主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求 被告は、原告に対し、142万6115円及びこれに対する令和3年4月21日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等本件は、騎手として地方競馬に出場していた原告が、令和3年4月21日付けで被告管理者から違法な競馬関与停止処分を受けたことにより損害を 被った旨主張して、被告に対し、国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づく損害賠償金142万6115円、及びこれに対する同日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 関係法令の定め(ただし、令和3年4月21日当時のもの。) 別紙「関係法令の定め」のとおりである。 2 前提事実(当事者間に争いのない事実、括弧内に記載した証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 当事者ア原告(昭和▲年▲月生)は、平成14年以降、毎年、地方競馬全国協 会(以下「地全協」という。)から騎手免許を受けて地方競馬に出場していた者であり、平成25年に笠松競馬場に移籍した後はA調教師のきゅう舎に所属して、被告が実施する笠松競馬などに出場していた。 (甲9、24)イ被告は、岐阜県、笠松町及び岐南町により構成される地方公共団体の 一部事務組合であり、笠松町所在の笠松競馬場において地方競馬を実施している。 (2) 原告に対する処分ア被告管理者は、令和3年4月21日、原告が「競走に関し、不正な目的をもって財物…を収受」(岐阜県地方競馬組合地方競馬実施条例施行 規則67条12号)したと認定して、原告 に対する処分ア被告管理者は、令和3年4月21日、原告が「競走に関し、不正な目的をもって財物…を収受」(岐阜県地方競馬組合地方競馬実施条例施行 規則67条12号)したと認定して、原告に対し、同日から令和4年4月20日までの1年間、競馬に関与することを停止する処分(以下「本件関与停止処分」という。)をした。(甲6)イ地全協は、本件関与停止処分があったことを受けて、令和3年4月21日、原告に対し、同日付けで騎手免許を取り消す処分をした。 3 争点及び当事者の主張の要旨(1) 本件関与停止処分が国賠法上違法か(原告の主張の要旨)原告が「競走に関し、不正な目的をもって財物…を収受」した事実はない。 競馬関与停止処分は、地方競馬の騎手免許取消処分につながるものであるから、慎重に調査・判断すべきところ、被告管理者は、職務上尽くすべき注意義務を尽くすことなく、調査不十分のまま事実を誤認して本件関与停止処分を行ったのであり、国賠法上違法である。 (被告の主張の要旨) 原告は、平成27年頃、B(不正な馬券購入をしていた調教師)から馬の調子を聞かれ、それに答えると、レース終了後、Bから3~5万円程度の金員を受領するようになり、同年7月~同年12月の間に合計約50万円の金員を受領していた。このような経緯や金額(明らかに社会的な儀礼の範囲を超えるもの)からすれば、原告が、上記金員受領の際、少なく とも、不正な金員かも知れないがそれでも構わない、との認識を有していたことは明らかであり、「競走に関し、不正な目的をもって財物…を収受」していたというべきである。 被告は強制力を伴う調査能力を有しないので、関係者からの聴取が調査の中心であ 認識を有していたことは明らかであり、「競走に関し、不正な目的をもって財物…を収受」していたというべきである。 被告は強制力を伴う調査能力を有しないので、関係者からの聴取が調査の中心であるところ、被告の独自調査のほか、第三者委員会の調査結果 や顧問弁護士との協議も踏まえて本件関与停止処分をしており、職務上尽くすべき注意義務を尽くしていた。 (原告の反論の要旨)原告は、馬の調子等について他の調教師や騎手から聞かれることもあったし、それには答えていたが、それは事故防止等のためである。原告が Bから受領していた金員は1回当たり1~2万円程度であり、その頻度は月1~2回程度であり、平成27年7月~同年12月の間に受領した金員は合計25万円程度にとどまる。当時の原告は、これらの金員について、レースで勝ったときの「ご祝儀」や、馬の調教を手伝ったことに対する「調教料」だと思っており、情報提供の対価という認識ではなかった。 (2) 損害額(原告の主張の要旨)本件関与停止処分により、原告には次の損害が生じた。 