主文 1 原判決中,控訴人らと被控訴人らに関する部分を次のとおり変更する。 (1) 被控訴人らは,各自,控訴人らに対し,それぞれ6457万0233円及びうち5199万2429円に対する平成15年6月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 控訴人らの被控訴人らに対するその余の請求を棄却する。 2 訴訟費用中,控訴人らと被控訴人らの間に生じた部分は,第1,2審とも被控訴人らの負担とする。 3 この判決の主文第1項(1)は,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 控訴人ら(当審における請求減縮後のもの)(1) 原判決中,控訴人らの被控訴人らに対する敗訴部分を取り消す。 (2) 被控訴人らは,各自,控訴人らに対し,それぞれ5199万2429円及びこれに対する平成9年8月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (3) 訴訟費用は第1,2審とも被控訴人らの負担とする。(4) 仮執行宣言 2 被控訴人ら(1) 本件控訴を棄却する。 (2) 控訴費用は控訴人らの負担とする。 第2 事案の概要 控訴に至る経緯(1) 本件は,当時少年であった原審相被告10名(以下「加害者」ないし「加害者ら」という。)がA(以下「A」という。)に対して加えた集団暴行(リンチ)による傷害致死事件について,Aの両親(控訴人ら)と祖父及び弟(原審相原告ら)が,加害者ら(原審相被告ら)とその父親及び母親(被控訴人ら)に対し,不法行為(民法709条)に基づき,当該不法行為によりA,控訴人ら及び原審相原告ら(祖父・弟)が被っ と祖父及び弟(原審相原告ら)が,加害者ら(原審相被告ら)とその父親及び母親(被控訴人ら)に対し,不法行為(民法709条)に基づき,当該不法行為によりA,控訴人ら及び原審相原告ら(祖父・弟)が被った損害の賠償と不法行為の日(平成9年8月23日)からの遅延損害金の支払を求めた事案である。 (2) 原審は,次のとおり判断した。 ア加害者らの,Aと控訴人ら(両親)に対する不法行為責任を認め,加害者らは,各自,Aの両親(控訴人ら)に対し,それぞれ5199万2429円(合計1億0398万4858円)の損害賠償金と遅延損害金の支払を命じた。 イ加害者らの,Aの祖父及び弟に対する不法行為責任は否定し,Aの祖父及び弟の加害者らに対する請求は棄却した。 ウ加害者らの父親及び母親(被控訴人ら)の不法行為責任はすべて否定し,Aの両親(控訴人ら)と祖父及び弟の,加害者らの父親及び母親(被控訴人ら)に対する請求はいずれも棄却した。 (3)アこれに対し,Aの両親(控訴人ら)が控訴した。 Aの両親(控訴人ら)は,原審と同様に,加害者ら(原審相被告ら)の父親及び母親(被控訴人ら)には監督義務違反があると主張して,不法行為に基づく損害賠償金の支払を求めている。なお,その金額は,原審における加害者ら(原審相被告ら)に対する上記認容額と同額に減縮した。 イ Aの祖父及び弟(原審相原告ら)は,控訴をしなかった。 また,加害者ら(原審相被告ら)は,控訴をしていない。 前提事実次の事実は,当事者間に争いがないか,掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる。 (1) 当事者ア A(昭和57年3月9日生れ)は,平成6年4月にV中学校に入学し,平成9年3月14日に同中学校を卒業して か,掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる。 (1) 当事者ア A(昭和57年3月9日生れ)は,平成6年4月にV中学校に入学し,平成9年3月14日に同中学校を卒業して,同年4月9日,兵庫県加西市にあるR2高等学校の農業園芸科に入学し,在学中であった。(甲85)イ控訴人A1はAの父,控訴人A2はAの母である。 ウ被控訴人らの身分関係等は,別紙被控訴人目録記載のとおりである。被控訴人らは,いずれも当時加害者らの親権者であった。 (2) Aに対する傷害致死事件(以下「本件事件」という。)の発生ア日時平成9年8月23日(土)午後11時30分ころイ場所兵庫県加古郡稲美町a番地のbP神社境内及びその周辺ウ態様加害者らは,A(当時15歳)に因縁をつけてAを取り囲むなどし,代わる代わるその頭部,顔面,胸部,足部などを手拳,鉄パイプ,角材,金属製工具及び竹棒等で殴打したり,足蹴りしたり,バイクを衝突させるなどの暴行を加えた結果,Aに右脳挫傷,外傷性クモ膜下出血,頭部打撲創,気道損傷,外傷性縦隔気腫,両大腿打撲傷,両上肢打撲傷及び両手指擦過創の傷害を負わせ,平成9年9月1日午後2時12分,高砂市民病院において死亡させた。 (3) 加害者らの責任加害者らは,不法行為(民法709条)に基づき,本件事件によりAに生じた損害を賠償する責任を負う。 争点 (1) 被控訴人らの不法行為責任ア被控訴人らに,加害者らに対する監督義務違反があるか。 イ監督義務違反とAの死亡との間の相当因果関係の有無(2) 控訴人らの損害額 4 当事者の主張争点に関する当事者の主張は,原判決の「事実及び理由」の「第2 事案の概要 か。 イ監督義務違反とAの死亡との間の相当因果関係の有無(2) 控訴人らの損害額 4 当事者の主張争点に関する当事者の主張は,原判決の「事実及び理由」の「第2 事案の概要」(原判決3頁20行目から22頁25行目まで)中,控訴人らと被控訴人らに関する部分のとおりであるから,これを引用する。 第3 当裁判所の判断 本件事件について証拠(甲6ないし70)と弁論の全趣旨によれば,本件事件に至る経緯と具体的態様は,次のとおりである。 (1) Aと加害者らとの交友関係ア稲美グループAと加害者B,同Dは,V中学校の同級生である。同人らは,中学1,2年生のころから,怠学,夜遊び,無断外泊,喫煙のほか,原動機付き自転車(以下「原付」という。)を盗んで乗り回すなどの非行行動を繰り返していた不良グループ(以下「稲美グループ」という。)の仲間であった。平成8年4月ころからは,V中学校の同級生の加害者CやW中学校の1学年下の加害者Eも,稲美グループに加わるようになった。 イ Aの脱退Aは,平成9年初めころ,稲美グループとの交際を絶ち,同年4月,R2高校に進学した。加害者らにとっては,これを裏切りととらえ,気に食わなかったようである。 ウその後の稲美グループ加害者F(X中学)と同K(Y中学)は,平成9年初めころから,稲美グループとの交遊を深めるようになった。さらに同年7月ころからは,その他の加害者ら(Y中学校のG,H,J,Z中学校のL)も加わって,毎晩のように,深夜から朝方まで,喫煙し,コンビニエンスストアなどを徘徊し,盗んだ原付を無免許で乗り回すなどの非行行動を繰り返していた。 エ粗暴傾向上記加害者ら10名(稲美グループのメンバー)のうち から朝方まで,喫煙し,コンビニエンスストアなどを徘徊し,盗んだ原付を無免許で乗り回すなどの非行行動を繰り返していた。 エ粗暴傾向上記加害者ら10名(稲美グループのメンバー)のうち加害者Gを除く9名は,平成9年8月10日ころ,T小学校の裏において,集団で,加害者Bらの同級生1人に対し,殴打するなどの暴行を加えたことがあった。 (2) 本件事件当日の経緯ア事件の契機加害者B,同E,同F及び同Lの4名は,平成9年8月23日午後8時ころ,加害者B宅で雑談をしていた。加害者Eは,テーピング用のテープを右手の拳に巻き付けて壁を殴りながら,「誰かしばきたいの。今からしばきに行こか。」と言い出し,同じく壁を殴っていた加害者Bも,誰かを殴ったり蹴ったりしたいという気持ちになった。 加害者Bら4名(B,E,F,L)は,夏祭りに出かけて誰かに暴行を加えようなどと言いながら,原付に分乗して外出した。 イ事前の暴行加害者Bら4名は,夏祭(盆踊り)の会場(加古川市のT小学校)等において,加害者Kら5名(K,D,G,H,J)と合流し,近くの公園に移動して雑談をした。そこで,加害者Cを誘ってカラオケに行くことになり,加害者ら9名は,午後10時ころ,原付に分乗して被控訴人Cの家(稲美町)へ向かった。 その途中,加害者ら9名は,自転車に2人乗りをした,V中学校の同級生(M。N)とすれ違った際,加害者Fが「あれ,しばこうか。」と言い出したのをきっかけに,加害者Eらとともに自転車を追いかけて,追いついた加害者Fが自転車を蹴り倒し,加害者EらがMに殴る蹴るの暴行を加え,加害者Fはエンジンのかかった原付の前輪でMを田に押し落としたりした(Mは,すぐ逃げ出して民家に助けを求め,事なきを得 ,追いついた加害者Fが自転車を蹴り倒し,加害者EらがMに殴る蹴るの暴行を加え,加害者Fはエンジンのかかった原付の前輪でMを田に押し落としたりした(Mは,すぐ逃げ出して民家に助けを求め,事なきを得た。)。 ウ Aに対する暴行の決定その後,途中で出会った加害者も加わり,加害者ら10名は,稲美町内の商店(後輩Oの家)の自動販売機の前にたむろして雑談をしていた。 加害者Eは,午後11時ころ,また,「誰かしばきたいなあ。」などと言い出した。加害者Bも,誰かを殴りたい気持ちになっており,Aが平成9年に入って稲美グループとの交際を絶つようになっていたことなどから,加害者Bは「Aがおるで。むかつくから呼び出してしばきに行こうか。」とAの名前を出した。 加害者C,同E及び同Dは,Aが,稲美グループとの交際を絶って真面目になろうとしており,平成9年8月10日の花火大会の際,Aが自分たちにあいさつをしなかったことを快く思っておらず,すぐに賛成した。 加害者Fや,Aと全く面識のなかった加害者H,同J,同K,同G及び同Lも,憂さ晴らしをしたいという気持ちや,稲美グループの仲間が暴行を加える以上,これに参加しなければ馬鹿にされるのではないかという気持ちから,これに同調した。 (3) Aに対する加害行為の具体的態様(平成9年8月23日)ア第1現場そこで,加害者らは,Aに怪しまれないよう,後輩のO(中学生)に電話をかけさせて「原付のガソリンの入れ替えに使う道具を持ってきてほしい。」などと言わせ(加害者BとCがさせた。),AをP神社に呼び出した。加害者Bらは他の加害者らに「今からAをしばきに行こか。」と声をかけると,他の加害者も「おう,おう,行こか。」などと積極的に応じた。帰るな と言わせ(加害者BとCがさせた。),AをP神社に呼び出した。加害者Bらは他の加害者らに「今からAをしばきに行こか。」と声をかけると,他の加害者も「おう,おう,行こか。」などと積極的に応じた。帰るなどと言う者はいなかった。 Aは,午後11時30分ころ,P神社に到着した。 加害者らは後れて到着したが,加害者Bは,Aを脅すつもりで,境内の祠の側に座ってタバコを吸っていたAの股ぐらに原付の前輪を突っ込んで止め,Aに対し,暴行のきっかけをつくるために「祭の時何で無視したんや。」などと話しかけていた。 他の加害者らは暴行の順番を決めるじゃんけんをしていたが,そのうち,加害者らは,加害者LがAを蹴りつけたのを契機に,Aを取り囲んで代わる代わる殴る蹴るの暴行を加え始めた。Aは何の抵抗もせず,「やめてください。許してください。」などと懇願していたが,暴行をやめる者はなかった。 イ第2現場Aが,すきを見て神社の南側出入口から農道の方へと逃げ出すと,加害者らは,Aの後を追いかけた。 Aは,加害者らともみ合いながら逃げ続けたが,加害者らは,次第にAの自宅に近づいていたことから,AをP神社に連れ戻すため,Aを取り押さえた。 