平成27年11月17日判決言渡平成20年(行ウ)第602号都市計画決定無効確認等請求事件主文 1 本件各訴えのうち,都市計画決定の無効確認を求める訴え,都市計画の廃止手続を求める訴え,都市計画の違法確認を求める訴え,原告らが都市計画法53条1項の規定する建築制限を受けない地位にあることの確認を求める訴え及び都市計画決定の廃止手続をとらないことの違法確認を求める訴えを,いずれも却下する。 2 原告X1のその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由第1 当事者の求めた裁判 1 請求の趣旨(1) 別紙1都市計画目録記載1の都市計画決定が無効であることを確認する。 (2) 被告は,別紙1都市計画目録記載1の都市計画決定に係る都市計画の廃止手続をせよ。 (3) 別紙1都市計画目録記載1の都市計画決定による都市計画が違法であることを確認する。 (4) 原告らが,別紙2物件目録記載1及び同2の不動産について,別紙1都市計画目録記載1の都市計画決定により都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限を受けない地位にあることを確認する。 (5) 被告が別紙1都市計画目録記載1の都市計画決定に係る都市計画の廃止手続をとらないことが違法であることを確認する。 (6) 被告は,原告X1に対し,100万円及びこれに対する平成20年10月28日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 (7) 被告は,原告X1に対し,2118万円及びこれに対する平成25年3 月13日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 2 請求の趣旨に対する答弁主文同旨第2 事案の概要本件は,別紙1都市計画目録記載1の都市計画決定(以下「本件都市計画決定」といい,これによ 支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。 2 請求の趣旨に対する答弁主文同旨第2 事案の概要本件は,別紙1都市計画目録記載1の都市計画決定(以下「本件都市計画決定」といい,これによって定められた都市計画を「本件都市計画」という。)に係る都市計画施設である幹線街路外郭環状線の2(以下「外環の2」という。)の区域内に別紙2物件目録記載1の土地(以下「本件土地」という。)及び同2の建物(以下「本件建物」といい,本件土地と併せて「本件不動産」という。)を所有して居住していたX2(平成21年▲月▲日死亡。以下「承継前原告」という。)から本件不動産を相続した原告らが,外環の2に係る本件都市計画は,別紙1都市計画目録記載2の都市計画決定に係る都市計画施設である都市高速道路外郭環状線(以下「外環本線」という。)の構造形式が嵩上式(高架式)であることを基礎となる重要な事実としていたところ,別紙1都市計画目録記載2(4)の平成19年4月16日付けの都市計画変更決定(以下「平成19年外環本線変更決定」という。)において外環本線の構造形式が嵩上式から大深度地下方式に変更されたことにより,本件都市計画は重要な事実の基礎を欠くこととなって違法なものになったなどとして,① 行政事件訴訟法3条4項所定の無効等確認の訴えとして,本件都市計画決定が無効であることの確認を求め(以下,この請求に係る訴えを「本件無効確認の訴え」という。),② 行政事件訴訟法3条6項1号所定のいわゆる非申請型の義務付けの訴えとして,本件都市計画の廃止手続の義務付けを求め(以下,この請求に係る訴えを「本件義務付けの訴え」という。),③ 行政事件訴訟法4条所定の公法上の法律関係に関する確認の訴えとして,(a) 本件都市計画が違法であることの確認,(b) 原告らが本件不動産について に係る訴えを「本件義務付けの訴え」という。),③ 行政事件訴訟法4条所定の公法上の法律関係に関する確認の訴えとして,(a) 本件都市計画が違法であることの確認,(b) 原告らが本件不動産について都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限を受けない地位にあることの確認,及び,(c) 被告が本件都市計画の廃止手続をとらないことが違 法であることの確認を求める(以下,これら(a)ないし(c)の各請求に係る訴えを併せて「本件各法律関係確認の訴え」という。)ほか,承継前原告から本件不動産以外の全ての遺産を相続した原告X1が,④ 承継前原告において,外環の2に係る都市計画の廃止義務の懈怠という被告による不作為の違法な公権力の行使により,承継前原告が,本件不動産を収用されるという不安を抱いたり,同項の規定する建築物の建築の制限等がされたりして,財産権(憲法29条1項),居住の自由(憲法22条1項)及び平穏に生活する自由(憲法13条)を侵害されたことにより,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料100万円及びこれに対する遅延損害金の支払請求権を有していたところ,これを相続したとしてその支払を求め(以下,この請求に係る訴えを「本件国家賠償請求の訴え」という。),⑤ 少なくとも平成19年外環本線変更決定において外環本線の構造形式が嵩上式から大深度地下方式に変更されたことにより,外環の2に係る都市計画の根拠とされた公共的必要性が消滅し,本件都市計画決定に伴う都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限が承継前原告に対して特別な犠牲を課すものとなったため,承継前原告が,憲法29条3項に基づき,建築物の建築の制限による本件土地の価格の下落分2118万円の損失補償の請求権を有していたところ,これを相続したとして当該損失補償及びこれに対する遅延損害 ため,承継前原告が,憲法29条3項に基づき,建築物の建築の制限による本件土地の価格の下落分2118万円の損失補償の請求権を有していたところ,これを相続したとして当該損失補償及びこれに対する遅延損害金の支払を求める(以下,この請求に係る訴えを「本件損失補償の訴え」という。)事案である。 1 関係法令の定め本件の関係法令の定めは,別紙3「関係法令の定め」に記載のとおりである(別紙中で定義した略称等は,以下の本文においても,同様に用いるものとする。)。 2 前提事実(証拠等の掲記のないものは当事者間に争いがない。)(1) 当事者ア承継前原告(大正15年▲月▲日生)は,昭和44年1月7日に本件土地の持分2分の1を相続によって取得し,昭和51年12月27日に本件 土地上に本件建物を建築し,昭和53年6月5日に本件土地の残余の持分を相続によって取得し,本件不動産を所有していた。(甲15の1ないし4,甲16の1ないし3,甲128,甲129,甲161)イ承継前原告は,平成21年▲月▲日に死亡した。平成22年2月9日の遺産分割協議により,本件不動産は,承継前原告の妻である原告X1と長男である原告X3が各2分の1の割合により相続し,その余の承継前原告の遺産は,全て原告X1が単独で相続した。(甲128,129,甲161)ウ本件不動産(承継前原告及び原告X1の住所地)は,本件都市計画決定に係る都市計画施設である外環の2の区域内に存在する。 エ被告は,外環本線及び外環の2に係る各都市計画についての建設大臣の権限を承継した地方公共団体である。 (2) 東京外かく環状道路ア東京外かく環状道路は,都心から約15kmの圏域において,都心から郊外に向けて放射方向に延びる高速道路を環状に連絡しようとする延長約85kmの自動車専 体である。 (2) 東京外かく環状道路ア東京外かく環状道路は,都心から約15kmの圏域において,都心から郊外に向けて放射方向に延びる高速道路を環状に連絡しようとする延長約85kmの自動車専用高速道路である。 イ東京外かく環状道路のうち,関越自動車道から東名高速道路までの約18kmの区間が都市高速道路外郭環状線(外環本線)である。 (3) 外環本線及び外環の2に係る昭和41年の各都市計画決定ア建設大臣は,昭和41年7月30日,旧都市計画法3条に基づき,別紙1都市計画目録記載2(1)のとおり,東京都世田谷区α1を起点とし,同区α2等を経由し,東京都練馬区α3埼玉県界を終点とする幅員23m(ただし,一部幅員の異なる区間がある。),延長約1万8060mの外環本線に係る都市計画決定をし,これを告示した(建設省告示第2430号)。 なお,旧都市計画法等の当時の法令の規定上,都市施設である道路の構 造形式は都市計画決定の内容とはされていなかったものの,外環本線の構造形式は上記の都市計画決定の時点で嵩上式(高架式)とされていた。 イ建設大臣は,上記アの外環本線に係る都市計画決定がされた日と同じ昭和41年7月30日,旧都市計画法3条に基づき,別紙1都市計画目録記載1(1)のとおり,東京都世田谷区α4×番地を起点とし,東京都武蔵野市α5を経由し,東京都練馬区α6×番地を終点とする幅員40m(ただし,一部幅員の異なる区間がある。),延長約9650mの外環の2に係る都市計画決定をし,これを告示した(建設省告示第2428号)。 (4) 都市計画法の施行旧都市計画法は,現行の都市計画法が昭和44年6月14日に施行されたことにより,同日をもって廃止され(都市計画法附則1項,2項1号,都市計画法施行法1条,都市計画法の施行期日を定め 市計画法の施行旧都市計画法は,現行の都市計画法が昭和44年6月14日に施行されたことにより,同日をもって廃止され(都市計画法附則1項,2項1号,都市計画法施行法1条,都市計画法の施行期日を定める政令),外環の2に係る都市計画及び外環本線に係る都市計画は,都市計画法の規定による相当の都市計画とみなされた(都市計画法施行法2条)。 (5) 外環本線及び外環の2に係る昭和61年の各都市計画変更決定ア被告は,昭和61年1月21日,外環本線の関越道から埼玉県境までの区間の構造形式を嵩上式から掘割式に変更し,同区間の車線数を6車線とするとともに,両側に環境施設帯を設置するために幅員を23mから64mに拡幅することとして,都市計画法21条に基づき,別紙1都市計画目録記載2(2)のとおり,外環本線に係る都市計画を変更する旨の決定をし,これを告示した(東京都告示第56号)。 なお,上記の都市計画変更決定において,都市計画法施行規則7条2号の規定に基づき,外環本線を基本的に嵩上式とすることが正式に都市計画の内容とされた。(甲25,乙38の1及び2)イ被告は,上記アの外環本線に係る都市計画変更決定がされたのと同じ昭和61年1月21日,外環の2について,上記アの外環本線に係る都市計 画変更決定において外環本線が掘割式に変更された部分と重なり合う区間(放射第7号線(通称「α7」)から補助第230号線までの区間)約680mを廃止することとし,都市計画法21条に基づき,別紙1都市計画目録記載1(2)のとおり,外環の2に係る都市計画を変更する旨の決定をし,これを告示した(東京都告示第56号)。 (6) 外環本線に係る平成4年の都市計画変更決定被告は,平成4年6月1日,外環本線の関越道のインターチェンジ部分(東京都練馬区α8,同区α9間) をし,これを告示した(東京都告示第56号)。 (6) 外環本線に係る平成4年の都市計画変更決定被告は,平成4年6月1日,外環本線の関越道のインターチェンジ部分(東京都練馬区α8,同区α9間)の幅員を変更することとし,別紙1都市計画目録記載2(3)のとおり,外環本線に係る都市計画を変更する旨の決定をし,これを告示した(東京都告示第667号)。 (7) 外環本線に係る平成19年の都市計画変更決定(平成19年外環本線変更決定)被告は,平成19年4月6日,外環本線の構造形式を基本的に嵩上式から地下式に変更し,前記(5)アの都市計画変更決定において車線数を6車線とされた区間以外の区間の車線数も6車線に増やすこととし,別紙1都市計画目録記載2(4)のとおり,外環本線に係る都市計画を変更する旨の決定(平成19年外環本線変更決定)をし,これを告示した(東京都告示第588号)。 (8) 本件訴えの提起承継前原告は,平成20年10月16日,本件訴えを提起した。(顕著な事実)(9) 外環の2に係る一部事業認可及び都市計画一部変更決定ア被告は,平成24年7月18日,外環の2のうちの東京都練馬区α10×番から同区α11×番までの延長1000m,幅員48mないし78mの区間(その時点における外環の2の最北端に位置し,関越道のα12ジャンクションに隣接する区間。以下「α12JCT区間」という。)につ いての都市計画事業である「東京都市計画道路事業幹線街路外郭環状線の2」について,都市計画法59条2項に基づき,自らを施行者として,関東地方整備局長に対して都市計画事業の認可の申請をし,同年9月7日付けで認可を受け,同月27日に同法62条1項に基づく告示がされた(関東地方整備局告示第335号)。(甲107の1ないし5,108,109, 備局長に対して都市計画事業の認可の申請をし,同年9月7日付けで認可を受け,同月27日に同法62条1項に基づく告示がされた(関東地方整備局告示第335号)。(甲107の1ないし5,108,109,乙50)イ被告は,平成26年11月28日,外観の2の幹線街路放射第6号線から幹線街路放射第7号線までの区間(延長約4370m)の車線の数を2車線と決定し,東京都練馬区α13から同区α10までの区間(延長約2840m。以下「練馬3キロ区間」という。)の幅員を40mから22mに変更し,同区α13,α14及びα15各地内に面積約5100㎡の交通広場を設置することとし,都市計画法21条に基づき,別紙1都市計画目録記載1(3)のとおり,外環の2に係る都市計画を変更する旨の決定をし,これを告示した(東京都告示第1573号)。