- 1 -主文本件抗告を棄却する。 理由 本件抗告の趣意は,違憲をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認の主張であって,心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(以下「医療観察法」という。)70条1項の抗告理由に当たらない。 なお,所論にかんがみ職権で判断すると,医療観察法の目的,その制定経緯等に照らせば,同法は,同法2条3項所定の対象者で医療の必要があるもののうち,対象行為を行った際の精神障害の改善に伴って同様の行為を行うことなく社会に復帰できるようにすることが必要な者を同法による医療の対象とする趣旨であって,同法33条1項の申立てがあった場合に,裁判所は,上記必要が認められる者については,同法42条1項1号の医療を受けさせるために入院をさせる旨の決定,又は同項2号の入院によらない医療を受けさせる旨の決定をしなければならず,上記必要を認めながら,精神保健及び精神障害者福祉に関する法律による措置入院等の医療で足りるとして医療観察法42条1項3号の同法による医療を行わない旨の決定をすることは許されないものと解するのが相当であり,これと同旨の原判断は正当として是認できる。 よって,同法71条1項により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官今井功裁判官津野修裁判官中川了滋裁判官古田佑紀)
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