平成25(行ケ)10024 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成25年6月20日 知的財産高等裁判所 4部 判決 請求棄却
ファイル
hanrei-pdf-83320.txt

キーワード

判決文本文28,039 文字)

平成25年6月20日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成25年(行ケ)第10024号審決取消請求事件口頭弁論終結日平成25年5月30日判決原告株式会社ナビ同訴訟代理人弁護士中村眞一粟 谷 しのぶ山崎岳人被告株式会社ウインライト同訴訟代理人弁護士原 秋彦中川直政同弁理士原島典孝板垣忠文 主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求特許庁が取消2011-300680号事件について平成24年12月18日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要本件は,原告が,後記1の原告の本件商標に係る登録商標に対する不使用を理由とする当該登録の取消しを求める被告の後記2の本件審判請求について,特許庁が同請求を認めた別紙審決書(写し)の本件審決(その理由の要旨は後記3のとおり)には,後記4のとおりの取消事由があると主張して,その取消しを求める事案である。 1 本件商標原告は,平成15年10月31日,「JanNavi」の欧文字と「ジャンナビ」の片仮名文字を二段に横書きしてなる商標(以下「本件商標」という。)について,第9類「業務用テ 1 本件商標原告は,平成15年10月31日,「JanNavi」の欧文字と「ジャンナビ」の片仮名文字を二段に横書きしてなる商標(以下「本件商標」という。)について,第9類「業務用テレビゲーム機,家庭用テレビゲーム機,硬貨作動式機械用の始動装置,ゲーム機(テレビジョン受像機専用のもの),コンピュータ用プログラムを記憶させた記憶媒体」,第28類「マージャン用具,硬貨投入式麻雀卓」及び第41類「インターネットのネットワークを利用して対戦する麻雀ゲームの提供,通信を用いて行う麻雀ゲームの提供,麻雀の教授,麻雀競技会の企画・運営又は開催,麻雀荘の提供,麻雀大会の企画・運営又は開催,麻雀用具の貸与,娯楽の提供,娯楽情報の提供,ゲームセンターの提供,会員制による教育・娯楽の提供」を指定商品又は指定役務として,登録出願をし,平成16年9月17日,設定登録を受けた(登録第4802600号商標。甲73,74)。 2 特許庁における手続の経緯(1) 被告は,平成23年7月19日,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが本件商標を指定役務中第41類「インターネットのネットワークを利用して対戦する麻雀ゲームの提供,通信を用いて行う麻雀ゲームの提供,麻雀の教授,麻雀競技会の企画・運営又は開催,麻雀荘の提供,麻雀大会の企画・運営又は開催,娯楽の提供,娯楽情報の提供,ゲームセンターの提供,会員制による教育・娯楽の提供」(以下「本件指定役務」という。)について使用した事実がないと主張して,取消審判を請求し,当該請求は同年8月2日に登録された。 (2) 特許庁は,これを取消2011-300680号事件として審理し,平成24年12月18日,「本件商標の指定役務中,本件指定役務については,その登録は取り 請求は同年8月2日に登録された。 (2) 特許庁は,これを取消2011-300680号事件として審理し,平成24年12月18日,「本件商標の指定役務中,本件指定役務については,その登録は取り消す。」旨の本件審決をし,同月28日にその謄本が原告に送達された。 3 本件審決の理由の要旨本件審決の理由は,要するに,原告は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本 国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件指定役務のいずれかについて,本件商標の使用をしていた事実を証明したものとは認められないから,本件商標の登録は,商標法50条の規定により,本件指定役務について取り消すべきである,というものである。 4 取消事由本件商標の不使用に係る判断の誤り第3 当事者の主張〔原告の主張〕 1 「インターネットのネットワークを利用して対戦する麻雀ゲームの提供」及び「通信を用いて行う麻雀ゲームの提供」(以下,併せて,「麻雀ゲームの提供」という。)について(1) 原告のホームページにおける「麻雀ゲームの提供」についてア本件審決は,原告のホームページは要証期間(平成20年8月2日から平成23年8月1日まで。以下「本件要証期間」という。)に開設され,かつ,閲覧可能な状態にあったとは認められないから,その期間内に,原告のホームページにおいて,本件商標を「麻雀ゲームの提供」について使用したと認めることはできない旨判断した。 しかし,原告は,平成23年4月8日,原告のホームページのためにドメインを取得し,同月11日には,あらかじめ制作していたWebデータを用いて,ホームページを開設し,そのホームページ上で,オンライン麻雀ゲームコンテンツ「ジャンナビ」(以下「ジャンナビソフト」という。)をユーザーに販売及びレ には,あらかじめ制作していたWebデータを用いて,ホームページを開設し,そのホームページ上で,オンライン麻雀ゲームコンテンツ「ジャンナビ」(以下「ジャンナビソフト」という。)をユーザーに販売及びレンタルしており,その事実は A の陳述書(甲43)によって裏付けられている。 イ本件審決は, A が原告と密接な関係にある人物であることをもって,その陳述書には信用性が認められないと判断した。 しかし, A は,平成23年4月9日から同年5月31日までの間,原告の代表取締役であり,同年4月当時,ホームページを制作,開設した当事者でもある。その 当時, A と原告が密接な関係にあったことは当然であり,かかる事実をもって,同人の陳述の信用性が否定されるということにはならない。 (2) 麻雀店すずめ(以下「すずめ」という。)を通じた麻雀ゲームの提供について本件審決は,原告とすずめとの間の取引に係る物品受領書(甲21)及び領収証(控)(甲55)の信用性は認められず,また,すずめのホームページ(甲22)が,本件審判の請求の登録前までに開設され,かつ,閲覧が可能な状態にあったことを確認することができないとした上で,原告がすずめに対し,ジャンナビソフトを平成23年4月30日に納品したことが認められず,かつ,すずめのホームページにおいて,本件商標を使用した麻雀ゲームの提供が行われたことを確認することができない以上,すずめを通じた麻雀ゲームの提供が行われたものとは認められないと判断した。 しかし,次のとおり,本件審決の判断は誤りである。 ア本件審決は,上記物品受領書の宛名や作成者欄の記載からすると,同物品受領書は,すずめと株式会社正成(以下「正成」という。)との取引を示すものであって,原告とすずめとの間の取引書類とは認められないと判断した。 は,上記物品受領書の宛名や作成者欄の記載からすると,同物品受領書は,すずめと株式会社正成(以下「正成」という。)との取引を示すものであって,原告とすずめとの間の取引書類とは認められないと判断した。 しかし,上記物品受領書中,原告の名前が記載されるべきところに「すずめ」と記載されたのは,納品書(控)・請求書・納品書・物品受領書が4枚綴りとなった複写式のものにつき,納品書と物品受領書との間に厚紙を入れて,物品受領書の左上に原告の記名をすべきところを,厚紙を入れ忘れたため,原告がすずめ宛てに交付するために納品書用に記載した「すずめ」が物品受領書の左上にも記載され,その訂正がされないまま,すずめから原告に交付されたことによる。上記物品受領書の「すずめ」の記載は,事務上のミスにすぎない。 イ本件審決は,上記領収証(控)の伝票番号及び品名が上記物品受領書と同一でないとして,同領収証(控)の記載内容に信憑性があるものとは認められないと判断した。 しかし,物品受領書と金銭の領収書は,異なる書類であり,それぞれの伝票番号の記載方法が異なることは当然にあり得ることである。