令和1(行ウ)126 公園区域除外処分差止請求事件、公園区域除外処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和4年3月3日 大阪地方裁判所
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判決文本文60,132 文字)

- 1 -令和4年3月3日判決言渡令和元年(行ウ)第126号公園区域除外処分差止請求事件令和2年(行ウ)第15号公園区域除外処分取消請求事件 主文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由第1 請求被告が,令和元年10月16日付けでした,A1公園のうち別紙2物件目録記 載部分を都市公園区域から除外する処分を取り消す。 第2 事案の概要等本件は,都市公園(都市公園法2条1項1号)であるA1公園の周辺に居住する原告らが,被告が令和元年10月16日付けでした,A1公園の区域の一部(別紙2物件目録記載の部分。以下「本件廃止部分」という。)を都市公園の区域か ら除外する旨の変更処分(乙3,4,8,9。以下「本件変更処分」という。)は,みだりに都市公園を廃止するものであり違法であるなどと主張して,被告を相手に,本件変更処分の取消しを求める事案である。 1 関係法令等の定め⑴ 都市公園法 ア目的都市公園法1条は,都市公園法は,都市公園の設置及び管理に関する基準等を定めて,都市公園の健全な発達を図り,もって公共の福祉の増進に資することを目的とする旨定める。 イ地方公共団体が設置する「都市公園」の定義 都市公園法2条1項1号は,地方公共団体が設置する「都市公園」とは,- 2 -都市計画法4条6項に規定する都市計画施設である公園又は緑地及び同条2項に規定する都市計画区域内における公園又は緑地で,その設置者である地方公共団体が当該公園又は緑地に設ける公園施設を含むものとする旨定める。 ウ 「公園施設」の定義 都市公園法2条2項は,都市公園法において「公園施設」とは,都市公園の効用を全うするた 地方公共団体が当該公園又は緑地に設ける公園施設を含むものとする旨定める。 ウ 「公園施設」の定義 都市公園法2条2項は,都市公園法において「公園施設」とは,都市公園の効用を全うするため当該都市公園に設けられる園路及び広場(1号),植栽,花壇,噴水その他の修景施設で政令で定めるもの(2号),休憩所,ベンチその他の休養施設で政令で定めるもの(3号),野球場,陸上競技場,水泳プールその他の運動施設で政令で定めるもの(5号)等の施設を いう旨定める。 エ都市公園の設置・管理都市公園法2条の2は,都市公園は,公園管理者(同法2条の3の規定によりその管理をすることとなる者をいう。同法5条参照。以下同じ。)が,当該都市公園の供用を開始するに当たり都市公園の区域その他政令で 定める事項を公告することにより設置される旨定める。 都市公園法2条の3は,地方公共団体の設置に係る都市公園にあっては当該地方公共団体が公園管理者となる旨定める。 オ都市公園の設置基準都市公園法3条1項は,地方公共団体が都市公園を設置する場合におい ては,政令で定める都市公園の配置及び規模に関する技術的基準を参酌して条例で定める基準に適合するように行うものとする旨定める。 カ都市公園の保存都市公園法16条は,公園管理者は,廃止される都市公園に代わるべき都市公園が設置される場合(2号)等のほか,みだりに都市公園の区域の 全部又は一部について都市公園を廃止してはならない旨定める。 - 3 -キ条例で規定する事項都市公園法18条は,都市公園法及び都市公園法に基づく命令で定めるもののほか,都市公園の設置及び管理に関し必要な事項は,条例で定める旨定める。 ⑵ 都市公園法施行令 都市公園法施行令2条 都市公園法18条は,都市公園法及び都市公園法に基づく命令で定めるもののほか,都市公園の設置及び管理に関し必要な事項は,条例で定める旨定める。 ⑵ 都市公園法施行令 都市公園法施行令2条1項は,地方公共団体が次に掲げる都市公園を設置する場合においては,それぞれの特質に応じて当該市町村における都市公園の分布の均衡を図り,かつ,防火,避難等災害の防止に資するよう考慮するほか,次に掲げるところによりその配置及び規模を定めるものとする旨定める。 ア主として街区内に居住する者の利用に供することを目的とする都市公園(以下「街区公園」という。)は,街区内に居住する者が容易に利用することができるように配置し,その敷地面積は,0.25haを標準として定めること(1号)。 イ主として近隣に居住する者の利用に供することを目的とする都市公園 (以下「近隣公園」という。)は,近隣に居住する者が容易に利用することができるように配置し,その敷地面積は,2haを標準として定めること(2号)。 ウ主として徒歩圏域内に居住する者の利用に供することを目的とする都市公園(以下「地区公園」という。)は,徒歩圏域内に居住する者が容易に利 用することができるように配置し,その敷地面積は,4haを標準として定めること(3号)。 ⑶ α市公園条例(昭和35年6月25日条例第18号。乙7)ア目的α市公園条例1条は,α市公園条例は,都市公園法及び都市公園法に基 づく命令並びに高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に- 4 -定めるもののほか,これらの法律の規定に基づき公園の設置及び管理に関する基準等について必要な事項を定めることによりα市公園の健全な発達と使用の適正化を図ることを目的とする旨定める。 イ 「公園 -定めるもののほか,これらの法律の規定に基づき公園の設置及び管理に関する基準等について必要な事項を定めることによりα市公園の健全な発達と使用の適正化を図ることを目的とする旨定める。 イ 「公園」の定義α市公園条例2条1号は,α市公園条例において「公園」とは,都市公 園法2条1項に定める都市公園で,α市が設置するものをいう旨定める。 ウ都市公園の配置及び規模に関する技術的基準α市公園条例4条は,都市公園法3条1項の条例で定める基準について,次のとおりとする旨定める。 (ア) α市の区域内の都市公園の市民1人当たりの敷地面積の標準は,10 ㎡以上とする(α市公園条例4条の2)。 (イ) 次に掲げる公園を設置する場合においては,それぞれその特質に応じて,α市における公園の分布の均衡を図り,かつ,防火,避難等災害の防止に資するよう考慮するほか,次に掲げるところによりその配置及び規模を定めるものとする(α市公園条例4条の3第1項)。 a 主として街区内に居住する者の利用に供することを目的とする公園(街区公園)は,街区内に居住する者が容易に利用することができるように配置し,その敷地面積は,0.25haを標準として定めること(1号。上記⑵ア参照)。 b 主として近隣に居住する者の利用に供することを目的とする公園 (近隣公園)は,近隣に居住する者が容易に利用することができるように配置し,その敷地面積は,2haを標準として定めること(2号。 上記⑵イ参照)。 c 主として徒歩圏域内に居住する者の利用に供することを目的とする公園(地区公園)は,徒歩圏域内に居住する者が容易に利用すること ができるように配置し,その敷地面積は,4haを標準として定めるこ- 5 -と(3号。上記⑵ウ参照)。 d 主と 目的とする公園(地区公園)は,徒歩圏域内に居住する者が容易に利用すること ができるように配置し,その敷地面積は,4haを標準として定めるこ- 5 -と(3号。上記⑵ウ参照)。 d 主としてα市の区域内に居住する者の休息,観賞,散歩,遊戯,運動等総合的な利用に供することを目的とする公園及び主として運動の用に供することを目的とする公園は,容易に利用することができるように配置し,それぞれその利用目的に応じて公園としての機能を十分 発揮することができるようにその敷地面積を定めること(4号。上記⑵エ参照)。 ⑷ 都市計画法ア目的,都市計画の基本理念都市計画法1条は,都市計画法は,都市計画の内容及びその決定手続, 都市計画制限,都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより,都市の健全な発展と秩序ある整備を図り,もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする旨定める。 都市計画法2条は,都市計画の基本理念の1つとして,健康で文化的な都市生活を確保すべきことがある旨定める。 イ都市施設都市計画法11条2項は,都市施設(都市計画において定められるべき,公園,緑地,広場,墓園その他の公共空地〔同条1項2号〕等の同条1項各号に掲げる施設)については,都市計画に,都市施設の種類,名称,位置及び区域を定めるものとするとともに,面積その他の政令で定める事項を定 めるよう努めるものとする旨定める。 ウ公聴会の開催等都市計画法16条1項は,都道府県又は市町村は,同条2項の規定による場合を除くほか,都市計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは,公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要 な措置を講ずるものとする旨定める。 同条2項の規定による場合を除くほか,都市計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは,公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要 な措置を講ずるものとする旨定める。 - 6 -エ都市計画に定める地区計画等の案都市計画法16条2項は,都市計画に定める地区計画等の案は,意見の提出方法その他の政令で定める事項について条例で定めるところにより,その案に係る区域内の土地の所有者その他政令で定める利害関係を有する者の意見を求めて作成するものとする旨定める。 オ都市計画の案の縦覧等都市計画法17条1項は,市町村は,都市計画を決定しようとするときは,あらかじめ,国土交通省令で定めるところにより,その旨を公告し,当該都市計画の案を,当該都市計画を決定しようとする理由を記載した書面を添えて,当該公告の日から2週間公衆の縦覧に供しなければならない 旨定める。 カ市町村の都市計画の決定都市計画法19条1項は,市町村は,市町村都市計画審議会の議を経て,都市計画を決定するものとする旨定める。 都市計画法19条2項は,市町村は,前項の規定により都市計画の案を 市町村都市計画審議会に付議しようとするときは,同法17条2項の規定により提出された意見書の要旨を市町村都市計画審議会に提出しなければならない旨定める。 キ都市計画の変更都市計画法21条2項は,同法17条及び同法19条の規定は都市計画 の変更について準用する旨定める。 ⑸ 都市計画法施行令及び都市計画法施行規則都市計画法施行規則7条は,都市計画法施行令6条2項の国土交通省令で定める種別及び構造の細目のうち,公園の種別について,街区公園,近隣公園,地区公園,総合公園,運動公園,広域公園又は特殊公園とする旨定 市計画法施行規則7条は,都市計画法施行令6条2項の国土交通省令で定める種別及び構造の細目のうち,公園の種別について,街区公園,近隣公園,地区公園,総合公園,運動公園,広域公園又は特殊公園とする旨定める。 2 前提事実(当事者間に争いがないか,掲記の証拠又は弁論の全趣旨により容- 7 -易に認定することができる事実)⑴ 当事者等ア原告ら原告らは,別紙1当事者目録記載の各住所(いずれも本件変更処分前のA1公園に隣接するか,A1公園から直線距離で300m以内の場所にあ る建物である。)に居住している。このうち,原告A2,同A3,同A4は平成19年頃から,同A5は昭和61年頃から,同A6,同A7は平成12年頃から,それぞれ現住所に居住している。 原告らのうち,原告A5,同A6,同A7が居住する一戸建ての建物は,それぞれの庭が本件変更処分前のA1公園内の緑道に接しており,建物の 庭から直接緑道に出ることができた。また,原告A3の子及び原告A4の子は,いずれもA1公園内の緑道を通ってα市立A8小学校に通学していた。 原告ら以外にも,A1公園の周辺住民で原告らの活動を支援する者は,少なくとも7,8名ないし30名~40名存在する。 令和元年10月におけるα市β区γ1丁・2丁・3丁・4丁の人口は,それぞれ約2900人(約1500世帯)・約5700人(約2100世帯)・約2400人(約1100世帯)・約1100人(約500世帯)であり,合計で約1万2100人(約5300世帯)であった。(以上につき,甲2の2,11,15,16,21~25,29,原告A2本人,原告 A6本人)イ被告被告は,A1公園の公園管理者(都市公園法2条の3)である。 A9は,大学の農学部を卒業後,平成14年に被告職員として 5,16,21~25,29,原告A2本人,原告 A6本人)イ被告被告は,A1公園の公園管理者(都市公園法2条の3)である。 A9は,大学の農学部を卒業後,平成14年に被告職員として採用され,平成27年4月頃,被告の建築都市局のニュータウン地域再生室(十数名 の職員により構成された部署)の主査として,A10ニュータウンの再生- 8 -を担当していた。(乙54,証人A9)ウ A10ニュータウンA10ニュータウンは,α市南部等にあり,昭和30年代の大都市圏への人口集中により発生した住宅需要に対応するため,A11ニュータウンに次ぐ,大阪府内第2の大規模ニュータウンとして開発された。 すなわち,A10ニュータウンは,大阪府を事業主体とし,事業期間を昭和40年~昭和58年とし,計画戸数約5万4000戸,計画人口約18万人とするもので,昭和42年から入居が開始された。 A10ニュータウンは,北東側から南西側にかけて順に,δ地区,ε地区,ζ地区の3地区から成り,それぞれの中心付近にはA12高速鉄道の A13駅,A14駅,A15駅がある。 A10ニュータウンは,緑豊かな住環境を有するまちとして成熟してきたものの,平成22年頃当時,入居開始から40年以上が経過したことに伴い,人口減少,高齢化,住居・施設老朽化等の様々な課題に直面しており,将来にわたって多世代が健康で安全・安心に住み続けられるような持 続発展可能なまちとするために,再生に向けた取組が必要であると認識されていた。(以上につき,甲30,乙10)⑵ A13駅周辺の公園等ア A1公園A1公園は,A12高速鉄道のA13駅の北東約400mに位置し,α 市(住所省略)に所在する,昭和46年に開設された面積約3.3ha(現在)の都市公園 A13駅周辺の公園等ア A1公園A1公園は,A12高速鉄道のA13駅の北東約400mに位置し,α 市(住所省略)に所在する,昭和46年に開設された面積約3.3ha(現在)の都市公園(都市公園法2条1項1号)である。(甲1,4,7,乙8,9,12,19の1・2)イ A16公園A16公園は,A1公園の東側に位置し,α市(住所省略)地内に所在 する,昭和48年に設置された,面積約2.2haの公園(近隣公園)であ- 9 -る。 A16公園の北側には,A8小学校(A8小学校の通学区域〔以下「γ校区」という。〕は,α市(住所省略)である。)があり,A16公園の東側には,α市立A32中学校がある。(甲7,37,乙8,9,12,18の1・2,19の1・2,原告A2本人) ウ A17公園A17公園は,A12高速鉄道のA14駅(A13駅の南西隣の駅)の南東側に位置し,α市(住所省略)地内に所在する,面積約7.8haの公園である。A17公園は,A1公園から,直線距離で約3㎞南に位置する。 (甲13,乙18の1・2,32,33) エ A18公園A18公園は,A13駅の南側に位置し,α市(住所省略)地内に所在する,面積約15haの公園である。(甲11,28の1・2,乙11)オ A33公園A33公園は,被告が,A13駅の南側(A18公園の東側)に位置す るα市(住所省略)地内に,面積約5.5haの地区公園として整備する予定の公園(地区公園)である。A33公園は,A1公園とは直線距離で約500m南側に位置し,両公園の間には府道(A19線)が走っている。 A33公園が開設される予定地の北側には,α市立A34市民センター,A20交流センターであるA21,児童厚生施設であるα市立A22(A 22は ,両公園の間には府道(A19線)が走っている。 A33公園が開設される予定地の北側には,α市立A34市民センター,A20交流センターであるA21,児童厚生施設であるα市立A22(A 22は,令和3年までは大阪府の施設であった。)等の施設があり,予定地の西側には,市道(A23線)を挟んでA18公園があり,予定地の中央部分には,面積約1.6haのため池であるA24池が存在する。A24池の西側にはA25窯跡群を構成する窯跡約10基が存在する。(以上につき,甲2の1~8,7,10,11,27,28の2,乙19の1・2, 49,53,54,61~63,証人A9)- 10 -カその他γ校区内の公園A1公園が存するγ校区内には,A1公園及びA16公園のほかに,小規模な公園も含め,13の公園が存する。(乙18の1・2,21,22)キ指定避難所災害発生時における,被告が指定する避難所のうち,原告らが居住する 建物に最も近いのは,A8小学校である。原告らの居住地から指定避難所であるA8小学校までの経路は約200m~900mであり,A8小学校まで移動するためには,本件変更処分前のA1公園を南西から北東方向に横切る緑道を通るのが最短となる。もっとも,原告らの居住地は,いずれも,指定避難所であるA8小学校よりも本件変更処分前のA1公園に近く, 原告A5,同A6,同A7については,大規模地震が発生したことを想定して実施された地域の避難訓練の際に,被告の指定する避難所であるA8小学校の代替地として,A1公園を一時避難所として避難訓練を行った自治会に所属している。