平成17年5月26日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成16年(行ウ)第40号岡崎市議会政務調査費返還請求事件口頭弁論終結日平成17年2月24日判決 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の請求 1 被告は,岡崎市議会における会派「自民清風会」に対して,541万2839円及びこれに対する平成15年3月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 2 被告は,同「ゆうあい21」に対して,56万5000円及びこれに対する平成15年3月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 3 被告は,同「公明党」に対して,13万6285円及びこれに対する平成15年3月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 4 被告は,同「日本共産党岡崎市議団」に対して,11万1711円及びこれに対する平成15年3月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 5 被告は,同「民主クラブ」に対して,39万0935円及びこれに対する平成15年3月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 第2 事案の概要本件は,岡崎市の住民である原告が,平成15年岡崎市条例第27号による改正前の「岡崎市議会政務調査費の交付に関する条例」(平成13年岡崎市条例第4号。 以下「本件条例」という。)に基づき,岡崎市が岡崎市議会における各会派に交付した平成14年度分の政務調査費の中に,本件条例の定める使途に使用されていないものがあるなどと主張して,地方自治法242条の2第1項4号に基づいて,岡崎市の執行機関である被告に対し,上記各会派に上記費用相当額の不当利得の返還請求をするよう求めた住民訴訟(新4号請求)である。 のがあるなどと主張して,地方自治法242条の2第1項4号に基づいて,岡崎市の執行機関である被告に対し,上記各会派に上記費用相当額の不当利得の返還請求をするよう求めた住民訴訟(新4号請求)である。 1 前提事実等(争いのない事実,証拠により明らかに認められる事実等)(1) 当事者等ア原告は,岡崎市の住民である。 イ被告は,岡崎市の執行機関である。 ウ岡崎市議会議員は,遅くとも平成14年4月1日以降,平成16年10月25日までの間,共通の政治目的を達成するため,自民新風会,自民党市議団,ゆうあい21,公明党,日本共産党岡崎市議団及び民主クラブの各会派を結成していた(平成14年度における会派とその構成員は,別紙1のとおりである。 乙3の1ないし6)。 平成16年9月12日執行の岡崎市議会議員一般選挙によって選出された市議会議員は,任期の始期である同年10月26日以降,同様に共通の政治目的を達成するため,別紙2のとおり,自民清風会,ゆうあい21,公明党,日本共産党岡崎市議団及び民主クラブの会派を結成している(乙25)。 上記各会派は,いずれもいわゆる権利能力なき社団に該当するところ,同一の名称のものは,いずれも任期終了日である同月25日の前後を通じて同一性を保持しており,また,自民清風会は,自民新風会及び自民党市議団の両会派が合併して結成されたもので,それらの権利義務を承継している(以下,上記の各会派(ただし,自民清風会については,合併前は自民新風会及び自民党市議団)を総称して「本件各会派」という。)。 (2) 平成14年度の政務調査費の交付ア交付決定本件各会派は,平成14年4月1日,本件条例3条に基づき,被告に対して,平成14年度の政務調査費(議員1人当たり年額72万円)の交付を申請したところ,被告は,同月10日,本件各会派に対して 交付決定本件各会派は,平成14年4月1日,本件条例3条に基づき,被告に対して,平成14年度の政務調査費(議員1人当たり年額72万円)の交付を申請したところ,被告は,同月10日,本件各会派に対して,下記の各金額を,平成14年度の政務調査費として交付するとの決定をした(乙3及び4の各1ないし6)。 (ア) 自民新風会(所属議員13名) 936万円(イ) 自民党市議団(所属議員8名) 576万円(ウ) ゆうあい21(所属議員9名) 648万円(エ) 公明党(所属議員4名) 288万円(オ) 日本共産党岡崎市議団(所属議員3名) 216万円(カ) 民主クラブ(所属議員2名) 144万円イ概算払被告は,平成14年4月30日及び同年10月31日,本件各会派からの政務調査費交付請求に基づき,平成14年度の政務調査費として,それぞれ上記各金額の半額を概算払した(乙5の1ないし6の各1・2,6の1ないし6の各1・2)。 ウ収支報告本件各会派の各経理責任者は,平成15年4月8日ないし同月10日に,岡崎市議会議長に,収支報告書を提出して,支出額及び残余額を下記のとおり報告した(甲4の1ないし6)。 支出額残余額(ア) 自民新風会 936万4453円 -4453円(イ) 自民党市議団 576万7258円 -7258円(ウ) ゆうあい21 646万1511円 1万8489円(エ) 公明党 287万9678円 322円(オ) 日本共産党岡崎市議団 125万8409円 90万1591円(カ) 民主クラブ 141万6280円 2万3720円エ残余金の返還ゆうあい21,公明党, 322円(オ) 日本共産党岡崎市議団 125万8409円 90万1591円(カ) 民主クラブ 141万6280円 2万3720円エ残余金の返還ゆうあい21,公明党,日本共産党岡崎市議団及び民主クラブは,平成15年5月28日ないし同月29日,岡崎市に対し,上記ウの残余額欄記載の残余金をそれぞれ返還した(甲5の3ないし6,乙7の1ないし4)。 (3) 監査請求とその結果ア監査請求原告ほか6名は,平成16年3月23日,岡崎市監査委員に対して,地方自治法242条に基づき,平成14年度の本件各会派の政務調査費の支出には,本件条例の定める使途基準に反するものがあるとして,本件各会派から下記の金員の返還を求めるなど必要な措置を被告がとるよう監査請求をした(甲6)。 返還すべき金額(ア) 自民新風会 715万3273円(イ) 自民党市議団 500万5429円(ウ) ゆうあい21 478万2486円(エ) 公明党 170万2845円(オ) 日本共産党岡崎市議団 24万1587円(カ) 民主クラブ 110万3035円イ監査請求の結果岡崎市監査委員は,平成16年5月20日付けで,上記監査請求を棄却し,そのころ監査請求人に通知した(甲7)。 (4) 本訴の提起原告は,平成16年6月17日,本訴を提起した。その後,原告は,同年12月2日付け書面により,自民清風会が自民新風会及び自民党市議団の権利義務を承継したことを理由として,上記原告の請求1記載のように,請求の趣旨を変更した。なお,原告が主張するところの,被告が本件各会派に請求すべき金額の内訳は,別紙3のとおりである。 (5) 政務調査費の一部返還B7は,平成16年10月25日まで自民 のように,請求の趣旨を変更した。なお,原告が主張するところの,被告が本件各会派に請求すべき金額の内訳は,別紙3のとおりである。 (5) 政務調査費の一部返還B7は,平成16年10月25日まで自民党市議団所属の岡崎市議会議員であったところ,平成17年2月15日,別紙5の視察旅行目録(以下単に「視察旅行目録」という。)2(3)記載の視察について,同僚議員や市当局に迷惑をかけることは本意ではないことなどを理由として,政務調査費から支出した金額14万1980円及びこれに対する利息を,自民党市議団(自民清風会)に返還した。 自民党市議団(前同)は,平成17年2月15日,岡崎市議会議長に「収支報告書(再提出)」と題する書面を提出して,支出額及び残余額を下記のとおり変更した旨報告した。 支出額残余額変更前 576万7258円 -7258円変更後 562万5278円 13万4722円その上で,自民党市議団(前同)は,同日,岡崎市に対して,13万4722円及びこれに対する平成15年4月1日から平成17年2月15日までの民法所定の年5分の割合による利息1万2678円を返還した(乙34)。 (6) 関係法令等の抜粋ア地方自治法100条13項普通地方公共団体は,条例の定めるところにより,その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対し,政務調査費を交付することができる。この場合において,当該政務調査費の交付の対象,額及び交付の方法は,条例で定めなければならない。 14項前項の政務調査費の交付を受けた会派又は議員は,条例の定めるところにより,当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする。 ( 付の方法は,条例で定めなければならない。 14項前項の政務調査費の交付を受けた会派又は議員は,条例の定めるところにより,当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする。 (以下略)イ本件条例(甲1)(趣旨)1条この条例は,地方自治法(略)第100条第13項及び第14項の規定に基づき,岡崎市議会(以下「議会」という。)の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,政務調査費を交付することに関し必要な事項を定めるものとする。 (交付対象)2条政務調査費は,議会における会派又は会派に属さない議員(以下「会派等」という。)に対して交付する。 (政務調査費の額等)3条政務調査費の額は,議員1人につき年額72万円とし,会派にあっては,その額に当該会派に属する議員の数(以下「所属議員数」という。)を乗じて得た額とする。 2 政務調査費の交付を受けようとする会派等は,規則で定めるところにより市長に申請しなければならない。 (使途基準)5条会派等は,政務調査費を別表(注・本判決添付別紙4。ただし,平成15年岡崎市条例第27号による変更前のもの。以下「別表」ということがある。)に定める使途基準に従い使用するものとする。ただし,次に掲げる経費については使用することができない。 (1) 党費その他政党活動に要する経費(2) 慶弔費,見舞金その他の交際的活動に要する経費(3) 前2号に掲げる経費のほか,議長が政務調査費の使途に適さないものと認める経費(経理責任者)6条会派は,適正な政務調査費の経理を確保するため,会派に属する議員のうちから,経理責任者を定めなければならない。 2 経理責任者及び会派に属さない議員(以下「経理責任者等」という。)は,議長が定める政務調査費の収支に係る事項を記載した会計帳簿を備え に属する議員のうちから,経理責任者を定めなければならない。 2 経理責任者及び会派に属さない議員(以下「経理責任者等」という。)は,議長が定める政務調査費の収支に係る事項を記載した会計帳簿を備えなければならない。 3 経理責任者等は,政務調査費として支出をしたときは,その事実を証すべき目的,金額及び年月日を記載した領収書その他の書面を徴さなければならない。ただし,社会慣習その他の事情によりこれを徴し難いときは,この限りでない。 4 前項ただし書の場合において,経理責任者等は,当該支出を証する書面として,当該支出の目的,金額及び年月日を記載した書面を作成しなければならない。 5 経理責任者等は,第2項に規定する会計帳簿並びに第3項の規定により徴した領収書その他の書面及び前項の規定により作成した書面(以下「領収書等」という。)を,適正に保存しなければならない。 (収支報告書)7条経理責任者等は,次に掲げる事項を記載した政務調査費に係る収入及び支出の報告書(以下「収支報告書」という。)を作成し,政務調査費の交付を受けた翌年度の4月10日までに議長に提出しなければならない。 (略) 2 経理責任者等は,収支報告書を提出するときは,その支出に係る領収書等の写しを併せて提出しなければならない。 (略) 4 議長は,前3項の規定により収支報告書等が提出されたときは,その写しを市長に送付するものとする。 (政務調査費の返還)9条会派等は,次の各号のいずれかに該当することとなったときは,規則で定めるところにより,当該各号に掲げる場合の区分に応じ,当該各号に定める額に相当する額の政務調査費を返還しなければならない。 (略)(3) その年度において交付を受けた政務調査費の額から,当該会派等がその年度において政務調査費として支出した額を控除して残余があ 定める額に相当する額の政務調査費を返還しなければならない。 (略)(3) その年度において交付を受けた政務調査費の額から,当該会派等がその年度において政務調査費として支出した額を控除して残余がある場合当該残余の額(収支報告書の保存)10条議長は,第7条の規定により提出された収支報告書等を,同条第1項又は第3項に規定する提出期限の翌日から起算して5年を経過する日が属する年度の末日まで保存しなければならない。 (委任)11条この条例に定めるもののほか,政務調査費の交付に関し必要な事項は,規則の定めるところによる。 ウ岡崎市議会政務調査費の交付に関する規則(平成13年岡崎市規則第8号。以下「本件規則」という。乙2)(趣旨)1条この規則は,岡崎市議会政務調査費の交付に関する条例(略)第11条の規定に基づき,政務調査費の交付に関し必要な事項を定めるものとする。 (会計帳簿の保存)7条条例第6条第1項に規定する経理責任者又は会派に属さない議員は,同条第2項に規定する会計帳簿を,条例第7条第1項又は第3項に規定する収支報告書の提出期限の翌日から起算して5年を経過する日が属する年度の末日まで保存しなければならない。 エ岡崎市議会政務調査費交付取扱要領(平成14年度のもの。以下「本件要領」という。甲3,37,乙14)政務調査費は議会の各派に対して交付されるものであって所属議員の個々に給付するものでなく,会派の自主性にたって議員の調査研究に資するために交付されるものである。したがって,課税対象にはならず,一般の市補助金の交付と性質は同じものであり,監査の対象となる。また,残余の額は返還しなければならない。また,情報公開の対象であり,使途については十分な配慮と共に透明性を確保しなければならない。 1 使途基準(1) 使途に充当で ものであり,監査の対象となる。また,残余の額は返還しなければならない。また,情報公開の対象であり,使途については十分な配慮と共に透明性を確保しなければならない。 1 使途基準(1) 使途に充当できる経費は,岡崎市議会政務調査費の交付に関する条例(略)第5条の別表に規定するものとする。ただし,別表の「その他の経費」は次のとおりとする。 ① 会派等が行う調査研究活動及び議会活動並びに市の政策について住民に報告,PRするために要する経費② 資料作成等会派事務のための委託料,アルバイト賃金,筆耕翻訳料③ 会派事務のための通信運搬費としての郵便料(略)(2) 使途に充当できない経費は,条例第5条ただし書きに規定するもののほか議長が使途に適さないと認める経費は次のものとする。 ① 選挙及び後援会活動に関する経費② 会議を伴わない飲食のみに要する経費③ 私的経費 2 調査研究調査研究のための視察旅費は,原則として岡崎市職員等の旅費に関する条例の規定に準じて支出するものとする。 (略) 3 物品の管理1件5万円以上の物品(略)を購入した場合は台帳に記載し,管理すること。 4 経理(1) 支出の決定は,「支出調書」(略)により会派の代表者が行う。 (2) 支出にあたっては,原則として領収書を徴すること(レシートは原則として不可)。なお,社会慣習上止むを得ず領収書を徴することができない場合は,代表者の「支払証明書」(略)で代えることができる。 (3) 経理責任者は,政務調査費の出納のみを行う預金口座,会計帳簿(現金出納簿)を備え,通帳管理,出入金の管理を行うこと。 オ岡崎市議会の議員の報酬等に関する条例(昭和31年岡崎市条例第41号。 乙12)(費用弁償)5条議長,副議長及び議員が公務のため旅行した場合には,当該旅行に要する費用の弁償(以下「 うこと。 オ岡崎市議会の議員の報酬等に関する条例(昭和31年岡崎市条例第41号。 乙12)(費用弁償)5条議長,副議長及び議員が公務のため旅行した場合には,当該旅行に要する費用の弁償(以下「費用弁償」という。)をするものとする。 2 費用弁償の額については,岡崎市職員等の旅費に関する条例(略)第2条第1項に規定する市長等の例による。 カ岡崎市職員等の旅費に関する条例(昭和34年岡崎市条例第18号。以下「本件旅費条例」という。乙13)(旅費の種類)6条旅費の種類は,鉄道賃,船賃,航空賃,車賃,日当,宿泊料……とする。 (略) 4 航空賃は,航空旅行について,路程に応じ旅客運賃により支給する。 5 車賃は,陸路(略)旅行について,路程に応じ1キロメートル当たりの定額又は実費額により支給する。 6 日当は,旅行中の日数に応じ1日当たりの定額により支給する。 7 宿泊料は,旅行中の夜数に応じ1夜当たりの定額により支給する。 (略)(航空賃)15条航空賃の額は,現に支払つた旅客運賃による。 (車賃)16条車賃の額は,1キロメートルにつき40円とする。(以下略)(略)(日当)17条日当の額は,別表(注・省略。なお,市長等の日当の額は1日につき3000円)の定額による。 2 鉄道100キロメートル未満,水路50キロメートル未満又は陸路25キロメートル未満の旅行の場合における日当の額は,公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情により宿泊した場合を除くほか,前項の規定にかかわらず,同項の定額の2分の1に相当する額による。 (略)(宿泊料)18条宿泊料の額は,別表(注・省略。なお,市長等の宿泊料は1夜につき1万6500円)の定額による。 2 本件の争点岡崎市の本件各会派に対する不当利得返還請求権の有無。具体的には,以下の各点が争 18条宿泊料の額は,別表(注・省略。なお,市長等の宿泊料は1夜につき1万6500円)の定額による。 2 本件の争点岡崎市の本件各会派に対する不当利得返還請求権の有無。具体的には,以下の各点が争点となる。 (1) 政務調査費の性質政務調査費は会派による政務調査活動のためにのみ支出されるべき性質のものか。 (2) 本件各会派による政務調査費の支出に,地方自治法208条が適用ないし類推適用されるか。 (3) 本件各会派による政務調査費の支出が別表の定める使途基準に適合しているか。具体的には,ア使途基準該当性の判断基準イ調査旅費(ア) 視察の有無(イ) 視察地,市役所への訪問等に照らして実質的には観光旅行にすぎず,「議員の調査研究に資するため」に該当しないといえるか。 (ウ) 日当の支出の可否,宿泊料の定額支出の可否,航空賃の支払のためには領収書の提出を要するか。 (エ) 一般行政視察と政務調査費による視察を同時に行うことが違法か。 (オ) 政務調査費の一部返還が抗弁たり得るか。 ウ資料作成費本件各会派の使用していたプリンター等の台数に照らすと,プリンター等の追加購入等は,私物の購入等にほかならないから「議員の調査研究に資するため」に該当しない支出といえるか。 エ資料購入費購入した資料の性質に照らし,「議員の調査研究に資するため」に該当しない支出といえるか。 オ広報費平成15年岡崎市条例第27号による本件条例の改正までは,広報費は政務調査費から支出することは許されないか。 カガソリン代市議会議長たる議員は議長公用車を使用する機会が多いため,実際に使用したガソリン代より多く概算払を受けることは許されないか。 3 争点に関する当事者の主張(1) 争点(1)(政務調査費の性質)について(原告の主張)ア地方自治法の昭和31年 多いため,実際に使用したガソリン代より多く概算払を受けることは許されないか。 3 争点に関する当事者の主張(1) 争点(1)(政務調査費の性質)について(原告の主張)ア地方自治法の昭和31年改正による議員個人への調査研究旅費の支給禁止地方自治法は,かつて,条例により地方議会議員に支給するものとして,報酬と費用弁償を定めていた(203条1,2項)が,地方公共団体の中には,条例によって通信費,交通費,調査研究費,退職金,弔慰金などを支給するものがあった。 そこで,昭和31年法律第147号による地方自治法の改正により,「普通地方公共団体は,いかなる給与その他の給付も法律又はこれに基づく条例に基かずには,これを第203条第1項の職員及び前条第1項の職員に支給することができない。」とする204条の2が追加され,地方公共団体の議会の議員には,報酬,費用弁償及び期末手当(同改正の際,203条4項が追加された。)のみ支給することができることとなり,従来支給されていた定額の調査研究旅費的なものを議員個人に支給することは不可能になった。 