ア逸失利益 12万6115円a 令和4年8月1日までの約1年3か月間、騎手としてレースで騎乗 したり競走馬の調教をしたりしていれば得られたはずの収入484万0065円を得ることができなかった。 b 原告は、令和3年5月から令和4年7月の間に他の企業で働き、471万3950円の収入を得ていた。 caからbの金員を控除すると、12万6115円となる。 イ慰謝料 130万円ウ合計 142万6115円(被告の主張の要旨)ア争う。bにつき、原告が他の企業で働いていたことは認め、その余は なる。 イ慰謝料 130万円ウ合計 142万6115円(被告の主張の要旨)ア争う。bにつき、原告が他の企業で働いていたことは認め、その余は不知。 イ不知。 ウ争う。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前記前提事実に加え、後掲各証拠並びに証拠(甲24、原告本人)及び弁 論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 (1) 笠松競馬における騎手の仕事や収入ア騎手(笠松競馬所属の騎手。以下同じ。)は、調教師から騎乗依頼を受けてレースで競走馬に騎乗するほかに、競走馬の調教、所属するきゅう舎での仕事などをしている。(争いなし) イ騎手の収入は、レースで騎乗した場合の騎手手当(平成27年中は1回4000円)、入賞した場合の騎乗騎手賞金(1着・2着・3着の賞金額は、平成27年1~3月においては順に2550円・1700円・1270円、同年4~9月においては順に2780円・1850円・1390円、同年10~12月においては順に3000円・2000円・ 1500円)及び進上金(馬主が、調教師や騎乗騎手などに対し、取得した本賞金から支払う成功報酬的な金員。一般に、騎手への配分額は本賞金額の5%である。)、競走馬の調教料(1日1頭あたり200円程度)、きゅう舎の仕事の対価などである。 平成27年中の笠松競馬の開催レース総数は1013であり、うち、 1着の本賞金(馬主が取得するもの)200万円以上のレース数が12(1.18%)、同本賞金100万円以上200万円未満のレース数が11(1.09%)、同本賞金50万円以上100万円未満のレース数が11(1.09%)、同本賞金20万円以上50万円未満 ース数が12(1.18%)、同本賞金100万円以上200万円未満のレース数が11(1.09%)、同本賞金50万円以上100万円未満のレース数が11(1.09%)、同本賞金20万円以上50万円未満のレース数が273(26.95%)、同本賞金20万円未満のレース数が70 6(69.69%)であった。(甲23、乙6、7、弁論の全趣旨)ウ原告は、平成27年中、笠松競馬において合計636回騎乗し、うち1着になった回数は58回であった。原告は、同年中、入賞した際には、いずれも本賞金の5%相当額の進上金を取得しており、1着になった際に取得した進上金の額は、6500~9750円が多く(47 回)、最頻値は6500円(12回)、最低額は5400円(1回)、最高額は1万8500円(3回)であった。(乙7)また、原告は、同年頃、レースで勝った時などに、B以外の調教師等を通じて、馬主からの謝礼金等を(進上金とは別に)受け取ることもあったが、その額はだいたい1万円、多くて2万円であった。(乙1・1 1頁、45頁等)エ原告を含む騎手らは、普段から、他の騎手や調教師から競走馬の調子等を聞かれ、これに答えることがあった。このような情報交換には、事故を避けるための注意喚起や、レースに関する駆け引きという側面もあった。(甲3の20頁) (2) 笠松競馬における不正行為等ア笠松競馬において、遅くとも平成24年までには、Bを中心とする調教師・騎手のグループによる不正な馬券購入(競馬法29条8号違反)が行われるようになった。その後、グループの構成員には変遷がありつつも、令和2年6月頃まで継続的に、不正な馬券購入が行われてい た。 上記馬券購入の際には、他の騎手に騎乗する われるようになった。その後、グループの構成員には変遷がありつつも、令和2年6月頃まで継続的に、不正な馬券購入が行われてい た。 上記馬券購入の際には、他の騎手に騎乗する馬の調子を聞く等の情報収集が行われた。(甲3)イ原告は、平成27年中、Bから競走馬の調子や癖を聞かれ、これに答えたことが複数回あり、かつ、レース終了後にBから現金を受け取っ たことが複数回あった。当該現金の額は次第に大きくなり、1回当たりの金額は3~5万円程度であった。