(甲11,16,17,20,23,乙11,原告A6本人) ⑶ 本件都市計画の決定(昭和40年)被告は,大阪府によるA10ニュータウンの建設が開始された 練を行った自治会に所属している。(甲11,16,17,20,23,乙11,原告A6本人) ⑶ 本件都市計画の決定(昭和40年)被告は,大阪府によるA10ニュータウンの建設が開始された昭和40年,B都市計画緑地(その後,C都市計画公園,D都市計画公園に名称が変更された。)に係る都市計画を決定し(以下,この都市計画を「本件都市計画」という。),都市計画施設としてA1公園を定め,その後,その区域変更をした 上で,昭和46年,A1公園を設置した。A1公園は,昭和55年8月,地区公園(上記関係法令等の定め⑵ウ・⑶ウ(イ)c参照)とされた。(甲18,30,乙12,13,14~19の各1・2)⑷ 本件再生指針の策定(平成22年),本件ビジョンの策定(平成23年),本件基本協定の締結(平成26年) ア本件再生指針の策定- 11 -被告は,平成22年5月,A10ニュータウン再生指針(以下「本件再生指針」という。)を策定した。 本件再生指針は,A10ニュータウンについて,人口減少,高齢化等の課題に対応し,将来にわたって多世代が健康で安全・安心に住み続けられるような持続発展可能なまちとするために策定されたものであった。(以 上につき,甲30)イ本件ビジョンの策定平成22年,本件再生指針を踏まえて,A10ニュータウン再生府市等連携協議会(α市副市長を会長とし,大阪府副知事を副会長として合計5名の構成員から成る協議会。以下「本件連携協議会」という。)が設立さ れ,また,有識者から成るA13駅地域活性化検討専門委員会(A26〔大阪府立大学大学院教授〕を委員長として合計5名の委員から成る委員会。 以下「本件専門委員会」という。)が設置された。 本件連携協議会は,A13駅前地域の活性化や公的賃貸住宅等の再生 委員会(A26〔大阪府立大学大学院教授〕を委員長として合計5名の委員から成る委員会。 以下「本件専門委員会」という。)が設置された。 本件連携協議会は,A13駅前地域の活性化や公的賃貸住宅等の再生等,A10ニュータウンの活性化に向けて広域的な取組を行うため,大阪府と 被告のほか,独立行政法人都市再生機構,大阪府住宅供給公社,財団法人大阪府タウン管理財団が連携し,共に協議・検討する場として,設置されたものである。 本件連携協議会は,平成23年3月,本件専門委員会からの提言を踏まえ,A13駅前地域の活性化に向けた行動指針として,A13駅前地域活 性化ビジョン(以下「本件ビジョン」という。)を策定した。(以上につき,乙10)ウ本件基本協定の締結被告は,平成26年7月16日,A27大学及び大阪府との間で,被告が所有する用地(本件廃止部分を含む。)及び大阪府が所有する用地(府 営住宅敷地等)において,A27大学医学部及び同大学附属病院等(以下,- 12 -併せて「A27大学病院等」という。なお,現在,A27大学病院等は,η市に所在する。)を設置し,被告及び大阪府がそのための用地をA27大学に対し有償で譲渡すること等を内容とする基本協定(以下「本件基本協定」という。)を締結した。本件基本協定は,4か条から成り,事業推進の目的と協力(2条)や大学等の設置等による地域への貢献(3条)等を内 容とするものである。(甲5,6,乙26)⑸ 本件都市計画の変更(令和元年7月)被告は,令和元年7年17日,本件都市計画について,A1公園及びA16公園の区域を変更し,A1公園の種別を地区公園から近隣公園(上記関係法令等の定め⑵イ・⑶ウ(イ)b参照)に変更するとともに,新たに地区公園と してA33公園を追加する旨の変 A1公園及びA16公園の区域を変更し,A1公園の種別を地区公園から近隣公園(上記関係法令等の定め⑵イ・⑶ウ(イ)b参照)に変更するとともに,新たに地区公園と してA33公園を追加する旨の変更を行い,同日付けα市告示第▲号において,都市計画変更の告示を行ったこの本件都市計画の変更により,A1公園は面積が約8.0haから約3. 3haに,A16公園は面積が約2.6haから約2.2haにそれぞれ縮小されることとなり,A1公園から直線距離で約500m離れたα市(住所省略) 地内に新たにA33公園(約5.5ha)が設置されることとなった。(以上につき,甲3の1~11,7,乙12,19)⑹ 本件売買契約の締結(令和元年8月)被告は,令和元年8月5日,A27大学との間で,A1公園の一部(本件廃止部分)及びA16公園の一部の土地を代金22億2656万1174円 で譲渡する旨の契約(以下「本件売買契約」という。)を締結し,α市議会は,同年10月3日,その譲渡について同意した。(乙5,6)⑺ 本件変更処分(令和元年10月)被告は,令和元年10月16日,A1公園の一部(本件廃止部分)及びA16公園の一部を都市公園の区域から除外する旨の変更処分(本件変更処分) をした。(乙3,4,7,8)- 13 -本件変更処分当時,A1公園(約8.0ha〔=約8万㎡〕)内には,約1万㎡の自由広場のほか,屋外プールや緑道が設置されていた。本件廃止部分は,本件変更処分当時,西側が主として屋外プール(屋外プール用敷地はフェンスで囲まれていた。)及び駐車場(約0.4ha)であり,東側が主として緑道を含む緑地帯であった。(甲1,3,4,8,乙1~4,8,9,19の1・ 2,34,54,証人A9)⑻ 本件訴えの提起原告らのう た。)及び駐車場(約0.4ha)であり,東側が主として緑道を含む緑地帯であった。(甲1,3,4,8,乙1~4,8,9,19の1・ 2,34,54,証人A9)⑻ 本件訴えの提起原告らのうち,原告A3,同A4を除く15名は,令和元年8月28日に本件訴え(当庁令和元年(行ウ)第126事件)を提起した。 原告A3,同A4は,令和2年2月14日に本件訴え(当庁令和2年(行 ウ)第15号事件)を提起した。 3 争点⑴ 本案前の争点原告らに本件変更処分の取消訴訟の原告適格があるか否か(争点1)⑵ 本案の争点 本件変更処分が適法であるか否かア本件変更処分が都市公園法16条2号の要件を満たすか否か(争点2)イ本件変更処分が都市計画法16条,17条及び19条の定める手続を経たものであるか否か(争点3) 4 争点に関する当事者の主張 ⑴ 争点1(原告らに本件変更処分の取消訴訟の原告適格があるか否か)について(原告らの主張)原告らは,本件変更処分の取消しを求める法律上の利益を有する者であり,原告適格を有する。その理由は,次のア~ウのとおりである。 ア判断枠組み- 14 -本件変更処分は,明確な名宛人が存在しておらず,その利害が多数人に及ぶものである。このような処分における原告適格の検討に当たっては,一般的公益と個別的利益は,二律背反的な概念ではなく,包含関係にあることが前提とされなければならない。そうすると,行政法規が一次的に一般的公益を保護しているようにみえるというだけの理由で原告適格が否定 されるべきではなく,行政法規が一次的には一般的公益を保護しているようにみえることに加えて,当該法規が個別的利益の保護を予定していない場合に初めて,専ら一般的公益を保護するものとして, が否定 されるべきではなく,行政法規が一次的には一般的公益を保護しているようにみえることに加えて,当該法規が個別的利益の保護を予定していない場合に初めて,専ら一般的公益を保護するものとして,原告適格が否定されるべきである。 したがって,本件で検討されなければならないのは,行政法規が一般的 公益を保護するものであることを前提として,それが司法権による違法性の検討を許さないような性質を有するものであるか否か(すなわち,専ら一般的公益を保護するものか否か)である。そして,このような観点から検討すると,原告らは,本件変更処分の取消しを求めることについて原告適格を有する。 イ原告らが原告適格を有すること(ア) 都市公園を自由に利用する利益次のa~dのとおり,法令の定めや都市公園の本質,その利益の内容に照らせば,都市公園を自由に利用する利益は,原告らに対して個別的に保護される利益といえ,原告らは本件変更処分の取消しを求めるにつ き法律上の利益を有する。 a 都市公園法及びα市公園条例の定め都市公園は,都市公園法2条の2に基づいて設置されるものであり,その設置は,「政令で定める都市公園の配置及び規模に関する技術的基準を参酌して条例で定める基準に適合するように行うもの」とされ ている(都市公園法3条1項)。 - 15 -α市公園条例は,都市公園法3条1項を受け,都市公園の基準として,市民1人当たりの都市公園の敷地面積の標準を10㎡以上とすること(α市公園条例4条の2),個々の都市公園について,主たる利用者を想定した上で,その広狭に応じ,一定の規模を確保すること(α市公園条例4条の3)を定めている。これらの定めは,区域の人口に 応じた面積を具体的に確保し,その偏在を防ぐことで,地域住民が都市公 を想定した上で,その広狭に応じ,一定の規模を確保すること(α市公園条例4条の3)を定めている。これらの定めは,区域の人口に 応じた面積を具体的に確保し,その偏在を防ぐことで,地域住民が都市公園の機能を広く享受できるようにする趣旨に出たものである。 このような規定の趣旨に照らせば,都市公園法及びα市公園条例は,設置される都市公園につき,設置時に想定している主たる利用者に対し,都市公園の機能を享受し,これを自由に利用する利益を個別的利 益として保護しているものと考えられる。都市公園法16条が「みだりに…都市公園を廃止してはならない。」と定めているのも,都市公園の便益を享受している住民が,その便益を軽々に奪われることがないようにする趣旨である。 以上のとおり,都市公園法及びα市公園条例は,設置される都市公 園の主たる利用者として想定される者に対し,当該都市公園を自由に利用することができる利益を個別的に保護している。 b 都市公園の本質,利益の内容公園が産業革命以後の人口増大とそれに伴う都市の急激な環境悪化を背景に誕生したという沿革から考えれば,都市公園は,単に住民の 健康増進といったいわゆる積極目的の側面を有するだけではなく,都市の過密化による住民生活とその心身の健康への悪影響の除去といったいわゆる消極目的の側面をも含めて設置されているといえる。そうすると,都市公園を自由に利用し,その環境の改善等の便益を享受する利益は,人格的生存に関わる重要なものであり,軽視されるべきも のではない。また,都市公園は,幼児・児童らにとっての貴重な遊び- 16 -場になるとともに,生育環境としても重要な地位を占めること等からすれば,都市公園を自由に利用する利益は,重大な利益である。 そして,当該利益を享受するのは,都 童らにとっての貴重な遊び- 16 -場になるとともに,生育環境としても重要な地位を占めること等からすれば,都市公園を自由に利用する利益は,重大な利益である。 そして,当該利益を享受するのは,都市公園の設置時に想定されている主たる利用者に限られることから,都市公園を自由に利用する利益は,その主たる利用者に対して個別的に保護されているものと考え られる。 また,都市公園の維持管理等に協力し,一定の不利益を甘受しながら利益を享受するという近隣の住民は,他の地域の住民とは質的に異なる利害関係を有している。 以上によれば,都市公園法は,一般的公益とともに,主たる利用者 として想定されている住民に対し,都市公園を自由に利用する利益を個別的利益としても保護する趣旨を含むと解される。 c 関係法令の定め都市緑地法2条,4条は,市町村が緑地の適正な保全及び緑化の推進に関する基本計画を定めることができるとし,その中で都市公園の 整備及び管理の方針等についても併せて定めることとしており,都市公園の整備を重要なものと位置付けている。 また,都市計画法33条及び都市計画法施行令25条は,具体的な基準によって都市公園の拡充を求めるなど,具体的に実効性をもって都市公園や緑地を保全しなければならないとしており,都市公園の保 全を行政庁の自由裁量に委ねていない。 さらに,学校教育法21条2号は,義務教育の達成目標の1つとして学校内外における自然活動体験の促進を掲げているところ,このことは幼少期の自然学習の重要性を表しており,学習環境の維持という意味でも,都市公園の保全は重要な意味を持っている。 d 原告らの利益- 17 -A1公園は,本件変更処分前の段階で,地区公園とされていたものである。そして,原告らは,別紙2当 という意味でも,都市公園の保全は重要な意味を持っている。 d 原告らの利益- 17 -A1公園は,本件変更処分前の段階で,地区公園とされていたものである。そして,原告らは,別紙2当事者目録記載の住所に居住する者であり,いずれも,本件変更処分により縮小される前のA1公園の主たる利用者として想定されていたのであって,個別的な利益を保護されているというべきである。 (イ) 緑道を通行する利益次のa~dのとおり,原告らのA1公園の緑道を通行する利益は,法令の規定,利益の内容及び性質に照らして,個別的利益として保護されており,原告らは,本件変更処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する。 a 都市公園法の規定都市公園法16条は,みだりに都市公園を廃止することを禁止するという厳格な実体的要件を課すとともに,関係法令である都市計画法が,都市計画決定(変更決定)に,緑道の利用者を含めた住民の意見や利害関係人への影響等を十分にくみ上げるために,諸々の手続的要 件を課している。これらのことからすると,都市公園法16条は,公園管理者をして,都市公園の公園施設である緑道の具体的な利用状況を十分に勘案させた上,実体的要件を満たすか否かの判断を適正に行わせ,もって,緑道を利用する者の具体的な利益を保護することをも,その趣旨及び目的としているものと解される。 したがって,都市公園法16条は,緑道の廃止を伴う処分による被害を直接的に受ける,緑道を日常的に利用する者に対し,当該処分による被害(日常生活上の支障等)を受けないという具体的利益を保護しようとするものと解すべきであり,この具体的利益は,一般的公益の中に吸収解消されるような反射的利益ではない。 b 都市計画法の規定- 18 -A1公園 受けないという具体的利益を保護しようとするものと解すべきであり,この具体的利益は,一般的公益の中に吸収解消されるような反射的利益ではない。 b 都市計画法の規定- 18 -A1公園は,都市計画施設として定められており,都市計画法(同法は,本件変更処分の根拠法令である都市公園法と目的と共通にする関係法令である。)の趣旨及び目的をも参酌すべきであるところ,都市計画法は,機能的な都市活動を確保すべきことを基本的な理念として定めている(都市計画法2条)。例えば,日常的に緑道を通行して 行き来することも,機能的な都市活動のために必要であり,都市計画法は,このような通行に関する利益を保護しているといえる。また,都市計画法は,開発許可の基準の1つとして,公園等が,「通行の安全上」等支障がないような規模及び構造で適当に配置されていることを挙げており(都市計画法33条1項2号),通行に関する利益を保 護する趣旨を含んでいる。加えて,都市計画法は,都市計画決定に住民の意見を反映するための手続的な要件を課しており,本件都市計画の変更におけるα市都市計画審議会の決議において,緑道の通行機能の確保等に取り組むよう,被告からA27大学に積極的に働きかけをされたい旨の付帯意見が付されていることからも,A1公園の近隣住 民に対し,緑道の通行に関する利益を保護すべきことが前提となっている。 c 利益の内容及び性質A1公園の緑道を通行する利益は,個々人の日常生活に直結するものであるから,その性質上,一般的公益の中に吸収解消されるもので はなく,個別的利益としても保護されるべきであり,緑道を日常的に利用する原告らは,本件変更処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として,原告適格を有するというべきである。 d 原告 はなく,個別的利益としても保護されるべきであり,緑道を日常的に利用する原告らは,本件変更処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として,原告適格を有するというべきである。 d 原告らの具体的状況原告らは,A1公園の近隣住民であり,A1公園の緑道を日常的に 利用する者である。また,原告らのうち,原告A5が居住する一戸建- 19 -ての建物と,原告A6,原告A7が居住する一戸建ての建物は,それぞれの庭がA1公園内にある緑道と接しており,それらの庭から直接緑道に出ることができ,また,原告A3の子及び原告A4の子は,いずれもA1公園内の緑道を通ってA8小学校に通学している。 (ウ) 防災・防火機能を享受する利益 次のa~cのとおり,原告らのA1公園の防火・防災機能を享受する利益は,都市公園法の趣旨及び目的等に照らして,個別的利益として保護すべきものであり,原告らは,本件変更処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有するというべきである。 a 都市公園法の趣旨及び目的 都市公園法は,都市公園を「都市計画施設である公園又は緑地で地方公共団体が設置するもの」等と定義し(都市公園法2条1項1号〔上記関係法令等の定め⑴イ〕),都市公園法施行令は,都市公園を設置する場合において,「防火,避難等災害の防止に資するよう考慮する」などと規定している(都市公園法施行令2条1項〔上記関係法令等の 定め⑵〕)のであって,都市公園は,防火・防災機能を有する施設としての効用を有している。