また,当時の自治省は,会派への調査研究費の支給についての照会に対して,「従来の調査研究旅費にかわるものとして県議会各会派に対し調査研究費を支給することは,その内容が実質的に従来どおりであると認められる限り,出来ないものと解する。」(昭和31年9月6日自丁行発第59号)と回答した。そのため,都道府県等は,寄附又は補助に関する地方自治法232条の2の規定に基づき,県政調査交付金などの名称で,政策集団である会派の調査などの活動費用の一部を補助することに改めた。 イ平成12年改正による政務調査費の制度化と政務調査費の性質平成12年法律第89号による改正後の地方自治法100条12項(現在は13項)は,「普通地方公共団体は 費用の一部を補助することに改めた。 イ平成12年改正による政務調査費の制度化と政務調査費の性質平成12年法律第89号による改正後の地方自治法100条12項(現在は13項)は,「普通地方公共団体は,条例の定めるところにより,その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対し,政務調査費を交付することができる。」と規定するところ,「会派又は議員」と定められたのは,会派としての実態を有しているか疑問の余地のある1人会派に対して支給することの問題点を立法的に解決するためであって,会派に属する議員個人にまで支給することを認めたわけではない。 すなわち,自治省による上記回答の解釈には何ら変更がないのであるから,政務調査費は,会派に属する議員個人の調査活動を補助するためのものではなく,議会における会派活動に対する調査研究費等の助成のためのものである。 (被告の主張)原告の主張は争う。 所属会派から委託を受けて議員個人が調査研究活動をしたものについては,政務調査費の支出の対象となる。 (2) 争点(2)(地方自治法208条の適用ないし類推適用の可否)について(原告の主張)地方自治法208条1項は,「普通地方公共団体の会計年度は,毎年4月1日に始まり,翌年3月31日に終わるものとする。」と,同条2項は「各会計年度における歳出は,その年度の歳入をもつて,これに充てなければならない。」と規定しているところ,これらの規定は,市議会の会派が政務調査費から費用を支出する場合にも適用ないし類推適用される。 しかるに,自民党市議団は,平成14年3月24日ころ発行された市政報告と題するはがき(甲19)の費用を平成14年度の政務調査費から支出しているが,これらの費用は,平成13年度に締結された契約(印刷,ラベル購入,配布)に 団は,平成14年3月24日ころ発行された市政報告と題するはがき(甲19)の費用を平成14年度の政務調査費から支出しているが,これらの費用は,平成13年度に締結された契約(印刷,ラベル購入,配布)に基づくものであるから,上記支出は地方自治法208条に違反するものとして違法である。 (被告の主張)地方自治法208条1項の会計年度に関する規定が,任意団体たる会派や議員個人に対して適用されないことは論をまたない。 仮に,地方公共団体に適用される会計年度の考え方を会派等に要求するのであれば,翌年度の4月以降に政務調査費から支払ったものも当該年度で処理しなければならないことになり,本件条例7条に基づく収支報告書の提出期限(翌年度の4月10日まで)を遵守することができなくなる。 本件条例が,そのような不可能なことを要求しているとは考えられないから,市議会の会派が政務調査費から費用を支出する場合に,地方自治法208条の規定が適用ないし類推適用されないことは明らかである。 (3) 争点(3)(本件各会派による政務調査費の支出が別表の定める使途基準に適合しているか。)についてア争点(3)ア(使途基準該当性の判断基準)について(原告の主張)地方自治法100条13項は,普通地方公共団体が条例の定めるところにより,その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,その議会における会派又は議員に対し,政務調査費を交付することができる旨規定しているところ,本件条例1条は,「議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,政務調査費を交付する。」と規定して,経費が特定の用途に限定されることを明確にし,5条及び別表(なお,平成15年岡崎市条例第27号により,「広報費」及び「交通通信費」が追加された。)において,その使途基準を具体的に定めている。よって 経費が特定の用途に限定されることを明確にし,5条及び別表(なお,平成15年岡崎市条例第27号により,「広報費」及び「交通通信費」が追加された。)において,その使途基準を具体的に定めている。よって,支出された経費がこの目的に反する場合は違法な支出となるので,そのすべての支出行為に対して調査研究に資するための経費として認められるかどうかを吟味しなければならない。 被告は,政務調査費の趣旨を逸脱した違法な支出がないかどうか,会派等から提出された収支報告書をチェックし,違法な支出と疑われるものについては支出の裏付けとなる領収書等の確認を求め,その結果,違法な支出を発見した場合には,当該会派等に対してその賠償又は返還を求めるべき義務がある。 このようなチェックを行うことは,議員の政治活動に対する市長の介入とは別次元の問題である。 (被告の主張)原告の主張は争う。本件条例5条及び別表で定められた使途基準は,あくまでも例示にすぎない。 議会は,地方自治体にあって立法作用を行う機関であり,行政作用を担当する執行機関たる市長部局とは相互に独立した関係が保たれるべき存在であるから,議会の活動に対する執行機関からの関与は,必要最小限とされるべきである。したがって,議会の構成員である議員やその集合体である会派による調査研究活動及びそれに係る支出に対して,執行機関の側から過大な監視を行うことは厳に慎まなければならず,政務調査費に係る収支報告書の検収に当たっても,執行機関は,会派や議員の自主性を尊重しつつ,著しい合理性の欠如が見られるか否かを判断すべきである。 また,個人がどのような政治活動を行うかについての自由は,民主政治の根幹として極めて重要なものであり,憲法上,特に尊重されるべきものであることは明らかであるから,会派や議員がどのような政治活動を行うかは, 個人がどのような政治活動を行うかについての自由は,民主政治の根幹として極めて重要なものであり,憲法上,特に尊重されるべきものであることは明らかであるから,会派や議員がどのような政治活動を行うかは,当然に尊重されなければならない。 本件で争点となっている議会の政務調査費は,かように会派や議員の裁量,自由が尊重されるべきものであるから,政務調査活動を行うに当たって支出する交付金の使途等については,会派や議員による自主的な政治責任の下で管理されるべきものである。よって,政務調査費の使途の適法性についても,このような自主性を重んじた上で,広く認められるべき会派や議員の裁量権を著しく逸脱し,合理性がないものであるか否かというメルクマールで判断されるべきである。 イ争点(3)イ(調査旅費)について(原告の主張)(ア) 序論政務調査のため先進的な自治体の活動を調査すること,またそのための経費を政務調査費から支出することは問題がない。しかし,視察と称するものであればすべて調査旅費として政務調査費より支出することが許されるわけではなく(地方自治法2条14項参照),具体的には,その視察が調査研究活動として適当であったかどうか,請求された旅費が正当であるかどうかなどを吟味しなければならない。 (イ) 視察の有無原告が,岡崎市議会議員が調査研究活動として訪問したとされる地方公共団体に対し,文書により当該訪問の有無について回答を求めたところ,当該地方公共団体に当該訪問の記録が残っていないものが相当数あった。このように視察先とされた地方公共団体に訪問記録がないものについては,当該議員が現実に視察先に訪問したことさえも疑わしい。 なお,被告は,岡崎市議会の議員が実際に視察を行ったことなどを立証するために,調査研究視察報告書(以下「視察報告書」という。)を書 のについては,当該議員が現実に視察先に訪問したことさえも疑わしい。 なお,被告は,岡崎市議会の議員が実際に視察を行ったことなどを立証するために,調査研究視察報告書(以下「視察報告書」という。)を書証として提出している。しかし,原告が,岡崎市議会事務局を通じて,本件各会派の代表者に対して,視察報告書の公表を求めたところ,本件各会派の代表者はこれを断った経緯がある。そうすると,本件各会派はその時点で市民に視察報告書を提示することを拒否する意思を表示したか,又は視察報告書そのものが存在しなかったと推量されるから,実際に視察があったことの証拠として視察報告書を用いることは許されない。 すなわち,視察旅行目録2(2)ないし(5),同(8),同(9),同(11),同(15),同(16),5(1)及び同(2)各記載の視察旅行については,当該議員が実際に視察したことの立証がないから,これらの視察旅行に要した費用を政務調査費から支出することは許されない。 (ウ) 視察の目的視察旅行の目的が地方行政との関連において合理性を欠き,あるいは旅行計画ないし旅行内容が旅行目的との関連性を有さず又は手段として不相当である場合には,そのような視察旅行は公益性を欠くというべきである。 市議会議員が,視察先の市町村役場への訪問をしておらず,市街地や景観,記念館などのいわゆる観光地とされる場所を見学したにとどまる場合には,一般の観光旅行の見学と何ら異なるところがない。このように,実質的に遊興目的ではないかとの疑念を生じさせかねないものであれば,合理的必要性があったとは認められないから,公益性を欠き,また,「議員の調査研究に資するため」の要件も具備しない。 すなわち,視察旅行目録1(2)記載の視察旅行のうち秋田県大曲市及び仙北郡角館町分,同(3)記載の視察旅行,同(4)記 いから,公益性を欠き,また,「議員の調査研究に資するため」の要件も具備しない。 すなわち,視察旅行目録1(2)記載の視察旅行のうち秋田県大曲市及び仙北郡角館町分,同(3)記載の視察旅行,同(4)記載の視察旅行のうち北海道小樽市分,同(6)記載の視察旅行のうち鹿児島県西之表市分,2(1)記載の視察旅行のうち北海道根室市分,同(2)ないし(5)記載の各視察旅行,同(6)記載の視察旅行のうち北海道奥尻郡奥尻町分,同(7)記載の視察旅行のうち沖縄県宜野湾市分,同(8)記載の視察旅行,同(9)記載の視察旅行,同(15)記載の視察旅行のうち鹿児島県指宿市分,3記載の視察旅行のうち青森県上北郡六ヶ所村分,5(2)記載の視察旅行は公益性を欠き,あるいは,岡崎市政との関連性に乏しいから,これらの視察に要した費用を政務調査費から支出することは許されない(詳細は別紙6「視察目的に関する原告の主張」のとおりである。)。 なお,ある岡崎市議会議員は,平成15年12月定例議会一般質問において,政務調査費の使途についての質問の際に,「調査研究費で出向くときに,……(旅費手当の)日当の中で女性をお呼びになったではなかろうかなというふうに推測をいたしております。」と発言しており,調査旅費について従前から公序良俗に反した違法な支出がされていたことを議員自らが認めている。 (エ) 日当,宿泊料及び航空賃a 日当,宿泊料(a) 日当,宿泊料について本件旅費条例の準用はないこと政務調査活動は,市議会議員という公人としての立場ではなく,私人として会派活動の一環として行われるものであるから,本件旅費条例所定の額を最高限度額とするのであればともかく,本件旅費条例の準用は許されず,その実費のみを政務調査費から支出することが許されるものである。 したがって,政務調査費からの支出が るから,本件旅費条例所定の額を最高限度額とするのであればともかく,本件旅費条例の準用は許されず,その実費のみを政務調査費から支出することが許されるものである。 したがって,政務調査費からの支出が許されるのは,領収書等により実額の支払が確認された宿泊料,交通費に限られ,日当や実際に要しない宿泊料を政務調査費から支出することは許されない。 (b) 宿泊料について例えば,A1議員らが,視察旅行目録1(1)記載の視察旅行の1日目に宿泊したホテルサンルートニュー札幌の宿泊代金は5000円ないし7000円であり,これに朝食代1365円を加えても1万円を超えることはなく,2日目に宿泊したホテル平成館の宿泊代金も夕食朝食付きで1万0500円ほどである。A1議員らは,1泊につきそれぞれ1万6500円を政務調査費から支給されているから,その差額分は私腹を肥やす結果となっている。 すなわち,視察旅行目録1(1),同(2),同(4)ないし同(6),2(1)ないし同(16),3,5(1)及び同(2)記載の各視察旅行については,定額の宿泊料のうち実際の宿泊代金を超える部分を政務調査費から支出することは許されない。 (c) 日当について視察旅行目録1ないし3及び5記載の各視察では,いずれも1日当たり3000円の日当が支出されているが,これは許されない。 また,公明党所属のD2議員ら合計4名は,平成14年5月10日に愛知県防災ヘリコプターを視察した際,名古屋空港ビル内での昼食代3850円を政務調査費から支出している(視察旅行目録4)。この点について,被告は,日当の範囲内であるから許される旨主張するが,そもそも上記のとおり,本件旅費条例に準じた日当の支払は許されない上,岡崎市議会議長の定めた本件要領の1(2)②では,使途に充当できない経費として,会議を伴わない飲 であるから許される旨主張するが,そもそも上記のとおり,本件旅費条例に準じた日当の支払は許されない上,岡崎市議会議長の定めた本件要領の1(2)②では,使途に充当できない経費として,会議を伴わない飲食のみに要する経費を掲げており,上記昼食代への支出は,使途基準に反するものとして許されない。 b 航空賃仮に,本件旅費条例に準拠して,政務調査費から旅費を支出することが許されるとしても,本件旅費条例15条は,「航空賃の額は,現に支払つた旅客運賃による。」と明記していることから,航空賃については実額のみの支給が許される。 ところで,国においても,支払を証明する書類を添付して航空運賃実費を精算することとされている(国家公務員等の旅費支給規程(以下「旅費支給規程」という。)7条3項,別表第3)から,政務調査費による視察旅行において航空機を利用した場合にも,旅費計算書等の添付が必要である(なお,航空券を団体で入手する場合,旅行会社にあっせんを依頼するはずであるから,請求書や旅費計算書等の書類が準備できないことはない。)。ちなみに,航空賃については平成2年の旅費支給規程の改正により,「その支払を証明するに足る書類」は支出官等が必要として認める場合のみに添付することとされたものの,最近の割引航空賃制度多様化に伴い,同一路線の同一日の航空券について複数の価格が存在する状況にあることを踏まえ,平成12年の改正により,再び,常に「支払を証明するに足る資料」を添付することが義務付けられた。 よって,「支払を証明するに足る資料」が添付されておらず,実費が証明されていない航空賃を政務調査費から支出することは違法であるところ,視察旅行目録1(1),同(4),同(6),2(1),同(3),同(5)ないし(7),同(11),同(12),同(14),同(16)及び5(1 い航空賃を政務調査費から支出することは違法であるところ,視察旅行目録1(1),同(4),同(6),2(1),同(3),同(5)ないし(7),同(11),同(12),同(14),同(16)及び5(1)記載の各視察旅行については,航空賃の実費が証明されていないのであるから,航空賃を政務調査費から支出することは許されない。 (オ) 一般行政視察と政務調査費による視察を同時に行うことの違法性本件各会派による政務調査としての視察の中には,一般行政視察に同行する形で行われたものがある。同一の視察が一方で議会費を支出する「一般行政視察」として行われ,他方で「政務調査視察」として行われて補助金で支出するということが日常的に行われてしまえば,歳費の法定主義が崩壊してしまう。 また,政務調査費による視察旅行は,一般行政視察では調査できない事項について,会派として自主的に制約のない調査のために行われるものであり,一般行政視察に同行したものまで政務調査費を支払うのは公益性がない。 すなわち,視察旅行目録1(6)の視察旅行は,自民新風会のA1議員による一般行政視察と同行しており,また,同目録2(1)の視察旅行は,自民党市議団所属のB2,B3,B4,B5,B6及びB7並びに民主クラブ所属のF2ら各議員による一般行政視察と同行して行われているから,これらの視察旅行に要した費用を政務調査費から支出することは許されない。 (カ) B7議員の視察費用の弁済についてB7議員が,平成17年2月15日,視察旅行目録2(3)記載の視察に関する費用を自民党市議団を通じて岡崎市に返還していることは認めるが,この事実が本訴における抗弁となり得るかは争う。 (キ) 請求金額以上のとおり,視察旅行目録記載の視察旅行において支出された調査旅費(ただし,視察旅行目録4記載の視察旅行について ることは認めるが,この事実が本訴における抗弁となり得るかは争う。 (キ) 請求金額以上のとおり,視察旅行目録記載の視察旅行において支出された調査旅費(ただし,視察旅行目録4記載の視察旅行については昼食代)は,いずれも政務調査費から支出することは許されない。 したがって,岡崎市は,政務調査費から支出された調査旅費に関して,自民清風会に対して468万5800円(うち自民新風会分260万8220円,自民党市議団分207万7580円),ゆうあい21に対して56万5000円,公明党に対して3850円,民主クラブに対して24万7340円の不当利得返還請求権をそれぞれ有している。 (被告の主張)原告の主張は争う。 (ア) 視察の有無について原告は,訪問地の地方公共団体に訪問記録がないこと,すなわち市町村役場での受入れ記録がないことをもって,視察の事実が否定される旨主張する。 しかし,視察先の役所を訪問せずとも,直接に住民の生の声を聴取するなどの方法があるところ,視察した議員自身が視察報告書を提出しているから,原告は,さらに具体的な証拠をもって視察の事実がないことを主張すべきであり,原告の上記主張は予断に満ちた主張といわざるを得ず,失当である。 (イ) 視察の目的について原告は,視察先の事業内容が岡崎市政の参考にならない旨の主張を繰り返している。しかしながら,政治家たる議員が,その政治的信条に基づき,視察先の事業内容などの判断や分析などをして,岡崎市政に反映すべく政治活動を行うものである以上,自由な活動が最大限保障されるべきであり,政務調査費としての視察の是非について選挙民の審判を仰ぐことはあるものの,一見して岡崎市政とは全く無関係の視察であるような裁量権の逸脱である場合を除けば,政務調査費による視察について違法の評価を受ける余地はない。 そ 察の是非について選挙民の審判を仰ぐことはあるものの,一見して岡崎市政とは全く無関係の視察であるような裁量権の逸脱である場合を除けば,政務調査費による視察について違法の評価を受ける余地はない。 そして,各議員は,いずれの視察も議会での審議等に役立つものであった旨を述べているのであるから,何ら違法の評価を受けるものではない。 なお,視察目的に問題があるとの原告の主張に対する具体的な反論は,別紙7「視察目的に関する被告の主張」のとおりである。 (ウ) 日当,宿泊料及び航空賃についてa 日当及び宿泊料について本件旅費条例が準用されること岡崎市においては,市議会議員が公務により旅行する場合には,岡崎市議会の議員の報酬等に関する条例5条2項,本件旅費条例17条,18条により,市長等の例にならって,日当及び宿泊料をそれぞれ定額で支給することとされているところ,政務調査費による視察旅行の際の旅費も,本件要領により,本件旅費条例に準じることとされている。 日当は,旅行中の昼食費及びこれに伴う諸雑費並びに目的地である地域内を巡回する場合の交通費等を賄うために支給されるものであるところ,この日当については定額支給の建前がとられており,原則としてその用途をいちいちせんさくする必要はない。また,宿泊料も,旅行中の夜数に応じ1夜当たりの定額により支給すると定められており,当日の夕食代などの支出の有無をせんさくするまでもない。したがって,政務調査費から日当及び宿泊料を定額で支出することは違法でなく,実額で精算する必要はない。 なお,原告は,D2議員らが愛知県防災ヘリコプターを視察した際の名古屋空港ビル内での昼食代3850円を政務調査費から支出したことは,本件条例に違反する旨主張する。しかし,上記のとおり,日当を支出することは許され,また,用途をいちいちせんさくす ーを視察した際の名古屋空港ビル内での昼食代3850円を政務調査費から支出したことは,本件条例に違反する旨主張する。