平成17(行ス)3 被告変更許可申立て却下決定に対する抗告事件(原審・福岡地方裁判所平成17年(行ク)第4号,基本事件・同庁同年(行ウ)第16号)

裁判年月日・裁判所
平成17年5月27日 福岡高等裁判所 選挙
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判決文本文1,939 文字)

主文 原決定を取り消す。 福岡地方裁判所平成17年(行ウ)第16号異議申立に対する決定取消請求事件の被告を高田町選挙管理委員会から高田町に変更することを許可する。 理由 第1 抗告の趣旨及び理由別紙「即時抗告申立書」の写しに記載のとおりである。 第2 当裁判所の判断 1 一件記録によれば,以下の事実が認められる。 (1) 平成17年2月24日,訴外Aは,請求者代表者として,地方自治法76条4項,74条の2第1項に基づき,請求者の署名簿を高田町選挙管理委員会に提出して,高田町議会の解散請求を行い,上記管理委員会は上記名簿上の署名の効力を決定したうえ,同年3月17日から7日間上記署名簿を縦覧に供した。 (2) 同月23日,高田町議会議員である抗告人らが上記選挙管理委員会に対して上記署名に関する異議の申出をしたところ,同年4月5日,同選挙管理委員会は,署名簿のうち14冊については上記異議を認めて無効とし,その他の署名簿に関する異議の申出を棄却する旨決定したが(以下「本件決定」という。),同決定書には,同決定に不服のある者は地方自治法76条4項,74条の2第8項の規定により,同決定のあった日から14日以内に高田町選挙管理委員会を被告として地方裁判所に出訴をすることができる旨記載されていた。 (3) 抗告人らは,平成17年4月19日,高田町選挙管理委員会を被告として,本件決定のうちの抗告人らの異議申出を棄却した部分の取消しを求めて基本事件にかかる訴え(以下「本訴」という。)を提起したが,同年5月17日,本訴の被告を高田町とすべきところ,本件決定による誤った教示により,これを高田町選挙管理委員会としていたとして,行政事件訴訟 本事件にかかる訴え(以下「本訴」という。)を提起したが,同年5月17日,本訴の被告を高田町とすべきところ,本件決定による誤った教示により,これを高田町選挙管理委員会としていたとして,行政事件訴訟法15条に基づく被告の変更許可を求める本件申立てをした。 しかるに,原審は,高田町選挙管理委員会は高田町が設置する選挙管理委員会であって,同町に所属しているのであるから,同町を被告として上記異議の申出に対する決定の取消しの訴えを提起しなければならないことは明らかであり,また,抗告人らは行政事件訴訟法の改正に関する平成16年法律第84号の施行期日を誤解していたと主張するが,抗告人らは弁護士である訴訟代理人に委任して本訴を提起したのであり,調査をしさえすれば,上記改正法の施行期日は容易に知り得たものであるから,被告を誤った抗告人らには,行政事件訴訟法15条1項の「重大な過失」が認められると判断し,抗告人らの前記申立てをいずれも却下する旨の原決定をしたため,抗告人らがこれを不服として抗告を申し立てた。 2 そこで検討するに,行政事件訴訟法46条は,取消訴訟等の提起に関する適切な情報を提供し,権利ないし利益の救済を図る機会を十分に確保すべく,行政庁が取消訴訟等を提起することができる処分又は裁決をする場合には,当該処分又は裁決の相手方に対し,取消訴訟の被告とすべき者を教示すべきものと規定しているところ,高田町選挙管理委員会は本件決定において,高田町を取消訴訟の被告とすべき旨を教示すべきであったにもかかわらず,同選挙管理委員会を被告とすべき旨の誤った教示をしていたものであり,かかる教示を受けた抗告人らがこれを信頼し,同選挙管理委員会を被告として本訴を提起したことには,誠にやむを得ない面があり,ほとんど故意に近い著しい注意欠如の状態をいうものと解す をしていたものであり,かかる教示を受けた抗告人らがこれを信頼し,同選挙管理委員会を被告として本訴を提起したことには,誠にやむを得ない面があり,ほとんど故意に近い著しい注意欠如の状態をいうものと解すべき行政事件訴訟法15条1項の「重大な過失」には到底当たらないものというべきである。 そして,本件決定をした高田町選挙管理委員会自身の教示に上記のような重大な誤りがある以上,抗告人らに弁護士たる代理人らが付いていたからといって,上記判断が左右されるものではなく,そのほか,抗告人らの代理人らが行政事件訴訟法に関する改正法の施行期日を誤解していたこと等を考慮しても,抗告人らに重大な過失があるものということはできない。 3 以上によれば,抗告人らの本件被告変更許可の申立ては許可するのが相当であり,これをいずれも却下した原決定は不当であって取消しを免れない。 よって,主文のとおり決定する。 平成17年5月27日福岡高等裁判所第2民事部裁判長裁判官石井宏治裁判官永留克記裁判官高宮健二

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