(甲166,甲171の1ないし5) 3 主たる争点(1) 本件無効確認の訴えについてア本件都市計画決定の処分性の有無(争点①)イ本件都市計画決定の無効事由の有無(争点②)(2) 本件義務付けの訴えについてア本件都市計画の廃止手続の処分性の有無(争点③)イ本件都市計画の廃止手続がとられないことによる重大な損害を生ずるおそれの有無及びその損害を避けるための他の適当な方法の有無(争点④)ウ本件都市計画の廃止手続の義務付けの可否(争点⑤)(3) 本件各法律関係確認の訴えについてア本件各法律関係確認の訴えに係る確認の利益等の有無(争点⑥) イ本件各法律関係確認の訴えにおいて確認の対象となる公法上の法律関係(本件都市計画の違法性,本件不動産についての都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限,本件都市計画の廃止手続をとらないことの違法性)の存否(争点⑦)(4) 本件国家賠償請求の 法律関係(本件都市計画の違法性,本件不動産についての都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限,本件都市計画の廃止手続をとらないことの違法性)の存否(争点⑦)(4) 本件国家賠償請求の訴えについてア外環の2に係る都市計画の廃止義務違反による不作為の違法な公権力の行使の有無(争点⑧)イ承継前原告の損害(争点⑨)(5) 本件損失補償の訴えについてア都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限を理由とする本件土地に係る損失補償の要否(争点⑩)イ承継前原告の損失(争点⑪) 4 争点についての当事者の主張(1) 本件都市計画決定の処分性の有無(争点①)(原告ら)ア処分性の判断基準抗告訴訟の対象となる行政庁の処分とは,その行為によって直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。 イ都市計画決定に伴う都市計画施設の区域内における建築物の建築制限等により当該区域内に土地を所有する者の権利が直接的に侵害,制限されること本件都市計画決定は,都市施設である道路についての都市計画決定であるところ,都市施設に関する都市計画決定が告示されると,都市計画施設の区域内において建築物の建築をしようとする者は,原則として都道府県知事等の許可を受けなければならず(都市計画法53条1項),しかも, 都道府県知事はいつでも,何の要件も必要とせずに,都市計画施設の区域内において同法55条1項の規定による区域の指定を行うことができるところ,指定された区域内で行われる建築物の建築については,同法54条の規定にかかわらず,同法53条1項の規定による建築許可をしないことができるものとされている。同法55条1項の規定によって建築物の建築が許可されない場合には,都道府県知事等 築については,同法54条の規定にかかわらず,同法53条1項の規定による建築許可をしないことができるものとされている。同法55条1項の規定によって建築物の建築が許可されない場合には,都道府県知事等による土地の時価による買取りがされる旨定められているが(同法56条),土地を売却せずに土地上の建物を建築したい所有者にとっては何の意味もない。 また,同法55条1項の規定による区域の指定がされ,同条4項の公告がされたときに,同法57条1項の規定による公告がされると,当該区域内の土地を有償で譲り渡そうとする者は,その予定対価の額等を都道府県知事等に届け出なければならなくなり,都道府県知事は,上記の届出があった後30日以内に通知をすることにより,当該土地を予定対価の額で買い取ることができるものとされている(同条)。 さらに,都市計画施設の区域内に土地を所有する者は,都市計画決定に基づく建築物の建築制限や土地の有償譲渡の制限により,当該土地を他に売却しようとしても通常の取引の場合のように買手を見つけることが困難になるという制限を受けることになり,特にこの制限については排除するために争うべき後続する処分が存在しない。 このように,都市施設に関する都市計画決定がされると,都市計画施設の区域内においては,建築物の建築や土地の譲渡を自由に行うことができなくなるという制限や,通常の取引の場合のように所有する土地の買手を見つけることが困難になるという制限を受けることになり,これは,都市計画施設の区域内に土地を所有する者の財産権を直接的に侵害,制約するものである。 したがって,都市施設に関する都市計画決定は,国民の法的地位に直接 的な影響を及ぼすものであるから,抗告訴訟の対象となるべき処分性が認められる。 ウ都市計画決定により土地の収用等を したがって,都市施設に関する都市計画決定は,国民の法的地位に直接 的な影響を及ぼすものであるから,抗告訴訟の対象となるべき処分性が認められる。 ウ都市計画決定により土地の収用等を受けるべき地位に立たされること都市施設に関する都市計画事業は,都市計画決定,都市計画事業の認可,収用というように手続が進行していくところ,都市計画事業の認可は,都市計画決定を前提として行われるものであり(都市計画法61条1号),しかも,都市計画事業の認可の基準は,①申請手続が法令に違反しないこと,②事業の内容が都市計画に適合し事業施行期間が適切であること,③その他行政機関の許可等が必要な場合には許可等がされていること(あるいはそれが確実なこと)(同条)というごく単純なものである上,上記の各要件のうち,都市計画事業の認可の際に実質的な判断があり得る②の「事業の内容が都市計画に適合し」という要件の審査は,実際は形式的な図面等の照合が行われるにすぎないため,都市計画決定がされたのに都市計画事業の認可がされないようなことは極めて例外的である。 また,都市計画決定に伴う建築物の建築の制限等の効果も,都市計画が事業化されてこれが遂行されるまでの間に,事業の障害となる事態が発生することを防止するためのものである。 さらに,都市計画事業において土地の収用等を受けるべき地位に立たされていることの排除を求めるという場合,一応,都市計画決定に続く都市計画事業の認可を待ってこれに対する抗告訴訟を提起することが考えられるものの,都市施設に関する都市計画は,必ずしも都市計画事業として施行しなければならないというわけではなく,同法59条の都市計画事業の認可を受けることなく都市計画を施行することも可能であるため,都市計画事業の認可前から任意買収による土地取得が進めら 画事業として施行しなければならないというわけではなく,同法59条の都市計画事業の認可を受けることなく都市計画を施行することも可能であるため,都市計画事業の認可前から任意買収による土地取得が進められ,買収に応じて他に転出する者が現れたり,さらには,都市計画施設を整備する工事が進行したりした結果,都市計画事業の認可に対する抗告訴訟において,都市計 画決定が違法であるとして当該事業認可が違法であると判断されたとしても,行政事件訴訟法31条1項に基づき特別の事情による請求の棄却の判決(以下「事情判決」という。)がされてしまうことが大いに予想される。 このように,都市計画施設についての都市計画事業において,都市計画決定は,都市計画の手続の一連のプロセスの中で,土地の収用等にまで継続する権利制限の発端となる行為であり,同法の仕組みからすれば,都市計画決定がされた段階で,都市計画施設の区域内の土地の土地所有者は,土地の収用等を受ける地位に立たされる。 したがって,都市施設に関する都市計画決定は,都市計画施設の区域内の土地所有者の法的地位を具体的に変動させるものということができるから,抗告訴訟の対象となるべき処分性が認められる。 エ都市計画決定がされているという段階で司法判断の対象とするのに十分な紛争の成熟性が認められること(ア) 都市施設に関する都市計画決定について,都市計画法(平成23年法律第105号による改正前のもの)11条2項は,「都市施設については,都市施設の種類,名称,位置及び区域その他政令で定める事項を都市計画に定めるものとする」とし,それを受けて,都市計画法施行令6条1項は,「法第11条第2項の政令で定める事項は,次の各号に掲げる施設について,それぞれ当該各号に定める」ものとし,同項1号は,「道路種別及び車線 とする」とし,それを受けて,都市計画法施行令6条1項は,「法第11条第2項の政令で定める事項は,次の各号に掲げる施設について,それぞれ当該各号に定める」ものとし,同項1号は,「道路種別及び車線の数(車線のない道路である場合を除く。)その他の構造」を定めるものと規定している。また,同条2項は,「前項の種別及び構造の細目は,国土交通省令で定める」とし,これを受けて,都市計画法施行規則7条は,「令第6条第2項の国土交通省令で定める種別及び構造の細目は,次の各号に掲げる種別及び構造について,それぞれ当該各号に掲げるものとする」とし,同条1号は,「道路の種別自動車専用道路,幹線街路,区画街路又は特殊街路の別」と定め,同条 2号は「道路の構造車線の数(特殊街路その他の車線がない道路である場合を除く。),幅員並びに嵩上式,地下式,掘割式又は地表式の別及び地表式の区間において鉄道又は自動車専用道路若しくは幹線街路と交差するときは立体交差又は平面交差の別」を定めるものと規定している。そして,都市計画の内容等は,総括図,計画図及び計画書によって表示されており(同法14条1項),実際,都市計画事業の認可の際しても,図面と計画,事業の概要を示す書類を照合して適合性を判断しているにすぎない。 このように,一般に都市施設(道路)に関する都市計画決定では,都市計画の内容である当該都市施設(道路)についての基本的事項は全て定められており,都市計画決定がされた段階で司法審査を行うべき事項は全て出尽くしているから,紛争が抽象的であるとか,不明確であるとはいえず,現に,都市計画事業の認可に対する抗告訴訟においても,そこで争われるのは専ら都市計画決定の違法性である。 したがって,都市施設に関する都市計画決定は,その内容について,司法審査を受けるに足 いえず,現に,都市計画事業の認可に対する抗告訴訟においても,そこで争われるのは専ら都市計画決定の違法性である。 したがって,都市施設に関する都市計画決定は,その内容について,司法審査を受けるに足りる具体性を備えており,十分に紛争としての成熟性があるから,抗告訴訟の対象となるべき処分性が認められる。 (イ) 特に本件都市計画決定については,本訴訟係属中の平成24年9月に外環の2の一部であるα12JCT区間についての都市計画事業の認可がされているところ,α12JCT区間についての都市計画事業認可申請書に記載された「申請の理由」等からすると,南北道路のネットワークの強化のため,外環の2の残りの部分が事業化されることが当然の前提となっているものと考えられる。さらに,α12JCT区間に続く練馬3キロ区間についても,事業化に向けた具体的な準備のために平成26年11月28日に都市計画変更決定がされた。 都市計画法は,都市計画を「当該都市の健全な発展と秩序ある整備を 図るために必要なものを,一体的かつ総合的に定めなければならない」と規定していることからすると(同法13条1項本文),一体的総合的に定められている都市計画の一部が事業化された場合,他の部分についても,事業化される蓋然性が格段に高まっているといえる。また,都市計画の一部について都市計画事業の認可がされていると,都市計画事業の認可がされている区域外の住民等が自己の居住地を事業地とする都市計画事業の認可を待ってこれに対する抗告訴訟を提起した場合に,既に都市計画の一部について都市計画事業の認可がされて事業化が進行し,同法に基づく種々の手続が進行してしまっているとして,その訴訟において,都市計画決定が違法であるとして当該事業認可が違法であると判断されたとしても,事情判決がされてしま 認可がされて事業化が進行し,同法に基づく種々の手続が進行してしまっているとして,その訴訟において,都市計画決定が違法であるとして当該事業認可が違法であると判断されたとしても,事情判決がされてしまう可能性が高いことからすると,実効的な救済を図るためには,都市計画の一部について都市計画事業の認可があった段階で都市計画決定に対する取消訴訟等を認める必要がある。 そうすると,α12JCT区間について事業化され,また,それに続く練馬3キロ区間について事業化に向けた具体的な準備のための都市計画変更決定がされた本件都市計画決定については,司法判断を受けるべき紛争の成熟性があるから,抗告訴訟の対象となるべき処分性が認められる。 オ小括以上によれば,都市施設に関する都市計画決定,特に本件都市計画決定のように都市計画の一部が事業化されている都市計画決定については,抗告訴訟の対象となるべき処分性が認められる。 (被告)ア処分性の判断基準抗告訴訟の対象となる行政処分とは,公権力の主体たる国又は地方公共 団体が行う行為のうち,その行為によって,直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。 イ都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限等は都市計画決定に処分性を認める根拠とはならないこと都市施設に関する都市計画決定されると,都市計画施設の区域内においては,建築物の建築につき,原則として都道府県知事等の許可を要することになるところ(都市計画法53条1項),この建築物の建築の制限は,具体的な施行時期が未定の段階において,都市計画として決定される計画についての将来の事業の円滑な施行を確保するために付与された付随的な効果であり,当該区域内の不特定多数の者に対する一般的,抽象的な規制 的な施行時期が未定の段階において,都市計画として決定される計画についての将来の事業の円滑な施行を確保するために付与された付随的な効果であり,当該区域内の不特定多数の者に対する一般的,抽象的な規制にすぎず,特定の個人に対して具体的な処分がされたというものではない。 上記の建築物の建築の制限は,建築物を建築しようとする者が,建物の建築の許可申請をして不許可となったときに初めて具体化するものであり,このような場合には,当該不許可に対する抗告訴訟を提起し,その手続において,都市計画決定の違法性を争うことも可能である。また,上記の建築物の建築の制限は,建築物の建築に限り許可制とした上で,軽易なものは許可を不要とし(同項1号),木造2階建程度の建物などで移転,除去が比較的容易なものについては許可をしなければならないとされているなど(同法54条3号),都市計画事業の認可後の建築物,工作物等に関する制限(同法65条)と比べて,制限の内容としては弱く,違反者に対して罰則が適用されることもない。