- 1 - 主文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由第1 請求別紙1「処分目録」記載の各処分(なお,同別紙で定める略称等は,以下においても用いることとする。)をいずれも取り消す。 第2 事案の概要等 1 事案の要旨本件は,亡P1(平成▲年▲月▲日死亡)の相続人である原告らが,東京国税局長において,亡P1に対し,①滞納会社の滞納に係る国税につき,国税徴収法(以下「徴収法」という。)32条1項及び37条の規定に基づき,亡P1の所有に係る本件不動産1~4(以下「本件各不動産」という。)の限度において第二次納税義務を負うとして,本件告知処分1~4(以下「本件各告知処分」という。)をし,その後,②本件督促処分1~4(以下「本件各督促処分」という。)及び③本件差押処分1~4(以下「本件各差押処分」といい,本件各告知処分及び本件各督促処分と併せて「本件各処分」という。)をしたことについて,同法37条のいわゆる柱書に規定する第二次納税義務の成立要件が満たされていない旨を主張して,本件各処分(ただし,本件告知処分1については,後記3(5)オの裁決による一部取消し後のもの。)の取消しを求める事案である。 2 徴収法の定め(1)ア徴収法32条1項前段は,税務署長は,納税者の国税を第二次納税義務者から徴収しようとするときは,その者に対し,政令で定めるところにより,徴収しようとする金額,納付の期限その他必要な事項を記載した納付通知書により告知しなければならない旨を定めている。 - 2 -イ徴収法32条2項は,第二次納税義務者がその国税を同条1項の納付の期限までに完納しないときは,税務署長は,同条3項において準用する国税通則法(以下「通則法」 い旨を定めている。 - 2 -イ徴収法32条2項は,第二次納税義務者がその国税を同条1項の納付の期限までに完納しないときは,税務署長は,同条3項において準用する国税通則法(以下「通則法」という。)38条1項及び2項(繰上請求)の規定による請求をする場合を除き,納付催告書によりその納付を督促しなければならず(前段),この場合においては,その納付催告書は,国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き,その納付の期限から50日以内に発するものとする(後段)旨を定めている。 ウ徴収法32条4項は,第二次納税義務者の財産の換価は,その財産の価額が著しく減少するおそれがあるときを除き,同条1項の納税者の財産を換価に付した後でなければ行うことができない旨を定めている。 (2) 徴収法37条は,同条各号(下記ア又はイ)に掲げる者が納税者の事業の遂行に欠くことができない重要な財産(以下「重要財産」という。)を有し,かつ,当該財産に関して生ずる所得が納税者の所得となっている場合において,その納税者がその供されている事業に係る国税を滞納し,その国税につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められるときは,当該各号に掲げる者は,当該財産(取得財産を含む。)を限度として、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う旨を定めている。 ア 1号 (省略)イ 2号納税者がその事実のあった時の現況において同族会社(会社の株主等〔その会社が自己の株式又は出資を有する場合のその会社を除く。〕の3人以下並びにこれらと政令で定める特殊の関係のある個人及び法人がその会社の発行済株式又は出資〔その会社が有する自己の株式又は出資を除く。〕の総数又は総額の100分の50を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合その他政令で定める場合におけるそ 個人及び法人がその会社の発行済株式又は出資〔その会社が有する自己の株式又は出資を除く。〕の総数又は総額の100分の50を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合その他政令で定める場合におけるその会社をいう。徴収法35条1項,法人税法2条10号)である場合その判定の基礎となった株主又は社員 - 3 - 3 前提事実(証拠等の掲記のない事実は,当事者間に争いがないか,当事者において争うことを明らかにしない事実である。以下「前提事実」という。)(1) 滞納会社の概要ア滞納会社は,平成3年7月17日,養鶏業並びに鳥卵の製造加工及び販売等を目的として設立された株式会社であり,亡P1が代表取締役の職にあった。なお,滞納会社は,少なくとも,平成12年9月1日~平成13年8月31日の事業年度から平成15年9月1日~平成16年8月31日の事業年度までの間においては,亡P1が発行済株式の100%を保有する同族会社であり,亡P1は,徴収法37条2号にいう「その判定の基礎となった株主」に該当する。 イ滞納会社の売上げの大部分は,P2株式会社(以下「P2」という。)に対する液卵(鶏卵の加工品)及び冷凍卵の販売取引並びにP3株式会社(以下「P3」という。)に対する鶏卵の販売取引によるものであり,滞納会社は,P3が加工した液卵を株式会社P4(以下「P4」という。)を介して仕入れ,P2に販売していた。 ウ滞納会社は,平成16年8月31日,株主総会の決議により解散し,亡P1が清算人に就任したが,平成18年10月13日の時点において,清算が結了した旨の登記はされていない(乙1)。なお,平成16年9月1日,養鶏業等を目的とし,本店所在地を滞納会社と同一場所とする株式会社である「株式会社P5農場」(代表取締役・亡P1)が設立された(乙 結了した旨の登記はされていない(乙1)。なお,平成16年9月1日,養鶏業等を目的とし,本店所在地を滞納会社と同一場所とする株式会社である「株式会社P5農場」(代表取締役・亡P1)が設立された(乙6)。 (2) 亡P1による本件各不動産の所有等ア亡P1は,①平成8年7月5日,売買により本件不動産1-1~12の所有権を取得し,②平成9年5月31日,本件不動産1-13を新築してその所有権を取得し,③前記(1)ウのとおり滞納会社が解散した平成16年8月31日までの間,これらを所有していた(乙2の1~13)。なお, - 4 -本件不動産1は,平成18年1月1日に行政区画が変更されるまで,いずれも茨城県旧水海道市(以下「旧水海道市」という。)の区域内に所在していた(乙2の1~13)。 イ亡P1は,平成15年6月18日,売買により本件不動産2の所有権を取得し,平成16年8月31日までの間,これらを所有していた(乙3の1~5)。 ウ亡P1は,平成5年6月22日,売買により本件不動産3の所有権を取得し,平成16年8月31日までの間,これらを所有していた(乙4の1~6)。 エ亡P1は,平成15年7 月7日,有限会社P6(以下「P6」という。)との間の売買により,本件不動産4の所有権を取得し,平成16年8月31日までの間,これらを所有していた(甲5,乙4の1~6,原告P7)。なお,本件不動産4は,平成18年1月1日に行政区画が変更されるまで,いずれも旧水海道市の区域内に所在していた(乙4の1~6)。 オ滞納会社は,亡P1から本件各不動産を無償で借り受けて,これらを養鶏業の用に供していたところ(ただし,本件各不動産が養鶏業の用に供されていた時期や,そもそも本件不動産1-12及び本件不動産4-4が上記の用 は,亡P1から本件各不動産を無償で借り受けて,これらを養鶏業の用に供していたところ(ただし,本件各不動産が養鶏業の用に供されていた時期や,そもそも本件不動産1-12及び本件不動産4-4が上記の用に供されていたか否かについては,当事者間に争いがある。),滞納会社において,①本件不動産4-9~13に係る養鶏場は「第1農場」と,②本件不動産4-1~3に係る養鶏場は「第2農場」と,③少なくとも本件不動産4-5~8に係る養鶏場は「第3農場」と(本件不動産4-4が第3農場として用いられていたか否かについては,当事者間に争いがある。),④本件不動産1-7~11及び13に係る養鶏場は「第4農場」と,⑤本件不動産1-1~6に係る養鶏場は「第5農場」と,それぞれ呼称されており,また,いずれも旧水海道市の区域内に所在していたこれらの養鶏場の総称として「P8農場」との呼称も用いられていた(甲1, - 5 -弁論の全趣旨。上記①~⑤の個々の養鶏場については,特に断らない限り,以下「第1農場」のように略称する。)。なお,第1農場~第5農場を含む本件不動産1及び本件不動産4の各不動産のおおよその位置関係は,別紙図面のとおりである(乙37の1~3,38,39)。 (3) 滞納会社に対する課税の状況ア滞納会社は,練馬東税務署長に対し,平成18年8月14日,別表1のとおり,法人税,消費税及び地方消費税(税額合計1億2719万2400円)につき,期限後申告書を提出した。 イ練馬東税務署長は,滞納会社に対し,平成18年10月31日,①別表2のとおり,前記アの法人税につき期限後申告に係る無申告加算税(税額合計1146万6000円)の賦課決定処分を,②別表3の1~3のとおり,前記アの消費税及び地方消費税につき本税の更正処分(税額合計1億 り,前記アの法人税につき期限後申告に係る無申告加算税(税額合計1146万6000円)の賦課決定処分を,②別表3の1~3のとおり,前記アの消費税及び地方消費税につき本税の更正処分(税額合計1億6516万1300円)並びに同更正処分に係る無申告加算税(税額合計2477万1000円)及び前記アの期限後申告に係る無申告加算税(税額合計760万8000円)の賦課決定処分を,③別表4のとおり,源泉所得税につき本税及び不納付加算税(税額総計1511万9615円)の納税告知処分を,それぞれした(弁論の全趣旨)。 (4) 滞納処分の状況ア東京国税局長は,練馬東税務署長から,通則法43条3項の規定に基づき,別紙6「租税債権目録(1)」記載の滞納会社の滞納に係る国税について徴収の引継ぎを受けた(甲1,乙8~12,弁論の全趣旨)。 イ東京国税局長は,亡P1に対し,平成20年5月30日,前記アのとおり練馬東税務署長から徴収の引継を受けた滞納会社の滞納に係る国税(同日時点における内訳等は,別紙7「租税債権目録(2)」記載のとおり。乙8)に関し,徴収法37条2号の規定に基づき,次の(ア)~(エ)のとおり,納期限を同年6月30日とする本件各告知処分をした。なお,同年5月3 - 6 -0日の時点においては,滞納会社に営業の実体及び上記滞納に係る国税に見合う財産はなく,滞納会社の財産につき滞納処分(前記(3)イ)を執行してもなおその徴収すべき額に不足することが明らかであった。 (ア) 別表A-1記載の滞納会社の滞納に係る国税について,納付限度額を本件不動産1とする本件告知処分1(イ) 別表B-1記載の滞納会社の滞納に係る国税について,納付限度額を本件不動産2とする本件告知処分2(ウ) 別表C-1記載の滞納会社の滞納 を本件不動産1とする本件告知処分1(イ) 別表B-1記載の滞納会社の滞納に係る国税について,納付限度額を本件不動産2とする本件告知処分2(ウ) 別表C-1記載の滞納会社の滞納に係る国税について,納付限度額を本件不動産3とする本件告知処分3(エ) 別表D-1記載の滞納会社の滞納に係る国税について,納付限度額を本件不動産4とする本件告知処分4ウ東京国税局長は,本件各告知処分の第二次納税義務に係る国税が納期限である平成20年6月30日までに完納されなかったことから,同年7月8日,亡P1に対し,徴収法32条2項の規定に基づき,別表A-1記載の国税につき本件督促処分1を,別表B-1記載の国税につき本件督促処分2を,別表C-1記載の国税につき本件督促処分3を,別表D-1記載の国税につき本件督促処分4を,それぞれした。 エ東京国税局長は,本件各告知処分の第二次納税義務に係る租税債権が本件各督促処分後10日を経過しても完納されなかったことから,平成20年7月28日,徴収法47条1項及び3項並びに同法68条の規定に基づき,本件不動産1につき本件差押処分1を,本件不動産2につき本件差押処分2を,本件不動産3につき本件差押処分3を,本件不動産4につき本件差押処分4を,それぞれした。 (5) 不服申立ての状況ア亡P1は,東京国税局長に対し,平成20年7月25日,本件各告知処分及び本件各督促処分を不服として異議申立てをし,同年8月27日,本 - 7 -件各差押処分を不服として異議申立てをした(以下,本件告知処分1及び本件督促処分1に係る異議申立てを「本件異議申立て1」といい,本件告知処分2及び本件督促処分2に係る異議申立てを「本件異議申立て2」といい,本件告知処分3及び本件督 をした(以下,本件告知処分1及び本件督促処分1に係る異議申立てを「本件異議申立て1」といい,本件告知処分2及び本件督促処分2に係る異議申立てを「本件異議申立て2」といい,本件告知処分3及び本件督促処分3に係る異議申立てを「本件異議申立て3」といい,本件告知処分4及び本件督促処分4に係る異議申立てを「本件異議申立て4」といい,本件差押処分1に係る異議申立てを「本件異議申立て5」といい,本件差押処分2に係る異議申立てを「本件異議申立て6」といい,本件差押処分3に係る異議申立てを「本件異議申立て7」といい,本件差押処分4に係る異議申立てを「本件異議申立て8」という。)。 イ東京国税局長は,①平成20年10月21日,本件異議申立て1~4につき,②また,同年11月26日,本件異議申立て5~8につき,いずれも異議申立てを棄却する旨の異議決定をした(以下,本件異議申立て1~4に係る異議決定を併せて「本件異議決定1」といい,本件異議申立て5~8に係る異議決定を併せて「本件異議決定2」という。)。 