また,上記物品受領書の品名欄は小さいため,領収証(控)のように詳細な記載をすることができなかったものであり,これらの相違は,証拠の信用性を否定するほどの相違ではない。 そして,上記物品受領書の品名欄に「麻雀ジャンナビソフト貸与平成23年5月~10月分」との記載があること,この記載が原告とすずめとの間のコンテンツの利用契約書(甲20)や上記領収証(控)の記載と合致することなどからすると,原告がすずめに対し,平成23年4月30日にジャンナビソフトを提供したことが認められるべきである。 ウ本件審決は,すずめのホームページ(甲22)には,これがいつの時点のものであるのか,その と,原告がすずめに対し,平成23年4月30日にジャンナビソフトを提供したことが認められるべきである。 ウ本件審決は,すずめのホームページ(甲22)には,これがいつの時点のものであるのか,その年月日を示す表示がないと判断した。 しかし,一般的にホームページ上に作成日付を明記することは希である。そして,株式会社ビートワン(以下「ビートワン」という。)とすずめとの間のホームページ開発委託覚書(甲23)では,すずめへのホームページの納品を平成23年4月28日としていること,すずめの代表取締役である B の陳述書(甲46)には,「平成23年4月30日から同年10月31日までの間,麻雀店すずめのホームページに,麻雀ゲーム「ジャンナビ」を表示させ,ゲームを利用できるようにしました。」との記載があること,原告とすずめとの間のコンテンツの利用契約書(甲20)では,麻雀ゲーム「ジャンナビ」の提供期間を平成23年4月30日から同年10月30日までとし(第2条),その利用条件をインターネット上で運営するすずめのWebサイトに対してリンクを設定する形態によりコンテンツを提供すると定め(第3条),第4条に定めた利用料金3万円が実際に原告に支払われていること(甲55)などからすると,すずめのホームページは,平成23年4月30日には開設され,かつ,閲覧可能な状態にあったものというべきである。 (3) 株式会社AIRCAST(以下「AIRCAST」という。)を通じた麻雀ゲームの提供について 本件審決は,原告とAIRCASTとの間の取引に係る領収証(控)(甲57)や A の陳述書(甲43,54)の信用性は認められず,また,AIRCASTのホームページ(甲36)が,本件審判の請求の登録前までに開設され,かつ,閲覧が可能な状態にあったことを確認することが 7)や A の陳述書(甲43,54)の信用性は認められず,また,AIRCASTのホームページ(甲36)が,本件審判の請求の登録前までに開設され,かつ,閲覧が可能な状態にあったことを確認することができないとした上で,原告がAIRCASTに対し,ジャンナビソフトを平成23年4月20日に納品したことが認められず,かつ,AIRCASTのホームページにおいて,本件商標を使用した麻雀ゲームの提供が行われたことを確認することができない以上,AIRCASTを通じた麻雀ゲームの提供が行われたとは認められないと判断した。 しかし,次のとおり,本件審決の判断は誤りである。 ア本件審決は,上記領収証(控)の伝票番号及び品名が物品受領書(甲35)と同一でないとして,同領収証(控)の記載内容に信憑性があるものとは認められないと判断した。 しかし,前記(2)イのとおり,領収証(控)の伝票番号及び品名が物品受領書と同一でないことは,証拠の信用性を否定するほどの相違ではない。 イ本件審決は,AIRCASTのホームページ(甲36)には,これがいつの時点のものであるのか,その年月日を示す表示がないと判断した。 しかし,一般的にホームページ上に作成日付を明記することは希である。そして,AIRCASTの代表取締役でもある A の陳述書(甲54)には,「ジャンナビソフトは平成23年4月20日から同年10月20日まで,弊社のホームページに6ヶ月間掲載しました。」との記載があること,原告とAIRCASTとの間のコンテンツの利用契約書(甲34)では,麻雀ゲーム「ジャンナビ」の提供期間を平成23年4月20日から同年10月20日までとし(第2条),その利用条件をインターネット上で運営するAIRCASTのWebサイトに対してリンクを設定する形態によりコンテンツを提供すると定め 期間を平成23年4月20日から同年10月20日までとし(第2条),その利用条件をインターネット上で運営するAIRCASTのWebサイトに対してリンクを設定する形態によりコンテンツを提供すると定め(第3条),第4条に定められた利用料金3万円が実際に原告に支払われていること(甲57)などからすると,AIRCASTのホームページでは,平成23年4月20日には麻雀ゲーム「ジャンナビ」が 掲載され,かつ,閲覧可能な状態にあったものというべきである。 (4) 有限会社LSコミュニケーションズ(以下「LSコミュニケーションズ」という。)を通じた麻雀ゲームの提供について本件審決は,原告とLSコミュニケーションズとの間の取引に係る領収証(控)(甲56)の信用性は認められず,また,LSコミュニケーションズのホームページ(甲28)が,本件審判の請求の登録前までに開設され,かつ,閲覧が可能な状態にあったことを確認することができないとした上で,原告がLSコミュニケーションズに対し,ジャンナビソフトを平成23年5月1日に納品したことが認められず,かつ,LSコミュニケーションズのホームページにおいて,本件商標を使用した麻雀ゲームの提供が行われたことを確認することができない以上,LSコミュニケーションズを通じた麻雀ゲームの提供が行われたものとは認められないと判断した。 しかし,次のとおり,本件審決の判断は誤りである。 ア本件審決は,上記領収証(控)の伝票番号及び品名が物品受領書(甲27)と同一でないとして,同領収証(控)の記載内容に信憑性があるものとは認められないと判断した。 しかし,前記(2)イのとおり,領収証(控)の伝票番号及び品名が物品受領書と同一でないことは,証拠の信用性を否定するほどの相違ではない。 イ本件審決は,LSコミュニケーシ られないと判断した。 しかし,前記(2)イのとおり,領収証(控)の伝票番号及び品名が物品受領書と同一でないことは,証拠の信用性を否定するほどの相違ではない。 イ本件審決は,LSコミュニケーションズのホームページ(甲28)には,これがいつの時点のものであるのか,その年月日を示す表示がないと判断した。 しかし,一般的にホームページ上に作成日付を明記することは希である。そして,LSコミュニケーションズのアミューズメント事業部長である C の陳述書(甲47)には,概略,「弊社は,このCD-Rを利用して,平成23年5月1日から同年10月31日までの間,弊社のホームページに麻雀ゲーム「ジャンナビ」を掲載しました。」との記載があること,原告とLSコミュニケーションズとの間のコンテンツの利用契約書(甲26)では,麻雀ゲーム「ジャンナビ」の提供期間を平成23 年5月1日から同年10月1日までとし(第2条),その利用条件をインターネット上で運営するLSコミュニケーションズのWebサイトに対してリンクを設定する形態によりコンテンツを提供すると定め(第3条),第4条に定められた利用料金3万円が実際に原告に支払われていること(甲56)などからすると,LSコミュニケーションズのホームページでは,平成23年5月1日には麻雀ゲーム「ジャンナビ」が掲載され,かつ,閲覧可能な状態にあったものというべきである。 (5) 旧車二輪専門店BANBAN(以下「BANBAN」という。)を通じた麻雀ゲームの提供について本件審決は,LSコミュニケーションズの原告に対する販売報告書(甲48)の信用性は認められず,また,BANBANのホームページ(甲30)が,本件審判の請求の登録前までに開設され,かつ,閲覧が可能な状態にあったことを確認することができないとした上で,原 報告書(甲48)の信用性は認められず,また,BANBANのホームページ(甲30)が,本件審判の請求の登録前までに開設され,かつ,閲覧が可能な状態にあったことを確認することができないとした上で,原告がLSコミュニケーションズを通じ,BANBANに対し,「ジャンナビソフト」を販売したことが認められず,かつ,BANBANのホームページにおいて,本件商標を使用した麻雀ゲームの提供が行われたことを確認することができない以上,BANBANのホームページにおいて麻雀ゲームの提供が行われたものとは認められないと判断した。 