しかし,上記のとおり,日当を支出することは許され,また,用途をいちいちせんさくする必要がないところ,上記昼食代は,本件旅費条例17条1項2項に基づく1人当たり1500円の日当を超えないから,上記昼食代を政務調査費から支出することも適法である。 b 航空賃について原告は,航空賃について領収書等の提示がないことをもって違法な支出であると主張する。しかしながら,本件要領で「調査研究のための視察旅費は,原則として岡崎市職員等の旅費に関する条例の規定に準じて支出するものとする。」と定めており,本件旅費条例に定める手続のすべての遵守を政務調査費に係る視察旅費の支出手続に当たって要求しているわけではないから,原告の主張は失当である。 (エ) 一般行政視察と政務調査費による視察を同時に行うことについて原告は,一般行政視察と政務調査費による視察を同時に行うと,歳費の法定主義が崩壊してしまうと主張する。この主張の意味するところには分明ならざるところがあるが,一般行政視察にせよ政務調査費による視察にせよ,総枠として予算に計上されており,行き先については,一般行政視察の場合には議員と調整しながら,政務調査費による視察の場合には会派所属議員の自主性により決定されるものであるから,財務会計上,法律に何ら抵触するところはない。 (オ) B7議員の視察費用の弁済についてB7議員は,視察旅行目録2(3)記載の視察に使用した政務調査費について,平成17年2月15日,自民党市議団を通じて岡崎市に返還している。 したがって,百歩譲って,同視察について政務調査費から費用を支出することが違法であったとしても,自民党市議団ないしB7議員に利得が存しないのであるか 5日,自民党市議団を通じて岡崎市に返還している。 したがって,百歩譲って,同視察について政務調査費から費用を支出することが違法であったとしても,自民党市議団ないしB7議員に利得が存しないのであるから,原告の請求は前提を欠くこととなり,棄却されるべきである。 (カ) 請求金額について原告の主張はこれを争う。 ウ争点(3)ウ(資料作成費)について(原告の主張)(ア) 総論本件要領1(2)③では,私的な支出を政務調査費で賄うことまでは許していないところ,プリンターやデジタルカメラ(以下「プリンター等」と総称する。)を議員1人当たり1台まで確保する必要性はないから,これらは政務調査に資するために利用されているとは認められず,個人の所有物となる物品の購入であるといわざるを得ない。 被告は,議員の調査研究活動は,岡崎市議会の庁舎内においてのみなされるものではない旨主張するが,本件要領では「政務調査費は,……所属議員の個々に給付するものでなく」と規定されているから,被告の主張は失当である。プリンター等を1人1台あて確保することは,当該プリンター等は会派の管理を離れ,その使途が個人の裁量に任されることを意味するし,さらに当該プリンター等が5万円未満のものであれば消耗品として扱われるため,その処分までも議員の自由裁量にゆだねられることになる。 すなわち,自民新風会,公明党及び民主クラブが使用していたプリンター等の台数及び各所属議員数に照らすと,プリンター等の追加購入等は,私物の購入等にほかならないから「議員の調査研究に資するため」の要件に該当しない。 (イ) 各論a 自民清風会(自民新風会分)自民新風会(所属議員数13名)は,平成13年度に7台ものデジタルカメラを購入したにもかかわらず,平成14年度もデジタルカメラ4台(21万8610円)及び イ) 各論a 自民清風会(自民新風会分)自民新風会(所属議員数13名)は,平成13年度に7台ものデジタルカメラを購入したにもかかわらず,平成14年度もデジタルカメラ4台(21万8610円)及びカメラ1台(2万7090円)を購入し,その費用を政務調査費から支出した。 上記各支出は,個人の所有物となる物品の購入として違法なものであるから,岡崎市は,資料作成費に関し,自民新風会の権利義務を承継した自民清風会に対し,24万5700円の不当利得返還請求権を有している。 b 公明党(a) プリンターの購入公明党(所属議員数4名)は,平成13年度にプリンター1台を購入し,また,公明党の議員控室に議会備品としてプリンター1台が設置されていたにもかかわらず,平成14年5月26日,プリンター1台及びCD-RW(何回でもデータの書き込みができるコンパクトディスク)を合計4万6989円で,さらに同年8月1日,プリンター1台を3万9799円で,平成15年3月28日,プリンター1台及びUSBハブ(USB接続方式による中継装置であり,ローカルエリアネットワークの構築等に用いられるもの)を合計3万4832円でそれぞれ購入し,これらの代金を政務調査費から支出した。これら合計5台ものプリンターは,公明党所属議員4人では使い切れないものであって,私的所有を目的とした違法な支出である。 また,CD-RWはその使用目的が政務調査活動と関係するとは思われない。 (b) デジタルカメラの修理公明党は,平成14年10月31日,デジタルカメラ修理代金として7875円を政務調査費から支払った。しかし,公明党が平成13年度の政務調査費を利用して購入したデジタルカメラ3台は,同年12月以降に購入されたものであって保証期間内であるから,これらのデジタルカメラの修理であれば,公明党 支払った。しかし,公明党が平成13年度の政務調査費を利用して購入したデジタルカメラ3台は,同年12月以降に購入されたものであって保証期間内であるから,これらのデジタルカメラの修理であれば,公明党が修理代を負担する必要はないはずである。そうすると,上記修理代金は,公明党が購入したデジタルカメラでない私物に関するものと推測されるから私的経費にほかならず,政務調査費から支出されるべきではない。 また,保証期間であっても,購入した店舗に修理を依頼しなければ修理代金は無料とはならないところ,公明党は,平成13年度に購入した店舗(コンプマートないしヤマダ電機)とは別の店舗に修理を依頼しており,このことからも上記修理代金が無駄な支出であるといえる。 (c) 小括したがって,岡崎市は,資料作成費に関し,公明党に対し12万9495円の不当利得返還請求権を有している。 c 民主クラブ(a) プリンターの購入民主クラブは,平成13年度にプリンター2台を購入し,また,岡崎市議会の民主クラブの議員控室にプリンター1台が備品として設置されているにもかかわらず,平成15年2月5日,プリンター1台を4万5840円で購入し,代金を政務調査費から支出した。民主クラブの所属議員は2人にすぎず,4台目となる平成15年2月のプリンターの購入は不要であるから,同プリンターの購入代金は,政務調査費から支出されるべきではない。 なお,被告は,平成13年度に購入したプリンターが修理不能となって使用できなくなったため,平成14年度に1台購入したと主張する。しかし,平成14年3月28日に購入したプリンターならば,1年の保証期間内であるから,仮に修理不能の状態になったのであれば,欠陥品として交換対象になるし,不注意で破損したのであれば,破損した者が弁償すべきであって,政務調査費で再 入したプリンターならば,1年の保証期間内であるから,仮に修理不能の状態になったのであれば,欠陥品として交換対象になるし,不注意で破損したのであれば,破損した者が弁償すべきであって,政務調査費で再度購入することは許されない。 (b) デジタルカメラの購入民主クラブは,平成15年3月1日,デジタルカメラ1台を5万0190円で,さらに同月30日,デジタルカメラ1台を4万7565円で,それぞれ購入し,代金を政務調査費から支出した。これらも個人所有目的であるから,代金を政務調査費から支出することは許されない。 (c) 小括岡崎市は,資料作成費に関し,民主クラブに対し14万3595円の不当利得返還請求権を有している。 (被告の主張)原告の主張は争う。 (ア) 総論原告は,個人宅で管理することとなるプリンター等を購入することは政務調査費の使途基準に違反すると主張する。しかし,どこで管理しようと会派や所属議員の調査研究活動に必要なものであれば,政務調査費から支出して差し支えないことはいうまでもなく,原告の主張は独自の見解というべきである。 すなわち,議員の調査研究活動は,各議員の考えによって行われるものであるから,常に会派に所属する各議員が一緒に行動するわけではなく,また,必要な都度,写真に記録する必要があるから,事前にカメラを借り出して備えるという対応も困難である。したがって,議員各自がカメラを備えることが機動的な調査活動に資するのである。 また,議員の調査研究活動は岡崎市議会の庁舎内においてのみなされるものでなく,岡崎市内はいうに及ばず,岡崎市外や愛知県外へも調査に赴くことは当然であり,その結果をまとめるなどの作業も,議員の自宅やその他の場所において行う必要性があることは論をまたないから,議員がプリンターを会派事務室とは異なる場所において管 知県外へも調査に赴くことは当然であり,その結果をまとめるなどの作業も,議員の自宅やその他の場所において行う必要性があることは論をまたないから,議員がプリンターを会派事務室とは異なる場所において管理することも何ら問題はないというべきである。 (イ) 各論a 自民清風会(自民新風会分)自民新風会が,平成13年度に7台のデジタルカメラを購入したこと,平成14年度もデジタルカメラ4台及びカメラ1台を購入したことは認める(ただし,デジタルカメラ4台の費用は19万5930円である。)が,その余の原告の主張は争う。 b 公明党(a) プリンターの購入について公明党が平成13年度にプリンター1台を購入したこと,平成14年5月26日にプリンター1台及びCD-RWを合計4万6989円で,同年8月1日にさらにプリンター1台を3万9799円で,平成15年3月28日にプリンター1台及びUSBハブを合計3万4832円でそれぞれ購入したこと,公明党の会派事務室に岡崎市の備品としてプリンターが備え付けられていたことは認める。その余の原告の主張は争う。 なお,CD-RWは,大量のデータを蓄積できる記録装置であり,調査収集した写真などを含む大量のデータを蓄積するため必要性が認められることは当然である。 (b) デジタルカメラの修理について公明党が平成14年10月31日にデジタルカメラ修理代金として7875円を政務調査費から支払ったこと,公明党が購入したデジタルカメラ3台は,平成13年12月以降に購入したものであって保証期間内であることは認める。 修理したデジタルカメラは,その製造番号からも平成13年度に公明党が購入したデジタルカメラであることは明らかであるところ,故障が衝撃に起因するものであったため,保証対象とならなかったにすぎない。 なお,原告は,保証期間内 ,その製造番号からも平成13年度に公明党が購入したデジタルカメラであることは明らかであるところ,故障が衝撃に起因するものであったため,保証対象とならなかったにすぎない。 なお,原告は,保証期間内の修理は購入した店舗に依頼しなければ無料修理を受けられないから,公明党が他社に修理を依頼したことが無駄な支出であると主張する。しかし,保証対象外の故障を修理したものであるから,上記主張は意味をなさない。また,メーカーによる保証であるから,購入店でなければ無償修理とならないという点は事実に反し,前提を欠く主張である。 c 民主クラブ(a) プリンターの購入について民主クラブが,平成15年2月5日にプリンター1台を4万5840円で購入し,代金を支出したことは認めるが,その余の原告の主張は争う。 しかし,岡崎市から提供されたと原告が主張するプリンターと政務調査費で備えたプリンターとは用途が異なるから,両者を同視して論ずるのは不適当である。 また,民主クラブが平成13年度に購入したプリンター1台は,修理不能につき使用できなくなったため,平成14年度に1台購入したものであって,原告の主張は理由がない。 (b) デジタルカメラの購入について民主クラブが,同年3月1日にデジタルカメラ1台を5万0190円で,同月30日にデジタルカメラ1台4万7565円で,それぞれ購入し,代金を支出したことは認めるが,その余の原告の主張は争う。 エ争点(3)エ(資料購入費)について(原告の主張)公明党は,絵本3冊を2940円で購入し,その代金を政務調査費から支出した。しかし,これらは政務調査活動とは全く関係のないものであり,不当な支出である。仮に,政務調査活動に資するために購入したというなら,被告がいう「子供の読書離れを防ぎ,乳児の言葉と心をはぐくむための事例を調査研 これらは政務調査活動とは全く関係のないものであり,不当な支出である。仮に,政務調査活動に資するために購入したというなら,被告がいう「子供の読書離れを防ぎ,乳児の言葉と心をはぐくむための事例を調査研究するため」どのように活用されたのかを被告において立証すべきである。被告がこれを立証できなければ,上記絵本の購入代金は個人の趣味による私的経費とみざるを得ない。 したがって,岡崎市は,資料購入費に関し,公明党に対し2940円の不当利得返還請求権を有している。 (被告の主張)原告の主張は争う。 政務調査費による資料購入の正当性については,最終的には選挙民による政治的な審判を受けるべきものであり,違法性の問題は生じ得ない。 なお,当該絵本は,子供の読書離れを防ぎ,乳児の言葉と心をはぐくむための事例を調査研究するため購入されたものであるから,岡崎市の児童福祉行政に資することは明らかであり,現に公明党所属のD3議員は,平成14年6月議会において,絵本の読み聞かせに関する質問をしている。 オ争点(3)オ(広報費)について(原告の主張)(ア) 総論平成15年岡崎市条例第27号による本件条例の改正により,広報費が使途基準に追加されたのであるから,上記改正前は,広報費を政務調査費から支出することは許されない。 被告は,上記改正前も,「その他の経費」として広報費を政務調査費から支給することが許されていたと主張する。 しかし,他の市では政務調査費の項目に挙げている場合もある「広報費」を上記改正前の本件条例で挙げていないのは,広報費と本件条例5条で禁止する政党活動への支出との判別が困難であることから,広報費の支出を禁止する趣旨であると解さざるを得ない。 (イ) 各論a 自民清風会(自民党市議団分)自民党市議団は,広報費(市政報告費)として,平成14年4月10 支出との判別が困難であることから,広報費の支出を禁止する趣旨であると解さざるを得ない。 (イ) 各論a 自民清風会(自民党市議団分)自民党市議団は,広報費(市政報告費)として,平成14年4月10日に20万円を,同月11日に2万5200円を,同月15日に1万8239円及び5万7900円を,それぞれ政務調査費から支出したが,これらは,そもそも条例に根拠のない支出として違法である。また,日を置かずに4件の領収書が存在すること自体が不当な支出をうかがわせる。 なお,原告は,岡崎市情報公開条例(平成11年岡崎市条例第31号)に基づき,「平成14年度岡崎市議会議長に提出された広報紙」の開示を請求したところ,岡崎市議会議長は全面開示の決定をし,原告に対して「市政報告平成14年春」と題するはがき(甲19)と「日本共産党岡崎市議団ニュース」2枚(甲25の1・2)を送付してきた。しかし,岡崎市議会事務局は,原告がこれらの書証に基づく準備書面を提出した後である平成16年10月13日,交付し忘れていたとして,「市政報告(平成15年3月付け)」(甲31)を郵送してきた。しかし,交付し忘れというのは不自然であるから,上記市政報告は提訴後に作成されたものと推量される。 また,平成14年4月15日に発行された領収書は,ナンバーや筆跡及び金額の単価が異なることから,どちらかは異なった印刷物に対する支払であると推量される。 したがって,岡崎市は,広報費に関し,自民党市議団の権利義務を承継した自民清風会に対して30万1339円の不当利得返還請求権を有している。 b 日本共産党岡崎市議団日本共産党岡崎市議団は,平成14年5月29日の日本共産党岡崎市議団ニュースの発行費用として3万0315円を,同年10月10日の日本共産党岡崎市議団ニュースの発行費用として8万1396円を 崎市議団日本共産党岡崎市議団は,平成14年5月29日の日本共産党岡崎市議団ニュースの発行費用として3万0315円を,同年10月10日の日本共産党岡崎市議団ニュースの発行費用として8万1396円を,それぞれ政務調査費から支出した。 本件条例は,政務調査費から広報費を支出することを許していないから,上記各支出は条例に違反するものとして違法である。 なお,日本共産党岡崎市議団ニュースの内容に照らすと,同ニュースの配布は本件条例5条の禁止する政党活動であると思われる。 したがって,岡崎市は,広報費に関し,日本共産党岡崎市議団に対して11万1711円の不当利得返還請求権を有している。 (被告の主張)原告の主張は争う。 (ア) 総論本件条例に基づく別表中に研究研修費を始めとする6項目が掲げられ,その内容についての説明及び使途の例示がされているが,別表の使途の記載はあくまでも例示にすぎないのであるから,これに「広報費」の記載がなくても,「その他の経費」として広報活動に要する経費を支出することは可能である。 なお,平成15年岡崎市条例第27号による本件条例の改正は,改正前においては使用できなかった使途を新たに対象に加えたものではなく,従前から「その他の経費」として使用できた「広報費」を,条例上明確にしたにすぎない。 したがって,平成15年岡崎市条例第27号による本件条例の改正前であっても,広報費を政務調査費から支出することは許される。 (イ) 各論a 自民清風会(自民党市議団分)原告は,近接する日付の4件の領収書があることをもって,信憑性が疑われるとか,存在自体が不当な支出をうかがわせるなどと主張する。 しかし,自民党市議団は市政報告を刷り増ししたにすぎず,原告の主張は偏見によるものと断ぜざるを得ない。 b 日本共産党岡崎市議団日本共産党岡崎市議 存在自体が不当な支出をうかがわせるなどと主張する。 しかし,自民党市議団は市政報告を刷り増ししたにすぎず,原告の主張は偏見によるものと断ぜざるを得ない。 b 日本共産党岡崎市議団日本共産党岡崎市議団が,平成14年5月及び10月に市議団ニュースの印刷代として,合計11万1711円の支出をしたことは認めるが,その余の原告の主張は争う。 原告は,日本共産党市議団ニュースの発行をもって本件条例5条により政務調査費の使途の対象外とされる政党活動と主張するが,岡崎市議会を構成する日本共産党岡崎市議団所属議員が会派としてどのような活動をしたかを広報するものであり,政務調査費の使途としての問題は全くない。 カ争点(3)カ(ガソリン代)について(原告の主張)(ア) 電話代,ガソリン代の支出の不当性について電話代やガソリン代の定額配分は,本件要領の1(1)に該当する項目がない違法な支出である。仮に,各派代表者会議での申し合わせのとおり,電話代やガソリン代を,本件要領1(1)③で定める「会派事務のための通信運搬費としての郵便料」として,政務調査費から支出することが許されるとしても,会派等が行う調査研究活動に必要な経費と認められるためには,議員1人1人の具体的な使用料が立証される必要がある。このことは,「ガソリン代金のうちには,被告知者(市議会議員)が広報活動を行う際の交通費として使用されたと認められる部分も存在するところ,このような支出は規則の規定に照らし,広報費としての使途基準に合致すると解することもできないではない。しかしながら,本来,広報活動のための交通費として使用された部分を特定して報告する責任は被告知者にあるところ,前記認定のとおり,被告知者が広報活動を行うために自動車を使用した割合は,全体からみればごくわずかであり,また,広報活動を行う 通費として使用された部分を特定して報告する責任は被告知者にあるところ,前記認定のとおり,被告知者が広報活動を行うために自動車を使用した割合は,全体からみればごくわずかであり,また,広報活動を行うために使用された部分と私的に使用された部分を区分することは困難であることからすれば,本件広報費の支出は,全体として広報費の使途基準に合致しないと解するのが相当である。」とする裁判例(青森地方裁判所平成16年2月24日判決・公刊物未登載。甲36)からも明らかである。 これにもかかわらず,岡崎市議会議員が,平成14年度も電話代,ガソリン代の報告を支払証明書のみで済ませて定額で支出した点は,実費弁償の趣旨とかけ離れており,現に使用されなかった部分は不当利得として返還すべきである。 (イ) 市議会議長に対するガソリン代の支出について自民新風会は,平成14年4月から平成15年3月までの間,市議会議長たる議員を輩出していたところ,議長は,出退勤,訪問地への移動などに岡崎市の公用車を使っており,県外出張も多いことから,調査研究活動としてガソリン代をほとんど使っていない。 