昭和33(あ)1735 有印公文書偽造、同行使、詐欺

裁判年月日・裁判所
昭和34年8月28日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 高松高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件各上告を棄却する。          理    由   被告人Cの弁護人大西正男の上告趣意第一点及び被告人Dの弁護人山本耕幹の 上告趣意第一点について。  前者は違憲をいう

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判決文本文1,550 文字)

主文 本件各上告を棄却する。 理由 被告人Cの弁護人大西正男の上告趣意第一点及び被告人Dの弁護人山本耕幹の上告趣意第一点について。 前者は違憲をいうけれども実質は単なる法令違反の主張に帰し、後者は判例違反をいうけれども引用の判例は事案を異にし本件に適切でなく原判決はこれと相反する判断をしたものでないから、所論はいずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。 原判決の支持した第一審判決の認定によれば、被告人両名は共謀の上、行使の目的をもつて被告人Cにおいて予め作成しておいた同人名義のA鉄道管理局B電力区出納責任者D宛の内容虚偽の電柱代金代理受領承諾書と題する文書の末尾に、A鉄道管理局B電力区の助役である被告人Dにおいて、右を承認する旨記載し、A鉄道管理局B電力区出納責任者Dなる奥書をし、庁印として備付の同電力区の公印をほしいままに押捺し、D名下にその私印を押捺した文書を作成したものであるところ、論旨は、被告人Dは右電力区の助役であり当該公務員である。同被告人が自己名義の公文書を作成したからとて刑法一五五条の罪を構成するいわれはないと主張する。 よつて案ずるに、第一審判決挙示の証拠によれば、被告人Dは同電力区助役として区長を補佐する傍ら同管理局から出納員もしくは事務助役出納員として指名され、部内職員の給料、旅費、共済組合関係の給付、貸付金の交付、保管等の職務をも有していたことが認められるけれども、これらはいずれも対内的な出納事務に過ぎないもので、同電力区助役もしくは右出納員名義をもつて対外部関係に関する公文書を作成することは許されず、そのような場合は必ず区長名義をもつてしなければならないことがわかる。従つて同被告人は本件証明文書を作成すべき一般的職務権限を有しないものといわなければならない。しかも 書を作成することは許されず、そのような場合は必ず区長名義をもつてしなければならないことがわかる。従つて同被告人は本件証明文書を作成すべき一般的職務権限を有しないものといわなければならない。しかも、本件文書の形式外観は一般人を- 1 -して当該公務員がその権限内において作成した真正な公文書であると信ぜしめるに足るものであるから、これを行使の目的をもつてほしいままに作成する所為は刑法一五五条一項の公文書偽造罪を構成するものというべく、原判示は正当であつて論旨は採るをえない。 弁護人大西正男のその余の上告趣意について。 論旨第二点は事実誤認、同第三、第四点は量刑不当の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。 弁護人山本耕幹の上告趣意第二点について。 原判決が、本件詐欺の点に関する被告人両名の共謀の事実が一審判決挙示の証拠によつて優に肯認できる以上被告人Dにおいて財物騙取の直接の実行行為に加担しなかつたとしても罪責を免れるものでないとしたのは、当裁判所の判例に照らして正当である(昭和二九年(あ)第一〇五六号同三三年五月二八日大法廷判決集一二巻八号一七一八頁、昭和一〇年(れ)第一七九一号、同一一年五月二八日大審院刑事連合部判決、集一五巻七一五頁各参照)。論旨引用の大審院判例はいわゆる実力犯に関するものでいわゆる知能犯に属する本件に適切でないのみでなく、その後の前掲判例によつて変更されているものであつて、所論は採るをえない。その他記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。 よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 昭和三四年八月二八日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官小谷勝重裁判官藤田八 おり判決する。 昭和三四年八月二八日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判官河村大助裁判官奥野健一- 2 -

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