しかし,次のとおり,本件審決の判断は誤りである。 ア本件審決は,上記販売報告書には報告者の押印がなく,また,その内訳欄には誤記があるとして,同報告書が真正に作成されたものとは認められないなどと判断した。 しかし,上記販売報告書は,メールに添付してLSコミュニケーションズから原告に送付されたものであり,報告の内容及びメール添付上の便宜からすれば,必ずしも報告者の押印が求められるものではない。また,「単価」と記載すべき欄を誤って「件数」と記載したのは,ごく軽微なミスにすぎず,このような誤記をもって,証拠全体の信用性を否定することはできない。 イそして,LSコミュニケーションズを通じて,BANBANのホームページ において麻雀ゲーム「ジャンナビ」が提供されたことは,原告とLSコミュニケーションズとの間のソフトウェア製品の販売に関する契約書(甲29),上記販売報告書及び C の陳述書(甲47)によって裏付けられている。 なお, C の陳述書には,概略,「弊社は,平成23年5月1日に,麻雀ゲームジャンナビが記録されたCD-Rを原告から受け取りました。その後,同年6月3日に,ソフトウェア製品の販売に関する契約に合意 なお, C の陳述書には,概略,「弊社は,平成23年5月1日に,麻雀ゲームジャンナビが記録されたCD-Rを原告から受け取りました。その後,同年6月3日に,ソフトウェア製品の販売に関する契約に合意し,BANBANに対し,ソフトを販売しました。BANBANのホームページには,平成24年6月から麻雀ゲームジャンナビが掲載しています。」との陳述があるが,BANBANのホームページにおける麻雀ゲームジャンナビの掲載時期に係る「平成24年6月」との記載は,「平成23年6月」の誤記である。 ウ以上によれば,BANBANのホームページでは,本件要証期間に麻雀ゲーム「ジャンナビ」が掲載され,かつ,閲覧可能な状態にあったものというべきである。 2 「麻雀大会の企画・運営又は開催」について(1) 「ジャンナビ杯」との商標(以下「使用商標」という。)について本件審決は,原告及びLSコミュニケーションズが麻雀大会で使用した「ジャンナビ杯」との文字について,同書,同大,等間隔で外観上,まとまりよく一連一体に表され,これにより生ずる称呼も一気一連に称呼し得るものであるから,構成全体として一体不可分のものとして認識されるものであるとした上で,使用商標は,本件商標と,その外観,称呼,観念を異にするものであり,社会通念上,同一の商標であるとはいえないと判断した。 しかし,使用商標の「ジャンナビ杯」との文字のうち,「ジャンナビ」の部分は片仮名で記載され,「杯」の部分は漢字で記載されており,それぞれが区別されるものであって,一連一体のものとはいえない。また,観念においても,「ジャンナビ杯」は,「ジャン」という文字が麻雀を実施する場所を提供する店舗である「雀荘」の頭文字として使用されることがあるように,麻雀の略語であることを想起さ せるものであり,他 いても,「ジャンナビ杯」は,「ジャン」という文字が麻雀を実施する場所を提供する店舗である「雀荘」の頭文字として使用されることがあるように,麻雀の略語であることを想起さ せるものであり,他方,「ナビ」との文字は,「ナビゲーション」の頭文字を取った略語であり,「ナビゲーション」とは,インターネット用語としては,ユーザーが目的とする情報へアクセスできるように手助けする機能のことをいうから,「ジャンナビ」との語は,一連一体として,通信機能を用いた麻雀ゲームとの観念を生じさせるものである。これに対し,「杯」との語は,NHK杯など,ある商標を有する企業が主催者又は共催者となってスポーツ等の大会を開催する場合に,自らが有する商標に「杯(カップ)」をつけて「○○杯(カップ)」として表示するものである。このような商標の利用は,当該「○○杯(カップ)」の表示を見た者に,「○○」という商標を付された商品やそれを販売する企業のイメージを想起させることによる宣伝効果を狙ったものであり,「杯」という語そのものには特段の識別力はない。このように,「ジャンナビ杯」は,外観及び観念において,枢要部である「ジャンナビ」と枢要部ではない「杯」に区別される。 したがって,「ジャンナビ杯」は,「ジャンナビ」が外観及び観念の要部であり,本件商標である「ジャンナビ」と同一の商標であると解すべきである。 よって,本件審決の判断は誤りである。 (2) 原告による麻雀大会の企画・運営又は開催について本件審決は,原告のホームページ(甲4,6,37)には,これがいつの時点のものであるのか,その年月日を示す表示がなく,真正に作成されたものであるか疑義があるから,本件要証期間に開設され,かつ,閲覧可能な状態にあったものであることを認めることはできないとした上で,麻雀大会の参 であるのか,その年月日を示す表示がなく,真正に作成されたものであるか疑義があるから,本件要証期間に開設され,かつ,閲覧可能な状態にあったものであることを認めることはできないとした上で,麻雀大会の参加者である D の陳述書(甲38), A の陳述書(甲43)及び麻雀大会参加者に対する領収証(控)(甲58~61)も,原告のホームページの存在を前提とするものであるから,その内容に疑義があるとして,原告が,平成23年4月29日に麻雀大会の企画・運営又は開催をしたものとは認められないと判断した。 しかし,証拠の信用性判断は,他の一つの証拠の信憑性が欠けるという一事をもって信用性が否定されるようなものではなく,個々の証拠の信用性は,証拠ごとで 個別に判断されるべきものである。そして,上記各陳述書や領収証(控)の信用性を否定するに足りるような虚偽の陳述ないし偽造・変造に係る証拠は何ら認められない。また,前記1(1)のとおり,そもそも原告のホームページは,その信用性が否定されるべきものではない。 したがって,原告による麻雀大会の企画・運営又は開催の事実は,上記各証拠により認められるべきであり,本件審決の判断は誤りである。 (3) LSコミュニケーションズによる麻雀大会の企画・運営又は開催について本件審決は,LSコミュニケーションズの原告に対する販売報告書(甲49)の信用性は認められないとした上で,LSコミュニケーションズが平成23年7月2日に麻雀大会の企画・運営又は開催をしたものとは認められないと判断した。 しかし,本件審決は,上記販売報告書の内訳欄には誤記があり,また,報告者の押印もないから,同報告書が真正に作成されたものとは認められないと判断したものであるところ,前記1(5)と同様に,販売報告書のごく軽微なミスを理由に証拠全体の の内訳欄には誤記があり,また,報告者の押印もないから,同報告書が真正に作成されたものとは認められないと判断したものであるところ,前記1(5)と同様に,販売報告書のごく軽微なミスを理由に証拠全体の信用性を否定することはできない。 そして,LSコミュニケーションズが平成23年7月2日に麻雀大会「ジャンナビ杯」の企画・開催又は運営をしたことは,上記販売報告書に加え,原告とLSコミュニケーションズとの間の販売代理店契約(甲31),LSコミュニケーションズの代表者である E の陳述書(甲39),麻雀大会参加者の F の陳述書(甲41),麻雀大会の開催ポスター(甲40)及びファーストワンが発行した領収証(甲42)によっても裏付けられている。 したがって,LSコミュニケーションズによる麻雀大会の企画・運営又は開催の事実は,上記各証拠により認められるべきであり,本件審決の判断は誤りである。 3 「娯楽の提供」及び「娯楽情報の提供」について本件審決は,原告による一連の事業が行われたか否か疑義があるとして,原告が,「娯楽の提供」及び「娯楽情報の提供」を行ったものとは認められないと判断した。 しかし,前記のとおり,原告は,原告又は取引先のホームページにおいて,麻雀 ゲームを提供し,また,原告及びLSコミュニケーションズが麻雀大会の企画・運営又は開催を行っているところ,これらの事業は,「娯楽の提供」ないし「娯楽情報の提供」に該当するものである。 したがって,原告又は原告との間で販売代理店契約を締結したLSコミュニケーションズは,本件要証期間に本件商標を「娯楽の提供」ないし「娯楽情報の提供」の役務に使用したものである。 4 よって,本件商標の不使用に係る本件審決の判断は誤りである。 