すなわち,平成14年当時のガソリン代を1リットル100円,ガソリン1リットル当たりの走行距離を8キロメートルとすると,月額1万5000円で購入できるガソリンで走行する距離は1200キロメートルであり,1か月20日間自動車による調査研究活動を行ったと仮定すると,1日当たり60キロメートル移動する計算となる。市議会議長(平成14年4月1日から同年11月15日まではA13,同月15日から平成15年3月31日まではA2)は,出退勤や公務たる訪問地への移動には岡崎市の公用車を使用し,また県外出張も多い上,A13及びA2とも会社を経営して多忙であることにかんがみると,他の議員と同様に自家用車を利用し 1日まではA2)は,出退勤や公務たる訪問地への移動には岡崎市の公用車を使用し,また県外出張も多い上,A13及びA2とも会社を経営して多忙であることにかんがみると,他の議員と同様に自家用車を利用して,市中央部から周辺への活動を月20回実施することはできない。 それにもかかわらず,市議会議長が,ガソリン代として他の議員と同額である18万円(月額1万5000円)を受け取っているのは不当である。そこで,市議会議長に支給されたガソリン代18万円は,自民新風会の権利義務を承継した自民清風会の不当利得として,返還されるべきである。 (被告の主張)原告の主張は争う。 (ア) 定額支出の根拠原告は,電話代やガソリン代についてその他の経費に該当する項目がないと主張しているが,本件条例5条3号を受けて議長が定めた本件要領において,その他の経費として充てられる経費として,「会派等が行う調査研究活動及び議会活動並びに市の施策について住民に報告,PRするために要する経費」が定められているから,電話代やガソリン代はいずれも調査研究活動ないしは議会活動に要する経費であるといえる。 本件各会派は,電話代及びガソリン代について,事務の煩雑化を防ぐため,実費を上回らない額を定め,定額で支出しているところである。ガソリン代の積算根拠は,市中央部から周辺への活動を月20回実施するとして試算すると月額1万6000円と見込まれるところ,各派代表者会議において議員1人月額1万5000円を限度として支出できるものと申し合わせたものである。 なお,原告は,電話代,ガソリン代の支出について,支払証明書のみで済ませている点が実費弁償の趣旨とかけ離れていると主張する。原告の主張の意味するところは不明確であるが,電話代及びガソリン代として支出されている額が実際に使用されている額を上回ってい 払証明書のみで済ませている点が実費弁償の趣旨とかけ離れていると主張する。原告の主張の意味するところは不明確であるが,電話代及びガソリン代として支出されている額が実際に使用されている額を上回っているとする趣旨であるならば,原告はその根拠を示すべきである。 (イ) 市議会議長に対する支出a 原告は,議長については,在任中の出退勤,訪問地への移動などに岡崎市の公用車を使用しているから,政務調査活動としてのガソリン代の支出はほとんどないはずであると主張する。 なるほど,議長が市役所への登退庁や市議会としての公務による出張について公用車を使用していることは当然である。しかしながら,議長も,これら以外の時間においては,議員として政務調査を行っており,政務調査費からガソリン代を支出することに何ら問題はない。 また,原告は,ガソリン代の支出について,ガソリンの単価,1リットル当たりの走行距離などを挙げて不当利得となると主張するが,ガソリンの単価や1リットル当たりの走行距離については,必ずしも原告指摘の数値が正しいわけではなく,また,調査研究活動として市内のみならず市外,県外へも出かけることはあり得るから,原告の主張は前提を欠く。 b さらにいえば,そもそも政務調査費は会派に対して支給されるところ,ガソリン代として支出できる範囲の政務調査費を,会派所属議員のだれにいくら配分するかについては,会派の自主的な判断にゆだねられるべきものであるから,原告の主張は前提を欠くものといわざるを得ない。 第3 当裁判所の判断 1 主張立証責任の所在及び立証の程度について本訴は,地方自治法242条の2第1項4号(ただし,平成14年法律第4号による改正後のもの)に基づき,本件各会派に対して不当利得の返還を請求することを求めるものである。これは,当該地方公共団体が,請求の相 ,地方自治法242条の2第1項4号(ただし,平成14年法律第4号による改正後のもの)に基づき,本件各会派に対して不当利得の返還を請求することを求めるものである。これは,当該地方公共団体が,請求の相手方とされた者に対して,実体上の不当利得返還請求権を有していることを前提とするところ,一般的には,不当利得返還請求権の存在を主張する者が,受益者が「法律上の原因なく」他人の財産又は労務によって利益を受け,そのために他人に損失を及ぼしたことについて主張立証責任を負うというべきである(最高裁判所昭和39年4月7日第三小法廷判決・集民73号35頁,最高裁判所昭和59年12月21日第二小法廷判決・集民143号503頁参照)。 もっとも,不当利得返還請求権の存在を主張する者が,「法律上の原因なく」利得した事実の主張立証責任を負うといっても,およそ考えられる一切の法律上の原因の不存在を主張立証しなければならないものではなく,その類型や証拠との距離を考慮しつつ,当該事案において通常考えられる程度に財貨移転の正当化原因が存在しないことを主張立証した場合には,相手方においてこれを正当化する具体的事情につき反証する必要が生ずるというべきである。 本件についてこれを検討するに,原告が,岡崎市への不当利得の返還を請求するように求めている以上,本件条例の定める使途基準に反して政務調査費が用いられたことなどの事実は,原告において主張立証すべきものであるが,収支報告書及び領収書等の写しは議長に提出されるため(本件条例7条1項2項),原告が岡崎市情報公開条例に基づいて収支報告書及び領収書等の写しを入手することは原則として可能であるものの,政務調査費の収支に係る事項を記載した会計帳簿や視察報告書については会派において保存される(本件規則7条,「政務調査費に関する申し合わせ事項 収書等の写しを入手することは原則として可能であるものの,政務調査費の収支に係る事項を記載した会計帳簿や視察報告書については会派において保存される(本件規則7条,「政務調査費に関する申し合わせ事項」2(乙24))ことに照らすと,原告が,政務調査費が本件条例の定める使途基準に反して支出されたなどの事実を推認させる一般的,外形的な事実を主張立証した場合には,被告は,その推認を妨げるべく,本件条例の定める使途に政務調査費が使用されたことを具体的に明らかにする必要があるというべきである。 以下,この見地から検討を加えることとする。 2 争点(1)(政務調査費の性質)について(1) 地方自治法100条13項及び14項の立法経緯証拠(甲40,42の1)及び弁論の全趣旨によれば,地方自治法100条13項及び14項(平成12年法律第89号による改正直後は同条12項及び13項)についての立法経緯は,以下のとおりであると認められる。 ア地方自治法232条の2に基づく政務調査費の実情昭和22年制定当時の地方自治法203条1項,2項は,地方公共団体の議会の議員に対して,報酬を支給し,費用弁償を行う旨を定めていたところ,地方公共団体の中には,地方自治法上の明文のない通信費,交通費,調査研究費,退職金,弔慰金などを支給していたところがあり,一般職及び特別職を通じて,給与の実態は地方公共団体ごとにまちまちであった。このような混乱した状況を抜本的に一掃すべく,昭和31年法律第147号による改正により,地方自治法204条の2が追加され,地方公共団体は,法律又はこれに基づく条例に基づかずには,給与その他の給付を支給することができないこととされた(なお,このときに,議員に対して期末手当を支給できる旨の規定が追加された。)。 これにより,従来のように議員個人に対して,定額 例に基づかずには,給与その他の給付を支給することができないこととされた(なお,このときに,議員に対して期末手当を支給できる旨の規定が追加された。)。 これにより,従来のように議員個人に対して,定額の調査研究旅費を支給することはできなくなった。また,県議会の各会派に対する調査研究費の交付の可否及びその方法について照会を受けた自治省行政課長は,「従来の調査研究旅費にかわるものとして,県議会各会派に対し調査研究費を支給することは,その内容が実質的に従来どおりであると認められる限り,できないものと解する。」(昭和31年9月6日自丁行発第59号)と回答した。 そのため,都道府県を初めとする地方公共団体は,地方自治法232条の2に基づき,会派に対して,会派の調査などの活動の費用の一部を補助する目的で政務調査費を支出するようになり(なお,平成12年6月1日時点では,すべての都道府県,74.8パーセントの市で政務調査費が支給されていた。),その法制化の要望が強かった。 もっとも,同時点で政務調査費を支給していた502の市のうち,46市においては,全議員で構成する「市政調査会」や「グループ等」をも交付対象としていたところ,研究者等から,会派に交付する場合には,当該団体の議会運営において会派としての取扱いがされていないにもかかわらず,政務調査費の交付においてのみ会派扱いをするようなことは認められず,したがって,従来のように,交付の対象が会派とされていながら,1人会派や会派要件を満たしていない「市政調査会」,「グループ等」にも支給するような運用は認められないという指摘がなされた。 イ平成12年改正による政務調査費の制度化平成11年7月には,「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(平成11年法律第87号)が成立し,地方公共団体の自己決定 指摘がなされた。 イ平成12年改正による政務調査費の制度化平成11年7月には,「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(平成11年法律第87号)が成立し,地方公共団体の自己決定権,自己責任が拡大したことに伴い,議会の機能,役割がさらに大きくなると認識されるようになった。 このような状況下で,全国都道府県議会議長会は,平成11年10月,「地方議会の権限の強化と制度の充実を図り,都道府県政調査交付金の法的な位置づけを明確にするとともに,条例で議員活動に要する経費を支給できるよう,地方自治法を改正すること」を決議し,同年11月には,国会や自治省など関係行政庁に対して,地方公共団体の議会を構成する議員の活動基盤強化が不可欠であるとし,「地方分権の推進に応じて,一層積極的,効果的な議員活動が行われるよう,現在認められている報酬,期末手当,費用弁償のほかに,地方公共団体が状況に応じ,自主的に条例で議員活動に必要な経費(例えば文書通信費,事務所費など)を支給できるようにすること」を要望した。また,全国市議会議長会も,同月ころ,国会や自治省などの関係行政機関に対して,議会機能の充実強化を図る必要があることから,「地方議会議員の政策立案・調査研究に資するため,政務調査交付金の支出について法的根拠を設けること」を要望した。 これを受けて,「地方自治法の一部を改正する法律案」は,平成12年5月18日,衆議員地方行政委員会で審議された上で,同日,衆議院本会議で全会一致で可決された。その後,同法案は,参議院に回付され,同月23日,参議院地方行政・警察委員会で可決された後,同月24日,参議院本会議で全会一致により可決,成立した(平成12年法律第89号)。 なお,衆議院本会議においては,提案趣旨につき,「地方議会の活性化を図るためには,その審 警察委員会で可決された後,同月24日,参議院本会議で全会一致により可決,成立した(平成12年法律第89号)。 なお,衆議院本会議においては,提案趣旨につき,「地方議会の活性化を図るためには,その審議能力を強化していくことが必要不可欠であり,地方議員の調査活動基盤の充実を図る観点から,議会における会派等に対する調査研究費等の助成を制度化し,併せて,情報公開を促進する観点から,その使途の透明性を確保することが重要になっております。」と説明された。もっとも,上記各委員会及び各本会議においては質疑応答は全くなく,提案趣旨の説明においても,「会派又は議員」を対象とすることとした理由について何ら言及されていない。 (2) 政務調査費の性質ア地方自治法100条13項の政務調査費の交付対象及び性質上記認定に係る立法の経緯によれば,①昭和31年改正以後は,法律又はこれに基づく条例に基づくとはいえない政務調査費を議員個人に交付することはできなくなったため会派に対して補助金として交付していたこと,②全国都道府県議会議長会は,地方公共団体の議会の議員の活動基盤強化の必要性を強調していたこと,③全国市議会議長会は,地方議会議員の政策立案・調査研究に資するため,政務調査費の支出について法的根拠を設けることを要望していたこと,④「会派又は議員」と定められた趣旨は国会における審議過程からは明らかではないこと,以上のように要約することができる。 これらによれば,「会派又は議員」と定めた趣旨は,①のように会派に対してしか政務調査費を支出できない状況を改め,当該地方公共団体の実情に応じて,議員個人に対して直接政務調査費を交付することを可能とすることも含まれていると解する余地が十分にあり,必ずしも,原告の主張するように「会派又は議員」とした趣旨を1人会派に対する支給の問 情に応じて,議員個人に対して直接政務調査費を交付することを可能とすることも含まれていると解する余地が十分にあり,必ずしも,原告の主張するように「会派又は議員」とした趣旨を1人会派に対する支給の問題点の解消のためと断定することはできない。このことは,100条13項後段が,政務調査費の交付の対象を条例で定めなければならない旨を規定していることからも明らかである(なお,全国市議会議長会の「政務調査費の交付に関する標準条例等検討委員会」が作成した報告書では,交付対象(会派,議員,会派及び議員)ごとに条例案のひな型が作成されている。甲42の1)。 そして,(1)アの研究者等の指摘は,条例で支給対象を「1人会派を除く会派」と定めながら,1人会派や会派の要件を満たしていない「みなし会派」に対して政務調査費を交付することは認められないことを指摘するにとどまり,交付を受けた会派が会派所属の個々の議員に対し,その行った調査研究活動の経費に充てるべく政務調査費を支給すること自体を否定するものではない。そもそも,調査研究活動は,会派が主体となって行うことも可能ではあるが,個々の議員の政治的関心等を反映して,個人が主体となって行う必要性が高いことも否定できないこと,実際にも,地方議会の議員は住民から直接選出され,議会に議案を提出することができるのであるから,その政策立案能力を高めることが望ましいと考えられ,そのために,議会における図書室の設置とともに,政務調査費の制度化がなされたこと,1人会派については政務調査費を交付することが許容されるが,会派に属する個々の議員の行った調査研究活動には政務調査費を一切充てることができないと解するのは均衡を失すると考えられること,これらを総合すれば,地方自治法100条13項は,会派が主体となって行われる調査研究活動のみに政 行った調査研究活動には政務調査費を一切充てることができないと解するのは均衡を失すると考えられること,これらを総合すれば,地方自治法100条13項は,会派が主体となって行われる調査研究活動のみに政務調査費を充てることを予定した規定とは考えられず,議員個人に対して直接政務調査費を交付することも,また,会派を通じて所属の議員に対して政務調査費をその使途に従って支給することも禁止する趣旨のものではないと解するのが相当である。 イ本件条例における政務調査費の性質上記のとおり,地方自治法100条13項は,議員個人に対して政務調査費を支出することを許容していると解されるが,当該地方公共団体の判断によって,政務調査費を会派に対してのみ交付し,会派として行われた活動についてのみ政務調査費からの支出を認めるような条例を制定することもまた,地方自治法100条13項の趣旨に反しているとはいえない。 そこで,本件条例に基づく政務調査費の性質について検討するに,本件条例1条は,「地方自治法(略)第100条第13項及び第14項の規定に基づき,岡崎市議会(略)の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,政務調査費を交付することに関し必要な事項を定めるものと」規定しており,究極的には議員の調査研究に資することが政務調査費の目的であることはその文言上も明らかである。 もっとも,本件条例2条は,政務調査費の交付対象を議会における会派又は会派に属さない議員(両者を「会派等」という。)と規定し,本件条例の別表に定める使途基準は,会派等が研究会等を開催し,会派等が研修会に参加し,会派等が調査研究活動を行うことを前提としているから,一見すると,会派に属する議員が,会派から具体的な指示を受けないで個人的に調査研究活動を行うことは認められていないようにも思われる。 しかし し,会派等が調査研究活動を行うことを前提としているから,一見すると,会派に属する議員が,会派から具体的な指示を受けないで個人的に調査研究活動を行うことは認められていないようにも思われる。 しかし,会派に属さない議員については,それぞれの判断で行った調査研究活動の経費に政務調査費を充てることが許されるのに,会派に属する議員については,これが許されないと解するのは均衡を失する上,そもそも会派が政治的信条や政策等を共通にする集団として調査研究活動を行い,政策を立案するためには,その前提として,会派を構成する議員がそれぞれ充実した調査研究活動を行う必要があることはいうまでもない(かかる議員の調査研究については,明示的ないし黙示的に会派から委任を受けて活動していると評価することも十分に可能である。)。したがって,本件条例は,会派を構成する議員による調査研究活動についても,政務調査費の支出の対象とすることを許容していると解するのが相当である。 (3) 小括よって,岡崎市議会の議員が調査研究活動を行うのに要した費用を,政務調査費から支出することは,本件条例の定める使途基準に反するものではないと判断するのが相当である。 3 争点(2)(地方自治法208条の適用・類推適用)について地方自治法208条1項,2項(及び220条3項本文)の定める会計年度独立の原則は,一定の期間を画して,普通地方公共団体の収入と支出の均衡を図り,金銭の受払の関係を明確にするために設けられたものであるところ,208条が同法の第9章財務の章の第1節「会計年度及び会計の区分」の冒頭に置かれており,同じ章には,第2節予算,第3節収入,第4節支出,第5節決算,…第10節住民による監査請求及び訴訟等が規定されていることに照らすと,同条は,地方自治法が財政運営の健全化を強く確保すべく, れており,同じ章には,第2節予算,第3節収入,第4節支出,第5節決算,…第10節住民による監査請求及び訴訟等が規定されていることに照らすと,同条は,地方自治法が財政運営の健全化を強く確保すべく,種々の規制を加えている普通地方公共団体に関するものであり,地方議会の会派のように,本質的に任意団体としての性質を有する団体に適用ないし類推適用されるべき規定でないことは明らかである。また,実質的に考えても,会派に対して,普通地方公共団体と同様の会計年度や会計年度独立の原則を強制すべき必要性は何ら認められない。 そうすると,地方公共団体の議会の会派等について地方自治法208条1項の適用がないことはもちろん,同条項の類推適用の余地もないといわざるを得ず,原告の主張は採用できない。 4 争点(3)(政務調査費の具体的支出の適法性)について(1) 争点(3)ア(使途基準該当性の判断基準)についてア本件条例5条本文は,「会派等は,政務調査費を別表に定める使途基準に従い使用するものとする。」と定めて使途基準に従った支出を義務付けているところ,別表において研究研修費,調査旅費,資料作成費,資料購入費,広聴費,その他の経費という6項目の使途基準を定めている。そして別表中,調査旅費,資料作成費,資料購入費及びその他の経費において,「調査研究活動に必要な」という文言が挿入されていることからも明らかなとおり,会派等による調査研究活動に必要な経費についてのみ政務調査費から支出をすることが許されるのであって,調査研究活動に必要でない経費を政務調査費から支出した場合には,当該会派等が法律上の原因なく岡崎市の財産によって利得し,その反面,岡崎市が損失を受けたという関係にあることは明白である。 もっとも,会派等による政治活動の自由は,普通地方公共団体における住民自治を支え 会派等が法律上の原因なく岡崎市の財産によって利得し,その反面,岡崎市が損失を受けたという関係にあることは明白である。 