【DRY-RUN】主 文 本件各控訴をいずれも棄却する。 理 由 本件各控訴の趣意は、弁護人榊純義、同高野康雄連名提出の控訴趣意書に記載さ れたとおりであるから、これをここに引
主文本件各控訴をいずれも棄却する。 理由本件各控訴の趣意は、弁護人榊純義、同高野康雄連名提出の控訴趣意書に記載されたとおりであるから、これをここに引用し、これに対し次のとおり判断する。 控訴趣意第一点法令の適用の誤りの主張について。 所論は、被告人両名の本件所為は麻薬取締法第六八条の三の周旋に該当するものであるのに、原判決が譲渡未遂の幇助として同法第一二条第一項、第六四条の二第二項、第三項を適用処断しているのは法令の適用を誤つたものであると主張する。 よつて審按するに、所論周旋の罪の規定は、昭和三八年六月二一日法律第一〇八号(同年七月一一日施行)の麻薬取締法等の一部を改正する法律による麻薬取締法の改正に際し新たに設けられた規定の一つであるところ、右改正の主要点は、最近における麻薬犯罪の悪質化および麻薬中毒者の増加の傾向に対処するため、麻薬の取扱いおよび監督の強化を図り、慢性中毒者の入院措置の規定を設けると共に罰則を整備しこれを大巾に強化したものであることが明らかである。しかして、右の改正において、麻薬の譲渡に関し、その譲渡しの罪(未遂を含む)についてはその法定刑は従来単純犯につき七年以下の懲役、営利犯につき七年以下の懲役又はこれと五〇万円以下の罰金との情状併科であつたものが、改正規定においては単純犯につき懲役一〇年以下の懲役、営利犯につき一年以上の有期懲役又はこれと三〇〇万円以下の罰金との情状併科と強化される一方、新たに麻薬の譲渡しと譲受けとの周旋の罪を規定した第六八条の三が設けられたのであるが、これに対する法定刑は三年以下の懲役に止まつているのである。以上のような立法の背景とその経過に徴<要旨>して考察すると、右周旋の規定は被周旋者につき譲渡し又は譲受けの罪(未遂を含む)が成立しない場 これに対する法定刑は三年以下の懲役に止まつているのである。以上のような立法の背景とその経過に徴<要旨>して考察すると、右周旋の規定は被周旋者につき譲渡し又は譲受けの罪(未遂を含む)が成立しない場合につ</要旨>き罰則を整備し、なおその周旋行為を処罰しようとするにあり、被周旋者につき譲渡し又は譲受けの罪(未遂を含む)が成立する場合にはその周旋行為は従来通りその幇助等として重く処罰する趣旨であることが明らかである。これを本件について見るに、原判決の認定した事実によれば原判示のAにつき譲渡し未遂の罪が成立することは明らかであり、被告人両名は原判示のようにこれが売却の斡旋をするなどして右犯行を容易ならしめたものであるから、その所為は所論周旋ではなく、譲渡し未遂の罪の幇助に該当するものといわなければならない。したがつてこれと同趣旨の判断に基づいてなした所論原判決の法令の適用は正当であつて誤りがあるものとは認められない。論旨は採用できない。 (その余の判決理由は省略する。)(裁判長判事渡辺好人判事目黒太郎判事渡辺達夫)
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