〔被告の主張〕 1 「麻雀ゲームの提供」について 本件商標を「娯楽の提供」ないし「娯楽情報の提供」の役務に使用したものである。 4 よって,本件商標の不使用に係る本件審決の判断は誤りである。 〔被告の主張〕 1 「麻雀ゲームの提供」について(1) 原告のホームページでの「麻雀ゲームの提供」についてア原告は,平成23年4月11日に開設した原告のホームページにおいて,麻雀ゲームの提供を行った旨主張する。 しかし,原告が本件商標を付して提供した旨主張するのは,国際分類第35類に属する「販売促進策の企画・実施」という役務であり,本件審判請求で不使用取消しの対象とされる指定役務である「麻雀ゲームの提供」についての使用ではない。 また,「麻雀ゲームの提供」を商標法上の役務というためには,それ自体が独立した役務として商取引の対象となることが必要であるところ,原告のホームページ(甲4,5)には,ジャンナビソフトについて,「販売価格:¥500,000」「レンタル(1 ヶ月):¥5,000」と記載されており,このように高額なゲームソフトウェアが「ゲームプログラム」という商品として独立して商取引の対象とされているとは到底考えられない。 したがって,原告が,本件要証期間に「麻雀ゲームの提供」たる役務に本件商標を付して他人に提供したことはないというべきである。 イ仮に,ジャンナビソフトの提供が,「麻雀ゲームの提供」たる役務に該当するとしても,本件要証期間に原告のホームページにおいてジャンナビソフトが提供されたという事実は認められない。すなわち,原告のホームページが,本件審判の 請求の登録前までに開設され,かつ,閲覧が可能な状態にあったことを客観的に立証するものは何ら存在しない。そもそも,ドメインを取得しても,コンテンツを掲載していないウェブサイトはいくらでもあり,ドメイン取得の事実を示 に開設され,かつ,閲覧が可能な状態にあったことを客観的に立証するものは何ら存在しない。そもそも,ドメインを取得しても,コンテンツを掲載していないウェブサイトはいくらでもあり,ドメイン取得の事実を示すのみでは,ホームページの運用開始日が証明されるものではない。 かえって,ホームページの「沿革」欄には,平成16年9月に「ネットワークを利用して対戦する麻雀ゲームジャンナビの提供」と記載されているが,同年7月1日から平成18年5月24日まで,原告は,休眠会社の状態にあったこと, A は,被告に対する平成19年4月10日付け通知書において,原告がネットワークを利用して対戦する麻雀ゲームの提供を行っていないことを認めていること,ドメインの取得時期は, A が原告の代表取締役に就任した時期とほぼ一致していることなどからすると,原告のホームページは,本件審判請求がされた後に,本件商標の使用の体裁を取り繕うために制作されたものであると強く推認される。 (2) すずめ,AIRCAST又はLSコミュニケーションズを通じた「麻雀ゲームの提供」についてア原告は,すずめ,AIRCAST及びLSコミュニケーションズに対して,ジャンナビソフトを提供したと主張する。 しかし,ジャンナビソフトの提供は,国際分類第35類に属する「販売促進策の企画・実施」という役務である。また,すずめ,AIRCAST及びLSコミュニケーションズは,それぞれホームページでジャンナビソフトを無償で提供したとしているが,これらは麻雀荘等の顧客に対し,本業に付随して提供されるものにすぎず,それ自体は商標法上の独立した役務に該当しない。 イまた,原告が,すずめ,AIRCAST及びLSコミュニケーションズに対し,ジャンナビソフトを提供したという事実は存在しない。これらの取引の存在について原 は商標法上の独立した役務に該当しない。 イまた,原告が,すずめ,AIRCAST及びLSコミュニケーションズに対し,ジャンナビソフトを提供したという事実は存在しない。これらの取引の存在について原告が引用する証拠は,次のとおり,いずれも信用性のないものである。 (ア) 原告とすずめとの間の取引についてa 甲21の物品受領書は,その記載自体から,原告とすずめとの間の取引書類 とは認められない。同物品受領書は,文面上明らかにすずめと正成との間の取引書類である。 また,上記物品受領書の品名欄の記載が,同日に作成されたはずの領収証(控)(甲55,68)の但書欄の記載と一致していないことも不可解である。 さらに,上記領収証(控)の但書欄には,「麻雀ジャンナビソフトの提供及び記憶媒体の貸与として」と記載されており,本件審判請求で不使用取消しの対象とされた指定役務の文言に殊更近似した表現が使用されているのも,極めて不自然である。 b 原告は,原告とすずめとの間の平成23年4月30日付けコンテンツの利用契約書(甲20)も,両者間で本件要証期間にジャンナビソフトの提供があったことの根拠である旨主張する。 しかし,本件審判手続において,上記コンテンツの利用契約書が提出されたのは,原告による答弁書の提出(平成23年10月24日)から約8か月半も経過した平成24年7月9日であるから,同契約書は,原告が本件商標の使用実績を取り繕う目的で本件審判手続開始後にバックデートで作成されたものと推認され,同契約書に証拠価値は認められない。 (イ) 原告とAIRCASTとの間の取引について物品受領書(甲35)の品名欄の記載が,同日に作成されたはずの領収証(控)(甲57,69)の但書欄の記載と一致していないことは不可解である。 また,前記(ア)aで甲55 ASTとの間の取引について物品受領書(甲35)の品名欄の記載が,同日に作成されたはずの領収証(控)(甲57,69)の但書欄の記載と一致していないことは不可解である。 また,前記(ア)aで甲55及び68の領収証(控)について述べたのと同様の理由により,甲57及び69の領収証(控)についても,信憑性は認められない。 さらに,上記物品受領書に示されている取引は,代表者が同一人( A )である会社間での取引である。したがって,同物品受領書に示されている原告とAIRCASTとの取引は, A の指示又は支配の下で,本件商標の不使用取消しを免れる目的で名目的にその使用の外観を作出するために作り出した取引であることが強く推認される。 (ウ) 原告とLSコミュニケーションズとの間の取引について物品受領書(甲27)の品名欄の記載が,同日に作成されたはずの領収証(控)(甲56)の但書欄の記載と一致していないことは不可解である。 また,前記(ア)aで甲55及び68の領収証(控)について述べたのと同様の理由により,甲56及び70の領収証(控)についても,信憑性は認められない。 さらに,LSコミュニケーションズは,教育事業,中古車事業及び建築事業を行う会社であり,同社のホームページに麻雀ゲームソフトを設置したとしても,顧客獲得効果はおよそ期待できない。営利を目的とする会社が実際の営利的効果が得られることを期待できないものをわざわざ費用を払って設置することは,およそ考えにくい。 したがって,原告は,LSコミュニケーションズに依頼して本件商標の使用の体裁を取り繕うためにジャンナビソフトを設置したにすぎないことが強く推認される。 かかる使用は,仮にそれが原告による本件商標の利用であると評価できると仮定しても,不使用取消しを免れるに足りる「使用」では を取り繕うためにジャンナビソフトを設置したにすぎないことが強く推認される。 かかる使用は,仮にそれが原告による本件商標の利用であると評価できると仮定しても,不使用取消しを免れるに足りる「使用」ではあり得ない。 (エ) LSコミュニケーションズとBANBANとの間の取引についてa 販売報告書(甲48)について原告は,販売報告書の誤記が軽微なミスであり,これをもって証拠全体の信用性を否定することは本件審決の偏向した判断である旨主張する。 しかし,契約当事者間において枢要な位置を占める販売報告書において,このような明白かつ重要な誤記が看過されたまま数か月にわたって放置され続けることは,常識では考えられない。上記販売報告書は,最近になって原告が捏造したものと推認される。 また,上記販売報告書の備考欄には,「平成23年6月3日付け「ソフトウェア製品の販売に関する契約」に従い麻雀ゲームソフト「ジャンナビ」Web上の提供」と記載されている。