【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理 由 上告代理人加藤正次、同松田道夫、同平尾義雄の上告理由第一点について。 不法行
主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人加藤正次、同松田道夫、同平尾義雄の上告理由第一点について。 不法行為による上告人の被上告人に対する所論損害賠償債権は時効完成によつて消滅したが、民法五〇八条により、右消滅以前において被上告人の上告人に対する本件賃料等債権と相殺適状にあつた限度において、なお相殺をすることができるとした原審判断は、正当である。所論は、消滅時効完成後も時効援用あるまでは有効に存続する債権であるから、右援用の時までに相殺がなされれば、時効完成時の債権額にかかわらず、相殺の時点における債権額につき対当額において相殺されると主張するが、論旨は民法五〇八条の法旨を正解しないものであつて採るを得ない。また、所論挙示の判例は、事案を異にし本件に適切でない。原判決には所論の違法は認められない。 同第二点について。 所論の点に関する原審の事実認定は、挙示の証拠により是認できる。所論はひつきよう、原審の裁量に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰し、その間所論の違法は認められない。 同第三点について。 原判決は、所論自動債権たる損害賠償請求権の存在を肯認し、その額は受動債権たる被上告人の上告人に対する賃料等債権の額二二八、五一四円を超えると認定して、両債権が相殺により対当額で消滅したことを判示しており、原判示としてはこれをもつて足りるのであつて、所論のような点を判示しないからといつて審理不尽の違法があるものとは認められない。 - 1 -よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官入江俊郎 つて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官入江俊郎裁判官斎藤朔郎裁判官長部謹吾- 2 -
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