そして,都市公園法は,そのような機能を有する都市公園の保存を図っている(都市公園法16条〔上記関係法令等の定め⑴カ〕)。 b 個別的利益 都市公園が想定する都市公園の防火・防災機能(都市公園を避難場所又は避難経路として利用 する都市公園の保存を図っている(都市公園法16条〔上記関係法令等の定め⑴カ〕)。 b 個別的利益 都市公園が想定する都市公園の防火・防災機能(都市公園を避難場所又は避難経路として利用すること)は市民全般が享受し得る一般的公益ではなく,その性質上,都市公園の近隣に居住又は建物を所有する住民が具体的に享受し得る個別的利益というべきである。 c 原告らの利益 原告らは,いずれもA1公園の近隣(徒歩圏内)に居住し,又は建- 20 -物を所有する住民であり,都市公園の防火・防災機能を享受し得る住民として,個別的にその利益が保護されるものといえる。 とりわけ,原告A5,同A6,同A7については,大規模地震が発生したことを想定して実施された地域の避難訓練の際に,被告の指定する避難所であるA8小学校の代替地として,A16公園で避難訓練 を行った自治会に所属しており,特に都市公園の防火・防災機能を享受し得る住民であるといえる。 原告A5,同A6,同A7以外の原告らについては,A1公園の屋外プール南側に位置する通路を利用して,A1公園の北東にある被告の指定避難所であるA8小学校に避難することになる。そのため,こ れらの原告らは都市公園の従来の避難経路としている住民(その居所から被告の指定避難所までの最短経路にA1公園を含む住民)であることから,A1公園を避難経路として利用する利益が個別的に保護されているといえる。 ウ被告の主張について (ア) 手続的な参加権について被告は,被告は,都市公園の廃止等について,公園の利用者や近隣居住者等が関与する手続や不服申立てをする権利が認められていない旨主張する。 しかし,手続的な参加権が与えられていない場合に,原告適格を否定 すべきであるという命題は成り 公園の利用者や近隣居住者等が関与する手続や不服申立てをする権利が認められていない旨主張する。 しかし,手続的な参加権が与えられていない場合に,原告適格を否定 すべきであるという命題は成り立たないのであって,被告の上記主張は,不合理である。 また,都市公園の廃止は,都市計画の変更を伴うものであり,都市計画法の枠組みの中で,地域住民の手続的な参加権が与えられているから都市公園法に手続的参加の定めがないと考えられるのであって,この点 をもって原告適格を否定する理由とすることは失当である。 - 21 -(イ) 避難場所等の指定について被告は,A1公園が,行政施策上,防災施設や避難場所,避難経路等として指定されていないから,その利用者に防災・防火の観点からの個別具体的な権利・利益が認められない旨主張する。 しかし,避難場所等の指定は被告の裁量の範ちゅうにあり,処分を行 う側の恣意に係る事項によって住民の法律上保護された利益の認定が左右されることがあってはならないのであって,避難場所等として指定されていないことは原告適格を検討する上で重要な要素ではない。 (被告の主張)原告らは,本件変更処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者 とはいえず,原告適格を欠く。その理由は,次のア~ウのとおりである。 ア判断枠組み原告らは,本件変更処分の取消しを求める訴えを提起しているが,この場合,原告らには,本件変更処分の取消しを求めることについて法律上の利益を有する場合ことが必要であり(行政事件訴訟法9条),法律上の利 益を有する場合とは,本件変更処分により原告らに法律上個別的に保護された権利・利益が侵害され,又は必然的に侵害されるおそれがある場合をいう。 イ原告らが原告適格を有しないこと(ア) 都 益を有する場合とは,本件変更処分により原告らに法律上個別的に保護された権利・利益が侵害され,又は必然的に侵害されるおそれがある場合をいう。 イ原告らが原告適格を有しないこと(ア) 都市公園を自由に利用する利益について a 利益の内容及び性質都市公園は,広く一般の利用に供されており,利用者の居住地,利用頻度,利用目的等によって利用に差異が設けられているものではない。したがって,その利用者や近隣居住者等は,公園が設置されていることによる反射的利益を享受しているにすぎないのであって,個別 具体的な権利・利益を有しているものではない。 - 22 -b 都市公園法及びα市公園条例の趣旨及び目的都市公園法等が市民1人当たりの都市公園の敷地面積の標準等を定めているのは,地方公共団体が都市公園を適正に設置・配置するに当たっての基準を付与したものにすぎず,公園の利用者や近隣居住者等の個別具体的な権利・利益に着目したり,保護したりする趣旨のもの ではない。 そして,都市公園法等は,都市公園の廃止等について,公園の利用者や近隣居住者等に対し,同意等の関与する手続や不服申立てをする権利を認めていない。 c 関係法令の定め 都市公園法16条は,その規定内容からみても,公園の利用者や近隣居住者の個別具体的な利益に着目して公園の廃止を制限しているものではない。また,都市緑地法2条等も,地方公共団体に緑地の適正な保全を図る一般的な責務があること等を規定したものにすぎない。 そして,都市計画法33条等も,適正なまちづくりのために,許可基 準等を規定したものにすぎない。このように,原告らが指摘する各法令の定めは,地方公共団体が適正に環境行政やまちづくりを進めていくように,地方公共団体に対する基準等を提示したも ために,許可基 準等を規定したものにすぎない。このように,原告らが指摘する各法令の定めは,地方公共団体が適正に環境行政やまちづくりを進めていくように,地方公共団体に対する基準等を提示したものにすぎない。 (イ) 緑道を通行する利益について都市公園法は,都市公園の設置・変更・廃止等について,緑道の通行 者の関与の手続を規定しておらず,異議申立ての権限や手続を設けてもいない。また,都市公園法16条も,その規定内容からみて,緑道の通行者の利益に着目して公園の廃止を制限しているものではない。都市計画法等の他の関係法令をみても,緑道の通行者に個別的に権利・利益を認め,保護しているような規定は存在しないのであって,緑道の通行者 は,緑道の設置により,反射的に通行することができているにすぎない。 - 23 -また,A1公園内の緑道が公道的なものとして利用されていたとしても,公道の利用者に対する個別的な権利・利益が認められるものではないから,やはり緑道の通行者に個別具体的な権利・利益が認められることにはならない。 (ウ) 防災・防火機能を享受する利益について A1公園は,行政施策上,防災施設や避難場所,避難経路等として指定されているものではないので,A1公園の利用者に防災・防火の観点からの個別具体的な権利・利益が認められるということにはならない。 都市公園法は,都市公園の設置・変更・廃止等について,周辺住民に,防災・防火・避難といった観点から関与する手続を設けているものでは ないし,異議申立ての権限や手続を設けていない。 都市計画法等の他の関係法令をみても,周辺住民の防災・防火・避難の観点や利益に着目して,公園の廃止を制限するなどの規定は存在しないのであって,近隣居住者について,A1公園の防災・防火機能に係 い。 都市計画法等の他の関係法令をみても,周辺住民の防災・防火・避難の観点や利益に着目して,公園の廃止を制限するなどの規定は存在しないのであって,近隣居住者について,A1公園の防災・防火機能に係る個別具体的な権利・利益が認められることにはならない。 また,A27大学病院等の建設予定部分は,元々屋外プール及び駐車場が設けられていた部分が中心であり,空地(緑地,グラウンド)であった部分は本件変更処分後もそのまま残されるところが多いのであるから,このような観点からも,原告らの個別具体的な権利・利益が侵害される余地はない。 さらに,原告らの災害発生時の避難場所としては,α市地域防災計画で,A8小学校及びA32中学校が指定避難所に指定されているものであるし,大規模火災等の避難場所としてはA18公園及びその周辺が広域避難地に位置付けられている。 原告らの居住するγ校区には,A1公園以外に被告の管理する13か 所の公園や地域会館等もあり,これらにも避難することができる。 - 24 -以上のように,原告らの災害発生時の避難という観点からみて,A1公園の一時廃止処分の前後において,原告らの利益には何らの実質的な差異は生じないものである。 また,火災が発生したようなときにも,A1公園の残置部分がA27大学の施設や緑地とともに緩衝帯として機能し得るものであり,この点 からも,本件変更処分の前後において,原告らの利益には何らの実質的な差異は生じないものである。 ウ原告らの主張について原告らは,原告らが本件変更処分の取消しを求める法律上の利益を有する者であり,原告適格を有する旨主張する。 しかし,上記イで述べたとおりであるから,原告らの上記主張は理由がない。 ⑵ 争点2(本件変更処分が都市公園法16条2号 求める法律上の利益を有する者であり,原告適格を有する旨主張する。 しかし,上記イで述べたとおりであるから,原告らの上記主張は理由がない。 ⑵ 争点2(本件変更処分が都市公園法16条2号の要件を満たすか否か)について(被告の主張) ア本件変更処分が都市公園法16条に反しないこと本件変更処分は,都市公園法16条2号に基づき,A1公園及びA16公園の一部を廃止するものであり,適法である。 (ア) 都市公園法16条2号の意義等都市公園法16条2号の「廃止される都市公園に代わるべき都市公園 が設置される場合」とは,「その規模,効用等においてほぼ同等のものとして見合う公園が設置される場合」と解される。 (イ) 本件変更処分が都市公園法16条2号の要件を満たすこと本件変更処分において廃止される都市公園の区域は,A1公園及びA16公園を合わせて約5.5haである。一方,新たに設置するA33公 園の面積は約5.5haであることから,廃止される都市公園と同等の規- 25 -模の公園が設置されることになる。 また,A1公園には,運動施設である屋外プール,修景施設である緑地,休養施設であるベンチ等,遊戯施設である遊具のほか,広場,園路等の公園施設があった。本件変更処分によるA1公園の一部廃止により,これらの公園施設も一部廃止されるが,①屋外プールはA17公園に移 設されることになっていること,②A33公園は,被告が平成23年に策定した本件ビジョンに掲げる「子どもコア」の取組方針を受け,既存の豊かな緑やA24池等の自然をいかし,子どもが創造的に学び,遊ぶことのできる公園に整備される予定であり,修景施設である緑地・池,休養施設であるベンチ等,遊戯施設,広場,園路,便益施設の設置が計 画されているこ 等の自然をいかし,子どもが創造的に学び,遊ぶことのできる公園に整備される予定であり,修景施設である緑地・池,休養施設であるベンチ等,遊戯施設,広場,園路,便益施設の設置が計 画されていること,③A33公園に設けられる池は修景施設であり,生物多様性を育む環境として,植栽や芝生等の緑地と同様の機能を有するものであること,④A1公園においても,新たに遊戯施設の設置が計画されていること等から,本件においては,廃止される都市公園と同等以上の機能・効用を持つ公園が設置・確保されることになる。 したがって,本件の都市計画変更は,都市公園法16条2号の要件を満たすものであり,適法である。 イ原告らの主張について(ア) 整備計画が具体的に定められていなかったことについて原告らは,本件変更処分がされた時点において,A33公園が開設さ れておらず,その整備計画も具体的に定められていなかった点を指摘して,「廃止される都市公園に代わるべき都市公園が設置される場合」(都市公園法16条2号)に該当しない旨主張する。 しかし,①都市公園法16条2号は「代わるべき都市公園が設置された場合」とは規定しておらず,代替公園の設置時期を明記していないこ と,②公園の廃止理由は様々である一方,代替公園の設置もその設置す- 26 -る公園施設の内容等について住民への説明等に時間を要するものであること,③都市公園法16条2号は「代わるべき都市公園が設置される場合」としか定めていないこと等からすれば,都市公園法16条2号は,都市公園が廃止される時点で代替公園が開設されることを求めているものではなく,代替公園の設置時期は地方自治体の裁量に委ねているもの と解される。そして,「代わるべき都市公園が設置される場合」とは,都市公園の廃止に代えて 代替公園が開設されることを求めているものではなく,代替公園の設置時期は地方自治体の裁量に委ねているもの と解される。そして,「代わるべき都市公園が設置される場合」とは,都市公園の廃止に代えて代替の公園が設置されるべきことが客観的に確実であると認められる状況があること,すなわち,都市公園の廃止時に,代替の公園を設置する予定地に関する公園設置の権原を取得していることで足りるものと解される。 本件では,令和元年7月に本件都市計画の変更がされており(乙19の1,27の1・2),また,同年10月11日に本件変更処分の公告がされた(乙3)のと同時期に,被告と大阪府との間でA33公園の予定地について公園設置のための府有財産使用貸借契約が締結されており(乙23),A33公園設置のための権原が取得されたものである。そ うすると,A1公園の廃止に代えてA33公園が設置されることが客観的に確実であると認められる状況となっていた。 したがって,本件は「廃止される都市公園に代わるべき都市公園が設置される場合」(都市公園法16条2号)に当たる。 (イ) A33公園とA1公園との位置関係等について 原告らは,A33公園とA1公園とでは小学校区が異なっており,両公園が府道により分断されていることや,両公園が約500m離れていることを挙げて,A33公園はA1公園に「代わるべき都市公園」に当たらない旨主張する。 しかし,都市公園法16条2号は,廃止される都市公園と代替公園と の位置関係について,至近距離にあることや,同一小学校区内にあるこ- 27 -とを何ら要求しておらず,地方公共団体の裁量に委ねており,代替公園が都市計画により設置されるものである場合には,その都市計画の方針等に適合するように設置することが求められるものと解さ - 27 -とを何ら要求しておらず,地方公共団体の裁量に委ねており,代替公園が都市計画により設置されるものである場合には,その都市計画の方針等に適合するように設置することが求められるものと解される。被告は,A10ニュータウンにおける地区公園の配置の基本的な方針として,各地区内の住民の利用を対象として,各地区(δ,ε,ζ)に1か所ずつ, 鉄道駅のある地区センターに隣接して配置することとしている。A1公園はδ地区の地区公園であったものであるところ,A33公園がそれに代わってδ地区の地区公園として設置されることになるものであり,A1公園に代わる地区公園としての機能・役割を担うものであって,δ地区の住民が小学校区を超えて訪れ利用する性質のものであることから, 両公園の小学校区が異なっていることや,府道で分断されていること,約500m離れていること等の状況があっても,公園の配置上は何ら問題ない。そして,A33公園の設置場所は,A10ニュータウンの都市計画における公園配置の方針にも適合しているものであり,この観点からも,都市公園法16条2号の要件を満たすものである。 したがって,原告らの上記主張は理由がない。 (ウ) A25窯跡群等について原告らは,A33公園の予定地付近にA25窯跡群等があり,公園設置が確実にできるとはいえないことから,「廃止される都市公園に代わるべき都市公園が設置される場合」(都市公園法16条2号)には当た らない旨主張する。 しかし,A25窯跡群等については,埋蔵文化財調査の後,遺構の保護や記録保存等を実施することで公園を整備することは可能である。 したがって,原告らの上記主張は理由がない。 (エ) A27大学病院等の建設予定地について 原告らは,A27大学病院等は,A33公園 保存等を実施することで公園を整備することは可能である。 したがって,原告らの上記主張は理由がない。 (エ) A27大学病院等の建設予定地について 原告らは,A27大学病院等は,A33公園の予定地や,A28小学- 28 -校跡地,A29センター跡地での建設が十分に可能であり,A1公園等の一部廃止は必要性がなかったことから,被告において本件変更処分をしたことは,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たり,都市公園法16条2号に違反する旨主張する。 しかし,被告は,平成23年に策定した本件ビジョンにおいて,A1 公園を含むA13駅の南西側エリアを「教育・スポーツ交流ゾーン」として位置付け,学校教育機関の誘致や高齢者向けの健康づくりに取り組む方針としており,そのような中,平成25年7月に大阪府及びA27大学から被告に対し,府営A35第1住宅敷地及びA1公園等の一部を候補地としてA27大学病院等を建設する旨の打診があり,その後,本 件ビジョンの位置付け等も踏まえて検討した結果,まちづくりの面から将来にわたり大きな効果が期待できると考え,A27大学病院等の建設地としてA1公園等の一部の土地を選定するに至ったものである。そうすると,本件変更処分は,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用には当たらない。 したがって,原告らの上記主張は理由がない。 (原告らの主張)本件変更処分は,都市公園法16条に反するものであり,違法である。 