このように,同法53条1項の規定する建築物の建築の制限は,都市計画決定の効果として個人の権利に対し直接影響を及ぼすようなものではなく,都市計画決定に伴う付随的な効果にとどまるものであり,建築物の建築が不許可とされた場合にこれを争う手段もあることからすると,都市計画決定の処分性を認める根拠とはならない。 また,都市計画施設の区域内において,土地の有償譲渡について事前に 都道府県知事への予定対価の額等の届出を要することとされ,この届出がされた場合に都道府県知事による買取り可能になるのは,都道府県知事等が同法55条1項の規定による指定を行った区域内に限られており(同法57条1項),都市計画決定がされたからといって,当然に上記の区域の指定がされるわけではない る買取り可能になるのは,都道府県知事等が同法55条1項の規定による指定を行った区域内に限られており(同法57条1項),都市計画決定がされたからといって,当然に上記の区域の指定がされるわけではないことからすると(現に本件都市計画決定に係る外環の2の区域については,同法55条1項の規定による都知事による区域の指定はされていない。),同法57条の規定する土地の有償譲渡の制限も,都市計画決定の処分性を認める根拠とはならない。 その他,原告らが主張する土地を売却する困難等についても,都市計画決定の処分性を認める根拠となるものではない。 ウ都市計画決定により土地の収用等を受けるべき地位に立たされるわけではないこと外環の2のような一市町村の区域を越える広域の見地から決定すべき都市施設については,現行法上,都道府県が,都道府県都市計画審議会の議を経て,国土交通大臣の同意を得た上,都市計画決定をしてその告示をする(都市計画法11条1項1号,15条1項6号,18条,20条)。その後,都道府県が,当該都市計画施設(同法4条6項)の整備を都市計画事業(同条15項)として施行しようとする場合には,国土交通大臣の認可を受ける必要があり(同法59条2項),この都市計画事業の認可の告示がされることによって,施行者である都道府県に対して事業地内の土地を収用し得る地位が付与されることになる(同法70条1項,土地収用法第4章)。 このように,都市計画事業は,その制度上,都市計画決定から都市計画事業の完了までの間にいくつかの手続が予定されているところ,都市計画決定の段階では,総括図,計画図及び計画書において,計画の大体の輪郭が示されるにすぎず(同法14条,都市計画法施行規則9条),事業の施 行時期も定まっているわけでもなく,今後進展する手続の基本とな 階では,総括図,計画図及び計画書において,計画の大体の輪郭が示されるにすぎず(同法14条,都市計画法施行規則9条),事業の施 行時期も定まっているわけでもなく,今後進展する手続の基本となる事項が一般的,抽象的に定められているにすぎない(同法11条1項,3項,都市計画法施行令6条,6条の2)。また,都市計画は,その後の状況の変化に応じた変更が当然に予定されており,同法には,都市計画決定後の都市計画の変更の手続(同法21条)が定められているなど,必ずしも,当初の都市計画決定で定められた都市計画のとおりに都市計画事業の認可や土地収用が行われるとは限らず(現に外環本線に係る都市計画については,昭和41年7月の都市計画決定後も,構造形式の嵩上式から堀割式への変更,幅員の変更などの都市計画決定の変更を経て,平成19年4月には嵩上式構造形式が地下式へと変更する旨の決定がされており,外環の2に係る都市計画についても,昭和61年1月に,一部の区間が廃止されている。),都市計画の変更によって,以前は都市計画の区域内にあるとされていた土地が,その区域から除外されて土地収用を受けることがなくなることもあり得るのであるから,都市計画決定がされたことから直ちに,当該都市計画施設の区域内の土地の所有者が土地収用等を受ける地位に立たされるとはいえない。 そうすると,都市計画決定の段階では,都市計画施設の区域内の土地所有者等の権利にどのような具体的な変動を及ぼすかがいまだ確定されたとはいえないから,都市計画決定は,個人の具体的権利義務に影響を及ぼすものではなく,処分性は認められない。 エ都市計画決定の段階では紛争として成熟している段階にあるとはいえないこと(ア) 都市施設である道路についての都市計画決定の内容は,現行の都市計画法を前提としても, ,処分性は認められない。 エ都市計画決定の段階では紛争として成熟している段階にあるとはいえないこと(ア) 都市施設である道路についての都市計画決定の内容は,現行の都市計画法を前提としても,道路の種別(自動車専用道路,幹線街路,区画街路又は特殊街路の別),道路の構造(車線の数,幅員並びに嵩上式,地下式,堀割式又は地表式の別及び地表式の区間において鉄道又は自動 車専用道路若しくは幹線が入りと交差するときは立体交差又は平面交差の別),名称,位置及び区域という基本的な枠組みを定めるものにすぎない(同法11条2項,都市計画法施行令6条1号,都市計画法施行規則7条)。 一方,都市計画事業の認可を申請する段階に至ると,施行者の名称,都市計画事業の種類,事業計画(収用又は使用の別を明らかにした事業地,設計の概要,事業施行期間)明らかにした上で,事業地を表示する図面(①事業地の位置を示した縮尺5万分の1以上の地形図,②収用すべき部分・使用すべき部分や収用・使用すべき物件を色分けし,主要な物件を図示した縮尺2万5千分の1以上の実測平面図),設計の概要を表示する図面(主要な施設の位置及び内容を示した縮尺2万5千分の1以上の平面図),資金計画書(収支予算を明らかにして作成されたもの。 収入の確実と認められる金額を収入金として計上し,適正かつ合理的な基準により算定した経費を支出金として計上したもの。)などを提出することが必要となる(同法60条,同規則44条ないし47条)。 このように,都市計画決定の段階では,都市計画事業の基本的な枠組みが決まっているだけで,その具体的な施行内容,施行時期,資金計画も,都市計画施設の区域の権利者から所有権を取得すべきなのか使用で足りるかということすら決まっていないことからすると,いまだ都市計画施設の区域内 いるだけで,その具体的な施行内容,施行時期,資金計画も,都市計画施設の区域の権利者から所有権を取得すべきなのか使用で足りるかということすら決まっていないことからすると,いまだ都市計画施設の区域内の土地所有者等の法的地位が影響を受けているとはいえず,紛争として成熟しているとはいえない。 (イ) 被告が外環の2の一部であるα12JCT区間について都市計画事業の認可を受けたのは,この区間において,外環本線の事業が実施されたことが前提となっている。すなわち,外環本線のうちのα12JCT区間と重なる付近では,その北端において既に供用されている関越道以北の東京外かく環状道路と接続するところ,この関越道以北の部分の構 造形式は堀割式であり,これに接続する部分については,大深度地下の公共的利用に関する特別措置法及び同施行令の規定する大深度地下を利用することができず,地下を通るにしても大深度ではなく,地表に近いところとなるため,事業実施には用地買収が必要となる。また,外環本線に係る都市計画には,α12ジャンクションで接続する関越道への連結路及び一般道への出入口でα7インターチェンジ(仮称)における連結路の建設事業が含まれているものの,これらの連結路は地下から地上に移行するものであり,一部は嵩上式となるため,この部分についても用地買収が必要となる。さらに,外環本線のトンネル部分の掘削にはシールド工法を採用することができるが,外環本線のα12ジャンクション付近については,連結路が地表や高架となる部分はもとより,地下における連結路への分岐部分や連結路が地下を通る部分も開削工法で施工されるため,その大部分で地上部を利用して建設工事が行われることになる。加えて,この外環本線の事業地には,もともと都道であるα16通り及びα17通り(いずれも幅員約 が地下を通る部分も開削工法で施工されるため,その大部分で地上部を利用して建設工事が行われることになる。加えて,この外環本線の事業地には,もともと都道であるα16通り及びα17通り(いずれも幅員約4mの歩道のない一方通行路)があるが,これらの道路は,外環本線の事業化により,建設工事が施工される段階から道路としての機能を失ってしまうため,このままでは当該地域の道路ネットワークが分断されることになるところ,外環本線の事業者である国(国土交通省)が現状を復旧する場合,単に現状の狭隘な一方通行の道路に復旧するにとどまるため,α16通り及びα17通りを管理する被告は,地域の円滑な交通や歩行者の安全の確保を図るための道路整備を推進する責務を負う立場として,外環の2のα12JCT区間の事業を実施することにより,地上部の道路を往復二車線で緑豊かな歩道を設けた快適な道路に改良することとし,外環本線の整備に合わせ,外環の2に係る計画区間のうちα7から練馬主要区道33号線(前原交差点)までの約1kmの区間(α12JCT区間)について,都市 計画事業によって整備することとしたのである。その他,外環の2に係る都市計画と外環本線に係る都市計画とは,α12JCT区間において複雑に重なり合っており,二つの都市計画線が錯綜している状況にあるため,両方の計画地にまたがっている地権者が数多く存在するところ,この地域における外環本線の事業実施に当たっては,地下式といえども用地買収が必要であり,仮に二つの事業実施時期がずれた場合,これらの地権者においては,用地の事業者の移転がそれぞれの事業毎に二段階で行われることになり,居住地や事業地の移転等の関係で生活再建を円滑に行うに当たって支障となりかねないことから,双方の事業を同時期に実施することが強く望まれていた。 移転がそれぞれの事業毎に二段階で行われることになり,居住地や事業地の移転等の関係で生活再建を円滑に行うに当たって支障となりかねないことから,双方の事業を同時期に実施することが強く望まれていた。 このように,α12JCT区間について都市計画事業の認可を受けたのは,α12JCT区間の状況に応じた特別な事情があったからであり,α12JCT区間と残余の約8kmの区間,そのうちでも特に本件土地の付近の区間とでは事情が異なっており,残余の約8kmの区間については,外環本線の事業に併せて事業化すべき事情は見受けられず,都市計画事業の認可が差し迫った状況にあるとはいえない。 したがって,α12JCT区間の都市計画事業の認可等は,本件都市計画決定について処分性を認める理由とはならない。 (2) 本件都市計画決定の無効事由の有無(争点②)(原告ら)ア外環本線の構造形式が嵩上式から大深度地下方式に変更されたことによって外環の2に係る都市計画が重要な事実の基礎を欠くこととなったこと(都市計画法13条1項違反)(ア) 都市計画基準に係る都市計画法13条1項柱書きは,都市計画について,国土形成計画,首都圏整備計画等,国土計画又は地方計画に関する法律に基づく計画,及び道路,河川,鉄道,港湾,航空等の施設に関 する国の計画に適合するとともに,土地利用,都市施設の設備に関する事項で当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを,一体的かつ総合的に定めなければならないとし,同項11号において,都市施設について,土地利用,交通等の現状及び将来の見通しを勘案して,適切な規模で必要な位置に配置することにより,円滑な都市計画を確保し,良好な都市環境を保持するように定め,同項19号において,このような基準を適用するについて,同法6条1項の規 の見通しを勘案して,適切な規模で必要な位置に配置することにより,円滑な都市計画を確保し,良好な都市環境を保持するように定め,同項19号において,このような基準を適用するについて,同法6条1項の規定による都市計画に関する基礎調査の結果に基づき,かつ,政府が法律に基づき行う人口,産業,住宅,建築,交通,工場立地その他の調査の結果について配慮することとしている。上記各規定の趣旨は,客観的,実証的な基礎調査の結果に基づく土地利用,交通等についての現状の正しい認識及び将来の的確な見通しを踏まえて,合理的な判断がされ,都市施設が適切な規模で必要な位置に配置されることを確保しようとすることにある。 そして,上記のような同法の規定及びその趣旨からすれば,都市計画について,基礎調査から導き出される個々の基礎事実の変更,消失にとどまらず,全ての基礎調査において共通の前提とされている事実,すなわち,基礎とされた重要な事実が大幅に変更したり,消滅したりした場合には,当該都市計画は,同法13条1項に違反するものとなり,当該都市計画を決定した都市計画決定は違法となる。 なお,行政処分の瑕疵を判断するにつき,処分時の事情によるべきか,処分後判決時までに生じた事情も考慮して行うべきかについては,当該行政訴訟における請求の目的や当事者が違法であるとする法律関係の性質,根拠となる法令の趣旨等を勘案して決すべきところ,都市計画決定のように,その処分の効力によって発生した法律上の効果が存続し,その効果を存続させることが当該行政処分の目的内容となっているものについては,当該行政処分がされた後の事情についても,当該行政処分の 効力の判断を行うに際して考慮されるべきである。したがって,都市計画について,その基礎とされた重要な事実を欠いていた場合はもとより,その 政処分がされた後の事情についても,当該行政処分の 効力の判断を行うに際して考慮されるべきである。したがって,都市計画について,その基礎とされた重要な事実を欠いていた場合はもとより,その後の事情の変化により,基礎とされた重要な事実が大幅に変更,消滅した場合にも,重要な事実の基礎を欠くものとして,当該都市計画は,同項に違反するものとなり,当該都市計画を決定した都市計画決定は違法となる。これは,後記イ以下においても同様である。 (イ) この点,まず,次の諸事情からすると,外環の2は外環本線と一体のものであり,外環本線の構造形式が嵩上式とされていたことこそが,外環の2に係る都市計画の基礎とされた重要な事実ということができる。 