もっとも,会派等による政治活動の自由は,普通地方公共団体における住民自治を支える根幹として重要な機能を果たしているものであるから,岡崎市議会の会派等が,いかなる事項を対象に,いかなる態様で調査研究活動を行うかについては,基本的には会派等の良識に基づく判断にゆだねられているといわざるを得ない。したがって,岡崎市議会の会派等が行う調査研究活動として合理性ないし必要性を欠くことが明らかであると認められない限り,政務調査費の支出が本件条例の使途基準に反するものとはいえないから,法律上の原因を欠くとまではいえない(会派等が,政務調査費の使途に関し,当該普通地方公共団体の住民に対して政治的な責任を負っていることは別論である。)。 イ他方,本件条例5条ただし書は,「次に掲げる経費については使用することができない。①党費その他政党活動に要する経費,②慶弔費,見舞金その他の交際的活動に要する経費,③前2号に掲げる経費のほか,議長が政務調査費の使途に適さないものと認める経費」と定めて特定の類型の経費については政務調査費からの支出を禁止しているから,岡崎市議会の会派等が,同条ただし書に列挙した経費に政務調査費を支出することは本件条例の使途基準に違反するものであり,その場合,当該会派等が法律上の原因なく岡崎市の財産によって利得を受け,そのために岡崎市に損失を及ぼしたという関係にあることは明白である。また,同条ただし書1号,2号所定の各経費は,調査研究活動に要する経費とはおよそ考えられないことに照らすと,これらの経費に該当するか否かの判断について会派等の裁量権を認める余地はないというべきである。 (2) 争点(3)イ(調査旅費)についてア 研究活動に要する経費とはおよそ考えられないことに照らすと,これらの経費に該当するか否かの判断について会派等の裁量権を認める余地はないというべきである。 (2) 争点(3)イ(調査旅費)についてア政務調査費の一部返還について前提事実等(5)記載のとおり,視察旅行目録2(3)記載の視察旅行については,B7議員が,政務調査費から支出した14万1980円及びこれに対する利息を自民党市議団(自民清風会)あてに返還し,自民党市議団(前同)の経理責任者であるB3議員は,岡崎市に対し,これにより生じた平成14年度の政務調査費の残余額13万4722円及びこれに対する平成15年4月1日から返還日である平成17年2月15日までの民法所定の年5分の割合による利息1万2678円を返還している。 そうすると,仮に,上記視察旅行に政務調査費を支出することが本件条例の使途基準に合致しなかったとしても,自民党市議団の権利義務を承継した自民清風会に利得は現存せず,また,岡崎市にも損失は現存しないので,現時点では,上記視察旅行に関する部分について不当利得返還請求権は存在していないことが明らかである。 したがって,その余の点を論ずるまでもなく,原告の請求のうち,視察旅行目録2(3)記載の視察旅行に関する部分について,自民党市議団の権利義務を承継した自民清風会に対して不当利得返還請求権の行使を求める部分は理由がない。 イ視察の有無について原告は,視察旅行目録2(2),同(4),同(5),同(8),同(9),同(11),同(15),同(16),5(1)及び同(2)各記載の視察旅行は,当該議員が実際に視察をしていない旨主張し,その根拠として,①視察先とされる地方公共団体に訪問記録が残っていないこと,②視察報告書が原告に開示されなかったから,視察報告書は証拠とはならないこと は,当該議員が実際に視察をしていない旨主張し,その根拠として,①視察先とされる地方公共団体に訪問記録が残っていないこと,②視察報告書が原告に開示されなかったから,視察報告書は証拠とはならないことを挙げる。 まず,①について検討するに,視察先とされる地方公共団体に訪問記録が残っていなかったとしても,当該地方公共団体側の事情で記録が作成されなかった可能性や,視察日程に現地の地方公共団体関係者との面談等が組み込まれていなかった可能性があるから,直ちに視察自体がなかったと認めることはできない。そして,当該視察に関して視察報告書が作成されている以上,その視察報告書の信用性等を吟味して,視察の有無を判断すべきである。 しかるところ,視察報告書(乙10の3・4・5・8・9・11・15・16,18の1・2)の記載内容はいずれも具体的であり,その信用性は十分に認められるから,視察先の地方公共団体に訪問記録が残っていなかったとしても,原告の指摘する視察旅行目録2(2),同(4),同(5),同(8),同(9),同(11),同(15),同(16),5(1)及び同(2)各記載の視察が実際にはなかったとは認められない。 なお,原告は,視察旅行目録5(2)記載の視察旅行について,松江市にノンアイススケートリンクがあるか疑問であると主張するが,岡崎市議会議長が平成15年3月20日付けで「ポートピア松江ビル4F松江アリーナ支配人」あてに,行政視察について協力を依頼する文書を発していること(乙28)に照らすと,同視察旅行当時,松江アリーナという名称のノンアイススケートリンクが実際に存在したと認められるから,原告の上記主張は採用できない。 次に,②について検討するに,視察報告書は,本件各会派の代表者が政務調査費を使用した視察を行った議員から提出を受け,保存されるものである 際に存在したと認められるから,原告の上記主張は採用できない。 次に,②について検討するに,視察報告書は,本件各会派の代表者が政務調査費を使用した視察を行った議員から提出を受け,保存されるものである(本件要領2(2),「政務調査費に関する申し合わせ事項」2参照。乙14,24)ところ,これを住民に開示することは,政務調査費の使途の透明性の確保の観点から望ましいことと考えられる(岡崎市監査委員も,視察報告書の議会事務局での一元的管理,視察報告書の閲覧・公開等について検討するように要望している。甲7)。しかし,会派等が,住民に対して視察報告書を開示しなければならないとする法的根拠は認め難いから,本件各会派の代表者が原告からの視察報告書の開示要求を拒否したとしても,それだけでは視察報告書が存在しなかったと推認することはできず,また,被告が,現に視察が行われた事実などを立証すべく,視察報告書を証拠として提出することに格別問題はないというべきである。 ウ視察の目的について(ア) 原告は,①市町村役場を訪問せず,いわゆる観光地とされる場所のみを見学した場合には,当該視察は公益性を欠き,②また,具体的な視察先が岡崎市政との関連性に乏しい点で,視察旅行目録1(2)記載の視察旅行のうち秋田県大曲市及び仙北郡角館町分,同(3)記載の視察旅行,同(4)記載の視察旅行のうち北海道小樽市分,同(6)記載の視察旅行のうち鹿児島県西之表市分,2(1)記載の視察旅行のうち北海道根室市分,同(2)記載の視察旅行,同(4)記載の視察旅行,同(5)記載の視察旅行,同(6)記載の視察旅行のうち北海道奥尻郡奥尻町分,同(7)記載の視察旅行のうち沖縄県宜野湾市分,同(8)記載の視察旅行,同(9)記載の視察旅行,同(15)記載の視察旅行のうち鹿児島県指宿市分,3記載の視察旅行のう 察旅行のうち北海道奥尻郡奥尻町分,同(7)記載の視察旅行のうち沖縄県宜野湾市分,同(8)記載の視察旅行,同(9)記載の視察旅行,同(15)記載の視察旅行のうち鹿児島県指宿市分,3記載の視察旅行のうち青森県上北郡六ヶ所村分,5(2)記載の視察旅行は,いずれも政務調査費から費用を支出することは許されない旨主張する。 しかし,法律上の原因なく政務調査費から視察旅費を支出したため,議員に利得が発生し,岡崎市に損失が生じていることから,不当利得返還請求権が発生するといえるのは,当該視察旅行について調査研究活動としての合理性ないし必要性が明らかに欠ける場合に限られることは,上記(1)アで判示したとおりである。 以下,この見地から検討を加えることとする。 (イ) まず,議員が市町村役場を訪問していない点を検討するに,一般論としては,市町村役場を訪問して当該市町村の職員から実情を聴取することが望ましいとはいえようが,訪問先の市町村役場における業務の繁忙度によってはかかる聴取が行うことができない,あるいは困難である場合があり,また市町村役場を訪問しなくても,教育文化施設等の職員や利用者等から同施設等の実情を聴取するなどの方法で調査研究活動を行うことは十分に可能と考えられる。そうすると,議員が市町村役場を訪問していないからといって,直ちに調査研究活動としての合理性ないし必要性が明らかに欠けるとはいえない。 また,議員の視察先が博物館・美術館等の教育文化施設や駅周辺などの観光地であっても,岡崎市における教育文化施設の充実や「まちおこし」との関連性を肯定し得る場合があるから,具体的な視察場所・視察目的・視察に基づく岡崎市政への提言等の有無などを考察して,調査研究活動としての合理性ないし必要性が明らかに欠けるかを判断する必要がある。 この見地から,別紙6「視察 あるから,具体的な視察場所・視察目的・視察に基づく岡崎市政への提言等の有無などを考察して,調査研究活動としての合理性ないし必要性が明らかに欠けるかを判断する必要がある。 この見地から,別紙6「視察目的に関する原告の主張」の当否を検討する。 (ウ)a 自民清風会(自民新風会分)(a) 視察旅行目録1(2)記載の視察について(乙8の2)A3らは,平成14年4月17日,秋田県大曲市で新交通システム(巡回バス)を視察した。大曲市の巡回バスは,子供から高齢者まで広く親しまれるバスを目指し,県内初でノーステップバスを採用し,だれがどこまで乗っても100円という運賃体系を採用しているなどの特徴がある。他方,岡崎市でも,巡回バスが試験的に運行されているから,大曲市の巡回バスの視察が岡崎市政と関連していることは明らかである。 また,A3らは,同月18日,秋田県仙北郡角館町で歴史的景観保護の現況を調査する目的で,角館町の武家屋敷(6家)を視察した。角館町は,佐竹北家の城下町として発展し,現在も武家屋敷の点在する通りが「武家屋敷通り」として整備されている。岡崎市は,戦災で旧城下町は消失したものの,全国的にも寺院が多いことから,A3らは「寺町通り」としての整備を調査していると認められ,角館町の武家屋敷の視察が岡崎市政と関連していないとはいえない。 (b) 視察旅行目録1(3)記載の視察について(乙8の3)A12は,平成14年6月8日,山梨県北巨摩郡須玉町で「おいしい学校大正館」を視察した。これは,廃校のため空床となった教室を有効利用し,各種メニューの体験講座を開設しているほか,宿泊施設,レストラン,入浴施設に転用しているものであり,まちおこしに役立っている。 岡崎市内の国民宿舎「桑谷山荘」は現在も営業しているが,経営状況の改善が課題となっているところ 開設しているほか,宿泊施設,レストラン,入浴施設に転用しているものであり,まちおこしに役立っている。 岡崎市内の国民宿舎「桑谷山荘」は現在も営業しているが,経営状況の改善が課題となっているところ,A12は,同国民宿舎でも同様の講座や教室を開催することを提言していきたいとしている。そうすると,須玉町の「おいしい学校大正館」の視察が岡崎市政と関連していないとはいえない。 (c) 視察旅行目録1(4)記載の視察について(乙8の4)A8らは,平成14年7月4日,北海道小樽市を訪れ,同市の職員から,小樽の歴史と景観形成のあゆみ及びまちづくり景観条例の概要を聴取して,小樽市の景観行政の概要を視察した。 小樽市は港湾都市であり,城下町たる岡崎市とは景観の形成の過程は異なるものの,岡崎市政にとっても都市景観の形成は重要な課題であるから,小樽市における景観行政の調査は,岡崎市政と関連性があると認められる。 (d) 視察旅行目録1(6)記載の視察について(乙8の6)A2らは,平成14年10月31日,鹿児島県西之表市でコミュニティ活動促進推進事業及び種子島総合開発センターを視察した。 西之表市におけるコミュニティ活動促進推進事業は,地域の活性化を図り,集落機能の充実と地域相互の交流と連携を強め,自主的な地域づくり活動に対する支援施策である。西之表市は,人口が1万9000人弱にとどまり,人口30万人を超えた岡崎市とは異なる面も多いが,自主的な地域づくり活動という小規模できめ細やかな事業に対して助成を行うことにより,施策のすきまを埋めることも可能であるという意味で,岡崎市政としても示唆を得ることができると考えられる。 また,種子島総合開発センターは,会議室,研修室,郷土資料室及び鉄砲展示室からなる施設であるところ,コミュニティ活動促進推進事業の調査を行っ で,岡崎市政としても示唆を得ることができると考えられる。 また,種子島総合開発センターは,会議室,研修室,郷土資料室及び鉄砲展示室からなる施設であるところ,コミュニティ活動促進推進事業の調査を行った西之表市の実情を知るために有益であると認められるほか,文化施設の整備状況として参考になる点がないわけではない。 そうすると,西之表市のコミュニティ活動促進推進事業及び種子島総合開発センターの視察は,岡崎市政と関連していないとまではいえない。 b 自民清風会(自民党市議団分)(a) 視察旅行目録2(1)記載の視察について(乙10の1)B8は,平成14年7月3日,北海道根室市で地域防災計画を調査した。根室市は,1843年以来6回の大きな地震に見舞われ,うち3回は津波を伴う災害に遭ったことから,「自分たちの地域は自分で守る」という意識で住民が連携し,町内会の自主防災組織づくりを推進している。 岡崎市は内陸部に位置するため津波被害のおそれはないが,地震対策の必要性があることはいうまでもなく,そのために自主防災組織を整備しようとしている根室市の行政の在り方を調査することは,岡崎市政にとって有益であると認められる。 なお,原告は,B8の支出額が同行した一般行政視察の議員の経費よりも多いのは不当である旨主張する。しかし,B8は帯広駅から直接新千歳空港に赴いたことから,本件旅費条例による特別急行料金の支給対象となったのに対し,一般行政視察の議員は帯広から新得町に向かったことから,100キロメートルの距離がない帯広・新得間については特別急行料金の支給対象とはならなかった(本件旅費条例13条2項1号)ことにより,この差額(350円)が生じたと認められるから,何ら不当ではない。 (b) 視察旅行目録2(2)記載の視察について(乙9,10の3)B2は,平成1 なかった(本件旅費条例13条2項1号)ことにより,この差額(350円)が生じたと認められるから,何ら不当ではない。 (b) 視察旅行目録2(2)記載の視察について(乙9,10の3)B2は,平成14年7月9日から同月12日にかけて,群馬県館林市で向井千秋記念子ども科学館を,栃木県足利市で足利学校を,群馬県甘楽郡妙義町でふるさと美術館を,長野県諏訪市で原田泰治美術館をそれぞれ視察しているところ,その報告書の「視察内容と結果」欄に記載された同人の感想等からは,視察結果をどのように岡崎市政にいかしたいと考えているのか,必ずしも明らかではない。 しかし,B2の所属する自民党市議団は,教育文化施設の調査研究のため,上記視察を行ったと回答しているところ,上記視察は,岡崎市に所在する教育文化施設の整備等にとって参考にならないとはいえないから,岡崎市政と全く関連性を有しないとまではいえない。 (c) 視察旅行目録2(4)記載の視察について(乙10の4)B7は,平成14年8月26日に,三重県志摩郡阿児町で近鉄鵜方駅の駅舎を視察した。すなわち,同駅舎は,海の玄関都市と呼ぶにふさわしい外観を備えているほか,先進的なバリアフリー設備を備えている。高齢化社会の進展に伴いバリアフリー設備の重要性が高まっているところ,岡崎市では市役所の北庁舎やJR東岡崎駅など車いすの利用者が支障を感じる施設が見受けられることから,バリアフリー設備の設置の必要性に関して,岡崎市政と関連性がないとまではいえない。 また,B7は,同月27日,三重県亀山市で亀山城下町と東海道亀山宿を視察した。亀山宿内の道は,見通しがきかない曲線であったり,突然直角に折れ曲がったりしているほか,随所に寺社が多いなど岡崎市の城下町との共通点が多い。B7は,岡崎市は徳川家康生誕の地であるにもかかわらず観光 亀山宿内の道は,見通しがきかない曲線であったり,突然直角に折れ曲がったりしているほか,随所に寺社が多いなど岡崎市の城下町との共通点が多い。B7は,岡崎市は徳川家康生誕の地であるにもかかわらず観光行政が貧弱であるという問題意識に基づき,亀山市の視察を通じて,岡崎市の観光行政上の問題点(東岡崎駅を降り立った観光客に対するアピールの不足)を指摘している。したがって,同人の亀山市の視察が岡崎市政と関連していないとはいえない。 さらに,B7は,同月28日,岐阜県高山市で,同市内を流れる宮川の東側の古い街並みや朝市を調査した。この古い街並みは,重要伝統的建造物群として国から選定を受けているため,家の修理・新築に当たって高山市教育委員会の許可が必要となるところ,同人は,住民から聞き取り調査を行い,住民も街並み保存の重要性に理解を示していることを聴取した。また,B7は,朝市は季節感にあふれ,郷土のすべてをいかし,街並みに活気を与えていると分析した。そして,同人は,高山市の視察を通じて,岡崎市の観光や街並みに欠けているものを列挙しているから,同人の高山市の視察が岡崎市政と関連していないとはいえない。 (d) 視察旅行目録2(5)記載の視察について(乙9,乙10の5)B2は,平成14年10月1日,北海道函館市で五稜郭を,同日,千歳市で千歳サケのふるさと館及びインディアン水車を,同月2日,札幌市で豊平川さけ科学館を,同日,小樽市で小樽市博物館を視察した。 B2の所属する自民党市議団は,城址公園の整備状況,教育文化施設や河川環境への取組の調査のため,上記視察を行ったと回答しているところ,上記視察は岡崎市に所在する岡崎城址公園や教育文化施設の整備ないし岡崎市を流れる河川環境の保全等にとって参考になると認められるから,上記視察は岡崎市政にとって関連性を有し ったと回答しているところ,上記視察は岡崎市に所在する岡崎城址公園や教育文化施設の整備ないし岡崎市を流れる河川環境の保全等にとって参考になると認められるから,上記視察は岡崎市政にとって関連性を有しないとまではいえない。 (e) 視察旅行目録2(6)記載の視察について(乙10の6)B5らは,平成14年10月23日,北海道奥尻郡奥尻町で震災復興の現況を調査した。奥尻町は,平成5年7月に発生した北海道南西沖地震とそれに伴う津波により壊滅的な被害を受けたことから,B5らは,被害直後の復旧体制,被害の復興状況を聴取した。 岡崎市は内陸部に位置するため津波被害のおそれはないが,現実の地震による被災地の復興状況を聴取することは,岡崎市の防災対策にとって有益であることは明らかである。 (f) 視察旅行目録2(7)記載の視察について(乙10の7)B3は,平成14年10月28日,沖縄県宜野湾市で宜野湾海浜公園を訪れ,産業展示場を視察した。同展示場は,宜野湾市を始めとする地方公共団体の設置する公共施設を活用し,市民サービスの向上を促進するとともに施設利用と効率的な施設運営を図りもって市民福祉の増進に寄与することを目的としている(乙10の7)。 他方,岡崎市においても,岡崎駅東区画整理地区内にこのような施設を作る予定があるので,上記展示場を視察してその運営手法等を調査することは,岡崎市政と関連していないとはいえない。 (g) 視察旅行目録2(8)記載の視察について(乙10の8)B7は,平成14年11月28日,静岡県掛川市でお城をいかしたまちづくりを,同月29日,榛原郡御前崎町で観光資源をいかしたイベント計画を調査した。 掛川市は掛川城の城下町として発展してきたが,震災等のため,城主山内一豊が改修した当時の建築物として残ったのは「掛川城御殿」「太鼓櫓」「大手 郡御前崎町で観光資源をいかしたイベント計画を調査した。 掛川市は掛川城の城下町として発展してきたが,震災等のため,城主山内一豊が改修した当時の建築物として残ったのは「掛川城御殿」「太鼓櫓」「大手門番所」のみとなっていた。しかし,市民の寄附により平成2年に天守閣が,平成7年には大手門も復元されたところ,これらの復元は,発掘調査や歴史的な考証に基づいて行われた。B7は,掛川城の調査を通じて,岡崎城の関連建物等の復元の際には正確な歴史考証を行うことこそが魅力を高める旨の意見を抱くに至っているから,掛川城の調査が岡崎市政と関連していないとまではいえない。 御前崎町は,御前崎海岸という観光資源を有し,また風と波も強いことから,ウィンドサーフィン大会やサーフィン大会を開催している。B7は,これらの大会への参加者・観覧者等が周辺を観光するという,イベントと観光との相乗効果を生むことにも着目している。また,御前崎町の「太平洋沿岸自転車道」を視察して,岡崎市でも乙川,矢作川,伊賀川の河川敷を利用した自転車道の整備を検討すべきことを報告している。そうすると,御前崎町の観光資源の調査が岡崎市政と関連していないとはいえない。 (h) 視察旅行目録2(9)記載の視察について(乙10の9)B7は,平成15年1月8日及び9日,宇都宮市を訪れ,ぎょうざをいかしたまちおこし及び農業体験施設「ろまんちっく村」を視察した。 宇都宮市は,数年前からぎょうざの消費額日本一の街として知られるようになり,「餃子マップ」を配布するなど,ぎょうざをいかした観光客誘致が行われているが,それは同市の職員がスーパーで売られたぎょうざの金額が日本一であることを見つけ出したことがきっかけである。このことから,B7は,岡崎市の商工業の振興のためには,地元に密着した話の分かる職員を育てることが 同市の職員がスーパーで売られたぎょうざの金額が日本一であることを見つけ出したことがきっかけである。このことから,B7は,岡崎市の商工業の振興のためには,地元に密着した話の分かる職員を育てることが一番重要であると認識するに至っており,かかるぎょうざをいかしたまちおこしが岡崎市政と関連していないとはいえない。 また,農業体験施設「ろまんちっく村」は,市民農園「クラインガルデン」,学習農園,温泉及び地ビールを備えた施設であるところ,B7は,同施設の調査を通じて,バイオセンターや農遊館を市民に開かれた生涯学習施設に発展させていきたい旨の意見を抱くようになったのであるから,同施設の調査が岡崎市政と関連していないとはいえない。 (i) 視察旅行目録2(15)記載の視察について(乙10の15)B7は,平成15年3月26日,熊本県玉名市で玉名TMOを,同月27日,熊本市で熊本市子ども文化会館を,同月28日,鹿児島県指宿市で時遊館COCCOはしむれを視察した。 TMOとは,中心市街地活性化の手法ないし総合的なまちづくりのための機関をいうところ,玉名商工会議所は,平成13年6月にTMO構想を作成し,玉名市は,平成14年6月に認定をしている。玉名TMOは,多彩な人材の集積を図り,中心市街地の活性化を生活者にアピールするなどの目的から,平成14年度においては,大学のサテライト研究室の中心市街地への設置,「まちづくり憲章」,「街づくり協定」の作成,駐車場マネージメント事業などに取り組んでいる。かかるまちづくりの手法は,岡崎市の中心部である康生地区の活性化に参考になるものであって,玉名TMOの調査が,岡崎市政と関連していないとはいえない。 熊本市子ども文化会館は,熊本市の中心部に位置する子供向けの施設であるところ,子供向けの大規模ホール(「くじらホール」)が るものであって,玉名TMOの調査が,岡崎市政と関連していないとはいえない。 熊本市子ども文化会館は,熊本市の中心部に位置する子供向けの施設であるところ,子供向けの大規模ホール(「くじらホール」)が整備されているなど,先進的な施設である。B7は,市議会の一般質問で,市民会館の改修問題を取り上げてきたが,同人は,熊本市子ども文化会館の視察により,行政が取り組むべき文化活動とは,子供や一般の人に発信するものであるべきだということを認識した上で,さらに市民会館の改修等に今後も努力してきたいと再認識しているのであるから,熊本市子ども文化会館の調査が,岡崎市政と関連していないとはいえない。 時遊館COCCOはしむれは,指宿市所在のはしむれ川遺跡をテーマとした展示館であり,古代体験(勾玉づくり体験,古代編み物体験,絵付け体験)など,子供たちにとっても古代の1日を体験できる工夫が施されている。B7は,岡崎市には家康館や文化財・郷土館があるが,どれも子供には敷居が高すぎるなどの問題点を抱いており,多くの遺跡や古墳をいかして岡崎市内の子供に受け入れてもらえるような施設を整備すべきとの感想を抱くに至っているから,時遊館COCCOはしむれの調査が岡崎市政と関連していないとはいえない。 c ゆうあい21-視察旅行目録3記載の視察について(乙11)C9らは,平成14年7月22日,青森県上北郡六ヶ所村所在の六ヶ所村原燃PRセンターを訪れ,同センターの所長から原子燃料サイクル事業の関連施設等(ウラン濃縮工場,低レベル放射性廃棄物埋設センター,高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター,使用済み燃料受入貯蔵施設,再処理工場,MOX燃料工場)の説明を受けた。 これらの施設等の調査を通じて,原子力発電に関する諸問題を調査することは,岡崎市におけるエネルギー行政との関連性が全 センター,使用済み燃料受入貯蔵施設,再処理工場,MOX燃料工場)の説明を受けた。 これらの施設等の調査を通じて,原子力発電に関する諸問題を調査することは,岡崎市におけるエネルギー行政との関連性が全くないとはいえない。 d 民主クラブ-視察旅行目録5(2)記載の視察について(乙18の2,乙28)F2らは,平成15年3月26日,松江市でポートピア松江ビルの4階にあるノンアイススケートリンクを視察した。 視察当時,岡崎市康生地内には「スポーツガーデン」(夏季はプール,冬季はスケートリンクとして使用できるレジャー施設)があったが,老朽化のため取壊しが決定されていたところ,その代替施設としてのノンアイススケートリンクを調査することは,岡崎市政と関連していないとはいえない。 e 以上のとおり,具体的な視察内容,視察目的,視察に基づく岡崎市政の状況分析ないし提言等に照らすと,別紙6で指摘された視察は岡崎市政と関連性を有しないとは認められないから,これらの視察が調査研究活動としての合理性ないし必要性が明らかに欠けるとまでは認められない。 (エ) なお,原告は,調査旅費について従前から公序良俗に反した違法な支出がされていたことを議員自らが認めていると主張する。しかし,原告が証拠として提出する岡崎市議会議事録(甲30)によっても,ある会派の議員が,本件条例施行前に当該会派に支給された調査研究費の一部を用いて宴会場に女性を呼んだという事実がうかがわれるにすぎず,これだけで平成14年度当時も同様の事実があったとは認め難い。 エ日当,宿泊料及び航空賃について(ア) 本件旅費条例の合理性及び準用の可否について本件条例及び本件規則は,調査旅費として政務調査費から支出し得る金額の決定方法を何ら定めていない。もっとも,岡崎市議会議長が定めた本件要領(乙14)は ) 本件旅費条例の合理性及び準用の可否について本件条例及び本件規則は,調査旅費として政務調査費から支出し得る金額の決定方法を何ら定めていない。もっとも,岡崎市議会議長が定めた本件要領(乙14)は,原則として本件旅費条例に準じて調査旅費を支出するものとしている。 この点について,原告は,①そもそも旅費の性格上実費弁償が原則であり,現に他の地方公共団体においては,より実費支給に近づけていること,②調査研究活動は,市議会議員としての公人としての立場ではなく,私人として会派活動の一環として行われるものであるから,政務調査費から調査研究活動に要した調査旅費を支出する場合には,本件旅費条例の準用はないこと,以上のように主張する。 そこで,まず,本件旅費条例の合理性について検討するに,同条例は,国家公務員等の旅費に関する法律(以下「旅費法」という。)を踏襲して制定されていると認められるところ,旅費の建前は,旅行の事実に対して支払われる実費弁償であるものの(本件旅費条例27条1項参照),実際の証拠資料に基づいて旅行中の一切の費用を償還する方式をとることは,正確な証拠資料の確保の点で問題があり,旅行者や会計事務担当者の手数を増加させるだけではなく,移動に用いる交通手段や宿泊場所の選択いかんによって格差が生じかねず,場合によっては制度を濫用する弊害も懸念されるのに対し,定額方式は,標準的な実費額で機械的に計算することから,手続的には簡単であり,比較的経費を節約できるという利点があると認められる。そうすると,旅費の支給に当たり,あらゆる費目について実額主義をとらなくても,必ずしも合理性に欠けるとはいえない。 そして,上記のとおり,本件旅費条例があらゆる費目について実額主義をとっていないことには一応の合理性が認められるところ,会派等の行う政務調査について らなくても,必ずしも合理性に欠けるとはいえない。 そして,上記のとおり,本件旅費条例があらゆる費目について実額主義をとっていないことには一応の合理性が認められるところ,会派等の行う政務調査についても上記指摘の実額主義の問題点及び定額主義の利点が認められるから,特段の理由がない限り,政務調査費からの支出の際に本件旅費条例に準じた取扱いをすることも,本件条例は許容していると解される。 以下,日当,宿泊料及び航空賃について順次検討する。 (イ) 日当について本件旅費条例にいう日当とは,旅行中の昼食費及びこれに伴う諸雑費並びに目的地である地域内を巡回する場合の交通費等の経費であると解されるところ,議員が政務調査を行うために旅行する際にも,調査研究活動に必要な諸雑費,目的地である地域内を巡回する場合の交通費等が必要であることは明らかである。 この点について,原告は,視察の際の昼食代は,本件要領1(2)②で政務調査費の使途に充当することが禁じられた「会議を伴わない飲食のみに要する経費」に該当し,支出することが許されない旨主張する。 しかし,本件条例5条ただし書1号は「党費その他政党活動に要する経費」を,同条ただし書2号は「慶弔費,見舞金その他の交際的活動に要する経費」を,それぞれ政務調査費から支出することができないと規定しているところ,これら所定の経費はそもそも調査研究活動と何らの関連性がないことは明らかである。そして,岡崎市議会議長が定めた本件要領1(2)は,政務調査費の使途に充当できないものとして,②「会議を伴わない飲食のみに要する経費」以外に,①「選挙及び後援会活動に関する経費」,③「私的経費」を挙げているところ,この①及び③も調査研究活動と何らの関連性がないことは明らかである。そうすると,本件条例5条ただし書3号を受けて議長が,「会議を 選挙及び後援会活動に関する経費」,③「私的経費」を挙げているところ,この①及び③も調査研究活動と何らの関連性がないことは明らかである。そうすると,本件条例5条ただし書3号を受けて議長が,「会議を伴わない飲食のみに要する経費」を政務調査費から支出することを禁じているのは,調査研究活動と何らの関係のない単なる懇親会等に政務調査費を支出することは許されないことを明らかにするためと解されるから,本件要領1(2)②は,調査研究活動と関連性のある飲食に関する経費を政務調査費から支出することを禁止する趣旨ではないと解するのが相当である。すなわち,調査研究活動の間,あるいは調査研究活動の直前・直後の飲食に関する経費についても,本件旅費条例の所定の日当の金額内であれば,政務調査費から支出することは許されると解すべきである。 そうすると,会派等が,政務調査を行うために旅行を行った際に必要な諸雑費,昼食代及び目的地である地域内を巡回する場合の交通費等を賄うために,定額の日当(1日3000円。本件旅費条例17条2項に該当する場合は1500円。)を充てることは,本件条例の使途基準に反するとはいえない。 (ウ) 宿泊料について本件旅費条例にいう宿泊料とは,旅行中の宿泊料を賄うための旅費であって,具体的には宿泊代金,夕食代,朝食代及び宿泊に伴う諸雑費に充てるために支給されるものと解されるところ,議員が政務調査を行うために宿泊を伴う旅行をする場合にも,かかる宿泊代金,夕食代,朝食代及び宿泊に伴う諸雑費が必要であることは明らかである。 そうすると,本件旅費条例の準用を否定すべき理由は特に認められないから,宿泊料として定額(1夜1万6500円)を充てることは,本件条例の使途基準に反するとはいえない。 (エ) 航空賃について本件旅費条例15条は,旅費法18条にならい すべき理由は特に認められないから,宿泊料として定額(1夜1万6500円)を充てることは,本件条例の使途基準に反するとはいえない。 (エ) 航空賃について本件旅費条例15条は,旅費法18条にならい,航空賃の額を現に支払った旅客運賃によると規定して実額主義を採用しているから,本件旅費条例の準用の可否を問わず,会派等が,現に支払った旅客運賃を超える金額を航空賃の名目で政務調査費から支出することは,本件条例の使途基準に反するというべきである。 この点について,原告は,視察旅行目録1(1),同(4),同(6),2(1),同(3),同(5)ないし(7),同(11),同(12),同(14),同(16)及び5(1)各記載の視察旅行については,領収書の提出がなく,航空賃の実費が証明されていないから,これを政務調査費から支出することは許されない旨主張する。 しかし,前記1で述べたとおり,不当利得返還請求権の発生原因たる事実は,それが存在すると主張する者が主張立証すべきであるから,本件においては,原告が,上記の各視察旅行において会派ないし議員が現に支払った航空賃の額が支給額を超えることを主張立証する必要があるところ,かかる立証はない(かえって,甲11の1・4・5,16の1・2・8ないし14,26の1の各調査研究視察明細書兼支払証明書記載の運賃欄によれば,社会通念上,航空賃の額が実費として不相当ではないと認められる。)。 さらに,原告は,航空賃については,平成12年の旅費支給規程の改正により,支払を証明する書類を添付することが義務付けられたと主張する。 しかし,本件旅費条例における航空賃については,平成15年3月7日付け職第107号「旅費の取扱について(通知)」により,平成15年度の支給分から旅費の精算方法として,支出負担行為時又は精算時に当該旅費の領収書そ 費条例における航空賃については,平成15年3月7日付け職第107号「旅費の取扱について(通知)」により,平成15年度の支給分から旅費の精算方法として,支出負担行為時又は精算時に当該旅費の領収書その他支払を証する書類を提出するように改められているから(弁論の全趣旨),平成14年度の政務調査費に関して,航空賃の領収書を会派の代表者に提出することまで義務付けられていると解することはできない。 (オ) 小括したがって,本件各会派による平成14年度の政務調査費の支出のうち,日当,宿泊料及び航空賃の支出については,本件条例の使途基準に反するとまではいえない。 オ一般行政視察と政務調査費による視察を同時に行うことの違法性原告は,一般行政視察と政務調査費による視察を同時に行うことは違法であると主張し,その根拠として,①歳費法定主義の崩壊のおそれと,②政務調査費による視察旅行は,一般行政視察では調査できない事項について行われるべきであり,一般行政視察に同行した者まで政務調査費を支払うのは公益性がないことを挙げる。 上記①の主張の趣旨は必ずしも明らかではないが,議員歳費は地方自治法203条及びこれを受けた岡崎市議会の議員の報酬等に関する条例で定められており,一般行政視察と政務調査費による視察とを同時に行うことによってかかる歳費の法定主義が崩壊するおそれがあるとは考え難い。 また,一般行政視察の対象となるのであれば,政務調査費を使うまでのことはないとも考えられるが,予算の都合で一般行政視察に参加できなかった議員が,今後の政策立案などに有益であると考え,一般行政視察と同一の視察先を政務調査費を使って視察したいと考えた場合に,視察先市町村等の負担を軽減する目的で,一般行政視察に同行することは,政務調査費を利用した調査研究活動の趣旨に反するとはいえない。した 察と同一の視察先を政務調査費を使って視察したいと考えた場合に,視察先市町村等の負担を軽減する目的で,一般行政視察に同行することは,政務調査費を利用した調査研究活動の趣旨に反するとはいえない。したがって,視察旅行目録1(6)及び2(1)の視察旅行について自民新風会及び自民党市議団が政務調査費を支出したことは,本件条例の定める使途基準に違反しない。 カまとめよって,本件各会派が視察旅行目録記載の各視察に関して支出した政務調査費は,本件条例の使途基準に反するものとはいえない。 (3) 争点(3)ウ(資料作成費)についてア総論本件条例の別表によれば,資料作成費とは,会派等が行う調査研究活動のために必要な資料の作成に関する経費とされ,具体的には,印刷製本費,翻訳料,備品・事務機器の購入費等が例示されている。したがって,プリンター等の購入代金や修理代金も,会派等が行う調査研究活動のために必要であれば,資料作成費として政務調査費から支出することが許されるというべきである。 ところで,原告は,本件要領1(2)③では私的経費を政務調査費で賄うことは認められていないところ,プリンター等は政務調査のために1人1台まで確保する必要がないから,このような台数の購入は私物の購入にほかならない旨主張する。 しかし,会派所属の議員が,それぞれ個別に調査研究活動をした場合に各人とも写真を撮る必要が生じることも考えられるから,会派がその所属する議員の人数分のデジタルカメラを購入したとしても,それだけでは,議員による私物の購入と認めることはできない(要は,これらの物品が会派によって適正に管理され,所属議員の交替があっても引き継がれていくかが問題とされるべきである。)。 また,岡崎市議会の各会派の議員控室には,備品としてプリンターが本件各会派に1台ずつ備え付けられ 派によって適正に管理され,所属議員の交替があっても引き継がれていくかが問題とされるべきである。)。 また,岡崎市議会の各会派の議員控室には,備品としてプリンターが本件各会派に1台ずつ備え付けられているが,調査研究活動のために必要な資料の作成は,各会派の議員控室だけではなく,会派所属の議員の自宅・事務所等で行われることがあることも否定できない。そうすると,議員の自宅ないし事務所等における資料作成のために,会派がその所属する議員の人数分のプリンターを購入したとしても,それだけでは議員の私物の購入と認めることはできない。 イ各論(ア) 自民清風会(自民新風会分)自民新風会(所属議員数13名)が,平成13年度にデジタルカメラ7台,平成14年度にデジタルカメラ4台及びカメラ1台をそれぞれ購入したことは争いがなく,これらの購入代金が政務調査費から支出されたことも弁論の全趣旨によって認められる。 しかし,上記のとおり,平成14年度にデジタルカメラ4台及びカメラ1台が購入された結果,所属議員数に近い台数のカメラが揃ったからといって,それだけでは議員の私物として購入されたことを認めることはできず,政務調査費からこれらの購入費用を支出することが本件条例の使途基準に反しているとはいえない。 したがって,資料作成費に関し,岡崎市が自民新風会の権利義務を承継した自民清風会に対して不当利得返還請求権を有しているとはいえない。 (イ) 公明党a プリンターの購入について公明党(所属議員数4名)の議員控室に備品としてプリンター1台が設置されていたこと,公明党が平成13年度にプリンター1台を購入したこと並びに平成14年度にプリンター3台,CD-RW及びUSBハブを購入したことは争いがなく,これらの購入代金が政務調査費から支出されたことも弁論の全趣旨によって 13年度にプリンター1台を購入したこと並びに平成14年度にプリンター3台,CD-RW及びUSBハブを購入したことは争いがなく,これらの購入代金が政務調査費から支出されたことも弁論の全趣旨によって認められる。 しかし,上記のとおり,平成14年度にプリンター3台が購入された結果,所属議員数と同数のプリンターが揃ったからといって,それだけでは議員の私物として購入されたことを認めることはできず,政務調査費からこれらの購入費用を支出することが本件条例の使途基準に反しているとはいえない。 また,CD-RWは,フロッピーディスクなどと比較して大量のデータを繰り返し保存することができる記録媒体であるところ,調査研究活動の際にデジタルカメラで撮影した映像等を保存し,あるいは調査研究活動のために作成した文書等のバックアップにも使用することができるから,調査研究活動に通常必要とされる数量を超えない限り,会派等がCD-RWを購入することは,本件条例の使途基準に違反しないと解される。そして,公明党の購入したCD-RWの枚数が調査研究活動に通常必要とされる数量を超えていることを認めるに足りる証拠はないから,政務調査費からCD-RWの購入費用を支出したことが本件条例の使途基準に反しているとはいえない。 b デジタルカメラの修理公明党が,平成14年10月31日,デジタルカメラ修理代金として7875円を政務調査費から支払ったことは争いがなく,また,修理したデジタルカメラは,平成13年12月27日に政務調査費で購入したものであって保証期間内であること,故障内容が保証対象外であったため,保証を受けられなかったことは,証拠(甲7,乙16,17)及び弁論の全趣旨により認められる。 この点について,原告は,上記修理代金は購入した店舗とは別の店舗に支払われており,本来,公明 あったため,保証を受けられなかったことは,証拠(甲7,乙16,17)及び弁論の全趣旨により認められる。 