加害者らは,P神社まで連れ戻す途中でも,Aに対し,殴る蹴るの暴行を加え,加害者B,同D及び同Fは,畑で拾った角材を振り下ろしてAの頭部を何度も殴ったり,Aの尻を突くなどした。 ウ第3現場(ア) 加害者らは,AをP神社に連れ戻すと,再び,Aを取り囲み,殴る蹴るの暴行を執拗に加え続けた。加害者D,同E,同F及び同Lは,拾った角材,竹の棒,金属製工具,鉄パイプ等で,Aの頭,顔,背中等を何度も殴りつけた。 加害者らは, 取り囲み,殴る蹴るの暴行を執拗に加え続けた。加害者D,同E,同F及び同Lは,拾った角材,竹の棒,金属製工具,鉄パイプ等で,Aの頭,顔,背中等を何度も殴りつけた。 加害者らは,ライターの明かりで照らし出されたAの顔がパンパンに腫れ,血で真っ赤になっているのを確認したが,途中で暴行をやめようとする者はなかった。 (イ) 加害者D及び同Eは,ライターの火でAの髪を燃やしたり,切り取るなどした。加害者F及び同Eは,バイクのアクセルをふかし,石垣にもたれて座り込んでいたAの身体をめがけてバイクを衝突させ,Aを轢くなどした。 また,加害者Eらは,Aに対し,「しこれ。しこったら許したる。」などと自慰行為をするように強要した。加害者らは,原付のライトでAを照らしていた。Aはズボンとパンツを下ろしたが,加害者らは,Aのその行為の動作が遅いことに腹を立て,代わる代わるAの顔面を蹴りつけた。 (ウ) やがて,Aは,うつぶせに倒れ込んで動かなくなり,グーグー,ゼーゼーといびきをかくような息をし始めた。 加害者B及び同Eらは,火のついたタバコをAの背中や脇腹に押し付けたり,Aの右耳の穴の中に突っ込んだりしたが,Aの反応はなかった。 加害者Eは,Aの体を角材で殴ったり突いたりしたが,Aは上半身を起こそうとしてすぐに倒れてしまい,その後は全く反応を示さなくなった。加害者らは,Aの様子がおかしいと思い始め,Aを仰向けにして顔や身体に水をかけたが,Aはゴホゴホと咳き込んだ後,何の反応も示さくなった。 (エ) 加害者らは,Aが死んでしまうのではないかと思い,救急車を呼ぼうかなどと話し合った。しかし,結局は,警察に捕まることをおそれ,Aをその場に放置したまま,P神社から 応も示さくなった。 (エ) 加害者らは,Aが死んでしまうのではないかと思い,救急車を呼ぼうかなどと話し合った。しかし,結局は,警察に捕まることをおそれ,Aをその場に放置したまま,P神社から逃走した。 (4) 犯行後の状況加害者らのうち多くの者は,その後,朝までカラオケをして遊んだ。 Aは,平成9年8月24日午前7時ころ,P神社で倒れているところを通行人により発見され,病院に搬送され,治療を受けたが,意識を取り戻すこともなく,同年9月1日,死亡した。直接死因は多臓器不全,その原因は脳挫傷であった。 2 争点(1)(被控訴人らの不法行為責任)について(1) 監督義務者の不法行為責任ア未成年者が責任能力を有する場合であっても,監督義務者の義務違反と当該未成年者の不法行為によって生じた結果との間に相当因果関係を認め得るときは,監督義務者につき民法709条に基づく不法行為が成立するものと解するのが相当である(最高裁昭和49年3月22日第二小法廷判決・民集28巻2号347頁)。 イそこで,被控訴人ら各人に監督義務違反があるか否か,監督義務違反とAの死亡の結果との間に相当因果関係があるかどうかについて,以下,順次検討する。 (2) 加害者B関係証拠(甲6ないし12,乙51の1,2,乙70,71,原審相被告B・被控訴人B1各本人)と弁論の全趣旨によれば,次のとおり認められる。 ア加害者Bの生活状況(ア) V中学時代a 加害者Bは,中学の2年生(平成7年)の4月ころ,交通事故に遭ったことを契機に学校を休みがちになり,2学期(平成7年9月)以降,ほとんど学校に行っていない。その間,中学の同級生の加害者らと一緒に夜遊びをしたり,無断外泊をするようになった。 ,交通事故に遭ったことを契機に学校を休みがちになり,2学期(平成7年9月)以降,ほとんど学校に行っていない。その間,中学の同級生の加害者らと一緒に夜遊びをしたり,無断外泊をするようになった。 b 加害者Bは,そのころから,タバコやシンナーを吸ったり,恐喝(カツアゲ)をしたり,盗んだバイクを無免許で乗り回したりしていた。バイクを盗んだ回数は数え切れないほどである。加害者Bは,平成8年5月ころ,原付を盗んで警察に捕まり(共犯はA),家庭裁判所送致となった。そのほか,仲間の盗んだ車に同乗していて警察の取調べを受けたこともある。 c 加害者Bは,中学3年生(平成8年)の夏ころには,加害者E(W中学)や同F(X中学)とも不良交遊を広げ,加害者K(Y中学)とも知り合った(加害者Fとは女友達のことでけんかした後親しくなった,加害者Eとは平岡町グループとのけんかの後に親しくなったと捜査官に供述している。このように,加害者Bは粗暴行動を繰り返していたと認められる。)。また,Y中学校の加害者ら(G,H,J,K)と親しく遊ぶようになったのは,中学卒業後の平成9年7月ころからである。 (イ) 中学卒業後a 加害者Bは,中学卒業(平成9年3月)後,型枠大工の仕事に就いたが,同年6月には仕事を辞めてしまった。その後,本件事件まで無職である。 加害者Bは,仕事を辞めてからは,加害者Fのほか,Y中学校出身の加害者らとも一緒に,夜遅くまで,コンビニエンスストア,公園,仲間の家などにたむろして雑談をしたり,タバコを吸ったり,盗んできた原付を乗り回して遊ぶことが多くなった。 b 加害者Bは,平成9年8月10日ころには,加害者ほか大勢の仲間とともに,T小学校の裏で同級生に集団で暴力を振るったことがある。 ったり,盗んできた原付を乗り回して遊ぶことが多くなった。 b 加害者Bは,平成9年8月10日ころには,加害者ほか大勢の仲間とともに,T小学校の裏で同級生に集団で暴力を振るったことがある。 イ被控訴人B1及び同B2の監督状況(ア) 家族関係加害者Bは,被控訴人ら両親と姉との4人家族である。被控訴人B1は,不動産業を自営し,普段,帰宅は午後11時ころである。被控訴人B2は夫の不動産業を手伝い,午後7時ころには帰宅していた。 (イ) 中学時代a 被控訴人B1及び同B2は,加害者Bが学校に行かなかったり,無断外泊をするようになると,同人とできる限りコミニュケーションを取ることを心がけていたという。しかし,その後も,加害者Bが,夜遊びや外泊等の態度を一向に改めていないことからみてその効果があったかどうかには疑問がある。 また,加害者Bが無断で夜間外出をした時には,他の親とともに,子供たちを探し歩いたこともあったという(ただし,非行防止のために常に連絡を取り合っていたとは認められない。)。 b 被控訴人B1及び同B2は,加害者Bがタバコやシンナーを吸っていたことについても,注意をして聞かせたつもりである。この点についても,どの程度本気でやめさせるつもりであったのかは,その後の加害者Bの行状からみると,疑問である。 c 被控訴人B1は,加害者Bが無免許でバイクを運転していることには薄々気がついており,叱って注意をしたこともあった。それにもかかわらず,加害者Bは,自分でも数え切れないくらいバイクを盗んで乗り回していたし,平成8年5月,バイクの窃盗で補導された後も,2回ほどバイクの窃盗絡みで捕まっている。 d 被控訴人B1らは,中学校の先生に相 は,自分でも数え切れないくらいバイクを盗んで乗り回していたし,平成8年5月,バイクの窃盗で補導された後も,2回ほどバイクの窃盗絡みで捕まっている。 d 被控訴人B1らは,中学校の先生に相談をし,加害者Bは,中学2年生の秋ころからは児童相談所の指導も受けていた。しかし,4,5回通って行かなくなり,以降,被控訴人B1らが積極的な働きかけをしたことはない。 (ウ) 中学卒業後a 被控訴人B1及び同B2は,加害者Bが,中学卒業後も,加害者D,同E及び同らと付き合っており,夜遊びや外泊をしているのを知っていた。 しかし,加害者Bが,最初は仕事にも通っており,中学時代よりは普通の生活を送っていたこと,一応外泊先や行き先を告げていたことなどから,あまり心配はしていなかった。不良仲間との付合いをやめるように注意はしていたが,中学生のころほど深い付合いはないと考え,加害者Bが他人に暴力を振るったり,けんかをして問題になったことはないと思っていたなどという。 bところが,加害者Bは,平成9年6月,型枠大工を辞めた後は,すぐに元の生活に戻っている。毎日のようにコンビニエンスストアや公園にたむろして,喫煙したり,仲間が盗んできたバイクを乗り回して遊んでいた。そして,同年夏ころにも,殴りに行ったり恐喝(カツアゲ)絡みでけんかになることがあったというのである。 cこれに対し,被控訴人B1及び同B2が,加害者Bの行状を改めさせようとして,中学時代以上に,積極的に働きかけた形跡はない。 被控訴人B1自身,非行が始まった時と3年生の窃盗があった時期とを比べると非行の度合いは深まったように思う,それ以降は,いろいろ親として手を尽くしてみたけれども良くもなって 。 被控訴人B1自身,非行が始まった時と3年生の窃盗があった時期とを比べると非行の度合いは深まったように思う,それ以降は,いろいろ親として手を尽くしてみたけれども良くもなっていないし,悪くもなっていない,不良グループから離れろと言ったが,具体的にどのような指導をしたかといえば,親同士の情報の交換程度であると述べるにとどまっている。 ウ被控訴人B1及び同B2の責任そこで,検討する。 (ア) 監督義務違反a 被控訴人B1及び同B2は,加害者Bが,中学卒業後も稲美グループの仲間との付合いを続け,平成9年6月ころに仕事を辞めた後は,元の生活に戻り,ほぼ毎日のように深夜徘徊していたことを認識していた。 b これに対し,被控訴人B1及び同B2は,親としていろいろ手を尽くしてみたというけれども,例えば,不良グループから離れるように言ったというものの,その指導内容は他の親との情報の交換程度である。そこには身を挺してでも不良交遊を断つというような真摯さはうかがわれず,ほぼ放任状態であったと評価されても致し方ない。 c 被控訴人B1及び同B2の,加害者Bに対する監督義務違反は明らかである。 (イ) 相当因果関係a 加害者Bは,中学生のころから,原付の窃盗などによる非行歴や深夜徘徊,喫煙の補導歴がある。ほかに,稲美グループの中心的メンバーとして,深夜徘徊,喫煙,原付の窃盗や無免許運転,恐喝(カツアゲ),暴行等の非行行動を繰り返していた。けんか等の粗暴傾向もあった。 b 本件事件においても,不良仲間である加害者らと深夜徘徊しているうち,加害者Eの「誰かを殴りたい」という言葉に積極的に同調し,稲美グループとの交際を絶っていたAの名を出し,加害者とと b 本件事件においても,不良仲間である加害者らと深夜徘徊しているうち,加害者Eの「誰かを殴りたい」という言葉に積極的に同調し,稲美グループとの交際を絶っていたAの名を出し,加害者とともに後輩のOにAを呼び出させた者でもあり,Aに対する本件事件のいわばきっかけを作ったものである。 c そして,加害者Bが,本件事件に先立つ,平成9年8月10日ころにも,加害者らとともに,集団で同級生に暴行を加えるなどしていたこと,本件事件当日にも,自転車に乗った女連れの男(同級生M)に集団で暴行を加えていることなどからすると,加害者Bの粗暴的な性向をうかがわせるのに十分である。 d 被控訴人B1及び同B2は,同居する両親として,加害者Bのこのような行状・性向を容易に知ることができた。 このような加害者Bを相当な監督をせずに放任しておけば,不良仲間との深夜徘徊から,集団の暴行に発展し,場合によっては,本件事件のように,被害者に死の結果が生ずる事態も予見できたというべきである。