a そもそも外環の2はその名が示すとおり,外環本線に係る都市計画に伴って計画された一般道であり,付議された東京都市計画地方審議会(以下「都計審」という。)に先立つ東京都市計画街路調査特別委員会(以下「街路特別委員会」という。)においても,それまでされてきた街路計画に係る道路網の再検討とは無関係に,東京都市計画高速道路調査特別委員会で議論されていた外環本線との関係で,付属街路とともに,突然道路網計画に入れられたものである。しかも,外環の2に係る議案は,外環本線に係る議案と一括して都計審に上程され,都計審等においても,外環本線と関連付けられた説明がされているだけで,独自の必要性の説明は全くされないまま,3回の都計審で継続審議された後,共に特別委員会に付され,3回の特別委員会での審理を経て都計審で一括して決議されている。 b 外環の2は,その区間は外環本線の区域と約9kmにわたって完全に重複しており,その構造も構造形式を嵩上式とする幅員23mの外環本線を収用することができるようにするため,幅員が40mとされ 。 b 外環の2は,その区間は外環本線の区域と約9kmにわたって完全に重複しており,その構造も構造形式を嵩上式とする幅員23mの外環本線を収用することができるようにするため,幅員が40mとされていたなど,高速道路である外環本線を収容するための空間として計画されていた。 c 都計審等の議事録からも明らかなように,外環の2は,構造形式を嵩上式とする外環本線の維持管理や日照等の点で通常の利用に適しない土地(死に地)の利用のため,また,予想交通量から外環本線が6車線ではなく,4車線とされた関係で,外環本線で処理することができなくなった交通量を処理するため,さらには,高速道路建設である外環本線の建設に伴う地元対策のために計画されたものであり,東京23区周辺で急増する交通需要を処理するために必要として決定されたことをうかがわせる事情は見当たらず,都市間ネットワーク機能もないなど,独自の必要性は認められない。 なお,被告は,外環本線と外環の2とが,機能,目的を異にすると主張するが,高速道路一般の機能,目的と幹線街路一般の機能,目的が異なることは当然であり,何ら外環本線と外環の2の一体性を否定する理由にはならない。 d 昭和41年に外環の2に係る都市計画決定がされた後も,昭和45年に建設大臣によって外環本線に係る都市計画の凍結宣言がされると,外環本線に係る都市計画と共に約40年間にわたって凍結され,また,昭和61年に外環本線の一部の構造形式が嵩上式から掘割式に変更された際には,外環の2に係る都市計画のうちの上記部分と重なる部分が自動的に廃止され,さらに,外環の2は,平成19年外環本線変更決定において外環本線の構造形式が嵩上式から地下式に変更されることにより,「高速道路が地下化された場合に検討が必要な路線」(要検討路線)に位置 に廃止され,さらに,外環の2は,平成19年外環本線変更決定において外環本線の構造形式が嵩上式から地下式に変更されることにより,「高速道路が地下化された場合に検討が必要な路線」(要検討路線)に位置付けられた。 e 外環の2に係る収用費を含む事業費についても,外環本線が設置される幅員23m分については,嵩上式の外環本線の費用(国の費用)で収用されることになるため,収用費が不要となるとされていたなど,独自の予算構想もなかった。 (ウ) このように,外環の2は外環本線と一体のものであり,外環の2に係る都市計画は,外環本線の構造形式が嵩上式であることを基礎となる重要な事実としていたところ,平成19年外環本線変更決定において外環本線の構造形式が嵩上式から大深度地下方式に変更されたことにより,重要な事実の基礎を欠くこととなって都市計画法13条1項に違反するものとなり,外環の2に係る都市計画を決定した本件都市計画決定は違法なものとなった。そして,このことは,平成26年11月28日の都市計画変更決定がされた時点でも同様である。 イ外環の2に係る都市計画は外環本線に係る都市計画との間で一体性,総合性を欠くこと(都市計画法13条1項違反)(ア) 都市計画法13条1項は,その柱書き前段の後半部分において,都市計画は「土地利用,都市施設の整備及び市街地開発事業に関する事項で当該都市の健全な発展秩序ある整備を図るため必要なものを,一体的かつ総合的に定めなければならない」と規定しているところ,上記のような都市計画の一体性,総合性は,単一の都市計画の内部だけで要請されるものではなく,むしろ関連する複数の都市計画相互間においてこそ要請されるものである。 そして,一定範囲の空間に関わる複数の都市計画が存在する場合,これらが一体性,総合性の要請 内部だけで要請されるものではなく,むしろ関連する複数の都市計画相互間においてこそ要請されるものである。 そして,一定範囲の空間に関わる複数の都市計画が存在する場合,これらが一体性,総合性の要請を満たしているか否かは,総体としての都市計画という観点から,当該空間に関わる複数の都市計画の目的が有機的に連携し,積極的に協働しているか否かによって判断されるべきであり,少なくとも,ある都市計画の目的が他の都市計画の目的と矛盾し,これを阻害することになる場合には,両都市計画は,一体性,総合性を欠くものとして,同項に違反するものとなる。また,一方の都市計画が先行して事業化されて判断が固定化されている場合には,後続の都市計画について,当該決定の決定権者において,先行する都市計画との間で 一体性,総合性を保持するように変更する義務が発生し,このような変更がされなければ,後続の都市計画は,先行している都市計画との間で一体性,総合性を欠くものとなり,当該都市計画を決定した都市計画決定は違法となる。 (イ) 外環の2と外環本線は,いずれの都市計画決定の決定主体も被告であり,また,共に都市施設である道路に関する都市計画であって,さらに,昭和41年に都市計画決定がされた当時,外環の2と外環本線の区域が重複しており,しかも,都市計画決定自体が同時にされていることからすると,外環の2に係る都市計画と外環本線に係る都市計画とは,一定の空間の空間形成に関する共通の目標に向けた積極的協働が求められ,それゆえ,求められる一体性,総合性の程度も極めて高く,両者は,複数の目標が単に矛盾なく両立するという程度を越えて,同一の目標あるいは有機的に連携した複数の目標に向けて積極的協働をすることが,より高度に求められる。 (ウ) この点,外環本線に係る都市計画は, 複数の目標が単に矛盾なく両立するという程度を越えて,同一の目標あるいは有機的に連携した複数の目標に向けて積極的協働をすることが,より高度に求められる。 (ウ) この点,外環本線に係る都市計画は,平成19年外環本線変更決定において,構造形式が当初の嵩上式から大深度地下方式へと変更されているところ,その目的は,外環本線が特に高度な土地利用が図られている東京都内の既成市街地部を通過するため,「沿道環境を保全し,移転等の影響を極力少なくするため」という行政目的から,用地買収や土地収用,区分地上権設定範囲を極力小さくし,早期整備を図るというものであった。 これに対し,外環の2に係る都市計画は,外環本線の変更前のルートと同一の地上部に幹線街路を建設するというものであり,この計画が事業化された場合には,変更前の外環本線と重複する正に高度な土地利用が図られている既成市街地部を縦断して用地買収や土地収用等が全面的に必要となるから,外環の2に係る都市計画の内容及びこれを整備した 場合の効果は,既に先行している外環本線計画の目的と積極的に協働しているどころか,その計画の目的達成を不可能か,少なくとも著しく困難とするものであって,外環本線に係る都市計画の目的と一見明白かつ本質的に矛盾するものとなっている。 したがって,外環の2に係る都市計画は,外環本線に係る都市計画との間で一体性,総合性を欠くものとなっており,都市計画法13条1項に違反するものとなっているから,外環の2に係る都市計画を決定した本件都市計画決定は違法である。そして,このことは,平成26年11月28日の都市計画変更決定がされた時点でも同様である。 ウ外環の2は「当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なもの」ではなく,「適切な規模で必要な位置に配置」されたものでもな 6年11月28日の都市計画変更決定がされた時点でも同様である。 ウ外環の2は「当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なもの」ではなく,「適切な規模で必要な位置に配置」されたものでもないこと(都市計画法13条1項違反)(ア) 都市計画法13条1項柱書き前段は,都市計画は「当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを,一体的かつ総合的に定めなければならない」と規定し,同項11号前段は,「都市施設は,土地利用,交通等の現状及び将来の見通しを勘案して,適切な規模で必要な位置に配置することにより,円滑な都市活動を確保し,良好な都市環境を保持するように定めること」と規定している。 したがって,都市施設に関する都市計画が同項の規定する都市計画基準に適合しているというためには,当該都市施設が「当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なもの」であり,かつ,「土地利用,交通等の現状及び将来の見通しを勘案して,適切な規模で必要な位置に配置」されたものであることを要する。 (イ) しかるに,本件都市計画決定に係る都市計画施設である外環の2は,次のとおり,「当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なもの」ではないし,「土地利用,交通等の現状及び将来の見通しを勘案 して,適切な規模で必要な位置に配置」されたものでもない。 a まず,道路建設の必要性は,基本的に自動車交通の処理機能の観点から検討されるべきであるが,次のとおり,外環の2には自動車交通の処理機能の観点からみて,必要性が認められない。 (a) 本件都市計画決定に係る都市計画施設である外環の2の区域は,住宅地として整備された際に整然とした土地割りがされており,南北に相応の幅員をもった道路が並行して10本以上走っており,緊急車両等の通行にも支障 市計画決定に係る都市計画施設である外環の2の区域は,住宅地として整備された際に整然とした土地割りがされており,南北に相応の幅員をもった道路が並行して10本以上走っており,緊急車両等の通行にも支障はないことからすると,これらに加えて南北に道路を整備する必要性が乏しいことは明らかである。そもそも,日本の人口は平成20年12月をピークに減少傾向にあり,今後も人口は減少していくことが見込まれるところ,この人口の減少に伴って交通量も減少していくことは明らかであり,警視庁交通部が毎年作成している交通量統計表においても,都県境流出入交通量は,過去10年間についてみても平成16年から減少傾向となっており,その他の部分でも,交通量の基調は横ばいであり,少なくとも交通量が増加する客観的根拠は見いだせない。しかも,現在事業化されている外環本線が完成すれば,外環の2の区域における南北の通過交通は劇的に少なくなるはずであり,昭和41年当時は4車線とされていた外環本線が,平成19年外環本線変更決定において6車線にされたことからすると,自動車交通の処理機能の点からは外環の2が必要ないことは明らかである。 (b) 昭和41年以前に作成された東京都の細道路網図には,外環の2に相当する場所に道路計画が記載されていないことからすると,昭和41年以前には,外環の2の計画地には,地域的な道路整備の必要性もなかったといえる。また,外環本線及び外環の2に係る都計審での審議経過をみても,昭和41年当時の交通量調査を基礎に 最も議論されたのは,外環本線の中央道以北を6車線とするか4車線とするかということであり,しかも,当時の交通量調査を基礎に決められたというルートについても,外環の2ではなく,外環本線における交通量の処理の必要性から決められたものであった。さらに するか4車線とするかということであり,しかも,当時の交通量調査を基礎に決められたというルートについても,外環の2ではなく,外環本線における交通量の処理の必要性から決められたものであった。さらに,被告が東京23区における道路交通網整備を検討して平成16年3月に策定した「区部における都市計画道路の整備方針」では,外環の2について全く言及されておらず,被告が平成18年4月に策定した「多摩地域における都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)」(以下「平成18年多摩整備方針」という。)でも,外環の2は,今後10年間で優先的に整備すべき優先整備路線とされていないどころか,逆に,「高速道路が地下化された場合に検討が必要な路線」(要検討路線)とされている。しかも,平成18年多摩整備方針の前提となった調査委託報告書において,外環の2は,「都市間ネットワークの形成」の機能も,「骨格幹線道路位置付け路線」としての機能もないとされている。加えて,被告が平成18年6月に公表した「東京外かく環状道路(関越道~東名高速間)将来交通量について」では,外環の2が整備された場合と整備されない場合の2通りの推計がされているところ,外環の2がある場合でもない場合でも,ほとんど交通量は同じという結果となっており,場所によっては外環の2がある方が周辺道路の交通量が増すという結果となっている。 (c) 被告は,現在の交通の状況を前提として,外環の2に必要とされる道路の規模は片側1車線,両側で2車線の道路であると主張しており,この被告の主張を前提とすると,幅員を40mとする外環の2の計画が「適切な規模で必要な位置に配置」されたものでないことが明らかである。 b 前記のとおり,道路の必要性は,基本的に自動車交通の処理機能の必要性から検討されるべきであり,ま の2の計画が「適切な規模で必要な位置に配置」されたものでないことが明らかである。 