昭和47(オ)820 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
昭和49年3月19日 最高裁判所第三小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所 昭和46(ネ)636
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判決文本文2,340 文字)

主文 原判決中上告人ら敗訴部分を破棄し、右部分につき本件を東京高等裁判所に差し戻す。理由 上告代理人大野正男、同西垣道夫の上告理由第一、一ないし三について。原判決は、(一) 本件事故発生について本件電気室主任技官Dに過失があつたかどうかの判断にあたつては、第一審判決を引用し、次のような判示、すなわち、「およそ本件電気室の如く高圧電気が流入しこれを調整する諸装置が設備されている区域において清掃等の作業をなした上、一旦中止していた区域への送電を再開するような場合においては、その区域の主任技術者であつて当該作業を指揮監督する立場にあるものは、作業関係者に対し、通電が再開されることをもれなく明示して確実に告知し、高圧電気の流入に伴う危険に対する注意を喚起」するなどし、もつて作業関係者の感電事故の発生を未然に防止すべき指揮監督上の義務があるところ、Dは、本件電気室の主任技官として本件作業を指揮監督する立場にありながら、右注意義務を懈怠した旨認定判断した上、「Eが本件事故当時既に変成器に通電されていることを認識していたとは認められない以上、Eの本件感電死事故は」、Dが右注意義務を十分に果さなかつた過失により惹起されたものと認めるのが相当である、と判示し、Eが本件事故当時本件変成器に通電されていることを認識していなかつたとの事実を前提にDの前記注意義務懈怠の過失とEの本件感電死事故との間に相当因果関係があると判断しながら、他方、本件事故発生についてEに過失相殺の対象となりうる過失があつたかどうかについての判断においては、「一旦閉じられた通電が再開されて、本件電気室まで高圧電流が送電されたことも事故直前にはE自身も知つていたものと推認される」とした上、本件事故発生についてEにも過失があつたと判- 判断においては、「一旦閉じられた通電が再開されて、本件電気室まで高圧電流が送電されたことも事故直前にはE自身も知つていたものと推認される」とした上、本件事故発生についてEにも過失があつたと判- 1 -示し、Eが本件事故直前に本件変成器に通電されていることを認識していたかどうかの点につき前後相矛盾する認定をし、(二) また、DがEに対し閉めるよう命じた本件電気室の西側壁中三か所に設けられている回転窓と本件変成器との関係につき、第一審判決を引用し、「それらの窓は土間から窓下まで約二・二メートル、同じく窓上部までは約二・七メートルの高さにあり、それらの内最南寄りの窓際には」、「開閉器を挿入すると本件電気室内の装置中まず最初に通電する変成器が設置されていた。 識していたかどうかの点につき前後相矛盾する認定をし、(二) また、DがEに対し閉めるよう命じた本件電気室の西側壁中三か所に設けられている回転窓と本件変成器との関係につき、第一審判決を引用し、「それらの窓は土間から窓下まで約二・二メートル、同じく窓上部までは約二・七メートルの高さにあり、それらの内最南寄りの窓際には」、「開閉器を挿入すると本件電気室内の装置中まず最初に通電する変成器が設置されていた。その変成器は、土間上約一・二メートルのところに据え付けられている高さ約〇・六メートルの箱型のもので、その上部に後記端子がとりつけられていた。この変成器を支える鉄製パイプは、窓際部分においては西側壁から僅かに三七センチの距りを有するにすぎないところに設けられていた」との事実を確定し、かつ、Dの過失の有無の判断においては、本件のような作業を指揮監督する立場にある者は、「通電が開始された場合に高圧電流に接触することがあり得る器械設備の周辺にいる作業員に対しては退避を命じるとか挙動の細部についてまでも具体的な注意を指示するなど」の注意義務があるところ、Dは、「Eが前記高窓を閉めるため前記変成器に接近することを当然予想し得た筈である」のにもかかわらず、右注意義務を懈怠したとして、この点においてもDに過失があると判示し、Eが、本件変成器、したがつてまたその端子に接触することのあり得る作業を命ぜられたことを前提とする判断を示しながら、他方、Eの過失の有無の判断においては、本件変成器の「端子に触れる 失があると判示し、Eが、本件変成器、したがつてまたその端子に接触することのあり得る作業を命ぜられたことを前提とする判断を示しながら、他方、Eの過失の有無の判断においては、本件変成器の「端子に触れるおそれのある種類の作業をEが命じられたことの窺われない本件において」は、これに接触したEにも過失があると判示し、Eが本件変成器の端子に触れる作業を命ぜられたかどうかの点についても前後相矛盾する認定をしていることが明らかである。したがつて、原判決には理由そご又は理由不備の違法があるものというべきであり、この違法をいう論旨は理由があるから、その余の論旨につき判断するまでもな- 2 -く、原判決中上告人ら敗訴部分は、破棄を免れない。よつて、民訴法四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 示し、Eが本件変成器の端子に触れる作業を命ぜられたかどうかの点についても前後相矛盾する認定をしていることが明らかである。したがつて、原判決には理由そご又は理由不備の違法があるものというべきであり、この違法をいう論旨は理由があるから、その余の論旨につき判断するまでもな- 2 -く、原判決中上告人ら敗訴部分は、破棄を免れない。よつて、民訴法四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官坂本吉勝裁判官関根小郷裁判官天野武一裁判官江里口清雄裁判官高辻正己- 3 -

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