昭和39(オ)496 株券引渡請求

裁判年月日・裁判所
昭和43年12月12日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻 広島高等裁判所 松江支部 昭和36(ネ)84
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【DRY-RUN】主    文      原判決中上告人らの敗訴部分を破棄する。      右部分につき本件を広島高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告代理人片山義雄の上告理由第四点について。

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判決文本文1,831 文字)

主    文      原判決中上告人らの敗訴部分を破棄する。      右部分につき本件を広島高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告代理人片山義雄の上告理由第四点について。  およそ問屋が委託の趣旨に従い第三者から権利を取得し、その後これを委託者に 移転しない間に破産した場合においては、委託者は、右権利につき取戻権を行使す ることができることは、当裁判所の判例とするところである(昭和四〇年(オ)第 二五号、同四三年七月一一日第一小法廷判決)。そして原審の確定したところによ れば、D証券株式会社は、かねて上告人A1のために同人の委託の趣旨に従いE証 券株式会社から自己の名において本件F化成工業株式会社株式計五〇〇株(内一〇 〇株は旧商号G化成工業株式会社のまま)を譲り受け、これを保管中、昭和三六年 二月一七日破産宣告を受けるに至つたというのである。したがつて、右の事実によ れば、委託者たる上告人A1は、被上告人に対し、本件株式につき取戻権を行使す ることができるものである。  ところで、右説示のごとく、上告人A1が本件株式につき取戻権を有する以上、 右破産宣告後、右株式の名義人が被上告人であつたため、被上告人において、右株 式の配当金および右株式につき株主に割り当てられた新株を取得すれば、これは、 その実質的利益の帰属すべき右上告人の損失において被上告人の利得したものとい うべく、右上告人は、被上告人に対し、破産法四七条五号の規定に従い不当利得に 基づく財団債権として、前示配当金および新株の給付を請求することができるとい わなければならない。右上告人の原審における新請求は、前説示の趣旨による請求 をなすものと解しえられるにもかかわらず、原判決は、不当利得の主張がないもの と速断し、被上告人のした本件株式の名義書換、配当金の受領、増資新株式の申込 - 審における新請求は、前説示の趣旨による請求 をなすものと解しえられるにもかかわらず、原判決は、不当利得の主張がないもの と速断し、被上告人のした本件株式の名義書換、配当金の受領、増資新株式の申込 - 1 - 払込が右上告人のためにされたことを認めるに足りないとの一事により、たやすく 右新請求を棄却したのは、審理不尽、理由不備の違法があるというべく、論旨は理 由があり、この点に関し、原判決は破棄を免れない。  同第五点について。  原判決は、売買報告書、預り証、商業帳簿等が何一つ証拠として提出されていな いことを理由として、所論甲四号証の記載内容および証人Hの証言を信用できない とし、上告人A2および同A3の所論の主張事実を認めるに足りない旨判示したこ とは、原判文上明らかである。  しかし、原審における証人Iの供述によれば、同証人は本件に関連する刑事事件 につき取調の衝に当たつた検察官であること、関係帳簿諸票等の書類は全部検察庁 に押収されたことおよび右書類には右上告人両名の所論の主張事実にそう記載のあ ることが窺われる。もしそうとすれば、前記書類が本件において証拠として提出さ れていないとの一事によつて、たやすく、前示甲四号証の記載内容および証人Hの 証言を排斥することはできない道理である。したがつて、原審のした右証拠の採否 は、採証の法則に違反したものというべく、原判決は、この点において、審理不尽、 理由不備の違法をおかしたものというべきである。論旨は理由があり、原判決中右 上告人両名の請求を排斥した部分は破棄を免れない。  よつて、その余の上告理由に対する判断を省略し、民訴法四〇七条一項に従い、 裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    入   江   俊   郎             裁判官  訴法四〇七条一項に従い、 裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    入   江   俊   郎             裁判官    長   部   謹   吾             裁判官    松   田   二   郎             裁判官    岩   田       誠 - 2 -             裁判官    大   隅   健 一 郎 - 3 -

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