そして,また,後記(12)で触れるように,不良集団によるリンチ事件の特質(集団ヒステリー現象等)にかんがみると,平素の不良集団との行動等を放任していれば,死に至る集団暴行事件を引き起こすことについて,十分予見可能性があったというべきである(この点は,他の被控訴人らについては逐一繰り返さないが,いずれも同一である。)。 (ウ) まとめ被控訴人B1及び同B2の加害者Bに対する監督義務違反とAの死亡の結果との間には相当因果関係を認めるのが相当である。同被控訴人らは,不法行為責任を免れない。 (3) 加害者C関係 証拠 (甲13ないし19,62,乙31,54の1,2,乙66,72,原審相被告C・被控訴人C2各 を認めるのが相当である。同被控訴人らは,不法行為責任を免れない。 (3) 加害者C関係 証拠 (甲13ないし19,62,乙31,54の1,2,乙66,72,原審相被告C・被控訴人C2各本人)と弁論の全趣旨によれば,次のとおり認められる。 ア被控訴人の生活状況(ア) V中学時代a 加害者Cは,中学3年生(平成8年)の10月ころにサッカー部を引退した後,同級生の加害者B,同Dのほか,同Eや同Fなど稲美グループと一緒に遊ぶようになった。 b 加害者は,そのころから,親が寝静まったのを待って夜遊びに出かけたり,盗んだ原付を無免許で乗り回して警察に捕まったりした(そのため,高校のスポーツ推薦を取り消されている。)。 (イ) 中学卒業後a 加害者Cは,中学卒業後,平成9年4月,岡山県のR4高等学校(全寮制)に進学した。しかし,寮で上級生にいじめられたとして,同月中にはすぐに退学して地元に戻った。加害者Cは,平成9年5月ころ,父の勤め先の工務店に就職したが,長続きせず,約1か月で仕事を辞めている。その後,本件事件まで無職である。 b 加害者Cは,週に2,3回,夜半ないし朝方まで,加害者B,同Dら稲美グループだけでなく,加害者Kら平岡町の仲間を含む加害者らとともに行動するようになり,コンビニエンスストア,公園,仲間の家などにたむろして雑談したり,タバコを吸ったり,盗んできた原付を乗り回して遊んでいた。平成9年5月28日には,本屋で本を万引きして警察に補まったこともある。 c 加害者Cは,中学卒業の前後を通じてよくけんかをしていた。本件事件に先立つ平成9年8月10日ころにも,加害者Bほか大勢の仲間と,T小学校の裏で同級生に集団で暴力を振るったことがある。ほかに,一人で 加害者Cは,中学卒業の前後を通じてよくけんかをしていた。本件事件に先立つ平成9年8月10日ころにも,加害者Bほか大勢の仲間と,T小学校の裏で同級生に集団で暴力を振るったことがある。ほかに,一人でも何回か人を殴ったことがあるようである。 イ被控訴人C1及び同C2の監督状況(ア) 生活関係加害者Cは,被控訴人C1ら両親と兄姉との5人家族である。被控訴人C1は大工の仕事に従事し,普段,帰宅するのは午後7時ころ,被控訴人C2はパート勤務に出ていたが午後4時ころには帰宅していた。 (イ) V中学時代a 被控訴人C1及び同C2は,加害者が中学3年生の3学期ころには,受験勉強の妨げになると考え,加害者Bや同Dとの付合いをやめるよう注意し,夜間は自宅の電話線を引き抜くなどして連絡ができないようにしたこともあった。 b しかし,加害者Cは,その忠告を無視し,親に隠れて加害者Bらとの付合いをやめようとはしなかった。両親もこれを知っていたようである(これに反する被控訴人C2の供述は,加害者C自身,両親を無視して稲美グループとの付合いを続けていることを両親も知っていたと述べていることに照らして採用できない。)。 (ウ) 中学卒業後a 加害者C自身,親は,少々悪いことをしても他の兄弟と比べて甘く,自由にさせてもらっていたとか,本件事件当時,夜遅くまで遊んでいても親は何も言ってきませんなどと述べる。 b 加害者Cの性格は粗暴であり,かっとなるとすぐ人を殴ってしまうと自認している。前記のT小学校の裏での同級生に対する集団暴行についても,Aと同様,気に食わないからリンチしてやろうと思ったのであり,不良グループの仲間が集団リンチを行う性向もよく知っていた。そして,加害者C自身,この のT小学校の裏での同級生に対する集団暴行についても,Aと同様,気に食わないからリンチしてやろうと思ったのであり,不良グループの仲間が集団リンチを行う性向もよく知っていた。そして,加害者C自身,このような自分の性格については,両親も良く分かっていたと述べているのである。 c 被控訴人C2は,本件事件の後まで,加害者Cが平成9年5月28日に万引きをして警察に補導され,同人の姉(当時23歳)が身柄を引き受けていたことも知らなかったという。 ウ被控訴人C1及び同C2の責任そこで,検討する。 (ア) 監督義務違反a 被控訴人C1及び同C2は,加害者Cが中学3年生(平成8年)の一時期には,受験時期ということもあり,加害者Cと稲美グループとの交遊を断つことを試みた時期があったようである。 b しかし,その後は,加害者Cが自認するように,高校を辞めて地元に戻り,稲美グループとの交遊を再開し,深夜徘徊を続けているのに,この不良交遊を断つために積極的に努力した形跡はほとんどうかがわれない。 息子が警察に補導されたのに,娘(加害者の姉)が身元引受人となったとは知らなかったということ自体,加害者Cとの普段からのコミュニケーションの欠如,監督意識の低さの現れでもある。 c 被控訴人C1及び同C2の加害者Cに対する監督義務違反は明らかである。 (イ) 相当因果関係a 加害者Cは,中学3年生(平成8年)以後,原付を無免許運転していて警察に捕まったことや,本の万引きによる非行歴がある。ほかに,稲美グループのメンバーとともに,深夜徘徊,喫煙,原付の窃盗や無免許運転,暴行等の非行行動を繰り返してきた。 b 本件事件においても,不良仲間である加害者らとともに る非行歴がある。ほかに,稲美グループのメンバーとともに,深夜徘徊,喫煙,原付の窃盗や無免許運転,暴行等の非行行動を繰り返してきた。 b 本件事件においても,不良仲間である加害者らとともに深夜徘徊しているうちに,加害者BがAの名前を持ち出して暴行を加えることを持ちかけると,かつてAが自分の女友達にちょっかいを出したとして快く思っていなかったこともあって,積極的にこれに賛成し,加害者Bとともに後輩のOにAを呼び出させた者でもある。 c 加害者Cは,中学卒業の前後を通じてよくけんかをしており,本件事件に先立つ平成9年8月10日ころにも,加害者らととともに,同級生に集団で暴行を加えるなどしていたこと,本件事件当日にも,自転車に乗った女連れの男(同級生M)に集団で暴行を加えていることなどからすると,加害者の粗暴的性向は顕著である(この点は,加害者Cも自認するところである。)。 d 被控訴人C1及び同C2は,同居している両親として,加害者Cのこのような行状・性向をよく知っていた。 したがって,このような加害者Cを放任しておけば,不良仲間との深夜徘徊から,集団の暴行に発展し,場合によっては,本件事件のように,被害者に死の結果が生ずる事態も十分予見できたというべきである。 (ウ) まとめ被控訴人C1及び同C2の加害者Cに対する監督義務違反とAの死亡の結果との間には相当因果関係を認めるのが相当である。同被控訴人らは,不法行為責任を免れない。 (4) 加害者D関係証拠(甲20ないし23,63,乙28,52の1,2,乙61,73,原審相被告D・被控訴人D2各本人)と弁論の全趣旨によれば,次のとおり認められる。 ア加害者Dの生活状況(ア) V中学時代 いし23,63,乙28,52の1,2,乙61,73,原審相被告D・被控訴人D2各本人)と弁論の全趣旨によれば,次のとおり認められる。 ア加害者Dの生活状況(ア) V中学時代a 加害者Dは,中学1年生(平成6年)の後半から,教師にいじめられたとか,勉強についていけなくなったとかいって学校を休みがちになり,2年生の1学期後半(平成7年)からは,全く学校に行かなくなった。 加害者Dは,そのころから,加害者Bら稲美グループと毎日のように遊ぶようになり,深夜徘徊,喫煙のほか,バイクを盗んで乗り回したり,恐喝(カツアゲ),万引き等をするようになった。バイクの窃盗等による非行歴2回,喫煙による補導歴5回がある。ほかに,けんかをしたことが何回もあるようである。 b 加害者Dは,中学3年生(平成8年)からは,同級生の加害者Cのほか,他校の中学生である加害者F,同E,同K及び同Jとも不良交遊を広げている。 (イ) 中学卒業後a 加害者Dは,中学校卒業後(平成9年4月),工員として働き始めたが,仕事が嫌になって2か月くらいで辞めてしまった。同年7月ころからは,仕事のある日だけ建設の仕事に出て,同年8月には5回ほど働いた。しかし,およそ定職に就いたといえるものではない。 b 加害者Dは,仕事を辞めてからY中学校の加害者らとも不良交遊するようになった。毎日のように,深夜まで,コンビニエンスストア,公園,仲間の家などにたむろして雑談をしたり,タバコを吸ったり,盗んできた原付を乗り回して遊んでいた。 c 加害者Dは,その当時から,αという暴走族グループにも所属していた。 d 本件事件に先立つ平成9年8月10日ころには,加害者Bほか大勢の仲間とともに,Y小学 て遊んでいた。 c 加害者Dは,その当時から,αという暴走族グループにも所属していた。 d 本件事件に先立つ平成9年8月10日ころには,加害者Bほか大勢の仲間とともに,Y小学校の裏で同級生に集団で暴力を振るったこともある。 イ被控訴人D1及び同D2の監督状況(ア) 生活関係加害者Dは,被控訴人D1ら両親と姉2人との5人家族である。被控訴人D1は製鋼所に勤務し,普段,帰宅するのは午後8時から9時ころ,被控訴人D2はパート勤務に出ていたが午後4時ころには帰宅していた。 (イ) V中学時代a 被控訴人D2は,加害者Dが学校に行かなくなると,最初のうちは,学校に行くかどうかを確かめるために後ろから付いていったり,車で学校まで連れて行くこともあった。しかし,一向に本人が学校に行こうとしないので,中学3年生(平成8年)ころには,中学校を無事に卒業できればよいという気持ちになっていた。そのころから,とやかく注意することもなくなり,中学校の先生や関係機関に相談することもしていない。 b そのために,加害者Dの帰宅時間が遅いときも,友達の母親と連絡を取り合う程度であった。また,本人から連絡のないときは,友人宅などを探すこともあったが,それ以上に,不良交遊関係を絶つとか,深夜徘徊をやめさせるとか,積極的な働きかけはしていない。 (ウ) 中学卒業後a 被控訴人D2は,加害者Dが,中学卒業後(平成9年4月)も夜遊びに出かけ,加害者Bら不良グループと付き合っていることは知っていた。にもかかわらず,加害者らとの付合いをやめさせようとまでは思っていない。そのころには,加害者Dが深夜徘徊ても,探すこともしていないようである。 b 被控訴人D2は,加害者Dが暴走族に いた。にもかかわらず,加害者らとの付合いをやめさせようとまでは思っていない。そのころには,加害者Dが深夜徘徊ても,探すこともしていないようである。 b 被控訴人D2は,加害者Dが暴走族に加入していたことも知らないという。 c 被控訴人D1及び同D2は,本件事件後の警察官調書の中で,私ども夫婦には加害者Dをまともな人間にする力はない旨述べている。 ウ被控訴人D1及び同D2の責任そこで,検討する。 (ア) 監督義務違反a 被控訴人D1及び同D2は,加害者Dが2年生の1学期後半(平成7年)から中学校に行かなくなった一時期には,学校へ行かせようとそれなりに努めたが,直ぐに諦め,中学3年生(平成8年)ころからは,とやかく注意することもなくなった。 