昭和53(あ)2328 暴力行為等処罰に関する法律違反、覚せい剤取締法違反

裁判年月日・裁判所
昭和54年4月19日 最高裁判所第一小法廷 判決 その他 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決中「当審における未決勾留日数中一三〇日を原判決の本刑に算入 する。」との部分を破棄する。      原審における未決勾留日数中一〇七日を本刑に算入する。      その余

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判決文本文2,586 文字)

主    文      原判決中「当審における未決勾留日数中一三〇日を原判決の本刑に算入 する。」との部分を破棄する。      原審における未決勾留日数中一〇七日を本刑に算入する。      その余の部分に対する本件上告を棄却する。          理    由  検察官の上告趣意について  記録によれば、被告人は、本件起訴前である昭和五三年一月二八日、第一審判決 判示第一事実と同一性のある傷害の事実により勾留状の執行を受け、その後一、二 審を通じて引き続き勾留されており、第一審は、同年六月一三日被告人を懲役二年 六月に処する等の旨の判決を言い渡し、これに対し被告人が同月二四日控訴を申し 立てたところ、原審は、同年一一月二八日右控訴を棄却するとともに控訴審におけ る未決勾留日数中一三〇日を第一審判決の刑に算入する旨の判決を言い渡したもの であるが、他方、被告人は、昭和五三年二月一六日浦和簡易裁判所において、道路 交通法違反の罪により、罰金五万円、換刑一日一〇〇〇円の裁判を受け、右裁判は 同年三月三日確定し、右罰金刑の換刑処分としての労役場留置の執行が本件の未決 勾留中である同年九月一八日から同年一一月六日に至る間引き続き行われたことが 明らかである。  ところで、右のように未決勾留と競合して罰金刑の換刑処分としての労役場留置 の執行が行われた場合には、その競合する未決勾留の日数を刑法二一条により本刑 に算入する旨の言渡をすべきでないことは、所論引用の当裁判所の判例の示すとこ ろであるから(当裁判所昭和二九年(あ)第三八九号同三二年一二月二五日大法廷 判決・刑集一一巻一四号三三七七頁、同四六年(あ)第二〇一〇号同四七年四月一 三日第一小法廷判決・裁判集刑事一八四号一一七頁、同四九年(あ)第一三三九号 - 1 - 同四九年一一月二九日第三小法廷判決・裁判集刑事一九四号三〇一 三七七頁、同四六年(あ)第二〇一〇号同四七年四月一 三日第一小法廷判決・裁判集刑事一八四号一一七頁、同四九年(あ)第一三三九号 - 1 - 同四九年一一月二九日第三小法廷判決・裁判集刑事一九四号三〇一頁、同五〇年( あ)第九七八号同五〇年九月二五日第一小法廷判決・裁判集刑事一九七号四四三頁、 同五二年(あ)第一〇四〇号同五二年一一月二九日第三小法廷判決・裁判集刑事二 〇七号八一九頁)、原審における未決勾留日数のうち本刑に算入することの許され る限度は、被告人の控訴申立の日である昭和五三年六月二四日から前記労役場留置 の執行開始の日の前日である同年九月一七日までの八六日及び右労役場留置の執行 終了の日の翌日である同年一一月七日から原判決言渡の日の前日である同年一一月 二七日までの二一日の合計一〇七日である。従つて、原審が右限度を超えて控訴審 における未決勾留日数を本刑に算入したのは、刑法二一条の適用について右判例と 相反する判断をしたものといわなければならない。論旨は理由がある。  よつて、刑訴法四〇五条二号、四一〇条一項本文、四一三条但書により、原判決 中「当審における未決勾留日数中一三〇日を原判決の本刑に算入する。」との部分 を破棄し、刑法二一条により原審における未決勾留日数中一〇七日を本刑に算入す ることとし、原判決中その余の部分に対する上告は、上告趣意としてなんら主張が なく、従つてその理由がないことに帰するから、刑訴法四一四条、三九六条により 棄却することとし、なお同法一八一条一項但書を適用して主文のとおり判決する。  この判決は、裁判官戸田弘の補足意見、裁判官団藤重光の反対意見があるほか、 裁判官全員一致の意見によるものである。  裁判官戸田弘の補足意見は、次のとおりである。  私は、本件のような場合に原判決の一部破棄を認める昭和三三年四月一〇日第一 小法廷判決・ の反対意見があるほか、 裁判官全員一致の意見によるものである。  裁判官戸田弘の補足意見は、次のとおりである。  私は、本件のような場合に原判決の一部破棄を認める昭和三三年四月一〇日第一 小法廷判決・刑集一二巻五号八六六頁以来の当裁判所の取扱を最高裁判所におのず から生れた特別な処理方式として維持してよいと考える。そして、このような場合 に、本刑の部分と未決算入の部分とが別々に確定するようなことはかならず避けな ければならないから、未決算入部分に限つての一部上告は許されないものとしなけ - 2 - ればならないこと、また、控訴審にまでこのような処理方式を及ぼすことは不必要 でもあり不適当でもあつて、この取扱は最終審限りのものとしておかなければなら ないこと、この二点を念のため特に明確にしておきたいと思う。  裁判官団藤重光の反対意見は、次のとおりである。  労役場留置の執行と競合する未決勾留の日数を本刑に算入することが許されない のはもちろんであつて、この点に関するかぎり、わたくしも多数意見に同調する。 ただ、多数意見が本件のようなばあいに一部破棄・一部上告棄却を言い渡すべきも のとする点については、わたくしは見解を異にするので、当裁判所昭和五一年一一 月一八日第一小法廷判決(刑集三〇巻一〇号一九〇二頁)におけるわたくしの反対 意見(その後段の部分)をここに援用する。私見においては、主文は、「原判決を 破棄する。本件控訴を棄却する。原審における未決勾留日数中一〇七日を本刑に算 入する。」となるべきところである。  検察官本田啓昌 公判出席   昭和五四年四月一九日      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    団   藤   重   光             裁判官    藤   崎   萬   里             裁判官    本   山 高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    団   藤   重   光             裁判官    藤   崎   萬   里             裁判官    本   山       亨             裁判官    戸   田       弘             裁判官    中   村   治   朗 - 3 -

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