昭和50(行ウ)44 懲戒処分取消等請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和54年8月30日 大阪地方裁判所
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【DRY-RUN】○ 主文 一 原告らの被告らに対する請求はいずれも棄却する。 二 訴訟費用は原告らの負担とする。 ○ 事実 第一申立 一 原告ら 1 被告大阪陸運局長が原告らに対し、昭和四四年一二月二六日付でなした各

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○ 主文一原告らの被告らに対する請求はいずれも棄却する。 二訴訟費用は原告らの負担とする。 ○ 事実第一申立一原告ら 1 被告大阪陸運局長が原告らに対し、昭和四四年一二月二六日付でなした各懲戒戒告処分をいずれも取消す。 2 被告人事院が原告らに対し、昭和五〇年五月二九日付でなした請求棄却の判定(人事院指令一三-二二)をいずれも取消す。 3 訴訟費用は被告らの負担とする。 二被告ら主文と同旨。 第二主張一請求の原因 1 原告Aは昭和四四年一一月一三日当時(他の原告も同じ)和歌山県陸運事務所整備課に、同Bは奈良県陸運事務所整備課に、同Cは兵庫県陸運事務所輸送課に、同Dは同事務所整備課に、同Eは京都府陸運事務所整備課に、同Fは大阪府陸運事務所整備課に、同Gは大阪陸運局鉄道部保安課にそれぞれ勤務していた職員である。 2 被告大阪陸運局長(以下、被告局長という。)は、原告らに対し、原告らが昭和四四年の給与改定に関する人事院勧告の完全実施を要求して同年一一月一三日早朝に行われた職場大会に参加したことが国家公務員法(以下、国公法という。)九八条二項(争議行為の禁止)に違反し、八二条一号に該当するとの理由をもつて、同年一二月二六日付で原告らをそれぞれ戒告に処する旨の懲戒処分(以下、本件各処分という。)をした。 3 原告らは、本件各処分が違法不当であるとして被告人事院に対し、不利益処分審査請求(昭和四五年第二三八号等併合事案)をなしたが、被告人事院は、昭和五〇年五月二九日付人事院指令一三-二二をもつて原告らの右審査請求を棄却する旨の判定(以下、本件判定という。)をなし、右判定書は同年七月二日以降の日に原告らにそれぞれ到達した。 4 本件各処分及び判定は後記五記載の事由により違法であり、又、本件判定は次の事由によつても違法である。 (一) 件判定という。)をなし、右判定書は同年七月二日以降の日に原告らにそれぞれ到達した。 4 本件各処分及び判定は後記五記載の事由により違法であり、又、本件判定は次の事由によつても違法である。 (一) 本件判定は、原告らが人事院に対し最終陳述書を提出した昭和四八年三月から二年四か月を経過した昭和五〇年七月以降に原告らに送達されたものである。 (二) ところで、国公法三条二項は、「人事院は、法律の定めるところに従い、給与その他の勤務条件の改善・・・・・・懲戒、苦情の処理その他職員に関する人事行政の公正の確保及び職員の利益の保護等に関する事務をつかさどる。」と定め、人事院が公務員の利益擁護、権利救済を目的として設置された機関であることを明言しているところ、これをもつて人事院制度が公務員の争議権に代わる「代償措置」であるといわれる所以であり、人事院の機能のうち人事院勧告にかかわる給与関係と不利益処分についての不服申立てにかかわる公平審理関係とがこれに属するものである。 (三) 公務員は、その意に反する不利益処分を受けたときは、まず人事院に対して行政不服審査法による不服申立をしなければならず、裁判所に提起する抗告訴訟との関係では、審査請求が前置されているのである。その趣旨は、民間労働者に比して種々の制約が課されている公務員労働者に対し、懲戒処分等の事由を制限し(国会法八二条)、これらの不利益処分に対しては、人事院で直接争える方法を認め、その身分保障を民間労働者以上に厚くしようとするところにあると立法関係者によつて説かれている。 ところが、公平審理判定内容の実態は、決して不服を申立てた公務員労働者の期待にこたえるものとなつていない。すなわち、争議行為禁止規定違反を理由とする不利益処分について原処分を取消した判定は一例にとどまり(昭和四二年指令一三-二三 は、決して不服を申立てた公務員労働者の期待にこたえるものとなつていない。すなわち、争議行為禁止規定違反を理由とする不利益処分について原処分を取消した判定は一例にとどまり(昭和四二年指令一三-二三)、又、修正した判定でさえ一例しか見当たらないのであり(昭和四一年指令一三-一二)、かつ、全体としてみても、昭和二四年に公平審査制度が設けられて以来二一年間の総計では人事院判定一五二三件中「処分の取消し修正は六・三パーセントであり、残りの九三・七パーセントは承認又は棄却という結果に終つている。 (四) 右のような公平審理の実態は、人事院が公務員の争議権に代わる代償機能をもつとされる趣旨と大きく隔たるものといわざるを得ない。 右実態を前提とするとき、少なくとも審査請求に対する判定は、可及的すみやかになされるべきであつて、本件判定のごとく最終陳述から判定までに二年四か月を経過するということは、極めて大きな不利益を公務員労働者に与えることとなり、審査請求の前置されることが代償機能どころか、逆に裁判所において早く審理を受けたいと望む原告らの意思を長期間に亘つて奪うという枠桔以外の何ものでもないこととなるのである。 さらに、国公法九一条一項は、「第九〇条第一項に規定する不服申立てを受理したときは、人事院又はその定める機関は、直ちにその事案を調査しなければならない。」と定め、人事院規則一三-一の五二条一項は、「人事院は、公平委員会が提出した調査に基づいて、すみやかに指令で判定を行うものとする。」と定めている。 (五) 以上の諸点からすると、最終陳述書提出後二年四か月という長期間経過後になされた本件判定は、それ自体違法というべきである。 5 よつて、原告らは、本件各処分及び本件判定の取消しを求める。 二請求原因に対する認否 1 請求原因1ないし3は認める。 という長期間経過後になされた本件判定は、それ自体違法というべきである。 5 よつて、原告らは、本件各処分及び本件判定の取消しを求める。 二請求原因に対する認否 1 請求原因1ないし3は認める。 2 同4は争う。 (一) 裁決(判定)の取消しの訴えにおいては、処分の違法を理由として取消しを求めることができない(行政事件訴訟法(以下、行訴法という。)一〇条二項)ところ、原告らが主張する本件判定の違法事由のうち本件各処分の違法事由についての主張は、主張自体失当というべきである。 (二) 本件判定が遅延したことが違法であるとの主張について判定が不当に遅延したかどうかは具体的な事案ごとに処分の性質・内容、審査の規模など諸々の事情との関係において論じられるべきであり、原告ら主張のごとく期間の長短のみによつて論じられるべきものではない。なるほど、本件判定は、原告らの最終陳述書提出から二年四か月後に原告らに送達されているが、本事案が原告ら六名の請求書を併合して審査した事案であること、同種事案(一一・一三闘争に関する他省庁事案)についての審査の進捗状況などに鑑みれば、右期間が不当に長期に亘つているということはできない。 なお、審査請求人は、三か月を経てもなお判定がないときは、判定を待つことなく直接処分の取消しを求めて裁判所に出訴することができ(行訴法八条二項一号)、判定遅延による審査請求人の不利益救済の途が確保されているのであるから、判定までにある程度の期間を費したとしても、その故をもつて判定自体を違法とすべきではない。 三抗弁被告局長が原告らに対し本件各処分をした理由は、次のとおりである。 1 昭和四四年一一月一三日実施の職場大会(以下、本件ストライキ、又は本件職場大会ともいう。)に至るまでの経緯(一) 全運輸省労働組合の組織全運輸省労働組合(以下 をした理由は、次のとおりである。 1 昭和四四年一一月一三日実施の職場大会(以下、本件ストライキ、又は本件職場大会ともいう。)に至るまでの経緯(一) 全運輸省労働組合の組織全運輸省労働組合(以下、全運輸という。)は、運輸省の内部部局・附属機関(港湾技術研究所・海技大学校・航海訓練所・海員学校及び運輸研修所を除く。)及び地方支分部局(港湾建設局を除く。)に勤務する職員(国公法一〇八条の二の三項ただし書に規定する管理職員等に該当する職員を除く。 )の大多数をもつて組織する職員団体であつて・本件ストライキ当時の組合員の総数は約七五七〇名であつた。 全運輸は、中央本部の事務所を東京都千代田区<地名略>運輸省内に置き、その下部組織として、地域別、機関別に本件ストライキ当時三〇支部一七一分会を置いていた。 (二) 全運輸の昭和四四年度秋期闘争方針全運輸は、昭和四四年八月三一日から同年九月二日まで伊豆今井浜において、第八回定期大会を開催し、同年八月一五日行われた人事院勧告の内容及び実施時期をめぐる諸般の情勢から、秋の賃金確定期に向けて実力行使をもつて闘う必要があるとして、全運輸もその一員として加盟している日本国家公務員労働組合共闘会議(以下、国公共闘という。)の統一要求事項(賃上げは五月から実施することなど)を当面の賃金要求事項とすること、その実現を図るため、国公共闘・公務員労働組合共闘会議(以下、公務員共闘という。)の配置する統一行動に積極的に参加して闘い、特に同年一〇月中旬以降に早朝から勤務時間にくい込む職場大会を行うことなどの基本方針を決定した。 (三) 全運輸の秋期闘争方針の具体化国公共闘は、昭和四四年九月二三日の臨時拡大評議員会において、秋期闘争方針として、賃上げは五月から実施すること、賃上げに当たつては最低引上げ四〇〇〇円を保障するこ 三) 全運輸の秋期闘争方針の具体化国公共闘は、昭和四四年九月二三日の臨時拡大評議員会において、秋期闘争方針として、賃上げは五月から実施すること、賃上げに当たつては最低引上げ四〇〇〇円を保障すること、諸手当を改善すること、賃金体系を改善することなどを内容とする「当面の統一賃金要求」を確認決定し、又秋の統一行動日を一一月一三日とし、その戦術を「早朝から職場大会を開き始業時から二九分以内の勤務時間にくい込む職場大会」とすることを決定した。 全運輸も前記国公共闘の決定したことを受けて、同年九月二四日さん下各支部・分会に対し国公共闘の決定の内容を伝達すると共に各支部・分会における実力行使体制確立を指示した。 さらに、同年一〇月一日及び同月二六日中央闘争委員会を開催して、一一月一三日の実力行使の具体的行動を決定し、一〇月二日及び同二九日に各支部・分会に指令した。 (四) 全運輸の賃金要求と闘争宣言全運輸は、昭和四四年九月一九日運輸省当局に対し、前記秋期闘争方針に基づく賃金要求として、前記統一賃金要求事項を内容とする「要求書」を提出し、政府が右要求を入れないときは、二〇〇万公務員労働者と共に同年一一月一三日早朝から勤務時間に二九分くい込む実力行使を行う旨の闘争宣言を発するに至つた。 (五) 本件ストライキの実施全運輸は、このような賃金引き上げ要求を行う一方において、要求の貫徹を目標にストライキ体制の確立を図るため、昭和四四年九月下旬及び同年一〇月上旬さん下の各組織に対し、いわゆる一票投票の実施、教宣活動の強化などにより、組合員の闘争意欲の盛上げを図つたうえで公務員共闘統一ストライキとして一一月一三日早朝勤務時間にくい込む職場大会(本件ストライキ)を開く準備を行うよう指令し、一一月一三日当局の警告を無視してストライキを実施させた。 2 全運輸近畿陸運 で公務員共闘統一ストライキとして一一月一三日早朝勤務時間にくい込む職場大会(本件ストライキ)を開く準備を行うよう指令し、一一月一三日当局の警告を無視してストライキを実施させた。 2 全運輸近畿陸運支部における本件ストライキの概況(一) 全運輸近畿陸運支部の組織全運輸近畿陸運支部(以下、近陸支部という。)は、大阪陸運局管内に勤務する職員で組織され、本件ストライキ当時その下部組織として和歌山、奈良、滋賀、兵庫(ただし、姫路支所を含む。)京都、大阪(ただし、和泉支所を含む。)各府県陸運事務所及び本局に七分会が置かれ、その組合員数は約三八〇名であつた。 各分会の組織は次のとおりである。 (1) 和歌山分会は、和歌山県陸運事務所に勤務する職員で組織され、組合員数は約二一名であつた。 (2) 奈良分会は、奈良県陸運事務所に勤務する職員で組織され、組合員数は約一七名であつた。 (3) 滋賀分会は、滋賀県陸運事務所に勤務する職員で組織され、組合員数は約一六名であつた。 (4) 兵庫分会は、兵庫県陸運事務所(本所)及び同姫路支所に勤務する職員で組織され、組合員数は約六七名であつた。 (5) 京都分会は、京都府陸運事務所に勤務する職員で組織され、組合員数は約四〇名であつた。 (6) 大阪分会は、大阪府陸運事務所(本所)及び同和泉支所に勤務する職員で組織され、組合員数は約一二七名であつた。 (7) 本局分会は、大阪陸運局総務部、鉄道部、自動車部及び整備部に勤務する職員で組織され、組合員数は約九六名であつた。 (二) 近陸支部及びさん下各分会における本件ストライキ体制の確立近陸支部及びさん下各分会は、本件ストライキの闘争体制の確立を図るため、概要次のような事前行動を行つた。 (1) 昭和四四年一〇月二〇日から同月二五日にかけてストライキに対する参加決意表明のための 近陸支部及びさん下各分会は、本件ストライキの闘争体制の確立を図るため、概要次のような事前行動を行つた。 (1) 昭和四四年一〇月二〇日から同月二五日にかけてストライキに対する参加決意表明のための一票投票などにより組合員の意思確認を行つた。 (2) 同月七日から同月三一日にかけて近陸支部及び各分会から、被告局長外それぞれの陸運事務所長らに対し、統一賃金要求などの要求書を提出した。 (三) 本件ストライキに対し当局がとつた措置(1) 昭和四四年一〇月二三日総理府総務長官は、国公共闘議長に対し警告を発すると共に談話を発表して公務員の自覚と反省を促し、違法な行動を行うことのないよう自重を求めた。 (2) 同年一一月一二日運輸事務次官は、全運輸中央執行委員長に対し警告を発し、違法行為を行うことのないよう自重を求めた。 (3) 同月八日から同月一〇日にかけて被告局長、総務部長及び各陸運事務所長らは近陸支部長及び各分会長に対し、文書による警告を発し、違法な職場大会を行うことのないよう自重を求めた。 (4) 同月八日から同月一一日にかけて各職員に対し、同月六日付け運輸事務次官名による警告書を交付し、違法な職場大会に参加することのないよう自重を求めると共に警告した。 (5) 本件ストライキ当日、各所属長は、それぞれの職場大会代表者に対し、無許可集会の解散命令を発すると共に職場大会参加者全員に対し就業命令を発した。 (四) 近陸支部及びさん下各分会の本件ストライキの実施状況近陸支部及びさん下各分会は、当局の度重なる警告にもかかわらず、昭和四四年一一月一三日次の職場において勤務時間にくい込む職場大会を実施した。 (1) 和歌山分会は、和歌山県陸運事務所宿直室前の中庭において、午前八時三〇分頃から勤務時間に約一五分くい込む職場大会を実施し、組合員約一六名が参加し、 いて勤務時間にくい込む職場大会を実施した。 (1) 和歌山分会は、和歌山県陸運事務所宿直室前の中庭において、午前八時三〇分頃から勤務時間に約一五分くい込む職場大会を実施し、組合員約一六名が参加し、その間職務を放棄した。 (2) 奈良分会は、奈良県陸運事務所宿直室において、午前八時二十五分頃から勤務時間に約二十分くい込む職場大会を実施し、組合員約一七名が参加し、その間職務を放棄した。 (3) 兵庫分会(本所)は、兵庫県陸運事務所玄関前横庭において、午前八時二〇分頃から勤務時間に約一二分くい込む職場大会を実施し、組合員約四六名が参加し、その間職務を放棄した。 (4) 兵庫分会(姫路支所)は、兵庫県陸運事務所姫路支所構内入口横の空地において、午前八時三三分頃から勤務時間に約一七分くい込む職場大会を実施し、組合員約一五名が参加し、その間職務を放棄した。 (5) 京都分会は、京都府陸運事務所玄関前広場において、午前八時二〇分頃から勤務時間に約一九分くい込む職場大会を実施し、組合員約三三名が参加し、その間職務を放棄した。 (6) 大阪分会(本所)は、大阪府陸運事務所玄関前広場において、午前八時二〇分頃から勤務時間に約二〇分くい込む職場大会を実施し、組合員約七五名が参加し、その間職務を放棄した。 (7) 本局分会は、大阪陸運局自動車部事務室において、午前八時四五分頃から勤務時間に約一二分くい込む職場大会を実施し、組合員約七五名が参加し、その間職務を放棄した。 3 処分理由たる原告らの所為(一) 原告A原告Aは、本件ストライキ当時全運輸近陸支部和歌山分会分会長の地位にあつたところ、右分会が昭和四四年一一月一三日和歌山県陸運事務所宿直室前の中庭において、給与に関する人事院勧告の完全実施などの要求貫徹を目的として行なつた勤務時間にくい込む職場大会に就業命令 地位にあつたところ、右分会が昭和四四年一一月一三日和歌山県陸運事務所宿直室前の中庭において、給与に関する人事院勧告の完全実施などの要求貫徹を目的として行なつた勤務時間にくい込む職場大会に就業命令を無視して参加し、このため当日の勤務時間中、午前八時三〇分から同四五分までの約一五分間にわたり職務を放棄し、その際分会長としての「あいさつ」を行い主たる役割を果した。 (7) 原告B原告Bは、本件ストライキ当時全運輸近陸支部奈良分会分会長の地位にあつたところ、右分会が右同日奈良県陸運事務所宿直室において、右要求貫徹を目的として行なつた勤務時間にくい込む職場大会に就業命令を無視して参加し、このため当日の勤務時間中午前八時三〇分から同五〇分までの約二〇分間にわたり職務を放棄し、その際分会長として「所長交渉の経過報告」を行い主たる役割を果した。 (三) 原告C原告Cは、本件ストライキ当時全運輸近陸支部兵庫分会副分会長の地位にあつたところ、右分会が右同日午前八時三三分から同五〇分までの約一七分間にわたり兵庫県陸運事務所姫路支所構内人口横の広場において、右要求貫徹を目的として行なつた勤務時間にくい込む職場大会に参加し、その際副分会長として「所長交渉の経過報告及び決議文の朗読」を行い主たる役割を果した。 (四) 原告D原告Dは、本件ストライキ当時全運輸近陸支部兵庫分会分会長の地位にあつたところ、右分会が右同日兵庫県陸運事務所庁舎玄関前横において、右要求貫徹を目的として行なつた勤務時間にくい込む職場大会に就業命令を無視して参加し、このため当日の勤務時間中午前八時三〇分から同四二分までの約一二分間にわたり職務を放棄し、その際分会長として「あいさつ及び職場大会の意義」について演説を行い主たる役割を果した。 (五) 原告E原告Eは、本件ストライキ当時全運輸近陸 〇分から同四二分までの約一二分間にわたり職務を放棄し、その際分会長として「あいさつ及び職場大会の意義」について演説を行い主たる役割を果した。 (五) 原告E原告Eは、本件ストライキ当時全運輸近陸支部京都分会分会長の地位にあつたところ、右分会が右同日京都府陸運事務所庁舎玄関前広場において、右要求貫徹を目的として行なつた勤務時間にくい込む職場大会に就業命令を無視して参加し、このため当日の勤務時間中午前八時三〇分から同四九分までの約一九分間にわたり職務を放棄し、その際分会長としてがんばろう三唱の音頭とりを行い主たる役割を果した。 (六) 原告F原告Fは、本件ストライキ当時全運輸近陸支部大阪分会分会長の地位にあつたところ、右分会が右同日大阪府陸運事務所庁舎玄関前広場において、右要求貫徹を目的として行なつた勤務時間にくい込む職場大会に就業命令を無視して参加し、このため当日の勤務時間中午前八時三〇分から同五〇分までの約二〇分間にわたり職務を放棄し、その際分会長として「あいさつ及び人事院勧告関係の報告」を行い主たる役割を果した。 (七) 原告G原告Gは、本件ストライキ当時全運輸近陸支部支部長の地位にあつたところ、右支部本局分会が右同日大阪陸運局自動車部事務室において、右要求貫徹を目的として行なつた勤務時間にくい込む職場大会に就業命令を無視して参加し、このため当日の勤務時間中午前九時五分から同一七分までの約一二分間にわたり職務を放棄し、その際支部長として「あいさつ及び人事院勧告関係の報告」を行い主たる役割を果した。 4 適条原告らの各行為は、組合役員として他の者と共に勤務時間にくい込む各職場大会に参加した点において国公法九八条二項前段所定の争議行為に該当し、右大会において組合役員として参加者に対し、あいさつ、経過報告、決議の朗読、演説、がんば して他の者と共に勤務時間にくい込む各職場大会に参加した点において国公法九八条二項前段所定の争議行為に該当し、右大会において組合役員として参加者に対し、あいさつ、経過報告、決議の朗読、演説、がんばろう三唱の音頭とりなどを行なつた点において同法九八条二項後段所定の「そそのかし」、「あおり」行為に該当するので、同法条項に違反し、同法八二条一号に該当する。そして、原告らは、事前に上司から勤務時間にくい込む職場大会は明らかに違法であるから参加しないよう警告されたにもかかわらず、右各行為を行なつたことは情状重いものである。 