ウ亡P1は,国税不服審判所長に対し,①平成20年11月21日,本件異議決定1を経た後の本件各告知処分及び本件各督促処分に不服があるとして審査請求をし,②同年12月16日,本件異議決定2を経た後の本件各差押処分に不服があるとして審査請求をした(これらの審査請求を併せて,以下「本件各審査請求」という。)。 エ亡P1は,平成▲年▲月▲日に死亡し,その相続人(配偶者又は子)である原告らが本件に関する亡P1の地位を承継した。 オ国税不服審判所長は,本件各審査請求につき,平成21年11月13日,①本件告知処分1のうち別紙1「処分目録」記載1(1)及び(2)の部分を取り消すとともに,②上記①の部分を除く本件各処分についての本件各審査請求 長は,本件各審査請求につき,平成21年11月13日,①本件告知処分1のうち別紙1「処分目録」記載1(1)及び(2)の部分を取り消すとともに,②上記①の部分を除く本件各処分についての本件各審査請求を棄却する旨の裁決(以下「本件裁決」という。)をした。 - 8 -(6) 本件訴訟の提起原告らは,平成22年5月12日,本件訴訟を提起した(当裁判所に顕著な事実)。 4 争点(1) 本件各不動産が重要財産に当たるか否か(争点1)(2) 本件各不動産に関して生ずる所得が滞納会社の所得となっていたか否か(争点2)(3) 本件各告知処分に係る第二次納税義務の賦課期間において本件各不動産が滞納会社の事業の用に供されていたか否か(争点3) 5 争点に関する当事者の主張の要点(1) 本件各不動産が重要財産に当たるか否か(争点1)についてア被告の主張の要点(ア) 重要財産の意義徴収法37条柱書の重要財産とは,一般的には判断の対象となる財産がないものとした場合において,その事業の遂行ができなくなるか又はできないおそれがある状態になると認められる程度にその事業の遂行に関係を有する財産をいうものと解されているところ(乙29),東京地方裁判所昭和37年12月25日判決・行政事件裁判例集13巻12号2271頁(以下「昭和37年東京地裁判決」という。)の判示に照らせば,納税者の事業の遂行に対して「一定の貢献」をしているか否かが,重要財産に該当するか否かの判定基準の1つになるものと解される。 (イ) 滞納会社の取引の概要滞納会社の売上げの大部分は,P2に対する液卵及び冷凍卵の販売取引並びにP3に対する鶏卵の販売取引によるものであったところ,滞納会社は,本件各不動産等の自社における養鶏場で生産さ 会社の取引の概要滞納会社の売上げの大部分は,P2に対する液卵及び冷凍卵の販売取引並びにP3に対する鶏卵の販売取引によるものであったところ,滞納会社は,本件各不動産等の自社における養鶏場で生産された鶏卵をP3に対して納入する一方,P3が鶏卵を加工した液卵を,P4を介して仕 - 9 -入れ,その液卵をP2に納品していた(乙31,32)。P3と滞納会社間における液卵販売取引は,P2に対する液卵の納品枠を有していたが割卵設備を所有していなかった滞納会社が,P3に対して,滞納会社の鶏卵を割卵してほしいとの申出をしたことから始まったものであり,滞納会社においてP2に納品する液卵をP3から調達するに当たっては,キユーピーが,その液卵の販売数量と見合いの数量の原料鶏卵を滞納会社から仕入れることが取引条件とされていた(乙32)。すなわち,P3と滞納会社間における原料鶏卵の販売及び液卵の販売という相互取引は,実質的には,滞納会社がP3に対して原料鶏卵を供給して行う液卵の加工委託取引に等しく,実際に,滞納会社の養鶏場において自社生産された原料鶏卵がP3に納入され,かつ,納入された原料鶏卵の大部分(納品書の割合:97.82%,納入数量の割合:96.95%)は,滞納会社の養鶏場で自社生産されたものであった(乙31,32,34)。なお,P3に対する原料鶏卵の販売価格については,P2への液卵の納品価格が,鶏卵市況を基準として決まるもので所与の要素であり,いわば原料価格に液卵の加工賃を上乗せする取引であったため,P3において確実に利ざやを稼げるものであったことから,滞納会社からの原料鶏卵の仕入価格は,他社と比較して高く設定されていた(乙32,33)。 (ウ) 滞納会社の売上高ないし総利益a 原告ら作成の①「別表」と題する表(甲2の2)におけ ら,滞納会社からの原料鶏卵の仕入価格は,他社と比較して高く設定されていた(乙32,33)。 (ウ) 滞納会社の売上高ないし総利益a 原告ら作成の①「別表」と題する表(甲2の2)における滞納会社の総利益の各金額は,②「(株)P5農場売上高」と題する表(甲2の1・2枚目)及び③「(株)P5農場仕入高」と題する表(甲2の1・3枚目以下)の係数を基に算出されているところ,上記①の表と上記②及び③の各表における係数の関係を対比させると,別表5「原告らが主張する滞納会社の総利益の内訳(平成15年期)」及び別表6 - 10 -の1「原告らが主張する滞納会社の総利益の内訳(平成16年期)」のとおりとなる。 b ①別表6の1のとおり,原告らは,平成16年期の滞納会社の「(養鶏)」に関する売上げにはP3に対する原料鶏卵(A卵・B卵)のみを計上しており,液卵の計上はないから,原告らが平成16年期の「(養鶏)」に関する仕入れとして計上している「P9」からの「液全卵」6899万4702円及び「冷凍全卵」2444万7327円並びに「P10」からの「生液卵」420万円の各計数は,「(液卵)」に関する売上げに対応する仕入れとして計上されるべきものである。 すなわち,原告らの算出した平成16年期の総利益の各金額は,「(養鶏)」の仕入額を多く計上する一方,「(液卵)」の仕入額を少なく計上することにより,滞納会社の総利益に占める「(養鶏)」に係る利益を少額(赤字)に計上している。②また,前記a①の表において,「経費(養鶏)」欄中の「平成15年期」欄及び「平成16年期」欄における各金額には,「増差額の内訳(損益)」と題する表(甲2の1・1枚目)の「25 一般管理費計」欄の「15/8」欄の1億347 「経費(養鶏)」欄中の「平成15年期」欄及び「平成16年期」欄における各金額には,「増差額の内訳(損益)」と題する表(甲2の1・1枚目)の「25 一般管理費計」欄の「15/8」欄の1億3471万5784円及び「16/8」欄の2億4791万6430円の各計数全額がそれぞれ計上されている一方で,「経費(液卵)」には経費が全く計上されていないが,滞納会社の液卵の販売取引において,経費が一切かからないということはあり得ないのであり,この点においても,原告らの算出した経常利益の計数は,液卵に係る計数が養鶏に係る計数よりも多額になるように算出されている。 c そこで,前記a③の表の「16/8」欄に記載された仕入高について,前記bのとおり計上に誤りのある各金額(別表6の1の「仕入」欄中の「(養鶏)」欄のア・イ・ウ)に関して,「(液卵)」に係る売上げと仕入れの対応関係に従って項目を入れ替えて再計算を行うと, - 11 -別表6の2「売上に対応する仕入を入れ替えて再計算した滞納会社の総利益の内訳(平成16年期)」のとおりとなる。これによれば,滞納会社の平成16年期の「(鶏卵)」の総利益については,3317万8695円の「赤字」であるとの原告らの主張(別表6の1の「総利益」欄中の「(養鶏)」欄参照)は誤りであり,6446万3334円の「黒字」が正当である(別表6の2の「総利益」欄中の「(養鶏)」欄参照)。そして,平成15年期及び平成16年期の「(鶏卵)」の計数を比較すると,平成15年期は,後に述べるように本件不動産1に係る養鶏場が閉鎖されていた時期であり(別表7「本件不動産の概要」参照),自社生産の原料鶏卵がP3への納入必要量に比して少ないことから,P3に納入する原料鶏卵を確保する必要があるにもかかわらず,外部調達を115万3525円(「㈲ あり(別表7「本件不動産の概要」参照),自社生産の原料鶏卵がP3への納入必要量に比して少ないことから,P3に納入する原料鶏卵を確保する必要があるにもかかわらず,外部調達を115万3525円(「㈲P11」からの鶏卵)の僅少額しか行っていないため,P3への納入額が2億9647万9707円と少なくなっており,「(養鶏)」の総利益は1億376万5967円となっている。一方,平成16年期は,本件不動産1に係る養鶏場の再稼動及び本件不動産4に係る養鶏場の増設により,P3へ納入する原料鶏卵の必要量を自社生産の鶏卵により十分に賄うことができていたことから,原料鶏卵の外部調達額が2254万4617円(「㈱P12」からの鶏卵:1099万2455円,「P9」からの規格外卵:1155万2162円)にとどまっているにもかかわらず,P3への納入額が4億6284万9807円と増加しており,「(養鶏)」の総利益も6446万3334円の黒字となっている。 d したがって,滞納会社においては,原料鶏卵の自社生産量の規模にかかわらず,いずれの年期においても,自社生産による原料鶏卵を主体としてP3に納入し,そのことによって総利益も黒字を確保しているといえる。 - 12 -(エ) 本件各不動産が重要財産に当たること前記(イ)からすれば,滞納会社とP3との間の鶏卵の販売取引は,滞納会社のP2との間の鶏卵加工品(液卵)の販売取引にも直接貢献していたものであって,本件各不動産における養鶏場での鶏卵の生産は,滞納会社の取引全体としての鶏卵の生産販売及び鶏卵加工品(液卵)の販売業に貢献していたといえる。 また,原料鶏卵の自社生産は,前記(イ)及び(ウ)のとおり,P3に対する原料鶏卵の販売価格を他社と比較して高く設定す 売及び鶏卵加工品(液卵)の販売業に貢献していたといえる。 また,原料鶏卵の自社生産は,前記(イ)及び(ウ)のとおり,P3に対する原料鶏卵の販売価格を他社と比較して高く設定することを可能とさせるとともに,P3に対する売上高ないし総利益を確保させるものであり,さらには,P2に対する液卵販売の原価面において,季節的な需給要因により変動する鶏卵市況の影響を受けることを避けつつ,外部調達に比して安価に内部調達することにより,P3への原料鶏卵の安定的供給を目的とするものであるといえ,ひいては,P2への液卵の販売取引をも安定的に継続し,もって滞納会社の事業全体の収益を高め,利益を安定的に確保することに大きな貢献をしていたといえる。 そして,滞納会社にとって最大の取引先であるP2との取引を安定的に継続するためには,本件各不動産における養鶏場において鶏卵を生産し,P3に納入することが必要不可欠であり,滞納会社における鶏卵の生産販売と鶏卵加工品(液卵)の販売は,別個独立の事業ではなく,相互に関連した鶏卵を取り扱う一体の事業と解すべきである。このことを併せ考えると,原料鶏卵の自社生産は,鶏卵等販売事業という滞納会社の事業全体に対して極めて大きな貢献をしているのであり,本件各不動産が,滞納会社の事業全体に「多大な貢献」をしていたことは明らかである。 以上のとおり,本件各不動産は,滞納会社の事業の遂行に対して「一定の貢献」をしているどころか,その貢献度合いは「多大」であり,当 - 13 -該不動産がないものとした場合において,滞納会社の事業の遂行ができなくなるか又はできないおそれがある状態になると認められる程度にその事業の遂行に関係を有する財産というべきであるから,重要財産に当た 該不動産がないものとした場合において,滞納会社の事業の遂行ができなくなるか又はできないおそれがある状態になると認められる程度にその事業の遂行に関係を有する財産というべきであるから,重要財産に当たる。 (オ) 本件不動産1-12及び本件不動産4-4が重要財産に含まれることa 本件不動産1-12の使用状況本件不動産1-12は,第4農場の鶏舎の東側に位置しているところ(乙37の3,39,45,46),平成15年8月~平成16年8月の期間におけるその使用状況は,以下のとおりであった。 (a) 平成15年8月の養鶏再開時の状況①P13株式会社(以下「P13」という。)作成の「P8農場の現況について」と題する文書(平成15年8月10日付け。乙33の別紙11。以下「P8農場現況書」という。)の「1 実態(8/9 現在)」の「② 鶏糞」の項には,「鶏舎内には鶏糞が堆積しており,…その高さ50㎝位と推測される。」と記載され,②また,P2作成の「P14養鶏場再開の件」と題する文書(同月11日付け。乙33の別紙12。以下「P14養鶏場再開文書」という。)にも,「P15養鶏場の鶏舎に堆積している糞(約50センチ)」と記載されているところ(同別紙・2(1)の第6段落),これらの文書は,滞納会社が同月に「P5農場」を再開するために鶏を搬入したことを契機として(乙33の別紙4,乙46の別紙1),「P5農場」の状況を記載したものであることから,上記①の「鶏舎」及び上記②の「P15養鶏場の鶏舎」は,いずれも,同月に鶏が搬入された第4農場及び第5農場を意味していることが明らかである。そして,P8農場現況書の「1 実態(8/9 現在)」の「① 鶏舎外周」の項の「東側のか P15養鶏場の鶏舎」は,いずれも,同月に鶏が搬入された第4農場及び第5農場を意味していることが明らかである。そして,P8農場現況書の「1 実態(8/9 現在)」の「① 鶏舎外周」の項の「東側のかなりの広さの空き地に鶏糞を持ち出して鋤き - 14 -こんでいるのが見受けられた。」との記載中の「東側のかなりの広さの空き地」とは,第4農場及び第5農場の鶏舎との位置関係からすると,本件不動産1-12及びその隣接地を指す(乙37の1~3,39)。 なお,乙46の別紙13の各写真(平成15年12月から平成16年9月にかけて,旧水海道市役所農政課職員が撮影したもの)は,同別紙中の「第4鶏舎」,「第4鶏舎脇」等の記載や,乙45の別紙4の写真(平成23年10月21日に被告指定代理人が撮影したもの)との対比からすると,第4農場の鶏舎の東側の周囲を撮影したものと認められる(なお,同別紙13の写真<45>の上部及び写真<49>の上部には「第4鶏舎西側」との表記があるが,「第4鶏舎東側」の誤記であると認められる。)。 (b) 平成15年8月から同年12月までの状況平成15年12月25日に旧水海道市役所において開かれた「P5農場(養鶏場)でのハエ発生についての会議」の資料として旧水海道市役所農政課職員が作成した「P5農場(養鶏場)における卵生産の現状」と題する文書(乙33の別紙3の3枚目,乙46の別紙4の2枚目。以下「P5農場卵生産現状書」という。)の「現在の飼養管理及び鶏糞処理の状況」の項には,「高床式の鶏舎の中は,鶏糞が溜まっており,ハエの発生源となっている。また,その高床式の鶏舎で,東側では鶏糞が外に,はみだしている。」と記載されているところ,この「高床式の鶏舎」と 状況」の項には,「高床式の鶏舎の中は,鶏糞が溜まっており,ハエの発生源となっている。また,その高床式の鶏舎で,東側では鶏糞が外に,はみだしている。」と記載されているところ,この「高床式の鶏舎」とは,第4農場の鶏舎のことを意味する(乙46の別紙9)。 (c) 平成16年2月から同年8月の状況乙46の別紙13の写真によれば,平成15年12月15日現在,本件不動産1-12には2つのため池が存在し(写真③及び④。乙 - 15 -46の別紙9の2枚目の地図の「溜池跡地」の表記参照),その後,平成16年2月から同年6月にかけて,重機を用いて第4農場の鶏舎から鶏糞を搬出して当該ため池に投棄し(写真⑧,⑫~⑯),薬品をまいたり,石灰をまいて固めた上で,土を被せたりするなどして埋め戻し(写真⑰ないし<44>),同年8月には,当該ため池が埋め立てられたことが認められる(写真<45>及び<46>)。 (d) まとめ以上のとおり,本件不動産1-12は,主として第4農場の鶏舎から排出される鶏糞の投棄場所として使用されていた。すなわち,第4農場の鶏舎においては,鶏糞処理施設が十分に稼動していなかったほか,そもそも飼養羽数に比して,鶏糞処理能力が不足していたことから(乙33の別紙5及び別紙12,乙46の別紙5),本件不動産1-12が,第4農場の鶏舎から排出される鶏糞の投棄場所として使用されたものである。 b 本件不動産4-4の使用状況について本件不動産4-4は,第3農場の鶏舎の南西側に隣接して位置しているところ(乙37の1,39,45),平成15年8月~平成16年8月の期間におけるその使用状況は,以下のとおりであった。 本件不動産4-4は,第3農場の鶏舎の南西側に隣接して位置しているところ(乙37の1,39,45),平成15年8月~平成16年8月の期間におけるその使用状況は,以下のとおりであった。 (a) 平成15年8月のP5農場の養鶏再開時の状況P2の従業員は,平成15年8月11日,亡P1から,鶏糞処理設備で処理した鶏糞は,P16養鶏場の近くに設置してある堆肥置場に保管する旨を聴取したところ(P14養鶏場再開文書〔乙33の別紙12〕2(1)第9段落),上記の「P16養鶏場」とは,第1農場ないし第3農場のことである(なお,亡P1は,本件不動産4-4も同時に購入している。)。また,旧水海道市役所農政課職員は,同月20日,P17から,「P18養鶏となり」の土地におい - 16 -て,滞納会社の養鶏場から排出された鶏糞を堆肥化させていることを聴取しているところ(乙46の別紙3),同市役所において,第3農場の鶏舎を「P18養鶏」ないし「P19」と呼称していたこと(乙46の別紙14の1枚目及び12枚目) からすれば,上記の「P18養鶏となり」の土地は,本件不動産4-4を指すものと認められる。このように,滞納会社は,同月当時から,本件不動産4-4を,養鶏場から排出される鶏糞を堆肥化させることを目的として使用していた。 (b) 平成16年4月から同年8月までの状況乙46の別紙14の各写真(平成16年2月から同年9月にかけて,旧水海道市役所農政課職員が撮影したもの)の1枚目には「(第3鶏舎)P18養鶏西側」と,同2枚目には「(第3鶏舎)P18養鶏」と,それぞれ表記されており,第3農場の鶏舎の周囲を撮影したものと認められる。そして,上記の各写真と乙4 たもの)の1枚目には「(第3鶏舎)P18養鶏西側」と,同2枚目には「(第3鶏舎)P18養鶏」と,それぞれ表記されており,第3農場の鶏舎の周囲を撮影したものと認められる。そして,上記の各写真と乙45の別紙4の写真(平成23年10月21日に被告指定代理人が撮影したもの)とを併せて見ると,第3農場の鶏舎の西側に位置する入口付近には,平成16年2月から4月にかけて,大量の鶏の死骸が放置されていたものであり(乙46の別紙14の写真①~⑥),第3農場の鶏舎の南西側に隣接する本件不動産4-4では,①同年4月14日には,土地が掘削され,鶏糞を投棄した上で盛土がされ(乙46の別紙14の写真⑦,⑨~⑱),②同年7月22日には,大量の鶏糞ベルトと思われる廃棄物が投棄され(乙46の別紙14の写真⑲及び⑳)。③同年8月13日には,大量の鶏の死骸が当該土地に投棄された(乙46の別紙14の写真<24>~<26>)ものと認められる。 (c) 以上のとおり,平成15年8月~平成16年8月の期間において,本件不動産4-4は,滞納会社の養鶏場から排出される鶏糞を堆肥 - 17 -化させる場所並びに鶏の死骸及び廃棄物を投棄する場所として使用されていたものと認められる。 c 本件不動産1-12及び本件不動産4-4が重要財産に含まれること養鶏業を遂行するに当たっては,鶏卵の生産のみならず,鶏を飼養することに伴って発生する鶏糞の処理,死鶏あるいは廃棄物等の処分についても,家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律等に基づき,環境保全に十分に配慮して実施する必要があるのであるから,上記鶏糞の処理及び死鶏等の処分は養鶏事業の一環であることは明らかである。前記a及びbのとおり,本件不動産1-12及び本件不動産 等に基づき,環境保全に十分に配慮して実施する必要があるのであるから,上記鶏糞の処理及び死鶏等の処分は養鶏事業の一環であることは明らかである。前記a及びbのとおり,本件不動産1-12及び本件不動産4-4の各不動産は,養鶏業を遂行する上で不可欠な業務である鶏糞の処理及び死鶏等の処分を行う場所として使用されていたのであるから,滞納会社の事業の用に供されていたことは明らかであり,重要財産に当たるものというべきである。 (カ) 原告らの主張についてa 原告らは,本件各不動産で自社生産された原料鶏卵は「鶏卵が不足した場合の調整用」であるなどと主張するが,そのような主張は,事実に反し,あるいは,合理性を欠くものというべきである。 b 既に述べたとおり,滞納会社における鶏卵の生産販売と鶏卵加工品(液卵)の販売は,別個独立の事業ではなく,相互に関連した鶏卵を取り扱う一体の事業と解すべきである。そして,昭和37年東京地裁判決の判示に照らせば,徴収法37条柱書に規定する重要財産に該当する要件は,専ら当該財産から事業収益の全てが発生していることなどの事情は不必要であって,飽くまで滞納会社の事業の遂行に対して「一定の貢献」をしていれば足り,重要財産該当性の判断の観点において重視すべき点は,自社養鶏場における鶏卵生産自体の事業全体に - 18 -対する貢献度であるところ,仮に原告らが主張するように,本件各不動産を調整用として使用していたとしても,本件各不動産は調整用の養鶏場として滞納会社の事業の遂行に対して「一定の貢献」をしていたことは明らかであって,それ以上に滞納会社の収益に占める本件各不動産から直接生ずる収益の割合の高低,自社養鶏場において生産された鶏卵と鶏卵加工品(液卵)との由来関係などは,重要財産該当性の考慮要素として意 らかであって,それ以上に滞納会社の収益に占める本件各不動産から直接生ずる収益の割合の高低,自社養鶏場において生産された鶏卵と鶏卵加工品(液卵)との由来関係などは,重要財産該当性の考慮要素として意味を有するものではなく,結論に影響しない。 また,原告らが主張するように,養鶏場における鶏卵の生産が,「鶏卵が不足した場合の調整用」にすぎず,かつ,その割合がP3に対し納入する鶏卵の20%~50%にとどまるものであるとしても,生産された鶏卵を必要な際に必要な分量を確保して取引先に納入できるか否かといった点は,取引先企業からみれば,安定的仕入先として滞納会社の信用を高め(仮に納品不足が常態となれば,安定的な取引はできず,滞納会社全体としての収益が下がること,及び,P3がかかる安定性を考慮して滞納会社を取引先としていたことは,容易に推認できる。),かつ,P3という有名企業との取引の有無が,滞納会社の信用を向上させ,ひいては養鶏場における鶏卵の生産販売と鶏卵加工品(液卵)の販売をその目的とする滞納会社の収益全体を高めることに多大な貢献していたことは明らかである。 したがって,上記のような原告らの主張は,およそ重要財産該当性の判断に影響を与えるものではない。 イ原告らの主張の要点(ア) 徴収法37条の重要財産の一般的な意義については,被告が前記ア(ア)で主張するように解されているところ,被告は,重要財産に当たるためには,当該財産が納税者の事業に一定の貢献をしていれば足りると主張するが,誤りである。そのような見解では,納税者が同族会社であ - 19 -った場合の代表者若しくは同族の株主所有の不動産は,全てについて一定の貢献をしていることにされ,全ての株主が第二次納税義務者になることとなる。納税 な見解では,納税者が同族会社であ - 19 -った場合の代表者若しくは同族の株主所有の不動産は,全てについて一定の貢献をしていることにされ,全ての株主が第二次納税義務者になることとなる。納税者と第二次納税義務者となるべき者は全く違う法人格であり,納税者の納めるべき税金を第二次納税義務者に納付させるにはそれなりの密接な関係になければならないから,徴収法37条所定の要件は,極めて限定的に解されなければならないものというべきである。 (イ) 滞納会社の主な事業内容は,P2との間における液卵及び冷凍卵の販売取引並びにP3との間における鶏卵の販売取引であり,これらの取引が滞納会社の売上げの大部分を占めていたところ,P3に対して納入する鶏卵のうち,滞納会社が生産したものの割合は約20%にすぎないし,滞納会社がP2に販売した液卵は,滞納会社が生産した鶏卵とは全く関係がなく,滞納会社が仕入れた液卵をP2に納めたものである。滞納会社が営んでいた養鶏場における鶏卵の生産は,鶏卵が不足した場合の調整のためであって,主たる営業ではなく,養鶏場がなくても,滞納法人の事業の遂行に支障はなかった。 常識的に考えても,液卵又は原料卵を安く仕入れてP3に売り,P3が加工したものをP2に高く得れば,滞納会社としては全くの経費なしに利益があげられるのである。一方,養鶏業は,鶏及び飼料を買い,人件費及び光熱費を払い,鶏糞の処理に多額の費用をかけなければならないのであって,養鶏業について赤字の収支となるのは,理屈として肯定できるところである。 (ウ) 滞納会社の所得のうち約70%は,他の鶏卵販売業者から購入した割卵し,加工した鶏卵の販売により得たものであって,本件各不動産を使用して養鶏場を経営することによって得たものではなく,また,滞納会社の養鶏業は,いわゆ うち約70%は,他の鶏卵販売業者から購入した割卵し,加工した鶏卵の販売により得たものであって,本件各不動産を使用して養鶏場を経営することによって得たものではなく,また,滞納会社の養鶏業は,いわゆる赤字であり,養鶏業を経営することによって得た所得について,本件における滞納会社の滞納国税は発生していない。 - 20 -滞納会社においては,利益があったから国税を支払うことを求められているのであり,液卵部門の利益について国税が課されているのであるから,重要財産に当たるか否かの判断において,利益を出すことに貢献しているかどうかは大変に重要なことである。よって,滞納会社に利益をもたらしていない養鶏業は,同社にとって事業の遂行に欠くことができない部門ではない。 (エ) 本件不動産1-12及び本件不動産4-4は,いずれも養鶏場として使用されたことはなく,差押えの対象となる不動産ではない。 a 本件不動産1-12には,2つの池が掘られており,被告主張のように鶏糞を鋤き込むことなどできる状態ではなかった。亡P1は,従業員に対し,本件不動産1-12は養鶏のために一切使用するなと指示しており,原告P7との間の幼い子のために,平成13年及び14年頃,本件不動産1-12にそれぞれ1つずつ池を作り,魚を飼っていたが,本件不動産1の養鶏場に頻繁に行くことがなくなった平成16年初め頃,危険でもあるので,これらの池を埋め戻した。 なお,被告引用のP13作成のP8農場現況書(乙33の別紙11)によっては,本件不動産1-12の状況は不明である。また,同社は,滞納会社をたたき,滞納会社に代わってP2との取引をすることを企てていたのであって,同社が,上記の文書において,平成15年8月9日の状況を正しく報告したという保証はない。 b 亡P1が購入した後の たたき,滞納会社に代わってP2との取引をすることを企てていたのであって,同社が,上記の文書において,平成15年8月9日の状況を正しく報告したという保証はない。 b 亡P1が購入した後の本件不動産4-4の状況は,現況(甲7)と変わらない。乙46の別紙3の「P18養鶏となり」との記載は,そもそも誤りであり(誰が記載したものかも不明である。),P17が旧水海道市農政課職員を案内した「たい肥置場」は,本件不動産1の土地の一部又は本件不動産4の他の土地に設けられていたものである(甲8)。平成16年8月に,猛暑のため死んだ鳥の搬出が間に合わ - 21 -ず,本件不動産4-4にこれを一時期置いたことがあるが,10㎡にも満たない範囲に短期間置いたものにすぎず,このことをもって,本件不動産4-4を養鶏場として使用していたことにはならない。 (オ) 以上からすれば,本件各不動産は,いずれも重要財産には当たらないものというべきである。 (2) 本件各不動産に関して生ずる所得が滞納会社の所得となっていたか否か(争点2)についてア被告の主張の要点(ア) 本件不動産に関して生ずる所得が滞納会社の所得となっていることa 徴収法37条柱書の「財産に関して生ずる所得が納税者の所得となっている場合」とは,重要財産から直接又は間接に生ずる所得が納税者の所得となっている場合及び所得税法その他の法律の規定又はその規定に基づく処分により納税者の所得とされる場合をいい,例えば,同族会社の判定の基礎となった株主又は社員の所有する財産をその同族会社が時価より低額で賃借しているため,その時価に相当する借賃の金額とその低額な借賃の金額との差額に相当するものが同族会社の実質的な所得になっている場合もこれに当たる (乙2 所有する財産をその同族会社が時価より低額で賃借しているため,その時価に相当する借賃の金額とその低額な借賃の金額との差額に相当するものが同族会社の実質的な所得になっている場合もこれに当たる (乙29)。 また,納税者が同族会社の場合における徴収法37条の趣旨は,法人税法2条10号に規定する同族会社にあっては,その事業によって得られる収益が,実質的には同族会社判定の基礎となった株主等によって享受される場合が多く,その株主等がその同族会社にその事業の遂行上欠くことのできないような重要な財産を提供し,その同族会社がその財産によって所得を得ているときには,その株主等は,その財産の提供によって,実質的にはその同族会社と共同事業を行っているとみることができることから,その事業によって生じた国税につきその同族会社に滞納処分をしても不足を生じるときに限り補充的にその - 22 -財産及び不足額の限度でその株主等に納税義務を負わせるものである(乙36の東京地方裁判所平成5年3月12日判決の判旨〔以下「平成5年東京地裁判決判旨」という。〕参照)。 b これを本件についてみると,滞納会社は,亡P1から本件各不動産を無償で借り受けており,受贈益としての本件各不動産の賃料相当額が,滞納会社の実質的な所得となっていると認められる。また,滞納会社のP3に対する原料鶏卵の販売取引においては,当該販売取引に係る売上金の入金口座として,亡P1の個人名義の預金口座が指定されていたのであり(乙32の別紙4参照),このことは,まさに,平成5年東京地裁判決判旨における「その事業によって得られる収益が,実質的には同族会社判定の基礎となった株主等によって享受される場合」に該当することを示すものである。 c また,これをおくとしても,既に述べたとおり ける「その事業によって得られる収益が,実質的には同族会社判定の基礎となった株主等によって享受される場合」に該当することを示すものである。 c また,これをおくとしても,既に述べたとおり,滞納会社とP3との間の鶏卵の販売取引は,滞納会社のP2との間の鶏卵加工品(液卵)の販売取引に貢献するものであり,滞納会社における鶏卵の生産販売と鶏卵加工品(液卵)の販売とは別個独立の事業ではなく,相互に関連した一体の鶏卵等販売事業と解すべきであって,仮に,原告らが主張するように,鶏卵の生産販売単体で見れば赤字であるとしても,そのことのみをもって,原告らの第二次納税義務に係る滞納会社の滞納国税が発生した所得の源泉を個別に論ずることはできず,本件各不動産から生ずる所得が,相互に関連する一体の鶏卵等販売事業として同事業に係る滞納会社の所得となっているといえる。すなわち,滞納会社の鶏卵等販売事業においては,本件各不動産で自社生産された鶏卵によって鶏卵加工品(液卵)の販売を安定的に継続し,利益の安定的な確保にも大きく貢献しているのであるから,平成5年東京地裁判決判旨に照らせば,亡P1から提供された本件各不動産と滞納会社の鶏卵等 - 23 -販売事業の所得との関係は,徴収法37条柱書にいう「財産に関して生ずる所得が納税者の所得となっている場合」に該当する。 d 仮に,原告らが主張するように,鶏卵の生産販売に係る収益が赤字であったとしても,一方で,鶏卵加工品(液卵)の販売に係る収益が多額の黒字であるから納付すべき税金が発生しているのであり,その納付すべき税額を計算する際には,結果的に,鶏卵加工品(液卵)の販売に係る収益の黒字額から鶏卵の生産販売に係る収益の赤字額が損益通算され,鶏卵加工品(液卵)の販売に係る収益の多額の黒字額が圧縮さ 納付すべき税額を計算する際には,結果的に,鶏卵加工品(液卵)の販売に係る収益の黒字額から鶏卵の生産販売に係る収益の赤字額が損益通算され,鶏卵加工品(液卵)の販売に係る収益の多額の黒字額が圧縮されるのであるから,滞納会社における養鶏業の赤字と事業全体の黒字とが関係のない事柄であるとはいえない。さらに,滞納会社の事業全体のキャッシュフローからすれば,単にP2への鶏卵加工品(液卵)の販売のみを行う場合に比べて,鶏卵の販売をも行うことによって,滞納会社はより多くの収入を得ることができ,それを滞納会社の事業全体に再投資しているのであるから,その点からしても,滞納会社の事業において,鶏卵の生産販売の損益を取り出して論ずることには意味がないというべきである。 (イ) 滞納会社の養鶏業が常に「赤字」になることに疑義があること滞納会社のP3への原料鶏卵の販売取引においては,他社と比べると原料鶏卵の仕入単価は高い部類であり(乙32),生産量も養鶏数から容易に把握でき(乙32,33),その生産方法も,廃鶏(500日令以上)を導入して強制換羽という生産効率の高い手法を中心に採用していた(乙33の別紙3の3枚目)というのであるから,滞納会社のP3への原料鶏卵の販売取引が常に赤字になることを想定することは困難である。 また,前記(1)ア(ウ)のとおり,原告らの算出した平成16年期の総利益及び経常利益の金額は,養鶏に係る利益が赤字となるように操作されていることがうかがわれる。以上からすれば,原告らが主張するように滞 - 24 -納会社の養鶏業が常に「赤字」になるとは認められないものというべきである。 イ原告らの主張の要点(ア) 滞納会社の所得のうち約70%は,他の鶏卵販売業者から購入した割卵し,加工した鶏卵の販売により得た 赤字」になるとは認められないものというべきである。 イ原告らの主張の要点(ア) 滞納会社の所得のうち約70%は,他の鶏卵販売業者から購入した割卵し,加工した鶏卵の販売により得たものであって,本件各不動産を使用して養鶏場を経営することによって得たものではなく,また,滞納会社の養鶏業は,いわゆる赤字であるから,本件における滞納会社の滞納国税は,本件各不動産が供されている事業(養鶏業)によって発生したものではない。 (イ) 滞納会社が本件各不動産を無償で使用しているとしても,本件各不動産の賃料相当額は,滞納会社の本来の事業から得る収入に比較すると全く問題とならない程の少額の賃料であり,この賃料相当額が滞納会社の実質的な所得となっているのではないから,上記の点をとらえて,徴収法37条柱書の「財産に関して生ずる所得が納税者の所得となっている場合」に該当するということもできない。 (3) 本件各告知処分に係る第二次納税義務の賦課期間において本件各不動産が滞納会社の事業の用に供されていたか否か(争点3)についてア被告の主張の要点(ア) 納税者がその供されている事業に係る国税を滞納したことの意義徴収法37条の第二次納税義務の対象となる国税は,重要財産が事業の用に供されていた期間に対応する部分の国税の額に限定されると解される(乙30)。 (イ) 本件不動産1が本件告知処分1(本件裁決による一部取消し後のもの。 特に断らない限り,以下においても同様とする。)に係る第二次納税義務の賦課期間において滞納会社の事業の用に供されていたことa 本件不動産1及びそこに所在する鶏舎の呼称等 - 25 -(a) 本件不動産1-1~6は第5農場と,本 課期間において滞納会社の事業の用に供されていたことa 本件不動産1及びそこに所在する鶏舎の呼称等 - 25 -(a) 本件不動産1-1~6は第5農場と,本件不動産7~11及び13は第4農場と,それぞれ呼ばれていたところ(前提事実(2)オ),旧水海道市役所においては,第4農場の鶏舎のことを「高床式」と,第5農場の鶏舎のことを「平飼い」と,それぞれ呼称していた(乙46の別紙9の2枚目)。 (b) 前提事実(2)ア及びエに照らせば,P2作成のP14養鶏場再開文書(乙33の別紙12)では,亡P1が平成15年7月に購入したものとされる「P16養鶏場」が本件不動産4を指し,「P15養鶏場は,休止して約5年が経過し,鶏舎の傷みもあり,これ以上放っておくとボロボロになってしまう。P16養鶏場を購入したので,この際P15養鶏場を使いたいと考え,若干手直しをした。」との記載中の「P15養鶏場」が本件不動産1を指すものであることは明らかであり,本件不動産1の鶏舎は,それ以後「若干手直し」されて利用されていたと認められる。 また,P2においては,旧水海道市内に所在する滞納会社の養鶏場を1つの養鶏場として「第1鶏舎」ないし「第5鶏舎」と呼び,そのうち「第4鶏舎」については「川を挟んだゴルフ場のすぐそば」にあって,その隣に「第3鶏舎」若しくは「第5鶏舎」があり,その他の鶏舎は少し離れていたと認識しており(乙33の3枚目),また,上記のとおり「P15養鶏場」及び「P16養鶏場」との呼称も使用されていたことが認められる。 (c) そして,本件不動産1及び本件不動産4は,①旧水海道市内に所在し,第1農場ないし第5農場の5か所の養鶏場として利用されていたこと,②第4農場の近隣に第5農場が とが認められる。 (c) そして,本件不動産1及び本件不動産4は,①旧水海道市内に所在し,第1農場ないし第5農場の5か所の養鶏場として利用されていたこと,②第4農場の近隣に第5農場が所在し,第1農場ないし第3農場は第4農場及び第5農場から少し離れているところに所在し(乙37の1~3),平成15年頃には,第4農場の場所に「P1 - 26 -5養鶏場」があって,そのそばにα川があり,α川を挟んだ向こう側にP20ゴルフ場が所在し,第1農場ないし第3農場の場所に「(有)P6」があって(乙38),この後においてもその位置関係に変動がみられないこと(乙39),③前記(b)のとおり,本件不動産1が「P15養鶏場」であり,本件不動産4が「P16養鶏場」であることからすれば,P2における「第1鶏舎」ないし「第5鶏舎」は,第1農場ないし第5農場をそれぞれ指しているものと認められる(別表7「P2」欄参照)。 b 平成15年8月(養鶏再開時)の本件不動産1の状況(a) 滞納会社は,平成15年8月,鶏を購入するなどして,第4農場及び第5農場における鶏の飼養を再開した(甲1)。旧水海道市役所農政課職員は,同月4日午前,同市議会議員からの連絡を受け,同日午後に現地調査をし,P17から,P5農場(第4農場及び第5農場の鶏舎)において養鶏を再開している事実を確認した(乙46の別紙1)。そして,同市役所環境経済部長は,滞納会社に対し,「P5農場(養鶏)における飼養再開について」と題する文書(同月7日付け。乙33の別紙4,乙46の別紙2)により,鶏糞処理についての環境対策に関する行政指導をした。 (b) P2作成のP14養鶏場再開文書(乙33の別紙12)によれば,同書面にいう「P16養鶏場」(本件不動産4)については,亡P1がこれ についての環境対策に関する行政指導をした。 (b) P2作成のP14養鶏場再開文書(乙33の別紙12)によれば,同書面にいう「P16養鶏場」(本件不動産4)については,亡P1がこれを購入した後,滞納会社が引き続き養鶏場として使用していたと認められるから,前記(a)の行政指導に係る文書 (乙33の別紙4,乙46の別紙2)における「β町γのP5農場」は,上記のとおり継続使用されていた「P16養鶏場」(本件不動産4)のことではなく,平成9年頃から休止していたと原告らが主張する「P15養鶏場」(本件不動産1)を指すものと認められる。 - 27 -(c) 以上に加えて,P13作成のP8農場現況書(乙33の別紙11)及びP2作成のP14養鶏場再開文書(乙33の別紙12)の記載にも照らせば,滞納会社が平成15年8月に本件不動産1において養鶏を再開していたことが明らかである。 c 平成15年12月~平成16年8月の本件不動産1の状況(a) 滞納会社は,平成15年11月下旬の時点で,本件不動産1-1~6(第5農場)において3万羽の鶏を,本件不動産1-7~11及び13(第4農場)において12万羽の鶏を,それぞれ飼養していたことが認められる(P5農場卵生産現状書〔乙33の別紙3の3枚目,乙46の別紙4の2枚目〕)。 (b) また,滞納会社は,①平成16年1月6日の時点では,第5農場において3万羽の鶏を,第4農場において12万羽の鶏を,それぞれ飼養しており(乙46の別紙5),②同年3月3日の時点では,第5農場において3万羽の鶏を,第4農場において15万羽の鶏を,それぞれ飼養していたことが認められる(乙46の別紙8の3枚目右上の表「P15養鶏場飼養羽数(平成16年3月3日現在)」参照 点では,第5農場において3万羽の鶏を,第4農場において15万羽の鶏を,それぞれ飼養していたことが認められる(乙46の別紙8の3枚目右上の表「P15養鶏場飼養羽数(平成16年3月3日現在)」参照)。 (c) 亡P1の署名押印のある「弊社P8農場の閉鎖について」と題する文書(平成16年4月22日付け。乙33の別紙8,乙46の別紙8の2枚目)の記載は,滞納会社が,同日当時,①第5農場において鶏を飼養し,②また,第4農場において8万羽の鶏を飼養し,③さらに,旧水海道市内の滞納会社のその他の養鶏場である本件不動産4に係る養鶏場で鶏を飼養していたことを示すものである。 (d) なお,P2作成の「P5農場(水海道)視察報告」と題する文書(平成16年5月12日付け。乙33の別紙9)には,滞納会社が同月10日に第4農場の鶏舎から鶏を搬出した旨が記載されている。 - 28 -しかし,旧水海道市役所農政課職員は,第5農場の鶏舎について,同年7月5日には一旦鶏舎からの鶏の搬出及び同鶏舎内の鶏糞の搬出が完了したが,同年8月6日には鶏舎内に鶏が搬入され(乙46の別紙9の3枚目及び別紙15の③),その後,同年9月29日の時点においても,同鶏舎内で鶏が飼養されていることを確認している(乙46の別紙15の⑤及び⑥)。そして,同市長は,その後も同鶏舎が閉鎖されていなかったことから,同年10月13日,滞納会社に対し,「P5農場閉鎖遅延について」と題する文書を送付した(乙46の別紙9の3枚目)。滞納会社は,第4農場は同年5月10日に閉鎖したが,同年10月13日当時,旧水海道市内の滞納会社の第4農場以外の養鶏場である第5農場及び本件不動産4に係る養鶏場で引き続き鶏を飼養していたものである。 (e) ①旧水海道市内の養鶏場において,平成 13日当時,旧水海道市内の滞納会社の第4農場以外の養鶏場である第5農場及び本件不動産4に係る養鶏場で引き続き鶏を飼養していたものである。 (e) ①旧水海道市内の養鶏場において,平成17年6月及び7月に鳥インフルエンザが発生していたことに関する当時の新聞記事の内容(乙40,42の1・2),②社団法人P21が同月1日付けで提供した鳥インフルエンザ問題に関する情報の内容(乙41),③亡P1が購入した「P16養鶏場」(本件不動産4)の前所有者であるP6の代表者は「P17」であるところ(乙43),滞納会社の旧水海道市内の養鶏場については,「P17氏を引き続き養鶏場の場長にし」ていたとされていること(P14養鶏場再開文書〔乙33の別紙12〕2(1)・第3段落),④本件不動産1(第4農場及び第5農場),本件不動産4(第1農場ないし第3農場)の位置関係(乙37の1~3,38,39)からすれば,第5農場が,平成17年7月1日当時,養鶏場として利用されていたことは明らかである。 (f) さらに,平成17年7月1日のインターネット記事(乙44)に照 - 29 -らせば,第5農場は,少なくとも同日より1年前,すなわち,平成16年7月1日以降も養鶏場として利用されていたものと認められる。 (g) このように,滞納会社は,旧水海道市内の養鶏場について,P2が閉鎖を確認した第4農場以外の養鶏場も平成16年9月末までに全て閉鎖するとしていたが(乙33の3枚目・4(2)エ及び別紙8),実際は,第4農場のみを閉鎖しただけで,鳥インフルエンザにより強制的に鶏が殺処分されるに至るまで,依然として旧水海道市内において養鶏業を行い,本件不動産4に係る養鶏場(第1農場ないし第3農場)並びに本件不動産1-1~6(第5農場)で養鶏 インフルエンザにより強制的に鶏が殺処分されるに至るまで,依然として旧水海道市内において養鶏業を行い,本件不動産4に係る養鶏場(第1農場ないし第3農場)並びに本件不動産1-1~6(第5農場)で養鶏を行っていたものである。 なお,本件不動産1-12は,前記(1)ア(オ)aのとおり,第4農場が稼動していた期間,主として第4農場の鶏舎から排出される鶏糞を堆肥化させる場所あるいは鶏糞を投棄する場所として事業の用に供されていた。 d 小括以上のとおり,①本件不動産1-1~6は,遅くとも平成15年9月1日から滞納会社が解散した平成16年8月31日までの期間について,②本件不動産1-7~13は,遅くとも平成15年9月1日から平成16年3月31日までの期間について,養鶏場又は養鶏場から排出される鶏糞を堆肥化させる場所若しくは鶏糞を投棄する場所として滞納会社の事業の用に供されていたものであり,そのことは,滞納会社とP3との間の取引状況からも明らかである(乙31の3枚目・4(3)エ)。 (ウ) 本件不動産2が本件告知処分2に係る第二次納税義務の賦課期間において滞納会社の事業の用に供されていたこと - 30 -滞納会社とP3との間の取引状況によれば,亡P1が当該不動産を取得した平成15年6月18日から滞納会社が解散した平成16年8月31日までの期間について,養鶏場として滞納会社の事業の用に供されていたことが認められる(乙31の2枚目・4(3)ア。原告らは,本件不動産2を養鶏場として使用していた期間の終期については何ら主張していないものの,その始期は当該不動産を取得した平成15年6月18日と主張していることからすれば,本件不動産2が養鶏場として滞納会社の事業の用に供されていた期間につ た期間の終期については何ら主張していないものの,その始期は当該不動産を取得した平成15年6月18日と主張していることからすれば,本件不動産2が養鶏場として滞納会社の事業の用に供されていた期間については,争いがないというべきである。)。 そして,本件告知処分2に係る滞納国税(乙10,別表B-1)については,亡P1が本件不動産2を取得した以降において滞納会社の事業の用に供された期間を考慮して,当該期間に相当する税額につき,第二次納税義務者として納付すべき金額としており,本件不動産2からの徴収可能な滞納国税の限度額(別表B-2)の範囲内の金額であることは明らかである。 (エ) 本件不動産3が本件告知処分3に係る第二次納税義務の賦課期間において滞納会社の事業の用に供されていたこと滞納会社とP3との間の取引状況からすれば,少なくとも平成14年10月1日~平成16年2月9日の期間について,養鶏場として滞納会社の事業の用に供されていたことが認められる(乙31の3枚目・4(3)イ。原告らは,本件不動産3を養鶏場として使用していた期間の始期について何ら主張しておらず,一方で,その終期について,平成16年2月9日まで滞納会社において養鶏場として使用していた旨認めていることからすれば,本件不動産3が養鶏場として滞納会社の事業の用に供されていた期間については,争いがないというべきである。)。 (オ) 本件不動産4が本件告知処分4に係る第二次納税義務の賦課期間にお - 31 -いて滞納会社の事業の用に供されていたこと本件不動産4は,亡P1が平成15年7月7日にP6から売買により取得しているところ,P2作成のP14養鶏場再開文書(乙33号証の別紙12。前記(イ)a(b)のと に供されていたこと本件不動産4は,亡P1が平成15年7月7日にP6から売買により取得しているところ,P2作成のP14養鶏場再開文書(乙33号証の別紙12。前記(イ)a(b)のとおり,同文書にいう「P16養鶏場」は本件不動産4を指すものである。)によれば,前記(イ)bで述べたとおり,その後,滞納会社が引き続き養鶏を行っていたことが認められる。また,滞納会社は,前記(イ)cで述べたとおり,平成17年7月1日より後の鳥インフルエンザにより強制的に鶏が殺処分されるに至るまで,依然として養鶏を行っていた。さらに,本件不動産4-4は,前記(1)ア(オ)bで述べたとおり,遅くとも平成15年8月~平成16年8月の間,滞納会社の養鶏場から排出される鶏糞の処理のため,当該鶏糞を堆肥化させる場所並びに鶏の死鶏及び廃棄物を投棄する場所として事業の用に供されていた。したがって,本件不動産4については,平成15年7月7日から滞納会社が解散した平成16年8月31日までの期間について,養鶏場又は養鶏場から排出される鶏糞を堆肥化させる場所若しくは鶏糞,死鶏,廃棄物等を投棄する場所として滞納会社の事業の用に供されていたことは明らかであり,そのことは,滞納会社とP3との間の取引状況からも明らかである(乙31の3枚目・4(3)ウ。なお,原告らは,本件不動産4につき,平成15年7月7日に亡P1が売買により取得しており,取得する以前に発生した国税について,P1が第二次納税義務者となることはない旨主張していることからすれば,その始期は同日であると解され,一方で,その終期については何ら主張していないのであるから,本件不動産4が,養鶏場として滞納会社の事業の用に供されていた期間について,当事者間に争いはないというべきである。)。 そして, の終期については何ら主張していないのであるから,本件不動産4が,養鶏場として滞納会社の事業の用に供されていた期間について,当事者間に争いはないというべきである。)。 そして,本件告知処分4に係る滞納国税(乙12,別表D-1)については,亡P1が本件不動産4を取得した以降において滞納会社の事業の - 32 -用に供された期間を考慮して,当該期間に相当する税額につき,第二次納税義務者として納付すべき金額としており,本件不動産4からの徴収可能な滞納国税の限度額(別表D-2)の範囲内の金額であることは明らかである。 (カ) 小括以上のとおり,本件各不動産は,本件各告知処分(本件告知処分1については,本件裁決による一部取消し後のもの)に係る第二次納税義務の賦課期間において,いずれも養鶏場又は養鶏場から排出される鶏糞を堆肥化させる場所若しくは鶏糞,死鶏,廃棄物等を投棄する場所として,滞納会社の取引全体としての鶏卵等販売事業に供されていることは明らかである 。 イ原告らの主張の要点(ア) 本件不動産1については,ハエの発生による隣接するゴルフ場(P20ゴルフ場)等とのトラブルにより,平成9年12月初旬に鶏を全部排除し,同月26日以降,滞納会社の解散まで養鶏はしていない。 亡P1は,当時取引をしていた飼料メーカーのP22株式会社(以下「P22」という。)から,本件不動産4の養鶏場を買収するよう依頼を受け,①同社が,上記養鶏場の管理,鶏の飼育,鶏卵の販売等を全て引き受けてくれていたこと,②上記養鶏場の鶏糞の処理機能を利用することによって,上記のとおり休止していた本件不動産1における養鶏業を再開することができるのではと考えたことから,本件不動産4を購入した。ところが,その直後 と,②上記養鶏場の鶏糞の処理機能を利用することによって,上記のとおり休止していた本件不動産1における養鶏業を再開することができるのではと考えたことから,本件不動産4を購入した。ところが,その直後である平成15年10月にP22が倒産し,また,1億3800万円もの大金を出して購入した本件不動産4の養鶏場は,設備が欠陥だらけで,その修理費用に更に5200万円もの大金を要した上,購入に際して言われていたほどの鶏糞の処理能力もなかった。 - 33 -亡P1は,本件不動産1に少しの鶏を入れてはみたが,本件不動産4の養鶏場の管理等を約束していたP22が倒産し,本件不動産1の養鶏場にまで手が回らず,結局,本件不動産1における養鶏業は閉鎖したままであった。 (イ) 亡P1は,本件不動産2については平成15年6月18日に,本件不動産4については平成15年7月7日に,それぞれ売買により取得しており,それ以前では亡P1の所有ではない。したがって,亡P1が取得する以前に発生した国税について,亡P1が第二次納税義務者となることはない。 (ウ) 本件不動産3については,平成16年2月9日まで滞納会社において養鶏場として使用していたことは認める。 (エ) 滞納会社において,本件不動産1-12及び本件不動産4-4を養鶏場として使用したことがないことは,前記(1)イ(エ)のとおりである。 第3 当裁判所の判断 1 本件各告知処分に係る第二次納税義務の賦課期間において本件各不動産が滞納会社の事業の用に供されていたか否か(争点3)について(1) 徴収法37条柱書にいう「その供されている事業に係る国税」の意義第二次納税義務の制度は,私法上は第三者に財産が帰属している場合であっても,実質的には納税者にその財産が帰属している場合と同視しても公平 収法37条柱書にいう「その供されている事業に係る国税」の意義第二次納税義務の制度は,私法上は第三者に財産が帰属している場合であっても,実質的には納税者にその財産が帰属している場合と同視しても公平を失しないようなときにおいて,上記の第三者に対して補充的に納税義務を負担させることにより,徴税手続の合理化を図るためのものであって,本来の納税者の財産につき滞納処分を執行してもなお徴収すべき国税の額に不足すると認められる場合に限り,その者と一定の関係がある者に対し,第2次的にその納税義務を負わせようとする制度である。そして,同法37条は,同条各号所定の者が,納税者に対し,その事業の遂行上欠くことのできないような重要な財産を提供し,その財産に関して生ずる所得が納税者の所得と - 34 -なっているときには,同条各号所定の者は,その財産の提供によって,実質的には納税者と共同して事業を営んでいるとみることができることから,納税者の経営する事業に係る国税について,その納税者の財産につき滞納処分を執行してもなお徴収すべき国税の額に不足を生じるときに限り,補充的にその財産及び不足額の限度で,同条各号所定の者に納税義務を負わせたものであると解される。このような同条の趣旨に照らせば,納税者が同族会社の場合(同条2号参照)における同条柱書にいう「その供されている事業に係る国税」は,当該同族会社の経営する事業に係る全ての国税のうち当該重要財産が当該同族会社の事業の遂行に供されていた期間に対応するものに限られるものと解するのが相当である。 (2) 本件各不動産及びそこに所在する鶏舎の呼称等ア滞納会社において,①本件不動産4-9~13に係る養鶏場は「第1農場」と,②本件不動産4-1~3に係る養鶏場は「第2農場」と,③少なくとも本件不動産4-5~8に 及びそこに所在する鶏舎の呼称等ア滞納会社において,①本件不動産4-9~13に係る養鶏場は「第1農場」と,②本件不動産4-1~3に係る養鶏場は「第2農場」と,③少なくとも本件不動産4-5~8に係る養鶏場は「第3農場」と,④本件不動産1-7~11及び本件不動産1-13に係る養鶏場は「第4農場」と,⑤本件不動産1-1~6に係る養鶏場は「第5農場」と,それぞれ呼称されており,これらの養鶏場の総称として「P8農場」との呼称も用いられていた(前提事実(2)オ)。また,後記エのP2における呼称が用いられることもあった(乙46の別紙8の2枚目)。なお,これらの農場を養鶏の用に用いていた滞納会社は,本件不動産4の前所有者であるP6の代表者であるP17を第1農場~第5農場の責任者として,その運営管理を任せていた(乙33,41,42の1・2,44,46,弁論の全趣旨)。 