令和3刑(わ)3158 業務上横領

裁判年月日・裁判所
令和5年7月19日 東京地方裁判所
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判決文本文1,802 文字)

- 1 - 令和5年7月19日東京地方裁判所刑事第13部宣告令和3年刑第3158号業務上横領被告事件 主文 被告人を懲役4年に処する。 未決勾留日数中90日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、格納庫賃貸、管理及び運営等を業とするA合同会社(以下「合同会社」という。)の代表社員である一般社団法人B(以下「B」という。)によって選任された合同会社の職務執行者として、合同会社が株式会社C(以下「C社」という。)から購入した東京国際空港内に所在する格納庫(以下「本件格納庫」という。)に関し、同空港を管轄する国土交通省東京航空局等との間で、C社が滞納していた国に支払うべき本件格納庫に係る未払地代の支払条件等の折衝をするとともに、合同会社がC社に代わって同未払地代相当額の損害金等を支払うための資金を管理するなどの業務に従事していたものであるが、同資金について、平成31年3月13日に2億円、同月18日に8000万1260円を、東京都港区ab 丁目c番d 号株式会社D銀行E支店に開設されたB名義の普通預金口座に預け入れて、合同会社のために業務上預かり保管中第1 同月25日、東京都渋谷区ef 丁目g 番h 号株式会社D銀行F支店において、自己の用途に費消する目的で、Bの代表理事であるGに、前記B名義の普通預金口座から香川県丸亀市i 町j 番地kH信用組合I支店に開設された自己が代表取締役を務める株式会社J名義の普通預金口座に5100万円を振込送金させ第2 同月28日、前記株式会社D銀行F支店において、自己の用途に費消する目的で、自己が実質的に業務全般を統括するBの株式会社Kに対する不動産取引に係る証拠金の支払として、前記Gに、前記B名義の普通預金口座から京都市l 区m 町n 番 支店において、自己の用途に費消する目的で、自己が実質的に業務全般を統括するBの株式会社Kに対する不動産取引に係る証拠金の支払として、前記Gに、前記B名義の普通預金口座から京都市l 区m 町n 番地株式会社L銀行M支店に開設された株式会社K名義の普通預金口座に- 2 - 5000万円を振込送金させもってそれぞれ横領した。 (証拠の標目)〔略〕なお、判示のとおり振込送金させた各金員は、いずれも被告人の指示により、被告人が代表者を務めている会社や実質的に業務全般を統括する法人が本来払うべき支払に充てられていることからすると、被告人が自己の用途に費消する目的を有していたことは明らかである。 (量刑の理由)本件は、合同会社の職務執行者であった被告人が、本件格納庫に係る未払地代相当額の損害金等を支払うために管理していた資金のうち合計1億100万円を横領したという事案である。被害金額が大きく、結果は重大であるが、被害弁償もされておらず、現時点に至ってもなおその具体的な見込みは立っていない。また、本件格納庫の売買のために設立された合同会社の職務執行者として、その業務全般を実質的に取り仕切る立場であったことを悪用した犯行であり、合同会社の信頼を裏切っている。 弁護人は、被告人はBの運転資金を捻出するために、管理していた資金を不動産購入資金等に流用したものであって、私利私欲のためではないから動機に酌量の余地があると主張する。しかし、被告人個人の遊興費等に費消されていないからといって、被告人に対する責任非難が大幅に減少するものではない。 以上によれば、被告人には、合同会社の資金の利用について広い裁量を与えられていたとの弁護人の主張を踏まえても、本件犯情は悪く、被告人については相応の刑期の実刑は免れない。他方で、被告人に前 い。 以上によれば、被告人には、合同会社の資金の利用について広い裁量を与えられていたとの弁護人の主張を踏まえても、本件犯情は悪く、被告人については相応の刑期の実刑は免れない。他方で、被告人に前科がなく、本件公訴事実を認め、今後被害弁償をしていく旨誓っていること、被告人の妻と姉が情状証人として出廷していることなどの事情もあることから、これらを考慮し、主文の刑に処するのが相当と判断した。 - 3 - (求刑-懲役6年、弁護人の科刑意見-付執行猶予)令和5年7月20日東京地方裁判所刑事第13部 裁判長裁判官須田雄一 裁判官河村宜信 裁判官赤瀬柚紀

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