b 被控訴人D1及び同D2は,加害者Dが中学卒業後(平成9年4月)も,加害者Bら不良グループと付合いを続け,深夜徘徊していることは知っていた。それなのに,その問題性を重視せず,加害者らとの付合いをやめさせようともせず,加害者Dが深夜徘徊しても,探すこともしていない(被控訴人D2は,加害者Dが暴走族に加入し,深夜集会に参加していたことも知らないほどである。)。このように,同被控訴人らは,加害者Dに対する監督をほとんど放てきしていたといえる。 c 被控訴人D1及び同D2の加害者に対する監督義務違反は明らかである。 (イ) 相当因果関係a 加害者Dは,中学生のころから窃盗や喫煙による非行歴や補導歴がある。ほかに,稲美グループの中心的メンバーとして,深夜徘徊,喫煙,原付の窃盗や無免許運転,恐喝(カツアゲ),万引き,暴行などの非行行動を繰り返していた。暴走族グループにも所属している。 b 本件事件においても, プの中心的メンバーとして,深夜徘徊,喫煙,原付の窃盗や無免許運転,恐喝(カツアゲ),万引き,暴行などの非行行動を繰り返していた。暴走族グループにも所属している。 b 本件事件においても,不良仲間である加害者らと深夜徘徊しているうち,被控訴人BがAの名前を持ち出して暴行を持ちかけると,Aが稲美グループから離れ真面目になろうとしていることを「裏切り」ととらえて,積極的にこれに賛成し,本件事件に及び,角材や金属製工具も使って暴行を加えている。 c 加害者Dは,中学時代から何度もけんかをしたことがあり,本件事件に先立つ平成9年8月10日ころにも,加害者らと,同級生に集団で暴行を加えるなどしていたこと,本件事件当日にも,自転車に乗った女連れの男(同級生M)に集団で暴行を加えていること,加えて暴走族グループにも所属していることなどからすると,当時の加害者Dの粗暴的性向は顕著である。 d 被控訴人D1及び同D2は,同居している両親として,加害者Dのこのような行状・性向を容易に知ることができた。 したがって,このような加害者Dを放任しておけば,不良仲間との深夜徘徊から,集団の暴行に発展し,場合によっては,本件事件のように,被害者に死の結果が生ずる事態も予見できたというべきである。 (ウ) まとめ被控訴人D1及び同D2の加害者Dに対する監督義務違反とAの死亡の結果との間には相当因果関係を認めるのが相当である。同被控訴人らは,不法行為責任を免れない。 (5) 加害者E関係証拠(甲24ないし29,64,乙30,57,69,74,原審相被告E,同E2)と弁論の全趣旨によれば,次のとおり認められる。 ア加害者Eの生活状況加害者Eは,本件事件当時中学3年生であっ 24ないし29,64,乙30,57,69,74,原審相被告E,同E2)と弁論の全趣旨によれば,次のとおり認められる。 ア加害者Eの生活状況加害者Eは,本件事件当時中学3年生であった。 (ア) 加害者Eは,Q中学1年生(平成7年)の後半からタバコを吸ったり学校をさぼるようになり,中学2年生(平成8年)のころから不登校となった。 稲美グループの加害者B,同Dのほか,同Fや同Cとも知り合うと,無断外泊も増え,喫煙による補導歴も3回ある。 (イ) 加害者Eは,中学2年生(平成8年)の6月,7月ころ,ひったくりをして児童相談所に通告され,S学園(児童自立支援施設)に入園したが,脱走して加害者や同Bらと会っていたこともあった。 (ウ) 加害者Eは,平成9年4月,高校進学を目指してS学園から一時家庭復帰し,W中学校に転校した。 しかし,約1か月後には加害者Bや同Dら稲美グループとの不良交遊を再開し,約3か月間も家出をして,毎晩のように深夜まで,コンビニエンスストア,公園,仲間の家などにたむろし,雑談をしたり,タバコを吸ったり,盗んできた原付を乗り回して遊んでいた。恐喝(カツアゲ)をしたり,他の少年とけんかになって数名で暴力を振るうこともあった。 (エ) 加害者Eは,平成9年7月ころ,Y中学校の加害者らとも不良交遊の範囲を広げた。そして,同年8月10日ころ,加害者Bほか大勢の仲間とともに,T小学校の裏で加害者Bらの同級生に集団で暴力を振るったことがある。本件事件の2日前には,バイクの無免許運転により加古川警察に補導されている。 イ被控訴人E1の監督状況(ア) 生活関係a 被控訴人E1は,前々夫(E2)と結婚して昭和57年12月に加害者Eをもうけたが,その後間 により加古川警察に補導されている。 イ被控訴人E1の監督状況(ア) 生活関係a 被控訴人E1は,前々夫(E2)と結婚して昭和57年12月に加害者Eをもうけたが,その後間もない昭和58年6月に協議離婚し(加害者Eの親権者は被控訴人E1と定めたものとうかがえる。),その後昭和62年11月に前夫(E3)と再婚した(加害者Eは前夫と養子縁組し,養父によって養育された。なお,被控訴人E1は前夫との間に控訴人Eの弟と妹をもうけた。)。被控訴人E1は平成8年12月に前夫とも離婚し(加害者Eは協議離縁した。),本件当時,住所地において別の男性(その後の再婚相手とは違う男性)と同棲していた(その後,平成13年5月24日,E4と婚姻した。)。 b 加害者Eは,3人兄弟の一番上であるが,被控訴人E1が前夫と離婚した後は,母と同棲相手の男性との3人暮らしであった。被控訴人E1は会社員として勤めに出ていた。 (イ) 監護状況a 被控訴人E1は,加害者Eが中学校に行かないことや,無断外泊をしたことを叱り,時には手を上げたこともあった。そのほか,同人をS学園に預け,退園後は,環境を変えるために中学校を転校させたりもした。しかし,加害者Eは,直ぐに家出して不良交遊を再開している。 b 被控訴人E1は,加害者Eが家出したときには,友人宅を回って同人を捜したり,加害者Dや同Bの母親と連絡を取ったりした。また,加害者Eが,平成9年8月21日,バイクの無免許運転で捕まった際には,夏休み明けには学校に行くことを約束させたりした。 c 加害者Eは,自分の性格がかっときたら直ぐに手を出す荒っぽい性格であることを自認している。そして,このような性格を被控訴人E1も知っていた。それだからこそ,被控訴人E1は,加 りした。 c 加害者Eは,自分の性格がかっときたら直ぐに手を出す荒っぽい性格であることを自認している。そして,このような性格を被控訴人E1も知っていた。それだからこそ,被控訴人E1は,加害者Eに対し,人を傷つけないように注意をしていたくらいである。 d しかし,加害者Eは,これらの忠告を全く聞き入れず,長期間家出し,稲美グループとの不良交遊を続け,非行を重ねていた。 これに対し,被控訴人E1は,それなりに注意はしたものの,次第に積極的な働きかけはしなくなった。もとより,不良グループの親同士密接な連絡を取るとか,身を挺してでも不良交遊を断ち切るといった真摯な姿勢も見受けられない(例えば,喫煙についても,家の中ならタバコを吸うことも黙認していたようである。)。 被控訴人E1は,本件事件後の警察官調書の中で,私の力では加害者Eの性格・行動を変えることは到底できませんと述べている。 ウ被控訴人E1の責任そこで,検討する。 (ア) 監督義務違反a 被控訴人E1は,加害者Eが不登校になった当初こそ,時に厳しく注意し,同人を児童自立支援施設に預けたりした時期もあった。 b しかし,加害者Eが,これに聞く耳を持たず,家出して不良交遊を続け,非行を重ねていても,その問題性を深刻に考えず,同人を連れ戻して,不良交遊を断ち切るといった真摯な努力をしたとは認められない。かえって,加害者Eがわがままで短気な性格であると考えながら,息子の行状を持て余し,自分の力ではその行動を改めさせることはできないなどと監護義務を放てきするかのような言辞を漏らしているほどである。 c 被控訴人E1は,離婚後,同棲相手と生活しており,自分は働きに出なければな 力ではその行動を改めさせることはできないなどと監護義務を放てきするかのような言辞を漏らしているほどである。 c 被控訴人E1は,離婚後,同棲相手と生活しており,自分は働きに出なければならず,加害者Eに対する監督が思うに任せないような事情もうかがわれないではない。 しかし,これを考慮に入れても,加害者Eが不良交遊を続けており,粗暴性が顕著であることを知っていた以上,なお,被控訴人E1の加害者Eに対する監督は不十分なものであったというほかない(これは,被控訴人E1自身自認するところである。)。 (イ) 相当因果関係a 加害者Eは,中学生のころから喫煙による補導歴があるほか,中学2年生(平成8年)のころには,ひったくりをしてS学園(児童自立支援施設)に入園した。 加害者Eは,退園後も,中学校にも通わず,直ぐに家出して稲美グループのメンバーとの不良交遊を再開し,毎晩のように,深夜徘徊,喫煙,原付の窃盗や無免許運転,恐喝(カツアゲ),暴行などの非行行動を繰り返した。 b 本件事件においても,不良仲間である加害者らとともに深夜徘徊するうち,加害者Eが「誰かしばきたいなあ。」と言い出したものであり,本件事件のきっかけを最初に作った本人である。加害者BがAの名前を持ち出して暴行を加えることを持ちかけると,積極的にこれに賛成して,本件事件に及び,現場では暴行の順番を決めるためじゃんけんをしようと持ちかけ,また自ら竹の棒や角材でもAを殴打したり,原付を衝突させたり,火の付いたタバコを押し付けたりしている。 c 加害者Eは,本件事件に先立つ平成9年8月10日ころにも,加害者らと,同級生に集団で暴行を加えるなどしていたこと,本件事件当日にも,自転車に乗った女連 タバコを押し付けたりしている。 c 加害者Eは,本件事件に先立つ平成9年8月10日ころにも,加害者らと,同級生に集団で暴行を加えるなどしていたこと,本件事件当日にも,自転車に乗った女連れの男(同級生M)に集団で暴行を加えていることなどからすると,当時の加害者Eの粗暴的性向は顕著である。 d 加害者Eは,自分の性格がかっときたら直ぐに手を出す荒っぽい性格であることを自認し,被控訴人E1もこれを知っていた。被控訴人E1は,加害者Eの粗暴な性格を慮り,問題行動を予想して人を傷つけたりしないように注意していたほどである。 したがって,このような加害者Eを放任しておけば,不良仲間との深夜徘徊から,集団の暴行に発展し,場合によっては,本件事件のように,被害者に死の結果が生ずる事態も十分予見できたというべきである。 (ウ) まとめ被控訴人E1の加害者Eに対する監督義務違反とAの死亡の結果との間には相当因果関係を認めるのが相当である。同被控訴人は,不法行為責任を免れない。 (6) 加害者F関係証拠(甲30ないし33,65,乙29,59の1,2,乙62,75,原審相被告F・被控訴人F2各本人)と弁論の全趣旨によれば,次のとおり認められる。 ア加害者Fの生活状況(ア) X中学時代a 加害者Fは,中学2年生(平成7年)のころ,授業についていけなくなり,学校をさぼったりタバコを吸ったりするようになった。怠学及び喫煙の補導歴があるほか,スーパーで本を万引きしたり中学校内でけんかをしたことがある。 b 加害者Fは,中学3年生の終わりころ(平成9年)からは,稲美グループのメンバーや加害者Kらとも付き合うようになった。深夜,遊びに出かけてバイクや原付を 学校内でけんかをしたことがある。 b 加害者Fは,中学3年生の終わりころ(平成9年)からは,稲美グループのメンバーや加害者Kらとも付き合うようになった。深夜,遊びに出かけてバイクや原付を盗んで乗り回したり,家出をしたほか,自転車の窃盗,恐喝(カツアゲ)や万引きを何回もしている。 (イ) 中学卒業後a 加害者Fは,平成9年3月,中学校卒業後,父(被控訴人F1)と一緒に型枠大工の見習いとして稼働した。 