ア 「廃止される都市公園に代わるべき都市公園が設置される場合」(都市公園法16条2号)に当たらないこと (ア) 「廃止される都市公園に代わるべき都市公園が設置される場合」の意義廃止される都市公園に代替する都市公園が将来設置される予定があっても,都市公園を廃止する時点で,これが現に設置さ (ア) 「廃止される都市公園に代わるべき都市公園が設置される場合」の意義廃止される都市公園に代替する都市公園が将来設置される予定があっても,都市公園を廃止する時点で,これが現に設置されていなければ,都市公園の廃止時点から新たな都市公園が設置されるまでの間,住民に とっては都市公園の便益を失う期間が存在することとなる。そして,新- 29 -たに都市公園を設置するためには,その用地の権限を取得の上,公園施設を整備し,その供用を開始するまでには,長年の時間を要するものであるところ,このような都市公園の便益を失う期間を無視してはならない。さらに,公園管理者が,公園廃止処分の時点で代替の都市公園を設置するつもりであるとしても,現実に予定通りの規模や効用を有する公 園が確保できるかは実際には分からない。 以上によれば,都市公園法16条2号の「廃止される都市公園に代わるべき都市公園が設置される場合」とは,都市公園の廃止処分時点において,廃止する都市公園に代わるべき都市公園が既に供用を開始されたか,又はこれと同視し得る程度に近接した時期に供用開始が具体的に予 定されていること,すなわち,①少なくとも代替公園の内容が「代わるべき」か否かを判断できる程度に具体的に定まっていること,②用地取得等や,当該取得された土地の調査等,代替公園の設置までの事実上の障害が取り除かれており,近接時期までの設置が具体的に現実化していること,③代替公園の設置に関する手続が履践され,法律上の障害も取 り除かれていることが必要であると解すべきである。 (イ) 本件における検討本件においては,都市計画で代替公園の設置が定められているところ,本件変更処分の時点において,A33公園はまだ設置されておらず,設置が実現するか否かが全く不明な ある。 (イ) 本件における検討本件においては,都市計画で代替公園の設置が定められているところ,本件変更処分の時点において,A33公園はまだ設置されておらず,設置が実現するか否かが全く不明な状態であった。また,A33公園の予 定地には,A25窯跡群が存在するとされ,これらの文化財調査も必要となる可能性も高く,都市公園としての供用開始時期は全く見通せない。 したがって,A33公園は,本件変更処分の時点において,廃止する都市公園を代替するために既に設置されたか,又はこれと同視し得る程度に近接した時期に供用開始が具体的に予定されているとはいえない。 イ A33公園が「廃止される都市公園に代わるべき都市公園」に当たらな- 30 -いこと(ア) 「廃止される都市公園に代わるべき都市公園」の意義「廃止される都市公園に代わるべき都市公園」は,廃止される都市公園と対等のものとして見合う公園であることが必要であるが,対等のものとして見合う公園であるか否かは,廃止される都市公園と新たに設置 される都市公園の面積を対比するだけでなく,廃止される都市公園との距離・位置関係,内容等に着目して,新たに設置される都市公園が,廃止される都市公園と,ほぼ対等のものとして見合う公園といえるかどうかを具体的・実質的に検討する必要があると解すべきである。 (イ) 本件における検討 A33公園は,その距離や位置関係から,A1公園の利用者の大部分にとって,対等のものとして見合う公園とはいえない。 A1公園は,元々「地区公園」であった。地区公園は,主として徒歩圏内に居住する者の利用に供することを目的とし,誘致距離1㎞の範囲内で1か所当たり面積4haを標準として配置するとされる(都市公園施行 令2条1項3号,α市公園条例4条の3第 は,主として徒歩圏内に居住する者の利用に供することを目的とし,誘致距離1㎞の範囲内で1か所当たり面積4haを標準として配置するとされる(都市公園施行 令2条1項3号,α市公園条例4条の3第1項3号)。また,A16公園は「近隣公園」である。近隣公園は,主として近隣に居住する者の利用に供することを目的とし,誘致距離500mの範囲内で1か所当たり面積2haを標準として配置するとされる(都市公園法施行令2条1項2号,α市公園条例4条の3第1項2号)。本件変更処分により,A1公 園は地区公園から近隣公園となり,A33公園が地区公園と位置付けられている。しかし,従来A1公園を利用していた者のうち一部にとってはA33公園までの距離は遠くなる。 また,A33公園の予定地は,A1公園とは小学校区が異なる上(小学校の指導により,児童だけで小学校区外に出ることは禁じられてい る。),約500m以上も離れて,府道(A19線)をまたぎ南側に設置- 31 -されるものであり,その面積が分断されることで既存の公園の機能が相当程度損なわれてしまうだけでなく,A1公園の利用者(誘致距離1㎞)の大部分はその利用を阻害されることになる。 さらに,被告は,A33公園の池はそのまま池として保存するという説明をしているが,そうであるとすれば,約5.5haとされるA33公 園のうち4分の1程度を占める池の部分は,現実には公園としての機能を有さず,緑地や運動施設等として利用が可能であったA1公園の機能を代替し得るものではない。 加えて,A1公園に存在した屋外プールは,約3㎞離れたA17公園に設置されるというが,これほど離れた場所にあるA17公園内のプー ル施設が,A1公園の機能を代替するとはいえない。 以上のとおり,本件都市計画の変更において プールは,約3㎞離れたA17公園に設置されるというが,これほど離れた場所にあるA17公園内のプー ル施設が,A1公園の機能を代替するとはいえない。 以上のとおり,本件都市計画の変更において,形式的に面積均衡を図るためだけにA33公園が位置付けられているとしても,予定されたA33公園の具体的な内容からすれば,A33公園は「廃止される都市公園に代わるべき都市公園」(都市公園法16条2号)に該当しない。 ウ被告において本件変更処分をしたことが裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たること本件変更処分は,それに至る過程の中で考慮すべきことを考慮せず,考慮すべきでない事由を過大に評価しており,「みだりに」(都市公園法16条)都市公園を廃止するものであって,違法である。 (ア) 都市公園の廃止における裁量権が狭いこと都市公園法16条は,都市公園の廃止について,同条各号に掲げる場合を除き,みだりに都市公園の区域の全部又は一部について都市公園を廃止することを禁止し,既設の都市公園の保全を図っている。都市公園は,緑とオープンスペースの中核を成すものであり,その積極的な整備 を図るとともに都市住民共通の貴重な財産としてその存続を図ることが- 32 -必要である。都市公園法16条は,このような趣旨から,公園管理者は,一定の場合のほかは,みだりに都市公園の区域の全部又は一部について都市公園を廃止してはならないものとしたのであり,その規定が,禁止を原則として,例外的に可能な事由を列挙するものであることに照らせば,都市公園法は,公園の廃止についての判断を行政裁量に委ねている ものとは考えられず,少なくともその裁量判断の範囲を相当狭く解していることが明らかである。 (イ) 被告において本件変更処分をしたことが裁量権の範 園の廃止についての判断を行政裁量に委ねている ものとは考えられず,少なくともその裁量判断の範囲を相当狭く解していることが明らかである。 (イ) 被告において本件変更処分をしたことが裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たること次の点で,本件変更処分は「みだりに」(都市公園法16条)都市公園 を廃止するものであり,違法である。 a 公園の配置が不合理であること都市公園の配置は,①都市公園の特質に応じて,分布の均衡を図り,かつ,防火,避難等災害の防止に資するよう考慮するほか,②近隣公園は,近隣に居住する者が容易に利用することができるように配置し, その敷地面積は2haを標準として定めること,地区公園は,徒歩圏域内に居住する者が容易に利用することができるように配置し,その敷地面積は4haを標準として定めることとされている(都市公園法3条,都市公園法施行法2条,α市公園条例4条の3)。 新たな公園配置の下では,人口の多いγ地区にとっては,都市公園 配置の必要性が高いにもかかわらず,都市公園の面積が少なくなる。 他方,θ地区(A18公園付近の地区)は,人口はγ地域の半分程度で,かつ,A18公園及びA30公園(A18公園の東側に位置する公園)という,既存の都市公園が充実しているエリアであるにもかかわらず,さらにA18公園とA30公園の間にA33公園が配置され, 都市公園の配置は過密になる。このような配置のアンバランスをもた- 33 -らす,本件変更処分によって,A1公園の近隣に居住する原告らは,都市公園を自由に利用する利益が大きく損なわれ,災害時の防災上の避難地が大幅に制約されることとなる。 このように,A1公園の一部廃止及びその代替としてのA33公園の配置は,「分布の均衡をはかり,かつ,防火,避難等災害の る利益が大きく損なわれ,災害時の防災上の避難地が大幅に制約されることとなる。 このように,A1公園の一部廃止及びその代替としてのA33公園の配置は,「分布の均衡をはかり,かつ,防火,避難等災害の防止に資 するよう考慮する」ことや,「徒歩圏域内に居住する者が容易に利用することができるように配置」することを求める都市公園法16条の要請に沿わない。 b 経済的合理性に欠けることA27大学病院等を招致するのであれば,あえてA1公園を廃止し なくても,A33公園の予定地に招致すれば足りたものであり,その方が被告にとって経済的合理性が高いことは明らかである。すなわち,被告がA33公園を都市公園として整備するためには多額のコストを要するが,A27大学病院等をA33公園予定地に招致すれば,新たに都市公園を整備する必要もなく,被告にとって費用負担はない。 このような観点からも,A1公園の廃止は,被告にとって経済的合理性がなく,不合理な計画である。 c 手段の相当性に欠けることA1公園の廃止の目的であるA27大学病院等の建設は,A33公園の予定地等でも十分に可能であり,不必要に過大な便益を特定の民 間法人に付与するものであって,住民の利益を図るという目的に対する手段の相当性に欠けるものである。 ⑶ 争点3(本件変更処分が都市計画法16条,17条及び19条の定める手続を経たものであるか否か)について(被告の主張) 被告は,次のア,イのとおり,都市計画法16条,17条及び19条が定- 34 -める手続を経て,本件都市計画の変更を行った。また,被告は,単に形式的に手続を履践しただけではなく,市民の意見に配慮し,可能な限りの修正を行ってきた。そうすると,本件変更処分に手続違反はなく,本件変更処分は,都市計画 都市計画の変更を行った。また,被告は,単に形式的に手続を履践しただけではなく,市民の意見に配慮し,可能な限りの修正を行ってきた。そうすると,本件変更処分に手続違反はなく,本件変更処分は,都市計画法16条,17条及び19条の定める手続を経たものである。 ア都市計画法16条の手続の履践 被告は,本件都市計画の変更について,その案の作成に当たり,都市計画法16条1項の規定に基づく公聴会を開催することとし(平成31年3月22日付けα市公告第▲号),平成31年4月17日に公聴会を開催し,同公聴会において15名が公述した意見に対し,被告の考え方を整理した上で,本件都市計画の変更案を作成した。 イ都市計画法17条の手続の履践被告は,被告の考え方を付した上で,令和元年5月31日から同年6月14日までの間,都市計画法17条1項に基づき,都市計画の変更案の縦覧を行い,都市計画法19条2項に基づき縦覧期間中に提出された意見書の要旨を同年7月16日に開催したα市都市計画審議会に提出した。 ウ都市計画法19条の手続の履践α市都市計画審議会は,上記アの公聴会における公述人の意見とそれに対する被告の考え方及び提出された意見書の要旨とそれに対する被告の考え方の説明を受けた上で,審議を行い,本件都市計画の変更案を全会一致で可決した(付帯意見がある。)。 そこで,被告は,本件都市計画の変更決定を行い,令和元年7年17日付けα市告示第▲号において,都市計画変更の告示を行った。 エ市民の意見への配慮(ア) 本件基本協定本件基本協定は,事業推進の目的と協力,大学等の設置等による地域 への貢献等,主な基本的事項を定め,その締結により目的達成に向けた- 35 -具体的な検討,協議を開始したものにすぎず,α市がA1公 本協定は,事業推進の目的と協力,大学等の設置等による地域 への貢献等,主な基本的事項を定め,その締結により目的達成に向けた- 35 -具体的な検討,協議を開始したものにすぎず,α市がA1公園等の一部を売却することを約し,その引渡義務を生じさせたり,A1公園の一部廃止・売却を既定路線としたりするものではない。 (イ) 住民からの意見聴取と意見への配慮被告は,本件協定に基づき,被告,大阪府,A27大学の三者で具体 的な検討,協議を行い,検討案を整理した上で,平成29年7月から合計38回にわたり住民に対し説明を行い,意見を聴取している。 特に,被告は,γ校区については,説明会のみならず,γ校区内の約5300世帯全てに説明会資料を配布し,質問票を受け付け,提出された質問等について個別に回答を行ったりもした。 そして,被告は,これらの説明会等において出された住民からの意見を踏まえ,A27大学と協議を重ね,平成29年7月以降,平成31年3月までに,次のような計画の変更等を行った。 a 譲渡予定区域の変更本件廃止部分に隣接するマンション等とA27大学病院等の建物と の距離を確保するため,屋外プールがあった場所の西側及びA1公園北東側の約20mの部分を公園区域として残すこととした。また,本件変更処分後のA1公園の機能性及び利便性を確保し,A27大学病院等と一体的な整備を行うため,A1公園のグラウンド側の譲渡予定区域を現状の地形に合わせたラインから,直線的なラインに変更した ほか,譲渡予定区域のうち約0.3ha(このうちA1公園に関するものは0.2ha)を公園として残すこととした。 bA27大学の施設配置計画の変更A27大学病院等の建物のうち,最も高層となる病院棟の位置について,当初は屋外プール部分に うちA1公園に関するものは0.2ha)を公園として残すこととした。 bA27大学の施設配置計画の変更A27大学病院等の建物のうち,最も高層となる病院棟の位置について,当初は屋外プール部分に配置していたものを,敷地中央に移し, 隣接するマンションからできる限り離れた位置に配置することとし- 36 -た。 また,当初は15階建てとすることを予定していたが,10階建てに高さを引き下げることとした。その他,病院関連施設及び学部棟等についても,できる限り高さを引き下げるよう計画を見直した。 さらに,本件変更処分前のA1公園の桜や緑地をできる限り残し, 住民が緑道側からA27大学病院等の食堂等の施設を利用できるような施設配置計画とした。 加えて,周辺住民がA1公園の緑道を通行していた機能・利便性を確保するため,被告とA27大学との間の土地譲渡契約において,A27大学が譲受敷地内に設ける通路について,周辺住民が基本的に常 時通行することができる旨合意した。 c 交差点の改良を行う旨の計画変更自動車交通の集中が予測されるγ交差点について,車線数の追加や道路拡幅,時差信号の設置等の総合的な交差点の改良を行う計画に変更した。 (原告らの主張)都市計画法16条,17条及び19条の規定は,都市計画の変更について,住民の意見の反映,利害関係人への影響や公益上の考慮を十分にくみ上げるための手続を定めたものである。それらの規定の趣旨からすれば,住民の意見反映の措置は,手続を形式的に行えば足りるというものではなく,そこで 出された意見について計画に反映させ,又は,結果として計画に反映されないとしても実質的な検討を経なければ,上記各規定の趣旨は実現されず,都市計画の変更は違法の瑕疵を帯びるというべきである。 本 出された意見について計画に反映させ,又は,結果として計画に反映されないとしても実質的な検討を経なければ,上記各規定の趣旨は実現されず,都市計画の変更は違法の瑕疵を帯びるというべきである。 本件都市計画の変更は,実質的な住民の意見聴取の措置が行われておらず,都市計画法16条,17条及び19条に違反する。 ア都市計画法16条に違反すること- 37 -都市計画法16条1項は,都市計画の変更に当たり,「公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置」を講じることを求めている。 被告は,公聴会を開催し,説明会を実施しているものの,A1公園の廃止について否定的な意見が多数出ていたにもかかわらず,一貫してA1公園の一部廃止そのものを検討しない姿勢に固執した。 被告は,平成26年7月16日に本件基本協定を締結したところ,A1公園の一部廃止を内容として含む本件協定締結に向けて,住民の意見をくんで協定内容に反映させるなどの対応を行ったことはない。 被告は,本件基本協定は,主な基本事項を定めるにとどまり,A1公園の一部の引渡義務を具体的に発生させるものではない旨主張する。しかし, 本件基本協定は,少なくとも被告にA1公園の一部廃止とA27大学への譲渡に向けた手続を進めていく法的義務を生じさせるものといえ,主な基本的事項を確認した道義的な合意にとどまるものではない。 