(甲3、乙1、2)(後記2の補足説明参照)ウ原告は、上記イの現金受領につき、所得税の申告をしていなかった。 (甲7、8、乙1) (3) 不正行為等の発覚及びその後の調査等の経緯ア令和2年6月、笠松競馬所属の調教師1名及び騎手3名が競馬法違反(馬券購入)の疑いで岐阜県警察による家宅捜索や事情聴取を受けたことが発覚した。また、令和3年1月19日には、笠松競馬所属の調教師及び騎手が、購入した馬券の払戻金について税務申告しなかった こと等を理由として、名古屋国税局から所得税の申告漏れを指摘されていたことが報道された。(甲3・4頁)イ原告も、令和2年10月頃、税務署から前記(2)ウの申告漏れの指摘を受け、平成27年の所得に雑所得50万円を追加する内容の修正申告をした。(甲7、8、乙1) ウ被告は、令和3年1月22日、笠松競馬所属の調教師・騎手等による所得税申告漏れ事案のほか、競馬法違反行為等の有無について、真相の究明を図るとともに、再発防止策等の検討を行うことを目的として、笠松競馬不適切事案検討委員会(以下「本件委員会」という。)を設置した。 エ本件委員会は、令和3年2月22 の究明を図るとともに、再発防止策等の検討を行うことを目的として、笠松競馬不適切事案検討委員会(以下「本件委員会」という。)を設置した。 エ本件委員会は、令和3年2月22日及び同年3月5日に原告に対する聴取調査(以下、同年2月22日の聴取を「聴取1」、同年3月5日の聴取を「聴取2」という。)を行うなど、各種の調査を行った上で、同年3月31日、調査結果をまとめた報告書を提出した。その中で、原告については、「情報提供の報酬という認識はなかったが、半年間にわ たり、通常の注意をもってすれば、明らかに社会的な儀礼の範囲を超えると分かる金員を、複数回供与されながら漫然とこれを受領し、組合や所属調教師に報告しなかった。」との事実認定をし、騎乗停止以上の重い措置を要する旨の処分意見を示した。(甲3の42~43頁、乙1、2) 2 事実認定の補足説明原告は、Bから受領していた現金の額(前記1(2)イ)について、1回当たり1~2万円程度であった旨主張し、令和3年4月の聴聞時(甲8)並びに陳述書(甲24)及び本人尋問においてもこれに沿う陳述をしている。 しかしながら、原告は、聴取1において、当初は、Bから受領していた現 金の額は(勝ったときの祝儀や調教料であるとの前提で)1回当たり1~2万円であった旨述べていたものの(乙1・7頁等)、その後、「どうして馬券購入の分け前だという風に気づいたんですか」との質問に対して「ちょっと額がどんどん大きくなっていったんで」と述べ、「どれくらいまで大きくなったの」との質問に対して「3万ですかね」と述べている(乙1・42頁~)。 そして、聴取2においては、Bから受領していた現金の額につき、「一回につきいくらぐらい貰うのですか」との質問に対して「だいたい、 の質問に対して「3万ですかね」と述べている(乙1・42頁~)。 そして、聴取2においては、Bから受領していた現金の額につき、「一回につきいくらぐらい貰うのですか」との質問に対して「だいたい、3万とかが多かったですね」と述べ(乙2・8頁)、その後、「ずっと3万円をもらっていたわけじゃないですか」との質問に対して「はい。そうじゃないですね」と述べ、「一番少ない時でどれくらいですか」との質問に対して「3万円と かくらいですかね」と述べ、「一番多い時はどれくらいですか」との質問に対して「5万。5万のときもあったと思いますけど」と述べ、「じゃあ、平成27年の9月から12月までの間に、B先生から、…3万円から5万円を受け取っていたということですか」との質問に対しても「はい」と述べ(乙2・20~21頁)、その後、「祝儀としては大きいなとは思わなかった」、 「思ったでしょ」との質問に対して「5万とか額が大きくなるとちょっと多いんじゃないのかなとは思いましたけど」と述べている(乙2・47頁)。 原告は、上記の各回答をしたことについて、本件委員会の委員から、半年で50万、1か月で8万となると、だいたい3万円から5万円受け取ったことになるよねと言われ、そう答えるしかなかった旨述べる(原告本人・5頁)。 しかしながら、原告が3~5万円との回答をした聴取2の反訳書(乙2)をみても、原告が、当該回答に先立って、本件委員会の委員から、だいたい3万円から5万円受け取ったことになるよね、という趣旨の発言を受けていたことは窺われない(上記反訳書の内容が不正確である旨の主張・立証はない。)。