この点について,原告は,上記修理代金は購入した店舗とは別の店舗に支払われており,本来,公明党が負担する必要はなかった旨主張するが,上記のとおり,保証対象外の故障により無償修理を受けられなかったにすぎないから,たとえ,公明党が当該デジタルカメラを購入した店舗に修理を依頼したとしても同様に修理費用は発生したと認めざるを得ず,公明党が購入店舗以外の店舗に修理を依頼したことによって,公明党に利得が発生することもなく,また,岡崎市に損失が発生することもないというべきである。 c 小括したがって,資料作成費に関し,岡崎市が公明党に対して不当利得返還請求権を有しているとはいえない。 (ウ) 民主クラブa プリンターの購入について民主クラブ(所属議員数2名)が,平成15年2月5日,プリンター1台を4万5840円で購入したことは争いがなく,上記代金が政務調査費から支出されたこと,民主クラブが平成13年度にプリンター2台を購入したこと,民主クラブの議員控室に備品としてプリンター1台が設置されていたこと,平成13年度に購入したプリンターのうち1台が,遅くとも平成15年2月5日ころ,故障して修理不能の状態となったことは弁論の全趣旨により認められる。 しかし,このプリンターの故障が,民主クラブ所属の議員(あるいはその補助者)の故意・過失によるものと認めるに足りる証拠はない。なお,国家賠償法1条2項の趣旨に照らせば,会派所属の議員(あるいはその補助者)の軽過失により故障がもたらされた場合であっても,政務調査費から修理代金を支出することが許されないと解すべき法的根拠は存在しない。 そして,民主クラブが,平成15年2月5日にプリンターを購入したのは,各議 により故障がもたらされた場合であっても,政務調査費から修理代金を支出することが許されないと解すべき法的根拠は存在しない。 そして,民主クラブが,平成15年2月5日にプリンターを購入したのは,各議員の自宅等で調査研究活動を行うためであると推測されるところ,その購入代金を政務調査費から支出することは,本件条例の使途基準に反するとはいえない。 b デジタルカメラの購入について民主クラブが,平成15年3月1日及び同月30日に,デジタルカメラを合計2台購入したことは争いがなく,同代金が政務調査費から支出されたことも弁論の全趣旨により認められる。 しかし,上記のとおり,平成14年度にデジタルカメラ2台が購入された結果,所属議員と同数のカメラが揃ったとしても,それだけでは議員の私物として購入されたことを認めることはできず,政務調査費からこれらの購入費用を支出することが本件条例の使途基準に反しているとはいえない。 c 小括したがって,資料作成費に関し,岡崎市が民主クラブに対して不当利得返還請求権を有しているとはいえない。 (4) 争点(3)エ(資料購入費)について本件条例の別表によれば,資料購入費とは,会派等が行う調査研究活動のために必要な図書,資料等の購入に要する経費とされ,具体的には,新聞購読料,雑誌購読料,図書購入費等が例示されている。 ところで,原告は,公明党が政務調査費により絵本3冊を購入したことは,政務調査とは全く関係のないものであり,上記購入は私的経費であると主張する。 しかし,上記のとおり,使途基準に反するのは,岡崎市議会の会派等の調査研究活動として,明らかに合理性ないし必要性を欠く場合に限られるところ,公明党所属のD3議員は,平成14年6月の岡崎市議会定例会で,母子保健事業の充実について竜美丘健康診断センター内への絵本の設置や読み 活動として,明らかに合理性ないし必要性を欠く場合に限られるところ,公明党所属のD3議員は,平成14年6月の岡崎市議会定例会で,母子保健事業の充実について竜美丘健康診断センター内への絵本の設置や読み聞かせボランティアに関する質問を行っていること(乙23),購入した絵本は3冊合計2940円にとどまることに照らすと,かかる絵本の購入が,会派等の調査研究活動として明らかに合理性ないし必要性に欠けるとはいえない。 したがって,原告の資料購入費に関する請求には理由がない。 (5) 争点(3)オ(広報費)についてア総論平成15年岡崎市条例第27号による本件条例の改正前までは,本件条例の別表には「広報費」が明示されていなかったところ,原告は,上記改正前においては,広報費と本件条例5条で禁止する政党活動への支出との判別が困難であったことから,広報費を政務調査費から支出することはできない旨主張する。 しかし,会派等が行う調査研究活動及び議会活動並びに市の施策について住民に報告,PRすることと,本件条例が禁止する政党活動(特定の政党の政策を支持するために行われる活動)とを区別をすることは十分に可能であるほか,上記改正は,従前,「その他の経費」として許されるかどうか疑義があったものについて,条例を定めることによって解決を図ったものと考えられる。現に,本件条例を受けて議長が定めた本件要領1(1)①では,「会派等が行う調査研究活動及び議会活動並びに市の施策について住民に報告,PRするために要する経費」は,本件条例の別表の「その他の経費」として支出できるものとされている。そして,会派等が行う調査研究活動及び議会活動並びに市の施策について住民に報告,PRすることは,会派等の調査研究活動と密接な関連性を有するから,これに要する経費を本件条例の「その他の経費」とし る。そして,会派等が行う調査研究活動及び議会活動並びに市の施策について住民に報告,PRすることは,会派等の調査研究活動と密接な関連性を有するから,これに要する経費を本件条例の「その他の経費」として政務調査費から支出することは,本件条例の使途基準に反するものでないと解される。 したがって,原告の上記主張は採用できない。 イ各論(ア) 自民清風会(自民党市議団分)自民党市議団は,平成14年4月10日に20万円を,同月11日に2万5200円を,同月15日に1万8239円及び5万7900円をそれぞれ政務調査費から支出して印刷業者に支払っている(甲20の1ないし5)ところ,これらは,いずれも平成14年3月24日ころ作成された「市政報告平成14年春」と題するはがき(その一例は甲19)の印刷経費であると認められる(なお,「市政報告」と題する書面4枚(平成15年3月付け。甲31,乙22)は,その発行年月に照らせば上記支出に対応しないことが明らかである。)。 そして,「市政報告平成14年春」と題するはがきの内容は,当該議員のあいさつ(表面),岡崎市の平成14年度当初予算,主な施策及び矢作地区の状況(裏面)であって,自民党の政党活動に関するものではなく,専ら議会活動及び市の施策について住民に報告するためのものと認めることができる。 したがって,自民党市議団の上記支出は,本件条例の使途基準に反するものではないから,この点について岡崎市は,自民党市議団の権利義務を承継した自民清風会に対して不当利得請求権を有しているとはいえない。 (イ) 日本共産党岡崎市議団日本共産党岡崎市議団は,平成14年5月29日,同年4月付け日本共産党岡崎市議団ニュースの発行費用として3万0315円を,同年10月10日,同年7月付け日本共産党岡崎市議団ニュースの発行費用として 日本共産党岡崎市議団は,平成14年5月29日,同年4月付け日本共産党岡崎市議団ニュースの発行費用として3万0315円を,同年10月10日,同年7月付け日本共産党岡崎市議団ニュースの発行費用として8万1396円を,いずれも政務調査費から支出したことが認められる(甲25の1・2,弁論の全趣旨)。 その内容は,岡崎市の平成14年度予算に対する批判,中核市移行に対する疑問,介護保険保険料・利用料の減免制度の実現の報告(甲25の1の1頁),平成14年度岡崎市予算で実現した事項,日本共産党岡崎市議団が平成14年度予算審議で要求した事項(甲25の1の2頁),中核市移行に対する反対,いわゆる有事関連3法案の廃案を求める意見書提出の請願について他の会派が討論せずに反対したこと(甲25の2の1頁),日本共産党岡崎市議団所属の議員の一般質問の内容(甲25の2の2頁)などであって,日本共産党の政党活動に関するものではなく,専ら議会活動及び市の施策について住民に報告するためのものと認めることができる。 したがって,日本共産党岡崎市議団の上記支出は,本件条例の使途基準に反するものではないから,この点について岡崎市は,日本共産党岡崎市議団に対して不当利得請求権を有しているとはいえない。 (ウ) 小括よって,広報費に関する原告の主張は採用できない。 (6) 争点(3)カ(ガソリン代)についてアガソリン代の支出の可否本件条例の別表には,議員が調査研究活動の際に必要となるガソリン代は例示されていない。しかし,岡崎市議会議員が,調査研究活動を行うのに自動車を使用した場合,議会活動並びに市の施策について住民に報告及びPRするため,自動車を使用した場合,会議や研究会に参加するのに自動車を使用した場合などに要するガソリン代は,別表の「研究会……に参加するために要する経費 会活動並びに市の施策について住民に報告及びPRするため,自動車を使用した場合,会議や研究会に参加するのに自動車を使用した場合などに要するガソリン代は,別表の「研究会……に参加するために要する経費」,「調査研究活動のために……現地調査に要する経費」又は本件要領の「会派等が行う調査研究活動及び議会活動並びに市の施策について住民に報告,PRするために要する経費」などに該当するから,政務調査費から必要なガソリン代を支出することは,使途基準に違反するとはいえない。 イ概算払の合理性(ア) 本件各会派の代表による協議により,議員1人1か月当たりのガソリン代として1万5000円を政務調査費から支出できる旨が申し合わされている(乙24)ところ,このガソリン代1万5000円の積算根拠は,以下のとおりであると認められる(甲7,弁論の全趣旨)。 a 議員が市内及び周辺市町村への調査研究活動を行う場合には,自家用車を使用することが多いところ,岡崎市では他の地方公共団体とは異なって旅費を支給せず,また,費用弁償を行っていない。そのほか,議員は,議会閉会中にも市議会の議員控室等に登庁して活動を行っている。 b そこで,岡崎市議会議会事務局は,議員が市中央部から市周辺部への移動(片道10キロメートル)を月20回行ったとして,本件旅費条例に基づき試算したところ,下記の計算のとおり,その金額は1万6000円となった。 (本件旅費条例16条1項による車賃の額)×(市中央部から市周辺部への片道の距離)×2(往復分)×(活動回数)=40円/キロメートル×10キロメートル×2×20=1万6000円c 実際には,議員は,休日にも調査研究活動を行うことがあるほか,周辺市町村にも活動を広げているため,議員の調査活動に対する旅費は,上記1万6000円を超えることがあると認めら =1万6000円c 実際には,議員は,休日にも調査研究活動を行うことがあるほか,周辺市町村にも活動を広げているため,議員の調査活動に対する旅費は,上記1万6000円を超えることがあると認められるが,事柄の性質上,これよりも控えめに月1万5000円と定めた。 (イ) そこで,ガソリン代の概算払の適否について判断するに,上記ガソリン代の積算の過程に特段不合理な点は見受けられない上,ガソリン代について逐一領収書を提出し,保存することを前提とした実額精算方式は,事務手続が煩雑となることに照らすと,議員1人当たり月額1万5000円を政務調査費からガソリン代として支出することは,地方自治法100条13項及びこれを受けて制定された本件条例の政務調査費の趣旨に違反する不合理なものとまではいえないと解される。 ウ市議会議長に関する支出について原告は,自民新風会出身の市議会議長は在任中の出退勤,訪問地への移動などに岡崎市の公用車を使っており,県外出張も多く,また,会社の経営者でもあって多忙であるから,議員の調査活動のために,月1万5000円分のガソリン代に相当する月1200キロメートルも走行することはできないと主張するところ,証拠(甲15)によれば,平成14年4月1日から平成15年3月31日までの1年間に,岡崎市議会議長(平成14年11月15日まではA13,その後はA2)による公用車の利用日数は,247日にも及んでいることが認められ,これによれば,調査研究活動のために,自家用車を用いて,被告主張に係る想定走行距離(1か月400キロメートル)以上の距離を走行するかについては疑問がないではない。そのため,議長については,他の一般議員と異なった概算払の方式を採ることも十分に検討に値すると考えられる。 しかしながら,議長といえども,公用車を利用しない形態 行するかについては疑問がないではない。そのため,議長については,他の一般議員と異なった概算払の方式を採ることも十分に検討に値すると考えられる。 しかしながら,議長といえども,公用車を利用しない形態で調査研究活動を行うことは十分にあり得ると考えられる(公用車を利用した日といえども,議長という立場を離れた活動を行うために,自家用車を用いることはないとはいえない。)上,前記のとおり,実額精算方式を採ることなく,本件旅費条例に基づく概算払の方法でガソリン代を支給することは不合理とはいえないことに照らすと,事務の簡素化の観点から,原則どおりの概算払の方法で支給したからといって,本件条例の使途基準に反するとまではいえない。 そうすると,ガソリン代に関し,岡崎市が自民清風会に対して不当利得返還請求権を有しているとはいえない。 5 結論以上の次第で,原告の本訴請求は,いずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部裁判長裁判官加藤幸雄裁判官舟橋恭子裁判官尾河吉久(別紙1)平成14年度の岡崎市議会における会派とその構成員 1 自民新風会(13名)A1,A2,A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9,A10,A11,A12,A13 2 自民党市議団(8名)B1,B2,B3,B4,B5,B6,B7,B8 3 ゆうあい21(9名)C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7,C8,C9 4 公明党(4名)D1,D2,D3,D4 5 日本共産党市議団(3名)E1,E2,E3 6 民主クラブ(2名)F1,F2※ ただし,議長・副議長も出身母体の会派に C5,C6,C7,C8,C9 4 公明党(4名)D1,D2,D3,D4 5 日本共産党市議団(3名)E1,E2,E3 6 民主クラブ(2名)F1,F2※ ただし,議長・副議長も出身母体の会派に含めて記載している。 (別紙2)平成16年10月26日以降の岡崎市議会における会派とその構成員 1 自民清風会(19名)A1,B5,A7,A9,A14,A4,A3,B6,A15,A16,A17,A18,A19,A13,A20,A21,A22,A23,A6 2 ゆうあい21(10名)C2,C8,C5,C6,C3,C7,C1,C4,C10,C9 3 公明党(4名)D1,D3,D4,D5 4 日本共産党市議団(3名)E1,E3,E2 5 民主クラブ(2名)F2,F1※なお,このほか無所属の議員として,B2,G5の2名がいる。 (別紙3)原告の請求に係る被告が本件各会派に請求すべき金額の内訳調査旅費資料作成費資料購入費広報費ガソリン代合計自民清風会4,685,800245,700301,339180,0005,412,839(うち自民新風会分)2,608,220245,700180,0003,033,920(うち自民党市議団分)2,077,580301,3392,378,919ゆうあい21565,000565,000公明党3,850129,4952,940136,285日本共産党岡崎市議団111,711111,711民主クラブ247,340143,595390,935(別紙4)本件条例の別表項目内容使途の例示研究研修費会派等が研究会若しくは研修会を開催するために要する経費又は会派等が他の団体の開催する研究会若しくは研修会に参加するために要する経費会場費,講師謝礼金,出席者負 内容使途の例示研究研修費会派等が研究会若しくは研修会を開催するために要する経費又は会派等が他の団体の開催する研究会若しくは研修会に参加するために要する経費会場費,講師謝礼金,出席者負担金・参加費,旅費,通信運搬費等調査旅費会派等が行う調査研究活動のために必要な先進地調査又は現地調査に要する経費旅費,施設入場料等資料作成費会派等が行う調査研究活動のために必要な資料の作成に要する経費印刷製本費,翻訳料,備品・事務機器の購入費等資料購入費会派等が行う調査研究活動のために必要な図書,資料等の購入に要する経費新聞購読料,雑誌購読料,図書購入費等広聴費会派等が市政及び会派の政策等に対する住民からの要望を吸収するために開催する会議等に要する経費会場費,印刷製本費,茶菓子代等その他の経費上記以外の経費で,会派等が行う調査研究活動に必要な経費として議長が必要と認めたもの(別紙5)視察旅行目録 1 自民清風会(自民新風会分)(1) 視察者 A1,A10,A11,A12及びA8旅行期間平成14年4月15日から同月17日まで旅行先札幌市及び北海道函館市視察内容 YOSANET運営実情,事業系生ごみのリサイクルシステム(以上札幌市),ハーモニー五稜郭芸術ホール及び函館駅周辺整備事業(以上函館市)支出額 58万5000円(2) 視察者 A3,A2,A7及びA5旅行期間平成14年4月17日から同月19日まで旅行先秋田県大曲市,仙北郡角館町及び宮城県白石市視察内容新公共交通システム・巡回バス(大曲市),歴史的景観保護(角館町)及び自治体ネットワーク(白石市)支出額 42万9640円(3) 視察者 A12旅行期間平成14年6月8日旅行先山梨県北巨摩郡須玉町視察内容廃校の有効活用(下津金小 的景観保護(角館町)及び自治体ネットワーク(白石市)支出額 42万9640円(3) 視察者 A12旅行期間平成14年6月8日旅行先山梨県北巨摩郡須玉町視察内容廃校の有効活用(下津金小学校)支出額 2万4740円(4) 視察者 A8,A9,A4及びA6旅行期間平成14年7月2日から同月4日まで旅行先北海道歌志内市,札幌市及び小樽市視察内容エコバレー歌志内(歌志内市),第二斎場のPFI手法導入,リサイクル資料館,建築系廃材リサイクルセンター(以上札幌市)及び景観行政(小樽市)支出額 47万3000円(5) 視察者 A8,A9,A4及びA6旅行期間平成14年10月21日から同月23日まで旅行先秋田市,岩手県岩手郡雫石町及び仙台市視察内容秋田市総合環境センター(ガス化溶融炉。