【DRY-RUN】主 文 本件抗告を棄却する。 抗告費用は抗告人の負担とする。 理 由 抗告代理人真子傳次、同出射義夫、同梶原正雄、同久保田敏夫の抗告理由につい て
主 文 本件抗告を棄却する。 抗告費用は抗告人の負担とする。 理 由 抗告代理人真子傳次、同出射義夫、同梶原正雄、同久保田敏夫の抗告理由につい て 所論は、まず、即時抗告を許さない過料決定は憲法一四条、三一条に違反すると 主張する。 しかし、審決違反に対し東京高等裁判所のした過料の決定につき違憲を理由とす る場合のほかは抗告が許されないものと解しても、なんら所論憲法の規定に違反す るものでないことは、当裁判所が抗告人に関する昭和五一年(行ト)第一九号事件 の決定において説示するとおりである。論旨は採用することができない。 次に、所論は、公正取引委員会が本件審決主文二項に基づき同委員会の承認しう る周知徹底方法として示した文案は、抗告人において現に刑事訴追を受けている違 法な価格協定をしたという事実を抗告人に自認させる内容のものであるから、過料 の制裁をもつて右文案に従うべきことを強制するのは憲法三八条一項に違反すると 主張する。 しかし、本件審決が、抗告人に対し、違法な価格協定の破棄を命ずるとともに、 該命令に基づいて抗告人のとつた措置を取引先及び需要者に周知徹底させるべきこ とを命じている趣旨に即して考えれば、公正取引委員会の前記文案は、抗告人のい かなる行為が違法とされたのかについて審決の内容を具体的に表示させるための必 要に出た文言であつて、これにより、抗告人が違反行為を自認したことになるもの とは解されない。したがつて、論旨は前提を欠き、採用することができない。 また、所論は、本件審決の主文が不特定であるから、その履行を強制することは - 1 - 違憲であると主張する。 しかし、本件審決主文は、認定された違法な価格協定の実効性を失わしめるため、 違反行為の存在とその具体的内容を明示させ、それを破棄した旨 、その履行を強制することは - 1 - 違憲であると主張する。 しかし、本件審決主文は、認定された違法な価格協定の実効性を失わしめるため、 違反行為の存在とその具体的内容を明示させ、それを破棄した旨を周知徹底させる べきことを命じているものと解されるのであり、その具体的方法の特定については 公正取引委員会の承認を受けることとなつているが、周知徹底を命じた趣旨、目的 と社会通念に照らせば、右承認につき同委員会の有する裁量にもおのずから一定の 客観的基準が存在するものというべきであるから、それが審決主文に示されていな いからといつて、主文が不特定であるとすることはできない。論旨は前提を欠く。 更に、所論は、審決の取消訴訟が係属中に審決違反に対して過料を科することは 憲法三二条に違反すると主張するが、右過料決定によつて審決取消訴訟の帰すうが 左右されるものでないことはいうまでもなく、また、後日右訴訟の判決によつて審 決が取り消されたときは、民訴法四二九条、四二〇条一項八号により過料決定に対 して再審の申立をすることができるのであるから、論旨は前提において失当である。 その余の所論は、単なる法令違背の主張にすぎず、特別抗告適法の理由とは認め られない。 よつて、本件抗告を棄却することとし、抗告費用は抗告人の負担として、裁判官 全員一致の意見で、主文のとおり決定する。 昭和五二年四月一三日 最高裁判所第二小法廷 裁判長裁判官 大 塚 喜 一 郎 裁判官 岡 原 昌 男 裁判官 吉 田 豊 裁判官 本 林 讓 裁判官 栗 本 一 夫 - 2 - 裁判官 吉 田 豊 裁判官 本 林 讓 裁判官 栗 本 一 夫 - 2 -
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