【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人等の負担とする。 理 由 上告理由は別紙の通りであり、これに対する当裁判所の判断は左記のとおりであ る
主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人等の負担とする。 理由 上告理由は別紙の通りであり、これに対する当裁判所の判断は左記のとおりである。 上告理由第一点について、所論は、原判決が、前訴の判決の既判力が後訴に及ばないと判示しながら、何等特別の理由を示すことなく、前訴たる別訴の判決が、後訴たる本件訴訟に及ぶと判断したというけれども、原判決は、上告人が、前訴たる別訴において主張し判断されたと同一の事由を、後訴たる本件訴訟の請求原因の一つとして主張したことを以て、本訴のうちの右の請求は、実質的には別訴の異議と同一の異議を主張するに外ならないものと解して、その限りにおいて別訴の既判力が本訴に及ぶものと説示しているものであり、右判断は首肯し得べく、本訴をそのまま別訴と同一視したものではないから、原判決には所論の理由齟齬ないし理由不備の違法は存しない。 上告理由第二点について、所論は要するに、前訴たる別訴即ち執行文付与に対する異議においては、後訴たる本訴即ち請求に関する異議において上告人の主張する債務名義所定の停止条件の未成就による給付請求権の不発生はその訴訟物になつていず、判決主文においても判断されていないから、別訴の既判力は本訴の右請求には及ばないと主張するもの<要旨>である。しかしながら、民事訴訟法第五四六条所定の執行文付与に対する異議の事由は、同法第五四五条の請</要旨>求に関する異議の事由としてもこれを主張し得るものと解すべきであつて(大審院昭和一五年一〇月四日判決参照)、かような見地からすれば、請求に関する異議は、確定した債務名義の効力の排除を目的とするものであるが、右にいわゆる債務名義の効力なるものは、債務名義成立当時においてすでにその全部が発生しているもののほか、 な見地からすれば、請求に関する異議は、確定した債務名義の効力の排除を目的とするものであるが、右にいわゆる債務名義の効力なるものは、債務名義成立当時においてすでにその全部が発生しているもののほか、その後において債務名義自身の定める一定の事由(条件、期限その他)の発生に伴つて発生するもの、及び債務名義表示の当事者から他の者に移転するものをも当然に包含するものと解すべく、結局において請求異議は、執行ないし異議の当時において債務名義の現有する執行力を排除するものである(通常それは債務名義自体に着眼して論議されるが、正確に言えばそれは他のあらゆる権利義務の関係と同様に、人即ち債務名義を保有する債権者又は承継債権者について、その現有する執行権能の否認ないし剥奪を宣言するものと解すべく、従つて通常異議権と称される訴訟物について見ても、右の見地からは、債権者又は承継債権者の現有する形式的には適法な執行力について存する実質的違法性(又は不当性)の存在が、裁判による形成の原因の存否として訴訟物となるものとも解し得るのである)から、その外形上存在する執行力の排除原因がいわば先天的ないし原始的に存在したか、後発的に生じたかの区別は、制度の目的に徴すると、本質的差異を生ずるものとは考えられないのである。そうすると、右にいわゆる執行力発生又は移転の特別要件の審査手続の当否から生ずる理由を、別に執行文付与に対する異議手続の原因と構成して、債務者に対して防禦の途を与えたとしても、これと請求異議とは本来決して相排斥するものではなく、両者は互に独立存在は許されるけれども、その一方(請求異議)が他方(執行文付与に対する異議)を包摂することも亦可能である(この逆は必ずしも真ではないから、両者は決して同一のものではなく、従つて、その限りにおいて別訴禁止は妥当しない)。以上 一方(請求異議)が他方(執行文付与に対する異議)を包摂することも亦可能である(この逆は必ずしも真ではないから、両者は決して同一のものではなく、従つて、その限りにおいて別訴禁止は妥当しない)。以上の関係に在るものとすると、執行文付与に対する異議の請求の目的は、前記執行力発生又は移転の要件の欠如に因る現有執行力の排除であるから、その訴訟の既判力は右の原因に基く執行力排除の当否につき生ずべく、決して単なる執行正本の証明的効力のみを争うに在るものではないから、もし同一の事由が、後に請求異議の事由として主張された場合には、右事由による執行力排除の当否についての裁判は、さきの既判力の効力を受けるのは当然であつて、この場合、前訴の裁判の主文は、その文言の如何に拘らず、その理由たる前記執行力の発生又は移転の要件の存否による執行力の存否としての既判力内容を示すものと解すべきであつて、上告人の主張する「条件成就の有無による給付請求権の発生の有無」も、右の前訴の審理判断の対象即ち既判力の範囲の外に在るものではない。 そうすると原審が、本訴における「現状不変更義務違反を条件とする家屋明渡請求権の効力停止」なる請求原因に基く上告人の異議を、その訴名にかかわらず請求異議に該当しないとした用語の当否は兎も角として、前訴(別訴)において右異議の当否が判断され、既判力を生じており、上告人の請求をその内容即ち請求原因の存否について判断するまでもなく失当として排斥したのは結局正当であつて、原判決には所論の法律の解釈適用の誤りは存しないものと認められるから、論旨は理由がない。 よつて本件上告を理由なしとして棄却すべく、民事訴訟法第四〇一条第九五条第八九条第九三条を適用して主文の通り判決する。 (裁判長裁判官岡垣久晃裁判官宮川種一郎裁判官鈴木弘) よつて本件上告を理由なしとして棄却すべく、民事訴訟法第四〇一条第九五条第八九条第九三条を適用して主文の通り判決する。 (裁判長裁判官岡垣久晃裁判官宮川種一郎裁判官鈴木弘)
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