よつて、被告局長は、国公法八二条一号により原告らに対し本件各処分をしたのである。 四抗弁に対する認否等 1 抗弁1は認める。 2 同2は認める。 3 (一)同3(一)のうち、就業命令を無視したとの点は否認し、その余は認める。就業命令は発せられていなかつた。 (二) 同3(二)のうち、分会長として「所長交渉の経過報告」を行なつたとの点は否認し、その余は認める。 (三) 同3(三)ないし(七)は認める。 4 同4は争う。 5 本件ストライキの背景と経緯(一) 国公共闘の組織と運営国公共闘は、本件当時、国家公務員労働者(以下、国公労働者という。)で組織される各省庁一七の労働組合とこれに準ずる三つの労働組合がオブザーバーとして加盟する一四万人の組織人員をもつ共闘組織の労働組合である。 その機関としては、各加盟組合から選出される評議員と幹事会で構成される決議機関としての評議員会、拡大評議員会によつて選出される議長以下の幹事で構成される執行機関としての幹事会がある。 運営は、各機関とも原則として万場一致で決定されることになつており、一単組でも反対があれば討議が継続され、すべての加盟組合が賛成はしないまでも反対だけはしないところまでの意思統一 ての幹事会がある。 運営は、各機関とも原則として万場一致で決定されることになつており、一単組でも反対があれば討議が継続され、すべての加盟組合が賛成はしないまでも反対だけはしないところまでの意思統一をはかるよう運営されている。決定された事項は各組合の責任のもとに実施に移されるが、その際各組合の条件に応じて具体化され、評議員会で決定された事項に反する行動をとつてはならないことが確認されている。 (二) 本件職場大会に向けての国公共闘の取組み国公共闘は、昭和四四年二月二五日から同月二七日までの間第一二回全国活動者会議を、同月二六日臨時拡大評議員会を開催し、昭和四四年の賃金闘争方針として「国公労働者もストライキで結集できる態勢をきずきあげてゆく第一歩をふみだす」ことなどを決定し、同年五月二七日第九回評議員会を開催し、当面の統一賃金闘争方針を決定したが、その中で先の臨時拡大評議員会の確認を具体化し、「国公共闘は、主体的条件と客観的条件をふまえ、政府が要求を入れない場合は、秋の統一行動として実力行使を配置してたたかいます。」と決定した。 国公共闘は、同年三月二二日政府に提出した「一九六九年国公統一賃金要求」の実現を目ざして署名運動などの方法を駆使して政府、人事院と交渉を重ねていたが、同年七月、政府は人事院勧告が提出される前から、春闘相場が予想より上回つているので勧告の完全実施は財政上困難である旨ほのめかした。これに対応し、国公共闘は、同年七月一〇、一一日の両日、第一一回評議員会を開催し、人事院勧告前の闘争を強化する方針と共に人事院勧告後の闘争の具体的戦術について「早朝から始業時より時間内にくい込む職場大会をする。その時間は二九分以内とする。その時間をいくらにするかの決定は八月勧告後の評議員会で行い、大衆討議のうえで九月二〇日頃の定期拡大評議員会で ついて「早朝から始業時より時間内にくい込む職場大会をする。その時間は二九分以内とする。その時間をいくらにするかの決定は八月勧告後の評議員会で行い、大衆討議のうえで九月二〇日頃の定期拡大評議員会で最終決定する。」ことを決定し、各加盟組合が七月以降開かれる定期大会で右方針を十分討議する手だてを講ずることを確認した。 人事院は、同年八月一五日、国家公務員の給与について一〇・二パーセントの五月からの引上げ勧告を政府に行なつたが、国公労働者にとつて右勧告は、まことに不満なものであり、国公労働者の生活を改善するなどということはとうていできないものであつた。 国公共闘は、右勧告直後の八月一七、一八日の両日、第一二回評議員会を開催し、「当面の統一賃金要求案」を決定すると共に賃金要求と実力行使などについて全国公労働者の討議を組織し、意見を求めるためのアンケートを行うこと及び実力行使は、一〇月中旬以降の公務員共闘によつて決定される日時とし、評議員会の決定に基づき各単組が指令して決行することなどを決定した。 公務員共闘の幹事会は、同年八月一九日及び九月五日、「第一波ストライキを総評最大の統一行動日である一一月一三日とし、結着がつかなければ第二波を臨時国会段階で実施する」との方針のもとに、重点要求を、(1)五月からの賃上げ実施、(2)地方公務員、地方公営企業職員の賃上げ財源確保、(3)最低保障四〇〇〇円、(4)期末手当の〇・二か月分増額と決め、一一月一三日のストライキは二時間を目標とすることを決定した。 国公共闘は、実力行使の方針についてアンケート活動を中心にさまざまな方法で職場討議を深め、一票投票による闘争態勢の確立に努めつつ、九月三日に行われた第一四回評議員会で人事院勧告後の「当面の統一賃金要求」を決定し、同月八日これを政府に提出した。 国公共闘は、公務員 方法で職場討議を深め、一票投票による闘争態勢の確立に努めつつ、九月三日に行われた第一四回評議員会で人事院勧告後の「当面の統一賃金要求」を決定し、同月八日これを政府に提出した。 国公共闘は、公務員共闘の決定と政府、各省との交渉状況をふまえて、同年九月二二日から二四日までの間第一三回全国活動者会議を、同月二三日臨時拡大評議員会を開催し、「当面の統一賃金要求」を最終的に確認すると共に、当面の政府への闘争を強化するための具体策として、所属長交渉、上申闘争の強化、組合員一人一枚の要求葉書の実施、各職場での実力行使決議の実施、一〇月七日に統一行動としての時間外職場集会の実施、全国動員による中央決起集会と各省交渉などを行うことを決め、既に決定されていた秋の実力行使については、「政府が国公労働者の賃金要求をいれず誠意を示さない場合は、公務員労働者二〇〇万人と固く団結し、総評の統一行動日に当面の統一賃金要求実現のために実力行使を実施します。 要求の前進、わけても実施時期の解決がみられない場合は、臨時国会段階でさらに全国統一行動(実力行使をも含む)を実施する。」との基本態度を確認し、「(1)当面の統一賃金要求解決をたたかう実力行使の実施日は、一一月一三日とする。(2)戦術は早朝から職場大会を開き、『始業時より二九分以内の勤務時間にくいこむ職場大会』とする。(3)一一月一二日朝から一一月一三日早朝の実力行使終了時まで全員がリボンまたはプレート行動を実施する。」という内容を決定し、実力行使体制確立を目ざす活動として、「実力行使参加表明を含む一票投票」と「実力行使参加の決意表明署名」を重視して取組むことも併せて確認された。そして、同年一〇月一六日に行われた一九七〇年度第一回評議員会で確認された内容に基づいて、同月二三日公務員共闘がスト宣言集会において「ストライ の決意表明署名」を重視して取組むことも併せて確認された。そして、同年一〇月一六日に行われた一九七〇年度第一回評議員会で確認された内容に基づいて、同月二三日公務員共闘がスト宣言集会において「ストライキ宣言」を発したのと同時に、内外に「闘争宣言」を発表した。政府は、公務員労働者が右のようにストライキ宣言を発して大規模な統一闘争を実施することを明らかにした段階においても、人事院勧告に対する態度を決定せず、国公共闘の右賃金要求に対しても誠意を示そうとしなかつた。そして、同年一一月一一日、公務員賃金について「俸給表などは人事院勧告の内容のままとし、実施時期については六月とするが夏期一時金へのはね返り抜き」という閣議決定を行なつた。右決定は、基本的には国公労働者の切実な要求と深刻な生活実態に目を向けず、ストライキ権はく奪の「代償措置」として作られた人事院勧告制度の建前さえ踏みにじる不当なものであり、加えて夏期一時金へのはね返り分を除外するという点は全く承服できないものであつた。 国公共闘は、直ちに第二回評議員会を開いて、右政府の不当な態度に抗議するなどの声明を発し、一一・一三統一行動を既定方針どおり実施することを決定した。 このように、国公共闘の九年ぶりの統一実力行使は、二月から九か月近くにわたる大衆討議と機関討議を経て、最終的には一票投票など民主的方法によつて組合員の総意を結集し、一方、政府交渉の進展状況をも十分考慮に入れながら実施されるに至つたものである。 (三) 全運輸における本件職場大会に至る経過と状況全運輸は、昭和四四年八月三一日から三日間にわたつて開催した第八回大会において、国公共闘の「当面する統一賃金闘争について」の方針提起をうけて、中央執行委員会が提案した勤務時間内くい込み職場大会を中心とする秋の賃金確定期に向けての闘争方針を右提 つて開催した第八回大会において、国公共闘の「当面する統一賃金闘争について」の方針提起をうけて、中央執行委員会が提案した勤務時間内くい込み職場大会を中心とする秋の賃金確定期に向けての闘争方針を右提案どおり決定した。 そして、第八回大会以降、第一三回国公全国活動者会議には全支部から一名以上の代表者が参加すると共に、これに引続いて開催した支部代表者会議において具体的な取組みについての意思統一をはかつたのを初めとして、右闘争に向けての取組みはすべての職場で進められた。 同年九月二三日、国公臨時拡大評議員会で当面の統一要求が決められ、実力行使行動日が一一月一三日と決められるに及んで各職場における闘争組織固めが急速に強められ、支部、分会では賃金や権利、とりわけ四・二判決(最高裁昭和四四年四月二日大法廷判決)の学習会が組織され、職場討論会、階層別懇談会、所属長への要求上申行動、ビラ貼り、ビラ配りなどが本件職場大会当日まで展開された。 同年一〇月一日、第八回大会決定に基づいて設置した中央闘争委員会の第一回会議が開催され、実力行使戦術をとる職場の範囲や一票投票の内容、実施方法について、より具体的に決定すると共に一票投票の位置づけを明確にした。ちなみに、中央闘争委員会は、第八回大会での決議により、闘争の指令・収拾、犠牲者の救援、闘争の指導など一一・一三闘争に関する一切の権限をもつものとして設置されたものであり、中央執行委員会全員によつてなる常任中央闘争委員と在京六支部から各一名、各支部協議会からそれぞれ一名の割で選出された非常任中央闘争委員によつて構成され、当時の中央執行委員長であつたHが中央闘争委員長の、中央執行副委員長であつたIが中央闘争副委員長の、書記長であつたJが事務局の任にそれぞれ当つていた。 そして、同年一〇月二〇日から二五日までの間全国におい 中央執行委員長であつたHが中央闘争委員長の、中央執行副委員長であつたIが中央闘争副委員長の、書記長であつたJが事務局の任にそれぞれ当つていた。 そして、同年一〇月二〇日から二五日までの間全国において一票投票を行なつたが、その結果は七一・六パーセントという高率で実力行使闘争の批准が行われた。 このような闘争批准を受けた中央闘争委員会は、同月二六日、第二回中央闘争委員会をもち、翌日から開催する中央委員会に向けて闘争方針の最後決定に当つた。第九回中央委員会は、「国公の当面の統一賃金要求をかちとるため、総評・公務員共闘、国公共闘の統一闘争に『早朝から勤務時間に二九分くい込む実力行使』で参加する」との方針を満場一致で決定した。 全運輸は、本部段階において、同年九月一七日のK人事課長交渉、同月一九日のL運輸大臣との交渉、同年一〇月二五日のM事務次官との交渉をそれぞれもち、統一賃金要求を中心とした要求書を提出して要求実現を求めた。右交渉において、L運輸大臣は、組合員の要求の正当なことを認め、これが実現しないときには実力行使を行うとの申し入れに対しても否定し得ない状況であつた。 新聞論調も「人事院勧告実施時期の完全実施」については人事院勧告の尊重を筆をそろえて求めていた。 しかるに、政府は同年一一月一一日前記のごとく不当な閣議決定を行なつたのであり、これに併せ、職場において「職員の皆さんへ」と題する書面を理由も説明もないまま配り、又、「警告」なるものを支部、分会機関の長に手交しようとした。 しかし、右書面の配付などにかかわらず、ほとんどの組合員は同月一二日までに実力行使参加決意署名を行なつていた。 全運輸は、右閣議決定当日開催された第三回中央闘争委員会において、実力行使突入を決定すると共に、実力行使戦術を行うとしていた二〇支部について闘争組織状況を点検し、 力行使参加決意署名を行なつていた。 全運輸は、右閣議決定当日開催された第三回中央闘争委員会において、実力行使突入を決定すると共に、実力行使戦術を行うとしていた二〇支部について闘争組織状況を点検し、最終的に一〇支部突入を決めたのである。そして、突入指令電報は、国公各単組の動向をみて常任中央闘争委員会が打電することとし、同月一二日午後二時過ぎ、右委員会は、全運輸指令第三号をもつて実力行使突入指令を近陸支部をはじめ一〇支部に打電した。ただし、くい込み時間については、国公他単組との調整の上、一三日午前零時頃それぞれの支部に電話で指令した。 (四) 近陸支部における本件職場大会実施の経過とその状況(1) 近陸支部の組織は被告ら主張のとおりであるが、その機関は定期大会及び臨時大会が最高の議決機関であり、評議員会が中間の議決機関として設置され、日常の組合活動の運営を執行する機関として、支部長、副支部長、書記長のいわゆる三役と執行委員とで構成される支部執行部がある。本件職場大会当時の執行部は、支部長が原告G、副支部長がN、書記長がOであり、他に執行委員六名で構成されていた。 (2) 昭和四四年当時の陸運事務所の職場では、低賃金と物価上昇で生活が年毎に苦しくなつているという不満が強く、それと同時に交通機関の急速な発達に伴なう行政需要の増加で過度の労働強化が進行してきていた。このような状況下において、近陸支部では人事院勧告後直ちに国公共闘の方針決定を受けて全運輸の「勧告後の要求とたたかい方に関するアンケート」を実施したが、その結果では、アンケートを実施した組合員数三〇二人のうち重点要求についての賛成が二七六名、反対七名、二九分以内の時間内にくい込む職場大会で闘うという方針については、賛成が一八八名、反対五八名といいう圧倒的な支持を組合員が表明した。そして、 三〇二人のうち重点要求についての賛成が二七六名、反対七名、二九分以内の時間内にくい込む職場大会で闘うという方針については、賛成が一八八名、反対五八名といいう圧倒的な支持を組合員が表明した。そして、全運輸第八回大会後、近陸支部は、同年九月一九日に第二一回定期大会を開き、新年度の運動方針をはじめとする全運輸の方針を同支部で具体化した諸方針、すなわち、秋の賃金闘争を二九分以内の実力行使で闘つていくことなどが全員一致で承認、可決された。 (3) 同支部においては、近陸支部第二一回定期大会後、決定された要求と闘争方針についてより深い意思統一が得られるよう学習会、活動者会議、討論集会などを実施し、又、給与関係閣僚協議会メンバーの各閣僚あての要請葉書活動を行つた。 一方、近陸支部執行部は同年一〇月九日被告局長Pに対し、賃上げは五月から実施することをはじめとした全運輸の統一要求書を提出したが、これに対し、同局長は「趣旨はよくわかつた。私も陸運局を代表する責任として何か積極的に努力したい」「私自身も特に人勧完全実施については正当性を認めるし、早期に解決しなければならない」と回答し、運輸本省へ上申する旨約束した。又、各分会においても前後して対所属陸運事務所長交渉を行い、それぞれの所長に右同旨の上申を約束させた。 (4) 近陸支部は、同年一〇月二日付全運輸指令第一号によつて、同月二三日から二五日にかけて全分会において一票投票を実施したが、その結果は、投票有権者組合員数に対する賛成意思を投票した組合員の比率(批准率)は七五・二パーセントであり、投票した組合員数に対する賛成率は七九・一パーセントであり、しかも、全分会において批准された。 そして、同年一一月七日から一〇日にかけて、同年一〇月二六日に開催された第二回中央闘争委員会の決定に基づく同月二九日付全運輸指 る賛成率は七九・一パーセントであり、しかも、全分会において批准された。 そして、同年一一月七日から一〇日にかけて、同年一〇月二六日に開催された第二回中央闘争委員会の決定に基づく同月二九日付全運輸指令第二号により、一一・一三実力行使への参加決意署名を全組合員に対し分会毎で一斉に実施した。 その結果は、長期欠勤者三名を除く組合員総数三八六名中三六二名が署名をしたのであり、右実力行使に対しての支持と決意を表明したのである。 このような状況下において、大阪陸運局は、同年一一月八日から一二日かけて近陸支部支部長をはじめ全分会の分会長に対し、「警告」なるものを発し、又、組合員個々人に対しても本件職場大会に参加しないようにとの運輸事務次官名の「職員のみなさんへ」なる文書を配布し、もつて近陸支部の組織的団結に妨害を加え、混乱をひき起すごとき策謀を加えてきた。しかし、近陸支部及びさん下各分会では、右「警告」及び「職員のみなさんへ」を突返し、団結と連帯を一層強めていつた。 以上の経過を経て、近陸支部執行部は、同月一二日、常任中央闘争委員会から「一一・一三は早朝時間内くい込みの大会の実力行使を実施せよ。くい込み時間については追つて電話にて指令する」との電報による全運輸指令第三号を受け、さらに、同夜半「本局分会はくい込み時間一五分、その他の分会は二〇分」との電話指令を受け、右各指令を各分会に伝達したのである。 (5) 和歌山分会における本件職場大会は、午前八時二五分から同四五分までの間一六名の組合員が参加し、庁舎宿直室横の中庭において行われた。右大会は、近陸支部Q執行委員の司会で進められ、原告A分会長が一、二分間あいさつをし、続いてR副分会長が全運輸本部のメツセージを、S書記長が和歌山県国公のメツセージを朗読した。続いて祝電が三通紹介され、来賓の共産党和歌山地区委 の司会で進められ、原告A分会長が一、二分間あいさつをし、続いてR副分会長が全運輸本部のメツセージを、S書記長が和歌山県国公のメツセージを朗読した。続いて祝電が三通紹介され、来賓の共産党和歌山地区委員会代表のあいさつを受けた後、Qが宿日直問題についてアンケートの報告を行い、その後、R副分会長が決議文の朗読、S書記長が要求項目の確認を提案し全員一致で確認され、最後に、Qが閉会のあいさつをし右大会を終了した。 以上で明らかなように、右大会のスケジユールはあらかじめ分会執行委員で相談し決められたもので、そのほとんどの時間は、共産党代表のあいさつで終始していた。 右大会における原告Aの行為は、分会長としてわずか一、二分のあいつさをしたにとどまり、後は司会者であるQの隣に終始位置していたものである。しかも、そのあいさつは、午前八時二七分までに終つているのである。本件処分において被告局長が「主たる役割を果した」と主張するのは余りにも理由がない。 又、右大会当時の出勤時間をみると、所長が午前九時五分から一〇分頃、一般職員が九時頃に出勤し就業していたが、右大会は、午前八時四五分に解散しているのであるから、通常の日よりも早く業務開始ができ得る出勤状況にあつたのであり、何ら業務阻害はなかつた。 (6) 奈良分会における本件職場大会は、午前八時二〇分頃から同五〇分までの間、全員一七名の組合員が参加して奈良県陸運事務所宿直室において行われた。大会は、T書記長の司会で始まり、まず原告B分会長が全運輸本部及び近陸支部長のメツセージと祝電を朗読し、その後同二五分頃からN中央闘争委員(近陸支部副支部長)が一一・一三闘争の意義について述べ、ついで同四〇分から同四七分頃までU副分会長が要求諸項目の正当性とそれについての所長交渉の経過を報告し、その後二、三の組合員から年末対策 委員(近陸支部副支部長)が一一・一三闘争の意義について述べ、ついで同四〇分から同四七分頃までU副分会長が要求諸項目の正当性とそれについての所長交渉の経過を報告し、その後二、三の組合員から年末対策についての報告がなされ、同五〇分T書記長が閉会を宣言して解散した。 右大会は、ごく短時間、整然と実施されたのであり、その進め方や原告B、N、U、Tの役割については、前日に打合わせがなされた結果に基づいて行われたものである。 分会は、右大会に右宿直室を使用することについて、一一月一〇日及び一二日の所長交渉において通告していたが、これに対し所長から使用を認めないなどの意向は全く示されず、分会も使用許可願を提出することもなく、当然に使用を承認されていた。 又、管理者は、右大会を解散させるなどの積極的な対策を特にとらなかつたが、これは所長らが組合の要求の正当性を肯認し、不当な閣議決定に対して組合が抗議と要求実現のために職場大会を実施することもやむを得ないと考えていたことによるものである。もつとも、右大会の途中、午前八時四二、三分頃、U副分会長が経過報告をしているときに、V輸送課長が入つてきて、ほんの一、二秒の間、「B君この集会は違法だからやめて下さい」と一言述べてにこつと笑つて出て行つた事実がある。しかし、V課長の右行為は、前日の分会との交渉において、所長が上局から三、四回位警告せよと言われているものを一回だけにとどめるという、分会との話合いのとおり行われたものであり、それも何ら強い積極的なものではなく、上局から言われたことをやむなく形式的に恰好を付けたという程度にとどまるものであつた。 右大会における原告Bの行動は、右のように午前八時三〇分までの間に、激励のメツセージと電報を朗読したのみである。