【DRY-RUN】主 文 本件控訴は執れも之を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人筆の負担とする。 理 由 弁護人渡辺正治の陳述した控訴趣意は記録に編綴の同弁護人
主文 本件控訴は執れも之を棄却する。 当審における訴訟費用は被告人筆の負担とする。 理由 弁護人渡辺正治の陳述した控訴趣意は記録に編綴の同弁護人名義及び被告人等名義の各控訴趣意書の記載と同一であるので茲に引用する。 弁護人の控訴趣意第一について記録を調査し各起訴状を精査するに公訴事実として所論のような被告人の経歴関係や犯行の動機等仔細に起訴状に記載されているが本件のような暴力行為等処罰に関する法律違反等被告事件に関する公訴事実については犯罪の構成要件に該当する事実のみを記載した丈ではこれを具体的に明確ならしめることは困難であつて寧ろ被告人の経歴、犯罪の動機等も或る程度記載することが必要である。しかして前記起訴状記載の経歴や動機の記載は本件犯罪についての具体的事実を明らかにするため必要な程度のものと認めうるので刑事訴訟法第二百五十六条第六項に規定する「裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある場合」に該当しないことが明らかであるから本件公訴事実の記載に違法の点はなく論旨は到底採用の限りでない。 同第三の(一)の12及び被告人等の控訴趣意第一、第三点について<要旨>しかし憲法第二十八条により保障する勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は尊</要旨>重されなければならないことは勿論であるが同法第十二条が明言しているとおり国民はこれを濫用してはならないのであつて常に公共の福祉のために利用する責任がある。さればこの権利は無条件に勤労者の権利として正当化されるのではなく、労働関係諸法規の精神並に社会通念上自ら一定の限界があること当然であつてこの限界を逸脱した行為は権利の濫用となり刑罰法規の対象となること明らかである。よつて本件にっき是をみるに行政機関職員定員法は既に 関係諸法規の精神並に社会通念上自ら一定の限界があること当然であつてこの限界を逸脱した行為は権利の濫用となり刑罰法規の対象となること明らかである。よつて本件にっき是をみるに行政機関職員定員法は既に国会により制定され施行されたもので使用者である郵政省並に電気通信省は之に拘束されて定員の整理を実施しなければならない立場に置かれていたのに拘らず、単に右本省の代理者として解雇の通告をするに過ぎない郵便局長や電報電話局業務長に対し原判示記載のような方法でその退庁を阻止し長時間に亘つてその自由を拘束して一挙に被告人等側の要求を貫徹することのみに走つたもので被告人等の右行動は正当な勤労者の権利行使の埒外に出たものと認めるのを相当とする。 換言すれば右は公共の福祉のために団体交渉権を利用したものと認めることは出来ない。寧ろ右解雇こそ公共の福祉のために行われたものと結論することが出来る。 斯様な情状であるから被告人等の所為には違法性がないとなすことは出来ない。又右は原判示大会の決議に基因して行はれたものとするも該決議は原判示のような違法行為まで要請しているものと認めることは出来ないのであるから被告人等に犯罪構成要件の認識がなかつたと認めることは出来ない。各論旨は理由がない。 弁護人の控訴趣意第三の(一)の3についてしかし通常人をてて被告人等の立場に置くとき必ずや被告人等がとつた原判示のような違法の行為に出るものと断ずることは出来ないと認めるべきであるから論旨は採用しない。 同第二、第三の(二)第四及び被告人等の控訴趣意第二、第四点についてよつて記録を精査し原判決摘示の証拠を綜合して考察するに被告人等に関する原判示事実は全部優に認定しうるところであつて原判決には事実誤認を窺うべき事由や法令適用の誤り等は存しない。所論は独自の見解に立脚して原判決の認定を 判決摘示の証拠を綜合して考察するに被告人等に関する原判示事実は全部優に認定しうるところであつて原判決には事実誤認を窺うべき事由や法令適用の誤り等は存しない。所論は独自の見解に立脚して原判決の認定を批難するものであつて賛同することは出来ない。なお右所論第四の末段で原判決は数人共同して判示犯行をしたもりであるとの事実に対し暴力行為等処罰に関する法律第一条第一項を擬律したのみで同項所定の何れの犯罪かを明示しない違法があるというのであるが原判示事実によれば数人共同して刑法第二百二十二条の罪を犯したことを窺いうるのであるが斯る場合暴力行為等処罰に関する法律第一条第一項の外刑法第二百二十二条を常に掲げなければ原判決破棄の事由となるということは出来ない。何となれば同項に掲げる犯罪の罰条が仮りに取り違えて記載されたとしても其の法定刑には異同がないのであるから結局判決には影響がないとすべきである趣旨に鑑みる時、明らかに右を原判決破棄の事由となしえざることを肯認しうるところである。以上のとおりであるから論旨は孰れも理由がない。 弁護人の控訴趣意第五について、記録を調査し被告人等の経歴、犯行の動機態様、其の他諸般の情状を斟酌考量するに原判決の量刑が重きに失する不当があると認めることは出来ない。論旨は理由がない。 よつて刑事訴訟法第三百九十六条により本件各控訴を棄却すべく当審における訴訟費用は同法第百八十一条第一項により被告人等の負担たるべきものとし主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官大野正太郎裁判官松村美佐男裁判官蓮見重治)
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