被告は,本件基本協定締結後,3年も経過してから初めて地域住民への説明を行い,本件基本協定の内容を知った地域住民からA1公園の一部を 廃止することに対する強い反対意見が出されたにもかかわらず,本件基本協定の実現に向けた手続を進めた。すなわち,被告は,住民の意見を都市計画に反映させることなく,A1公園の一部廃止を既定路線として事業を推し進めてきたもの い反対意見が出されたにもかかわらず,本件基本協定の実現に向けた手続を進めた。すなわち,被告は,住民の意見を都市計画に反映させることなく,A1公園の一部廃止を既定路線として事業を推し進めてきたものであり,都市計画法16条1項が求める「住民の意見を反映させるための措置」を講じたと評価することはできない。 イ都市計画法17条に違反すること都市計画法17条1項及び同条2項は,都市計画の案を公衆の縦覧に供し,住民等の意見書提出の機会を設けることを求めている。 しかし,被告は,本件都市計画の変更案に対する反対の意見書が提出されても後戻りできない状況を作出し,そのような反対意見を検討しない姿 勢を示し,意見書提出の手続を無意味なものとした。このような形骸化し- 38 -た手続では,都市計画法17条1項及び2項の要件を満たしたと評価することはできない。 ウ都市計画法19条に違反すること都市計画法19条1項は,都市計画の変更に当たり,市町村は,市町村都市計画審議会における審議を経ることを求めている。 しかし,被告は,α市都市計画審議会の審議に先立ち,平成26年7月16日に本件基本協定を締結し,平成28年度から屋外プールの移転等の関連事業を開始していたことから,α市都市計画審議会においてA1公園の一部廃止の是非に関する議論は一切行われず,α市都市計画審議会がこれを追認しているにすぎない実態となっている。このように,被告は,α 市都市計画審議会において実質的な審議が期待できない状況を作り出した。そして,結局,本件都市計画の変更案の内容の修正には至らずに承認されたのであり,実質的には,都市計画法が定める手続の内容を伴わないものであった。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前記前提事実並びに掲記の証拠 の変更案の内容の修正には至らずに承認されたのであり,実質的には,都市計画法が定める手続の内容を伴わないものであった。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前記前提事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実は,次のとおりである。 ⑴ A10ニュータウンの再生とA13駅前地域活性化に向けた被告の取組 ア A10ニュータウン再生指針(本件再生指針)の策定(平成22年)(ア) A10ニュータウンA10ニュータウンは,高度経済成長期の住宅需要に応えるため,大阪府がα市南部等に整備し,昭和42年に入居が開始された,計画戸数約5万4000戸の大規模な計画的市街地である。A10ニュータウン は,A12高速鉄道のA13駅,A14駅,A15駅の各駅を中心とす- 39 -る3つの地域から構成される。(前記前提事実⑴ウ)(イ) A10ニュータウン再生指針(本件再生指針)の策定被告は,平成22年5月,A10ニュータウン再生指針(本件再生指針)を策定した。本件再生指針の概要は,次のとおりである。 a 目的 本件再生指針は,A10ニュータウンについて,人口減少,高齢化等の課題に対応し,将来にわたって多世代が健康で安全・安心に住み続けられるような持続発展可能なまちとするために策定されたものであった。 b 理念 本件再生指針の理念は,A10ニュータウンのまちの価値を高め,次世代に引き継ぐというものであった。 c 基本方針本件再生指針の基本方針は,①多様な世代が暮らし続けることができるまちを目指すこと,②人や環境にやさしいまちと暮らしの実現を 目指すこと,③まちに関わる人の輪を広げ,つなぎ,地域力の向上を目指すこと,④A10ニュータウンの再生を推進するための仕組みの構築を目指すこ すこと,②人や環境にやさしいまちと暮らしの実現を 目指すこと,③まちに関わる人の輪を広げ,つなぎ,地域力の向上を目指すこと,④A10ニュータウンの再生を推進するための仕組みの構築を目指すことであった。 d 具体的な目標や取組本件再生指針においては,A13駅前地域の活性化に関し,学校教 育機関や病院の誘致,A1公園及びA16公園の都市公園の区域変更について特に具体的な記載はされていなかった。もっとも,公的賃貸住宅の建て替え等の再生事業に伴い余剰地が発生する場合に対応して土地利用の在り方について検討すること,地域での健康で快適な暮らしを守るために高度医療を担う医療施設と「かかりつけ医」との連携 を支援すること等が記載されていた。(以上につき,前記前提事実⑴- 40 -ウ・⑷ア,甲2の1~8,18,30,乙10)(ウ) 本件連絡協議会,本件専門委員会の設置また,平成22年,本件再生指針を踏まえ,A10ニュータウン再生府市等連携協議会(本件連携協議会)が設立され,有識者から成るA13駅地域活性化検討専門委員会(本件専門委員会)が設置された。 本件連携協議会は,A13駅前地域の活性化や公的賃貸住宅等の再生等,A10ニュータウンの活性化に向けて広域的な取組を行うため,大阪府と被告のほか,独立行政法人都市再生機構,大阪府住宅供給公社,財団法人大阪府タウン管理財団が連携し,共に協議・検討する場として,設置されたものである。(以上につき,前記前提事実⑷イ,乙10) イ A13駅前地域活性化ビジョン(本件ビジョン)の策定(平成23年)(ア) 本件ビジョンの策定(平成23年)本件連携協議会は,平成23年3月,本件専門委員会からの提言を踏まえ,A13駅前地域の活性化に向けた行動指針として,A13駅前地域 の策定(平成23年)(ア) 本件ビジョンの策定(平成23年)本件連携協議会は,平成23年3月,本件専門委員会からの提言を踏まえ,A13駅前地域の活性化に向けた行動指針として,A13駅前地域活性化ビジョン(本件ビジョン)を策定した。その概要は,次のとお りである。 aA13駅前地域の活性化に取り組む意義本件ビジョンにおいては,A13駅前地域の活性化に取り組む意義として,従来の発想や仕組みを転換し,既存の施設や機能の有効活用を図るとともに,地域連携意識の高い者との連携を更に強固にし,A 13駅前地域の活性化を図り,A10ニュータウン全体の発展へとつなげていくことが必要である旨が指摘されている。 bA13駅前地域を取り巻く状況本件ビジョンにおいては,A13駅前地域を取り巻く状況として,人口減少と高齢化,府営住宅を中心とした住宅の老朽化,診療所等の 医療機関のうち閉鎖するところが出てきていること等が指摘されてい- 41 -る。 cA13駅北東側エリア本件ビジョンにおいては,A1公園を含むA13駅の北東側エリアが「教育・スポーツ交流ゾーン」と位置付けられ,若者を中心とする学校教育機関の誘致により活用可能用地を積極的に活用することや, A33公園の予定地を含むA22の南側エリア及びA18公園を「文化・自然体感ゾーン」と位置付け,A22や緑地における周辺大学との連携における子育て支援を行うこと等が活性化に向けた取組方針として記載されていた。(以上につき,前記前提事実⑷イ,乙10)(イ) 本件ビジョンの改訂(平成27年) 本件連携協議会は,平成27年1月,対象エリアを,地区センターを中心として隣接するA1公園及びA18公園を含むエリアからA13駅周辺の徒歩圏域(半径約800m)に拡大し 改訂(平成27年) 本件連携協議会は,平成27年1月,対象エリアを,地区センターを中心として隣接するA1公園及びA18公園を含むエリアからA13駅周辺の徒歩圏域(半径約800m)に拡大し,本件ビジョンを改訂した。 改訂された本件ビジョンにおいては,A1公園及びA16公園を含むA13駅の北東側エリアが「教育・健幸コア(教育・医療・研究機能を有 し,「健幸」社会の実現に向けた拠点)」と位置付けられ,A27大学病院等の立地候補地として記載されるとともに,A33公園の予定地を含むA22の南側エリアが「子どもコア(子どもが一日中楽しめる遊びの拠点・親も楽しく子育てができる拠点)」と位置付けられ,子どもが創造的に学び,遊ぶための拠点として,A13駅前からA18公園まで連 続した緑のゾーンを形成することが取組方針として記載されていた。 (以上につき,乙11)⑵ 本件変更処分に至る経緯等ア被告におけるA27大学及び大阪府との協議(平成25年~平成26年)被告は,平成25年7月~平成26年6月頃,A27大学及び大阪府と の間で,A27大学病院等のA13駅前への移転と,A1公園の代替公園- 42 -としてのA33公園予定地の取得に向けて,協議・調整を行うための担当者間の打合せを継続的に行った。 その結果,平成26年6月19日の打合せでは,本件基本協定を締結することが確認された(また,同日に行われた被告副市長と大阪府副知事との会談では,A13駅前地域の再生に向けて,A22南側の土地を活用す るため,被告が大阪府から無償で当該土地を引き継ぎ,公園を設置する方向で協議が行われた。)。(以上につき,甲31,乙35,54,証人A9)イ本件基本協定の締結,その後の検討・調整(平成26年~平成29年頃)(ア) 償で当該土地を引き継ぎ,公園を設置する方向で協議が行われた。)。(以上につき,甲31,乙35,54,証人A9)イ本件基本協定の締結,その後の検討・調整(平成26年~平成29年頃)(ア) 本件基本協定の締結 被告は,平成26年7月16日,A27大学及び大阪府との間で,本件基本協定を締結した。 (イ) 本件基本協定締結後の検討・調整被告は,本件基本協定締結後,地域住民に対する説明に向けて,A1公園及びA16公園の譲渡区域の範囲や,A27大学病院等の施設の配 置,A22南側土地の取得,交通環境の対策,今後の事業スケジュール等について具体的かつ詳細な検討を行うとともに,大阪府及びA27大学との協議を継続し,近畿地方整備局に対して都市公園の廃止に必要な手続や都市公園法16条2号の解釈等について随時相談を行っていた。 この作業の中で,被告は,A27大学病院等をA1公園以外の場所に設 置する案についても検討したものの,結局,実現可能な案を作成することはできなかった。(以上につき,前記前提事実⑷ウ,甲5,6,乙26,36~38,54,証人A9)ウ地域住民等に対する説明会(平成29年~平成31年)(ア) 説明会の時期及び回数等 被告は,平成29年7月~平成31年3月17日,地元の小学校区自- 43 -治連合会,単位自治会,周辺マンション,学校等に対し,A13駅前地域のまちづくりに関し,合計約38回の説明会を実施した。被告は,上記各説明会において,資料を配布するなどした。(甲2の5,32の1,乙54,55,56の1・2,58,60,証人A9)(イ) 平成29年7月8日の説明会 被告は,平成29年7月8日,地域会館において,γ校区の自治連合会の役員及び単位町会長に対する説明会を行った。被告の担 6の1・2,58,60,証人A9)(イ) 平成29年7月8日の説明会 被告は,平成29年7月8日,地域会館において,γ校区の自治連合会の役員及び単位町会長に対する説明会を行った。被告の担当者は,資料を配布するなどした上で,説明を行った。(甲32の1,乙54,55,証人A9)(ウ) 平成29年11月11日の説明会 被告は,平成29年11月11日,地域会館において,γ校区の自治連合会の役員及び単位町会長に対する説明会を行った。被告の担当者は,上記(イ)の際の資料よりも詳細な資料を配布するなどした上で,説明を行った。(甲32の1,乙54,56の1・2,証人A9)(エ) 平成30年11月17日の説明会 被告は,平成30年11月17日,A8小学校において,γ校区内の約5300世帯全体に対する説明会を行った。被告,大阪府及びA27大学の各担当者は,上記説明会において,参加した住民約480名に対し,資料を配布するなどした上で,それぞれ説明を行った。 上記説明会においては,A1公園及びA16公園の一部をA27大学 に売却することについて強く反対する意見や,A1公園の再整備A33公園の設置,A27大学病院等の施設の配置計画に当たっては緑道を維持するなど住民の意見を反映すべきであるなどの意見が出された。A1公園及びA16公園の区域変更に反対する意見のうち主なものは,①代替公園がγ校区以外に開設されるのでは利用しにくい,②公園の再整備 に当たり,既存の緑をできるだけ残してもらいたい,③A1公園やA1- 44 -6公園の緑道の通行機能を確保してもらいたい,④四季の移り変わりを感じられる憩いの空間を維持してもらいたいなどというものであった。 これに対し,被告は,A27大学病院等の配置計画について,住民の要望 公園の緑道の通行機能を確保してもらいたい,④四季の移り変わりを感じられる憩いの空間を維持してもらいたいなどというものであった。 これに対し,被告は,A27大学病院等の配置計画について,住民の要望を踏まえ,地下埋設物や緑道の通行環境,建設コスト,工期等について総合的に再検討を行っており,隣接する公園,緑道と調和した設計 となるよう,これまでもA27大学と協議・調整を行ってきており,実際に変更されたところもあり,また,引き続きA27大学と協議・調整を行っていく旨説明した。また,被告は,A1公園の緑道について,A27大学病院等の敷地となった後も通行機能を確保し,被告とA27大学との協定等により,地域住民が常時通行することができるようにする ほか,A27大学病院等の敷地の周囲に塀等を設置せず,自由に通行できるようにすること,A1公園に隣接するマンションの前には幅約10mの公園区域(緑道)を確保すること等も説明した。(以上につき,甲2の5,32の1・2,33の1・2,34,乙54,55,56の1・2,58,証人A9) (オ) 平成31年3月17日の説明会また,被告は,平成31年3月17日,A21において,本件都市計画の変更素案の内容について説明するため,「A10ニュータウン再生に向けたδ地区における都市計画公園の変更に関する説明会」を実施し,約205名の住民が参加した。 上記説明会において,被告は,参加した住民に対し,本件都市計画の変更素案の内容のほか,都市計画変更までの手続の流れ,A1公園及びA16公園の再整備並びにA33公園の整備の具体的なイメージ,平成31年3月17日時点におけるA27大学病院等の配置予定について,具体的に説明を行った。 質疑応答においては,参加者から,A1公園の敷地の売却に強 にA33公園の整備の具体的なイメージ,平成31年3月17日時点におけるA27大学病院等の配置予定について,具体的に説明を行った。 質疑応答においては,参加者から,A1公園の敷地の売却に強く反対- 45 -する意見があったほか,代替公園として整備されるA33公園はγ校区から遠いなどの意見が出たが,他方で,公園再整備に向けた取組を評価し,A27大学病院等の建設に向けて事業を進めてもらいたいとの意見もあった。(甲3の6,32の1,35,乙60)(カ) γ校区住民からの質問書 被告は,平成30年11月,上記(エ)の説明会の終了後,γ校区内の約5300世帯全てに,説明会の資料に質問票を同封して配布し,同年12月,住民から提出された質問書に対し,個別に回答を行った。 上記質問書のうち,A1公園の売却に関する質問をした者は,90名であった。その内訳は,賛成が8名(90名のうち約9%,世帯数のう ち約0.2%),反対が56名(90名のうち約62%,世帯数のうち約1.1%),その他が26名(90名のうち約29%,世帯数のうち約0.5%)であった。(以上につき,甲36,原告A2本人。なお,証人A9もおおむねこれと同旨の証言をする。)エ地域住民から聴取した意見への対応 (ア) A1公園の敷地の売却に反対する意見の理由A1公園の敷地の売却に反対する意見の多くは,次の理由によるものであった。 すなわち,①被告がA27大学との間で本件基本協定の締結前に地域住民に対する説明や意見聴取の場を設けなかったことに対して不満や不 信感があること,②A1公園の代替公園がγ校区外に設けられることにより,同校区内の公園面積が減少する上,代替公園まで距離があり利用しにくくなること,③地域住民が通勤・通学等や犬の散歩等で利用し 信感があること,②A1公園の代替公園がγ校区外に設けられることにより,同校区内の公園面積が減少する上,代替公園まで距離があり利用しにくくなること,③地域住民が通勤・通学等や犬の散歩等で利用しているA1公園の緑道の通行機能が失われること,④A1公園の緑地面積が減少し,季節の移り変わりを感じられる豊かな自然が失われること, ⑤代替公園の設置予定地にあるA25窯跡群が破壊されるおそれがある- 46 -こと等を理由に,A1公園の敷地の売却に反対するという意見が多かった。(以上につき,甲2の1~8,3の1~11,乙20,58,59)(イ) 反対意見を踏まえた被告の対応上記(ア)の反対意見を踏まえ,被告は,次のような対応を行った。 まず,①被告は,A27大学に譲渡する予定の公園の区域を縮小し, 譲渡予定区域のうち約0.3ha(このうちA1公園に関するものは0. 2ha)を公園として残すこととした。 次に,②被告は,本件廃止部分にあった既存の緑道に代わる緑道として,屋外プール跡地の北側を南西方向から北東方向に走る緑道のほか,敷地の北端を西から東に走る緑道を新たに設けることとした。また,被 告は,緑道の勾配にも配慮した。 さらに,③被告は,A27大学との間で,A27大学病院等の敷地周辺を塀等で囲まず,自由に行き来ができるようにし,敷地内の緑道については,地域住民が常時通行できるようにする旨合意した。