同契約は,LSコミュニケーションズが「麻雀ゲームソフトジャンナビを複製し,当該複製品をインターネット上のサイト,ホームページに組み 込み販売する」ことができるというものであるが(第1条),LSコミュニケーションズが自社のサイトにゲームソフトを組み込むことは,原告とLSコミュニケーションズとの間のコンテンツの利用契約書(甲26)で定められているから,上記ソフトウェア製品の販売に関する契約書(甲29)でいう「インターネット上のサイト,ホームページ」とは,第三者のサイトやホームページと解される。すなわち,ソフトウェア製品の販売に関する契約は,LSコミュニケーションズが麻雀ゲームソフトを複製し,当該複製品を第三者のサイトやホームページに組み込んだ態様で販売することを定めたものである。 しかるに,上記販 トウェア製品の販売に関する契約は,LSコミュニケーションズが麻雀ゲームソフトを複製し,当該複製品を第三者のサイトやホームページに組み込んだ態様で販売することを定めたものである。 しかるに,上記販売報告書では,「Web上の提供」と記載されており,LSコミュニケーションズが自社のサイトでゲームソフトを提供したことが表示されている。仮に,自社サイトで提供したのではなく,ソフトウェア製品の販売に関する契約に基づき第三者に販売したのであれば,販売報告書における販売報告の対象を単に「Web上の提供」と記載するはずはないから,当該販売報告書の備考欄の記載はソフトウェア製品の販売に関する契約内容と整合性がないものである。 さらに,上記販売報告書には,報告者の捺印もされていないことからすると,同販売報告書は,最近になって原告によって捏造されたものとみるのが自然である。 b 原告は,原告とLSコミュニケーションズとの間の平成23年6月3日付けソフトウェア製品の販売に関する契約書(甲29)も,本件要証期間にLSコミュニケーションズを介してBANBANに対しジャンナビソフトを提供したことの根拠である旨主張する。 しかし,前記(ア)bと同様に,本件審判手続において上記ソフトウェア製品の販売に関する契約書が提出されたのは,平成24年7月9日であるから,同契約書は,原告が本件商標の使用実績を取り繕う目的で審判手続開始後にバックデートで作成されたものと推認され,同契約書にも証拠価値は認められない。 2 「麻雀大会の企画・運営又は開催」について(1) 使用商標について 「ジャンナビ杯」との文言からなる使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標ではない。 したがって,使用商標の使用によって,本件商標の不使用取消しを免れるものではない。 (2) 原 「ジャンナビ杯」との文言からなる使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標ではない。 したがって,使用商標の使用によって,本件商標の不使用取消しを免れるものではない。 (2) 原告による「麻雀大会の企画・運営又は開催」について仮に,使用商標が本件商標と社会通念上同一の商標であると評価することができるとしても,本件要証期間において,原告が麻雀大会「ジャンナビ杯」の企画・運営又は開催をしたものとは認められない。原告が,平成23年4月29日に麻雀大会「ジャンナビ杯」を開催したことの裏付けとして引用する証拠は,次のとおり,いずれも信用性に欠けるものである。 ア原告のホームページ(甲4,6,37)について前記1(1)のとおり,原告のホームページが,本件審判の請求の登録前までに開設され,かつ,閲覧が可能な状態にあったことの客観的証拠はない。 また,本件審判手続における答弁書提出の段階(平成23年10月24日)で提出されたホームページの写し(甲4,6)には,麻雀大会の参加費に関する記載はなかったが,後に提出されたホームページの写し等(甲37,38,58~61)には,参加費が明記されている。同年4月29日に麻雀大会が開催されたという原告の主張からすると,参加費が明記された上記各証拠は,答弁書提出の段階でも当然に提出することができたはずであるのに,平成24年7月9日になってようやく提出されるに至ったものである。かかる経緯からすると,参加費が明記された上記各ホームページの写しは,特許庁の平成24年5月21日付け審理事項通知書において,原告のホームページ(甲4,6)に提示されている麻雀大会の告知には参加費用に関する記載がないと指摘されたことを受け,参加費用を徴収した大会を実施したことの証拠として後付けで作成されたものであることが強 告のホームページ(甲4,6)に提示されている麻雀大会の告知には参加費用に関する記載がないと指摘されたことを受け,参加費用を徴収した大会を実施したことの証拠として後付けで作成されたものであることが強く推認される。 イ D の陳述書(甲38)についてD なる人物による甲38の陳述書には,平成23年4月中旬頃,原告のホームペ ージで麻雀大会の告知を見て,これに応募した旨の記載があり,また,原告は, D が見たというホームページとして,甲37を提出している。 ところで,平成23年4月11日を作成日とする原告のホームページ(甲6)は,同年4月29日に開催された麻雀大会の優勝者の氏名が既に明示されているという,あり得ないものであるから,当該ホームページは,捏造されたものというべきであるところ,同ホームページにおける同年11月3日開催の麻雀大会の告知には,場所や参加費の記載がないのに, D が見たという上記ホームページ(甲37)では,同年4月29日の麻雀大会について,急に詳細な記載がされており,首尾一貫していない。 したがって,甲37のホームページも捏造された疑いが濃いものであり,これに基づくという D の陳述にも信用性は認められない。 ウ領収証(控)(甲58~61)について前記のとおり,原告のホームページや D の陳述書には不自然な点が多いから,原告が平成23年4月29日に主催したと主張する麻雀大会は存在しなかったと強く推認される。したがって,上記各書証の内容に沿うものとして提出された上記各領収証(控)についても,これを信用することはできない。 しかも,本件審判手続において上記各領収証(控)が提出されたのは,原告による答弁書の提出から10か月も経過した平成24年8月27日であるから,これらの領収証(控)は,原告が本件商標の はできない。 しかも,本件審判手続において上記各領収証(控)が提出されたのは,原告による答弁書の提出から10か月も経過した平成24年8月27日であるから,これらの領収証(控)は,原告が本件商標の使用実績を取り繕う目的のもとにバックデートで作成されたものにすぎないことが強く推認される。 (3) LSコミュニケーションズによる麻雀大会の企画・運営又は開催について原告は,LSコミュニケーションズが原告との間の販売代理店契約(甲31)に基づき,平成23年7月2日に麻雀大会「ジャンナビ杯」を開催した旨主張する。 しかし,そのような麻雀大会があったことの裏付けとして原告が引用する証拠は,次のとおり,いずれも信用性のないものである。 ア販売報告書(甲49)について 前記1(2)イ(エ)aと同様に,上記販売報告書は,内訳欄の項目に誤記があり,また,報告者の押印がないから,信用性はない。 イ販売代理店契約書(甲31)について上記販売代理店契約書は,平成23年6月6日付けで作成されているところ,前記1(2)イ(ア)bと同様に,本件審判手続において同契約書が提出されたのは,平成24年7月9日であるから,同契約書は,原告が本件商標の使用実績を取り繕う目的で審判手続開始後にバックデートで作成されたものと推認され,同契約書にも証拠価値は認められない。 ウ E の陳述書(甲39)及び F の陳述書(甲41)についてこれらの陳述書には,いずれもLSコミュニケーションズのホームページで麻雀大会の告知がされたなどの記載がある。 しかし,麻雀大会の開催を掲載したというLSコミュニケーションズのホームページは,証拠として提出されていない。 また,LSコミュニケーションズは,前記のとおり,麻雀大会の開催を事業目的とする会社ではないから,そのよう 催を掲載したというLSコミュニケーションズのホームページは,証拠として提出されていない。 また,LSコミュニケーションズは,前記のとおり,麻雀大会の開催を事業目的とする会社ではないから,そのような企業がホームページに麻雀大会の告知を掲載したとしても,麻雀愛好家の目に留まるということは考えられない。 