b 前記のとおり,道路の必要性は,基本的に自動車交通の処理機能の必要性から検討されるべきであり,また,防災対策としては道路建設の他にも様々なものがあることからすると,防災上の必要性は道路の必要性を基礎付ける付随的な理由にしかならないものである。しかも,被告自身の行った調査によれば,外環の2の区域周辺は,東京都の東側地域に比べて震災や火災の危険は大きくはないとされており,外環の2が,被告が作成した「防災都市づくり推進計画」において,特に整備が必要な地域である「整備地域」や「重点整備地域」に指定されたり,「骨格防災軸(都市計画道路等)」に位置付けられたりしてはいない。むしろ,外環の2は,防災上重要な意味をもつ地域コミュニティを分断して破壊する有害なものともいえるものであり,防災の観点からも必要性がないことが明らかである。 c 外環の2が不必要であることは地元にも認識され,外環の2を建設しないことが地元の主要な意見となっている。 d 都市施設が「適切な規模」といえるためには,事業を行うことの必要性や実施することにより生じる便益などの得られる利益(計画のプラス効果)と事業を実施することによる地域住民の負担を始めとする負の影響(計画のマイナス効果)及び財政的負担(財政的コスト)などの失われる利益(広い意味での費用)を比べるという費用対効果の観点からの検討(費用便益分析)が必要である。 そして,都市施設が「適切な規模」といえるためには,少なくともその費用対効果(便益/費用)が1.0以上であることが必要であるところ,外環の2の用地買収費用は,買収の必要な面積45万㎡に公示価格及び基準値価格の平均値41万4750円を乗じた1866億3750万円 費用対効果(便益/費用)が1.0以上であることが必要であるところ,外環の2の用地買収費用は,買収の必要な面積45万㎡に公示価格及び基準値価格の平均値41万4750円を乗じた1866億3750万円に,都市計画道路予定地であることにより価格が下落している割合1.16を乗じた2149億9950万円となるのに対し, 外環の2により得られる便益は,○駅から○駅までの間の約2分の1についてみると,走行時間短縮便益として約630億円,走行経費減少便益として約30億円の合計約670億円前後にすぎない。そうすると,外環の2の約2分の1の区間についてみても,費用が約1075億円に対して便益が約670億円であり,外環の2の費用対効果(便益/費用)が1.0に満たないことは明らかであるから,外環の2は「適切な規模」のものとはいえない。 e 外環の2に係る都市計画は,現に,平成19年外環本線変更決定の後も,場当たり的に,α12JCT区間の事業化,練馬3キロ区間の計画変更がされており,随所で,不合理かつ大きな無駄,矛盾を抱えた道路計画となっており,全体として,廃止されるべき計画であることが露呈されている。 (ウ) このように,外環の2は,「当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なもの」ではないし,「土地利用,交通等の現状及び将来の見通しを勘案して,適切な規模で必要な位置に配置」されたものでもないから,都市計画法13条1項に違反するものであり,外環の2に係る都市計画を決定した本件都市計画決定は違法なものである。そして,このことは,平成26年11月28日の都市計画変更決定がされた時点でも同様である。 エ本件都市計画決定における住民の意思の反映の過程が手続的正義に反すること被告は,昭和45年に外環本線に係る都市計画と共に外環の2に係る 28日の都市計画変更決定がされた時点でも同様である。 エ本件都市計画決定における住民の意思の反映の過程が手続的正義に反すること被告は,昭和45年に外環本線に係る都市計画と共に外環の2に係る都市計画が凍結されてから30年近くを経た後,これらの都市計画を復活させる過程で,PI(パブリック・インボルブメント。以下同じ。)協議会,PI会議,有識者委員会,「地上部街路に関する話し合いの会」(以下「話し合いの会」という。)などといった場をそれぞれ設定し,外環本線 及び外環の2によって影響を受けるであろう沿線の住民との間で,情報提供,意見聴取,意見交換を行って都市計画に「反映」させるための「市民参加プロセス」の手続を採ることを表明した。 しかしながら,被告は,PI協議会やこれを引き継いだPI会議の議論とは別に,これらに諮ることなく,平成17年1月,外環道の地上部分について,外環の2の計画廃止以外に道路を残す案も含めた3案を公表した上,平成24年3月には,外環本線のα12ジャンクション予定地である外環の2のα12JCT区間について,事業化の説明会を突如開催し,話し合いの会には事前に相談や報告をしないまま,同年7月には一部事業化の認可の申請をし,同年9月に認可を得ている。 このように,被告は,PI協議会やPI会議,話し合いの会といった「市民参加のプロセス」の手続を形式的には履践するのであるが,実際には,沿線の住民の意思を都市計画に「反映」させようという考えを持っておらず,被告による上記のようなやり方は手続的正義に反しているから,本件都市計画決定は違法である。 オ昭和41年にされた外環の2に係る都市計画決定が内閣の認可を欠くこと(ア) 外環の2に係る都市計画決定は,当初,昭和41年7月30日に旧都市計画法3条に基づいてされ 計画決定は違法である。 オ昭和41年にされた外環の2に係る都市計画決定が内閣の認可を欠くこと(ア) 外環の2に係る都市計画決定は,当初,昭和41年7月30日に旧都市計画法3条に基づいてされていることから,同条の規定する内閣の認可が必要であるのに,これがされていない。 (イ) この点,許認可等を不要とすることができる旨を規定する臨時措置法は,その適用の要件として「大東亜戦争ニ際シ行政簡素化ノ為必要アルトキ」が規定されているところ,第二次世界大戦の終了によってこの要件を充足することは不可能となったため,当然に失効した。また,臨時措置法は,戦時行政特例法とともに,各種許認可事務等に関する行政事務の統一化,効率化,簡素化を図り,強化された内閣総理大臣の権限 により,「大東亜戦争」の遂行のための戦時生産体制,特に軍需生産体制の強化,確立を遂げることを目的として制定されたものであるが,この目的の達成のため,許認可等を勅令によって不要とするなど,行政手続の根幹である許認可の要否等を勅令に全面委任するという極めて乱暴な措置がとられているのであり,戦争が終結すれば当然に失効すべきものである。 仮に臨時措置法が第二次世界大戦の終了によって当然に失効していなかったとしても,臨時措置法は,法律により許可,認可,免許,特許,承認,検査,協議,届出,報告等を要するとされているあらゆる行政手続について,勅令(日本国憲法施行後は政令)により,上記の許可等を不要とすること(臨時措置法1項1号),申請等があってから一定期間の経過によって許可等があったものとみなすこと(同項3号),「ソノ他ノ簡捷化ノ為ノ必要ナル措置」をすることができること(同項6号)を定めているところ,これらは法律が定めている数々の許認可制度に係る権限の全てを勅令(政令)に包括的 とみなすこと(同項3号),「ソノ他ノ簡捷化ノ為ノ必要ナル措置」をすることができること(同項6号)を定めているところ,これらは法律が定めている数々の許認可制度に係る権限の全てを勅令(政令)に包括的に委任するものであるから,憲法41条に違反するものとして無効である。 そうすると,昭和41年7月30日にされた外環の2に係る都市計画決定について,臨時措置法を根拠として,旧都市計画法3条の規定する内閣の認可が不要であるとすることはできない。 (ウ) したがって,昭和41年7月30日にされた外環の2に係る都市計画決定については,旧都市計画法3条の規定する内閣の認可が必要であったにもかかわらず,これがされていないということになるから,本件都市計画決定は違法である。 カ本件都市計画決定の違法性が重大かつ明白であること前記アないしオのとおり,本件都市計画決定は違法であるところ,その違法性は,多くの住民を立ち退かせて生活を奪うという被侵害利益が重大 なものである。その一方,外環の2に係る都市計画自体はいまだ実施されていないから,外環の2に係る都市計画を前提とした第三者の保護を考慮する必要はなく,その違法性が明白であることは必要ではないから,本件都市計画決定は,その違法性が重大であることのみをもって無効となる。 仮に本件都市計画決定の違法性が明白であることが必要であるとしても,外環の2に係る都市計画は,外環本線の構造形式が嵩上式であることを基礎となる重要な事実としていたところ,平成19年外環本線変更決定において外環本線の構造形式が大深度地下方式に変更されたことにより,重要な事実の基礎を欠くこととなって,都市計画法13条1項に違反することなり,外環の2に係る都市計画を決定した本件都市計画決定が違法なものであることは明白となった。また, 式に変更されたことにより,重要な事実の基礎を欠くこととなって,都市計画法13条1項に違反することなり,外環の2に係る都市計画を決定した本件都市計画決定が違法なものであることは明白となった。また,平成18年4月21日の東京都知事の定例記者会見において,本件都市計画決定の違法性を基礎付ける事実が公表されたことにより,本件都市計画決定の違法性は明白なものとなったともいえるから,本件都市計画決定は,その違法性が重大かつ明白なものとして,無効である。 (被告)ア外環本線の構造形式が嵩上式から地下式に変更されたからといって外環の2に係る都市計画が重要な事実の基礎を欠くということにはならないこと(ア) 外環の2に係る都市計画は,外環本線に係る都市計画と区域が重複することから,その内容が整合するように定められた上,内容に矛盾がないように都計審にも同時に付議されたことは確かである。 しかしながら,次の各事実によれば,外環本線の構造形式が嵩上式であることは,外環の2に係る都市計画の基礎とされた重要な事実ではなかった。 a 建設省告示第2428号によって告示された外環の2を含む都市計 画決定は,東京都内において過去に決定済みであった都市計画道路網について,おおむね東京23区の環状6号線の外側の範囲を対象にして再検討を行った結果,幹線街路,補助線街路を追加,変更し,全体で2580kmの都市計画道路を1490kmに改めるということを内容とするものであり,外環の2は,このようにして見直しが行われた都市計画道路網を構成する幹線道路の一つとして,都計審の議を経て決定されたものであり,上記の範囲にある他の街路とともに全体の街路計画の中の一路線として決定されたものであった。より具体的には,衆議院建設委員会において当時の被告首都整備局長が説明 都計審の議を経て決定されたものであり,上記の範囲にある他の街路とともに全体の街路計画の中の一路線として決定されたものであった。より具体的には,衆議院建設委員会において当時の被告首都整備局長が説明したとおり,外環の2は,東京23区周辺の市街化に伴い急増する交通需要を契機とした同区域での道路交通網整備のため,交通需要の起終点調査を行った結果,交通需要が急激に増えている環状8号線の外側に環状9号線ともいうべき街路を造る必要が認められたことから,幹線街路の一つとして都市計画決定されたものである。外環の2は,幹線街路として他の都市計画道路とのネットワークを構成し,交通を円滑化するという既存の細街路のみでは果たされない機能を有しており,本件都市計画決定において基礎とされた重要な事実は,東京23区周辺の市街化に伴い急増する交通需要を契機としたこの区域での道路交通網整備の必要性であった。 なお,特別委員会や都計審の審議経過等においても,外環の2に係る都市計画決定が構造形式を嵩上式とする外環本線の存在があるからこそ計画されたことの根拠となるような審議はされていないし,都計審等においては,通常,都市計画の内容全てについて口頭での説明や議論が行われるわけではないから,外環の2の独自の必要性についての説明や議論がないからといって,その必要性が否定されるものではない。 b そもそも,外環の2は,円滑な交通処理,良好な市街地環境の形成,災害時の防災性の向上などの多様な機能を有する都市の骨格を形成する幹線街路であり,地上部に建設されることにより,その効用を発揮し得るものである。すなわち,外環の2は,地上部に建設されるからこそ,地上から自由に出入りすることが可能となり,建築基準法43条1項の規定する道路として,接する土地を建築物の敷地とするこ 効用を発揮し得るものである。すなわち,外環の2は,地上部に建設されるからこそ,地上から自由に出入りすることが可能となり,建築基準法43条1項の規定する道路として,接する土地を建築物の敷地とすることを可能にし,さらには,他の都市計画道路とのネットワークを構成し,街区を形成し,延焼防止帯などとして防災機能を備え,路線バスの走行等の公共交通機関の利便性を高め,生活道路への通貨交通の流入を回避し,緑地帯を設け沿道環境の向上を図ることができるというものであり,歩行者専用道や自転車専用道を設けるなどの利用方法も考えられる。 これに対し,外環本線は,より広く首都圏の道路交通の骨格として計画された自動車専用道路である東京外かく環状道路の一部分に当たるものであり,都心から約15kmの圏域を環状に連結する延長約85km道路で,東名高速道路,中央道や関越道などの自動車専用道路と連結するほか,東京外かく環状道路全体としてみると,東北道,常磐道,東関東道などの自動車専用道路とも連絡しているなど,首都圏の高速道路網を構成する非常に重要な道路である。また,外環本線は,一般街路と分離した平面交差のない自動車専用道路(都市高速道路)であり,沿道の土地からの出入りができないこと,建築基準法43条1項の道路からは除外されているため,沿道の土地は建築物の敷地としての接道要件を満たさないこと,周辺の細街路とのネットワークを構成するものでもないこと,路線バスなど地域の公共交通機関には活用し難いことなど,外環の2とは機能を異にしている。 このように,外環の2は,外環本線とは異なる独自の機能を有して いる。 c 外環本線の一部の構造形式を嵩上式から堀割式に変更する外環本線に係る昭和61年の都市計画変更決定に伴って外環の2の一部が廃止されたが,このことをもって る独自の機能を有して いる。 