また,④被告は,A27大学と協議した結果,A27大学から,㋐A1公園の近隣 に位置する住戸からの眺望に配慮するため,A27大学病院等の施設のうち,最も高層となる診療棟の位置について,当初は屋外プールの跡地に配置していたものを敷地中央に移し,周辺マンションからできる限り離れた位置にした上で,当初は15階建ての予定であっ 学病院等の施設のうち,最も高層となる診療棟の位置について,当初は屋外プールの跡地に配置していたものを敷地中央に移し,周辺マンションからできる限り離れた位置にした上で,当初は15階建ての予定であったものを10階に変更すること,㋑その他の施設についても,学部棟や管理棟3棟につ いて,当初の予定から1階分引き下げる見直しを行うこと,の了承を得た。 加えて,⑤被告は,本件変更処分後のA1公園に整備する緑道に,桜並木を設けることとした。(以上につき,甲2の1~8,3の1~11,乙20,21,54,58,59,証人A9,原告A2本人,原告A6本 人)- 47 -オ A33公園予定地の取得に向けた大阪府との協議(平成30年頃)被告は,住民に対する説明会の実施と並行して,大阪府及びA27大学との協議を継続し,平成30年7月23日,A33公園の設置予定地であるα市(住所省略)の土地を含むA22南側の土地について,大阪府から被告に対し有償で譲渡を受ける方針で調整を行った。 しかし,令和元年6月,α市長の交代に伴い,α市議会の一部議員からα市長に対し,A22南側の土地について無償で譲渡を受けることの提案があったため,被告は,大阪府との間で無償譲渡の可否について改めて協議を行うこととなった。(以上につき,乙39,40,41の1・2,42,54,証人A9) カ公聴会の実施(平成31年4月)被告は,平成31年4月17日,本件都市計画の変更案(本件都市計画について,A1公園及びA16公園の区域を変更し,A1公園の種別を近隣公園に変更するとともに,新たに地区公園としてA33公園を追加する旨の変更案)について,都市計画法16条1項に基づき,公聴会を行った。 この公聴会には15名の公述人が参加し,それぞれ意見を述べた 園に変更するとともに,新たに地区公園としてA33公園を追加する旨の変更案)について,都市計画法16条1項に基づき,公聴会を行った。 この公聴会には15名の公述人が参加し,それぞれ意見を述べた。 主な意見としては,A1公園とA16公園の一部の売却に反対する意見や,A33公園の設置予定地について,A25窯跡群の調査を行い,遺跡としての保護・活用を求める意見のほか,A27大学病院等の誘致による人口減少の歯止めや地域の活性化に期待し,本件都市計画の変更に賛成す る旨の意見も複数あった。(以上につき,甲3の7・8,乙54,証人A9)キ本件都市計画の変更案の縦覧(令和元年6月頃)被告は,上記カの公聴会における意見を踏まえ,本件都市計画の変更案を作成し,これを公告するとともに,令和元年5月31日~同年6月14 日,都市計画法17条1項に基づき,被告の考え方を付した上で,縦覧を- 48 -行った。(甲3の9,乙54,証人A9)ク α市都市計画審議会の決議(令和元年7月)被告は,令和元年7月16日,都市計画法19条2項に基づき,α市都市計画審議会(都市計画法に基づきα市が定める都市計画を調査審議する機関。A26〔大阪府立大学名誉教授〕を会長として合計20名の委員か ら成る審議会)に対し,本件都市計画変更案を付議した。 上記α市都市計画審議会において,被告は,本件都市計画変更案の縦覧期間中に提出された意見書(20通,全て反対意見)について,地域住民に対する説明会において説明した内容と同様の被告の考え方を付した上で,公聴会における公述人の意見と,それに対する被告の考え方につい ても委員に説明した。 その上で,α市都市計画審議会は,審議を行い,次の内容の付帯意見を付した上で,本件都市計画変更案を全会一致で可決 における公述人の意見と,それに対する被告の考え方につい ても委員に説明した。 その上で,α市都市計画審議会は,審議を行い,次の内容の付帯意見を付した上で,本件都市計画変更案を全会一致で可決した。 (付帯意見)「今後,A1公園,A16公園およびA33公園の整備に際しては,地域住民の意見を十分に聞きながら進められたい。また,廃止 される公園の区域について,緑道の通行機能の確保や緑豊かな環境の創出に取り組むよう,α市からA27大学に積極的にはたらきかけをされたい。 加えて,附属病院等も含めA27大学医学部の移転に際しては,地域医療への貢献に努めるよう,はたらきかけをされたい。」(以上につき,甲3の1~11,乙31,44,54,証人A9) ケ本件都市計画の変更(令和元年7月)被告は,令和元年7年17日,A1公園及びA16公園の一部廃止並びにA33公園を都市計画公園に追加する旨の本件都市計画の変更を行い,α市告示第▲号において,これを告示した。(前記前提事実⑸,甲7,乙27の1・2,54,証人A9) コ A27大学との土地売買契約(本件売買契約)締結(令和元年8月)- 49 -被告は,令和元年8月5日,A27大学との間で,A1公園及びA16公園の敷地のうち,廃止されたものの一部について,α市議会の議決を効力発生の条件とする土地売買契約(本件売買契約)を締結した。 本件売買契約において,①売買の対象である土地の所有権は,売買代金の支払が完了した時にA27大学に移転することとされた(4条)。また, ②当該土地の用途は,10年間,A27大学病院等の施設の用途に供する旨指定され,A27大学がこの規定に違反したときは,当該土地の所有権移転の日から10年間,被告が当該土地を買い戻すことができることとされた(9 用途は,10年間,A27大学病院等の施設の用途に供する旨指定され,A27大学がこの規定に違反したときは,当該土地の所有権移転の日から10年間,被告が当該土地を買い戻すことができることとされた(9条,15条)。さらに,③A27大学は,当該土地に存する通路について,㋐現有の基本的機能を確保するとともに,㋑周辺住民等が常時一 般の通行ができるようにし,当該通路等において周辺住民等による破壊行為又は迷惑行為等があり,指定用途の運営に支障を来す場合や経済的な損失がある場合は,被告との間で協議を行うこととされた(12条)。(以上につき,前記前提事実⑹,乙5,54,証人A9)サ α市議会による売買契約の承認(令和元年10月) α市議会は,令和元年10月3日,本件売買契約について同意する旨議決し,売買契約が効力を生じた。(乙6)シ大阪府との間の使用貸借契約の締結(令和元年10月)被告は,大阪府からのA33公園設置予定地の取得について,α市議会への議案の上程が令和元年11月に,府議会への議案の上程が同年12月 になることが見込まれたことから,それまでの間,当該予定地を大阪府から借り受ける方針とした。 そこで,被告は,令和元年10月3日,大阪府との間で,その目的を公園の用途に供することとして,同日~令和3年3月31日の間,上記予定地を使用貸借する旨の契約を締結した。(以上につき,乙23,43の1・ 2,54,証人A9)- 50 -ス本件変更処分(令和元年10月)被告は,令和元年10月16日,本件変更処分をした。 α市長は,令和元年10月16日,α市公園条例3条の規定に基づき,本件変更処分を公告した。(以上につき,前記前提事実⑺,乙3,4,54,証人A9) セ A27大学への土地所有権移転(令和元 α市長は,令和元年10月16日,α市公園条例3条の規定に基づき,本件変更処分を公告した。(以上につき,前記前提事実⑺,乙3,4,54,証人A9) セ A27大学への土地所有権移転(令和元年11月)A27大学は,令和元年11月7日,被告に対し本件売買契約の代金を支払い,当該土地の所有権を取得した。(乙54,証人A9)ソ A33公園設置の認可(令和2年1月)令和2年1月23日,A33公園を設置する旨の都市計画公園事業が, 大阪府により認可された。 事業施行期間は,令和2年1月23日~令和8年3月31日とされた。 (以上につき,乙49の1・2,54,証人A9)タ大阪府との間の覚書(令和2年1月)被告は,令和2年1月31日,大阪府との間で,次の内容の「A22及 び後背地の譲渡等に関する覚書」を交わした。 すなわち,被告は,大阪府との間で,①A33公園設置予定地を含むA22南側の土地及びA22施設について,令和3年4月1日に無償譲渡契約を締結する旨,②A22敷地について,同日に使用貸借契約を締結し,α市がA22及びA22南側土地に設置するA33公園を一体的に活用 し,A22の趣旨及び目的に基づいた事業を実施する旨を合意した。(以上につき,乙24,54,証人A9)チ A33公園予定土地等の無償譲渡契約(本件譲渡契約)の締結(令和2年7月)被告は,令和2年7月29日,大阪府との間で,A33公園の設置予定 地を含むA22南側の土地,A22の建物・敷地について,無償譲渡契約- 51 -(以下「本件譲渡契約」という。)を締結した。本件譲渡契約は,地方自治法96条1項9号の規定に基づくα市議会の承認議決を停止条件として効力が発生し,土地の所有権は令和3年4月1日に移転するものとされた(なお,A3 契約」という。)を締結した。本件譲渡契約は,地方自治法96条1項9号の規定に基づくα市議会の承認議決を停止条件として効力が発生し,土地の所有権は令和3年4月1日に移転するものとされた(なお,A33公園の整備計画等については,後記⑷で述べる。)。(乙54,61,証人A9) ⑶ A1公園等の整備計画等(本件変更処分後)(令和元年~)ア A1公園の再整備計画A1公園は,本件変更処分後,A16公園と併せて,再整備されることとなっている。具体的には,A1公園は,都市公園の区域の変更に伴い,屋外プールが廃止されたが,自由広場は改修された上で約7000㎡を有 するものとして存置され,本件変更処分前と同様に,球技等を行うことができることになっている。また,自由広場の西側には,改修したベンチ等を設置した休憩コーナーが設けられる予定である。さらに,約1400㎡を有する多目的広場や約600㎡を有する斜面をいかした広場等が新設されるほか,A1公園敷地の西側と南側の主園路には桜並木の主園路が整備 される予定である。(乙20,21,54,証人A9)イ屋外プールの移設に向けた作業(平成26年~令和元年頃)本件変更処分前にA1公園に設けられていた屋外プールは,A10ニュータウンの開発に伴い昭和47年に開設されたレジャープールであり,例年,7月1日から8月末頃までの約2か月間営業し,約12万人が訪れて いた。 被告は,平成26年7月,A27大学との間で本件基本協定を締結した後,A1公園の屋外プールの移設先について検討を始めた。 具体的には,被告は,①α市の北部に既に大規模プール施設を備えた大浜公園(総合公園)及び金岡公園(運動公園)が存在すること,②A17公 園の敷地には屋外プールの駐車場を設置する余裕があること,③A 的には,被告は,①α市の北部に既に大規模プール施設を備えた大浜公園(総合公園)及び金岡公園(運動公園)が存在すること,②A17公 園の敷地には屋外プールの駐車場を設置する余裕があること,③A1公園- 52 -に屋外プールがあったときはA13駅近隣に大型商業施設があることもあって交通渋滞が生じていたが,交通量のシミュレーションを行った結果,A17公園に屋外プールを設置しても交通渋滞が生ずるおそれが少ないと考えられること等の諸事情を考慮して,平成27年3月,代替の屋外プールをA17公園に移転することを内部的に決定し,同年11月にA17公 園再整備基本計画案を策定した。上記計画案においては,A17公園に屋外プールを設置するほか,屋内施設や交流広場,健康運動場,緑道等を設けることが予定されていた。 令和元年9月4日,α市公園条例等の一部を改正する条例がα市議会において可決され,A1公園の屋外プールが廃止された。同条例は,令和元 年10月1日から施行された。A17公園の屋外プールは,令和2年頃,完成した。(以上につき,甲8,40の1~6,41,乙32,33,36,45~48,51,54,証人A9)ウ A27大学病院等の敷地内の緑道本件変更処分前,A1公園の敷地内に存する緑道は,A1公園の利用の 有無にかかわらず,近隣住民が同公園内を通り抜けるための通行に利用されていた。 本件変更処分後,その緑道の一部が廃止されることとなり,本件売買契約等に基づき,A27大学病院等の設置工事に先立って再整備され,一般の通行の用に供されることとなっている。再整備される緑道を通行すれば, う回する必要が生ずる箇所があるものの,従前と同様にA1公園内を通り抜けることができる。(以上につき,甲17,42,43,乙20,2 に供されることとなっている。再整備される緑道を通行すれば, う回する必要が生ずる箇所があるものの,従前と同様にA1公園内を通り抜けることができる。(以上につき,甲17,42,43,乙20,21,54,証人A9,原告A2本人,原告A6本人)エ令和3年頃の状況令和3年頃のA1公園付近の状況としては,屋外プール施設は撤去され, 公園内には工事用フェンスが設置されるなどしており,A27大学病院等- 53 -の建設工事が進められているとともに,A1公園の整備が行われている。 A27大学病院等の完成予定時期は,令和6年頃とされている。A1公園の整備の完成予定時期は,令和5年度頃とされており,完成した部分から順次開放される予定である。(以上につき,甲17,42,43,乙20,21,54,証人A9,原告A2本人,原告A6本人) ⑷ A33公園の整備計画等本件変更処分がされた令和元年10月16日の時点において,A33公園の整備計画については,隣接するA18公園とつなぐ機能を設け,A24池の水辺を憩いの場所として活用するといった大まかな方針や整備イメージはあったものの,設置される施設等の内容や配置について具体的な内容は定め られていなかった。 被告は,令和3年3月5日,株式会社三菱総合研究所(以下「三菱総研」という。)との間で,業務委託契約(以下「本件業務委託契約」という。)を締結した。 本件業務委託契約の内容は,次のようなものである。すなわち,A22及 びA33公園について,被告がこれまでに検討している資料の内容を踏まえて整備の条件を整理するとともに,A33公園の整備計画において考慮すべき項目や課題点について分析した上で,①計画内容の提案及び設定を行うことや,ゾーニングの設定,概算事業費及び整備スケジュ を踏まえて整備の条件を整理するとともに,A33公園の整備計画において考慮すべき項目や課題点について分析した上で,①計画内容の提案及び設定を行うことや,ゾーニングの設定,概算事業費及び整備スケジュールの検討支援,イメージスケッチの作成等を内容とするものである。 本件業務委託契約の履行期間は,令和3年7月31日までとされた。三菱総研は,同年8月,被告に対し,「A22及びA33公園基本計画(素案)検討資料」(以下「本件検討資料」という。)を提出した。 本件検討資料においては,A33公園の整備方針として,A22と一体的な区域と捉え,A22と公園の緑が一体となり,隣接するA18公園へとつ ながるまとまりのある緑地空間を形成することや,既存緑地やため池の保全- 54 -・活用,文化財の保存・活用と後世への歴史的資源の承継等を整備の基本方針とし,動線計画として,A13駅前からA22を経由し,A33公園南側の住宅地につながるバリアフリーの主園路のほか,A24池の東岸に沿って自然観察をすることができる緑道を設けることが提案されている。また,ゾーニングの計画として,A33公園北側のA22に近いエリアを「冒険の森」 (子どもが遊び・体験を行う場),A33公園南東部の林を「ふれあいの森」(生態系の観察や里山の管理を体験できる場),A24池西側のA25窯跡群が多く分布するエリアを「A31広場」(来園者が休憩したり,子どもが遊具で遊んだりする場であるとともに,窯跡という歴史的資源を承継する場)とすることが提案されている。 A33公園は,令和6年度以降に,順次,都市公園として供用が開始される予定である。(以上につき,甲13,乙28,29,44,50,53,54,63,証人A9)⑸ 原告らの避難所及び避難経路原告らの避難所及 令和6年度以降に,順次,都市公園として供用が開始される予定である。(以上につき,甲13,乙28,29,44,50,53,54,63,証人A9)⑸ 原告らの避難所及び避難経路原告らの避難所及び避難経路については,前記前提事実⑵キのとおりであ る。 ⑹ 本件変更処分前のA1公園の利用状況原告らを含む近隣住民は,本件変更処分前,A1公園の緑道を通勤・通学等で利用していたほか,A1公園において犬の散歩やジョギング,花見等を行っており,A1公園は,近隣住民が犬の散歩等を通じてコミュニケーショ ンを図る場としても活用されていた(もっとも,本件変更処分後も,範囲等の制約はあるものの,A1公園における犬の散歩等ができなくなったわけではない。)。 なお,A8小学校においては,「学校生活のきまり」(平成31年度版)において,「子どもだけで,校区外やゲームセンター…に行かない」こととさ れていた。(以上につき,甲12,21,23,42,43,原告A2本人,- 55 -原告A6本人) 2 争点1(原告らに本件変更処分の取消訴訟の原告適格があるか否か)について⑴ 判断枠組み行政事件訴訟法9条は,取消訴訟の原告適格について規定するが,同条1 項にいう当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうのであり,当該処分を定めた行政法規が,不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべき ものとする趣旨を含むと解される場合には,このような利益もここにいう法律上保護された利益に当たり,当該処分によりこれを侵害され又は必然 それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべき ものとする趣旨を含むと解される場合には,このような利益もここにいう法律上保護された利益に当たり,当該処分によりこれを侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者は,当該処分の取消訴訟における原告適格を有するものというべきである(最高裁平成16年(行ヒ)第114号同17年12月7日大法廷判決・民集59巻10号2645頁参照)。 