むしろ、原告は、上記のとおり、「一番少ない時」及び「一番多い時」 の金額を問われた際などに、自分から「3万円」、「5万」といった数字を挙 反訳書の内容が不正確である旨の主張・立証はない。)。むしろ、原告は、上記のとおり、「一番少ない時」及び「一番多い時」 の金額を問われた際などに、自分から「3万円」、「5万」といった数字を挙げていたものである。そもそも聴取2は、原告が、聴取1でのやり取りを調教師に伝えたところ、調教師から、原告はしゃべりがあまり上手ではないからちゃんと伝わってないんじゃないか、もう一度言った方がいいんじゃないかと言われたため、本件委員会に対して再度の聴取の申入れをしたことによ って行われたものであり(乙2・1頁、原告本人・18頁~)、実際にも原告は、平成27年にBから受領した現金の総額に関しては、「だいたい50万円くらい受け取ったっていうのはそれ事実ですか」との質問に対して「覚えてないですけど、そんな貰った記憶は、ないとは思います」と述べるなどしているのであって(乙2・8頁、原告本人・19頁など)、仮に原告がB から受領していた現金の額を1回当たり1~2万円程度と認識していたとすれば、たとえ原告が「口下手、人見知りで緊張しがち」(原告本人・2頁)であるとしてもなお、前段落で摘示したような回答をするとは考え難い。 以上によれば、原告がBから受領していた現金の額について、1回当たり1~2万円程度であった旨の原告の主張・陳述を採用することはできず、被 告の主張どおり、1回当たり3~5万円程度であったと認めるのが相当である。 3 争点(1)(本件関与停止処分が国賠法上違法か)について前記1の認定事実、とりわけ前記1(1)ウ及び(2)ア・イの事実によれば、遅くとも平成24年以降、Bを中心とするグループによる不正な馬券購入が 行われており、当該馬券購入の際には、他の騎手に騎乗する馬の調子を聞く等の情報収集が )ウ及び(2)ア・イの事実によれば、遅くとも平成24年以降、Bを中心とするグループによる不正な馬券購入が 行われており、当該馬券購入の際には、他の騎手に騎乗する馬の調子を聞く等の情報収集が行われていたところ、原告は、平成27年中、Bから競走馬の調子や癖を聞かれ、これに答えたことが複数回あり、かつ、レース終了後に、Bから、当時取得していた進上金や謝礼金等の額を大幅に上回る3~5万円程度の現金を、複数回にわたって受け取っていたものである。このよう な経緯等に照らせば、上記現金は不正な情報提供の対価として授受されていたものとみるのが自然である。 原告は、Bから受け取っていた現金について、レースで勝ったときの「ご祝儀」や、馬の調教を手伝ったことに対する「調教料」だと思っており、情報提供の対価という認識ではなかった旨主張・陳述し、また、本賞金200 万円のレースであれば騎手は10万円を受領するのであるから、仮に5万円の金員を受領していたとしても社会的儀礼の範囲を超えるものではない旨なども主張する。しかしながら、前記1(1)イ及びウのような騎手の収入構造、平成27年当時の本賞金(原告のいう「ご祝儀」等の原資になるものと考えられる。)の規模、当時の原告が実際に取得していた進上金や謝礼金の 額等も踏まえれば、原告が、Bから複数回にわたって3~5万円程度、とりわけ5万円もの現金を受け取った際、それらを「ご祝儀」や「調教料」と認識していたとは考え難いものといわざるを得ない。加えて、原告は、本訴訟において、少なくともBから受け取っていた現金の1 回当たりの額に関しては、事実と異なる主張・陳述をしていると認められるのであり(前記2)、 当該現金受領に関する原告の主張・陳述の信用性が高いとはいえない。 から受け取っていた現金の1 回当たりの額に関しては、事実と異なる主張・陳述をしていると認められるのであり(前記2)、 当該現金受領に関する原告の主張・陳述の信用性が高いとはいえない。 以上によれば、上記現金受領時の認識に関する原告の主張・陳述を採用することはできず、被告の主張どおり、原告は、当該現金受領の際、少なくとも、不正な金員(情報提供の対価)かもしれないがそれでも構わない、との認識を有していたと認めるのが相当である。そうである以上、原告は、「競 走に関し、不正な目的をもって財物…を収受」したというべきである。 そうすると、被告管理者がした本件関与停止処分について、事実誤認があったということはできない。その他本件に顕れた一切の事情を考慮しても、同処分につき、国賠法上違法というべき事由があるとは認められない。 4 以上によれば、争点(2)について判断するまでもなく、原告の請求は理由 がないので、主文のとおり判決する。 