b しかし,中学卒業後も稲美グループとの付合いを続けていたほか,他の加害者らとも不良交遊の範囲を広げた。週末には,友達の家に泊まりに行くと告げて外出し,深夜まで,コンビニエンスストア,公園,仲間の家などにたむろして雑談したり,タバコを吸ったり(飲酒もしていた。),盗んできた原付を乗り回して遊んでいた。ほかに,ささいなことからけんかをして,相手に暴行を加えることもあった。 c 加害者Fは,本件事件に先立つ平成9年8月10日ころ,加害者Bほか大勢の仲間とともに,Y小学校の裏で,加害者Bらの同級生に集団で暴力を振るったこともある。 イ被控訴人F1及び同F2の監督状況(ア) 生活関係加害者Fは,被控訴人F1ら両親と弟妹との5人家族である。被控訴人F1は型枠大工として稼働し,普段,帰宅するのは午後6時ころ,被控訴人F2は家に居て内職の仕事をしていた。 (イ) X中学時代a 被控訴人F1及び同F2は,加害者Fが学校をさぼるようになると,学校に行くよう注意したり,学校に様子を見に行ったり,担任の先生とも連絡を取り合っていた。 b 同被控訴人らは,加害者Fが万引をしたり,タバコを吸っているのを見ると,注意をしてタバコを取り上げ,無断外泊をしたときには,友 様子を見に行ったり,担任の先生とも連絡を取り合っていた。 b 同被控訴人らは,加害者Fが万引をしたり,タバコを吸っているのを見ると,注意をしてタバコを取り上げ,無断外泊をしたときには,友達のところに電話をかけて探したりした。 c しかし,その後も,加害者Fの喫煙,夜遊び,外泊は改まらなかったことに照らすと,被控訴人F1らの指導の効果には疑問がある。 (ウ) 中学卒業後a 被控訴人F2は,加害者Fが,中学卒業後も,加害者D,同Bや同Cらと不良交遊を続けていたことは知っていた。それなのに,加害者らがそれほど悪い子供たちという認識はなく,深付き合いがあるとも思っていなかった。 b また,被控訴人F2は,加害者Fの帰りが夜9時を過ぎると,携帯電話に早く帰るよう連絡を入れたが,それ以上の積極的な働きかけはしてない。外出中,誰と何をしていたかは必ず聞くようにしていたが,加害者Fが,仲間と原付を盗んで無免許運転をしたり,恐喝(カツアゲ),万引き等を繰り返していたことは全く知らなかったという。 ウ被控訴人F1及び同F2の責任そこで,検討する。 (ア) 監督義務違反a 被控訴人F1及び同F2は,加害者Fが中学校に行かなかった一時期には,学校へ行かせようと注意したり,喫煙や外泊をやめさせようとそれなりに努めた。しかし,加害者Fはこれを一向に聞き入れなかった。その後は,積極的な働きかけはしていない(万引きや自転車窃盗については警察に届け出たり,相談したりもしていないようである。)。 b 被控訴人F1及び同F2は,加害者Fが中学卒業後も,加害者Bら不良グループと付合いを続け,深夜徘徊していることを知っていた。それなのに,その問題性を重視せず,加害者らとの付合い 。)。 b 被控訴人F1及び同F2は,加害者Fが中学卒業後も,加害者Bら不良グループと付合いを続け,深夜徘徊していることを知っていた。それなのに,その問題性を重視せず,加害者らとの付合いをやめさせようともせず,加害者Fが深夜徘徊しても,探し出して連れ戻すこともしていない。 同被控訴人らは,加害者Fが深夜徘徊して,非行を繰り返していたのに,その内容も把握できていなかった。これでは,同人に対する監督をほとんど放てきしていたといわれても致し方ないところである。 c 被控訴人F1及び同F2の,加害者Fに対する監督義務違反は明らかである。 (イ) 相当因果関係a 加害者Fは,中学生のころから,怠学や喫煙のほか,稲美グループのメンバーとの不良交遊を深め,深夜徘徊,喫煙,原付の窃盗及び無免許運転,恐喝(カツアゲ),万引き等の非行行動を繰り返していた。ほかに,ささいなことからけんかをして,相手に暴行を加えることもあった。 b 本件事件においても,不良仲間の加害者らとともに深夜徘徊しているうちに,加害者BがAの名前を持ち出して暴行を加えることを持ちかけると,憂さ晴らしの気持ちや,稲美グループのメンバーから馬鹿にされるのではないかという気持ちなどからこれに賛成し,本件事件に及んでおり,第1現場では積極的な暴行をしていないものの,Aが逃げようとした第2現場及び第3現場では,角材や金属製工具をも使ってAの頭部等を殴打したり,バイクを衝突させたりしている。 c 加害者Fは,中学時代から,ささいなことからけんかをして,相手に暴行を加えることがあった。本件事件に先立つ平成9年8月10日ころ,加害者Bほか大勢の仲間とともに,T小学校の裏で,加害者Bらの同級生に集団で暴力を振るっている。本 いなことからけんかをして,相手に暴行を加えることがあった。本件事件に先立つ平成9年8月10日ころ,加害者Bほか大勢の仲間とともに,T小学校の裏で,加害者Bらの同級生に集団で暴力を振るっている。本件事件当日にも,自転車に乗った女連れの男(同級生M)に集団で暴行を加えているのである。加害者Fの粗暴的性向は顕著である。 d 被控訴人F1及び同F2は,同居する両親として,加害者Fのこのような行状・性向を容易に知ることができた。このような加害者Fを相当な監督をせずに放任しておけば,不良仲間との深夜徘徊から,集団の暴行に発展し,場合によっては,本件事件のように,被害者に死の結果が生ずる事態も予見できたというべきである。 (ウ) まとめ被控訴人F1及び同F2の加害者Fに対する監督義務違反とAの死亡の結果との間には相当因果関係を認めるのが相当である。同被控訴人らは,不法行為責任を免れない。 (7) 加害者G関係証拠(甲34ないし39,66,乙53の1,2,乙64の1,2,乙76,原審相被告G・被控訴人G1各本人)と弁論の全趣旨によれば,次のとおり認められる。 ア加害者Gの生活状況(ア) Y中学時代a 加害者Gは,中学2年生(平成7年)の終わりころから喫煙を始め,野球部を引退した中学3年生(平成8年)の秋ころからは,両親にも反抗的になり,夜遅くまで遊びに出かけるようになった。友人の原付を無免許運転したことも何度かある。 b 中学時代に,みるべき非行歴や補導歴はない。 (イ) 中学卒業後a 加害者Gは,平成9年3月中学卒業後,昼間は父親の勤める電気工事の会社の仕事を手伝った。夜間はR3高等学校の定時制に通い,野球部に所属した。高校入学後は,帰宅が夜中の2時 中学卒業後a 加害者Gは,平成9年3月中学卒業後,昼間は父親の勤める電気工事の会社の仕事を手伝った。夜間はR3高等学校の定時制に通い,野球部に所属した。高校入学後は,帰宅が夜中の2時,3時になることが多くなった。 b 加害者Gは,電気工事の仕事を辞め,とび職の仕事に就いたが,夜は友達の家に遊びに出かけることが多くなった。平成9年7月ころからは,Y中学校の同級生であった加害者らとも付き合うようになった。稲美グループの加害者らとも不良交遊の範囲を広げたのは,本件事件のころである。 イ被控訴人G1及び同G2の監督状況(ア) 生活関係a 加害者Gは,両親と姉弟の5人家族である。被控訴人G1は,電気関係の会社に勤務し,被控訴人G2は,本件事件当時,午後3時ころまでパート勤務をしていた。 b 被控訴人G1ら夫婦は加害者Gが高校に進学した平成9年4月ころに別居した。加害者Gは,父親(被控訴人G1)に引き取られて同居している。もっとも,母親(被控訴人G2)宅にも出向き,食事を一緒にとるなどしている。 (イ) Y中学時代被控訴人G1は,加害者Gがタバコを吸っていたこと,原付を無免許で運転していたこと,中学3年生のころから夜遅くまで遊びに出かけていたことなどは知らなかったという。 (ウ) 中学卒業後被控訴人G1は,加害者Gの帰宅時間が深夜になると,どこで何をしていたのかを確認していたが,加害者Gは,野球部の友達やクラスメートとしゃべっていると説明していたため,それ以上のことは聞かなかった。加害者Kらと付き合っていることも知らなかったという。 ウ被控訴人G1及び同G2の責任そこで,検討する。 (ア) 監督義務違反 め,それ以上のことは聞かなかった。加害者Kらと付き合っていることも知らなかったという。 ウ被控訴人G1及び同G2の責任そこで,検討する。 (ア) 監督義務違反a 被控訴人G1及び同G2は,加害者Gが中学3年(平成8年)ころから深夜まで夜遊びし,中学卒業後は,帰宅が夜中の2時,3時になることが多かったのに,加害者Gの言い訳を鵜呑みにし,その交友関係すら把握していない。 b 加害者Gと同居している被控訴人G1はもとより,被控訴人G2も食事を共にすることがあったのだから,加害者Gが深夜まで,誰と,どこをうろついていたのか問いただし,仲間の保護者とも連絡を取り,不良交遊をやめさせるべきであった。 しかるに,同被控訴人らにおいては,加害者Gの言い訳を鵜呑みにし,交遊関係すら明らかでなかったというのである。そこに,積極的に働きかけた形跡はない。これでは,事実上の放任状態であったと評されても致し方ない。 c 被控訴人G1及び同G2の,加害者Gに対する監督が不十分であったことは明らかである。 (イ) 相当因果関係a 加害者Gは,中学2年生(平成7年)から喫煙を始め,中学3年生(平成8年)の秋ころからは夜遅くまで遊びに出かけて,友人の原付を無免許運転したことがあった。平成9年7月ころからは,Y中学校出身の加害者らとも不良交遊を始め,本件事件ころには稲美グループとも交遊している。 b 本件においても,加害者らとともに深夜徘徊しているうちに,加害者BがAの名前を持ち出して暴行を加えることを持ちかけると,Aとは面識もなかったのに,当時女友達とけんか状態になっていていらいらしていたことの憂さ晴らしや,仲間から馬鹿にされたくないとの気持ちなどからこれに安易に を持ち出して暴行を加えることを持ちかけると,Aとは面識もなかったのに,当時女友達とけんか状態になっていていらいらしていたことの憂さ晴らしや,仲間から馬鹿にされたくないとの気持ちなどからこれに安易に賛成し,ちゅうちょなく本件事件に及んだ。そして,じゃんけんで最初に暴行をすることになると(加害者らは「特攻隊長」と呼んでいた。),最初はややためらったが,加害者Lとほぼ同時に,最初にAに足蹴りする暴行を加え,その後も積極的に殴打足蹴りを繰り返したものである。 c 確かに,加害者Gには,中学時代から,非行歴・補導歴は表立ってはないようである。 しかし,深夜徘徊,原付の窃盗や無免許運転,恐喝(カツアゲ),万引き,暴行等の非行を重ねる不良集団のY中学校出身の加害者らや稲美グループとの交遊があった。本件事件当日も,加害者Eの「誰かしばきたいの」という呼びかけにちゅうちょなく応じ,事件直前には,自転車に乗った女連れの男(同級生M)にも集団で暴行を加えている。ここに加害者Gの暴力に対する親和性(規範意識の欠如)を容易にうかがい知ることができる。 d 被控訴人G1は,同居する父親として,同G2も共同親権者(母)として,同加害者Gのこのような行状・性向を知ることができた。 このような加害者Gを相当な監督をせずに放任しておけば,不良仲間との深夜徘徊から,集団の暴行に発展し,場合によっては,本件事件のように,被害者に死の結果が生ずる事態も予見できたというべきである。 (ウ) まとめ被控訴人G1及び同G2の加害者Gに対する監督義務違反とAの死亡の結果との間には相当因果関係を認めるのが相当である。同被控訴人らは,不法行為責任を免れない。 (8) 加害者 まとめ被控訴人G1及び同G2の加害者Gに対する監督義務違反とAの死亡の結果との間には相当因果関係を認めるのが相当である。同被控訴人らは,不法行為責任を免れない。 (8) 加害者H関係証拠(甲40ないし44,67,乙55の1,2,乙63,77,原審相被告H・被控訴人H2各本人)と弁論の全趣旨によれば,次のとおり認められる。 ア加害者Hの生活状況(ア) Y中学時代加害者Hは,中学生のころは,野球部に所属し,夜遊びや外泊をしたこともなく,取り立てて問題のない生徒であったようである。 (イ) 中学卒業後a 加害者Hは,中学卒業後(平成9年4月),R高等学校に進学し,午後5時半ころから午後9時ころまでの間,自宅近所のガソリンスタンドでアルバイトをしていた。 高校入学直後,捨てられていた自転車を勝手に乗り回していて警察に補導されたことが1度あるほか,タバコも吸い始めた。 b 加害者Hは,平成9年7月ころには,Y中学校出身の加害者らのほか,稲美グループの加害者らとも,夜遅くまで,コンビニエンスストア,公園,仲間の家などにたむろして,雑談したり,タバコを吸ったり,盗んできた原付を乗り回して遊んでいたことが週に3,4日にも及んだ。 c 加害者Hは,平成9年8月10日ころには,加害者Bほか大勢の仲間とともに,Y小学校の裏で,加害者Bらの同級生に集団で暴力を振るっていた場に居合わせ,見張りをしていたことがあった(この時は,加害者Eから「どうせHは手出さんやろうから」と言われて見張りを命じられたものである。)。 イ被控訴人H1及び同H2の監督状況(ア) 生活関係加害者Hは,被控訴人H1ら両親と兄弟妹との6人家族であ 出さんやろうから」と言われて見張りを命じられたものである。)。 イ被控訴人H1及び同H2の監督状況(ア) 生活関係加害者Hは,被控訴人H1ら両親と兄弟妹との6人家族である。被控訴人H1はトラック運転手として稼働し,普段,帰宅するのは午後7時ころ,被控訴人H2は看護師をしており,夜勤は週1回程度であった。 (イ) 中学卒業後a 被控訴人H2は,加害者Hが,高校の夏休みに入り,夜遊びが多くなると,携帯電話に連絡を入れたり,誰とどこで何をしていたのかを問いただした。加害者Hは,友達の名前までは明らかにせず,ゲームをしていると説明する程度であったが,同被控訴人らはそれ以上追及することもなかった。 b 被控訴人H1は,加害者Hが,夜中や朝方まで帰ってこないときは,同人を叱り,被控訴人H2は,夜早く帰るよう注意するメモを部屋に張り付けることもあった。また,被控訴人H1及び被控訴人H2は,加害者Hがどこにいるのか自転車で探し回り,家に連れて帰ったこともあった。しかし,加害者Hの夜遊びは一向に改まらず,夜遊びは週に3,4回と頻繁なものであったのに,同被控訴人らにおいて,それ以上の積極的な働きかけをした形跡はない。 ウ被控訴人H1及び同H2の責任そこで,検討する。 (ア) 監護義務違反a 被控訴人H1及び同H2は,加害者Hが,高校の夏休み(平成9年8月)に入り,夜遊びが頻繁になっていたのであるから,深夜まで,誰と,どこをうろついていたのか問いただし,仲間の保護者とも連絡を取り,不良交遊をやめさせるべきであった。 b 同被控訴人らは,加害者Hに注意したり,探して家に連れ戻したりしたこともあったようである。しかし,それ以上に追及したり,積極的に働きかけた形 取り,不良交遊をやめさせるべきであった。 b 同被控訴人らは,加害者Hに注意したり,探して家に連れ戻したりしたこともあったようである。しかし,それ以上に追及したり,積極的に働きかけた形跡はない。結果的には,加害者Hの夜遊びや不良交遊をやめさせることはできなかった(加害者Hの具体的な交遊関係すら明らかにできなかったようである。)。 c これでは,被控訴人H1及び同H2の,加害者Hに対する監督義務は尽くされていなかったと評されても致し方ない。同被控訴人らには,監督義務違反があったというほかない。 (イ) 相当因果関係a 加害者Hは,高校入学直後,捨てられていた自転車を勝手に乗り回して警察に補導されたことがある。ほかに,平成9年7月ころからは,稲美グループの加害者らとともに,深夜徘徊,喫煙,原付の窃盗及び無免許運転,恐喝(カツアゲ),万引き,暴行等の非行行動を繰り返していた。 b 本件においても,加害者らとともに深夜徘徊しているうちに,加害者BがAの名前を持ち出して暴行を加えることを持ちかけると,Aとは面識もないのに,憂さ晴らしや,仲間から馬鹿にされたくないとの気持ちなどからこれに安易に賛成した。そして,同年8月10日の時は見張りしかさせてもらえなかったことから,加害者Eからまたバカにされるのはしゃくにさわると思い,本件事件の時はむしろ積極的に暴行に及んでいる。そして,第1現場,第3現場で,何度もAに殴打,足蹴り,膝蹴りをしたり,倒れているAの腹部を踏み付けたりしている。 c 確かに,加害者Hは,中学時代には取り立てて表立った問題行動はなかったようである。 しかし,高校進学後,深夜徘徊,原付の窃盗や無免許運転,恐喝(カツアゲ),万引き,暴行等の非行を重 加害者Hは,中学時代には取り立てて表立った問題行動はなかったようである。 しかし,高校進学後,深夜徘徊,原付の窃盗や無免許運転,恐喝(カツアゲ),万引き,暴行等の非行を重ねる不良集団のY中学校出身の加害者らや稲美グループとの交遊があった。本件事件に先立つ平成9年8月10日ころには,加害者らとともに,加害者Bらの同級生に集団暴行を加えていた現場でも見張りをしている。 さらに,本件事件当日も,加害者Eの「誰かしばきたいの」という呼びかけにちゅうちょなく応じ,事件直前には,自転車に乗った女連れの男(同級生M)にも集団で暴行を加えている。 ここに加害者Hの暴力に対する親和性(規範意識の欠如)を容易にうかがい知ることができる。 d 被控訴人H1及び同H2は,同居する両親として,加害者Hのこのような行状・性向を容易に知ることができた。 このような加害者Hを相当な監督をせずに放任しておけば,不良仲間との深夜徘徊から,集団の暴行に発展し,場合によっては,本件事件のように,被害者に死の結果が生ずる事態も予見できたというべきである。 (ウ) まとめ被控訴人H1及び同H2の加害者Hに対する監督義務違反とAの死亡の結果との間には相当因果関係を認めるのが相当である。同被控訴人らは,不法行為責任を免れない。 (9) 加害者J関係証拠(甲45ないし53,68,乙56の1,2,乙68の1,2,乙78,原審相被告J・被控訴人J2各本人)と弁論の全趣旨によれば,次のとおり認められる。 ア加害者Jの生活状況(ア) Y中学時代a 加害者Jは,中学2年生(平成7年)のころ,バスケットボール部のレギュラーを外 と弁論の全趣旨によれば,次のとおり認められる。 ア加害者Jの生活状況(ア) Y中学時代a 加害者Jは,中学2年生(平成7年)のころ,バスケットボール部のレギュラーを外されて部活動を辞めたり,教室のポスターを燃やした犯人扱いされたりしたことがあった。これらを契機に,秋ころからは遅刻や早退が増え,週に1,2回は,加害者Kらと学校をさぼって,喫煙を始め,夜遅くまで遊びに出かけて朝まで遊ぶようになった。 b 中学3年生(平成8年)のころからは,遅刻や早退も頻繁になった。 中学3年生の中ごろからは,学校に行くふりをして友達と遊びに行ったり,深夜に帰宅することも度々であった。校内でけんかをしたこともある。 (イ) 中学卒業後a 加害者Jは,中学卒業後(平成9年4月),加害者Kと同じ造園業者のもとで住み込みで働いていた。しかし,給料が少ないことなどから2か月(同年6月ころ)で辞めてしまった。 b 加害者Jは,次の仕事に就くまでの約1か月の間,毎日昼ころから翌朝まで,Y中学校出身の加害者らのほか,稲美グループの加害者らとも一緒に遊ぶようになった。 c 加害者Jは,平成9年7月23日,とび職の仕事に就いて働き始めた。しかし,本件事件の直前には,加害者Kとともに,夜遅くまで,コンビニエンスストア,公園,仲間の家などにたむろして雑談したり,タバコを吸ったり,盗んできた原付を乗り回して遊んでいた。 d 加害者Jは,平成9年7月ころ,友達数名と自転車を盗んで警察に補導された。同年8月10日ころには,加害者Bほか大勢の仲間とともに,Y小学校の裏で加害者Bらの同級生に集団で暴力を振るったこともある。また,同月12日には,バイクの無免許運転をして警察に捕まった。 イ被控訴人J1 日ころには,加害者Bほか大勢の仲間とともに,Y小学校の裏で加害者Bらの同級生に集団で暴力を振るったこともある。また,同月12日には,バイクの無免許運転をして警察に捕まった。 イ被控訴人J1及び同J2の監督状況(ア) 生活関係加害者Jは,被控訴人J1ら両親と兄との4人家族である。被控訴人J1は廃品回収業者として稼働し,普段,帰宅するのは午後7時ころ,被控訴人J2は午後6時ころまでパートに出ていた。 (イ) Y中学時代a 被控訴人J1及び同J2は,加害者Jが中学校を休んだり遅刻,早退をするたびに,同人を学校に送って行ったり,とにかく学校に行くよう注意をしていた。夜遅くまで遊びに行っていたときは,居場所を探し回ったり,携帯電話で所在を確認して早く帰ってくるよう注意をしていた。 b しかし,加害者Jの態度は一向に改まらず,欠席・遅刻・早退は減らなかったし,夜遊びや不良交遊も続いていた。同被控訴人らにおいて,これ以上の積極的な働きかけをした形跡はない。 (ウ) 中学卒業後a 被控訴人J2は,加害者Jが,中学卒業後,夜遊びに出かけていたのは知っているが,加害者Kや他のY中学校出身の友達と,テレビやビデオを見たり,ゲームをしていると思っていた。 b 被控訴人J1及び同J2において,それ以上に,加害者Jの交遊関係を追及したり,保護者間で連絡を取り合って不良交遊をやめさせるように積極的に働きかけたりした形跡はない。 ウ被控訴人J1及び同J2の責任そこで,検討する。 (ア) 監督義務違反a 被控訴人J1及び同J2は,加害者Jが,中学卒業後も夜遊びが納まらず,平成9年6月,造園の仕事を辞めてからは,毎日のように朝まで帰らない生活を送って る。 (ア) 監督義務違反a 被控訴人J1及び同J2は,加害者Jが,中学卒業後も夜遊びが納まらず,平成9年6月,造園の仕事を辞めてからは,毎日のように朝まで帰らない生活を送っていたことを知っていた。そのころには,稲美グループとも不良交遊の範囲を広げていたようである。 b それなのに,被控訴人J1及び同J2は,加害者Jが深夜まで,誰と,どこをうろついていたのか問いただし,仲間の保護者とも連絡を取るなどして,不良交遊をやめさせるために,積極的な働きかけを何ら行っていない(加害者Jの言い訳を鵜呑みにして,具体的な交遊関係すら明らかにできていなかったようである。)。 c これでは,被控訴人J1及び同J2が,加害者Jに対する監督義務を尽くしていたとは,とてもいえるものではない。同被控訴人らに監督義務違反があったことは明らかである。 (イ) 相当因果関係a 加害者Jは,中学2年生(平成7年)のころから怠学や夜遊びが頻繁になり,けんかをしたこともある。中学卒業後(平成9年4月)は,Y中学校出身の加害者らや,稲美グループの加害者らとともに,深夜徘徊,喫煙,原付の窃盗及び無免許運転,恐喝(カツアゲ),万引き,暴行等の非行行動を繰り返している。ほかに,窃盗等による補導歴もある。 b 本件事件においても,加害者らと深夜徘徊しているうちに,加害者BがAの名前を持ち出して暴行を持ちかけると,Aとは面識もないのに,憂さ晴らしの気持ちや,仲間から馬鹿にされるという気持ちからこれに賛成し,本件事件に及んだ。そして,第1,第3現場でAを何度も殴打したり,足蹴りしたりしている。 c また,加害者Jは,中学生のころからけんかをしていたことや,平成9年8月10日ころ,加害者らととともに,加害者Bらの して,第1,第3現場でAを何度も殴打したり,足蹴りしたりしている。 