そして,処分の相手方以外の者について上記の法律上保護された利益の有無を判断するに当たっては,当該処分の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく,当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮し,この場合において,当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては,当該法令と目的を共通にする関係法令がある ときはその趣旨及び目的をも参酌し,当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案すべきものである(行政事件訴訟法9条2項)。 ⑵ 検討 上記⑴の観点から,原告らが本件変更処分の取消しを求める原告適格を有- 56 -するか否かについて検討する。 ア都市公園の区域の変更に関する規定本件変更処分は,都市公園法16条に基づき,都市公園の区域を変更するものであるところ,同条が,同条各号の除外事由に該当する場合を除き,都市公園の区域の全部又は一部について都市公園を廃止することを禁止し ているのは,公園管理者の設ける公園施設も都市公園の構成要素となるところ(同法2条1項参照),個々の公園施設の改廃についてのみならず,都市公園の区域の減少を阻止する点にあることを明らかに 止し ているのは,公園管理者の設ける公園施設も都市公園の構成要素となるところ(同法2条1項参照),個々の公園施設の改廃についてのみならず,都市公園の区域の減少を阻止する点にあることを明らかにする趣旨であると解される。 また,都市公園法は,①都市公園の設置及び管理に関する基準等を定め て,都市公園の健全な発達を図り,もって公共の福祉の増進に資することを目的とし(1条),②地方公共団体が同法4条6項に規定する都市計画施設である公園若しくは緑地又は同条2項に規定する都市計画区域内において公園若しくは緑地(都市公園)を設置する場合には,政令で定める都市公園の配置及び規模に関する技術的基準に適合するように行うものとし ている(2条1項1号,3条1項)。そして,都市公園法施行令は,上記②を受けて,③地方公共団体が近隣公園等を設置する場合においては,それぞれその特質に応じて当該市町村又は都道府県における都市公園の分布の均衡を図り,かつ,防火,避難等災害の防止に資するよう考慮するほか,近隣公園については,近隣に居住する者が容易に利用することができるよ うに配置し,その敷地面積は,2haを標準として定め,地区公園については,徒歩圏域内に居住する者が容易に利用することができるように配置し,その敷地面積は,4haを標準として定めることとしている(2条1項)。 そして,都市公園法は,都市公園の効用について特に定めを置いていないものの,同法2条1項1号は,地方公共団体が設置する「都市公園」を, 都市計画法4条6項に規定する都市計画施設である公園又は緑地及び同条- 57 -2項に規定する都市計画区域内における公園又は緑地で,その設置者である地方公共団体が当該公園又は緑地に設ける公園施設を含むものと定義している。また,同条6項 である公園又は緑地及び同条- 57 -2項に規定する都市計画区域内における公園又は緑地で,その設置者である地方公共団体が当該公園又は緑地に設ける公園施設を含むものと定義している。また,同条6項は,「都市計画施設」を,都市計画(都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用,都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画で,同法第2章の規定に従い定められたもの〔同法4 条1項参照〕)において定められるべき同法11条1項各号(なお,同項2号に「公園」が掲げられている。)に掲げる施設と定義している。 これらの各規定の内容に照らせば,都市公園の効用は,都市計画施設としての効用(すなわち,都市計画で定められた都市施設としての効用)を含んでおり,都市公園を廃止する場合には,当該都市公園に関する都市計 画に適合するように行われることが必要であると解される。 イ関係法令等の規定(ア) 都市公園法の規定「都市公園」の定義に関連し,都市公園の廃止を規制する都市公園法16条と目的を共通とすると考えられる都市計画法の規定をみると,同 法は,①都市の健全な発展と秩序ある整備を図り,もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とし(1条),都市計画の基本理念の1つとして,健康で文化的な都市生活を確保すべきことを定めている(2条)(前記関係法令等の定め⑷ア)。 (イ) α市公園条例の規定 さらに,都市公園法と目的を共通とすると考えられるα市公園条例についてみると,α市公園条例4条の3第1項は,近隣公園や地区公園等の公園を設置する場合においては,それぞれその特質に応じて,α市における公園の分布の均衡を図り,かつ,防火,避難等災害の防止に資するよう考慮するほか,次に掲げるところによりその配置及び規模を定め の公園を設置する場合においては,それぞれその特質に応じて,α市における公園の分布の均衡を図り,かつ,防火,避難等災害の防止に資するよう考慮するほか,次に掲げるところによりその配置及び規模を定め るものとする旨定める(前記関係法令等の定め⑶ウ(イ))。 - 58 -このように,α市公園条例の規定においては,公園が災害時の避難場所等として災害の発生に伴う被害拡大の防止のための重要な拠点と位置付けた上で,公園を含む都市計画施設の整備・設置に係る都市計画の策定に際しては,防災拠点・避難場所としての公園等の確保,拡充等に配慮することが求められているものということができる。 (ウ) 小括これらの規定に照らすと,都市公園については,防火,避難等災害の防止をもその設置の目的とされているものと解される。 ウ都市公園法16条が個別的利益として保護する利益以上のような都市公園法16条の規定の趣旨に加え,上記イ(ア)の都市計 画法の各規定の趣旨をも参酌し,更に上記イ(イ)のα市公園条例の各規定において公園を含む都市計画施設の整備・設置に係る都市計画の策定に際して防災拠点・避難場所としての公園等の確保,拡充等に配慮することが求められていることをもしんしゃくすると,都市公園法16条の規定は,都市公園の区域の変更を規制することにより,都市公園の健全な発達を図り, もって公共の福祉の増進に資することを目的としつつ(同法1条),当該都市公園において,都市公園の効用を全うするとはいえない都市公園の廃止がされ,これにより防火,避難等に関する機能が確保された都市公園の存続が阻害されることによって,災害が発生した場合に生命又は身体に著しい被害を直接的に受けるおそれのある個々の住民に対し,そのような被 害を免れる利益を個々人の個別 機能が確保された都市公園の存続が阻害されることによって,災害が発生した場合に生命又は身体に著しい被害を直接的に受けるおそれのある個々の住民に対し,そのような被 害を免れる利益を個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むと解するのが相当である。 そして,当該都市公園において,都市公園の効用を全うするとはいえない都市公園の廃止がされ,これにより都市計画で定められた防災機能や防火,避難に関する一般的な機能が確保された都市公園の存続が阻害された 場合において,災害の発生により生命又は身体に著しい被害を直接的に受- 59 -けるのは,当該都市公園の周辺の一定範囲の地域に居住する住民に限られる。このような,都市公園の廃止によって害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度に照らすと,同項に基づく都市公園の区域の変更において考慮すべき利益(当該都市公園の周辺の一定範囲の地域に居住する住民の上記利益)は,一般的公益の中に吸収解消さ せることが困難なものというべきである。 そして,当該都市公園の周辺に居住する住民のうち,当該都市公園に都市公園が廃止されることにより,地震や火災等の災害時に生命又は身体に著しい被害を受けるおそれのある者,すなわち,災害時に当該公園を避難場所として利用するか,又は当該公園を避難経路として利用する蓋然性が 客観的に高いと認められる者については,当該公園の利用により生命又は身体への被害を免れる利益をもって,当該公園の廃止処分の取消しを求めることについて法律上の利益を有する者として,その取消訴訟における原告適格を有すると解するのが相当である。 エ原告らの原告適格の有無 上記の観点から原告らについて検討すると,原告らは,いずれも,A1公園の区域から約3 る者として,その取消訴訟における原告適格を有すると解するのが相当である。 エ原告らの原告適格の有無 上記の観点から原告らについて検討すると,原告らは,いずれも,A1公園の区域から約300m以内の範囲に居住している(前記前提事実⑴ア)。そして,上記認定事実⑸のとおり,原告らの居住地から被告が指定する避難所のうち最も近いA8小学校までの経路は約200m~900mであり,A8小学校まで移動するためには,本件変更処分前のA1公園を 南西から北東方向に横切る緑道を通るのが最短となり,原告らの居住地は,いずれも,指定避難所であるA8小学校よりも本件変更処分前のA1公園に近い。現に,原告A5,同A6,同A7は,A1公園を一時避難所として避難訓練を行った自治会に所属しており,A1公園は,被告の指定避難所には含まれていないものの,災害発生時には避難所として利用されること が想定されている。 - 60 -このような原告らの居住地とA1公園及びA8小学校の位置関係からすれば,原告らは,災害時にA1公園を避難場所又は避難経路として利用する蓋然性が客観的に高いといえる。 したがって,原告らは,上記ウの利益(すなわち,災害が発生した場合に生命又は身体に著しい被害を直接的に受けるおそれのある個々の住民が そのような被害を免れる利益)を自己の法律上の利益として,本件変更処分の取消しを求める原告適格を有する。 ⑶ 被告の主張についてア利益保護のための制度がないことについて被告は,都市公園の廃止について,都市公園法には周辺住民の意見を聴 くなど,その防災に関する利益を具体的に保護するための制度がないことを根拠に,上記⑵ウの利益は一般的な利益にすぎない旨主張する。 しかし,意見聴取等の手続が設けられていることは,当該利益 聴 くなど,その防災に関する利益を具体的に保護するための制度がないことを根拠に,上記⑵ウの利益は一般的な利益にすぎない旨主張する。 しかし,意見聴取等の手続が設けられていることは,当該利益を具体的に保護していることの根拠になり得るものの,そのような手続が設けられていないことが直ちに当該利益を具体的に保護していることを否定する根 拠となるものではないと考えられる。そして,都市公園の廃止については,関係法令である都市計画法16条1項が,都市計画の変更について,公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずることを求めているほか,同法17条1項が,都市計画の変更案について公衆の縦覧に供することを求めていることから(前記関係法令等の定め⑷ウ・オ),都 市公園の廃止については,周辺住民の意見を聴取するための手続が設けられているといえる。 したがって,被告の上記主張は採用することができない。 イ避難場所等の指定について被告は,A1公園が,行政施策上,防災施設や避難場所,避難経路等と して指定されていないから,その利用者に防災・防火の観点からの個別具- 61 -体的な権利・利益が認められない旨主張する。 しかし,前記前提事実⑵キのとおり,災害発生時における,被告が指定する避難所のうち,原告らが居住する建物に最も近いのはA8小学校であるものの,原告らの居住地は,いずれも指定避難所であるA8小学校よりも本件変更処分前のA1公園に近く,また,原告らの居住地からA8小学 校まで移動するためには,本件変更処分前のA1公園の緑道を通るのが最短となるというのである。このような事実関係等に照らせば,上記⑵エで説示したとおり,原告らは,災害時にA1公園を避難場所又は避難経路として利用する蓋然性が客観的に高いとい A1公園の緑道を通るのが最短となるというのである。このような事実関係等に照らせば,上記⑵エで説示したとおり,原告らは,災害時にA1公園を避難場所又は避難経路として利用する蓋然性が客観的に高いといえる。 したがって,被告の上記主張は採用することができない。 ⑷ 原告らが主張するその他の利益について原告らは,前記第2の4⑴の(原告らの主張)欄のイ(ア)・(イ)のとおり,都市公園法16条の規定は,都市公園を自由に利用する利益や,緑道を通行する利益についても,公益には吸収されない個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含む旨主張する。 しかし,都市公園法は,基本的には,都市公園の健全な発達及びこれによる公共の福祉の増進を目的とするものであり(同法1条),都市公園の設置及び管理に関する基準等を定める同法及び同法施行令の規定の内容に照らしても,原告らの主張に係る,近隣住民が都市公園を自由に利用したり,緑道を通行したりする利益を,一般的公益の中に吸収解消させるにとどまらず, 個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むものと解することはできない。 また,都市計画法,α市公園条例その他関係法令等の規定にも,近隣住民が都市公園を自由に利用したり,緑道を通行したりすることができる利益を個別的に保護する趣旨の定めを見出すことはできないから,都市公園法がこ れらの利益を個々人の個別的利益として保護する趣旨を有していると解する- 62 -ことはできない。 さらに,原告らの主張に係る学校教育法についてみると,同法は,学校の設置や廃止の基準等について定め,児童等の心身の発達に応じた教育を施すこと等を目的とするものであると解されるのに対し,上記アのとおり,都市公園法は,都市公園の設置及び管理に関する基 ,同法は,学校の設置や廃止の基準等について定め,児童等の心身の発達に応じた教育を施すこと等を目的とするものであると解されるのに対し,上記アのとおり,都市公園法は,都市公園の設置及び管理に関する基準等を定めて,都市公園の健 全な発達を図り,もって公共の福祉の増進に資することを目的とするものであって,双方の目的には本質的な相違があるといわざるを得ず,学校教育法が都市公園法と目的を共通にする関係法令に当たると解することはできない。 以上検討したところによれば,原告らが主張する利益は,一般に都市公園 を利用する地域住民が共通してもつ抽象的,一般的な利益であって,当該公園の存在を前提として認められる利益(都市公園管理者が当該都市公園を公共の用に供している限りにおいて自由に当該都市公園を利用することができる利益)にとどまるものであると解される。そして,このような個々の利用者の利益は,都市公園法16条が目指す公益の中に吸収解消され,公益の保 護を通じてその結果として保護されるべきものと解される。 なお,上記認定事実⑹のとおり,原告らを含む近隣住民が,本件変更処分前,A1公園の緑道を通勤・通学等で利用していたほか,犬の散歩やジョギング,花見等を行い,コミュニケーションを図る場としてもA1公園を活用していた事実が認められる。そして,このことが原告らを含む近隣住民の生 活等において実際上重要な意義を有していたことは否定できないものの,そのような近隣住民の利益も,都市公園を利用する地域住民が共通して持つ抽象的,一般的な利益にとどまるものといわざるを得ず,以上の認定・判断が左右されるものではない。 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 ⑸ 小括- 63 -以上のとおり,原告らは,上記⑵ウの利益(す といわざるを得ず,以上の認定・判断が左右されるものではない。 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 ⑸ 小括- 63 -以上のとおり,原告らは,上記⑵ウの利益(すなわち,災害が発生した場合に生命又は身体に著しい被害を直接的に受けるおそれのある個々の住民がそのような被害を免れる利益)を自己の法律上の利益として,本件変更処分の取消しを求める原告適格を有する。 3 争点2(本件変更処分が都市公園法16条2号の要件を満たすか否か)につ いて⑴ 判断枠組み上記2⑵アで述べたとおり,都市公園法16条が,同条各号に定める除外事由に当たる場合を除き,都市公園の廃止を禁止しているのは,個々の公園施設の改廃についてのみならず,都市公園の区域の減少を阻止することによ り,都市公園の健全な発達及びこれによる公共の福祉の増進を図ることにあると解される。 