したがって,そのような麻雀大会の告知はもとより,大会自体が存在しなかったものといわざるを得ない。 エポスター(甲40)及び領収証(甲42)について前記のとおり,販売報告書(甲49),販売代理店契約書(甲31), E の陳述書(甲39)及び F の陳述書(甲41)には,何ら信用性がなく,平成23年7月2日にLSコミュニケーションズが主催した麻雀大会など存在しなかったものといわざるを得ない。 したがって,以上の各書証に沿うものとして提出されたポスター及び領収証についても,これを信用することはできない。 しかも,前記1(2)イ(ア)bと同様に,本件審判手続においてこれらの書証が提出 されたのも,平成24年7月9日であるから,これらの書証は,原告が本件商標の使用実績を取り繕う目的のもとにバックデートで作成されたものにすぎないものと推認される。 3 「娯楽の提供」及び「娯楽情報の提供」について原告は,自己による一連の事業の実施を前提に,原告が「娯楽の提供」及び「娯楽情報の提供」について本件商標の使用を行った旨主張する。 しかし,前記のとおり,原告が当該「一連の事業」を実施したこと自体が認められないから,原告の主張は前提を欠くものである。 4 よって,本件商標の不使用に係る本件審決の判断に誤りはない。 第4 当裁判所の判断 1 「麻雀ゲームの提供」について(1) 原告のホームページでの麻雀ゲームの提供について原告は,平成 4 よって,本件商標の不使用に係る本件審決の判断に誤りはない。 第4 当裁判所の判断 1 「麻雀ゲームの提供」について(1) 原告のホームページでの麻雀ゲームの提供について原告は,平成23年4月11日に開設したホームページで,麻雀ゲームの提供を行った旨主張する。 確かに,証拠(甲3~6)によれば,原告は,平成23年4月8日にドメイン(jannavi.co.jp)を取得し,その後,そのドメインを利用して,ホームページを開設していること,甲4及び5に係る原告のホームページでは,麻雀ゲームジャンナビ(PC版)及び麻雀ゲームジャンナビ(携帯版)の販売及びレンタルについての記事が掲載されていることなどが認められる。 しかしながら,原告のホームページに上記各麻雀ゲームの販売及びレンタルについての記事が掲載されたのが,本件要証期間であったことを認めるに足りる客観的な証拠はない。 なお, A の陳述書(甲43)には,原告のホームページは平成23年4月11日に開設した旨の記載がある。 しかしながら, A の上記陳述書においても,原告のホームページに上記各麻雀ゲームの販売及びレンタルに係る記事が掲載された時期は明示されていない。そして, 平成23年4月9日まで原告の代表取締役であった G は,同日以前には,原告が本件商標を麻雀ゲーム・アプリケーション・プログラム製品の商標として使用していなかったと陳述していること(甲82,88,89)を併せ考慮すると, A の上記陳述のみをもって,本件要証期間に原告のホームページで「麻雀ゲームの提供」が行われていたと認めることはできない。 (2) すずめを通じた麻雀ゲームの提供についてア原告は,平成23年4月30日にすずめにジャンナビソフトを提供したことの証拠として,甲21,55等を提出して われていたと認めることはできない。 (2) すずめを通じた麻雀ゲームの提供についてア原告は,平成23年4月30日にすずめにジャンナビソフトを提供したことの証拠として,甲21,55等を提出しているが,次のとおり,これらの証拠は,いずれも信用性の乏しいものである。 (ア) 物品受領書(甲21)及び領収証(控)(甲55,68)について甲21の物品受領書の品名欄には,「麻雀ジャンナビソフト貸与平成23年5月~10月分」と記載されているところ,同物品受領書の左上部にはすずめの名称が記載され,右上部には正成の名称が記載されるとともに,正成の押印がされていることが認められ,かかる体裁からすると,同物品受領書は,正成がすずめに対し,ジャンナビソフトの貸与を受けたことを記載して交付した書面であるというべきであり,すずめが原告から物品を受領したことを裏付ける書面であるということはできない。 また,甲55及び68は,原告が,すずめから,3万円を受領したことが記載された平成23年4月30日付けの領収証(控)であり,その但書欄には,「麻雀ジャンナビソフトの提供及び記憶媒体の貸与として」との記載がある。 しかしながら,上記領収証(控)が,ジャンナビソフトの提供に対する料金の支払のために作成されたものであれば,領収証(控)の但書欄には,「麻雀ジャンナビソフトの提供として」と記載すれば足りるのであって,これに加えて,本件指定商品の表記に合わせるかのように「記憶媒体の貸与」をも記載するというのは,不自然である。 さらに,本件審判手続において,原告は,特許庁から平成24年5月21日付け 審理事項通知書(乙1)により,原告が「麻雀ゲームの提供」を行っていたとは認め難いとの暫定的な見解が示された後,同年7月9日に上記物品受領書及び領収証(控)を提出し 成24年5月21日付け 審理事項通知書(乙1)により,原告が「麻雀ゲームの提供」を行っていたとは認め難いとの暫定的な見解が示された後,同年7月9日に上記物品受領書及び領収証(控)を提出している。原告は,平成23年10月24日,特許庁に対し,答弁書と共に本件指定役務に係る使用の証拠(甲1~8)を提出しているところ,上記物品受領書及び領収証(控)は,いずれもそれ以前の同年4月30日に作成されていたというのであるから,上記答弁書等と共に特許庁に提出することも可能であったのに,特許庁から上記のような暫定的見解が示された後になって初めてこれを提出していることからすると,上記物品受領書及び領収証(控)の内容の信用性には疑問を持たざるを得ない。 したがって,上記物品受領書及び領収証(控)は,信用性の乏しいものといわざるを得ず,同物品受領書及び領収証(控)をもって,原告がすずめに対し,平成23年4月30日にジャンナビソフトを提供した証拠と認めることはできない。 (イ) 陳述書(甲43,46)についてA の陳述書(甲43)及びすずめの経営者である B の陳述書(甲46)には,平成23年4月30日,原告が,すずめに対し,ジャンナビソフトを提供した旨の陳述があるが,これを裏付ける客観的な証拠がない以上,これらの陳述をもって,同日,原告がすずめに対し,ジャンナビソフトを提供したと認めることはできないし,他にこれを認めるに足りる証拠もない。 イ原告は,平成23年4月30日には,すずめのホームページは開設され,かつ,閲覧可能な状態にあったと主張する。 確かに,ビートワンとすずめとの間の平成23年3月28日付けホームページ開発委託覚書(甲23)では,ビートワンが作成したホームページは,同年4月28日にすずめに納品すると記載されていること, B 確かに,ビートワンとすずめとの間の平成23年3月28日付けホームページ開発委託覚書(甲23)では,ビートワンが作成したホームページは,同年4月28日にすずめに納品すると記載されていること, B の陳述書(甲46)には,「平成23年4月30日から同年10月31日までの間,すずめのホームページに,麻雀ゲーム「ジャンナビ」を表示させ,ゲームを利用できるようにしました。」との記載があること,原告とすずめとの間の平成23年4月30日付けコンテンツの利用 契約書(甲20)では,麻雀ゲーム「ジャンナビ」の提供期間を同日から同年10月30日までとし(第2条),その利用条件をインターネット上で運営するすずめのWebサイトに対してリンクを設定する形態によりコンテンツを提供すると定められていること(第3条)がうかがわれるなど,原告の上記主張に沿う証拠も提出されている。 しかしながら,前記のとおり,原告がすずめに対し,平成23年4月30日にジャンナビソフトを提供したことを認めるに足りる証拠はない。 また,上記ホームページ開発委託覚書及びコンテンツの利用契約書は,いずれも同年3月又は4月に作成されたというのであるが,これらの書面が本件審決手続において本件商標の使用に係る証拠として提出されたのは,特許庁から平成24年5月21日付け審理事項通知書により,原告が「麻雀ゲームの提供」を行っていたとは認め難いとの暫定的な見解が示された後であるから,前記ア(ア)と同様に,その内容の信用性には疑問を持たざるを得ない。