にもかかわらず、被告局長は、同原告が経過報告をなし、右 程度にとどまるものであつた。 右大会における原告Bの行動は、右のように午前八時三〇分までの間に、激励のメツセージと電報を朗読したのみである。にもかかわらず、被告局長は、同原告が経過報告をなし、右大会において「主たる役割を果した」という理由によつて本件処分をなしたのであつて、事実の歪曲、誤認も甚だしいものである。 又、奈良県陸運事務所において、職員は、通常の場合午前八時四五分頃から同九時一五分頃にかけて出勤してくる状況であり、業務開始時間も受付が午前九時から、車検が同九時三〇分からと一般に告示されており、従つて、午前九時までは来所者もなく、平常業務も開始されることがなかつた。そして、右大会当日も、職員は特に午前八時三〇分から出勤しなければならない業務上の必要や特段の事情もなかつたのであり、右大会は、平常の出勤及び業務実態からみて業務阻害を惹起するおそれさえあり得ないものであつた。 (7) 兵庫分会(本所)における本件職場大会は、午前八時二〇分から同四七分までの間、兵庫県陸運事務所玄関前において、四七名の分会員が参加して開催された。右大会は、開会宣言に始まり、分会長あいさつ、経過報告、激励電報、メツセージ紹介、闘争宣言朗読、がんばろう三唱、労働歌合唱の順序で進行して閉会したが、整然と秩序ある形で行われた。ただ、通常の職場大会と異なつたところは、右大会中に三度にわたつて当局側から妨害がなされたということである。すなわち、W総務課長が午前八時二五分頃、あいさつを行なつていた分会長に近づき、「この大会は無許可であるからすぐ解散せよ。」とか、同三六分頃にも、分会長に対し「時間内にくい込む大会は違法であるからすぐ解散しなさい。」とか申入れ、さらには、同四〇分頃、同人自らがプラカードを持つて分会員の中を歩き回つたことである。 原告Dは、右大会において 、分会長に対し「時間内にくい込む大会は違法であるからすぐ解散しなさい。」とか申入れ、さらには、同四〇分頃、同人自らがプラカードを持つて分会員の中を歩き回つたことである。 原告Dは、右大会において同二二分頃から二九分までの間あいさつを行なつたが、これは分会長として当然の正当な行為であつて、これをもつて他の者と区別し、ことさら「主たる役割を果した」とは目し得ない。 又、右大会は、何ら業務の正常な運営を阻害していない。 すなわち、通常兵庫県陸運事務所の職員は、午前九時から同一五分の間に出勤し(課長の中には同三〇分頃に出勤する者もあつた)、就業していた。登録事務の受付は午前九時であり、車検の受付は同三〇分から開始されており、職員の右出勤によりその業務が正常に運営されていた。 ところが、当局は、右大会の前日、職員に対し「明日は八時半出勤である。」旨伝えているが、通常の出勤時間を当日に限つてことさら八時三〇分とする業務上の必要性は全く存在しなかつた。 さらに、右大会に使用した場所は、右時刻頃当局において使用する必要性がなかつたし、従来の例からいつてその使用を不許可とされたこともなかつたのであり、分会長及び分会員が右のような無届使用を理由とする解散命令や、何ら業務上の必要がない出勤時刻の変更に基づいてなされた就業命令に従うことなく、右大会を続行しても何らその責を問われるいわれはない。かえつて、分会は、当局が何らその措置をとつていないのに保安要員を置いて、右大会中に業務が発生した場合に備えていたのである。 (8) 兵庫分会(姫路支所)における本件職場大会は、午前八時三五分頃から同五〇分頃までの間、分会員一五名が参加して同支所構内入口横の空地で行われた。 原告Cは、当時本所勤務であつたが、所属長の承認を受けて年次有給休暇をとつたうえ、副分会長として右大会に 八時三五分頃から同五〇分頃までの間、分会員一五名が参加して同支所構内入口横の空地で行われた。 原告Cは、当時本所勤務であつたが、所属長の承認を受けて年次有給休暇をとつたうえ、副分会長として右大会に参加していた。 右大会は、開会宣言に始まり、闘争経過報告、メツセージ朗読、大会のまとめの後団結がんばろう三唱、労働歌合唱で終り、極めて整然とした秩序あるものであつた。 ところが、当局は、右大会中の午前八時三五分及び同四〇分頃、X支所長が「時間内にくい込む集会は違法であるから直ちに解散せよ」とY副分会長に告げ、同四九分頃にも参加者に対し、「違法だから早く解散せよ」などと言つて大会の妨害行為をした。 原告Cは、午前八時三〇分から同四六分頃までの間、前日出席した所長交渉の経過報告や決議文の朗読を行なつたが、これは副分会長として当然の行為である。 ところで、右大会は、何ら業務の正常な運営を阻害していない。すなわち、平素、同支所の職員は九時一〇分頃出勤し執務していたが、登録・検査申請者は同二〇分頃から来所し、検査業務は同三〇分から開始されていた。 右大会は、午前八時五〇分頃終了し、その後参加者は直ちに執務しており、むしろ平素よりも早い時間から執務しているのである。 (9) 京都分会における本件職場大会は、午前八時二〇分から同四八分頃までの間、京都府陸運事務所玄関前広場において、出張、休暇及び長欠者六名並びに不参加者一名を除いた三三名の組合員が参加して行われた。右大会の進行は、前日の分会執行委員会で決めたところに従い、午前八時二〇分にZ執行委員が開会のあいさつを行なつた後、基調報告をP1書記長、決議文朗読をZが、要求スローガン確認をP2副分会長がそれぞれ行い、来賓の共産党あいさつ、全員で労働歌合唱と進み、最後に原告E分会長が団結がんばろう三唱の音頭をとり同四八 た後、基調報告をP1書記長、決議文朗読をZが、要求スローガン確認をP2副分会長がそれぞれ行い、来賓の共産党あいさつ、全員で労働歌合唱と進み、最後に原告E分会長が団結がんばろう三唱の音頭をとり同四八分頃閉会となり、終始整然とした職場大会が進行した。 当局は、いつになく右大会の進行に介入してきた。すなわち、職場大会開会の直前、P3総務課長が原告E分会長のそばに近づき、「解散命令」なるものを渡そうとしたが、同原告は受け取らなかつた。その後、午前八時三六分頃、P3総務課長がプラカードを持つて庁舎軒下の回廊を歩いたが、原告Eをはじめ分会役員は全員回廊に背を向け組合員と相対していたのでその文面を知るよしもなかつた。その後再びP3総務課長は、原告E分会長のそばに歩寄り、「就業命令」なるものを持つて行つたがこれ又受け取つてはいない。 以上のように、当局のこれらの行為は、積極的に右大会を解散させるというよりも形式的に「解散命令」「就業命令」を発し、処分の理由をつくり上げることを企図したと判断し得るのである。 右大会の開催によつて、何ら業務に支障をきたしておらず、又、右大会の解散や就業させなければならない業務上の必要性は全くなかつた。 (10) 大阪分会(本所)における本件職場大会は、午前八時二〇分から同四五分頃までの間、大阪府陸運事務所正面玄関前広場で七五名の組合員参加のもとに開催された。右大会は、P4執行委員の開会宣言に始まり、議長団選出、分会長あいさつ、経過報告、決意表明、大会スローガン朗読、閉会宣言、がんばろう三唱の順に行われ、従来の職場大会と同じような形式で極めて整然とした秩序ある集会であつた。 ただ、右大会中に当時の次長であるP5が、八時一二五分頃経過報告を行なつていた際にプラカードらしきものを持つて集会の回りをぶつぶついいながら歩いたことがこ で極めて整然とした秩序ある集会であつた。 ただ、右大会中に当時の次長であるP5が、八時一二五分頃経過報告を行なつていた際にプラカードらしきものを持つて集会の回りをぶつぶついいながら歩いたことがこれまでの集会とは異つた点である。 原告Fは、右大会において、午前八時二一分頃から同二六分頃までの間、わずか約五分足らず分会長としてのあいさつを行なつたが、これは分会長として当然の正当な行為であつて、これをもつて何ら「主たる役割を果たした」とは目し得ない。 又、右大会は、何ら業務の正常な運営を阻害していない。しかも、管理者は通常業務ではない出勤状況のチエツク(現認のためか)に追われ、業務に対処しようとする姿勢は全く見受けられなかつたのに、組合側は万一を慮つて保安要員すら配置していたのである。 大阪府陸運事務所における本件当時の職員の通常の出勤状況は、午前八時五五分から九時一〇分の間に出勤(所長は九時三〇分頃出勤)していた。業務の受付開始時間は午前九時からとされていたが、九時三〇分頃にならないと来客がないのが通常で、実質的な受付開始時間は九時三〇分頃であつたのである。右大会は午前八時四五分頃には終了し執務できる態勢にあつたことからして、阻害が起らないことは明々白々であつた。 しかるに、当局は、右大会の前日職員に対し、ことさらに「明日は八時半出勤である」と伝えているが、通常の出勤時間を当日に限つて八時三〇分としなければならない業務上の必要性は全く存在しなかつたのであり、「処分」の口実にするためのものであつたことがこれまた明白である。又、職場大会の会場もこれまで組合で使用していた場所であつたし、当日、この時刻に当局が必要としたことも全くなかつた。 以上の事実からして、業務上の必要性がないにもかかわらず、一方的な出勤時間の変更によつて発せられたと称する「就 合で使用していた場所であつたし、当日、この時刻に当局が必要としたことも全くなかつた。 以上の事実からして、業務上の必要性がないにもかかわらず、一方的な出勤時間の変更によつて発せられたと称する「就業命令」に組合員が従う必要はないし、その「命令」なるものに従わず職場大会を続行しても何らその責を問われるいわれはない。 そもそも、右のような「就業命令」なるものは、形だけのもので、実質的に合理的な理由は全く、職務命令として正当性がないばかりか、むしろひとえに組合活動をことさらに妨害することのみ目的とした違法不当なものである。 (11) 本局分会における本件職場大会は、午前八時四五分から同九時二〇分までの間大阪陸運局自動車部事務室において、八二名の組合員が参加して行われた。 右大会は、P6書記長の司会で始まり、P7分会長挨拶、原告G支部長挨拶、メツセージ朗読、激励電報の紹介の後、P6書記長の閉会の挨拶で終つた。 その間、当局は、組合役員の了解を得て、総務課長と人事課長が一度ずつ局長命令なるものを伝達したが、注意を向ける者もおらず、無視され、誰も席を立たず、同室の他の管理職は、ただ傍観していただけであつた。当局のこのような態度は、極めて形式的なもので、本気で集会の解散を求めるものではなかつた。 又、大阪陸運局において、平常職員が出勤してくるのは午前九時三〇分頃であり、右大会程度の勤務離脱は諸種の慣行にも認められ、当日も何ら具体的な業務上の支障はなかつた。 五再抗弁被告局長のなした本件各処分は、次のとおり違法であるから、取消されるべきである。 1 国公法九八条二項は、憲法二八条に違反し、無効である。 (一) 争議権保障の根源的性格従来、憲法二八条の保障する労働基本権は、労働者が労働条件の維持、改善によつてその生存を確保することを目的とする生存権的基本権 二項は、憲法二八条に違反し、無効である。 (一) 争議権保障の根源的性格従来、憲法二八条の保障する労働基本権は、労働者が労働条件の維持、改善によつてその生存を確保することを目的とする生存権的基本権であるとする考え方が支配的であつた(最高裁昭和四一年一〇月二六日大法廷判決・刑集二〇巻八号九〇一頁参照)が、右のような考え方に従うと、労働基本権は生存権確保の「手段」にすぎないから「代償」をもつて「制約」という名の実は剥奪をも可能なのだとする極めて歪曲した解釈を許す余地がある(最高裁昭和四八年四月二五日大法廷判決・刑集二七巻四号五四七頁参照)。近時、右のような解釈に対し、憲法二八条を専ら生存権確保のための権利の保障とみるのではなく、さらに自由権的、根源的な性格の権利であることを強調する見解が有力となり、今日では争議権を右のような両側面を併せもつ根源的性格の権利として全人権秩序のなかに位置付けようとする考え方が定着してきたとみられるのである。 (二) 国公法九八条二項の制定経過昭和二一年三月一日から施行された旧労働組合法(昭和二〇年一二月二二日法律五一号)は、その三条において「本法ニ於テ労働者トハ職業ノ種類ヲ間ハズ賃金、給料其ノ他之ニ準ズル収入ニ依り生活スルモノヲ謂フ」と定義し、法適用の対象である労働者について、官吏と私企業労働者の区別を全く認めないことを宣言し、その四条一項において「警察官吏、消防職員及監獄ニ於テ勤務スル者ハ労働組合ヲ結成シ又ハ労働組合ニ加入スルコトヲ得ズ」と規定され、同条二項において「前項ニ規定スルモノノ外、官吏、待遇官吏及公吏其ノ他国又ハ公共団体ニ使用セラルル者ニ関シテハ本法ノ適用ニ付命令ヲ以テ別段ノ定ヲ為スコトヲ得、但シ労働組合ノ結成及之ニ加入スルコトノ禁止又ハ制限ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ」と規定していたものの、実際には 他国又ハ公共団体ニ使用セラルル者ニ関シテハ本法ノ適用ニ付命令ヲ以テ別段ノ定ヲ為スコトヲ得、但シ労働組合ノ結成及之ニ加入スルコトノ禁止又ハ制限ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ」と規定していたものの、実際にはそのような命令は制定されず、官公吏も団結して次々と争議を行うことができた。なお、右の官公吏について「命令ヲ以テ別段ノ定ヲ為ス」との意味内容は、争議行為の全面禁止ではなく、今日でいうところの「条件附付与」を意図していたものであることはその立法者の説明により明らかである(昭和二〇年一二月一六日貴族院労組法案特別委員会第二回)。 昭和二一年一〇月一三日から施行された労働関係調整法(昭和二一年九月二七日法律二五号。以下、労調法という。)は、昭和二四年法律一七五号によつて削除された旧三八条において「警察官吏、消防職員、監獄において勤務する者その他国又は公共団体の行政又は司法の事務に従事する官吏その他の者は、争議行為をなすことはできない」と規定し、現業以外の公務員の争議行為を禁止したが、禁止違反者に対しては「その違反行為について責任のある使用者若しくはその団体、労働者の団体又はその他の者若しくはその団体は、これを一万円以下の罰金に処する」(旧三九条一項)としつつ、右の罪は「労働委員会の請求を待つてこれを論ずる」(旧四二条)こととした。従つて、右段階においては、なお、その制限は集団的労働関係を承認したうえでの行政的規制の範囲にとどまつていたのである。 次いで、昭和二一年一一月三日に公布され、昭和二二年五月三日から施行された日本国憲法は、労働基本権を憲法上の権利として保障し、同年一〇月二一日に公布され、附則二条を除いて昭和二三年七月一日から施行された国公法(昭和二二年一〇月二一日法律一二〇号)も、公務員の労働基本権について何ら制限を加えていなかつた。 ところが 障し、同年一〇月二一日に公布され、附則二条を除いて昭和二三年七月一日から施行された国公法(昭和二二年一〇月二一日法律一二〇号)も、公務員の労働基本権について何ら制限を加えていなかつた。 ところがアメリカの対日占領政策の転換を根本原因とする労働法制の改悪が行われることとなり、昭和二三年七月三一日から施行された政令二〇一号(昭和二三年七月二二日附内閣総理大臣宛連合国最高司令官書簡に基く臨時措置に関する政令)によつて、公務員は、国家公務員、地方公務員を通じてその現業・非現業を問わず従前保有していた協約締結を含むいわば完全な団体交渉権を否定され、業務の運営能率を阻害する一切の争議行為を禁止され、しかも、禁止違反の行為をした者に対しては懲役刑を含む罰則が適用されることになつたのである。 そして、右政令の趣旨にそい昭和二三年一二月三日法律二二二号により全面改正のうえ施行された国公法は、従前二条三項で特別職としていた現業職員を一般職とし、これに国公法を適用するものとしたうえ、九八条において「職員は、政府が代表する使用者としての公衆に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をなし、又は政府の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又、何人も、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。」(五項)、「職員で同盟罷業その他前項の規定に違反する行為をした者は、その行為の開始とともに、国に対し、法令に基いて保有する任命又は雇用上の権利をもつて、対抗することができない。」(六項)(なお、昭和四〇年五月一八日法律六九号により、五項は二項に、六項は三項にそれぞれ改正された。)と規定し、一一〇条一項一七号において「何人たるを問わず第九八条第五項前段に規定する違法な行為の遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおり、又はこ より、五項は二項に、六項は三項にそれぞれ改正された。)と規定し、一一〇条一項一七号において「何人たるを問わず第九八条第五項前段に規定する違法な行為の遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおり、又はこれらの行為を企てた者」は三年以下の懲役又は一〇万円以下の罰金に処する旨規定し、又一〇八条の五において団体協約の締結を目的とする団体交渉を禁じ、現在に至つている。 以上のように、現行国公法九八条二項は、占領軍の命令による管理法令たる政令二〇一号をそのままに承継したものであり、まさに反憲法的な遺産なのである。 (三) 公務員の争議権の制約とその限度(1) 判例によれば、勤労者の団結権、団体交渉権、争議権等の労働基本権は、すべての勤労者に通じ、その生存権保障の理念に基づいて憲法二八条の保障するところであるが、これらの権利であつても、もとより、何らの制約も許されない絶対的なものではないのであつて、国民生活全体の利益の保障という見地からの制約を当然の内在的制約として内包しているものと解釈しなければならない、として内在的制約の観点から労働基本権と国民生活全体の利益・他の基本権との調整をなすことの必要性が指摘される。 しかしながら、争議権は、使用者の「業務の阻害」を実体とする権利である以上、仮に、その使用者が国や地方自治体であろうとも、その業務が停滞し、損失を蒙るということは当然の前提であつて、そのこと自体をもつて争議権を否認することはできない。問題は、その業務の停廃止によりどのような結果が生じ、いかなる権利が侵害されるからなのかを具体的に検討しなければならないのである。 又、労働基本権は、「国民生活全体の利益」という表現によつて、内実は単なる大衆の便益とか、迷惑にしかすぎない程度の損失と無原則的に比較衡量され制約されてはならず、あくまでも憲法的価値観による権 る。 又、労働基本権は、「国民生活全体の利益」という表現によつて、内実は単なる大衆の便益とか、迷惑にしかすぎない程度の損失と無原則的に比較衡量され制約されてはならず、あくまでも憲法的価値観による権利の質の比較が前提とされねばならないのであり、これが労働基本権の内在的制約を論ずる場合の憲法論上の要請であり、基本である。 (2) 制限の必要最小限度性一般に諸々の憲法上の基本権が最大限の尊重を要求され、その制限が合理的な必要最小限度のものでなければならないことは当然のことであるが、特に労働基本権については、それが他の市民的権利の修正、優越として生成し、承認されてきた歴史的経過からしても、そして、その権利が人間の労働という精神上、肉体上の支配を内容とするものにかかわるものであるだけに、人間の尊厳に深くかかわるという見地からも、これと比較衡量される価値ある権利や利益、そしてその結果としての制限がどのような原理に立たねばならぬかは右の様に一層厳密に考究されねばならないのである。すなわち、結論的にいえば、公務員の争議行為の制限と禁止については、公務員の争議権の行使がひき起す国民生活に及ぼす不利益、影響は、例えば予告制度(労調法三六条)或いは調停制度の活用などによつて調整して対応すべきであるし、又、緊急例外的に公務員の争議権行使を部分的、一時的になりと禁止し得る場合というのは、例えば、他人の生命身体の安全、健康に危険のある場合を典型的な例とする、まさに労働基本権という根源的な基本権と同等か或いはこれに優越するような法益との衝突を避けるためやむを得ない場合であつて、それ以外には争議権の行使を制度的にも個別的にも否認し禁止することはできないのである。 (四) スト権承認の国際的動向(1) ILOは、公務員ストという世界的傾向を背景としてようやく公務員の争 つて、それ以外には争議権の行使を制度的にも個別的にも否認し禁止することはできないのである。 (四) スト権承認の国際的動向(1) ILOは、公務員ストという世界的傾向を背景としてようやく公務員の争議権承認の方向に本格的な動きを始めたことを指摘し、特に一九七五年六月の理事会において、一九七七年ILO総会の正式議題として公務員の労働基本権問題を取上げることを決定し、一九七八年にはこれが条約、勧告化することが予想されている。 (2) 労働基本権の基本的性格からして、その保障と規制についての国際的比較が重視されるべきであるところ、イギリスにおいては一九七一年の「労使関係法」及び「一九七四年法」によつて公務員のスト権が民間労働組合と同じ取扱いを受けることとなり、フランスにおいては一九五〇年七月のコンセイユ・デタの判決以来原則的に公務員のストライキは合法とされており、イタリアにおいては一九四七年共和国憲法四〇条により、又、一九七〇年の「労働者憲章」法により公務員を含む労働者のストライキ権に強い保障が与えられ、ノルウエー、スエーデン、ベルギー、オーストリアにおいては一九六〇年から七〇年代にかけて公務員のストライキ権が承認されるという大きな傾向を示し、西ドイツにおいては官公労働者が官吏、雇員、労務者という三つに区別され、法律で禁止されてはいないものの官吏のストライキだけが違法とされてきたが、ごく最近では、右官吏についても争議権を現実に承認する動きが強まつており、アメリカにおいても、一九六〇年代後半からバーモント、ペンシルバニア、ハワイ、アラスカ、ミネソタ、オレゴン、モンタナの各州などで次々に州公務員の争議権が承認され、カナダにおいては一九七六年に連邦公務員にも争議権が承認された。 このような世界の状況をみるとき、近代工業国の中でわが国が全公務員のスト レゴン、モンタナの各州などで次々に州公務員の争議権が承認され、カナダにおいては一九七六年に連邦公務員にも争議権が承認された。 このような世界の状況をみるとき、近代工業国の中でわが国が全公務員のストライキを完全に禁止している点において異例の法制をしいている唯一の国であることが明白である。 (五) 以上のような諸点を総合すると、職務、職種の差異区別を問わず、かつ争議行為の形態、内容にも一切かかわりなく、一律全面的に争議行為を禁止する国公法九八条二項は、憲法二八条に違反する無効なものであることは明らかである。 (六) さらに、最高裁判例を概観するに、同裁判所大法廷は、昭和四八年四月二五日、全農林警職法事件判決において、改正前の国公法九八条五項等の合憲性に関し、国家公務員の争議権の一律全面禁止規定とあおり行為等の処罰規定は、何らの限定解釈を要せず合憲である旨判示したが、これは歴史の流れに逆行し、かつ、公務員の労働基本権を全面一律に制限、禁止することの合憲性の理論的根拠とされていた「全体の奉仕者論」「公共の福祉論」を否定した最高裁昭和四一年一〇月二六日判決(全逓中郵事件判決)、同昭和四四年四月二日判決(都教組事件判決)及び右両判決に従う下級審の判例の流れに反するものであつた。そして、最高裁大法廷は、右判決に続いて昭和五一年五月二一日、地方公務員の争議行為禁止等に関し(岩教組学テ事件判決)、昭和五二年五月四日、三公社五現業の職員の争議行為禁止に関し(名古屋中郵事件判決)いずれも合憲である旨判示し、異常な後退を示した。 右最高裁三判例の論拠は、要するに、公務員等の地位の特殊性と職務の公共性が争議権制約原理の一つであること、公務員等の労働基本権は国民全体の共同利益の見地からする制約を免れないこと、公務員等の勤務条件は法律、予算によつて決定されるのであ 員等の地位の特殊性と職務の公共性が争議権制約原理の一つであること、公務員等の労働基本権は国民全体の共同利益の見地からする制約を免れないこと、公務員等の勤務条件は法律、予算によつて決定されるのであるから、政府に対し争議行為を行うことは的はずれであつて、財政民主主議に表われている議会制民主主義に背馳すること、そのため、公務員等は、労使による勤務条件の共同決定を内容とするような団体交渉権ひいては争議権を憲法上当然には主張することができないことにある。 しかしながら、右論拠はいずれも理由がなく、特に、財政民主主義を理由とする争議行為禁止の合憲性の裏付けは、統治規定としての財政民主主義の原則が、その沿革からしても国民の人権保障規定を裏付け、それを伸長させる方向でこそ運用されるという前提に立つものであつて、それが反対に人権保障を抑圧する論理として使われるということは予想もされていないし、誤りである。 又、右最高裁三判例後の下級審裁判例をみても、右最高裁判例に必ずしも従わず、前記全逓中郵事件判決を一つの画期とした前進的傾向に歯止めをかけ得ない状況になつていることからしても、右最高裁判例は先例としての価値をもたないものといわなければならない。 2 本件職場大会は国公法九八条二項で禁止された争議行為に該当しない。 (一) 本件職場大会は争議行為ではない。 争議行為の歴史をみるならば、争議行為は、当初市民法の原理そのものを否定するものとして厳しい国家の刑罰権の対象とされてきたが、それは争議行為の実体が単に消極的な労務の集団的停止にとどまらず、使用者を労働市場一般から遮断することにより企業活動を停滞又は麻痺せしめるものであつたからである。それが争議権として保障されたことは、歴史的に形成せられた争議行為の市民法秩序からの違法性を排除することを最低限の要請とし、加 断することにより企業活動を停滞又は麻痺せしめるものであつたからである。それが争議権として保障されたことは、歴史的に形成せられた争議行為の市民法秩序からの違法性を排除することを最低限の要請とし、加えて刑罰からの解放、さらに、民事上の免責、すなわち争議行為労働者の契約上及び使用者又は第三者に対する不法行為上の免責を内容としていた。そして、わが国の憲法における争議権保障の理念としては、労働者の自由権的側面のみならず労働者の社会的、経済的地位に即して憲法二五条の生存権を実現せんとしたものである。 以上のような争議行為の歴史的実体とそれに対する権利としての保障確立の経緯をみる限り、争議行為の内容には本質的に使用者・第三者の権利侵害、すなわち業務阻害性を含まざるを得ない。 本件職場大会は、出勤簿整理時間(出勤猶予時間)に最大限二〇分くい込んで行われたものであるが、前記のごとく、それによつていかなる業務阻害も生じていないし、又そのおそれすら存在しないのであり、かつ、組合には当初から業務阻害の企図・目的も存在しなかつたのであるから、そもそも争議行為といえないことは明らかであり、むしろ、人事院勧告実施の国会決議を無視した政府に対する組合のやむにやまれぬ抗議の意思を表示するための争議行為に至らない団結活動・組合活動である。 (二) 国公法九八条二項が禁止している争議行為は、長時間かつ大規模な職場放棄を行つたため、右業務に大混乱が生ずる場合であつて、本件職場大会はいずれも右規定にいう争議行為に該当しない。すなわち、(1) 本件職場大会は、前記のごとく、国公労働者の苦しい生活実態と劣悪な労働条件の中で出された切実な賃上げ要求に基づいて、国公共闘、全運輸などの各機関において十分討議を尽くしたうえ決定し、さらに、全組合員の意思を結集する徹底した職場討議と一票投 苦しい生活実態と劣悪な労働条件の中で出された切実な賃上げ要求に基づいて、国公共闘、全運輸などの各機関において十分討議を尽くしたうえ決定し、さらに、全組合員の意思を結集する徹底した職場討議と一票投票、赤加決意署名などを行ない、組合員の圧倒的多数の賛同を得て実施されたものである。 原告らを含む国公労働者が本件職場大会を行わざるを得なかつた理由は、政府が公務員労働者にも憲法上保障された争議権を禁止しながら、その代償措置として講ぜられたとされる人事院勧告すら国会の度重なる附帯決議にもかかわらず、これを尊重して完全に実施しようとしなかつたことにある。政府は、内容については人事勧告どおりとしながらも、その実施時期について毎年五月実施の勧告に従わず、二か月ないし五か月も遅らせ続けたのである。しかし、右実施時期が昭和三五年以来、年と共に早まつてきたのは、国公労働者が団結して闘つてきたからにほかならない。 かくして、国公労働者は、人事院勧告にその望みを託し、その実施について拱手傍観していても自らの要求は実現されないことを知り、右勧告作成前の段階からその実施に至る段階まで、たえず団結し、闘うことが必要であることを実感した。 本件職場大会は、前記のごとく政府が人事院勧告の実施時期を六月一日(ただし、六月の期末、勤勉手当へのはねかえりを除く。)とする旨の不当な閣議決定をなしたため、これに抗議する意味をもつて実施されたものであり、右大会の目的である人事院勧告の完全実施は誰がみても当然であり、正当であつた。 (2) 本件職場大会は、出勤簿整理時間(出勤猶予時間)内に、整然と、何らの業務阻害を生じさせることもなく、かつ、従来の同種職場大会と差異のない態様において行われたものであつた。 出勤簿整理時間(その時間帯については被告らの後記主張のとおり)は、職員が正規の出勤 、何らの業務阻害を生じさせることもなく、かつ、従来の同種職場大会と差異のない態様において行われたものであつた。 出勤簿整理時間(その時間帯については被告らの後記主張のとおり)は、職員が正規の出勤時刻より遅れて出勤しても出勤簿整理時間内であれば、遅刻その他の不利益を受けず、又、実際大多数の職員が出勤簿整理時間終了まぎわに出勤し、あたかも出勤簿整理時間終了時点が出勤時刻であるかのような外観を呈していること、出勤簿整理時間内には窓口業務も開始されていないことなどの実態からみると、各官署の長が勤務時間監理員に対してなした職務命令というにとどまらず、職員との関係においても、この時間帯には特別の合理的な必要性がないかぎり、職員に対して職務命令を発することができない時間であつて、特別の合理的な必要性がないかぎり、職員にとつて出勤簿整理時間内の勤務は免除されているものと解すべきである。 本件各職場大会の開催中、当局から「解散命令」や「就業命令」なるものがプラカード等の方法により発せられてはいるが、当局側に、右各命令を発しなければならない特別の理由や必要性は何ら存在しなかつたのであるから、右各命令は何ら職員を拘束するものではない。 又、本件職場大会は、いずれも前記のごとく出勤簿整理時間内に終了しており、客観的に業務阻害をもたらし得るような性格のものではなく、現に具体的な業務阻害は全く存在しなかつた。 さらに、本件職場大会は、本局や各陸運事務所の事務室、宿直室、前庭等で行なわれたが、大会開催中、いずれも前記のように「解散命令」や「就業命令」なるものが発せられるということがあつた外は、極めて整然と何の混乱もなく行われた。大会開催前夜も、当局の各現場管理者と組合側役員は、和気藹藹のふん囲気で談笑しており、右各命令も当局側の職務命令に基づきやむなく形だけ整える いうことがあつた外は、極めて整然と何の混乱もなく行われた。大会開催前夜も、当局の各現場管理者と組合側役員は、和気藹藹のふん囲気で談笑しており、右各命令も当局側の職務命令に基づきやむなく形だけ整えるというようなものであつた。 全運輸近陸支部では、本件職場大会の一年位前からも、早朝職場集会が五回は開催されていた。右集会の開催時間帯、場所、参加人員等は、本件職場大会とほとんど異ならず、むしろ、陸運事務所では、本件職場大会よりもいわゆる時間内に長くくい込んでいたのである。ただ、右集会と本件職場大会が異なる点は、同大会が全国一斉の統一行動として行われたという点にのみあるのである。 3 原告Cは、年次有給休暇の承認を得て、兵庫分会(姫路支所)における本件職場大会に参加した。労働者は、年次有給休暇日において使用者の指揮命令から離脱し、これを全面的に自由に利用することが許されているのであるから、ストライキその他組合活動に利用したとしても違法ではない。よつて、原告Cが本件職場大会に参加し、経過報告などをしたことは、国公法九八条二項に該当するものではない。 4 本件各処分は、不当労働行為であり、違法無効である。 本件各処分は、原告らの所属する全運輸の運営に対する支配介入であると共に、当然の組合活動を行つたことを理由とする不利益取扱いであり、憲法二八条、国公法一〇八条の七に違反する不当労働行為である。 (一) 国公法違反を理由とした本件各処分の真のねらいは、職場段階の全運輸の組合役員である原告らを大量に処分することによつて、第一に全運輸組合員と執行部を分断し、組合員を動揺させて組織の団結を破壊しようとしたものであり、第二に昇給延伸などの不利益を伴う本件各処分を行うことによつて全運輸に経済的な打撃を与え闘争力を後退させ、第三に「ストライキは悪なり」との思想によつ 動揺させて組織の団結を破壊しようとしたものであり、第二に昇給延伸などの不利益を伴う本件各処分を行うことによつて全運輸に経済的な打撃を与え闘争力を後退させ、第三に「ストライキは悪なり」との思想によつて公務員を引続き権力に忠実無定量な労働を強いられる下僕として支配機構の中に抑えこももうと、第四に当時最高裁昭和四四年四月二日大法延判決が規範的効力を有していたにもかかわらず、政府が依然として国家公務員の労働基本権を尊重する意思のないことを示すことによつて威圧を加え、闘争の発展を押止めようとしたものである。そして、大局的には一九七〇年代に向かつて大きく前進しようとしていた国家公務員の労働組合運動とその中における国家公務員の要求と闘争を抑圧しようとする政治的ねらいをもつたものということができる。 (二) 本件各処分の対象となつた原告らの各行為は、いずれも団結維持のために不可欠の行為であり、これを処分事由とすること自体、職場から団結そのものを排除する意図を示しているということができる。すなわち、被告局長は、原告らが、「あいさつ」、「所長交渉の経過報告」、「決議文の朗読」、「職場大会の意義の演説」、「がんばろう三唱の音頭とり」、「人事院勧告関係の報告」を行つたことが主たる役割を果たしたことに当たるとするのである。 しかしながら、労働組合は、労働条件の維持向上の目的のもとに労働者が自主的に結成した団体であるところ、右各所為は右目的をもつた団結体がその団結を維持するうえから日常的に最低必要な行為であり、又、右各所為がないならば、集会それ自体が不可能になり、団結の維持或いは団結の行動としての機能は全く停止するというべきである。 よつて、原告らの右各所為は、いずれも団結維持のための日常的、不可欠行為であり、これにねらいをすえた本件各処分は団結そのものを嫌悪し、 持或いは団結の行動としての機能は全く停止するというべきである。 よつて、原告らの右各所為は、いずれも団結維持のための日常的、不可欠行為であり、これにねらいをすえた本件各処分は団結そのものを嫌悪し、それを破壊する意図を示す以外の何ものでもない。 (三) 原告らは、各職場組織における長たる役員であり、右組織と最も密着した者であり、それ故組合団結の要にいた者ということができる。本件各処分は、右のような者に対してなされたものであつて、職場組織を破壊し、団結の土台を突き崩すためにしくまれた不当労働行為である。 (四) 本件各処分は、出勤猶予時間内に行われた職場大会における原告らの各行為を対象とするものであつて、組織敵視そのものである。すなわち、出勤猶予時間は、本来労働者の自由時間であり職務指揮権に服さない時間であるにもかかわらず、当局は本件職場大会当日に限つて通常の勤務形態を変更し、出勤猶予時間を否認して午前八時三〇分になるや間髪を入れずに就業命令を発したのであり、当局の右行為の意図が組合の集会をつぶすこと、組合の団結を破壊することにあることはおのずから明らかである。 (五) 当局は、組合の本件職場大会に向けて警告書を出し、運輸事務次官の「職員の皆様へ」なる文書を配布し、いくつかの職場では職場大会の前日に何らの業務上の必要性もないのに、明日は八時半出勤である旨伝達し、さらに、大会中受領を拒絶されたところも含めて各職場において就業命令等を発し、従来の闘争やそれ以後の同種闘争時には見られなかつた周到な準備をして本件各処分に臨んだのであり、又、政府は国公共闘さん下の各組合に対し、一一・一三闘争に関して六五〇〇名に上る処分(ただし、厳重注意処分を含む。)を断行したのである。 当局は、労働者の労働基本権と同等或いは優越する法益が全く存しないばかりか、国民大 ん下の各組合に対し、一一・一三闘争に関して六五〇〇名に上る処分(ただし、厳重注意処分を含む。)を断行したのである。 当局は、労働者の労働基本権と同等或いは優越する法益が全く存しないばかりか、国民大衆の便益・迷惑さえも全く存しなかつた本件職場大会に関し、ただ弾圧のためにのみ公務員の労働運動に支配介入し、原告らに不利益を与える本件各処分をなしたのであり、かかる処分行為は、その発想法と準備過程をも含めて団結への弾圧であり、不当労働行為そのものである。 5 原告らの本件職場大会における行為は、労働組合としての団体行動であるから、右行為について組合員個人として、或いは組合幹部としての懲戒責任(個人責任、幹部-支部長・分会長-責任)を問うことができない。 争議行為は、労働組合という団結体の行為であるという意味での集団的性格と組合員の集団的活働によつてのみ実現されるという意味での集団的性格とを有しているところ、憲法二八条が保障する労働基本権は、右のような労働団結活動の二面的、集団的本質に照応した団結そのものの権利であると共に、個別労働者の権利でもあり、そのいずれの側面も否定し得ない統一体というべきである。この意味で、労働団結活動の二面的、集団的本質は、単なる社会的・歴史的概念たるにとどまらず法規的概念というべきである。よつて、争議行為の基本的構造が争議行為に対する違法評価によつて変化するものでない以上、団体的違法争議行為においていかなる個人責任も生じ得ないのである。 原告らの本件各行為は、全運輸近陸支部の支部長又は分会責任者として組合中央からの方針、指令を忠実に実行したものであり、組合中央によつて勤務時間へのくい込み時間、集会の具体的態様まですべて定められ、右中央の方針が職場の労働者の気持や感情と合致していることを知つていた原告らは、右方針を承認し、こ に実行したものであり、組合中央によつて勤務時間へのくい込み時間、集会の具体的態様まですべて定められ、右中央の方針が職場の労働者の気持や感情と合致していることを知つていた原告らは、右方針を承認し、これに自動的に組入れられていつたのである。ちなみに、中央闘争本部から出される方針に原告らが従わず、これに反した行動をとれば、原告らは組合の団結を破壊したこととなり組合内の統制処分を受けることは当然である。 従つて、原告らは、中央闘争本部などの指令に基づく組合員としての当然の義務を果しただけであつて、使用者たる国との関係で決して原告らを特別に選択して懲戒処分に付する合理的理由は存しない。 6 本件各処分は、処分権の濫用として無効である。 (一) 本件職場大会の違法性について本件職場大会は、前記のとおり、国会決議も政府に要請していた人事院勧告の完全実施などを目的として行われたものであり、その目的の正当性は、当局はもとよりのこと運輸大臣ですらこれを認めざるを得なかつたものである。本件職場大会を開催し抗議の意思表示をせざるを得ないところに追い込んだ使用者である政府にも大きな責任がある。 そしてその実態は、前記のとおり出勤簿整理時間内に終了し、業務阻害は全く存在せず、極めて整然と行われたものである。従つて、そもそも、かかる職場大会に参加したことなどを理由として懲戒処分を行うことは許されないものである。 (二) 本件各処分の苛酷性について仮に、懲戒処分が許されるとしても、その処分は公務員関係の秩序を維持するために最低限必要なものに限られることはもとよりのこと、処分の対象となる行為の違法性の程度と処分の程度との間に均衡がとれていることが必要である。 ところで、本件職場大会が国公法九八条二項に違反するとしても、その違法性の程度は極めて軽微である。本件各処分は職場大 象となる行為の違法性の程度と処分の程度との間に均衡がとれていることが必要である。 ところで、本件職場大会が国公法九八条二項に違反するとしても、その違法性の程度は極めて軽微である。本件各処分は職場大会開催について何らの権限もない支部長、分会長、副分会長に対する処分であり、しかも本件処分により昇給延伸の措置がとられ、原告らが受ける給与上の損失は、通算すると一人当たり二八万円から一四〇万円に達することとなる。国公法九八条二項違反の罰金刑でさえ、最高一〇万円とされている(同法一一〇条一項)ことからしても、いかに本件処分が原告らに苛酷な処分となつているかが明らかである。そのうえ、本件職場大会の約一年前から行われていた早朝職場集会については、その目的、態様などがいずれも本件職場大会と同様であるにもかかわらず、何らの処分もなされていないのである。 (三) 本保各処分の不公正、不均衡性について本件において使用者である政府が国会決議をも無視して、自らの責任を棚に上げておいて、やむを得ず立ち上つた組合の団結活動に対して処分をもつてのぞむこと自体が極めて不公正であるが、このことは本件職場大会による統一した全国的な取組みのなかで昭和四五年以降は政府が人事院勧告は完全実施をする旨表明し、かつ実行してきたことによつて一層増大される。 さらに、本件各処分は、昭和四五年以降の全運輸が取組んだ争議行為(本件職場大会により態様において一層長時間の)に対する処分との比較において不公正となつている。なぜなら、本件以降の処分においては分会長らに対する処分は一切行われていないからである。これについて被告局長は現認の有無、指令書入手の違いなどを理由にしているが、課長以上のみが非組合員であり、職制を通じて充分現認はできているし、できうることからしても全くの口実である。 