このような都市公園法16条の趣旨からすれば,同条2号の「廃止される都市公園に代わるべき都市公園」とは,その規模,効用等においてほぼ対等のものとして見合うものをいい,「廃止される都市公園に代わるべき都市公 園が設置される場合」とは,都市公園の廃止処分時点において,必ずしも廃止する都市公園に代わるべき都市公園が既に供用を開始されている必要まではないが,公園の供用開始が具体的に予定されており,都市公園の廃止から合理的な期間内に供用が開始される蓋然性が高いといえることが必要であると解すべきである。 ⑵ 検討ア A33公園が「廃止される都市公園に代わるべき都市公園」に当たるか否かそこで,まず,A33公園が「廃止される都市公園に代わるべき都市公園」に当たるか否かについて検討する。 (ア) 上記認定事実⑸のとおり,本件変更処分によって廃止 都市公園」に当たるか否かそこで,まず,A33公園が「廃止される都市公園に代わるべき都市公園」に当たるか否かについて検討する。 (ア) 上記認定事実⑸のとおり,本件変更処分によって廃止されるA1公園- 64 -及びA16公園の面積が合計約5.1haであるのに対し,新たに設置されるA33公園の面積は約5.5haであり,A33公園は,その規模において,A1公園及びA16公園の廃止される部分と対等であるといえる。 (イ) また,上記認定事実⑶・⑷のとおり,A1公園にあった屋外プールが A17公園に移設される予定であることや,A33公園の整備計画において,既存のA24池をいかした上で,緑地や緑道,遊具等が設置され,隣接するA18公園につながる緑地空間が形成されることが計画されていることからすれば,A33公園は,その効用においても,A1公園及びA16公園の廃止部分と対等であるといえる。 (ウ) 以上によれば,A33公園は,「廃止される都市公園に代わるべき都市公園」(都市公園法16条2号)に当たるといえる。 イ本件が「廃止される都市公園に代わるべき都市公園が設置される場合」に当たるか否か次に,本件が「廃止される都市公園に代わるべき都市公園が設置される 場合」(都市公園法16条2号)に当たるか否かについて検討する。 (ア) 上記認定事実⑷のとおり,本件では,本件変更処分がされた令和元年10月16日の時点において,A33公園の整備計画については具体的に定められておらず,上記認定事実⑵チのとおり,被告が大阪府からA33公園の設置予定地の所有権を取得したのは令和2年7月29日であ り,本件変更処分の時点ではまだ所有権を取得していなかった。 (イ) しかし,上記認定事実⑵アのとおり,本件基本協定締結直前であ 3公園の設置予定地の所有権を取得したのは令和2年7月29日であ り,本件変更処分の時点ではまだ所有権を取得していなかった。 (イ) しかし,上記認定事実⑵アのとおり,本件基本協定締結直前である平成26年6月19日に行われた被告副市長と大阪府副知事との会談において,A13駅前地域の再生に向けて,A22南側の土地を活用するため,被告が大阪府から無償で当該土地を引き継ぎ,公園を設置する方向 で協議が行われた。 - 65 -また,上記認定事実⑵シ・チのとおり,被告は,本件変更処分前の令和元年10月3日,大阪府との間で,A33公園の設置予定地について使用貸借契約を締結し,使用貸借契約が満了する令和3年3月31日よりも前の令和2年7月29日,大阪府から,当該土地の所有権を取得したことに照らせば,被告は,本件変更処分の時点において,A33公園 の設置予定地について,実質的に権原を取得していたといえる。 さらに,上記認定事実⑷のとおり,A33公園の供用開始は令和6年度以降となる予定であるものの,上記認定事実⑵ケ・ソのとおり,本件変更処分よりも前の令和元年7年17日,A33公園を都市計画公園に追加する旨の本件都市計画の変更が告示され,令和2年1月23日には A33公園を設置する旨の都市計画公園事業が大阪府により認可されたことからすれば,本件変更処分の時点において,A33公園の供用開始が具体的に予定され,都市公園の廃止から合理的な期間内に供用が開始される蓋然性が高いものと認められる。 (ウ) 以上によれば,本件は,「廃止される都市公園に代わるべき都市公園 が設置される場合」(都市公園法16条2号)に当たるといえる。 ウしたがって,本件変更処分は,都市公園法16条2号の要件を満たす。 ⑶ 原告らの主張についてこれ 園に代わるべき都市公園 が設置される場合」(都市公園法16条2号)に当たるといえる。 ウしたがって,本件変更処分は,都市公園法16条2号の要件を満たす。 ⑶ 原告らの主張についてこれに対し,原告らは,前記第2の4⑵の(原告らの主張)欄のとおり,本件は「廃止される都市公園に代わるべき都市公園が設置される場合」(都市 公園法16条2号)に当たらない旨主張するので,以下検討する。 ア A33公園とA1公園との位置関係等について原告らは,A33公園とA1公園の存する小学校区が異なっており,両公園が府道により分断されていることや,両公園が約500m離れていることを挙げて,A33公園はA1公園に「代わるべき都市公園」に該当し ない旨主張する。 - 66 -しかし,都市公園法16条2号は,廃止される都市公園と代替の都市公園の位置関係について特に規定を設けていないことから,代替公園の設置場所については地方公共団体の裁量に委ねる趣旨であり,代替公園が都市計画により設置されるものである場合には,その都市計画の方針等に適合するように設置することが求められるものと解される。 A33公園は,A1公園の代替公園として,A13駅前地域の地区公園として設置され,その機能・役割を担うものであるところ,地区公園は,徒歩圏域内に居住する者が容易に利用することができるように配置し,その敷地面積は4haを標準として定めることとされている(都市公園法3条,都市公園法施行法2条,α市公園条例4条の3)。そして,前記前提事実 ⑵オ,上記認定事実⑷のとおり,A33公園はその敷地面積や配置において上記の基準を満たすものであると認められることから,A1公園と小学校区が異なることや,両公園が府道で分断され,約500m離れていること等の状況があ ⑷のとおり,A33公園はその敷地面積や配置において上記の基準を満たすものであると認められることから,A1公園と小学校区が異なることや,両公園が府道で分断され,約500m離れていること等の状況があっても,都市公園法16条2号の要件を満たすものであるといえる。 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 イ A27大学病院等の建設予定地についてまた,原告らは,A27大学病院等は,A33公園の設置予定地等において建設することが十分に可能であり,A1公園等の一部を廃止する必要はなかったことから,被告において本件変更処分をしたことは,公園配置 の合理性,経済的合理性及び手段の相当性に欠けるものであり,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たり,都市公園法16条に違反する旨主張する。 しかし,上記認定事実⑴イ・⑵イのとおり,本件ビジョンにおいては,学校教育機関の誘致によるA13駅前地域の活性化が期待され,改訂され た本件ビジョンにおいては,A1公園の一部にA27大学病院等を誘致す- 67 -るとともに,A22南側のエリアを「子どもコア」と位置付け,A13駅前からA18公園まで連続した緑のゾーンを形成することが取組方針として記載されており,A1公園以外の場所にA27大学病院等の建物を設置することは実現可能な案とはならなかったというのである。これらの事情に照らせば,被告において本件変更処分をしたことは,合理性を有するも のであって,裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たらない(すなわち,本件変更処分等は,A10ニュータウンの再生とA13駅前地域活性化に向けた被告の取組〔上記認定事実⑴〕と矛盾するものではなく,むしろこれに沿うものであるといえる。)。 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 タウンの再生とA13駅前地域活性化に向けた被告の取組〔上記認定事実⑴〕と矛盾するものではなく,むしろこれに沿うものであるといえる。)。 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 ウ屋外プールについてさらに,原告らは,A1公園に存在した屋外プールがA1公園から約3㎞離れたA17公園に設置されることについて,これほど離れた場所にあるA17公園内のプール施設がA1公園の効用を代替するとはいえない旨主張する。 しかし,都市公園法16条の趣旨が,都市公園の区域の減少を阻止することにより,都市公園の健全な発達及びこれによる公共の福祉の増進を図ることにあると解されることからすれば,廃止される都市公園の効用は,単独の公園のみで完全に代替する必要はなく,当該地域に存在する他の都市公園も併せて,廃止される都市公園と同等の効用が維持されていれば足 りると解するのが相当である。 本件において,A1公園にあった屋外プールは,同じA10ニュータウン内のA14駅地域にあるA17公園に移設されるのであり,営業期間である約2か月間の利用者数が約12万人であったという当該屋外プールの規模(上記認定事実⑶イ)や,その規模から想定される利用者の誘致範囲 等も考慮すれば,A17公園とA1公園との距離が約3㎞離れているとし- 68 -ても,廃止される都市公園と同等の効用が維持されているといえる。 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 ⑷ 小括以上のとおり,本件変更処分は,都市計画法16条2号の要件を満たし,実体的に適法である。 4 争点3(本件変更処分が都市計画法16条,17条及び19条の定める手続を経たものであるか否か)について⑴ 検討ア前記前提事実⑸・⑺,上記認定事実⑵カ~ケ・ス 実体的に適法である。 4 争点3(本件変更処分が都市計画法16条,17条及び19条の定める手続を経たものであるか否か)について⑴ 検討ア前記前提事実⑸・⑺,上記認定事実⑵カ~ケ・スのとおり,被告は,令和元年7月に本件都市計画の変更をして同年10月に本件変更処分をしたと ころ,これに先立ち,①平成31年4月,本件都市計画の変更案(本件都市計画について,A1公園及びA16公園の区域を変更し,A1公園の種別を近隣公園に変更するとともに,新たに地区公園としてA33公園を追加する旨の変更案)について,都市計画法16条1項に基づき,公聴会を行い,②令和元年6月頃,同法17条1項に基づき,被告の考え方を付し た上で,公告の日から2週間本件都市計画の変更案の縦覧を行い,③同年7月,同法19条2項に基づき,α市都市計画審議会に対して本件都市計画変更案を付議して,可決を受けたというのである。 イ上記の事実関係によれば,被告は,本件都市計画の変更及び本件変更処分に先立ち,公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を 講じ,都市計画の案を公告し理由を記載した書面を添えて2週間公衆の縦覧に供し,α市都市計画審議会の議を経たということができる。 そうすると,被告は,都市計画法16条(公聴会の開催等),17条(都市計画の案の縦覧等)及び19条(市町村の都市計画の決定)の定める手続を履践しており,これらの手続に特段の瑕疵は認められないというべき である。 - 69 -ウしたがって,本件変更処分は,都市計画法16条,17条及び19条の定める手続を経たものである。 ⑵ 原告らの主張についてこれに対し,原告らは,前記第2の4⑶の(原告らの主張)欄のとおり,被告は都市計画法16条,17条及び19条が求める手続 17条及び19条の定める手続を経たものである。 ⑵ 原告らの主張についてこれに対し,原告らは,前記第2の4⑶の(原告らの主張)欄のとおり,被告は都市計画法16条,17条及び19条が求める手続を形式的には履践し たものの,そこで出された住民からの意見について検討を行っておらず,実質的な住民の意見聴取が行われなかったことから,本件変更処分は都市計画法16条,17条及び19条に違反するものである旨主張する。そこで,以下検討する。 ア既定路線としていたことについて まず,原告らは,被告が平成26年7月16日にA27大学との間で本件基本協定を締結した後,約3年が経過した平成29年7月になって住民に対する説明や意見聴取を行うに至ったことを指摘し,A1公園の一部廃止とA27大学への売却を既定路線としていたものであり,住民からの実質的な意見聴取を行わなかった旨主張する。 この点に関し,被告が住民に対する説明に先立ちA27大学との間でA1公園の一部について有償譲渡する方向での本件基本協定を締結したこと(前記前提事実⑷,上記認定事実⑵イ・ウ)は,A1公園の一部廃止に反対する住民からみて被告の対応に対する不信感を抱く原因となり得る事実であるということはできる。 しかし,①被告が都市公園の区域の変更について住民等に対し対外的に説明を行うためには,事業の実現可能性についてあらかじめ検討しておく必要があり,そのためには,A27大学との間で本件基本協定を締結し,事業の推進に関する基本的な方針について合意しておく必要があったものと認められる(乙54,証人A9)。また,②被告は,本件基本協定締結 後,A1公園及びA16公園の譲渡区域の範囲や,A27大学病院等の施- 70 -設の配置,A22南側土地の取得,交通環境の対 認められる(乙54,証人A9)。また,②被告は,本件基本協定締結 後,A1公園及びA16公園の譲渡区域の範囲や,A27大学病院等の施- 70 -設の配置,A22南側土地の取得,交通環境の対策,今後の事業スケジュール等について具体的かつ詳細な検討を行うとともに,大阪府及びA27大学との協議を継続し,近畿地方整備局に対して都市公園の廃止に必要な手続や都市公園法16条2号の解釈等について随時相談を行っていたというのであって(上記認定事実⑵イ(イ)),本件の一連の計画の内容に照らせ ば,住民への説明に当たっては,被告内部において一定期間をかけて検討・調整する必要があったと考えられ,本件基本協定から住民に対する説明までに3年間を要したことが特段不合理とはいえない。さらに,③本件基本協定の内容をみても,事業の推進に向けた基本的な事項や協力義務について定めたものであり(前記前提事実⑷),A1公園の一部について法的 な引渡義務等を生じさせるものとはいえない。 そうすると,住民に対する説明に先立ち本件基本協定を締結したことをもって,直ちに本件変更処分が都市計画法16条,17条及び19条に実質的に違反するものであるなどということはできない。 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 イ反対意見を検討しなかったことについて次に,原告らは,意見聴取の手続においてA1公園の一部廃止に反対する意見が多数出ていたにもかかわらず,被告は,一貫してA1公園の一部廃止そのものを検討しない姿勢に固執したことから,実質的な意見聴取の手続を行ったとはいえない旨主張する。 しかし,上記認定事実⑵ウ・エのとおり,被告は,平成29年7月以降,合計38回にわたり住民に対し説明を行い,意見を聴取した上で,A1公園の一部廃止に反 手続を行ったとはいえない旨主張する。 しかし,上記認定事実⑵ウ・エのとおり,被告は,平成29年7月以降,合計38回にわたり住民に対し説明を行い,意見を聴取した上で,A1公園の一部廃止に反対する意見やその理由を踏まえ,A1公園の関係で譲渡予定区域のうち約0.2haを公園として残すことにし,A1公園内に緑道を新設することとするとともに,A27大学と協議を行い,A27大学病 院等の敷地内において,住民が常時緑道を通行することができるよう合意- 71 -したり,施設の配置や高さに関する計画の変更を求めたりするなどの具体的な対応を行ったというのである(このことは,α市都市計画審議会が付した付帯意見〔上記認定事実⑵ク〕の趣旨に沿うものといえる。)。 これらの事情に照らせば,被告は,実質的な意見聴取の手続を行い,かつ,住民からの意見について,可能な限り都市計画の変更案に反映してい ると評価することができる。 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 ⑶ 小括以上のとおり,本件変更処分は,都市計画法16条,17条及び19条の定める手続を,単に形式的に履践しただけではなく,実質的に経たものであ り,適法である。 5 まとめ以上によれば,原告らは,上記2⑵ウの利益(すなわち,災害が発生した場合に生命又は身体に著しい被害を直接的に受けるおそれのある個々の住民がそのような被害を免れる利益)を自己の法律上の利益として,本件変更処分の取 消しを求める原告適格を有する(上記2)ものの,本件変更処分は適法である。 すなわち,本件変更処分は,都市計画法16条2号の要件を満たし(上記3),また,都市計画法16条,17条及び19条の定める手続を経たものである(上記4)。 第4 結論 よって,原告らの請求 なわち,本件変更処分は,都市計画法16条2号の要件を満たし(上記3),また,都市計画法16条,17条及び19条の定める手続を経たものである(上記4)。 第4 結論 よって,原告らの請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとして,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第7民事部 裁判長裁判官山地修 裁判官太田章子 裁判官関尭熙(別紙1、2省略)

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