しかも,平成23年4月9日から同年5月31日まで原告の代表取締役であった A は,平成19年1月25日までは被告の代表取締役を務めていたところ(甲78,82),その退任時には,被告との間で,相互にその業務を妨害するような事態の発生を防止するため,退職 代表取締役であった A は,平成19年1月25日までは被告の代表取締役を務めていたところ(甲78,82),その退任時には,被告との間で,相互にその業務を妨害するような事態の発生を防止するため,退職金の支払や Aが所有していた被告の株式の処分について,合意書(甲80)を作成することとなるような紛争が生じていたものであり,上記ホームページ開発委託覚書やコンテンツの利用契約書は,いずれも,被告との間でそのような紛争が生じていた A の関与の下で作成されていることを併せ考慮すると,その信用性は乏しいものといわざるを得ない。 さらに,すずめのホームページ(甲22)には,これがいつの時点のものか,その年月日を示す表示もない。 以上によれば,上記ホームページ開発委託覚書等の証拠から,すずめのホームページが,平成23年4月30日には開設され,かつ,閲覧可能な状態にあったと認めることはできない。 (3) AIRCASTを通じた麻雀ゲームの提供についてア原告は,平成23年4月20日にAIRCASTにジャンナビソフトを提供したことの証拠として,甲35,57等を提出しているが,次のとおり,これらの証拠は,いずれも信用性の乏しいものである。 (ア) 物品受領書(甲35)及び領収証(甲57,69)について甲57及び69は,原告が,AIRCASTから,3万円を受領したことが記載された平成23年4月20日付けの領収証(控)であり,その但書欄には,「麻雀ジャンナビソフトの提供及び記憶媒体の貸与として」との記載がある。 しかしながら,上記領収証(控)が,ジャンナビソフトの提供に対する料金の支払のために作成されたものであれば,領収証(控)の但書欄には,「麻雀ジャンナビソフトの提供として」と記載すれば足りるのであって,これに加えて,本件指定商品の ,ジャンナビソフトの提供に対する料金の支払のために作成されたものであれば,領収証(控)の但書欄には,「麻雀ジャンナビソフトの提供として」と記載すれば足りるのであって,これに加えて,本件指定商品の表記に合わせるかのように「記憶媒体の貸与」をも記載するというのは,不自然である。 また,上記物品受領書及び領収証(控)は,いずれも平成23年4月20日に作成されたというのであるが,これが本件審判手続において本件商標の使用に係る証拠として提出されたのは,特許庁から平成24年5月21日付け審理事項通知書により,原告が「麻雀ゲームの提供」を行っていたとは認め難いとの暫定的な見解が示された後であるから,前記(2)ア(ア)と同様に,その内容の信用性には疑問を持たざるを得ない。 したがって,上記物品受領書及び領収証(控)の信用性は乏しいといわざるを得ず,同物品受領書及び領収証(控)をもって,原告がAIRACASTに対し,平成23年4月20日にジャンナビソフトを提供した証拠と認めることはできない。 (イ) A の陳述書(甲43,54)についてA の上記各陳述書には,原告が,平成23年4月20日にAIRCASTにジャンナビソフトを提供した旨記載されているが,これを裏付ける客観的な証拠がない以上,これらの陳述をもって,同日,原告がAIRCASTに対し,ジャンナビソ フトを提供したと認めることはできないし,他にこれを認めるに足りる証拠もない。 イ原告は,平成23年4月20日には,AIRCASTのホームページに麻雀ゲーム「ジャンナビ」が掲載され,かつ,閲覧可能な状態にあったと主張する。 確かに,原告がAIRCASTのホームページであると主張する甲36には,麻雀ゲームジャンナビ(PC版)及び麻雀ゲームジャンナビ(携帯版)がそれぞれ掲載されているこ 覧可能な状態にあったと主張する。 確かに,原告がAIRCASTのホームページであると主張する甲36には,麻雀ゲームジャンナビ(PC版)及び麻雀ゲームジャンナビ(携帯版)がそれぞれ掲載されていること,AIRCASTの代表取締役でもある A の陳述書(甲54)には,「ジャンナビソフトは平成23年4月20日から同年10月20日まで,弊社のホームページに6ヶ月間掲載しました。」との記載があること,原告とAIRCASTとの間の同年4月20日付けコンテンツの利用契約書(甲34)では,麻雀ゲーム「ジャンナビ」の提供期間を同日から同年10月20日までとし(第2条),その利用条件をインターネット上で運営するAIRCASTのWebサイトに対してリンクを設定する形態によりコンテンツを提供すると定めていること(第3条)がうかがわれるなど,原告の上記主張に沿う証拠もある。 しかしながら,前記のとおり,原告がAIRCASTに対し,平成23年4月20日にジャンナビソフトを提供したことを認めるに足りる証拠はない。 また,上記コンテンツの利用契約書は,平成23年4月20日に作成されたというのであるが,これが本件審判手続において本件商標の使用に係る証拠として提出されたのは,特許庁から平成24年5月21日付け審理事項通知書により,原告が「麻雀ゲームの提供」を行っていたとは認め難いとの暫定的な見解が示された後であるから,前記(2)ア(ア)と同様に,その内容の信用性には疑問を持たざるを得ない。 しかも,上記コンテンツの利用契約書も,前記(2)イと同様,被告との間で紛争が生じていた A の関与の下で作成されていることを併せ考慮すると,同契約書の信用性は乏しいものといわざるを得ない。 さらに,AIRCASTのホームページ(甲36)には,これがいつの時点のものか,その年月日を示す の関与の下で作成されていることを併せ考慮すると,同契約書の信用性は乏しいものといわざるを得ない。 さらに,AIRCASTのホームページ(甲36)には,これがいつの時点のものか,その年月日を示す表示もない。 以上によれば,上記コンテンツの利用契約書等の証拠から,平成23年4月20 日にはAIRCASTホームページに麻雀ゲーム「ジャンナビ」が掲載され,かつ,閲覧可能な状態にあったと認めることはできない。 (4) LSコミュニケーションズを通じた麻雀ゲームの提供についてア原告は,平成23年5月1日にLSコミュニケーションズにジャンナビソフトを提供したことの証拠として,甲27,56等を提出しているが,次のとおり,これらの証拠は,いずれも信用性の乏しいものである。 (ア) 物品受領書(甲27)及び領収証(控)(甲56,70)について甲56及び70は,原告が,LSコミュニケーションズから,3万円を受領したことが記載された平成23年5月1日付けの領収証(控)であり,その但書欄には,「麻雀ジャンナビソフトの提供及び記憶媒体の貸与として」との記載がある。 しかしながら,上記領収証(控)が,ジャンナビソフトの提供に対する料金の支払のために作成されたものであれば,領収証(控)の但書欄には,「麻雀ジャンナビソフトの提供として」と記載すれば足りるのであって,これに加えて,本件指定商品の表記に合わせるかのように「記憶媒体の貸与」をも記載するというのは,不自然である。 また,上記物品受領書及び領収証(控)は,いずれも平成23年5月1日に作成されたというのであるが,これが本件審判手続において本件商標の使用に係る証拠として提出されたのは,特許庁から平成24年5月21日付け審理事項通知書により,原告が「麻雀ゲームの提供」を行っていたとは認め難いとの うのであるが,これが本件審判手続において本件商標の使用に係る証拠として提出されたのは,特許庁から平成24年5月21日付け審理事項通知書により,原告が「麻雀ゲームの提供」を行っていたとは認め難いとの暫定的な見解が示された後であるから,前記(2)ア(ア)と同様に,その内容の信用性には疑問を持たざるを得ない。 したがって,上記物品受領書及び領収証(控)の信用性は乏しいといわざるを得ず,同物品受領書及び領収証(控)をもって,原告がLSコミュニケーションズに対し,平成23年5月1日にジャンナビソフトを提供した証拠と認めることはできない。 (イ) 陳述書(甲43,47)について A の陳述書(甲43)及び C の陳述書(甲47)には,平成23年5月1日,原告が,LSコミュニケーションズに対し,ジャンナビソフトを提供した旨記載されているが,これを裏付ける客観的な証拠がない以上,これらの陳述をもって,同日,原告がLSコミュニケーションズに対し,ジャンナビソフトを提供したと認めることはできないし,他にこれを認めるに足りる証拠もない。 