秋田市),小岩井農場(雫石町)及び政令市への移行(仙台市)支出額 46万1640円(6) 視察者 A2,A3,A11,A5,A7及びA12旅行期間平成14年10月30日から11月1日まで旅行先鹿児島市及び鹿児島県西之表市視察内容ボランティアセンター(鹿児島市),コミュニティ活動促進助成事業及び種子島総合開発センター(以上西之表市)支出額 63万4200円 2 自民清風会(自民党市議団分)(1) 視察者 B8旅行期間平成14年7月2日から同月5日まで旅行先北海道根室市,釧路市及び帯広市視察内容地域防災計画(根室市),環境基本条例・計画,釧路湿原の保全(以上釧路市)及び健康生活支援システム(帯広市)支出額 15万3790円(2) 視察者 B2旅行期間平成14年7月9日から同月12日まで旅行先群馬県館林市,栃木県足利市,群馬県甘楽郡妙義町及び長野県諏訪市視察内容向井千秋記念子ども科学館(館林市),足利学校(足 2) 視察者 B2旅行期間平成14年7月9日から同月12日まで旅行先群馬県館林市,栃木県足利市,群馬県甘楽郡妙義町及び長野県諏訪市視察内容向井千秋記念子ども科学館(館林市),足利学校(足利市),ふるさと美術館(妙義町)及び原田泰治美術館(諏訪市)支出額 9万3850円(3) 視察者 B7旅行期間平成14年8月12日から同月15日まで旅行先北海道釧路市,帯広市及び千歳市視察内容駅周辺(釧路市),中心市街地(帯広市)及び街並み(千歳市)支出額 14万1980円(4) 視察者 B7旅行期間平成14年8月26日から同月29日まで旅行先三重県志摩郡阿児町,亀山市及び岐阜県高山市視察内容近鉄志摩線鵜方駅周辺(阿児町),城下町と亀山宿(亀山市)及び街並みと観光資源(高山市)支出額 8万4820円(5) 視察者 B2旅行期間平成14年10月1日から同月3日まで旅行先北海道函館市,千歳市,札幌市及び小樽市視察内容五稜郭(函館市),千歳サケのふるさと館,インディアン水車(以上千歳市),豊平川さけ科学館(札幌市)及び小樽市博物館(小樽市)支出額 12万0030円(6) 視察者 B5及びB2旅行期間平成14年10月22日から同月26日まで旅行先北海道奥尻郡奥尻町,秋田県山本郡八竜町,山形県酒田市及び新潟県村上市視察内容震災復興の概要及び現況(奥尻町),サンドクラフト(八竜町),庄内バイオ研修センター(酒田市)及びイヨボヤ会館(村上市)支出額 37万2420円(7) 視察者 B3旅行期間平成14年10月28日から同月30日まで旅行先沖縄県宜野湾市及び那覇市視察内容宜野湾海浜公園,産業展示場(宜野湾市)及び安謝福祉複合施設(那覇市)支出額 9万2370円(8) 視察者 B7旅行期間平成14 から同月30日まで旅行先沖縄県宜野湾市及び那覇市視察内容宜野湾海浜公園,産業展示場(宜野湾市)及び安謝福祉複合施設(那覇市)支出額 9万2370円(8) 視察者 B7旅行期間平成14年11月28日から同月29日まで旅行先静岡県掛川市及び榛原郡御前崎町視察内容お城をいかしたまちづくり(掛川市)及び観光資源をいかしたイベント計画(御前崎町)支出額 2万8060円(9) 視察者 B7旅行期間平成15年1月8日から同月9日まで旅行先宇都宮市視察内容特産品(ぎょうざ)をいかしたまちおこし及び農業体験施設支出額 6万1460円(10) 視察者 B4及びB6旅行期間平成15年2月3日から同月6日まで旅行先鳥取県米子市,島根県益田市,山口県防府市及び広島県呉市視察内容米子市クリーンセンター(米子市),中心市街地活性化基本計画(益田市),歴史美遊感計画,街なか散策(ぶらっと)バス(以上防府市),呉市クリーンセンター及びごみ行政(以上呉市)支出額 21万3260円(11) 視察者 B3旅行期間平成15年2月24日から同月26日まで旅行先徳島市及び福岡県北九州市視察内容ハイテクランド徳島(都市型産業団地,徳島市),中小企業支援センター及び福岡県リサイクル総合研究センター(以上北九州市)支出額 9万0580円(12) 視察者 B5旅行期間平成15年2月24日から同月26日まで旅行先鹿児島県大島郡天城町及び名瀬市視察内容農業者支援制度(天城町)及びスポーツアイランド奄美(名瀬市)支出額 13万9820円(13) 視察者 B6旅行期間平成15年2月24日から同月27日まで旅行先山形県米沢市,秋田県大館市,青森市及び青森県八戸市視察内容繊維歴史資料館(米沢市),郷土博物館(大館市),ECOプ (13) 視察者 B6旅行期間平成15年2月24日から同月27日まで旅行先山形県米沢市,秋田県大館市,青森市及び青森県八戸市視察内容繊維歴史資料館(米沢市),郷土博物館(大館市),ECOプラザ青森(青森市)及びリサイクルプラザ(八戸市)支出額 12万6520円(14) 視察者 B4旅行期間平成15年3月26日から同月28日まで旅行先北海道網走市,北見市及び旭川市視察内容網走市図書館,エコセンター2000(以上網走市),クリーンライフセンター(北見市)及びパブリックコメント制度(旭川市)支出額 13万3300円(15) 視察者 B7旅行期間平成15年3月26日から同月28日まで旅行先熊本県玉名市,熊本市及び鹿児島県指宿市視察内容玉名TMO(玉名市),熊本市子ども文化会館(熊本市)及び時遊館COCCOはしむれ(考古博物館,指宿市)支出額 10万5010円(16) 視察者 B1旅行期間平成15年3月26日から同月28日まで旅行先那覇市,沖縄県沖縄市及び福岡県前原市視察内容中心市街地の街区の整備(那覇市),中心市街地の空床対策(沖縄市)及び溶融化処分場(前原市)支出額 12万0610円 3 ゆうあい21視察者 C9,C1,C8,C5及びC7旅行期間平成14年7月22日から同月24日まで旅行先青森県上北郡六ヶ所村,盛岡市,岩手県江刺市視察内容核燃料リサイクル事業(六ヶ所村),クリーンセンター(盛岡市)及びヒロノ福祉パーク(江刺市)支出額 56万5000円 4 公明党視察者 D2,D1,D4及びD3旅行期間平成14年5月10日旅行先名古屋空港ビル視察内容愛知県防災ヘリコプター支出額(昼食代) 3850円 5 民主クラブ(1) 視察者 F2旅行期間平成15年2月11日から同月13 旅行期間平成14年5月10日旅行先名古屋空港ビル視察内容愛知県防災ヘリコプター支出額(昼食代) 3850円 5 民主クラブ(1) 視察者 F2旅行期間平成15年2月11日から同月13日まで旅行先鹿児島県熊毛郡上屋久町,鹿児島市及び川辺町視察内容屋久島環境文化村センター(上屋久町),優良田園住宅建築促進制度(鹿児島市)及びダイオキシン無害化施設(川辺町)支出額 11万8900円(2) 視察者 F2及びF1旅行期間平成15年3月26日から同月27日まで旅行先松江市視察内容ノンアイススケートリンク支出額 12万8440円(別紙6)視察目的に関する原告の主張 1 自民清風会(自民新風会分)(1) 視察旅行目録1(2)記載の視察についてA3ら(視察旅行目録1(2)記載の視察者であるA3,A2,A7,A5を指す。別紙6及び7では,この例に従って視察者名を略記する。)は,秋田県大曲市では新交通システムを,秋田県仙北郡角館町では景観保護を調査したという。 しかし,大曲市の新交通システムと巡回バスを試験運行した岡崎市との関連性が明確でない。また,岡崎市の城下町は第二次世界大戦での空襲でほとんど旧家屋が焼失したのであるから,視察報告書によれば「開発から取り残されたことが,結果として建物を保存することに繋がっている」角館町の景観保護の状況は,岡崎市街には参考にならない。したがって,これらの視察は一般の観光と何ら変わらない。 (2) 視察旅行目録1(3)記載の視察についてA12は,山梨県北巨摩郡須玉町で廃校を利用した「大正館」を見学したという。 しかし,岡崎市には廃校を利用するような施設はないから,上記見学は一般の観光と何ら変わらない。 なお,視察報告書では,現在営業している国民宿舎「桑谷山荘」の利用計画に視察の目的を充てて したという。 しかし,岡崎市には廃校を利用するような施設はないから,上記見学は一般の観光と何ら変わらない。 なお,視察報告書では,現在営業している国民宿舎「桑谷山荘」の利用計画に視察の目的を充てているように報告しているが,これは全くあいまいなものであって認められない。 (3) 視察旅行目録1(4)記載の視察についてA8らは,北海道小樽市で倉庫群の再利用状況などを視察したという。 しかし,岡崎市は内陸部に位置しているから,港湾都市の名残である倉庫群の視察は,岡崎市の景観行政と関連性がない。 (4) 視察旅行目録1(6)記載の視察についてA2らは,鹿児島県西之表市でコミュニティ活動促進助成事業を調査し,種子島総合開発センターを見学したという。 しかし,西之表市は人口1万9000人弱であるから,人口30万人を超えた岡崎市の施策にいかされるとは考えにくい。また,種子島総合開発センターの見学は観光にすぎない。 2 自民清風会(自民党市議団分)(1) 視察旅行目録2(1)記載の視察についてB8は,北海道根室市の防災計画を調査したという。 しかし,根室市は,海岸に面しているため,津波被害に対する防災計画を策定しており,内陸部に位置する岡崎市の防災計画の参考にはならない。 なお,B8は,一般行政視察の議員と同行しているのに,一般行政視察の議員の経費(15万3440円)よりも多い15万3790円を支出しているのは不当である。 (2) 視察旅行目録2(2)記載の視察についてB2は,群馬県館林市で向井千秋記念子ども科学館を,栃木県足利市で足利学校を,群馬県甘楽郡妙義町でふるさと美術館を,長野県諏訪市で原田泰治美術館を視察したという。 しかし,これらについて訪問した記録はない上,訪問先がすべて美術館等であり,一般の観光旅行と何ら変わらない。 (3) 視察旅行目録2 ふるさと美術館を,長野県諏訪市で原田泰治美術館を視察したという。 しかし,これらについて訪問した記録はない上,訪問先がすべて美術館等であり,一般の観光旅行と何ら変わらない。 (3) 視察旅行目録2(3)記載の視察についてB7は,北海道釧路市で駅周辺を,帯広市で中心市街地を,千歳市で街並みを調査したという。 しかし,同人は,釧路市には平成14年7月4日に行政視察で訪れているのであるから,実際に訪問しなくとも視察報告書を作成することは可能であり,視察があったかどうかは不明である。 また,実際にこれらの地方公共団体に足を運んでいたとしても,再度の訪問には必要性がない。 (4) 視察旅行目録2(4)記載の視察についてB7は,三重県志摩郡阿児町で鵜方駅周辺を,亀山市で城下町と亀山宿を,岐阜県高山市で街並みと観光資源を調査したという。 しかし,これらについては訪問した記録はない上,街並みの視察にすぎず,一般の観光旅行と変わらない。 (5) 視察旅行目録2(5)記載の視察についてB2は,北海道函館市で五稜郭を,千歳市で千歳サケのふるさと館及びインディアン水車を,札幌市で豊平川さけ科学館を,小樽市で小樽市博物館を視察したという。 しかし,これらについては訪問した記録はない上,観光施設を見学して回っただけにすぎない。 (6) 視察旅行目録2(6)記載の視察についてB5らは,北海道奥尻郡奥尻町で震災復興の現況を調査したという。 しかし,奥尻町は津波の被害にあったのであるから,奥尻町の震災復興の状況は内陸部に位置する岡崎市の地震対策の参考にならない。 (7) 視察旅行目録2(7)記載の視察についてB3は,沖縄県宜野湾市で宜野湾海浜公園を視察したという。 しかし,岡崎市は海に接していないのであるから,海浜公園の視察は岡崎市の施策に関係するとはいえない観光施設を見 目録2(7)記載の視察についてB3は,沖縄県宜野湾市で宜野湾海浜公園を視察したという。 しかし,岡崎市は海に接していないのであるから,海浜公園の視察は岡崎市の施策に関係するとはいえない観光施設を見学して回っただけにすぎない。 (8) 視察旅行目録2(8)記載の視察についてB7は,静岡県掛川市でお城をいかしたまちづくりを,榛原郡御前崎町で観光資源をいかしたイベント計画を調査したという。 しかし,これらについては訪問した記録はない上,また,仮に視察したとしても,観光施設を見学して回っただけにすぎない。 (9) 視察旅行目録2(9)記載の視察についてB7は,宇都宮市でぎょうざをいかしたまちおこし及び農業体験施設を調査したという。 しかし,これらについては訪問した記録はない上,また,仮に視察したとしても,観光施設を見学して回っただけにすぎない。 (10) 視察旅行目録2(15)記載の視察についてB7は,熊本県玉名市で玉名TMOを,熊本市で熊本市子ども文化会館を,鹿児島県指宿市で時遊館COCCOはしむれを訪問したという。 しかし,熊本市及び鹿児島県指宿市については訪問記録がないほか,B7は,指宿市のCOCCOはしむれについて「私も行ってはじめて知ったのだが,」と視察報告書に記載するなど,事前に目的を持っていない見学について政務調査費から支出するのは不適切である。 3 ゆうあい21-視察旅行目録3記載の視察についてC9らは,青森県上北郡六ヶ所村で,核燃料リサイクル事業団の施設を視察した。 しかし,会派が行う視察と称する調査旅費のすべてが無制限に許されるものではなく,核燃料リサイクル事業と岡崎市の関係が理解し難い。 この点について,被告は,「(岡崎)市におけるエネルギー行政を考える上で,有用なエネルギー資源である原子力発電に係る諸問題を調査することが有用で なく,核燃料リサイクル事業と岡崎市の関係が理解し難い。 この点について,被告は,「(岡崎)市におけるエネルギー行政を考える上で,有用なエネルギー資源である原子力発電に係る諸問題を調査することが有用であるとともに,核燃料リサイクル施設やクリーンセンター等がいわゆる迷惑施設であり,その施設と市民との共存には,十分な話合いなどの必要性があるなど,その設置に当たっての手法等を聞き取り調査を行った」と主張する。 けれども,岡崎市行政にとって上記のような聞き取り調査が必要であったとしても,C9らは,六ヶ所村役場には訪れておらず,同村の職員から聞き取り調査をしなかったのであるから,単なる施設見学にすぎず,政務調査のためとはいえない。 4 民主クラブ-視察旅行目録5(2)記載の視察についてF2らは,松江市でノンアイススケートリンクを視察したという。 しかし,松江市のホームページにもノンアイススケートリンク(松江アリーナ)の情報が掲載されておらず,果たしてそのような施設があるか疑問であるが,仮に,ノンアイススケートリンクが存在し,現に視察を行ったとしても,松江市も注目していない施設が岡崎市のアイススケートリンク閉鎖に伴う代替施設として必要な施設といえるか疑問である。 (別紙7)視察目的に関する被告の主張 1 自民清風会(自民新風会分)(1) 視察旅行目録1(2)記載の視察についてA3らは,秋田県大曲市で新交通システムを,秋田県仙北郡角館町では歴史的景観保護を調査した。 これらは,公共施設や商店をつなぐ市内循環バス,歴史的な景観保護の在り方を調査して,岡崎市政に反映する参考とすべく行われたものであり,政務調査費による視察として違法の評価を受ける余地はない。 (2) 視察旅行目録1(3)記載の視察についてA12は,山梨県北巨摩郡須玉町で「おいしい学校大正館」 する参考とすべく行われたものであり,政務調査費による視察として違法の評価を受ける余地はない。 (2) 視察旅行目録1(3)記載の視察についてA12は,山梨県北巨摩郡須玉町で「おいしい学校大正館」を調査した。 これは,廃校などを有効に活用したまちおこしについて調査し,岡崎市政に反映する参考とすべく行われたものであり,政務調査費による視察として違法の評価を受ける余地はない。 (3) 視察旅行目録1(4)記載の視察についてA8らは,北海道小樽市で,景観行政を調査した。 これは,歴史的建造物の保存をはじめとしたまちづくりを調査し,岡崎市政に反映する参考とすべく行われたものであり,政務調査費による視察として違法の評価を受ける余地はない。 (4) 視察旅行目録1(6)記載の視察についてA2らは,鹿児島県西之表市でコミュニティ活動促進助成事業,種子島総合開発センターを調査した。 これらは,市民との協働,地域に根ざしたまちづくりを進める上での西之表市の支援活動の実情と,文化施設の整備状況について調査し,岡崎市政に反映する参考とすべく行われたものであり,政務調査費による視察として違法の評価を受ける余地はない。 2 自民清風会(自民党市議団分)(1) 視察旅行目録2(1)記載の視察についてB8は,北海道根室市で地域防災計画を調査した。 これは,自主防災組織行政の実情について調査し,岡崎市政に反映すべく行われたものであり,政務調査費による視察として違法の評価を受ける余地はない。 なお,原告は,B8の支出が同行した一般行政視察の議員の経費よりも多いことを指摘するが,これは,B8は帯広駅から直接新千歳空港に赴いたことから本件旅費条例による特別急行料金の支給対象となるのに対し,一般行政視察の議員は帯広から視察を行う新得町に向かったことから,100キロメートルの距離 れは,B8は帯広駅から直接新千歳空港に赴いたことから本件旅費条例による特別急行料金の支給対象となるのに対し,一般行政視察の議員は帯広から視察を行う新得町に向かったことから,100キロメートルの距離がない帯広・新得間については特別急行料金の支給対象とはならないためであり,何ら問題はない。 (2) 視察旅行目録2(2)記載の視察についてB2は,群馬県館林市で向井千秋記念子ども科学館を,栃木県足利市で足利学校を,群馬県甘楽郡妙義町でふるさと美術館を,長野県諏訪市で原田泰治美術館を視察した。 この視察について,原告は,視察先の全てが美術館等であるから,一般の観光旅行と変わらないと主張しているが,岡崎市のまちづくりの参考とするため,教育文化施設の調査研究を行ったものであって,調査研究活動として問題はないというべきである。 (3) 視察旅行目録2(3)記載の視察についてB7は,北海道釧路市で駅周辺を,帯広市で中心市街地を,千歳市で街並みを調査した。 この視察について,原告は,視察先の市役所を訪問しなかったことを取り上げ,実態は観光旅行であると主張しているが,視察先の市役所を訪問せずとも,直接に住民の生の声を聴取し,町の雰囲気をつかむなど,有意義な視察方法があるのであるから,原告の主張は失当である。 また,原告は,B7が,平成14年7月2日から5日にかけて,一般行政視察として,根室市,釧路市,帯広市及び新得町を訪問したことから,視察の必要性がない旨を主張する。 しかし,上記一般行政視察と視察旅行目録2(3)記載の視察とでは視察目的を異にしているほか,上記一般行政視察においては,釧路市及び帯広市での滞在はごくわずかな時間に限られていたのであり,まちづくりについて調査研究をかねてから心がけていたB7議員としては,必要な情報を得るための時間がとれなかった 般行政視察においては,釧路市及び帯広市での滞在はごくわずかな時間に限られていたのであり,まちづくりについて調査研究をかねてから心がけていたB7議員としては,必要な情報を得るための時間がとれなかったため,再度,政務調査費を使用して調査を行ったものであると考えられ,違法な使途ではないというべきである。 (4) 視察旅行目録2(4)記載の視察についてB7は,三重県志摩郡阿児町で鵜方駅周辺を,亀山市で城下町と亀山宿を,岐阜県高山市で街並みと観光資源を調査した。 この視察について,原告は特段の根拠もなく一般の観光旅行と変わらないと主張しているが,街並みの保存についての実情を調査研究しているのであって,調査研究活動として問題はないというべきである。 (5) 視察旅行目録2(5)記載の視察についてB2は,北海道函館市で五稜郭を,千歳市で千歳サケのふるさと館及びインディアン水車を,札幌市で豊平川さけ科学館を,小樽市で小樽市博物館を視察した。 この視察について,原告は特段の根拠もなく一般の観光旅行と変わらないと主張しているが,岡崎市のまちづくりの参考とするため,函館の城址公園の整備状況やその他都市の教育文化施設,河川環境への取組みの調査研究を行ったものであって,調査研究活動として問題はないというべきである。 (6) 視察旅行目録2(6)記載の視察についてB5らは,北海道奥尻郡奥尻町で震災復興の現況を調査した。 この視察について,原告は,最初の視察地である奥尻町は津波による災害地であるから,内陸部に位置する岡崎市の地震対策には参考にならないと主張しているが,これは片面的な見方であり,災害全般にわたる防災行政の実態調査を行ったものであり,岡崎市の防災行政に有益であることはいうまでもない。 (7) 視察旅行目録2(7)記載の視察についてB3は,沖縄県宜野湾市で宜 面的な見方であり,災害全般にわたる防災行政の実態調査を行ったものであり,岡崎市の防災行政に有益であることはいうまでもない。 (7) 視察旅行目録2(7)記載の視察についてB3は,沖縄県宜野湾市で宜野湾海浜公園を視察した。 これは,施設の運営手法等についての調査を行ったものであって,調査研究活動として問題はないというべきである。 (8) 視察旅行目録2(8)記載の視察についてB7は,静岡県掛川市でお城をいかしたまちづくりを,榛原郡御前崎町で観光資源をいかしたイベント計画を調査した。 これらは,お城をいかしたまちづくり等についての調査を行ったものであって,調査研究活動として問題はないというべきである。 (9) 視察旅行目録2(9)記載の視察についてB7は,宇都宮市でぎょうざをいかしたまちおこし及び農業体験施設を調査した。 これらは,特産品をいかした観光客誘致等についての調査を行ったものであって,調査研究活動として問題はないというべきである。 (10) 視察旅行目録2(15)記載の視察についてB7は,熊本県玉名市で玉名TMOを,熊本市で熊本市子ども文化会館を,鹿児島県指宿市で時遊館COCCOはしむれを訪問した。 この視察は,岡崎市のまちづくりの参考とするため中心市街地のまちづくりの実態を調査するとともに,熊本市,指宿市の特色のある文化教育施設の調査を行ったものであって,調査研究活動として問題はないというべきである。 3 ゆうあい21-視察旅行目録3記載の視察についてC9らは,青森県上北郡六ヶ所村で,核燃料リサイクル事業団の施設を視察した。 岡崎市におけるエネルギー行政を考える上で,有用なエネルギー資源である原子力発電に係る諸問題を調査することが有効であるとともに,核燃料リサイクル施設やクリーンセンター等がいわゆる迷惑施設であり,その施設と市民との共存 ルギー行政を考える上で,有用なエネルギー資源である原子力発電に係る諸問題を調査することが有効であるとともに,核燃料リサイクル施設やクリーンセンター等がいわゆる迷惑施設であり,その施設と市民との共存には,十分な話合いなどの必要性があるなど,その設置に当たっての手法等の聞き取り調査を行ったものであり,政務調査の内容として問題はない。 4 民主クラブ-視察旅行目録5(2)記載の視察についてF2らは,松江市でノンアイススケートリンクを視察した。 原告は,この視察について,岡崎市の将来計画からすると無意味な視察であると主張しているが,岡崎市のスポーツガーデンの取壊しが決定されたことに伴い,スケートリンクに代わるレジャー施設の検討や中心市街地活性化のために,スケートリンクに代わる効用を持つものとして,ノンアイススケートリンクの実情調査を行ったものであって,調査研究活動として問題はないというべきである。
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