又、本件職場大 これについて被告局長は現認の有無、指令書入手の違いなどを理由にしているが、課長以上のみが非組合員であり、職制を通じて充分現認はできているし、できうることからしても全くの口実である。 又、本件職場大会と同時に行われている全運輸の他支部との処分の比較においても不公正である。すなわち、東北海運支部においては一〇分会が同じ取組みを行なつたのに戒告処分を受けたのは支部長のみである。これについて当局側は現認はしたが参加者の人数が少なく車座になつて行なつており違法性が少ないとの判断にたつた旨を主張するようであるが、同じ取組みであつても参加人数の多寡に応じて集会のもち方が異なり、多いときはマイクを使う場合もあるのであり、そうした理出で違法性、責任の大小を判断することは全く根拠がない。むしろ、そうしたことを理由に本件各処分が真実行われたとするならば、それこそ団結権侵害としての処分の不当労働行為性を明らかにするものである。 (四) 原告Cに対する処分について被告局長が何としても本件各処分を行うことを優先し、無理な非合理的、不公正な処分を行なつたことは原告Cに対する戒告処分によつて明らかになつている。原告Cの年休権行使の目的が本件職場大会の参加にあることは、組合員でもあるP8庶務係長がよく知つていたのであり、兵庫県陸運事務所の総務課長が局人事課に打診したうえで「家事都合との理由を書いてもらえれば認めよう」ということになつたのである。にもかかわらず原告Cへの処分がなされたことはだまし打ち的な処分であるとも言えるのであつて、本件処分の違法性を物語るなにものでもない。 (五) まとめ以上の諸事由及び前記のごとく本件各処分が職場大会を開催するについて権限のない分会長に対してなされたこと、原告らの団結活動、正当な組合活動に対してなされたものであることを総合すると、本 五) まとめ以上の諸事由及び前記のごとく本件各処分が職場大会を開催するについて権限のない分会長に対してなされたこと、原告らの団結活動、正当な組合活動に対してなされたものであることを総合すると、本件各処分は処分権を濫用したものであり、無効たるを免れない。 六再抗弁に対する認否及び反論再抗弁はすべて争う。 1 国公法九八条二項は合憲である。(再抗弁1)国公法九八条二項が合憲であることは、全農林警職法事件判決(最高裁昭和四八年四月二五日大法廷判決)により実証されたところである(なお、最高裁昭和五一年五月二一日大法廷判決-岩教組学テ事件-、同昭和五二年五月四日大法廷判決-名古屋中郵事件-参照)。 よつて、本件ストライキは、国公法九八条二項に違反する違法なものといわなければならない。 2 本件職場大会は国公法九八条二項で禁止された争議行為である。(再抗弁2)(一) 争議行為という言葉は、実定法上、労働組合法(以下、労組法という)八条などに出ており、これにつき種々の規定を設けているが、争議行為一般についての明確な概念規定は存しない。労調法七条は、争議行為の具体的定義付けをしているが、右は、労調法上の問題として、労働委員会による争議の調整との関連において定められたもので、他の法律には妥当しないのであるが、ただ右労調法七条の定義を基として、他の法律の規定がこれと抵触する範囲でこれを修正し解釈すべきである。 一般に、国公法においても、争議行為であるためには業務の正常な運営を阻害することを要するとされているが、その内容を解釈するについては公務の性質などを考慮すべきである。すなわち、公務は、政府・地方公共団体の機関が、その公務を行うとされている日には、とくに権限ある機関の長より正当にその停止を許された場合を除いて、執行されているべきものと考えるべきであ すべきである。すなわち、公務は、政府・地方公共団体の機関が、その公務を行うとされている日には、とくに権限ある機関の長より正当にその停止を許された場合を除いて、執行されているべきものと考えるべきであり、また、公務はその性質上当然に国民生活と密着しているものであつて、その停廃は、直ちに国民生活に重大な影響をもつものである。従つて、右の業務阻害とは、労調法などの場合とは異なり業務阻害の危険性をもつて足りると解すべきである。 そして、本件職場大会において、業務阻害があつたことは後記のとおりであり、仮に右事実がないとしても、少なくとも業務の運営能率を阻害する危険性はあつたといわなければならない。 (二) 原告らの本件各行為が国公法九八条二項の禁止する争議行為に当たらないとの主張は、前記全農林警職法事件判決によつて否定された最高裁昭和四四年四月二日大法廷判決(都教組事件、全司法事件)が採用した限定的解釈を前提とするものであつて、その立論自体失当なものである。 次に、原告らの出勤簿整理時間に関する主張について反論する。 国家公務員の給与、勤務時間その他の勤務条件については、いわゆる勤務条件法定主義の立場から、その基礎事項は法律によつて定め、細目については法律の委任に基づく人事院規則によつて定めることとされている(憲法七三条四号、国公法二八条、一〇六条)。 これを勤務時間について見るに、一般職の職員の給与に関する法律(以下、給与法という。)一四条によつて、「職員の勤務時間は、休憩時間を除き、一週間について四十時間を下らず四十八時間をこえない範囲内において、人事院規則で定める。」とし、その「勤務時間は、特に支障のない限り、月曜日から土曜日までの六日間においてその割振を行い、日曜日は、勤務を要しない日とする。」として基礎事項を定め、国公法及び給与法の委任に基 則で定める。」とし、その「勤務時間は、特に支障のない限り、月曜日から土曜日までの六日間においてその割振を行い、日曜日は、勤務を要しない日とする。」として基礎事項を定め、国公法及び給与法の委任に基づく人事院規則一五-一(職員の勤務時間等の基準)は、その四条において「給与法第十四条第一項の規定に基づく勤務時間は、一週間について四十四時間とする。」と規定し、同規則五条及び六条によつて「前条に規定する勤務時間の割振りについては、・・・・・・内閣総理大臣が・・・・・・定める。」ものとし、その割振りの基準についても「特に支障のない限り、月曜日から金曜日までの五日間においては一日につき八時間となるように、土曜日においては四時間となるように割り振るものとする。」と定めており、この人事院規則の規定を受けて、内閣総理大臣は、政府職員の勤務時間に関する総理庁令(昭和二四年総理庁令第一号)一項により、政府職員の勤務時間の割振りとして、月曜日から金曜日までについては午前八時三〇分から午後五時まで(その間に三〇分の休憩時間を置く。)、土曜日については午前八時三〇分から午後〇時三〇分までと決定し、又、同総理庁令二項及び三項により、通勤のため利用する交通機関が著しく混雑する地域に所在する官庁に勤務する政府職員及び現業その他特別の勤務に従事する政府職員の勤務時間の割振りについては、当該主務大臣に委任するなど、それぞれ細目にわたつて定めている。このような勤務時間制度の下にあつては、各官署において右の法令に基づく勤務時間を独自に変更することは許されず、また、右の勤務時間と異なる労働慣行の成立する余地もない。 出勤簿整理時間、出勤簿管理(人事院細則九-五-一(給与簿取扱細則)三条及び四条の規定に従い、勤務時間管理員が所属の職員の出勤状況を確認し、出勤していない職員について 労働慣行の成立する余地もない。 出勤簿整理時間、出勤簿管理(人事院細則九-五-一(給与簿取扱細則)三条及び四条の規定に従い、勤務時間管理員が所属の職員の出勤状況を確認し、出勤していない職員については出勤簿上に年次休暇、特別休暇その他当日の勤務状況を表示するに必要な事項をその都度記入して管理すること。)の事務上の必要に基づき、各官署の長が勤務時間管理員に対して発した職務命令により定められているものであり、その趣旨は、正規の出勤時刻から一定時間内に出勤簿の整理を完了することを命ずると共に、出勤した職員がこの時刻までに出勤簿に押印したときは、正規の出勤時刻に出勤したものとして事実上取り扱つているものにすぎず、もとより職員との関係において正規の出勤時刻を変更するとか、あるいは出勤簿整理時間内の勤務を免除するという性質のものではない。ちなみに、本件ストライキ当時の出勤簿整理時間は、大阪陸運局本局にあつてはおおむね午前九時二〇分頃まで、各陸運事務所にあつてはおおむね午前九時頃までというのが実態であつた。 右のように、出勤簿整理時間といえども勤務を要する時間であることに変わりはないのであるから、出勤簿整理時間内であつても、既に登庁している職員は当然勤務に服しなければならない義務を負うのであり、又、出勤簿整理時間の終了時までに出勤簿に押印せず、勤務にもつかなかつた職員は、出勤時刻から欠勤したものとして取り扱われるのは当然である。さらに、職員に対しその勤務の報酬として支給される俸給も勤務時間を基準として計算されるのである(給与法四条、五条一項)。 従つて、職員は出勤簿整理時間を他の目的のために自由に利用し得るものではなく、こ9時間内に出勤した職員は直ちにその職務に従事する義務があり、当局側もその者に対しその職務に従事することを命じ得るものといわなければなら 勤簿整理時間を他の目的のために自由に利用し得るものではなく、こ9時間内に出勤した職員は直ちにその職務に従事する義務があり、当局側もその者に対しその職務に従事することを命じ得るものといわなければならない。そして、出勤簿への押印は単に職員が定時に出勤したことを証明するための手段にすぎない(人事院細則九-五-一、四条参照)のであるから、仮に既に出勤した職員が出勤簿への押印を遅らせているとしても、その職員は右義務を免れるものではない。 よつて、国家公務員たる者が当局の許可なく勤務時間内に職場大会を開催しこれに参加することは、国公法九八条二項にいう同盟罷業に当り、仮にそれが出勤簿整理時間内に開かれたものであるとしても、国公法九八条二項に違反することは明らかである。 さらに、本件職場大会が出勤簿整理時間内に行われたものであつても、業務阻害がなかつたとすることはできない。 すなわち、陸運局や陸運事務所の窓口には、受付開始前の出勤簿整理時間帯にあつても、外部からの電話照会や外来者は皆無ではなく、受付開始を待つて窓口で申請などの相談をする外来者もあるのであり、それ故に原告らも自認しているとおり、本件職場大会の開催に当つては、組合側は電話照会などに備えて、一・二名の要員を職場に配置していたのであり、又、原告らも自認するように、出勤簿整理時間は受付開始時間が到来すれば、直ちに正常業務に入れるように来客受付体制を整えるべき時間であるのに、右時間帯に職場大会を開催すれば、右のような体制を整えることは不可能であり、従つて必然的に受付開始時間が到来しても直ちに正常な業務に入ることはできないのであり、加えて、全運輸中央闘争委員会から各支部長等宛の「一一・一三実力行使に向けての準備指令(追加)」によつて「前日からの出張及び当日の出張については、事前にすべてやめさせるこ 入ることはできないのであり、加えて、全運輸中央闘争委員会から各支部長等宛の「一一・一三実力行使に向けての準備指令(追加)」によつて「前日からの出張及び当日の出張については、事前にすべてやめさせることを基本とし、当日出張の場合は、実力行使終了後行くこととすること。・・・・・・・・・当局が突然に出張命令を発する場合は拒否すること」と準備指令しており、右はまさに業務を阻害するものといわざるを得ない。さらに、「陸運事務所の窓口を利用されるみなさまへ」「当日は、みなさま方になにかと迷惑をかけることになると思いますが、私たちのせつぱつまつた気持ちを理解して下さるようお願いします。」と記載したビラを一般国民に配付しており、右は、本件職場大会は国民生活に障害をもたらすことを慮ぱかつての措置であることが認められ、業務阻害のあるを根拠づけるものといわねばならない。又、当局が再三かかる職場大会の違法性を警告し執務命令を出したことは、前記のとおりである。 以上の事実から明白なように、本件職場大会により業務阻害はあつたのであり、少なくとも業務の運営能率を阻害する危険性はあつたのである。よつて、原告らの主張は失当である。 3 原告Cは、年次有給休暇をとつて本件職場大会に参加したのであるから、国公法九八条二項に該当せず、本件処分は違法であるとの主張(再抗弁3)について年次有給休暇中の者は、使用者に対する労務の提供義務を免除されているものの、国家公務員として当然負う服務上の規律には従わなければならないことは言うまでもないところであり、国家公務員に対しては、国公法上争議行為等法令に違反する行為を行なつてはならない義務、その他の職員として守るべき義務が課せられているが、原告Cは支部の副分会長として争議行為たる職場大会に終始参加し、かつ、経過報告及び決議文の朗読を行うこと 令に違反する行為を行なつてはならない義務、その他の職員として守るべき義務が課せられているが、原告Cは支部の副分会長として争議行為たる職場大会に終始参加し、かつ、経過報告及び決議文の朗読を行うことによつて、これを「あおり」「そそのかす」行為をなしているのであるから国公法九八条二項に違反したものというべく、同条によつて問責されることは当然である。 4 本件各処分が不当労働行為であるとの主張は、何ら正当な根拠のない独自の意見であつて失当である。(再抗弁4)不当労働行為制度上の保護は、正当な組合活動についてだけなされるものであるところ、本件ストライキの実施が憲法二八条に基づく正当な団体行動であるといえないことは、前記のところから明らかであり、本件各処分は、原告らの行為が国公法九八条二項に違反し、同法八二条所定の懲戒事由に該当することを理由になされたものであつて、原告ら主張のように団結破壊ないし組合弾圧を意図してなされたものでないことは明らかである。 5 違法争議行為と懲戒処分について(再抗弁5)原告らの主張は、要するに、争議行為は労働組合という一個独立の団体行動であるから、それが違法な場合にもすべて団体が責任を負うべきで、その構成員個人の行為は組合の行為に吸収され、独立の評価を受ける余地がないということにあるが、その団体性をいかに強調しようとも、そのことから、直ちに個々の参加者が違法の責任を負担しないという結論を導き出すことはできない。 争議行為が、一般的に、労働者の団結体たる労働組合の統一的、集団的行為であることは原告らの主張のとおりであるが、他面において、争議行為は団体構成員たる組合員の共同に意欲された個別行為の集合であることも否定できない事実である。 すなわち、争議行為は個々の組合員の積極的、具体的行為なくしては成り立ち得ない。これを端 において、争議行為は団体構成員たる組合員の共同に意欲された個別行為の集合であることも否定できない事実である。 すなわち、争議行為は個々の組合員の積極的、具体的行為なくしては成り立ち得ない。これを端的に表現すれば、争議行為は労働組合の行為であると同時に、個々の組合員の行為でもある。そして、個々の組合員は労働組合とは別個独立の法的主体であり、従つて、違法な争議行為については、労働組合が団体としての責任を負うのとは別に、個々の組合員が責任を負うのは当然である。 違法争議行為の責任はすべて労働組合にのみ帰せられるべきであるという見解からすれば、違法争議行為が刑罰法規に触れるときも、刑事責任を負うべきは組合のみということになる。このような帰結が、個々の違法行為者がそのなした行為について刑事責任を負わなければならないという刑事法の一般原則に背馳するものであることは論ずるまでもない。又、不法行為責任について、近代法の下においては、人は自己の行為についてのみ責任を負うという自己責任又は個人責任の原則が確立されている。 違法な争議行為が不法行為をも構成するとき、第一次的にその責任を負うべきは行為者個人であり、その行為者が組成する団体が責任を負うのは別個の法理によらねばならず、決してその逆ではあり得ない。さらに、違法な争議行為が労働契約上の債務不履行を構成するとき、その責任は契約当事者たる個々の労働者について生ずるものであり、組合がかかる債務不履行責任を負うことはない。原告らの主張は右に述べたような近代法の建前を無視した立論で、何ら根拠のないものといわなければならない。 元来、争議権の保障は、正当な争議行為に限り、これを労働法上団体行動として保護することである。争議行為は業務の正常な運営を阻害する行為であるから、一般市民法上は刑事、民事の責任が生じ得べきも ない。 元来、争議権の保障は、正当な争議行為に限り、これを労働法上団体行動として保護することである。争議行為は業務の正常な運営を阻害する行為であるから、一般市民法上は刑事、民事の責任が生じ得べきものであるが、これらの責任を免責し、又は争議行為を理由とする解雇などの不利益取扱いを禁止することに、争議権の権利性が認められる。このような争議権の保障は正当な争議行為に限られており、争議行為が不当、違法なときには、それは労働法上もはや団体行動として保護されず、右に述べたような正当な争議行為に与えられる免責的利益を享受し得ないのである。換言すれば、違法争議行為は労働法上の団体行動ではなく、法的には個々の労働者の個別行為として契約秩序や服務規律に服することとなる。もちろん、争議行為が労働組合の行為でもあるという側面から、組合としても責任を負うべきことが生じ得るが、この組合としての責任と個々の労働者の責任とは、別個独立のものとして併存するのである。 正当な争議行為の民事免責を定める労組法八条は、「労働組合又はその組合員」に対し賠償を請求することができない旨規定し、本来免責なき場合に組合員個々人が使用者に対し債務不履行ないし不法行為による責任を負うことあるべきを当然予定している。又、同法一二条は、法人の不法行為能力に関する民法四四条の規定を、法人たる労働組合に準用するものとしているが、民法の右規定の解釈上、法人と共に機関個人の責任が生ずるものと解されている。そして、労組法一二条は、同法八条に規定する組合の正当な争議行為については、右準用を除外する旨明らかにしている。原告らの主張からすれば、このような労組法上の規定は、誤りであるか、適用ないし準用の余地がないこととならざるを得ないが、かかる解釈が法条の文理に著しく抵触し、とうてい成り立つものでないことは明 いる。原告らの主張からすれば、このような労組法上の規定は、誤りであるか、適用ないし準用の余地がないこととならざるを得ないが、かかる解釈が法条の文理に著しく抵触し、とうてい成り立つものでないことは明らかであろう。 なお、原告らの主張は、「労働組合が争議行為を行う場合には、組合員たる個々の労働者は企業秩序の支配から離脱し、組合の統制に服することとなるから通常の企業秩序を前提とする懲戒処分を課することはできない」との趣旨を含むものとも解される。 しかしながら、個々の労働者は使用者と労働契約を締結することによつて、企業組織内に編入され企業秩序に服することとなるのであつて、このような関係は労働契約の存続する限り継続するものである。他方、労働者が労働組合に加入すれば、労働組合の団体統制に服することとなるが、この両者の法律関係は別個独立のものとして併存し、その間に優劣の関係はない。労働者を企業秩序の支配から離脱させることはたとえ労働組合であつても使用者の意思にかかわりなく自由になし得るものではない。従つて、争議行為が、労働組合の団体行動として展開されるものであるからといつて、争議行為によつて使用者と個々の労働者との間の労働契約関係が消滅するわけでなく、それが争議行為であるということのみによつて、組合員たる労働者が企業秩序の拘束から離脱するという効果を生ずる理由はない。 ただ、一般的にみて、二重の法律関係が存在する場合に、それぞれの法律関係から生ずる義務の内容が矛盾すると、一方の統制に服するときは他方の統制に違反するという結果が生ずるわけであるが、争議行為の場合には労働者に争議権が保障されている関係上、争議行為が正当なものである限り、当該行為の故に労働者が企業秩序違反の責を問われることはない。しかし、争議行為が違法なものであれば、それが企業秩序に違反す には労働者に争議権が保障されている関係上、争議行為が正当なものである限り、当該行為の故に労働者が企業秩序違反の責を問われることはない。しかし、争議行為が違法なものであれば、それが企業秩序に違反するものと評価され、当該労働者がその責を負うのを妨げる理由はないわけである。 一般的に懲戒は、企業秩序、服務規律の維持、確保を目的とするが、かかる目的達成の必要は企業の存続する限り存在するのであつて、労働組合が争議行為と決定し実施したからといつて当然に失われるものではない。正当な争議行為に対して問責し得ないのは別として、違法な争議行為についてまで使用者の統制が及ばないとする根拠はない。原告らの主張からすれば、争議行為として行いさえすれば、どのように違法であろうとも、およそ懲戒などはあり得ないということになる。しかし、このような結果が常識に反し是認し得ないことは明らかである。従つて、違法な争議行為が行われ、企業秩序が侵害された場合には、当然懲戒の対象となり得るものである。 