欠き、従前の建物と一体となつて利用され、取引されるべき状態にあるならば、当該部分は従前の建物たる主屋部分に附合したものと解すべきものである。 従つて、原審としては、これらの諸点について審理、判断し甲部分の主屋部分に対する附合の有無を決すべきであるにかかわらずこれをなさず、甲部分が主屋部分および乙部分と原判示の部分において構造的に接合していない事実より、ただちに甲部分は主屋部分に附合していないものとし、右部分についてのDの所有権取得を否定し、上告人の被上告人に対する請求中、甲部分に対する請求を棄却したのは、附合に関する法規の解釈を誤り、審理不尽、理由不備の違法あるものというべきであり、この点に関する論旨は理由がある。 よつて、その余の論旨について判断するまでもなく原判決中上告人敗訴部分を破棄し、さらに上記の点について審理せしめるべく右部分について本件を原審に差し戻すこととし、民訴法四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官松田二郎裁判官入江俊郎裁判官長部謹吾 廷裁判長裁判官松田二郎裁判官入江俊郎裁判官長部謹吾裁判官岩田誠裁判官大隅健一郎- 2 -
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