イ原告は,平成23年5月1日には,LSコミュニケーションズのホームページに麻雀ゲーム「ジャンナビ」が掲載され,かつ,閲覧可能な状態にあったと主張する。 確かに,LSコミュニケーションズのホームページ(甲28)には,麻雀ゲーム「ジャンナビ」が掲載されていること, C の陳述書(甲47)には,概略,「弊社は,このCD-Rを利用して,平成23年5月1日から同年10月31日までの間,弊社のホームページに麻雀ゲーム「ジャンナビ」を掲載しました。」との記載があること,原告とLSコミュニケーションズとの間の平成23年5月1日付けコンテンツの利用契約書(甲26)では,麻雀ゲーム「ジャンナビ」の提供期間を同日から同年1 ンナビ」を掲載しました。」との記載があること,原告とLSコミュニケーションズとの間の平成23年5月1日付けコンテンツの利用契約書(甲26)では,麻雀ゲーム「ジャンナビ」の提供期間を同日から同年10月1日までとし(第2条),その利用条件をインターネット上で運営するLSコミュニケーションズのWebサイトに対してリンクを設定する形態によりコンテンツを提供すると定めていること(第3条)がうかがわれるなど,原告の上記主張に沿う証拠も提出されている。 しかしながら,前記のとおり,原告がLSコミュニケーションズに対し,平成23年5月1日にジャンナビソフトを提供したと認めるに足りる証拠はない。 また,上記コンテンツの利用契約書は,平成23年5月1日に作成されたというのであるが,これが本件審判手続において本件商標の使用に係る証拠として提出されたのは,特許庁から平成24年5月21日付け審理事項通知書により,原告が「麻雀ゲームの提供」を行っていたとは認め難いとの暫定的な見解が示された後であるから,前記(2)ア(ア)と同様に,その内容の信用性には疑問を持たざるを得ない。しかも,上記コンテンツの利用契約書も,前記(2)イと同様,被告との間で紛争が生じ ていた A の関与の下で作成されていることを併せ考慮すると,同契約書の信用性は乏しいものといわざるを得ない。 さらに,LSコミュニケーションズのホームページ(甲28)には,これがいつの時点のものか,その年月日を示す表示もない。 以上によれば,上記コンテンツの利用契約書等の各証拠から,平成23年5月1日にはLSコミュニケーションズのホームページに麻雀ゲーム「ジャンナビ」が掲載され,かつ,閲覧可能な状態にあったと認めることはできない。 (5) BANBANのホームページにおける麻雀ゲームの提供について コミュニケーションズのホームページに麻雀ゲーム「ジャンナビ」が掲載され,かつ,閲覧可能な状態にあったと認めることはできない。 (5) BANBANのホームページにおける麻雀ゲームの提供についてア原告は,平成23年6月にLSコミュニケーションズがBANBANにジャンナビソフトを販売したと主張する。 しかしながら,LSコミュニケーションズがBANBANに対し,本件ソフトウェアを販売したことを認めるに足りる客観的な証拠はないから,原告の主張は採用することができない。 イ原告は,本件要証期間にBANBANのホームページに麻雀ゲーム「ジャンナビ」が掲載され,かつ,閲覧可能な状態にあったと主張する。 確かに,甲30のBANBANのホームページでは,麻雀ゲームジャンナビが掲載されていることが認められる。 しかしながら,BANBANのホームページに上記麻雀ゲームジャンナビが掲載されたのが,本件要証期間であったことを認めるに足りる客観的な証拠はないから,原告の主張は採用することができない。 (6) 小括よって,本件要証期間に本件商標が「麻雀ゲームの提供」に係る役務に使用されたと認めることはできない。 2 「麻雀大会の企画・運営又は開催」について(1) 商標の同一性商標法50条1項は,「継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用 権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標(書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標,平仮名,片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであつて同一の称呼及び観念を生ずる商標,外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていないときは, 何人も,その指定商品又は指定役務に係る商標登 及び観念を生ずる商標,外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていないときは, 何人も,その指定商品又は指定役務に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。」旨規定するところ,同項において,①書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標,②平仮名,片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標,③外観において同視される図形からなる商標が例示されていることに鑑みれば,同項にいう「登録商標と社会通念上同一と認められる商標」は,上記①ないし③に準ずるような,これと同程度のものをいうものと解される。なお,文言上,登録商標と「同一」と認められるものでなければならず,「類似」の商標は含まれない。 (2) 本件商標と使用商標との同一性ア本件商標は,「JanNavi」の欧文字と「ジャンナビ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり,「ジャンナビ」との称呼を生じ,また,「麻雀大会の企画・運営又は開催」に係る役務の取引者,需要者においては,「麻雀(マージャン)」の略語を意味する「ジャン」と,操縦等の意味を有する「ナビゲーション」の頭文字である「ナビ」とを結合させた語句であると想起し得るものである。 これに対し,原告のホームページ(甲4,6,37)に掲載された使用商標は,「ジャンナビ杯」との文字からなり,「ジャンナビハイ」との称呼を生じ,また,上記取引者,需要者においては,「ジャンナビ」との名称を付したゲーム大会等を想起し得るものである。 そうすると,使用商標は,①本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標とはいえないし,②本件商標のローマ字等の文字の表示を相互に変更して同一の称呼及び観念を生ずる商標でも ものである。 そうすると,使用商標は,①本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標とはいえないし,②本件商標のローマ字等の文字の表示を相互に変更して同一の称呼及び観念を生ずる商標でもなく,また,③外観において本件商標と同視 される図形からなる商標でもなく,これらと同程度のものということもできない。 したがって,「ジャンナビ杯」は,本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということはできない。 イ原告の主張について原告は,使用商標では,「ジャンナビ」の部分が要部となっているから,使用商標と本件商標とは,社会通念上同一であると主張する。 しかしながら,使用商標から「ジャンナビ」の部分のみを抽出し,この部分だけを本件商標と比較して商標そのものの同一性を判断することは,許されない。 したがって,原告の主張は,採用することができない。 (3) 小括よって,その余の点について検討するまでもなく,本件要証期間に本件商標が「麻雀大会の企画・運営又は開催」に係る役務に使用されたと認めることはできない。 3 結論以上の次第であるから,原告主張の取消事由には理由がなく,原告の請求は棄却されるべきものである。 知的財産高等裁判所第4部 裁判長裁判官土肥章大 裁判官大鷹一郎 裁判官齋藤巌

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る