違法争議行為一般について、懲戒責任を否定する見解の失当なることは、以上に述べたとおりであるが、公務員の争議行為とその懲戒責任については、なお次の点が注意されるべきである。 一般に私企業における企業秩序ないし服務規律は、労務の提供に関連する事項に限定され、私企業における懲戒処分は原則として、このような企業秩序の維持の目的の範囲において行うことができるものと解されている。これに対し、公務員関係における秩序は、公務員の地位の特殊性から、単に労務を提供することに関連する義務に限らず、公務員たる地位に伴う様々な服務義務、例えば、信用失墜行為の禁止、政治的行為の制限、営利企業への従事制限などの義務を課しているという意味において、私企業の労働関係における企業秩序とは異なる特殊性をもつものであ 位に伴う様々な服務義務、例えば、信用失墜行為の禁止、政治的行為の制限、営利企業への従事制限などの義務を課しているという意味において、私企業の労働関係における企業秩序とは異なる特殊性をもつものである。従つて、法の禁止に違反する争議行為についても、単に職務秩序違反というにとどまらず、法によつて課せられた公務員としての服務・義務に違反する側面をもつことを、看過することができない。 又、国公法は、国家公務員たる職員について適用すべき各般の根木基準を確立するなどの目的(一条)から、九八条二項において職員の争議行為を禁止しているのであつて、その趣旨は、団体的に行われる争議行為を組成する個々の職員の行為を違法なものと評価し、これを禁じていると解せざるを得ない。従つて争議行為が集団的な性格をもつということを理由に、個々の職員の行為について、法律の規定に基づきその懲戒責任を問うことを妨げるべき理由は全くない。 6 懲戒権濫用の主張について(再抗弁6)(一) 公務員の懲戒処分における懲戒権者の裁量権公務員に対する懲戒処分は、当該公務員に職務上の義務違反、その他単なる労使関係の見地においてではなく、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務することをその本質的な内容とする勤務関係の見地において、公務員としてふさわしくない非行がある場合に、その責任を確認し、公務員関係の秩序を維持するため、科される制裁である。 ところで、国公法は、同法所定の懲戒事由がある場合に、懲戒権者が懲戒処分をなすべきかどうか、又、懲戒処分をするときに如何なる処分を選択すべきかを決するについては、公正であるべきこと(七四条一項)を定め、平等取扱いの原則(二七条)及び不利益取扱いの禁止(一〇八条の七)に違反してはならないことを定めている以外に、具体的な基準を設けていない。 従つて、懲戒権 は、公正であるべきこと(七四条一項)を定め、平等取扱いの原則(二七条)及び不利益取扱いの禁止(一〇八条の七)に違反してはならないことを定めている以外に、具体的な基準を設けていない。 従つて、懲戒権者は、懲戒事由に該当すると認められる行為の原因、動機、性質、態様、結果、影響等の外、当該公務員の右行為の前後における態度、懲戒処分等の処分歴、選択する処分が他の公務員及び社会に与える影響など、諸般の事情を考慮して懲戒処分をすべきかどうか、又、懲戒処分をする場合に如何なる処分を選択すべきかを決定することができるのであるが、その判断は、右のような広範な事情を総合的に考慮してされるものである以上、平素から庁内の事情に通暁し、部下職員の指揮監督の衝に当たる者の裁量に任せるのでなければ、とうてい適切な結果を期待することができないのである。 それ故、公務員につき、国公法に定められた懲戒事由がある場合に、懲戒処分を行うかどうか、懲戒処分を行うときに如何なる処分を選ぶかは、懲戒権者の裁量に任されているものというべきである。 もとより、右の裁量は、恣意にわたることを得ないものであることは当然であるが、懲戒権者が右の裁量権の行使としてなした懲戒処分は、それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権を付与した目的を逸脱し、これを濫用したと認められる場合でない限り、その裁量権の範囲内にあるものとして、違法とはならないものというべきである。 従つて、裁判所が右の処分の適否を審査するにあたつては、懲戒権者と同一の立場に立つて懲戒処分をすべきであつたかどうか、又、如何なる処分を選択すべきであつたかについて判断し、その結果と懲戒処分とを比較してその軽重を論ずべきものではなく、懲戒権者の裁量権の行使に基づく処分が社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権を濫用したと認められる場合に限り違法で あつたかについて判断し、その結果と懲戒処分とを比較してその軽重を論ずべきものではなく、懲戒権者の裁量権の行使に基づく処分が社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権を濫用したと認められる場合に限り違法であると判断すべきである(最高裁昭和五二年一二月二〇日第三小法廷判決・民集三一巻七号一一〇一頁、最高裁同日第三小法廷判決・民集三一巻七号一二二五頁各参照)。 (二) 本件争議行為は、当局側の再三にわたる事前の警告や中止の勧告、解散命令、就業命令等を無視し、国公共闘のなかでも勤務時間外の職場大会を行なつた組合が多数存在するなかで、これとは別にあえて勤務時間にくい込む職場大会を行なつたことに特別の意味があつたのであり、勤務時間にくい込むことをねらつた点に特質がある。 しかして、原告らは、何れも勤務時間にくい込む違法な職場大会において、一定の主たる役割りを果したものであつて、その責任は大きいというべきである。 本訴において、原告らは、「本件争議行為による業務への影響はなかつた」として、違法な争議行為に関する責任を逃れようとするが、出勤簿整理時間の存在は、その時間内の職員の勤務義務を免除するものではなく、出勤簿整理時間であつても、当局の支配管理に服すべきものであり、登庁した職員を集めて集団で職場を離脱するが如きことは違法であり許されないことである。 又、本件各処分は、原告らが主張するように団結破壊ないし組合弾圧を意図してなされたものでないことは明らかであり、かつ、その処分も懲戒処分のうちで最も軽い戒告を選択してなされたものである。 以上要するに、本件各処分は、懲戒権者たる被告局長において、国公法上の懲戒処分の趣旨に則し、違法な争議行為を旋任すべきではないとの観点、その他諸般の要素を慎重に考慮したうえで、法律によつて認められている裁量権に基づき、適正、かつ、 者たる被告局長において、国公法上の懲戒処分の趣旨に則し、違法な争議行為を旋任すべきではないとの観点、その他諸般の要素を慎重に考慮したうえで、法律によつて認められている裁量権に基づき、適正、かつ、妥当に行われたものであり、これには、恣意にわたり社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権を濫用したと認めらられるような要素は全く存在しないのである。 第三証拠(省略)○ 理由第一被告局長に対する請求について一請求原因1ないし3については当事間に争いがない。 二右争いのない事実によれば、本件各処分は、原告らが国公法九八条二項に違反したとして同法八二条一号を適用してなされたものであることが明らかであるから、本件各処分の違法性の有無を考えるに際し、国公法九八条二項の合憲性が先決問題となり、原告らは憲法二八条に違反する旨主張(再抗弁1)するので、まず国公法九八条二項の合憲性について判断することとする。 国公法九八条二項が合憲であることは、すでに最高裁判所大法廷判決(昭和四八年四月二五日。なお、昭和五一年五月二一日判決及び昭和五二年五月四日判決参照。)が明示するところであり、当裁判所も原告ら主張の諸点を熟慮検討するも右最高裁判所判例を相当と思料するので、これに従うものである。 よつて、原告らの右主張は採用することができない。 三すすんで、本件各処分事由たる争議行為(抗弁)について検討する。 1 本件職場大会に至るまでの経緯(抗弁1(一)ないし(五))については当事者間に争いがなく、当事者に争いのない事実並びに成立に争いのない甲第四号証、第一二号証、第五二号証及び弁論の全趣旨を総合すると、人事院は昭和四四年八月一五日、国会及び内閣に対し、国公法二八条及び給与法二条の規定に基づき一般職の職員のの給与について勧告を行つたが、その内容は、一般職国家公務員の給与を 弁論の全趣旨を総合すると、人事院は昭和四四年八月一五日、国会及び内閣に対し、国公法二八条及び給与法二条の規定に基づき一般職の職員のの給与について勧告を行つたが、その内容は、一般職国家公務員の給与を平均一〇・二パーセント引上げることなどとし、その実施時期を同年五月一日からとするものであつたこと、国公共闘は、右勧告におおける給与引上げ率については、昭和三五年以来九年ぶりの二桁勧告であるとして一定の評価をしたものの、一律八〇〇〇円と体系改善一万円以上の賃金引上げという要求に満たないものとして全体として不満を示し、同年九月八日、政府に対し、「賃上げは五月から実施すること、賃上げの実施にあたつては、最低賃上げ四〇〇〇円を保障すること、扶養手当は被扶養者のすべてに七〇〇円増額すること、期求手当増額は〇・二か月とすること、住宅手当を支給すること」などの当面の統一賃金を提出したこと、政府は、同年一一月一一日、公務員の給与改定に関する取扱について「一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける国家公務員の給与については、さる八月一五日に行われた人事院勧告どおり俸給表等の改定を行うものとする、右改定は昭和四四年六月一日から適用する(すでに支給した六月期の期末・勤勉手当については、適用しない)こととし、関係法律の改正案は次期国会に提出するものとする」ことなどの閣議決定を行つたことを認めることができ、他に右認定を左右するに足る証拠はない。 2 近陸支部における本件職場大会の実施について0抗弁2(一)(近陸支都の組織)については当事者間に争いがなく、成立に争いのない乙第二号証の一ないし七及び弁論の全趣旨によると、昭和四四年一一月当時の、近陸支部長は原告G、副支部長はN、書記長はOであり、近畿陸運局(本局)分会長はP7、副分会長はP9、書記長はP6であり、大阪分 第二号証の一ないし七及び弁論の全趣旨によると、昭和四四年一一月当時の、近陸支部長は原告G、副支部長はN、書記長はOであり、近畿陸運局(本局)分会長はP7、副分会長はP9、書記長はP6であり、大阪分会長は原告F、副分会長はP10及びP11、書記長はP12であり、京都分会長は原告E、副分会長はP2、書記長はP1であり、兵庫分会長は原告D、副分会長は原告C(本所勤務)及びY(姫路支所勤務)、書記長はP13であり、奈良分会長は原告B、副分会長はU、書記長はTであり、和歌山分会長は原告A、副分会長はR、書記長はSであることが認められ、他に右認定を左右するに足る証拠はない。 (二) 近陸支部及びさん下各分会における本件職場大会体制の確立状況とこれに対する当局のとつた措置について当事者間に争いのない事実並びに成立に争いのない甲第一三、一四号証、第二一ないし二四号証、第二六、二七号証、第二九号証、乙第一号証の一ないし八、前掲乙第二号証の一ないし七、証人O、同P14、同Nの各証言、原告D本人尋問の結果及び弁論の全趣旨を総合すると、次の事実を認めることができ、他に右認定を左右するに足る証拠はない。 近陸支部は、全運輸第八回定期大会後の昭和四四年九月一九日、大阪陸運局会議室において第二一回定期大会を開催し、国公共闘及び全運輸の前記のような実力行使を中心とした闘争方針を全面的に支持し、積極的に闘つていくことを確認し、全運輸中央本部の闘争日程をふまえストライキ体制を確立していくことなどの闘争方針を全員一致で承認・可決し、以後同支部においては、右ストライキ体制を確立するために学習会、討論集会などの諸活動が行われ、又、同年一〇月七日から同月三一日にかけて近陸支部及びさん下各分会から大阪陸運局長及び同管内各陸運事務所長等に対し、賃上げは五月から実施することをはじめと ために学習会、討論集会などの諸活動が行われ、又、同年一〇月七日から同月三一日にかけて近陸支部及びさん下各分会から大阪陸運局長及び同管内各陸運事務所長等に対し、賃上げは五月から実施することをはじめとした全運輸の統一要求書を提出し、運輸大臣にあてた右要求を取次ぐよう求め、これを上申するとの約束を得るなどした。 近陸支部は、同月二三日から同月二五日にかけて、全運輸指令第一号に従い、全分会において本件統一行動(実力行使)に対する賛否を問う一票投票を実施したが、その結果は、投票有権者組合員に対する賛成意思を投票した組合員の比率(批准率)が七五・二パーセント(ちなみに、本局分会・五八・三パーセント、大阪分会・八一・三パーセント、京都分会・七五・〇パーセント、兵庫分会・八三・六パーセント、滋賀分会・七六・五パーセント、奈良分会・九四・四パーセント、和歌山分会・七二・七パーセント)であり、投票した組合員数に対する賛成率は七九・一パーセント(ちなみに、本局分会・六〇・八パーセント、大阪分会・八六・〇パーセント、京都分会・七五・〇パーセント、兵庫分会・九〇・三パーセント、滋賀分会・八六・七パーセント、奈良分会・一〇〇パーセント、和歌山分会・七二・七パーセント)であり、かつ全分会において右実力行使一票投票は批准され、さらに、同年一一月七日から一〇日にかけて全運輸指令第二号に従つて実施された本件統一行動(実力行使)に対する参加決意署名が行われた。右参加決意署名とは、「私は左記の国公統一賃金要求をかちとるため、一一・一三統一行動日に全運輸指令に基づいて『早朝から勤務時間に二九分くい込む職場大会』に参加します」と記載し、「賃上げは五月から実施すること」などの要求事項を列挙したものであつたが、右署名の結果は、組合員数三八六名(長期欠勤者三名を除く)中三六二名が署 間に二九分くい込む職場大会』に参加します」と記載し、「賃上げは五月から実施すること」などの要求事項を列挙したものであつたが、右署名の結果は、組合員数三八六名(長期欠勤者三名を除く)中三六二名が署名し、その署名率は九三・八パーセント(ちなみに、本局分会・八九・五パーセント、大阪分会-本所・九五・七パーセント、和泉支所・九三・九パーセント、兵庫分会-本所・九四・三パーセント、姫路支所・一〇〇パーセント、京都分会・九七・四パーセント、奈良分会・九四・四パーセント、滋賀分会・八八・二パーセント、和歌山分会・九五・五パーセント)であつた。 このようにして本件職場大会に対する組合員の意思確認が行われ、その実施の気運が高まる中において、同年一〇月二三日、総理府総務長官は国公共闘議長に対し、公務員の自覚と反省を促し、違法な行動を行うことのないよう自重を求める旨の警告を発すると共に談話を発表し、同年一一月一二日、運輸事務次官は、全運輸中央執行委員長に対し、違法行為を行うことのないよう自重を求める旨の警告を発した。さらに、同月八日から一〇日にかけて被告局長から近陸支部長である原告Gに対し、大阪陸運局総務部長から本局分会長P7に対し、同局管内各陸運事務所長(兵庫県陸運事務所姫路支部においては同支所長)から各分会長(右姫路支所においては兵庫分会副分会長Y)に対し、それぞれ「伝えられるところによれば、貴組合においては来たる11月13日勤務時間内職場大会を計画している模様であるが、いうまでもなく国家公務員には、かかる争議行為は法令によつて禁止されているところであります。当局は貴組合がもし伝えられるような違法行為を行なつた場合には、関係法令に基づき必要な措置をとらざるをえないので、貴組合の自重を強く要望します。」と記載した警告書を交付して警告し、さらに、当局は、同 当局は貴組合がもし伝えられるような違法行為を行なつた場合には、関係法令に基づき必要な措置をとらざるをえないので、貴組合の自重を強く要望します。」と記載した警告書を交付して警告し、さらに、当局は、同月八日から同月一一日にかけて各職員に対し、同月六日付運輸事務次官名による本件職場大会に参加しないようにとの内容を含んだ「職場のみなさんへ」と題した警告書を交付して、本件職場大会に参加することのないよう自重を求めた。これに対し、近陸支部及びさん下各分会は、右警告書をあえて受取らず、或いは交付されたものを分会役員などにおいてまとめて当局に返還するという状況であつた。右に加えて、和歌山県陸運事務所においては、同月一二日に、所長交渉の際、原告Aから翌一三日に勤務時間内にくい込む職場大会を中庭で行う旨通告があつたのに対し、同所長は勤務時間内にくい込む職場大会は違法であるのでとりやめること、庁舎管理規程に基づく目的外使用の許可を受けることについて口頭で警告し、奈良県陸運事務所においては、同月一二日、所長交渉の際、同所長から原告Bらに対し、本件ストライキをとりやめるように重ねて警告し、本件ストライキが実施されれば処分問題が生ずる旨伝え、兵庫県陸運事務所においては、同月一二日、同所長から分会長原告D及び副分会長原告Cらに対し、本件職場大会を中止するように口頭で強く警告し、京都府陸運事務所においては、同月一一日、所長交渉の際、本件職場大会による実力行使の通告がなされたのに対し、違法である旨回答し、右同日、全職員に対し、総理府総務長官から国公共闘議長あての前記警告文を回覧閲読させ、大阪陸運局(本局)においては、同月一一日、原告Gから本件職場大会実施の通告があつたのに対し、当局から勤務時間にくい込む職場大会は違法であるからとりやめるよう警告すると共に勤務時間中は 覧閲読させ、大阪陸運局(本局)においては、同月一一日、原告Gから本件職場大会実施の通告があつたのに対し、当局から勤務時間にくい込む職場大会は違法であるからとりやめるよう警告すると共に勤務時間中は職務に専念する義務がある旨強調し、さらに同月一二日、同局総務部長から原告Gらに対し、再度勤務時間にくい込む本件職場大会を中止するよう説得した。又、大阪陸運局及び管内各府県陸運事務所において、同月一二日、当局は、全職員に対し、勤務時間は午前八時三〇分から午後五時まで(本局においては午前九時五分から午後五時二〇分まで)であること及び勤務時間内にくい込む職場大会に参加することは違法である旨伝えた。 同月一二日、近陸支部執行部は、常任中央闘争委員会から、「ボーナス抜六月実施の閣議決定に断固反対し、一一・一三は早朝時間内くい込み職大の実力行使は実施せよ。ただし、くい込み時間については追つて電話にて指令する」との電報による全運輸指令第三号を受け、さらに同夜半、本局分会はくい込み時間一五分、その他の分会は二〇分とするとの電話指令を受け、右各指令をさん下各分会に伝達した。 (三) 近陸支部さん下各分会における一一月一三日の本件職場大会の実行及び同大会における原告らの役割並びに当局のとつた措置について当事者間に争いのない事実並びに成立に争いのない甲第四六、四七号証、第六二号証、前掲乙第二号証の一ないし七(ただし、乙第二号証の二のうち後記採用しない記載部分を除く。)、証人P14、同Nの各証言、原告C、同D各本人尋問の結果及び弁論の全趣旨を総合すると、次の事実を認めることができ、乙第二号証の二のうち右認定に反する記載部分は右掲記の証拠と記載方法に照らして採用できず、他に右認定を左右するに足る証拠はない。 (1) 和歌山分会における本件職場大会の状況和歌山分会における き、乙第二号証の二のうち右認定に反する記載部分は右掲記の証拠と記載方法に照らして採用できず、他に右認定を左右するに足る証拠はない。 (1) 和歌山分会における本件職場大会の状況和歌山分会における本件職場大会は、和歌山県陸運事務所宿直室前の中庭において、午前八時三〇分頃から同四五分頃まで一六名の組合員が参加して行われた。右大会の進行は、近陸支部Q執行委員の司会で進められ、まず原告Aが分会長として一、二分間あいさつをした後、R副分会長からメツセージ、祝電の紹介がされるなどし、最後に右副分会長が決議文の朗読、S書記長が要求事項の確認を提案して全員一致で確認され、最後にQ執行委員が閉会のあいさつをして右大会を終了した。 その間、P15和歌山県陸運事務所長は、午前八時四〇分頃、分会長である原告Aを呼び、右大会が勤務時間内にくい込んでおり、許可のない場所で行われているので、解散するよう口頭で命令した。しかし、原告Aらは、右命令に従つて解散することはなかつた。 (2) 奈良分会における本件職場大会の状況奈良分会における本件職場大会は、奈良県陸運事務所宿直室において、午前八時二五分頃から同五〇分頃まで一七名の組合員が参加して行われた。右大会の進行は、T書記長の司会で始まり、まず分会長である原告Bが全運輸本部及び近陸支部のメツセージと祝電を朗読し、その後N中央闘争委員会委員(近陸支部副支部長)が一一・一三闘争の意義について述べ、続いてU副分会長が所長交渉の経過を報告するなどした後、T書記長が閉会を宣言して解散した。 その間V輸送課長は、午前八時四〇分頃、原告Bをはじめとする大会参加者に対し、勤務時間内の無許可集会であるから解散するよう口頭で命令した。 (3) 兵庫分会(本所)における本件職場大会の状況兵庫分会(本所)における本件職場大会は、兵庫県陸運事 はじめとする大会参加者に対し、勤務時間内の無許可集会であるから解散するよう口頭で命令した。 (3) 兵庫分会(本所)における本件職場大会の状況兵庫分会(本所)における本件職場大会は、兵庫県陸運事務所玄関前横庭において、午前八時二〇分頃から同四二分頃まで四七名の組合員が参加して行われた。右大会の進行は、開会宣言に始まり、分会長原告Dがあいさつ及び職場大会の意義について約七分間演説を行い、その後書記長らから経過報告、メツセージの紹介、闘争宣言の朗読がなされ、がんばろうを三唱し、労働歌を合唱して終了した。 その間、W総務課長は、分会長原告Dに対し、午前八時二五分頃「この大会は無許可であるからすぐ解散せよ」との、又、同三六分頃「時間内にくい込む大会は違法であるからすぐ解散しなさい」との各解散命令を口頭で伝え、さらに同四〇分頃、全参加者に対し、プラカードに解散・職場復帰命令を記紛して伝達した。 (4) 兵庫分会(姫路支所)における本件職場大会の状況兵庫分会(姫路支所)における本件職場大会は、兵庫県陸運事務所姫路支所構内入口横の空地において、午前八時三三分頃から同五〇分頃まで一五名の組合員が参加して行われた。右大会の進行は、Y副分会長の開会の言葉で始まり、副分会長である原告Cが所長交渉の経過について演説すると共に兵庫分会職場大会の「決議文」を朗読し、その後メツセージ朗読がなされ、がんばろうを三唱し、労働歌を合唱して終了した。 その間、X姫路支所長は、午前八時三五分頃、Y副分会長に対し、組合旗が立ててあること及び勤務時間内にくい込む右大会は違法であることを口頭で注意し、さらに同四九分頃、参加者全員に対し、解散するよう口頭で命じた。 原告Cは、勤務場所が兵庫県陸運事務所(本所)輸送課であるが、右当日は、一一月一二日に行われた所長交渉に姫路支所勤務のY副 頭で注意し、さらに同四九分頃、参加者全員に対し、解散するよう口頭で命じた。 原告Cは、勤務場所が兵庫県陸運事務所(本所)輸送課であるが、右当日は、一一月一二日に行われた所長交渉に姫路支所勤務のY副分会長が出席しなかつたため、右交渉経過を本件職場大会において報告などするために、家事都合との理由をもつて年次有給休暇の承認を得たうえで、前日(一二日)夜から姫路分会に泊り込んで参加したものである。 (5) 京都分会における本件職場大会の状況京都分会における本件職場大会は、京都府陸運事務所玄関前広場において、午前八時二〇分頃から同四九分頃まで三三名の組合員が参加して行われた。右大会の進行は、Z執行委員が開会のあいさつを行なつた後、P1書記長が経過報告し、決議文朗読、要求スローガン朗読、来賓のあいさつ、労働歌合唱と進み、最後に分会長である原告Eが音頭をとつて団結がんばろうの三唱をした後閉会した。 その間、P3総務課長は、八時二五分頃、分会長である原告Eに対し、解散命令書を手交しようとしたが同原告はこれを拒否し、同三六分頃、同課長が参加者全員に対し、解散命令及び職場復帰命令をプラカードに記載して提出し、同四五分頃、原告Eに対し、解散命令書を手交したが、同原告はこれを受領することを拒んだ。 (6) 大阪分会(本所)における本件職場大会の状況大阪分会(本所)における本件職場大会は、大阪府陸運事務所玄関前広場において、午前八時二〇分頃から同五〇分頃まで七五名の組合員が参加して行われた。右大会の進行は、開会宣言の後議長団が選出され、まず分会長原告Fが人事院勧告を完全に実施させるために本件統一行動の推進を行う旨のあいさつをした後、経過報告、決意表明、大会スローガン朗読、閉会宣言、がんばろう三唱の順で行われ終了した。 その間、午前八時三五分頃、P5次長は右大会参 に実施させるために本件統一行動の推進を行う旨のあいさつをした後、経過報告、決意表明、大会スローガン朗読、閉会宣言、がんばろう三唱の順で行われ終了した。 その間、午前八時三五分頃、P5次長は右大会参加者に対し、始業時間に入つたので、それぞれの職場に戻るよう伝え、本件職場大会の解散を二度にわたりくり返し口頭で命令したが、依然として右大会は続けられたので、分会長原告Fに対し、所長名による解散命令を手交しようとしたが、がんばろう三唱の後直ちに解散したので右命令書を手交するに至らなかつた。 (7) 本局分会における本件職場大会の状況本局分会における本件職場大会は、大阪陸運局自動車部事務室において、午前八時四五分から九時一七分頃まで八二名の組合員が参加して行われた。右大会の進行は、本局分会書記長P6の開会宣言に始まり、本局分会長P7があいさつと経過報告を行つた後、近陸支部長原告Gがあいさつをし、人事院勧告に対する閣議決定の不当性を説明し、続いてメツセージ等の紹介、大会宣言を拍手で採択した後閉会のあいさつをもつて終了した。 その間、右大会参加者に対し、午前八時五一分頃、T総務課長が「無許可集会に付き直ちに解散せよ」との局長命令を大声で二度くり返して伝え、午前九時四分頃、P16人事課長が「九時五分が勤務時間であるから直ちに解散して勤務に就くように」との局長命令を二度にわたりくり返し大声で伝えた。 3 原告らの行為と国公法九八条二項違反被告局長は、原告らが本件職場大会に参加した点において国公法九八条二項前段の争議行為をなした場合に当たるとし、右大会において、あいさつ、経過報告、決議文の朗読、演説を行い、がんばろう三唱の音頭をとつた点において同項後段の「あおり」、「そそのかし」行為に当たるとして本件各処分を行つたものであるところ、原告らは、本件職場大会は さつ、経過報告、決議文の朗読、演説を行い、がんばろう三唱の音頭をとつた点において同項後段の「あおり」、「そそのかし」行為に当たるとして本件各処分を行つたものであるところ、原告らは、本件職場大会は争議行為の概念にすら該当せず、団結活動・組合活動であり(再抗弁2(一))、又、国公法九八条二項所定の争議行為にも該当しない(同2(二))旨主張し、右あいさつ等の行為は「あおり」「そそのかし」行為に当たるものでない旨抗争するので、この点について検討する。 (一) 争議行為の意義については、労調法七条が「この法律において争議行為とは、同盟罷業、怠業、作業所閉鎖その他労働関係の当事者が、その主張を貫徹することを目的として行ふ行為及びこれに対抗する行為であつて、業務の正常な運営を阻害するものをいふ」と定義付けているのであるが、右定義は、いうまでもなく労調法の適用にかかる争議行為の意義を明らかにしたものにすぎないから、これをもつて争議行為一般の定義規定となすことはできず、他に実定法上、争議行為一般についての意義を明らかにする規定は存しない。そこで、従来、労調法の右規定を手がかりとして、争議行為の概念を明確にするどの方法が一般にとられ、講学上諸説の展開をみるところではあるが、結局のところ、争議行為について規定する当該法規の趣旨、目的等に照らし個別的に解するのが最も妥当であると考える。そして、本件において問題視されるべきは、要するに本件職場大会が国公法九八条二項所定の争議行為に該当するかどうかであつて、本件職場大会が争議行為の一般概念に該当するかどうかについて考察を加えることは、本件解決のうえにおいてさして有意義なこととも思われないので、ここでは、以下において本件職場大会が国公法九八条二項に規定する争議行為に該当するかどうかについて検討することとする。 (二 加えることは、本件解決のうえにおいてさして有意義なこととも思われないので、ここでは、以下において本件職場大会が国公法九八条二項に規定する争議行為に該当するかどうかについて検討することとする。 (二) 前記認定事実によると、本件職場大会は、国公共闘及び全運輸が統一賃金要求として掲げる「賃上げは五月から実施すること」などの要求を貫徹するために、近陸支部さん下の各分会において、午前八時三〇分(本局分会において午前九時五分)前後数十分にわたり、就業命令等を無視して行われたものであることは明らかである。 ところで、大阪陸運局本局においては午前九時五分からおおむね午前九時二〇分頃まで、その他の府県陸運事務所においては午前八時三〇分からおおむね午前九時頃まで出勤簿整理時間と称する取扱いがなされていることは当事者間に争いがない(ただし、原告らは、その法的評価を含めてこれを出勤猶予時間とも主張するが、右呼称における取扱いがなされている限度において争いがない。)ところが、原告らは、職員は特別の合理的な必要のない限り、右出勤簿整理時間内の勤務を免除されていると主張する。 そこで、職員(一般職国家公務員)の勤務時間についての法令上の定めをみてみるに、国家公務員の勤務時間等勤務条件については、その基礎事項を法律によつて定め、細目については法律の委任を受けた人事院規則によつて定めることとされており(憲法七三条四号、国公法二八条、一〇六条)、一般職国家公務員の給与及び勤務時間に関する事項を定めることを目的として制定された給与法一四条一項は、「職員の勤務時間は、休憩時間を除き、一週間について四十時間を下らず四十八時間をこえない範囲内において、人事院規則で定める。」と規定し、同条四項は「・・・・・・勤務時間は、特に支障のない限り、月曜日から土曜日までの六日間においてそ 、一週間について四十時間を下らず四十八時間をこえない範囲内において、人事院規則で定める。」と規定し、同条四項は「・・・・・・勤務時間は、特に支障のない限り、月曜日から土曜日までの六日間においてその割振を行い、日曜日は、勤務を要しない日とする。」と定め、国公法及び給与法の委任に基づく人事院規則一五-一(職員の勤務時間等の基準)四条は、「給与法第十四条第一項の規定に基づく勤務時間は、一週間について四十四時間とする。」と規定し、正規の勤務時間の割振りについて、同規則五条一項は、会計検査院及び人事院の職員以外の「職員にあつては内閣総理大臣が・・・・・・定めるものとする。」とし、勤務時間の割振りの基準について、同規則六条一項は、「・・・・・・特に支障のない限り、月曜日から金曜日までの五日間においては一日につき八時間となるように、土曜日においては四時間となるように割り振るものとする。」と定め、右規則の規定を受けて内閣総理大臣は、政府職員の勤務時間に関する総理庁令(昭和二四年総理庁令第一号)一項は、「政府職員の勤務時間は、休日を除き次の通りとし、日曜日は勤務を要しない日とする。月曜日から金曜日まで、午前八時三十分から午後五時まで。但し、その間に三十分の休憩時間を置く。 土曜日午前八時三十分から午後零時三十分まで。」と定め、その二、三項において、通勤のため交通機関が著しく混雑する地域に所在する官庁に勤務する政府職員及び現業その他特別の勤務に従事する政府職員の勤務時間は、主務大臣が(内閣総理大臣の承認を得て)別に定めることができる旨規定している。 そして、運輸大臣は、通勤のため利用する交通機関が著しく混雑する地域にある東京、大阪の運輸省関係機関の職員の勤務時間について、右総理庁令二項、人事院規則一五-一の九条に基づき、所定の手続を経たうえ、勤務時間を月曜 臣は、通勤のため利用する交通機関が著しく混雑する地域にある東京、大阪の運輸省関係機関の職員の勤務時間について、右総理庁令二項、人事院規則一五-一の九条に基づき、所定の手続を経たうえ、勤務時間を月曜日から金曜日まで午前九時五分から午後五時二〇分まで、土曜日午前九時五分から午後一時五分までと変更し、大阪陸運局(本局)に勤務する職員は右変更された勤務時間の適用を受けているのである(成立に争いのない甲第一七号証及び弁論の全趣旨)。 右のように法令上定められた勤務時間に対し、出勤簿整理時間という取扱いがなされていることは前記のとおりであるが、右出勤簿整理時間とは、出勤簿管理(人事院細則九-五-一の三条及び四条)の事務の必要上、各官署の長が勤務時間管理員に対して発した職務命令により定められているものであり、右出勤簿整理時間と称される前記時間内に出勤簿の整理を完了することを命ずると共に右時間内に出勤した(出勤簿に押印した)職員に対しては、正規の出勤時刻に出勤したものとして取扱い、遅刻扱いにはしないというものであり、従つて、右時間内に出勤した職員は就業義務があるものとして取扱われている(証人P14の証言及び弁論の全趣旨)。 右法令の規定及び右認定事実から明らかなごとく、職員の勤務時間(始業)については法令等によつて、午前八時三〇分から(大阪陸運局勤務の職員については午前九時五分から)と規定され、各省庁においてそれぞれの都合で独自に変更することは許されないものといわなければならず、それ故、出勤簿整理時間の設定が職員の勤務時間を変更するものでないことは明らかである。そして、各陸運事務所においては午前八時三〇分以降、大阪陸運局においては午前九時五分以降の出勤簿整理時間と称される時間の実態が、原告ら主張のごとく出勤簿整理時間終了時点が出勤時刻であるかのような 。そして、各陸運事務所においては午前八時三〇分以降、大阪陸運局においては午前九時五分以降の出勤簿整理時間と称される時間の実態が、原告ら主張のごとく出勤簿整理時間終了時点が出勤時刻であるかのような外観を呈し、出勤簿整理時間内には窓口業務も開始されず、その他いまだ勤務につかないものであつたとしても、右事実をもつて勤務時間を変更する旨の明示又は黙示における当局の意思を表示する事実とさえなし得ないし、又、右のような実態が巷間慣行と称される程度に継続されたものであつたとしても、右法令に明らかに反するものであるから、何らの規称的効力を有する慣行として成立する余地がないのである。 しかして、出勤簿整理時間の設定は、職員の勤務時間を変更し、当該時間内の勤務を免除するとの効力を有するものでない(よつて、原告ら主張の出勤猶予時間ではない。)から、職員は、出勤簿整理時間内に出勤した場合には、当然に当局の支配管理下にあり、労務供給義務を負うものというべきであり、右時間終了まで職員が他の目的のために自由に使用・行動し得る時間ではないのである。それ故、当局は、出勤簿整理時間内に出勤した職員に対し、職務命令を発することができるのは当然であり、まして、出勤簿整理時間内に開催された本件職場大会に参加している職員に対し「解散命令」或いは「職務命令」を発したことについては何ら瑕疵はなく、職員は右命令に拘束され、従うべき義務を負うものというべきである。 (三) 以上説示したところから明らかなごとく、本件職場大会は、「賃上げは五月から実施すること」などの統一賃金要求を貫徹するために、勤務時間内において、公務員として負担する職務専念義務に違反し、労務供給義務の提供を拒否したものということができ、右のような態様における職務専念義務の違反行為、労務供給義務の提供拒否行為(同盟罷業) 務時間内において、公務員として負担する職務専念義務に違反し、労務供給義務の提供を拒否したものということができ、右のような態様における職務専念義務の違反行為、労務供給義務の提供拒否行為(同盟罷業)は、それ自体必然的に業務の正常な運営を阻害する行為ということができるから、現に業務の正常な運営を阻害したかどうかを問うまでもなく、国公法九八条二項所定の争議行為に該当するというべきであり、単なる団結活動・組合活動であるとの原告らの主張は何ら根拠のない主張といわなければならない。 原告らは、国会法九八条二項所定の争議行為は、長時間かつ大規模な職場放棄を行つたため、右業務に大混乱が生ずる場合である旨主張するのであるが、公務員の行う争議行為である限り、同法条項に規定する争議行為に該当し、その規模、状況等によつて区別すべき理由のないことは明らかである(前掲最高裁昭和四八年四月二五日大法廷判決参照)。よつて、原告らの右主張は理由がない。 又、原告らは、本件職場大会の目的が正当であり、本件職場大会が整然と行われたものであり、以前にも本件職場大会と同様の大会で、勤務時間内くい込み時間が右大会よりも長い職場大会が行われていたことをもつて、本件職場大会が国公法九八条二項所定の争議行為に該当しない旨主張するかのごとくであるが、右事情は本件職場大会参加者に対する処分を科するかどうかについての情状として考慮されこそすれ、右争議行為該当性の判断については右事情の存否によつて左右されるものでないこと前記説示より明らかである。 (四) 次に、原告らの行為が国公法九八条二項後段所定の「あおり」「そそのかし」行為に該当するかどうかについて考察する。 国公法九八条二項後段所定の「あおり」「そそのかし」とは、国公法九八条二項前段に定める違法行為を実行させる目的をもつて、他人に対し、そ あおり」「そそのかし」行為に該当するかどうかについて考察する。 国公法九八条二項後段所定の「あおり」「そそのかし」とは、国公法九八条二項前段に定める違法行為を実行させる目的をもつて、他人に対し、その行為をなさしめるよう仕向ける行為を総称し、必ずしもこれによつて現実に相手方が影響を受けること及び業務の正常な運営を阻害する行為が行われることを要しないものと解すべきである。 そこで、右のような考え方に立つて原告らの行為が右「あおり」「そそのかし」行為に該当するかどうかについて判断するに、前記認定、説示のごとく、本件職場大会は、給与に関する人事院勧告の完全実施などの要求貫徹を目的として行われた国公法九八条二項に違反する違法な大会であるところ、同大会参加者はいずれも右大会の目的及び右目的貫徹のために勤務時間(出勤簿整理時間)にくい込んで右大会を行うものである旨の意思を確認したうえで右大会に参加しているのであり、又、原告らは近陸支部及び各分会において同支部等の指導者或いはこれに準ずる地位を有し、右地位にあるものとして右各行為をなしていること、さらには原告らの右各行為が右大会遂行のうえで積極的な意義を有するものといえることからすると、本件職場大会において、原告Aが分会長としてあいさつをした行為、原告Bが分会長としてメツセージと祝電を朗読した行為、原告Dが分会長としてあいさつと職場大会の意義について演説した行為、原告Cが副分会長として所長交渉の経過について演説し、決議文を朗読した行為、原告Eが分会長として団結がんばろう三唱の音頭をとつた行為、原告Fが分会長としてあいさつをした行為、原告Gが支部長としてあいさつをし、人事院勧告に対する閣議決定の不当性を説明した行為は、いずれも国公法九八条二項後段所定の争議行為の「あおり」或いは「そそのかし」行為に該当 してあいさつをした行為、原告Gが支部長としてあいさつをし、人事院勧告に対する閣議決定の不当性を説明した行為は、いずれも国公法九八条二項後段所定の争議行為の「あおり」或いは「そそのかし」行為に該当するものということができる。 (五) 原告Cは、本件職場大会当日は年次有給休暇の承認を得ていたから、使用者の指揮命令から離脱し、労働者の自由な利用に委ねられていた時間であるから、本件職場大会に参加したことなどをもつて国公法九八条二項に該当するものといえないし、右行為に違法な点はないと主張する(再抗弁3)ので検討する。 原告Cが年次有給休暇の承認を得たうえで本件職場大会に参加したことは当事者間に争いがない。一般に、労働者は、労働基準法三九条の規定に従つて年次有給休暇が成立した場合、当該日における就労義務を免れるものと解することができる。従つて、原告Cは、本件職場大会当日、年次有給休暇をとることによつて就労義務を免れたものということができるのであるが、だからといつて公務員として国公法九八条二項に違反する争議行為を行うことまで許されるものではないのである。 兵庫分会(姫路支所)における本件職場大会が国公法九八条二項所定の争議行為に該当する違法な行為であることは前記説示のとおりであるところ、原告Cは、前記認定のごとく右大会を実効あらしめるために一定の役割をになつて参加し、所長交渉の経過について演説し、決議文を朗読した行為を行つたのであるから、これを全体として考察し、争議行為を構成するものということができ、又右演説、朗読の行為が「あおり」「そそのかし」行為に該当すること前記説示より明らかなところである。よつて、原告Cの右主張は理由がない。 (六) なお、原告C、同E、同Gを除くその余の原告らの本件職場大会におけるあいさつ等の行為は、午前八時三〇分以前に行われ こと前記説示より明らかなところである。よつて、原告Cの右主張は理由がない。 (六) なお、原告C、同E、同Gを除くその余の原告らの本件職場大会におけるあいさつ等の行為は、午前八時三〇分以前に行われたのであるから、右行為には違法性がない旨主張するかのごとくであるので附言するに、前記説示のごとく本件職場大会が違法なものであるから、原告らの右行為が本件職場大会における一行為として行われたものである限り、それが行われた時期如何によつて違法性の有無が左右されるものではないのである。 (七) そうすると、原告らの本件各行為は、国公法九八条二項前後段(ただし、原告Bについては、「所長交渉の経過報告」をしたとの点は認め難く、前記のとおりメツセージ等を朗読したとの事実を認めることができるのであるが、右事実については処分事由として主張がないので、結局同法条項前段該当事実のみ)の行為に該当し、前記認定事実からすると、原告らは本件職場大会において主たる役割を果したものというべきである。 被告局長は、原告らに対し、国公法九八条二項違反を理由として本件各処分に及んだのであるが、原告らは、原告らの主張(再抗弁)4ないし6の理由をもつて本件各処分の違法性を主張するので、以下に項を改めて順次判断することとする。 