イ旧水海道市役所においては,①第3農場の鶏舎を「P18養鶏」又は「P19」と,②第4農場の鶏舎を「高床式」と,③第5農場の鶏舎を「平飼い」と,それぞれ呼称することがあった(乙46)。 ウ ①本件各不動産の所在地及び亡P1がその所有権を取得した時期(前提 - 35 -事実(2)ア,エ及びオ),②平成15年11月及び平成18年3月発行の「P23」(乙38,39)において,本件不動産4にほぼ対応する場所に「(有)P6」との記載がされ,本件不動産1中の第4農場に対応する場所に「P15養鶏場」との記載がされていることに照らせば,P2作成のP14養鶏場再開文書(平成15年8月11日付け。乙33の別紙12)に記載されている亡P1の発言中において,平成15年7月に購入したとされている「P16養鶏場」が本件不動産4を指し,「P15養鶏場は,休止して約5年が経過し,鶏舎の傷みもあり,これ以上放 別紙12)に記載されている亡P1の発言中において,平成15年7月に購入したとされている「P16養鶏場」が本件不動産4を指し,「P15養鶏場は,休止して約5年が経過し,鶏舎の傷みもあり,これ以上放っておくとボロボロになってしまう。P16養鶏場を購入したので,この際P15養鶏場を使いたいと考え,若干手直しをした。」との部分における「P15養鶏場」が本件不動産1を指すものであると認められる。 エ P2においては,旧水海道市内に所在する滞納会社の養鶏場を「第1鶏舎」ないし「第5鶏舎」と呼び,これらを全体として1つの養鶏場と見ていた(乙33)。そして,①本件不動産1及び本件不動産4は,旧水海道市内に所在し,第1農場ないし第5農場の5つの養鶏場として利用されていたこと(前提事実(2)オ),②「第1鶏舎」ないし「第5鶏舎」の位置関係は,「第4鶏舎は川を挟んだゴルフ場のすぐそばにあり,その隣に,第3若しくは第5鶏舎があったが,他の鶏舎は少し離れていた。」とされているところ(乙33),③第4農場の近隣に第5農場が所在し,第1農場ないし第3農場は第4農場及び第5農場から少し離れているところに所在し,第4農場のそばにはα川が流れており,α川を挟んだ向こう側にP20ゴルフ場が所在していたものであり,このような位置関係に変動が生じたような事情もうかがわれないこと(前提事実(2)オ,乙37の1~3,38,39,原告P7),④滞納会社は,旧水海道市内において,第1農場ないし第5農場以外の場所で養鶏場を営んでいたことはないこと(原告P7)などからすれば,P2における「第1鶏舎」ないし「第5鶏舎」は, - 36 -第1農場ないし第5農場をそれぞれ指しているものと認められる(別表7の「P2」欄参照)。 オ ①P3においては,鳥インフルエンザが発生した場合等に 第1鶏舎」ないし「第5鶏舎」は, - 36 -第1農場ないし第5農場をそれぞれ指しているものと認められる(別表7の「P2」欄参照)。 オ ①P3においては,鳥インフルエンザが発生した場合等に納品された鶏卵がどこで生産されたものかを明らかにすることができるようにするために,滞納会社に農場名のリスト(乙31の別紙2)を作成させるとともに,同社に対し,納品に係る鶏卵を生産(採卵)した養鶏場等を納品書に記入することを求めており,特に平成16年以降は厳格にこれを履行させていたところ(乙31,32),②上記リストの記載内容及びその作成経緯,前記アにおいて述べた滞納会社における養鶏場の呼称,本件各不動産の所在地(乙2の1~5の17)に照らせば,P3においては,本件各不動産に係る各養鶏場を,別表7の「P3」欄中の「産地名」欄にそれぞれ記載されているとおり呼称していたものと認められ,③また,乙31及び32によれば,滞納会社とP3の取引に係る納品書に記載されている養鶏場名(納品書に括弧書等で付記されている。上記①に照らせば,納品に係る鶏卵が生産された養鶏場を示すものと解される。)と本件各不動産との対応関係は,別表7の「P3」欄中の「納品書」欄に記載されているとおりであると認められる。 なお,上記③の点に関して,原告P7は,本人尋問において,上記納品書の「P5農場(N)」との記載(別表7の「P3」欄中の「納品書」欄の「N」)の意味について,滞納会社における鶏卵の外部調達先である「有限会社P24」を示すものであり,P25(本件不動産2)を示すものではないとの供述をするが,<ア>上記③の認定に沿うP3の従業員の供述(乙31,32)と食い違うものである上,<イ>滞納会社とP3の取引に係る納品書には,「P5農場(N)」との記載がされているもののほかに との供述をするが,<ア>上記③の認定に沿うP3の従業員の供述(乙31,32)と食い違うものである上,<イ>滞納会社とP3の取引に係る納品書には,「P5農場(N)」との記載がされているもののほかに,「P26扱」との記載がされた上で「有限会社P24」とのゴム判が押されたものがあること(乙32の別紙5・1枚目左下参照)及び<ウ>P - 37 -3において採卵をした養鶏場等を納品書に記入させることとした目的等(上記①)に照らし,亡P1が本件不動産2の所有権を取得した後に関しては,上記のような原告P7の供述は,採用することができない。なお,乙31及び34によれば,亡P1が本件不動産2の所有権を取得する以前における取引に係る納品書の中にも,鶏卵を生産した養鶏場として「N」と記載されているものがあることが認められるが,亡P1が本件不動産2の所有権を有していなかったことの一事をもって,滞納会社がそこで鶏卵の生産をしていたことを否定することはできないというべきであるから,この点も,当裁判所の上記認定,判断を左右するものではないものというべきである。 (3) 本件不動産1が本件告知処分1に係る第二次納税義務の賦課期間において滞納会社の事業の用に供されていたか否かについてア本件不動産1-7~11及び13(第4農場)並びに本件不動産1-1~6(第5農場)について(ア) 前提事実,前記(2)の各事実,後掲の証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 a 滞納会社においては,ハエの大量発生による近隣住民からの苦情等のため,第4農場及び第5農場における養鶏を停止していたが,平成15年7月に亡P1が本件不動産4(第1農場~第3農場)を購入したことをきっかけとして,同年8月,第4農場及び第5農場の使用再開を試み,そこに鶏を搬入した(甲5 場における養鶏を停止していたが,平成15年7月に亡P1が本件不動産4(第1農場~第3農場)を購入したことをきっかけとして,同年8月,第4農場及び第5農場の使用再開を試み,そこに鶏を搬入した(甲5,乙33,46,原告P7)。 b 滞納会社は,①平成15年11月下旬及び平成16年1月初旬の各時点では,第4農場において12万羽の鶏を,第5農場において3万羽の鶏を,それぞれ飼養しており,②また,同年3月3日の時点では,第4農場において15万羽の鶏を,第5農場において3万羽の鶏を,それぞれ飼養していた(乙33,46)。 - 38 -c ところで,滞納会社は,旧水海道市役所環境経済部長から,平成15年8月7日付けで,旧水海道市β町内で養鶏を再開するに当たっては,「環境対策を十分に行い,悪臭及びハエが発生しないような飼育管理を行っていただきたい」との行政指導を受けていたが,同年12月,第4農場の鶏舎の中に溜まった鶏糞のためにハエが大量発生し,近隣住民から苦情が寄せられる事態となった(乙33,46)。滞納会社の代表者である亡P1は,旧水海道市長に対し,平成16年4月22日,「水海道の農場については全て閉鎖致します。」と申し出て,①同年4月22日の時点において8万羽の鶏を飼養していた第4農場の鶏舎については同年5月5日までに,②第5農場の鶏舎については同年6月末までに,③その他の鶏舎(本件不動産4に係る第1農場~第3農場)については同年9月末までに,いずれも「鶏アウト及び鶏糞処理を完了」する旨を約した(乙33,46)。 d 滞納会社は,第4農場の鶏舎については,平成16年5月10日に鶏の搬出を完了させた(乙33)。一方,滞納会社は,第5農場の鶏舎については,同年7月5日に一旦は鶏及び鶏糞の搬出を完了させたが,同年8月6日及び同年9月29 鶏舎については,平成16年5月10日に鶏の搬出を完了させた(乙33)。一方,滞納会社は,第5農場の鶏舎については,同年7月5日に一旦は鶏及び鶏糞の搬出を完了させたが,同年8月6日及び同年9月29日の時点では,同鶏舎内における鶏の飼養を継続していたため,旧水海道市長は,滞納会社に対し,同年10月13日,第1農場~第3農場及び第5農場の各鶏舎における鶏及び鶏糞の処理計画等につき同月29日までに回答することを求める旨の「P5農場閉鎖遅延について」と題する文書(乙46の別紙9の3枚目)を送付した(乙46)。 (イ) 前記(ア)の各事実に,<a>滞納会社とP3の間における,納品書に本件不動産1に係る養鶏場(第4農場又は第5農場)において生産されたことを示す記載のある鶏卵の取引状況(乙31の別表2の「4(2)エの不動産別紙不動産目録29ないし41」欄,乙34の別表1参照),<b - 39 ->旧水海道市内の養鶏場において平成17年6月及び7月に鳥インフルエンザが発生したことに関する当時の新聞記事等の内容(乙40,42の1・2,44。殊に,乙44〔同年7月1日付けの記事〕中のP17の発言は,第1農場~第3農場及び第5農場において,平成16年7月以降も継続的に養鶏業が営まれてきたことを前提としていると理解することができるものである。)なども勘案すると,①本件不動産1-1~6(第5農場)は,遅くとも平成15年9月1日から滞納会社が解散した平成16年8月31日までの期間について,②本件不動産1-7~11及び13(第4農場)は,遅くとも平成15年9月1日から平成16年3月31日までの期間について,養鶏場として滞納会社の事業の用に供されていたものと認められる。 証拠(甲5,原告P7)のうち以上の認定,判断と異なる部分は,客観的な裏付けに欠け 1日から平成16年3月31日までの期間について,養鶏場として滞納会社の事業の用に供されていたものと認められる。 証拠(甲5,原告P7)のうち以上の認定,判断と異なる部分は,客観的な裏付けに欠けるものといわざるを得ないことや,上記のような当裁判所の認定,判断に沿う証拠(乙31,33,46)に照らし,採用することができない。 イ本件不動産1-12について(ア) ①本件不動産1-12(登記記録上の面積1388㎡)は,第4農場及び第5農場の東側に位置する近隣地であること(前提事実(2)オ),②上記①のような位置関係や,亡P1が本件不動産1-1~11と同時に本件不動産1-12の所有権を取得していること(前提事実(2)ア①)に照らせば,亡P1においては,本件不動産1-12についても,本件不動産1-1~11(第4農場及び第5農場)と一体的に利用することを念頭に置いて,その所有権を取得したものと見るのが自然であるというべきこと,③P13作成のP8農場現況書(乙33の別紙11)及びP2作成のP14養鶏場再開文書(乙33の別紙12。いずれも,滞納会社が平成15年8月に「P5農場」〔第4農場及び第5農場〕に - 40 -鶏を搬入したことを契機として作成された,同月当時の第4農場及び第5農場の状況等を記載した文書である。)によれば,第4農場及び第5農場の鶏舎内は高さ約50㎝にわたり鶏糞が堆積しており,滞納会社において,当該鶏舎の「東側のかなりの広さの空き地」(上記①からすれば,本件不動産1-12及びその隣接地を指すものと認められる。)に鶏糞を持ち出して鋤きこんでいたと認められること,④旧水海道市役所農政課職員作成のP5農場卵生産現状書 (乙33の別紙3の3枚目,乙46の別紙4の2枚目),乙33の別紙5及び別紙12並びに乙46の別紙5 持ち出して鋤きこんでいたと認められること,④旧水海道市役所農政課職員作成のP5農場卵生産現状書 (乙33の別紙3の3枚目,乙46の別紙4の2枚目),乙33の別紙5及び別紙12並びに乙46の別紙5によれば,第4農場の鶏舎においては,鶏糞処理施設が十分に稼動していなかった上,そもそも飼養羽数に比して,鶏糞処理能力が不足しており,同年12月の時点において,鶏舎の中に鶏糞が溜まってハエの発生源となっており,鶏舎の東側では鶏糞が鶏舎外にはみ出している状況になっていたと認められること,⑤乙46の別紙9の2枚目の地図及び別紙13の各写真(平成15年12月から平成16年9月にかけて旧水海道市役所農政課職員が撮影したもの。同別紙中にこれらの写真が「第4鶏舎」〔第4農場の鶏舎を意味する。〕の周囲の写真であることを示すものと解される書込みがされていることや,被告指定代理人が平成23年10月に撮影した乙45の別紙4の写真との対比〔乙45の別紙4の写真⑤及び⑥,乙46の別紙13の写真⑧,⑲及び<23>〕に照らすと,第4農場の鶏舎の東側の周囲を撮影したものと認められる。)によれば,平成16年2月~同年6月の間に,第4農場の鶏舎から重機を用いて搬出した鶏糞を,本件不動産1-12に存在していた2つのため池に投棄し,そこに薬品をまいたり,石灰をまいて固めたりした上で,土を被せるなどし,同年8月には上記各ため池が完全に埋め立てられたものと認められることからすれば,本件不動産1-12は,遅くとも平成15年9月1日から平成16年3月31日までの期間について,養鶏 - 41 -場から排出される鶏糞を投棄する場所等として滞納会社の事業の用に供されていたものと認めるのが相当である。 (イ) この点,原告らは,本件不動産1-12は養鶏場として使用されたことはなく,また, -場から排出される鶏糞を投棄する場所等として滞納会社の事業の用に供されていたものと認めるのが相当である。 (イ) この点,原告らは,本件不動産1-12は養鶏場として使用されたことはなく,また,P13作成のP8農場現況書(乙33の別紙11)において,平成15年8月の状況が正しく報告されているという保証はないなどと主張し,原告P7もこれに沿う供述をするが,上記(ア)に掲げた当裁判所の認定,判断に沿う証拠に照らし,採用することができない(なお,平成15年8月当時の第4農場及び第5農場の状況等についてのP8農場現況書〔乙33の別紙11〕の記載は,P2作成のP14養鶏場再開文書〔乙33の別紙12〕等の他の証拠や,その後の本件不動産1-12の利用状況とも整合するものと認められ,信用するに足るものであるというべきである。)。 ウ小括以上のとおり,①本件不動産1-1~6は,遅くとも平成15年9月1日から滞納会社が解散した平成16年8月31日までの期間について,②本件不動産1-7~13は,遅くとも平成15年9月1日から平成16年3月31日までの期間について,養鶏場又は養鶏場から排出される鶏糞を堆肥化させる場所若しくは鶏糞を投棄する場所として滞納会社の事業の用に供されていたものと認められる。したがって,本件不動産1は,本件告知処分1に係る第二次納税義務の賦課期間(別表A-2参照)において,滞納会社の事業の用に供されていたものということができる。 (4) 本件不動産2が本件告知処分2に係る第二次納税義務の賦課期間において滞納会社の事業の用に供されていたか否かについて滞納会社とP3の間における,納品書に本件不動産2に係る養鶏場(P25)において生産されたことを示す記載のある鶏卵の取引状況(乙31の別表2の「4(2)アの不動産別紙不動産 ていたか否かについて滞納会社とP3の間における,納品書に本件不動産2に係る養鶏場(P25)において生産されたことを示す記載のある鶏卵の取引状況(乙31の別表2の「4(2)アの不動産別紙不動産目録1ないし5」欄,乙34の別表 - 42 -1参照)に照らせば,本件不動産2は,亡P1がその所有権を取得した平成15年6月18日から滞納会社が解散した平成16年8月31日までの期間について,養鶏場として滞納会社の事業の用に供されていたことが認められる(乙31。なお,原告らは,その平成22年11月8日付け第1準備書面第2の9冒頭において,被告の答弁書第4の1(2)エ(イ)〔本件不動産2が滞納会社の事業の用に供されていた期間に関する被告の主張を含む部分〕の全体につき「否認乃至争う。」との認否をしているものの,本件不動産2につき,亡P1がこれを取得する以前に発生した国税について同人が第二次納税義務者となることはない旨,滞納会社が本件不動産2を養鶏場として使用していた期間の始期を,被告と同様に亡P1が当該不動産を取得した平成15年6月18日とする趣旨と理解し得る主張をする一方で,その終期については具体的に主張していないこと〔前記第2の5(3)イ(イ)〕に照らせば,原告らにおいて,本件不動産2が養鶏場として滞納会社の事業の用に供されていた期間については,積極的に争っていないものといい得るところである。)。 そうすると,本件不動産2は,本件告知処分2に係る第二次納税義務の賦課期間(別表B-2参照)において,滞納会社の事業の用に供されていたものということができる。 (5) 本件不動産3が本件告知処分3に係る第二次納税義務の賦課期間において滞納会社の事業の用に供されていたか否かについて滞納会社とP3の間における,納品書に本件不動産2に係る養鶏 できる。 (5) 本件不動産3が本件告知処分3に係る第二次納税義務の賦課期間において滞納会社の事業の用に供されていたか否かについて滞納会社とP3の間における,納品書に本件不動産2に係る養鶏場(P26農場)において生産されたことを示す記載のある鶏卵の取引状況(乙31の別表2の「4(2)イの不動産別紙不動産目録6ないし11」欄,乙34の別表1参照)に照らせば,本件不動産3は,少なくとも平成14年10月1日~平成16年2月9日の期間について,養鶏場として滞納会社の事業の用に供されていたことが認められる(乙31。なお,原告らは,その平成22年11月8日付け第1準備書面第2の9冒頭において,被告の答弁書第4 - 43 -の1(2)エ(イ)〔本件不動産3が滞納会社の事業の用に供されていた期間に関する被告の主張を含む部分〕の全体につき「否認乃至争う。」との認否をしているものの,滞納会社が本件不動産3を養鶏場として使用していた期間の始期につき何ら主張しないまま,平成16年2月9日まで滞納会社において養鶏場として使用していたことは認めるとの主張をしていること〔前記第2の5(3)イ(ウ)〕に照らせば,原告らにおいて,本件不動産3が養鶏場として滞納会社の事業の用に供されていた期間については,実質的には争っていないものといい得るところである。)。 そうすると,本件不動産3は,本件告知処分3に係る第二次納税義務の賦課期間(別表C-2参照)において,滞納会社の事業の用に供されていたものということができる。 (6) 本件不動産4が本件告知処分4に係る第二次納税義務の賦課期間において滞納会社の事業の用に供されていたか否かについてア本件不動産4-4以外の本件不動産4について本件不動産4は,亡P1が平成15年7月7日にP6から売買によ 第二次納税義務の賦課期間において滞納会社の事業の用に供されていたか否かについてア本件不動産4-4以外の本件不動産4について本件不動産4は,亡P1が平成15年7月7日にP6から売買により所有権を取得したものであるところ(前提事実(2)エ),①亡P1がその所有権を取得した後も,滞納会社が,引き続き当該不動産(第1農場~第3農場)において養鶏をしていたこと(前提事実(2)オ,前記(2)の事実,乙33,46),②滞納会社の代表者である亡P1は,旧水海道市長に対し,平成16年4月22日,「水海道の農場については全て閉鎖致します。」と申し出て,<ア>第4農場の鶏舎については同年5月5日までに,<イ>第5農場の鶏舎については同年6月末までに,<ウ>その他の鶏舎(本件不動産4に係る第1農場~第3農場)については同年9月末までに,いずれも「鶏アウト及び鶏糞処理を完了」する旨を約したが,同年9月30日の時点においても,第1農場~第3農場は閉鎖されていなかったこと(前記(3)ア(ア)c,乙33,46),③滞納会社とP3の間における,納品書に - 44 -本件不動産4に係る養鶏場(第1農場~第5農場)において生産されたことを示す記載のある鶏卵の取引状況(乙31の別表2の「4(2)ウの不動産別紙不動産目録12ないし28」欄,乙34の別表1参照),④旧水海道市内の養鶏場において平成17年6月及び7月に鳥インフルエンザが発生したことに関する当時の新聞記事等の内容(乙40,42の1・2,44。殊に,乙44〔同年7月1日付けの記事〕中のP17の発言は,第1農場~第3農場及び第5農場において,平成16年7月以降も継続的に養鶏業が営まれてきたことを前提としていると理解することができるものである。),⑤原告P7は,その陳述書(甲8)において,本件不動 1農場~第3農場及び第5農場において,平成16年7月以降も継続的に養鶏業が営まれてきたことを前提としていると理解することができるものである。),⑤原告P7は,その陳述書(甲8)において,本件不動産4-14~17(甲8添付の図面,乙37の1・2,38,39)が「堆肥置場」として使用されていた旨述べていることに照らすと,本件不動産4-4以外の本件不動産4については,平成15年7月7日から滞納会社が解散した平成16年8月31日までの期間について,養鶏場又は養鶏場から排出される鶏糞を堆肥化させる場所(堆肥置場)として滞納会社の事業の用に供されていたものと認められる(なお,原告らは,その平成22年11月8日付け第1準備書面第2の9冒頭において,被告の答弁書第4の1(2)エ(イ)〔本件不動産4が滞納会社の事業の用に供されていた期間に関する被告の主張を含む部分〕の全体につき「否認乃至争う。」との認否をしているものの,本件不動産2につき,亡P1がこれを取得する以前に発生した国税について同人が第二次納税義務者となることはない旨,滞納会社が本件不動産4〔ただし,原告らにおいて滞納会社の事業の用に供されたこと自体を否認している本件不動産4-4を除く。〕を養鶏場として使用していた期間の始期を,被告と同様に亡P1が当該不動産を取得した平成15年7月7日とする趣旨と理解し得る主張をする一方で,その終期については具体的に主張していないこと〔前記第2の5(3)イ(イ)〕に照らせば,原告らにおいて,本件不動産4-4を除く本件不動産4が養鶏場とし - 45 -て滞納会社の事業の用に供されていた期間については,積極的に争っていないものといい得るところである。)。 イ本件不動産4-4について(ア) ①本件不動産4-4は,第3農場の鶏舎の南西側に隣接して 社の事業の用に供されていた期間については,積極的に争っていないものといい得るところである。)。 イ本件不動産4-4について(ア) ①本件不動産4-4は,第3農場の鶏舎の南西側に隣接して位置しているところ(前提事実(2)オ,乙37の1,38,39,45),②上記①のような位置関係や,亡P1が本件不動産4の全てにつき同時にその所有権を取得していること(前提事実(2)エ)に照らせば,亡P1においては,本件不動産4-4を含む本件不動産4を一体的に利用することを念頭に置いて,その所有権を取得したものと見るのが自然であるというべきこと,③旧水海道市役所農政課職員は,平成15年8月20日,P17から,「P18養鶏となり」(P18養鶏は第3農場の鶏舎を指す。)の土地において,滞納会社の養鶏場から排出された鶏糞を堆肥化させている旨を聴取していること(前記(2)イ,乙46),④乙46の別紙14の各写真(平成16年2月から同年9月にかけて旧水海道市役所農政課職員が撮影したもの。同別紙中に,これらの写真が上記②の「P18養鶏」〔P2のいう「第3鶏舎」〕の周囲の写真であることを示すものと解される書込みがされていることや,被告指定代理人が平成23年10月に撮影した乙45の別紙4の写真との対比〔乙45の別紙4の写真⑬,⑰及び⑱,乙46の別紙14の写真⑥,⑦,⑨,⑩,⑱~⑳,<29>及び<32>〕に照らすと,第3農場の周囲を撮影したものと認められ,また,土地と建屋の位置関係によれば,乙46の別紙14の写真⑦,⑨,⑩,⑬~⑳,<24>~<26>,<28>~<30>及び<32>は,第3農場の鶏舎と上記①のような位置関係にある本件不動産4-4を撮影したものと認められる。)によれば,<ア>平成16年2月から4月にかけて,第3農場の鶏舎の西側に位置する入口付 0>及び<32>は,第3農場の鶏舎と上記①のような位置関係にある本件不動産4-4を撮影したものと認められる。)によれば,<ア>平成16年2月から4月にかけて,第3農場の鶏舎の西側に位置する入口付近には,大量の鶏の死骸が放置され(乙45の別紙4の写真⑱,乙46の別紙14の写真①~⑥),<イ> - 46 -同月14日以降には,掘削された本件不動産4-4に鶏糞が投棄された上で盛土がされ(乙46の別紙14の写真⑦,⑨~⑱),<ウ>同年7月22日には,同不動産に大量の鶏糞ベルトと思われる廃棄物が投棄され(乙46の別紙14の写真⑲及び⑳),<エ>同年8月13日には,同不動産に大量の鶏の死骸が投棄されていた(乙46の別紙14の写真<24>~<26>)と認められることに照らせば,本件不動産4-4は,平成15年8月~平成16年8月の期間において,滞納会社の養鶏場から排出された鶏糞を堆肥化させる場所並びに鶏の死骸及び廃棄物を投棄する場所として使用されていたものと認められる。 (イ) この点,原告らは,本件不動産4-4が養鶏場として使用されたことはないとした上で,P17が旧水海道市農政課職員を案内した「たい肥置場」は,本件不動産1の土地の一部又は本件不動産4の他の土地に設けられていたものであって(甲8),乙46の別紙3の「P18養鶏となり」との記載は誤りであり,また,平成16年8月に,猛暑のため死んだ鳥の搬出が間に合わず,本件不動産4-4にこれを一時期置いたことがあるが,10㎡にも満たない範囲に短期間置いたものにすぎないなどと主張するが,前記(ア)掲記の各証拠に照らし,これらの主張は,いずれも採用することができない。 ウ小括以上のとおり,本件不動産4は,平成15年7月7日から滞納会社が解散した平成16年8月31日までの期間に )掲記の各証拠に照らし,これらの主張は,いずれも採用することができない。 ウ小括以上のとおり,本件不動産4は,平成15年7月7日から滞納会社が解散した平成16年8月31日までの期間について,養鶏場又は養鶏場から排出される鶏糞を堆肥化させる場所若しくは鶏糞,死鶏,廃棄物等を投棄する場所として滞納会社の事業の用に供されていたものと認められる。したがって,本件不動産4は,本件告知処分4に係る第二次納税義務の賦課期間(別表D-2参照)において,滞納会社の事業の用に供されていたものということができる。 - 47 -(7) 争点3についての結論以上のとおり,本件各不動産は,本件各告知処分(本件告知処分1については,本件裁決による一部取消し後のもの)に係る第二次納税義務の賦課期間において,いずれも養鶏場又は養鶏場から排出される鶏糞を堆肥化させる場所若しくは鶏糞,死鶏,廃棄物等を投棄する場所として,滞納会社の事業に供されていたものと認められる。 2 本件各不動産が重要財産に当たるか否か(争点1)について(1) 前記1(1)において述べた徴収法37条の趣旨に照らせば,同条柱書にいう「納税者の事業の遂行に欠くことができない重要な財産」(重要財産)とは,仮に当該財産がなかったとした場合には,納税者の事業の遂行ができなくなるか又はできないおそれがある状態になると認められる程度に上記事業の遂行に関係を有する財産をいうものと解するのが相当である。 (2)ア前提事実,前記1(2)における認定事実,後掲の各証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 (ア) 滞納会社の売上げの大部分は,P2に対する液卵及び冷凍卵の販売取引並びにP3に対する鶏卵の販売取引によるものであったところ,滞納会社は,本件各不動産等 れば,次の事実が認められる。 (ア) 滞納会社の売上げの大部分は,P2に対する液卵及び冷凍卵の販売取引並びにP3に対する鶏卵の販売取引によるものであったところ,滞納会社は,本件各不動産等において営んでいた自社の養鶏場で生産された鶏卵を「原料鶏卵」としてP3に対して納入する一方,P3が鶏卵を加工した液卵を,P4を介して仕入れ,その液卵をP2に対して納品していた(乙31,32)。なお,滞納会社からP3に対して平成14年10月~平成16年8月に液卵の原料として納入された鶏卵の大部分(納入数量の96.95%)は,滞納会社が本件各不動産等において営んでいた養鶏場において生産されたものであった(乙31,32,34)。 (イ) P3と滞納会社の間における液卵の販売取引は,P2に対して液卵の「納品枠」を有していたが割卵設備を所有していなかった滞納会社が,P3に対し,滞納会社の生産した鶏卵を割卵してほしいとの申出をした - 48 -ことから始まったものであり,滞納会社においてP2に納品する液卵をP3から調達するに当たっては,P3が,その液卵の販売数量に見合った数量の原料鶏卵を滞納会社から仕入れることが取引の条件とされていた(乙32)。 (ウ) P2においては,滞納会社に対し,液卵については毎日発注しており,冷凍卵については液卵を調達することができない場合に発注していたところ,液卵の取引単価は,鶏卵市況(全農の取引相場M・L平均)を基に定められていた(乙33)。なお,滞納会社が前記(ア)のとおり仕入れた液卵の販売先はP2のみであり,滞納会社のP2に対する液卵の販売取引において,P3が加工した液卵は,P3からP2の工場へ直接納品されていた(乙32)。 (エ) 滞納会社のP3に対する原料鶏卵の納入及びP4を介したP り,滞納会社のP2に対する液卵の販売取引において,P3が加工した液卵は,P3からP2の工場へ直接納品されていた(乙32)。 (エ) 滞納会社のP3に対する原料鶏卵の納入及びP4を介したP3の滞納会社に対する液卵の販売という相互の取引は,①滞納会社とP3の間では,実質的には,滞納会社において,P2に対して液卵を納品するために,P3に対して原料鶏卵を提供し,液卵の生産を委託したようなものであると理解されていたものであり,②また,前記(ウ)のとおり滞納会社とP2の間における液卵の取引単価が鶏卵市況を基準として決まるものであったことから,P3からすれば,いわば原料鶏卵の価格に液卵の加工賃を上乗せするだけの取引であり,確実に液卵の加工賃に相当する額の利益を得ることができるものであったことから,P3において滞納会社からの原料鶏卵の仕入単価は余り重視されておらず,P3における滞納会社からの原料鶏卵の仕入単価は,他社からのそれと比較して高い部類であった(乙32)。 (オ) 自社生産の原料鶏卵を加工する場合には,いわゆるコストメリットをいかすことができることから,鶏卵の生産原価の観点からは,一般的には,いわゆる外部調達よりも自社生産の方が有利であるとされる(乙3 - 49 -2,33)。 イ前記アの各事実によれば,①滞納会社における,P2に対する液卵及び冷凍卵の販売取引,P3に対する鶏卵の販売取引並びに本件各不動産等における養鶏場の経営は,別個独立の事業ではなく,全体として不可分一体の事業を成すものとみるのが相当であるというべきところ,②本件各不動産等において営まれていた滞納会社の養鶏業は,<ア>P3に対する原料鶏卵の販売単価を他社のそれと比較して高く設定することを可能とさせるものであるとともに,P2に対する液卵販売の原価面にお 本件各不動産等において営まれていた滞納会社の養鶏業は,<ア>P3に対する原料鶏卵の販売単価を他社のそれと比較して高く設定することを可能とさせるものであるとともに,P2に対する液卵販売の原価面において,鶏卵市況の影響を避けつつ安価に原料鶏卵を調達することを可能とするものであって,P3への原料鶏卵の供給及びP2への液卵の販売の安定化に大きく貢献するものである上,<イ>滞納会社が必要な時期に必要な数量の鶏卵を供給することを担保し,滞納会社の取引先としての信用を高めるという点でも,滞納会社の事業に貢献するものであるということができる。 以上からすれば,本件各不動産は,上記①のような滞納会社の事業の遂行にとって不可欠な財産であって,重要財産に当たるものというべきである。 ウこの点,原告らは,①P3に対して納入する鶏卵のうち,滞納会社が生産したものの割合は約20%にすぎず,滞納会社がP2に販売した液卵は,滞納会社が生産した鶏卵とは全く関係がない,②滞納会社が営んでいた養鶏場における鶏卵の生産は,鶏卵が不足した場合の調整のためであって,養鶏場がなくても滞納法人の事業の遂行に支障はなかった,③滞納会社の養鶏業は赤字であり,養鶏業を経営することによって得た所得について,本件における滞納会社の滞納国税は発生していないなどとして,本件各不動産は重要財産に当たらない旨主張する。 しかし,上記①及び②の主張は,これまでの当裁判所の認定,判断と異なる事実関係を前提とするものであって,採用することができず,上記③ - 50 -の主張についても,前記イ①のとおり,滞納会社における,P2に対する液卵及び冷凍卵の販売取引,P3に対する鶏卵の販売取引並びに本件各不動産等における養鶏業は,全体として不可分一体の事業を成すものとみるのが相当であることに照らし, り,滞納会社における,P2に対する液卵及び冷凍卵の販売取引,P3に対する鶏卵の販売取引並びに本件各不動産等における養鶏業は,全体として不可分一体の事業を成すものとみるのが相当であることに照らし,本件各不動産等において営まれていた養鶏業のみの収支がどのようなものであるかは,本件各不動産が重要財産に当たるか否かを左右するものではないというべきであるから,採用することができない。 3 本件各不動産に関して生ずる所得が滞納会社の所得となっていたか否か(争点2)について(1) 前記1(1)において述べた徴収法37条の趣旨に照らせば,同条柱書にいう「財産に関して生ずる所得が納税者の所得となっている場合」とは,重要財産から直接又は間接に生ずる所得が納税者の所得となっている場合及び所得税法その他の法律の規定又はその規定に基づく処分により納税者の所得とされる場合というものと解すべきところ,前記2(2)イのとおり,本件各不動産等における滞納会社による養鶏場の経営が,P2に対する液卵及び冷凍卵の販売取引並びにP3に対する鶏卵の販売取引と全体として不可分一体の事業を成すものであり,P3への原料鶏卵の供給及びP2への液卵の販売の安定化に大きく貢献するとともに,滞納会社の取引先としての信用を高めるという点でも滞納会社の事業に貢献するものであることからすれば,本件各不動産から直接又は間接に生ずる所得が納税者である滞納会社の所得となっていたものと認めるのが相当である。 (2) この点,原告らは,滞納会社の所得のうち約70%は,他の鶏卵販売業者から購入した鶏卵の販売により得たものであって,本件各不動産を使用して養鶏場を経営することによって得たものではなく,また,滞納会社の養鶏業は,いわゆる赤字であるから,本件における滞納会社の滞納国税は,本件各不動産が 販売により得たものであって,本件各不動産を使用して養鶏場を経営することによって得たものではなく,また,滞納会社の養鶏業は,いわゆる赤字であるから,本件における滞納会社の滞納国税は,本件各不動産が供されている事業(養鶏業)によって発生したものではないなどと - 51 -主張するが,これまで述べた当裁判所の認定,判断と異なる事実関係を前提とし,あるいは,本件各不動産等における滞納会社による養鶏場の経営が,滞納会社のP2及びP3との取引と全体として不可分一体の事業を成すものであることを念頭に置いていないものであって,採用することができない。 4 本件各処分の適法性について(1) 本件各告知処分の適法性について前提事実及び争点1~3に関する当裁判所の認定,判断に照らせば,本件各告知処分は,徴収法37条所定の要件をいずれも満たすものであり,また,亡P1に対するこれらの告知も,同法32条1項前段の規定に従ったものであって(乙9~12),いずれも適法なものと認められる。 (2) 本件各督促処分の適法性について本件各告知処分がいずれも適法なものであることは前記(1)のとおりであり,また,亡P1に対する督促の手続も徴収法32条2項の規定に従ったものであるから(前提事実(4)ウ,乙13~16),本件各督促処分は,いずれも適法なものと認められる。 (3) 本件各差押処分の適法性について本件各告知処分及び本件各督促処分がいずれも適法なものであることは前記(1)及び(2)のとおりであり,また,本件各差押処分は,いずれも徴収法47条1項の規定に従ってされたものであり,本件各差押処分に係る差押財産は,本件各告知処分の納付限度とされる不動産である(前提事実(4)エ)から,本件各差押処分は,いずれも適法なものと認められる。 5 結論以 ってされたものであり,本件各差押処分に係る差押財産は,本件各告知処分の納付限度とされる不動産である(前提事実(4)エ)から,本件各差押処分は,いずれも適法なものと認められる。 5 結論以上の次第であって,原告らの請求は,いずれも理由がないからこれらを棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第3部 - 52 - 裁判長裁判官八木一洋 裁判官田中一彦 裁判官塚原洋一 - 53 -(別紙1)処分目録 1 東京国税局長が亡P1に対して平成20年5月30日付けでした,納税者株式会社P5農場(本店所在地・東京都練馬区δ×番1号P27ビル。以下「滞納会社」という。)の滞納に係る別表A-1の国税につき納付限度額を別紙2「不動産目録1」記載の各不動産(これらを総称して,以下「本件不動産1」といい,個々の不動産を指して,以下「本件不動産1-1」〔ハイフンの後の数字は,同別紙における順号を指す。〕のようにいう。)とする第二次納税義務の納付告知処分(同日付け東局徴特○-特第○号の納付通知決議書によるもの。以下「本件告知処分1」という。)のうち,次の(1)及び(2)を除く部分(1) 別表A-1の番号1-1,番号2,番号3,番号6及び番号7の国税に関する部分(2) 別表A-1の番号1-3の国税のうち本件不動産1-7~13を限度とする部分 2 東京国税局長が亡P1に対して平成20年7月8日付けでした本件告知処分1の第二次納税義務に係る国税の納付の督促処分(同日付け第○号の納付催告決議書によるもの。以下「本件督促処分1」という 部分 2 東京国税局長が亡P1に対して平成20年7月8日付けでした本件告知処分1の第二次納税義務に係る国税の納付の督促処分(同日付け第○号の納付催告決議書によるもの。以下「本件督促処分1」という。) 3 東京国税局長が亡P1に対して平成20年7月28日付けでした本件不動産1についての差押処分(以下「本件差押処分1」という。) 4 東京国税局長が亡P1に対して平成20年5月30日付けでした滞納会社の滞納に係る別表B-1の国税につき納付限度を別紙3「不動産目録2」記載の各不動産(これらを総称して,以下「本件不動産2」という。)とする第二次納税義務の納付告知処分(同日付け東局徴特○-特第○号の納付告知決議書によるもの。以下「本件告知処分2」という。) 5 東京国税局長が亡P1に対して平成20年7月8日付けでした本件告知処分 - 54 -2の第二次納税義務に係る国税の納付の督促処分(同日付け第○号の納付催告決議書によるもの。以下「本件督促処分2」という。) 6 東京国税局長が亡P1に対して平成20年7月28日付けでした本件不動産2についての差押処分(以下「本件差押処分2」という。) 7 東京国税局長が亡P1に対して平成20年5月30日付けでした滞納会社の滞納に係る別表C-1の国税につき納付限度を別紙4「不動産目録3」記載の各不動産(これらを総称して,以下「本件不動産3」という。)とする第二次納税義務の納付告知処分(同日付け東局徴特○-特第○号の納付告知決議書によるもの。以下「本件告知処分3」という。) 8 東京国税局長が亡P1に対して平成20年7月8日付けでした本件告知処分3の第二次納税義務に係る国税の納付の督促処分(同日付け第○号の納付催告決議書によるもの。以下「本件督促処分3」という。) 9 東京国税局長が亡P1に対して平成2 0年7月8日付けでした本件告知処分3の第二次納税義務に係る国税の納付の督促処分(同日付け第○号の納付催告決議書によるもの。以下「本件督促処分3」という。) 9 東京国税局長が亡P1に対して平成20年7月28日付けでした本件不動産3についての差押処分(以下「本件差押処分3」という。)東京国税局長が亡P1に対して平成20年5月30日付けでした滞納会社の滞納に係る別表D-1の国税につき納付限度を別紙5「不動産目録4」記載の各不動産(これらを総称して,以下「本件不動産4」といい,個々の不動産を指して,以下「本件不動産4-1」〔ハイフンの後の数字は,同別紙における順号を指す。〕のようにいう。)とする第二次納税義務の納付告知処分(同日付け東局徴特○-特第○号の納付告知決議書によるもの。以下「本件告知処分4」という。) 11 東京国税局長が亡P1に対して平成20年7月8日付けでした本件告知処分4の第二次納税義務に係る国税の納付の督促処分(同日付け第○号の納付催告決議書によるもの。以下「本件督促処分4」という。) 12 東京国税局長が亡P1に対して平成20年7月28日付けでした本件不動産4についての差押処分(以下「本件差押処分4」という。) - 55 -以上
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