c また,加害者Jは,中学生のころからけんかをしていたことや,平成9年8月10日ころ,加害者らととともに,加害者Bらの同級生に暴行を加えていること,本件事件当日にも,自転車に乗った女連れの男(同級生M)に集団で暴行を加えていることは,加害者Jの粗暴性をうかがわせるに十分である。 d 被控訴人J1及び同J2は,同居する両親として,加害者Jのこのような行状・性向を容易に知ることができた。このような加害者Jを相当な監督をせずに放任しておけば,不良仲間との深夜徘徊から,集団の暴行に発展し,場合によっては,本件事件のように,被害者に死の結果が生ずる事態も予見できたというべきである。 (ウ) まとめ被控訴人J1及び同J2の加害者Jに対する監督義務違反とAの死亡の結果との間には相当因果関係を認めるのが相当である。同被控訴人らは,不法行為責任を免れない。 (10) 加害者K関係証拠(甲54ないし56,69,乙58の1,2,乙65,79,原審相被告K・被控訴人K2各本人)と弁論の全趣旨によれば,次のとおり認められる。 ア加害者Kの生活状況(ア) Y中学校a 加害者Kは,中学2年生(平成7年)の夏ころから,喫煙を始め,無断外泊や家出をし,菓子屋に忍び込んで食べ物を盗み,単車を盗もうとして警察に補導されたことがあった。喫煙や深夜徘徊により補導されたこともある。 b 中学2年生の12月ころから中学3年生(平成8年)の12月ころまでの間,月1回,児童相談所に通っていた。しかし,中学3年生のころからは遅刻や早退も増え,行状は一向に改まらなかった。 c 加害者Kは,中学3年(平成8年)の夏ころ,加害者B の12月ころまでの間,月1回,児童相談所に通っていた。しかし,中学3年生のころからは遅刻や早退も増え,行状は一向に改まらなかった。 c 加害者Kは,中学3年(平成8年)の夏ころ,加害者B,同D,同Eら稲美グループと知り合った。中学3年生の終わりころにはほとんど学校に行かず,Y中学校出身の加害者らと不良交遊を続けていた。 d 加害者Kは,中学2年生のころ,友達8人くらいで転校生を集団で殴って怪我をさせたり,修学旅行で同級生を3人がかりでいじめて教師から注意を受けたことがある。 (イ) 中学卒業後a 加害者Kは,中学卒業後(平成9年4月),加害者Jと同じ造園業者のもとで住込みで働いていたが,給料が少ないことなどから約1か月ですぐに辞めてしまった。 その後,型枠大工の仕事に就いたが,週末の夜は,中学時代の不良仲間と真夜中や朝まで遊び回っていた。 b 加害者Kは,中学卒業後,Y中学校の加害者らのほか,加害者B,同D,同Eら稲美グループのメンバーともよく遊びに行くようになった。平成9年7月ころからは,毎晩のように,夜遅くまで,コンビニエンスストア,公園,仲間の家などにたむろして雑談したり,タバコを吸ったり,盗んできた原付を乗り回して遊んでいた。 c 加害者Kは,平成9年8月10日ころには,加害者Bほか大勢の仲間と,T小学校の裏で,加害者Bらの同級生に集団で暴力を振るったことがある。 ほかに,腹の立つ相手に集団で暴力を振るったこともある。 イ被控訴人K1及び同K2の監督状況(ア) 生活関係加害者Kは,被控訴人K1ら両親と兄との4人家族である。被控訴人K1は製鋼所の工員として稼働し,普段,夕食時までには帰宅し,被控訴人K2は日中,ミシン掛け 状況(ア) 生活関係加害者Kは,被控訴人K1ら両親と兄との4人家族である。被控訴人K1は製鋼所の工員として稼働し,普段,夕食時までには帰宅し,被控訴人K2は日中,ミシン掛けのアルバイトに出ていた。 (イ) Y中学時代a 被控訴人K1及び同K2は,加害者Kが中学校を抜け出すと厳しく注意し,学校まで後を付けたり,先生と連絡を取り合っており,中学2年生のときに警察に補導されてからは,加害者Kを連れて児童相談所にも通っている。 b 被控訴人K2は,加害者Kがバイクに乗っているのを2,3度見て,注意をしたことはあったが,それが盗んだバイクであることは聞いていなかったという。 (ウ) 中学卒業後a 被控訴人K2は,加害者Kが,中学卒業後,夜遅くまで遊びに出かけることについても,週末くらいは友達と遊びたいであろうし,同人からは,同級生の家でゲームをしたりカラオケに行っていると聞いていたので,特に気にしていなかった。 b 加害者Kの言葉を鵜呑みにし,不良交遊を慮って,深夜まで,誰と,何処で,何をしていたのかを追及するなど,積極的に働きかけた形跡はない。 ウ被控訴人K1及び同K2の責任そこで,検討する。 (ア) 監督義務違反a 被控訴人K1及び同K2は,加害者Kが中学校を抜け出すと厳しく注意し,学校まで後を付けたり,先生と連絡を取り合い,警察に補導されてからは,加害者Kを連れて児童相談所にも通うなど,それなりの監督をしたことは認められる。 しかし,加害者Kの行状は改まらず,中学卒業後は,かえって,夜遊びや不良交遊はひどくなっていった。 b それなのに,被控訴人K1及び同K2は,加害者Kが深夜まで,誰と, しかし,加害者Kの行状は改まらず,中学卒業後は,かえって,夜遊びや不良交遊はひどくなっていった。 b それなのに,被控訴人K1及び同K2は,加害者Kが深夜まで,誰と,どこをうろついていたのか問いただし,仲間の保護者とも連絡を取るなどして,不良交遊をやめさせるために,積極的な働きかけを何ら行っていない(加害者Kの言い訳を鵜呑みにして,具体的な交遊関係すら明らかにできていなかったようである。)。 c これでは,被控訴人K1及び同K2が,加害者Kに対する監督義務を尽くしたとはとてもいえない。同被控訴人らには,監督義務違反があったというほかない。 (イ) 相当因果関係a 加害者Kは,中学2年のころから,窃盗や喫煙,深夜徘徊による補導歴がある。ほかに,友人らと転校生を殴りつけてけがをさせたり,修学旅行中に同級生をいじめて先生に注意されたこともある。中学卒業後は,稲美グループのメンバーの加害者らとともに,深夜徘徊,喫煙,原付の窃盗及び無免許運転,恐喝(カツアゲ),万引き,暴行等の非行行動を繰り返している。 b 本件事件においても,加害者らとともに深夜徘徊しているうちに,加害者BがAの名前を持ち出して暴行を持ちかけると,Aとは面識もないのに,Aが平岡グループを悪く言っていたと聞いたことがあって反発する気持ちもあったことや,仲間から馬鹿にされるという気持ちなどからこれに賛成し,本件事件に及んだ。そして,各現場でAを何度も拳や木の棒で殴打したり足蹴りしたりし,タバコの火を肩付近に押し付けたりしている。 c 加害者Kが,中学生のころから複数の友人とともに転校生に暴行を加えたり,同級生をいじめて先生に注意されたり,平成9年8月10日ころ,加害者らとともに,被控訴人Bらの同級生に暴行 いる。 c 加害者Kが,中学生のころから複数の友人とともに転校生に暴行を加えたり,同級生をいじめて先生に注意されたり,平成9年8月10日ころ,加害者らとともに,被控訴人Bらの同級生に暴行を加えていること,本件事件当日にも,自転車に乗った女連れの男(同級生M)に集団で暴行を加えていることからすると,その粗暴的性向は顕著である。 d 被控訴人K1及び同K2は,同居する両親として,加害者Kのこのような行状・性向を容易に知ることができた。このような加害者Kを相当な監督をせずに放任しておけば,不良仲間との深夜徘徊から,集団の暴行に発展し,場合によっては,本件事件のように,被害者に死の結果が生ずる事態も予見できたというべきである。 (ウ) まとめ被控訴人K1及び同K2の加害者Kに対する監督義務違反とAの死亡の結果との間には相当因果関係を認めるのが相当である。同被控訴人らは,不法行為責任を免れない。 (11) 加害者L関係証拠(甲57ないし61,70,乙60の1,2,乙67,80,原審相被告L・被控訴人L2各本人)と弁論の全趣旨によれば,次のとおり認められる。 ア加害者Lの生活状況(ア) U中学時代加害者Lは,中学3年生(平成8年)でサッカー部を引退したころから,不良交遊が広がり,週に2回くらい夜遅くまで友達と遊んだり,深夜徘徊や喫煙で警察に補導されたことがある。 (イ) 中学卒業後a 加害者Lは,中学卒業後(平成9年4月),R1高等学校という全寮制の高校に入学した。しかし,校則が厳しかったことなどから1か月ほどですぐに寮を抜け出して同校を自主退学した。 b 加害者Lは,平成9年7月ころ,βの会社において,とび職見習いとして稼働したが,その 入学した。しかし,校則が厳しかったことなどから1か月ほどですぐに寮を抜け出して同校を自主退学した。 b 加害者Lは,平成9年7月ころ,βの会社において,とび職見習いとして稼働したが,その前後を通じて,知り合ったY中学校及びV中学校出身の加害者らとともに,毎晩のように夜遅くまで,コンビニエンスストア,公園,仲間の家などにたむろして雑談をしたり,タバコを吸ったり,盗んできた原付を乗り回して遊ぶようになった。 c 加害者Lは,平成9年8月10日ころには,加害者Bらとともに,T小学校の裏で,加害者Bらの同級生に集団で暴力を振るったことがある。 イ被控訴人L1及び同L2の監督状況(ア) 生活関係加害者Lは,被控訴人L1ら両親と弟妹との5人家族である。被控訴人L1は明石市内で鞄の販売店を経営し,帰宅するのは夜遅い。被控訴人L2は姫路市内の下着販売店で午後4時ころまでパートに出ていた。 (イ) U中学校時代a 被控訴人L1及び同L2は,被控訴人Lが中学生のころ,警察に補導されたことも知らなかったようである。加害者Lの部屋は外から直接出入りできるようになっていたので,深夜に同人が家を抜け出しても気が付かなかった。 b このように,息子が警察に補導されているのに気付かず,深夜に自室から出入りするのが分からないような構造の部屋のまま放置しているところに,同被控訴人らの監督意識の低さが看て取れる。 (ウ) 中学卒業後a 被控訴人L1及び同L2は,加害者Lが高校の寮を抜け出してきたときには,再度学校に戻るよう説得をし,とにかく高校に戻ってもらいたいという気持ちから,同人を家に立ち入らせないようにしたこともあった。 b しかし,加害者Lが,結局,高校を退学して, きたときには,再度学校に戻るよう説得をし,とにかく高校に戻ってもらいたいという気持ちから,同人を家に立ち入らせないようにしたこともあった。 b しかし,加害者Lが,結局,高校を退学して,とび職の見習いになった後,深夜徘徊や朝帰りを繰り返していたことを知っていたのに,心配することもなく,午後11時ころには帰宅していると思って,放任していた。加害者Lが,それ以後,家を抜け出してバイクを盗んだり,暴力行為に加担していたことや,加害者らと付き合っていたことも知らなかったというほどである。 c 加害者Lは,高校を辞めてからは,言葉遣いも荒く下品になり,頭髪も染めて,耳にピアスをし,親の言うことも聞かなくなるという非行の兆候が出ていた。それなのに,被控訴人L1及び同L2は,加害者Lが,誰と何をして深夜まで交遊しているのか,積極的に働きかけて,調べようともしていない。 ウ被控訴人L1及び同L2の責任そこで,検討する。 (ア) 監督義務違反a 被控訴人L1及び同L2は,加害者Lが,高校を自主退学したころには,再度,高校に戻るよう説得に努めたようである。しかし,加害者Lは,結局,高校を退学し,そのころから夜遊びや不良交遊はひどくなっていった。 b それなのに,被控訴人L1及び同L2は,加害者Lが深夜まで,誰と,どこをうろついていたのか問いただし,仲間の保護者とも連絡を取るなどして,不良交遊をやめさせるために,積極的な働きかけを何ら行っていない。