四本件各処分が不当労働行為であるとの原告らの主張について原告らが本件各処分をもつて不当労働行為と主張する所以は、要するに、1本件各処分の真のねらいが全運輸の団結を破壊し、闘争力を弱めようとするところにあること、2原告らの本件職場大会における前記行為は団結維持のために不可欠な行為であるにもかかわらず、これを処分事由とすること自体職場から団結そのものを排除する意図を示しているものであること、3それぞれの職場組織の長たる役員である原告らを処分することは、職場組織を破 欠な行為であるにもかかわらず、これを処分事由とすること自体職場から団結そのものを排除する意図を示しているものであること、3それぞれの職場組織の長たる役員である原告らを処分することは、職場組織を破壊し、団結の土台を崩すためにしくまれたものであること、4出勤猶予時間中の本件職場大会に対し、当日に限り就業命令を発することは組合の団結を破壊する意図のあることを示すものであること、5本件職場大会前に警告書を発し、周到な準備をしたうえで、かつ労働基本権以上の法益が存しないのに本件各処分をしたことは団結に対する弾圧であること、以上の諸点にあるものということができる。 しかしながら、前記第一の三において認定、説示したごとく、被告局長は、原告らが近陸支部長、分会長或いは副分会長として違法な争議行為である本件職場大会に参加し、他の参加者らに対し右争議行為をなすように「あおり」「そそのかし」たものとして国公法九八条二項前後段、八二条一号に基づき、本件各処分の意思表示をしたのであり、原告ら主張のごとく前記1ないし5記載の意図、目的のもとになされたものとはとうてい認めることができないし、前記2ないし5記載のごとく本件職場大会における原告らの行為が不可欠のものであり、原告らが職場組織の長たる地位にあり、当局が出勤簿整理時間内(これを出勤猶予時間と解することができないことは前記説示のとおりである。)において行われていた本件職場大会に対し就業命令を発し、又、本件職場大会前に右大会に参加しないようにとの警告書を発したとしても、前記説示のごとく本件職場大会が国公法九八条二項に違反する違法な行為である限り、被告局長らが右違法行為を看過することなく右のような措置をとり、或いは本件各処分を行うことは当然のことというべきであり、これをもつて原告ら主張のごとく不当労働行為意思を 反する違法な行為である限り、被告局長らが右違法行為を看過することなく右のような措置をとり、或いは本件各処分を行うことは当然のことというべきであり、これをもつて原告ら主張のごとく不当労働行為意思を推認することもできないのである。よつて、原告らの右主張は認めることができない。 五原告らは、本件職場大会における原告らの行為は、労働組合としての団体行動であるから、右行為について個人責任或いは幹部責任を問うことができないと主張する。 しかしながら、集団的労働関係である争議行為の場においても個別的労働関係が解消されるものではないから、当該違法争議行為における組合員の行為を個人的行為の側面でとらえたうえで、そのことを理由に組合員に対し、個別的労働関係上の責任である懲戒責任を追求することができるものというべきである。本件において、原告らは、前記のごとく違法な争議行為である本件職場大会に参加し、支部長、分会長等としてそれぞれ当該大会における主たる役割と目される行為をなしたものであるから、これをもつて国公法九八条二項に違反し同法八二条一号に該当するとして懲戒処分の対象となし得るものといわなければならない。 原告らは、原告らの行為はいずれも組合中央からの方針、指令に従い、組合員としての当然の義務を果したにすぎないから、原告らを特に選択して懲戒処分に付する合理的理由がないとも主張するが、既に説示したごとく本件職場大会は国公法に違反する違法な争議であるから、仮に組合の指令があつたとしても、それは国公法に優先するものでないこと当然というべきであり、右指令に従つたことをもつて違法な争議行為に参加したなどの原告らの行為を何ら正当化するものではないし、前記のような役割をした原告らが他の組合員と区別して本件各処分を受けるに至つたとしても、何ら不合理なものということはで つて違法な争議行為に参加したなどの原告らの行為を何ら正当化するものではないし、前記のような役割をした原告らが他の組合員と区別して本件各処分を受けるに至つたとしても、何ら不合理なものということはできない。よつて、原告らの右主張はいずれにしても採用することができない。 六処分権濫用の主張について 1 裁判所は、公務員に対する懲戒処分の適否を審査するにあたり、懲戒権者と同一の立場に立つて、懲戒処分をすべきであつたかどうか、又、懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択すべきであつたかについて判断し、その結果と懲戒処分とを比較してその軽重を論ずべきものではなく、懲戒権者の裁量権の行使に基づく処分が社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権を濫用したと認められる場合に限り違法であると判断すべきものである(最高裁昭和五二年一二月二〇日第三小法廷判決・民集三一巻七号一一〇一頁、最高裁同日第三小法廷判決・民集同巻同号「三五頁参照)。 2 右の見地に立つて、本件各処分が社会観念上著しく妥当を欠き、処分権を濫用したものと認められるかどうかについて検討する。 原告らは、処分権の濫用の事由として再抗弁6(一)ないし(五)のごとく主張するので、まず右主張から順次判断を加えることとする。 (一) 原告らは、本件職場大会の目的が正当であり、態様も業務阻害は全くなかつたから、右大会の違法性が軽微であり、懲戒処分の対象になし得ないものである旨主張する。当裁判所も、国家公務員が人事院勧告の完全実施を求め要求活動をすることは理解できない訳ではない。 しかしながら、仮に、原告ら主張のごとく本件職場大会の目的が正当であるとの評価を受け得るものであつたとしても、その実現のために国公法の禁止する争議行為に訴えて要求を貫徹せしめようとすることは許されるものではなく、又、現に業務阻害を生ずること 場大会の目的が正当であるとの評価を受け得るものであつたとしても、その実現のために国公法の禁止する争議行為に訴えて要求を貫徹せしめようとすることは許されるものではなく、又、現に業務阻害を生ずることがなかつたとしても、広く国民一般に窓口を開いた陸運局及び陸運事務所の有する公共性と保安要員として一人を残した以外は全員が全職場から離脱したものであること、さらに、本件職場大会に先立ち、又、大会中においても当局が再三にわたり警告、就業命令及び解散命令を発しているにもかかわらず、これらを無視してあえて強行・続行されたことは、本件職場大会の違法性が決して軽微なものでないことを示すものといえるのである。 (二) 原告らは、原告らが本件各処分を受けることによつて昇給延伸の措置がとられ、通算一人当り二八万円ないし一四〇万円もの給与上の損失を受けることとなり、又、国公法九八条二項後段違反の罰金刑の最高額が一〇万円であることに比しても苛酷な処分である旨主張する。そして、原告らが本件各処分を受けたことによつて昇給延伸の措置がとられたことは証人P17の証言により認めることができ、右措置がなかつたならば原告らが退職時までに受け得るであろう給与の額が相当額(一人当たり二八万円ないし一四〇万円)に達するであろうことは原告D本人尋問の結果及び同結果により真正に成立したものと認められる甲第六四号証により認めることができる。 しかしながら、前記説示のごとく本件職場大会の違法性に鑑みるとき、原告らが右のような不利益を受けるに至つたとしても、いまだこれをもつて原告らの本件各行為との間の均衡を失した苛酷な処分とまでいうことはできないし、又、国公法九八条二項後段に違反する行為をした者に対する刑罰のうち罰金刑の最高額が金一〇万円である(国公法一一〇条一七号)ことは明らかであるが、右罰金 衡を失した苛酷な処分とまでいうことはできないし、又、国公法九八条二項後段に違反する行為をした者に対する刑罰のうち罰金刑の最高額が金一〇万円である(国公法一一〇条一七号)ことは明らかであるが、右罰金刑はあくまでも犯罪に対する刑罰として科されるものであり、これと性格の異なる懲戒処分によつて事実上蒙るであろう経済的損失額とを単純に比較して均衡を云々すること自体失当という外なく、さらに附言するならば、右規定に違反した者に対する刑罰として、罰金刑の外に選択的に三年以下の懲役刑が規定されていることからみても、右違反行為に対する刑事処分としての評価も軽微なものでないというべきである。 (三) 原告らは、本件職場大会以前に行われた右大会と目的、態様等が同様な早朝職場大会の開催については、何ら処分されていないことをもつて、本件各処分との間に均衡を失する旨主張する。 しかしながら、前記当事者間に争いのない事実及び認定事実から明らかなように、全運輸は、本件職場大会を勤務時間内にくい込む職場大会、実力行使或いはストライキとして把握し、組合員の十分な意思確認を行うなど万全の準備体制を整えたうえで本件職場大会に臨んだものであつて、この点に従前の職場大会と異る意義があるとの評価をしていたものというべきであり、又、現に全運輸が当局に対し、勤務時間内にくい込む旨通告したうえで勤務時間内に職場大会を催して争議行為を実施したのは本件職場大会が初めてのことであり、従前において原告ら主張のような職場大会が開催されていたとしても、全運輸自体の右大会に対する取組み方が時間外職場大会とのことであり、そのため当局の現認確知するところに至らず、懲戒処分に付されることがなかつたものということができるのである(証人O、同P14の各証言)。従つて、本件職場大会以前の職場大会については右のように であり、そのため当局の現認確知するところに至らず、懲戒処分に付されることがなかつたものということができるのである(証人O、同P14の各証言)。従つて、本件職場大会以前の職場大会については右のように本件職場大会におけるとは異る事情があるのであるから、被告局長が本件職場大会に関し本件各処分を行つたことをもつて、従前の取扱いとの間に不均衡があるということ自体失当といわなければならない。 (四) 原告らは、政府が人事院勧告完全実施との国会決議を無視しながら、原告らの団結権活動に対し、処分をもつて臨むこと自体極めて不公正であると主張する。 人事院勧告及び国会決議を尊重しこれを実行し得ることが最も望ましいところであるが、公務員の給与についてはその財源が国の財政とも関連して主として税収によつて賄われているところから、政治的、財政的、社会的その他諸般の合理的な配慮のうえに立つて適当に決定されなければならないという特殊性を慮るとき、右勧告等を完全に実行し得なかつたとしても、その政治的責任を追求されるに至るはとも角、原告らの違法な争議行為に対する懲戒権の行使を何らかの意味においても阻害する事由とはならない。よつて、被告局長が原告らに対し、本件各処分を行つたことをもつて不公正であるとの主張は理由がない。 (五) 原告らは、本件各処分は昭和四五年以降の争議行為及び本件職場大会と同時に行われた他支部に対する処分との比較において不公平がある旨主張する。 まず、本件各処分と昭和四五年以降の争議行為に対する処分との比較をみてみるに、成立に争いのない甲第六一号証、証人P17の証言によると、昭和四四年一一月一三日の本件職場大会の闘争においては、戒告処分に処せられた者四三名の内訳は、全運輸本部役員一名、支部三役八名、分会三役三四名であること、昭和四八年から同五〇年までの闘争 によると、昭和四四年一一月一三日の本件職場大会の闘争においては、戒告処分に処せられた者四三名の内訳は、全運輸本部役員一名、支部三役八名、分会三役三四名であること、昭和四八年から同五〇年までの闘争においては、分会役員が処分されておらず、合計人数で全運輸本部役員一五名、支部三役二〇名の者が戒告処分を受けていること、当局は、昭和四四年の本件闘争において、全運輸中央本部の責任者らについては企画指導の立証を十分にする資料を収集できなかつたので、右企画指導者に対する処分をなさず、各職場大会毎に実行行為者をとらえ、主たる役割を果した者を各職場大会に原則一人として戒告に、従たる役割を果した者を訓告に、参加者を厳重注意に処するとの基本方針をたて、これに従つて本件各処分がなされたこと、昭和四八年以降の闘争については、職場大会等の争議行為を陸運事務所等の構内で行わなかつたため実行行為を現認できず、遅刻して出勤した職員がその理由を交通ストによるとの申告をしたため、右争議行為の事実を認定するに至らず、他方、企画指導者については、これを立証するに足る資料を入手することができたため、全運輸中央本部及び支部の役員を処分の対象者とし、分会役員らについては右対象者としなかつたものであること、以上の事実を認めることができ、他に右認定を左右するに足る証拠はない。 右認定事実によると、原告ら指摘のごとく本件闘争における処分とそれ以降の闘争における処分に差異が生じたとしても、合理的理由があるということができるから、右差異の存することをもつて不公平ということはできない。 次に、本件職場大会と同時に行われた他支部における職場大会に関する処分との対比をみてみるに、証人P14、同H、同P17の各証言及び弁論の全趣旨を総合すると、近陸支部さん下の分会である滋賀分会において、本件職場大会と 会と同時に行われた他支部における職場大会に関する処分との対比をみてみるに、証人P14、同H、同P17の各証言及び弁論の全趣旨を総合すると、近陸支部さん下の分会である滋賀分会において、本件職場大会と同様に職場大会が開催されたが、同分会の右大会に関して処分された者がいないこと、被告局長が同分会に関し処分をしなかつたのは、同分会における職場大会が午前八時三〇分から若干勤務時間にくい込んだにすぎず、その際に話合われた内容が年末の業務対策についてであつたことを考慮し、同分会については処分しないこととしたこと、東北海運支部においては、さん下一〇分会において職場大会が開催されたが、処分されたのは支部長一人であつたこと、右支部さん下分会について分会長らを処分しなかつたのは、各分会に対応する支局の職員の人数が少なく、その集会の態様が車座になつて話合う程度であり、指導的役割を果す者を認めることができず、又、管理職員が一人であつて十分に集会の態様を現認することができなかつたことによるものであること、以上の事実を認めることができ、他に右認定を左右するに足る証拠はない。 右認定事実から明らかなように、滋賀分会及び東北海運支部における処分については、被告局長の裁量権の範囲内において、合理的な理由のもとになされた措置ということができるから、形式上本件各処分との間に差異があることをもつて不公平ということはできない。 (六) 原告らは、原告Cに対する処分について、同原告の年次有給休暇権行使の目的が本件職場大会への参加にあることを知りながら、年休を賦与したうえで、処分したことはだまし打ち的な処分であり違法であると主張する。 しかしながら、原告Cに対する処分は、違法な争議行為である本件職場大会に参加し主たる役割を果したことをもつてなされたものであり、他方、年次有給休暇の権 だまし打ち的な処分であり違法であると主張する。 しかしながら、原告Cに対する処分は、違法な争議行為である本件職場大会に参加し主たる役割を果したことをもつてなされたものであり、他方、年次有給休暇の権利は労働基準法三九条一、二項の要件の充足により、法律上当然に労働者に生ずるものであり、休暇をどのように利用するかは、使用者の干渉を許さない労働者の自由である(最高裁昭和四八年三月二日第二小法廷判決民集二七巻二号二一〇頁参照)ことからすると、被告局長が本件処分をしたことをもつてだまし打ち的であるとの指摘は失当であるという外ない。 (七) 原告らは、本件各処分が職場大会を開催するについて権限のない分会長に対してなされたことをもつて失当と主張する。しかし、本件各処分が分会長であることの故をもつて、或いは分会長が本件職場大会開催の権限があり、開催したことの故をもつてなされたものでないことは前記説示から明らかであるから、右主張は失当という外ない。 又、原告らは、本件各処分が団結活動、正当な組合活動に対してなされたことをもつて失当と主張する。しかし、本件各処分が原告らの団結活動、正当な組合活動に対してなされたものでないことは前記説示から明らかであるから、右主張は失当である。 以上のとおり、原告らが懲戒権の濫用であるとして指摘する事由はいずれも認めることができない。 (八) そして、本件職場大会が国公法九八条二項に違反する争議行為であること、同大会における原告らの行為の性質、態様、情状及び本件各処分が国公法八二条所定の懲戒処分のうち最も軽いものであること、又、原告Bについては国公法九八条二項後段の事実が認められないものの、本件職場大会に参加して主たる役割を果したことには変りがないことを考慮すると、本件各処分が社会観念上著しく妥当を欠くと認められるほどに裁量権 ついては国公法九八条二項後段の事実が認められないものの、本件職場大会に参加して主たる役割を果したことには変りがないことを考慮すると、本件各処分が社会観念上著しく妥当を欠くと認められるほどに裁量権を濫用したとは認め難いといわざるを得ず、原告らの懲戒権濫用の主張も採用し難い。 七よつて、被告局長が原告らに対してなした本件各処分は適法というべきである。 第二被告人事院に対する請求について一請求原因1ないし3については当事者間に争いがない。 二原告らは、本件裁決の取消事由として、(一)再抗弁1ないし6記載の事由、(二)本件裁決は時期に遅れた裁決であるから違法である旨主張する。 そこで、右(一)の取消事由について検討するに、右事由はいずれも原処分である本件各処分についての違法事由であつて、裁決固有の違法を主張するものではない。ところで、行訴法一〇条二項によると、処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には、裁決の取消しの訴えにおいては、処分の違法を理由として取消しを求めることができないと規定しているところ、本件の場合、処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができるのであるから、原告らの右違法事由の主張は右規定に反し許されないものであり、主張自体失当といわなければならない。 次に、右(二)の取消事由について検討する。 国公法は、懲戒処分等に対する不服申立(同法九〇条一項)を受理したときは、「人事院又はその定める機関は、ただちにその事案の調査をしなければならない」(同法九一条一項)と定め、右審査請求審理手続を定める人事院規則は、「公平委員会が提出した調書に基づいて、すみやかに指令で判定を行なうものとする。」(同規則一三-一第五二条 査をしなければならない」(同法九一条一項)と定め、右審査請求審理手続を定める人事院規則は、「公平委員会が提出した調書に基づいて、すみやかに指令で判定を行なうものとする。」(同規則一三-一第五二条一項)と規定している。右規定の趣旨と人事院における不利益処分に対する不服申立制度の趣意を併せ考えると、人事院は裁決を社会通念上相当と認められる期間内になさなければならないことを義務付けられていることは明らかであり、本件のごとく原告らが人事院に対し最終陳述書を提出した後裁決がなされるまでに二年四か月を経過したことは、仮に本件事案の複雑さを考慮するも、既に社会通念上許容された期間を経過しているものとの批判が生ずるところである。 しかし、行訴法は、審査請求による権利救済と裁判による権利救済の調整として、審査請求前置主義をとる処分についても、審査請求があつた日から三か月を経過しても裁決がないときは、裁決を経ないで右取消しの訴えを提起できる(八条二項一号)とし、又、審査庁を相手として裁決をしないことを理由に不作為の違法確認の訴えを提起することができる(三条五項)と規定しているところからすると、裁決が社会通念上相当の期間経過後になされたことだけをもつて、右裁決を違法であるとして取消さなければ権利保護に欠けるとまでいうことはできない。よつて、裁決が遅滞したことは、裁決固有の瑕疵として取消しを求め得る違法事由には当らないといわなければならない。 原告らの右主張は、主張自体失当というべきである。 第三以上の次第で、原告らの被告らに対する本訴請求は、いずれも理由がないから棄却することとし、訴訟費用については行訴法七条、民訴法八九条、九三条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官上田次郎松山恒昭下山保男) ら棄却することとし、訴訟費用については行訴法七条、民訴法八九条、九三条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官上田次郎松山恒昭下山保男)

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