岐阜地方裁判所民事第1部 裁判長裁判官秋吉信彦 裁判官北川幸代 裁判官小林昂平 別紙関係法令の定め 1 競馬法(1) 地方競馬全国協会(以下「地全協」という。)が行う免許を受けた者でなければ、地方競馬の競走のため、馬に騎乗することができず、地全協は、 競馬の公正かつ安全な実施を確保するため必要があると認めるときは、農林水産省令で定めるところにより、免許を取り消すことができる旨の定めがある。(22条、16条1項、同条2項)(2) 同法律で別に定めるもののほか、競馬場内の秩序 め必要があると認めるときは、農林水産省令で定めるところにより、免許を取り消すことができる旨の定めがある。(22条、16条1項、同条2項)(2) 同法律で別に定めるもののほか、競馬場内の秩序を維持し、その他競馬の公正を確保するため必要な事項は、政令で定める旨の定めがある。(2 4条)(3) 地方競馬の競走に関係する調教師、騎手及び競走馬の飼養又は調教を補助する者は、全ての地方競馬の競走について、勝馬投票券を購入し、又は譲り受けてはならず(29条8号)、これに違反した者は100万円以下の罰金に処する旨の定めがある。(33条1号) (4) 調教師、騎手又は競走馬の飼養若しくは調教を補助する者が、その競走に関してわいろを収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、3年以下の懲役に処する旨、わいろの収受等によって不正の行為をし、又は相当の行為をしなかったときは5年以下の懲役に処する旨の定めがある。(32条の2) 2 競馬法施行令(以下「令」という。)都道府県又は指定市町村は、競馬の公正を確保し、又は競馬場内の秩序を維持するため必要があるときは、馬主、調教師、騎手又は競走馬の飼養若しくは調教を補助する者に対し競馬に関与することを禁止し、又は停止する処分等をすることができる旨の定めがある。 (17条の4、10条1項4号) 3 競馬法施行規則(以下「規則」という。)地方競馬の騎手の免許に関して、以下の事項などを定めている。 (1) 地全協が行う騎手の免許試験に合格した者に対し、競走の種類ごとに免許を行うこと(45条6項、20条)(2) 騎手の免許の有効期間は原則1年間とすること(45条6項、24条) (3) 地全協は、騎手の免許を受けてい した者に対し、競走の種類ごとに免許を行うこと(45条6項、20条)(2) 騎手の免許の有効期間は原則1年間とすること(45条6項、24条) (3) 地全協は、騎手の免許を受けている騎手が令10条1項4号(令17条の4において準用する場合を含む。以下同じ。〔規則3条4号括弧書〕)の規定により競馬に関与することを禁止され、又は停止されたときは、その免許を取り消さなければならないこと(45条6項、25条3号・22条4号) (4) 令10条1項4号の規定により競馬に関与することを禁止され、又は停止されている者は、調教師又は騎手の免許を受けることができないこと(45条6項、22条4号) 4 地方自治法 292条において、一部事務組合を含む地方公共団体の組合について、法 律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、都道府県の加入するものにあっては都道府県に関する規定を準用する旨規定している。 5 岐阜県地方競馬組合地方競馬実施条例組合管理者は、競馬の公正を確保し、その他競技場内及び場外設備内の秩序を維持するため関係者の処分その他必要な措置を講ずることができる旨 の定め(6条)がある。(甲2) 6 岐阜県地方競馬組合地方競馬実施条例施行規則(1) 競走に関し、不正な目的をもって財物その他の利益を収受し、要求し、又は収受することを約束した騎手などは、競馬に関与することを禁止し、又は停止する旨の定め(67条12号)がある。(甲2) (2) 不正な財物その他の利益の提供若しくは提供の申込みがあったとき等には、直ちに管理者等に報告すべきであるとし(102条2号)、同条に違反したとき等には、違反者につき、戒告し、又は期間を定めて調教若しくは騎乗を その他の利益の提供若しくは提供の申込みがあったとき等には、直ちに管理者等に報告すべきであるとし(102条2号)、同条に違反したとき等には、違反者につき、戒告し、又は期間を定めて調教若しくは騎乗を停止する旨の定め(72条1項2号)がある。 以上
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