それどころか,加害者Lが深夜に自室から出入りするのが分からないような構造の部屋のまま放置し,事実上の放任状態であった。 c 被控訴人L1及び同L2が,加害者Lに対する監督義務を放てきしていたと評されても致し方ない。同被控訴人らに監督義務違反が らないような構造の部屋のまま放置し,事実上の放任状態であった。 c 被控訴人L1及び同L2が,加害者Lに対する監督義務を放てきしていたと評されても致し方ない。同被控訴人らに監督義務違反があったことは明らかである。 (イ) 相当因果関係a 加害者Lは,中学3年生(平成8年)のころから,深夜徘徊や喫煙による補導歴があるほか,平成9年7月ころからは,稲美グループのメンバーの加害者らと,深夜徘徊,喫煙,原付の窃盗及び無免許運転,恐喝(カツアゲ),万引き,暴行等の非行行動を繰り返していた。 b 本件事件においても,加害者らと深夜徘徊しているうちに,加害者BがAの名前を持ち出して暴行を持ちかけると,Aとは面識もないのに,憂さ晴らしの気持ちや,仲間から馬鹿にされるとの気持ちなどからこれに賛成し,本件事件に及んだ。そして,じゃんけんで最初に暴行することに決まった加害者Gがすぐには手を出さなかったことから,自ら最初にAの背中を飛び蹴りし,さらに各現場で何度も拳で殴打したり足蹴りをしたほか,途中で見付けた鉄パイプで殴打したりしている。 c 加害者Lが,平成9年8月10日ころ,加害者らとともに,加害者Bらの同級生に集団で暴行を加えていること,本件事件当日にも,自転車に乗った女連れの男(同級生M)に集団で暴行を加えていることは,その粗暴的性向をうかがわせるのに十分である(加害者L自身,「荒れているときは,自分がキレると何をしとるかわからんようになるんで」などとその粗暴的性向の一端を自認している。)。 d 被控訴人L1及び同L2は,同居する両親として,加害者Lのこのような行状・性向を容易に知ることができた。このような加害者Lを相当な監督をせずに放任しておけば,不良仲間との深夜徘徊から,集団の暴行に発展し 訴人L1及び同L2は,同居する両親として,加害者Lのこのような行状・性向を容易に知ることができた。このような加害者Lを相当な監督をせずに放任しておけば,不良仲間との深夜徘徊から,集団の暴行に発展し,場合によっては,本件事件のように,被害者に死の結果が生ずる事態も予見できたというべきである。 (ウ) まとめ被控訴人L1及び同L2の加害者Lに対する監督義務違反とAの死亡の結果との間には相当因果関係を認めるのが相当である。同被控訴人らは,不法行為責任を免れない。 (12) まとめア監督義務違反(ア) 以上検討してきたとおり,加害者らは,平成9年7月ころから本件事件に至るまでの間,何人かが毎晩のように集まり,深夜から朝方まで,タバコを吸ったり,コンビニエンスストア等にたむろしたり,盗んできた原付を無免許で乗り回して遊んでいた。ときに,恐喝(カツアゲ),万引き,集団暴行(しばき)に発展することもあった(なお,こうした少年の非行集団の場合,経済的な貧困のゆえに非行に走るというものではなく,成長期特有の内的欲求の不満や自己顕示性に発することが多いことから,それが窃盗等の非粗暴行為にとどまることはほとんどなく,集団非行を重ねるうちに暴行等の粗暴行為に発展するのがむしろ通例であるということができる。)。 現に,平成9年8月10日ころには,加害者ら9名(Gを除く。)が,T小学校の裏で,加害者Bらの同級生1人に集団で暴行を加える事件を起こしている。また,本件事件当日にも,自転車に乗った女連れの男(同級生M)に集団で暴行を加えている。 本件事件も,このような粗暴的な不良交遊関係を背景とする非行行動の延長線上に位置付けることができる。 (イ) これに対し,被控訴人らは 生M)に集団で暴行を加えている。 本件事件も,このような粗暴的な不良交遊関係を背景とする非行行動の延長線上に位置付けることができる。 (イ) これに対し,被控訴人らは,加害者らが,夜間頻繁に集団で徘徊し,不良交遊を続けていたのに,その実態については,ほとんど把握できていない。 中学生あるいは中学校卒業後間もない少年(多くは無職かそれに近いような状態であった。)が,集団で深夜徘徊し,朝帰りすることも少なくなかったのであるから,普通の親であれば,なんとかして交遊の相手,行き先を突き止め,何をしているのかを詰問し,相手の保護者と連絡を取り,警察や児童相談所など関係機関とも連絡を密にするなど,不良交遊をやめさせるために,あらゆる手だてを尽くしてしかるべきである。不良交遊を断ち切るためには,場合によっては,身を挺してでも,これを阻止するということも考えられるところである(なお,加害者らは,当時,責任能力を有していたことは明らかであるが,いまだ14歳ないし16歳であり,中学生あるいは中学を卒業したばかりの年齢であって,監護者の監督が強く期待される年齢であった。また,本件事件は夏祭の日の出来事であるが,この時期の祭といった機会は集団非行や集団暴行の起こりやすい時期ないし機会であるから,監督義務者としては一段と徹底した監督義務を尽くすべきものと考えられる。)。 (ウ) ところが,本件事件当時,被控訴人らには,加害者らに対するこのような真摯な姿勢や,積極的な働きかけが全く見受けられないのである。これでは,事実上放任状態にあったと評されても致し方ないところである。 (エ) 被控訴人らは,いずれも加害者らに対する監督義務違反を免れないというべきである。 イ相当因果関係(ア) は,事実上放任状態にあったと評されても致し方ないところである。 (エ) 被控訴人らは,いずれも加害者らに対する監督義務違反を免れないというべきである。 イ相当因果関係(ア) 被控訴人らが,加害者らに対し,不良交遊を断ち切り,非行行動をやめさせるために適切な指導監督をしていれば,本件事件は起こらなかったといえる。 (イ) そして,加害者らのほとんどは,既に中学校時代から問題行動に出ていた。中には,粗暴的性向を自認する者もいる。多くは補導歴・非行歴を有していたから,被控訴人らにおいて加害者の非行傾向(粗暴的性向を含む。)を容易に把握できたはずである。 さらに,加害者らは,中学在学中から形成された不良グループ(稲美グループ)やY中学校の出身者を中心に,集団での非行(ときとして「しばき」と呼ばれる集団暴行)を重ねていた。これらグループの粗暴的傾向も顕著である。 被控訴人らは,加害者らと同居して,加害者らをその監護の下に置いていたから,その交遊関係を普通に調べれば,加害者らと粗暴的なグループとの繋がりを容易に知ることができたはずである。 このような,不良集団の特質として,他律性多象心理が集団による暴力行為(リンチ)に強く作用し,集団ヒステリー現象を引き起こして,加害者らが集団内で競うように暴力行為をエスカレートさせる蓋然性も高いとされている(甲97,98,100,弁論の全趣旨)。本件もまさにそのような事例の典型であって,個々の加害者には,Aに対する強いうらみがあるわけでもなく,中には当日初めてAと会った者もおり,単純な憂さ晴らしの者もいたが,Aに対する暴行が始まると競うように長時間残虐な暴行を執ように加えているのである。また,加害者らはAが死ぬとは思わ るわけでもなく,中には当日初めてAと会った者もおり,単純な憂さ晴らしの者もいたが,Aに対する暴行が始まると競うように長時間残虐な暴行を執ように加えているのである。また,加害者らはAが死ぬとは思わなかったというが,本件暴行は,多数の者が長時間角材,鉄パイプ,金属製工具などをも用いて執ように繰り返したものであって,必然的にAを死に至らせるような態様のものであった。普段単独では傷害事件を起こしたことがない者でも,不良集団の仲間として行動しているうちに,本件のような集団による暴行事件を実行し,その結果被害者を死に至らせるということは決して珍しいことではなく,むしろ十分にあり得るところである。 (ウ) そうすると,被控訴人らとしては,上記のような性向・行状の加害者らを相当な監督をせずに放任しておけば,いずれ,不良仲間との深夜徘徊から,集団の暴行に発展し,場合によっては,本件事件のように被害者に死の結果が生ずる事態も予見できたというべきである。 (エ) 被控訴人らの監護義務違反と,Aの死の結果との間には,相当因果関係を認めるのが相当である。被控訴人らは,控訴人らに対する不法行為責任を免れない。 3 争点(2)(控訴人らの損害額)について(1) 当裁判所も,被控訴人らが,控訴人らに対し,支払うべき損害賠償の金額は,原審で認容された加害者(原審相被告)ら10名と同様,それぞれ5199万2429円及びこれに対する不法行為の日である平成9年8月23日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金であると判断する。 その理由は,原判決の「事実及び理由」の「第3 当裁判所の判断」の「3」(原判決53頁7行目から59頁14行目まで)のとおりであるから,これを引用する。 (2) ところで,原判決言渡後の平成15年6月 由は,原判決の「事実及び理由」の「第3 当裁判所の判断」の「3」(原判決53頁7行目から59頁14行目まで)のとおりであるから,これを引用する。 (2) ところで,原判決言渡後の平成15年6月10日,加害者(原審相被告)ら10名は,控訴人らに対し,1人当たり50万円(合計500万円)を支払ったことが認められる(当事者間に争いがない。)。これらは,遅延損害金に充当されている(乙82,弁論の全趣旨)。 そうすると,現時点における,控訴人らの損害は,これら損害のてん補を考慮し,次の計算式のとおり,控訴人らそれぞれについて5199万2429円に対する平成9年8月23日から平成15年6月10日までの年5分の割合による遅延損害金(各1507万7804円〔円未満切捨て〕)から上記の弁済金各250万円を控除した各1257万7804円と,それぞれ5199万2429円及びこれに対する平成15年6月11日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金ということになる。 (計算式) 5199万2429×(0.05×5+0.05×292/365)=1507万7804円1507万7804-250万=1257万7804円第4 結論以上によれば,控訴人らの被控訴人らに対する請求は,それぞれ,被控訴人ら各自に対し,6457万0233円(損害賠償金5199万2429円と上記充当後の遅延損害金残額1257万7804円との合計額)及びうち5199万2429円に対する上記支払日の翌日である平成15年6月11日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからその限度でこれを認容すべきであるが,控訴人らの被控訴人らに対するその余の請求は理由がないからこれを棄却すべきである。 法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからその限度でこれを認容すべきであるが,控訴人らの被控訴人らに対するその余の請求は理由がないからこれを棄却すべきである。 よって,これと異なる原判決は不当であるから,原判決中,控訴人らと被控訴人らに関する部分を変更することとし,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第9民事部裁判長裁判官岩井俊裁判官鎌田義勝裁判官松田亨(別紙被控訴人目録省略)
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