c 外環本線の一部の構造形式を嵩上式から堀割式に変更する外環本線に係る昭和61年の都市計画変更決定に伴って外環の2の一部が廃止されたが,このことをもって,外環本線の構造形式が嵩上式であることが外環の2に係る都市計画において基礎とされた重要な事実であったということにはならない。むしろ,平成19年外環本線変更決定に伴って,外環本線の附属街路が廃止されているにもかかわらず,外環の2に係る都市計画が廃止されていないことは,外環の2が,外環本線の構造形式が嵩上式であることを基礎としておらず,独自の必要性があって計画されたことを示している。 (イ) 外環本線は,もともと東京外かく環状道路の一部を構成し,都心部の慢性的な渋滞を解消し,国際競争力を高めるとともに快適で利便性の高い都市を実現する上で必要不可欠な道路として,早期着工を図るべき優先度の極めて高い都市計画であったところ,平成19年4月の都市計画(変更)決定により,ジャンクション(東名高速道路,中央道,関越道と立体交差で接続する部分)及びインターチェンジ(自動車専用道路ではない東八道路,青梅街道,α7と立体交差で接続する部分)を別として,基本的に大深度地下を利用する地下方式に計画が変更されたことにより,事業化に向けての具体的な内容を整え,可及的に事業の進捗に取り組む段階となった。 これに対し,外環の2に係る都市計画は,前記(ア)のとおり,外環本線の構造形式が嵩上式であることを基礎となる重要な事実としていたわけではなく,外環本線が基本的に大深度地下を利用する地下方式となったことにより,外環本線との間で,具体的な,設計,建設工事を一体的かつ総合的に行わなければ非効率となるような関係が相当程度希薄となり,事業化の歩調を合わせる大きな意味が特に認めら する地下方式となったことにより,外環本線との間で,具体的な,設計,建設工事を一体的かつ総合的に行わなければ非効率となるような関係が相当程度希薄となり,事業化の歩調を合わせる大きな意味が特に認められなくなったこと から,他の多くの都市計画道路と共にネットワークを構成するものであるという位置付けを前提としつつ,改めて,計画内容を検討することとしているところである。 したがって,収用の問題や原告らの主張する住環境の観点から,外環本線が地下式として地上部から姿を消したから地上部の外環の2も廃止が当然であるという原告らの主張は,両者の位置関係のみのとらわれた当を得ないものである。 (ウ) 以上によれば,外環の2に係る都市計画は,外環本線の構造形式が嵩上式であることを基礎とされた重要な事実とするものではなく,平成19年外環本線変更決定において外環本線の構造形式が嵩上式から地下式に変更されたからといって,重要な事実の基礎を欠くことになったということはない。 なお,そもそも,抗告訴訟における行政処分の違法性判断の基準時は,当該行政処分がされた当時であるところ,原告らが本件都市計画決定(ないし外環の2に係る都市計画)の違法事由(無効事由)として主張する平成19年外環本線変更決定は外環の2に係る昭和41年の都市計画決定の後にされたものであるから,この平成19年外環本線変更決定を前提とした主張自体が失当というべきである。一般的に,行政処分後に法令あるいは事実状態の変化があった場合には,まず行政庁が変化した事情に基づいて第一次判断権を行使すべきであって,これを待たずに訴訟の中で処分後の法令あるいは事実状態に照らして処分の違法性を判断することは,行政庁の第一次判断権を侵すものであって,行政処分の適法性の事後審査という抗告訴訟の本質に反する あって,これを待たずに訴訟の中で処分後の法令あるいは事実状態に照らして処分の違法性を判断することは,行政庁の第一次判断権を侵すものであって,行政処分の適法性の事後審査という抗告訴訟の本質に反する。したがって,本件訴訟においても,本件都市計画決定がされた後の事情の変化を基礎事情として,その違法性が判断されるべきではない。 イ外環の2に係る都市計画は外環本線に係る都市計画との間で一体性,総 合性を欠くものではないこと(ア) 都市計画法13条1項柱書きは,都市計画が,国の総合的な国土計画や地方計画に関する法律に基づく計画,あるいは道路,河川,鉄道,港湾,空港等に関する国の計画に適合することを前提とした上で,土地利用に関する計画,都市施設の整備に関する計画及び市街地再開発に関する計画について,これらを一体的かつ総合的に定めることを規定している。これは,総体としての都市計画という観点からの整合性を問うものであって,個々の都市施設同士の場所的(位置的)関係という狭い議論で問題が尽きるという性質のものではない。 (イ) 前記アのとおり,外環本線と外環の2は道路としての役割や機能を異にしており,外環本線の構造形式が嵩上式であることは,外環の2に係る都市計画において基礎とされた重要な事実ではなかったから,外環本線と外環の2が平成19年外環本線変更決定後も併存することに何ら矛盾はなく,外環の2に係る都市計画は外環本線に係る都市計画との間で一体性,総合性を欠くものではない。 また,そもそも,平成19年外環本線変更決定は,外環本線が,広域幹線道路網の一翼の担うものとして首都圏の交通,環境問題を改善するうえで重要な幹線道路であること,構造形式を嵩上式としていた都市計画決定について地元の理解が得られずに話合いができない時期があったこと, 道路網の一翼の担うものとして首都圏の交通,環境問題を改善するうえで重要な幹線道路であること,構造形式を嵩上式としていた都市計画決定について地元の理解が得られずに話合いができない時期があったこと,その間に土木技術の進歩があったことなどの各要素を総合的に考慮した結果,その構造形式を地下式に変更して計画を具体化するという決定を行ったものであって,収用の範囲を小さくすることが主要な目的というわけではないから,外環本線と同じ路線の地上部に外環の2が存在したとしても,外環本線の目的と矛盾するということはない。 (ウ) 以上によれば,外環の2に係る都市計画は,外環本線に係る都市計画との間で,一体性,総合性を欠くものではないから,外環の2に係る 都市計画は都市計画法13条1項に違反するものではなく,外環の2に係る都市計画を決定した本件都市計画決定は違法ではない。 なお,前記ア(ウ)のとおり,抗告訴訟における行政処分の違法性の有無,すなわち,違法性判断の基準時は,当該行政処分がされた当時であるところ,原告らが本件都市計画決定(ないし外環の2に係る都市計画)の違法事由(無効事由)として主張する平成19年外環本線変更決定は昭和41年の外環の2に係る都市計画決定の後にされたものであり,その主張自体が失当である。 ウ外環の2は「当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なもの」であり,「適切な規模で必要な位置に配置」されていること(ア) 外環の2は,次のとおり,自動車交通の処理機能の点から必要性がある。 a 外環の2は,東京23区周辺の市街化に伴い急増する交通需要を契機とした同区域での道路交通網整備の必要性から計画された幹線道路であり,他の都市計画道路とネットワークを構成し,交通を円滑化するという既存の細街路のみでは果たされない機 化に伴い急増する交通需要を契機とした同区域での道路交通網整備の必要性から計画された幹線道路であり,他の都市計画道路とネットワークを構成し,交通を円滑化するという既存の細街路のみでは果たされない機能を有している。現在でも,例えば,外環の2の区域内にある本件土地の周辺地区には,練馬区北部方面と武蔵野市及び三鷹市方面との南北方面に通ずる幹線街路に匹敵する道路が存在せず,武蔵野市及び三鷹市方面と練馬区北部方面との間の行き来を必要とする車両(緊急時に出動する消防用自動車,救急用自動車などの緊急自動車を含む。)は,環状八号線やα18通りまで迂回するか,いわゆる生活道路(住宅街や商店街にあり,幅員が狭く,自動車より人の交通が多い道路)への流入を余儀なくされ,円滑な道路交通に著しい支障を生じさせるとともに,幅員の狭い生活道路への車両流入に伴う交通事故の危険性などが懸念される状況になっており,このような状況からも,練馬区北部方面と武蔵野市及 び三鷹市方面との南北方面に通ずる幹線道路としての外環の2の整備の必要性が認められる。 b 都道府県道等の交通量の全般的な減少傾向があることを前提として,既存の街路計画について,これを縮小することを含めて再検討するとしても,都市計画道路網を構成している多数の計画道路のうち,どの路線について車線の減少や計画廃止等を行うのかは,相当に慎重な考慮を要するものであり,都道府県道等の交通量の全般的な減少傾向によって外環の2の必要性が直ちに否定されるものではない。 c 外環本線からこぼれる車両を受容するためだけに外環の2が都市計画決定されたのであれば,外環の2を4車線規模の幹線道路として都市計画決定する必要はなかったはずであるから,外環の2が単に外環本線からこぼれる車両を需要するためだけに計画されたものではな 2が都市計画決定されたのであれば,外環の2を4車線規模の幹線道路として都市計画決定する必要はなかったはずであるから,外環の2が単に外環本線からこぼれる車両を需要するためだけに計画されたものではないことは明らかである。また,外環の2が4車線として計画されていたことからすると,外環本線が地下化により2車線増えたとしても,外環の2で予定していた交通量の全てを受容できるわけではないし,外環本線は,構造形式を地下式としているため,インターチェンジ(α7,青梅街道,東八道路)以外の部分では他の道路や沿道へ出入りができない上,自動車の交通機能以外の空間機能,市街地形成機能を果たすことができないことからすると,外環本線が6車線となったからといって,直ちに外環の2の幹線街路としての必要性がなくなるものでもない。 d 平成18年多摩整備方針では,外環の2について,交通処理機能の確保,バス交通を支える道路網の形成,震災時における防災性の向上,良好な居住環境地区の形成という評価項目において,その必要性が確認されている。外環の2は,外環本線が地下化された場合には,その計画線や構造等の検討が必要な路線として抽出されているものの,こ れは直ちに廃止すべきことを意味するものではない。外環の2については,計画の廃止という選択肢も全く排除されないものの,その計画線や構造形式等を変更した上で,外環の2が都市計画道路網を構成する幹線街路の機能を維持することにも十分な合理性がある。 (イ) 都市における道路には,概括すると,① 都市における円滑な移動を確保するための交通機能,② 都市環境,都市防災等の面で良好な都市空間を形成し,供給処理施設等の収容空間を確保するための空間機能,③ 都市構造を形成し,街区を構成するための市街地形成機能がある。 外環の地上部街 の交通機能,② 都市環境,都市防災等の面で良好な都市空間を形成し,供給処理施設等の収容空間を確保するための空間機能,③ 都市構造を形成し,街区を構成するための市街地形成機能がある。 外環の地上部街路の検討に際して説明されている「自動車交通の処理」「防災性の向上」「環境の確保」「ライフラインの収容」の各機能は,上記の①ないし③の機能を具体的に説明したものであり,仮に,原告らが主張するとおり,外環の2について,自動車交通の処理機能の重要性が相対的に低くなったとしても,外環の2には交通以外の機能も存在するから,外環の2に係る都市計画としての必要性はなくなっていない。 具体的には,まず,外環の2が整備された場合,周辺道路の交通の流れがスムーズになり,自動車からのCO₂排出量,NOx排出量,SPM排出量が削減され,地球環境の保全が図られるほか,外環の2に街路樹や緑地が整備されれば,α19公園やα20公園など大規模な緑の拠点を結ぶことにより,玉川と荒川で囲まれる大きな軸とその内側にある緑などで東京を包み込むネットワークの一部を担うことになり,ヒートアイランド現象の緩和に寄与することが期待されるなど,都市環境の保全が図られることとなる。 また,外環の2が整備された場合,外環の2の沿線地域に位置するα19公園一帯やX4アパート一帯,α20公園,X5大学一体等の広域避難場所へのルートとして,青梅街道や新青梅街道などの東西方向の緊急輸送道路に加えて南北方向のルートが確保されることになり,避難拠 点及び被告指定の避難場所から災害拠点病院までの輸送や,救援物資等の輸送に資することになるほか,災害時以外においても,救急車両の到着時間の短縮が期待され,安心な生活環境創出にも資することになる。 さらに,外環の2が整備されて路線バスが運行するようにな 救援物資等の輸送に資することになるほか,災害時以外においても,救急車両の到着時間の短縮が期待され,安心な生活環境創出にも資することになる。 さらに,外環の2が整備されて路線バスが運行するようになった場合,南北方向のバス路線が充実したり,安全,快適なバス停環境が創出されたりすることにより,バス利用者の利便性が強化される。 (ウ) 外環の2は,外環本線の構造形式が地下式に変更されたことに伴って,当初外環本線の建設が予定されていた区域についての計画線等を含めて再検討をしている段階であり,この段階で直ちに予算構想を具体化することができないのは当然である。 原告らが主張する費用便益分析は,街路計画の是非を論じる際に参考とする一つの材料にはなるとしても,そもそもそこで金銭的に算出される便益は,道路の整備によってもたらされる全てを網羅するものではなく(例えば「環境」「防災」「暮らし」といった便益は算出されていない。),その結果のみを絶対的基準として都市計画が都市計画法13条1項の規定する都市計画基準に適合するか否かを判断することはできない。しかも,原告らが独自に行った費用便益分析の概算に基づく費用対効果に係る主張は,費用に比し便益が過少に評価されたり,便益に対して費用が過大に評価されたりしており,比較する対象についてバランスを欠いている。 したがって,外環の2が「適切な規模」ではないということはできない。 (エ) 以上によれば,外環の2は,「当該土地の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なもの」であり,「土地利用,交通等の現状及び将来の見通しを勘案して,適切な規模で必要な位置に配置」されているといえるから,都市計画法13条1項に違反するものではない。 なお,前記ア(ウ)のとおり,抗告訴訟における行政処分の違法性の有無,す を勘案して,適切な規模で必要な位置に配置」されているといえるから,都市計画法13条1項に違反するものではない。 なお,前記ア(ウ)のとおり,抗告訴訟における行政処分の違法性の有無,すなわち,違法性判断の基準時は,当該行政処分がされた当時であるところ,原告らが本件都市計画決定(ないし外環の2に係る都市計画)の違法事由(無効事由)として主張する事実のほとんどが昭和41年に外環の2に係る都市計画決定がされた後のものであり,その主張自体が失当である。 エ本件都市計画決定が適法な手続によってされたものであること(ア) 本件都市計画決定は,旧都市計画法及び都市計画法の規定する手続に従ってされた適法なものである。 (イ) なお,前記ア(ウ)のとおり,抗告訴訟における行政処分の違法性の有無,すなわち,違法性判断の基準時は,当該行政処分がされた当時であるところ,原告らが手続的正義に反するとして主張する事実は外環の2に係る昭和41年の都市計画決定がされた後のものであり,その主張自体が失当である。 オ外環の2に係る昭和41年の都市計画決定について内閣の認可は不要であること外環の2に係る都市計画決定がされた昭和41年7月30日当時は,臨時措置法1項1号,臨時特例2条1項1号,日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律2条1項,同法附則2項,日本国憲法の施行の際現に効力を有する勅令の規定の効力等に関する政令1項の規定により,都市計画決定について内閣の認可を受けることは要しなかったから,外環の2に係る昭和41年の都市計画決定について内閣の認可の有無を確認することができないとしても,本件都市計画決定に法律上の瑕疵があることにはならない。 なお,臨時措置法は,それ自体の効力の終期を定める規定がなく,失効した際の 画決定について内閣の認可の有無を確認することができないとしても,本件都市計画決定に法律上の瑕疵があることにはならない。 なお,臨時措置法は,それ自体の効力の終期を定める規定がなく,失効した際の経過措置に関する規程も存在せず,委任を受けた勅令の効力の効 力等の終期等を定める規定も存在しないことからすると,「大東亜戦争」の終結によって当然に効力を失うものではなく,しかるべき時点で,改めて状況に応じて同法及びその委任に基づく勅令の改廃及びその後の措置を検討するという前提で制定されたものと理解することができる。そして,臨時措置法は,日本国憲法施行後も直ちに廃止されることはなく,行政事務に関する国と地方の関係等の整理及び合理化に関する法律(平成3年法律第79号)が平成4年5月20日に施行されるまでは,廃止されていなかった。また,内閣総理大臣が国務大臣を任命することとされた日本国憲法下においては,新たに主務大臣となった建設大臣が行う都市計画決定について,関係する行政各部に属する事項についての調整を行うために,逐一,内閣の認可を受ける必要性はなくなったといえるし,むしろ,都市計画決定の効力を内閣の認可にかからしめるという制度は,中央集権的な性格を強めるものであって,内閣の認可を不要とする方が地方自治の本旨に適合することから,臨時措置法の規定に基づく臨時特例は日本国憲法の施行に当たって廃止されなかったとも考えられる。さらに,臨時措置法1項1号の規定は,現に実定法として存続しているものとして,長い年月にわたって運用されていることからすると,これを前提にされた各種の行政行為の効力を覆すことは,広範かつ著しい悪影響を及ぼすことが明らかである。加えて,臨時措置法は,行政簡素化のため必要があるときとして,委任の目的を絞っているから,委任の範囲 を前提にされた各種の行政行為の効力を覆すことは,広範かつ著しい悪影響を及ぼすことが明らかである。加えて,臨時措置法は,行政簡素化のため必要があるときとして,委任の目的を絞っているから,委任の範囲が無限定で広範に失するとまではいえない。したがって,臨時措置法及びこれに基づく臨時特例を根拠としてされた外環の2に係る昭和41年の都市計画決定については,少なくとも,臨時措置法1項1号及び臨時特例2条1項1号の規定の適用に関する限りは,憲法の規定に違反してこれを無効とすべきような瑕疵はないものと評価すべきである。 (3) 本件都市計画の廃止手続の処分性の有無(争点③) (原告ら)本件都市計画決定に処分性が認められるのと同様,本件都市計画の廃止手続についても処分性が認められる。 (被告)本件都市計画決定に処分性がないのと同様,本件都市計画の廃止の決定はもとより,廃止手続にも処分性はない。 (4) 本件都市計画の廃止手続がとられないことによる重大な損害を生ずるおそれの有無及びその損害を避けるための他の適当な方法の有無(争点④)(原告ら)ア本件都市計画の廃止手続がされないことにより「重大な損害を生ずるおそれがあ」ること本件都市計画に係る都市計画施設である外環の2の区域内に本件不動産を共有する原告らは,本件都市計画決定に伴って,都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限や同法57条の規定する土地の有償譲渡の制限を受けているほか,近い将来,本件不動産が公用収用されるという地位に立たされている。そのため,原告らは,所有する建物の修理や改築をしようにも,どの程度すれば良いのか不安定な状況に追い込まれ,また,いつか移転を迫られ,生活が破壊されてしまうのではないかという不安の下で生活している。このような,建築制限によ る建物の修理や改築をしようにも,どの程度すれば良いのか不安定な状況に追い込まれ,また,いつか移転を迫られ,生活が破壊されてしまうのではないかという不安の下で生活している。このような,建築制限による居住空間の不安定や生活や人生に対する不安は,金銭による回復が困難な精神的苦痛による損害である。 そして,本件都市計画の廃止手続がされなければ上記のような損害が発生し続けるのであるから,本件都市計画の廃止手続がされないことにより「重大な損害を生ずるおそれがあ」るといえる。 イ 「他に適当な方法がない」こと仮に本件都市計画決定が違法,無効であることが確認されたとしても, 直ちにその効力がなくなることにはならないから,上記アの建築制限等による居住空間の不安定や,生活,人生に対する不安は避けられない。 特に,違法な都市計画により土地を他に売却しようとしても通常の取引の場合のように買手を見つけることが困難になるという制限については,これを排除するために争うべき後続する処分が存在しない。これを争うために,建築不許可処分の取消訴訟をしろというのは,実際には必要のない建築確認の為の設計図の作成等をさせ,不許可となるのが分かっているのに建築確認申請をせよというのに等しく,訴訟の方法として余りにも迂遠であり,実効的な救済手段とは到底いえない。 したがって,上記アの損害を避けるためには,本件都市計画の廃止手続の義務付けを求める以外に「適当な方法がない」といえる。 (被告)ア本件都市計画の廃止手続がされないことにより「重大な損害を生ずるおそれがあ」るとはいえないこと都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限や同法57条の規定する土地の有償譲渡の制限は,実際に建物を建築したり,土地を有償譲渡したりしようとする際に問題となるものであ 」るとはいえないこと都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限や同法57条の規定する土地の有償譲渡の制限は,実際に建物を建築したり,土地を有償譲渡したりしようとする際に問題となるものであって,具体的な建築物の建築計画や土地の譲渡予定がない時点で重大な損害が生じるおそれがあるということはできない。また,都市計画施設の区域内において土地の収用をするためには,都市計画事業の認可が必要であるから,都市計画決定がされているだけでは,都市計画施設の区域内に土地を所有しているからといって,土地の収用という重大な損害が生じるおそれがあるとはいえない。 イ 「他に適当な方法がない」わけではないこと都市計画法53条1項の規定による建築物の建築の制限については,建築確認の義務付けの訴え等によって争うという方法があるし,都市計画施設の区域内における土地の収用についても,都市計画事業の認可に対する 抗告訴訟や当該収用裁決に対する抗告訴訟によって争うという方法があるから,仮に原告らの主張するような損害が生じるおそれがあるとしても,「その損害を避けるために他に適当な方法がない」というわけではない。 (5) 本件都市計画の廃止手続の義務付けの可否(争点⑤)(原告ら)ア被告が本件都市計画を変更すべき義務を負うこと(ア) 都市計画法21条1項は,都市計画区域が変更されたとき,基礎調査等の結果都市計画を変更する必要が明らかになったとき,その他都市計画を変更する必要が生じたときは,遅滞なく都市計画を変更しなければならないと規定している。 同項の趣旨は,当初前提としていた都市計画区域が変更されたり,当初の都市計画が前提としていた事実が変化したりした場合は,もはや当初の都市計画に係る事業を実施しても「都市の健全な発展と秩序ある整備を図り, 趣旨は,当初前提としていた都市計画区域が変更されたり,当初の都市計画が前提としていた事実が変化したりした場合は,もはや当初の都市計画に係る事業を実施しても「都市の健全な発展と秩序ある整備を図り,もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与すること」(同法1条)にはならないため,都市の健全な発展等に資するよう計画の変更をすべきことを定めたものと理解することができる。 したがって,都市計画決定自体に行政裁量が認められるとしても,裁量権の行使の前提となる事実の変化によって都市計画を維持することができなくなった場合は,当該都市計画決定をした行政庁において,同法21条1項に基づき,都市計画を変更すべき義務が生じ,これを変更しない場合には,当該行政庁の裁量権の範囲の逸脱又は濫用となる。 (イ) そして,外環の2に係る都市計画は,昭和41年に当初の都市計画決定がされた後,地域住民らの反対運動に応えて昭和45年に事実上凍結され,その後,約50年にもわたって事業化されずに区域内の住民の権利を制限し続けている。 また,前記(2)の原告らの主張欄のとおり,外環の2に係る都市計画 は,外環本線の構造形式が嵩上式であることを基礎となる重要な事実としていたところ,平成19年外環本線変更決定において外環本線の構造形式が嵩上式から大深度地下方式に変更されたことにより,重要な事実の基礎を欠くこととなった上,外環本線に係る都市計画との関係で一体性,総合性を欠くものとなり,しかも,外環の2は,都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものではなく,適切な規模で必要な位置に配置されているともいえないなど,都市計画法13条1項に違反するものとなっている。 さらに,上記のとおり,外環の2に係る都市計画が同項に違反することは明白であるところ,外環本線と 模で必要な位置に配置されているともいえないなど,都市計画法13条1項に違反するものとなっている。 さらに,上記のとおり,外環の2に係る都市計画が同項に違反することは明白であるところ,外環本線と外環の2は,その目的や区域が重複するために密接不可分の関係にあることや,平成19年外環本線変更決定において外環本線の構造形式を大深度地下方式に変更した目的や経緯,当該手続において被告が行った判断等に鑑みれば,両計画の決定権者である被告において,外環の2に係る都市計画を変更しないで維持するという選択肢は残されておらず,被告は,外環の2に係る都市計画を変更すべき義務を負っているというべきである。 イ被告が本件都市計画の廃止手続をとるべき義務を負うこと上記アのとおり,被告は,外環の2に係る都市計画を変更すべき義務を負っているところ,そもそも,外環の2は構造形式を嵩上式とする外環本線の収容空間であることを主たる目的としていたところ,平成19年外環本線変更決定において外環本線の構造形式が嵩上式から大深度地下方式に変更されたため,外環の2はその主たる目的を失った。また,外環本線は,長年の時の経過による社会経済的条件等の変化により,遅くとも平成19年時点では,嵩上式のままでは都市計画法13条1項の規定する都市計画基準に適合しない状況にあったため,平成19年外環本線変更決定においてその構造形式を大深度地下方式に変更せざるを得なかったところ,より 事業規模の大きな外環本線でさえ地上部においてはその犠牲に見合う公共的必要性が認められなかったのに,幹線道路である外環の2にその必要性が認められることはあり得ない。さらに,外環の2に係る都市計画を事業化してその区域内の住民らを立ち退かせて街を破壊するのであれば,外環本線の構造形式を大深度地下方式に変 路である外環の2にその必要性が認められることはあり得ない。さらに,外環の2に係る都市計画を事業化してその区域内の住民らを立ち退かせて街を破壊するのであれば,外環本線の構造形式を大深度地下方式に変更した趣旨の大半を没却し,外環本線に係る都市計画との間で,一体性,総合性を確保することはできないことになる上,大深度地下方式とされた外環本線に掛ける税金が無駄になるということを意味し,このような判断を行う裁量が被告にあるとは考えられない。 そうすると,外環の2に係る都市計画については,廃止するという選択肢しかなく,上記アのとおり,外環の2に係る都市計画を変更すべき義務を負う被告は,外環の2に係る本件都市計画を廃止すべく拘束されている。 そして,被告が,本件都市計画の廃止義務を履行していないことは,平成26年11月28日の都市計画変更決定がされた時点でも同様である。 (被告)いわゆる非申請型の義務付け訴えの本案要件は,行政庁がその処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかであると認められ又は行政庁がその処分をしないことがその裁量権の範囲を逸脱し,又はその濫用となる場合である。 そして,裁判所が都市施設に関する都市計画の決定又は変更の内容の適否を審査するに当たっては,決定内容を成す諸事項を定めることについて,政策的,技術的な見地から行われる都市計画決定権者たる行政庁の広範な裁量に委ねられていることを前提として,その裁量権の行使について範囲の逸脱や権限行使の濫用に当たるか否かが判断されるべきである。 この点,まず,そもそも,外環本線に係る都市計画と外環の2に係る都市計画は当初から別個のものであり,また,自動車専用道路である外環本線と 幹線街路である外環の2は道路としての機能を異にするものであって,外環の2に 環本線に係る都市計画と外環の2に係る都市計画は当初から別個のものであり,また,自動車専用道路である外環本線と 幹線街路である外環の2は道路としての機能を異にするものであって,外環の2に係る都市計画は,外環本線の構造形式が嵩上式であることを基礎となる重要な事実とするものではなく,平成19年外環本線変更決定において外環本線の構造形式が嵩上式から地下式に変更されたとしても,外環の2に係る都市計画が重要な事実の基礎を欠くということにはならないという点は,前記(2)の被告の主張アのとおりである。また,外環の2に係る都市計画が,外環本線に係る都市計画との間で,総合性,一体性を欠くものではないことも,同イのとおりである。さらに,同ウのとおり,道路の必要性は自動車交通の機能に限られるものではなく,外環の2は,幹線街路として他の都市計画道路とのネットワークを構成し,交通を円滑化するという既存の細街路のみでは果たされない機能を有し,防災等の機能を含めて地下化された外環本線では果たすことができない機能を有することからすると,外環の2の必要性が失われたということはないから,外環の2に係る都市計画は都市計画法13条1項に違反するものではなく,原告らの主張はその前提を欠くものである。 また,被告は,平成17年1月に公表した「外環の地上部の街路について」で示した外環の2の在り方についての基本的な三つの考え(「現在の都市計画の区域を活用して道路と緑地を整備」「都市計画の区域を縮小して車道と歩道を整備」「代替機能を確保して都市計画を廃止」)に基づいて,平成20年3月に公表した「外環の地上部の街路について~検討の進め方」で示した検討の視点と検討のプロセスにより,「交通」「環境」「防災」「暮らし」の各視点において外環の2の整備に伴って予想される効果を示した 年3月に公表した「外環の地上部の街路について~検討の進め方」で示した検討の視点と検討のプロセスにより,「交通」「環境」「防災」「暮らし」の各視点において外環の2の整備に伴って予想される効果を示した資料を作成して公表し,外環の2の必要性やその在り方等について広く意見を聴きながら具体的に検討を進めているという段階にある。そして,外環の2は,複数の地方公共団体の区域にわたる道路網全体を構成する幹線街路という都市施設としての特性ゆえに広域に及ぶ多様な影響や区域内の住民や地方公共団 体等の関係者の多岐にわたる意見の検討の必要があることから,方針を定めるまでには相当長期間を要することはやむを得ないというべきである。しかも,都市計画を変更するには,都市計画決定と同様に,都市計画の案の縦覧,都市計画審議会の議を経なければならないことからすると(同法21条2項,17条,18条),被告が外環の2の区域内の住民等の意見を聴きつつ具体的な検討を進めている現段階において,被告が外環の2に係る都市計画を廃止すべく拘束されているとは認められないから,被告に対して本件都市計画の廃止手続を義務付けることはできない。 (6) 本件各法律関係確認の訴えに係る確認の利益等の有無(争点⑥)(原告ら)ア本件各法律関係確認の訴えの対象が法律上の争訟であること原告らは,本件都市計画決定によって権利制限を受けており,建築制限等による不利益排除,土地の収用防止を目的に具体的な法的権利関係の確認を求めているのであるから,本件各法律関係確認の訴えが法律上の争訟であることは明白である。 イ本件各法律関係確認の訴えには確認の利益があること(ア) 原告らは,本件都市計画決定がされたことにより,外環の2の区域内にある本件土地の収用を受けるべき地位に立たされている。また 白である。 イ本件各法律関係確認の訴えには確認の利益があること(ア) 原告らは,本件都市計画決定がされたことにより,外環の2の区域内にある本件土地の収用を受けるべき地位に立たされている。また,都市施設に関する都市計画決定は,それが告示されると,都市計画施設の区域内においては,建築物の建築につき,原則として都道府県知事等の許可を要することになり(都市計画法53条1項),また,都道府県知事等はいつでも,何の要件も必要とせずに,同法55条1項の規定による区域の指定をすることができるところ,この区域内において行われる建築物の建築については,同法54条の規定にかかわらず,都道府県知事等は同法53条1項の規定する許可をしないことができるようになるため,原告らは,本件土地上にある本件建物の建て替えや増改築につい ての制限を受けていることになる。さらに,同法55条1項の規定による区域の指定がされ,同条4項の公告がされたときに,同法59条1項の規定による公告がされると,それから一定期間経過後は,上記の区域内の土地を有償で譲り渡そうとする者は,その予定対価の額等を都道府県知事に届け出なければならなくなり,都道府県知事等は届出後一定期間内の通知によって当該土地を予定対価の額で買い取ることができるものとされているため(同法57条),原告らは,本件土地の有償譲渡についても制限を受けていることになる。加えて,原告らは,本件土地の収用を受ける可能性があり,かつ,建築制限等があるため,本件不動産を他に売却しようとしても通常の取引の場合のような買手を見つけることが困難になるという極めて現実的で深刻な制限も受けている。 (イ) 次に,土地の収用等を受けるべき地位に立たされていることの排除を求める場合は,一応,後続する都市計画事業の認可を待ってその取 ることが困難になるという極めて現実的で深刻な制限も受けている。 (イ) 次に,土地の収用等を受けるべき地位に立たされていることの排除を求める場合は,一応,後続する都市計画事業の認可を待ってその取消訴訟等を提起することが考えられるものの,都市施設に関する都市計画は制度上必ずしも都市計画事業として施行しなければならないわけではなく(土地区画整理法3条の4参照),都市計画法59条の都市計画事業の認可を受けることなく都市計画を遂行することが可能であるため,都市計画事業の認可に対して抗告訴訟を提起し,その訴訟において,都市計画決定が違法であるとして当該事業認可が違法であると判断されたとしても,既に工事が進捗しているため公共の福祉に適合しないとして,事情判決がされる可能性が大きい。特に,本件都市計画決定については,前記のとおり,α12JCT区間について,都市計画事業の認可がされて事業化が進められ,さらに,練馬3キロ区間についても,事業化に向けた具体的な準備のため,平成26年11月28日付けで都市計画(変更)決定がされており,原告らの共有する本件土地を事業地とする外環の2についての都市計画事業の認可がされた後に,これに対する抗告訴 訟を提起し,その訴訟において,本件都市計画決定が違法であるとして当該事業認可が違法であると判断されたとしても,事情判決がされる蓋然性が高い。 また,本件都市計画決定に伴う同法53条1項の規定する建築物の建築の制限等のため,本件不動産を他に売却しようとしても通常の取引の場合のような買手を見つけることが困難になるという不利益については,後にその適否を争うことでその不利益を排除することのできるような後続の行為というものは考えられない。 さらに,原告らが求めるものは,本件都市計画決定に伴う同項の規定する建築 いう不利益については,後にその適否を争うことでその不利益を排除することのできるような後続の行為というものは考えられない。 さらに,原告らが求めるものは,本件都市計画決定に伴う同項の規定する建築物の建築の制限等による不利益を排除し,かつ,土地の収用によって住まいを奪われないようにすることであり,そのために,計画していない建築申請をしてその不許可処分について訴訟を提起せよというのはあまりにも迂遠であり,到底有効適切な訴訟形態とはいえないから,建築申請不許可処分に対する抗告訴訟は,いずれも本件各法律関係確認の訴えに係る確認の利益を否定する理由にはならない。 その一方,本件都市計画決定は,そこから派生する上記のような法的効果の基礎となるものであり,本件各法律関係確認の訴えにおいて各請求が認められれば,原告らの求める土地の収用防止や建築制限等による不利益の排除が実現される。 (ウ) したがって,仮に本件都市計画決定に対する抗告訴訟が認められない場合,原告らが本件土地を収用されるべき立場に立たされることや,都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限を受けることを争うために最も有効適切な争訟方法として,公法上の当事者訴訟としての本件各法律関係確認の訴えについての確認の利益が認められるべきである。 (被告) ア本件各法律関係確認の訴えの対象は法律上の争訟ではないこと司法権の行使として裁判所が審判することができる対象は,裁判所法3条にいう「法律上の争訟」に限られるところ,「法律上の争訟」とは,当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって,かつ,それが法律を適用することにより終局的に解決することができるものに限られ,特定の者の具体的な法律関係についての紛争(法律の適用に伴う具体的な法律関係について 律関係の存否に関する紛争であって,かつ,それが法律を適用することにより終局的に解決することができるものに限られ,特定の者の具体的な法律関係についての紛争(法律の適用に伴う具体的な法律関係についての紛争)がなければ,「法律上の争訟」ではなく,裁判所が審判することができる対象とはならない。 しかるに,都市計画決定は個人の権利義務に対して具体的な変動を与えるという法律上の効果を伴うものではないことからすると,本件都市計画の違法確認を求める訴え(請求の趣旨(3))や本件都市計画の廃止手続をとらないことの違法確認を求める訴え(請求の趣旨(5))は,当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争ではなく,「法律上の争訟」には当たらない。 また,本件不動産について都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限を受けない地位の確認を求める訴え(請求の趣旨(4))についても,そもそも,建築物の建築の許可を要するということをもって,直接的な権利制限がされているとはいえないし,都市計画自体が変更される可能性もあることなども考慮すると,本件建物の建て替え等の具体的な建築物の建築の予定のない原告らについては,いまだ同項の規定する建築物の建築の制限を受ける可能性のある立場にあるとはいえないから,同項の規定する建築物の建築の制限を受けない地位にあることの確認は,「法律上の争訟」に当たらない。 イ本件各法律関係確認の訴えには確認の利益がないこと都市計画法53条1項は,都市計画施設の区域内における建築物の建築を一律に制限するものではなく,これを許可制とするものであり,しかも, 軽易なものについては許可を不要とした上(同項),移転,除去が比較的容易なものについては許可をしなければならないとされている(同法54条3号)。このような制度 とするものであり,しかも, 軽易なものについては許可を不要とした上(同項),移転,除去が比較的容易なものについては許可をしなければならないとされている(同法54条3号)。このような制度の内容からすると,同法53条1項の規定による建築物の建築の制限は,都市計画施設の区域内の住民への直接的な権利制限をするものとはいえない。 また,原告らには本件建物の建て替え等の建築物の建築の具体的な予定はなく,具体的な建築物の建築が不許可になるのかどうかも明らかでないのであるから,この段階で同項に基づく制限を受ける可能性があるとは到底いえない。 さらに,原告らは,原告らの共有する本件土地を事業地とする都市計画事業の認可がされた段階でこれに対する抗告訴訟を提起することができるし,建築制限についても,同項の規定する許可申請が不許可とされた段階でこれに対する抗告訴訟を提起することができるのであるから,本件各法律関係確認の訴えは,紛争の成熟性がなく,確認の利益がない。 (7) 本件各法律関係確認の訴えにおいて確認の対象となる公法上の法律関係(本件都市計画の違法性,本件不動産についての都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限,本件都市計画の廃止手続をとらないことの違法性)の有無(争点⑦)(原告ら)本件都市計画が違法なものであることは,前記(2)の原告らの主張欄のとおりであり,また,本件都市計画決定が違法,無効なものである以上,原告らは,都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限を受けない地位にある。さらに,前記(5)の原告らの主張のとおり,被告は本件都市計画の廃止手続をとるべき義務を負っているのであるから,これをとらないことは違法である。 (被告) 前記(2)の被告の主張のとおり,本件都市計画決定は適法にされた おり,被告は本件都市計画の廃止手続をとるべき義務を負っているのであるから,これをとらないことは違法である。 (被告) 前記(2)の被告の主張のとおり,本件都市計画決定は適法にされたものであり,本件都市計画決定が適法である以上,原告らは都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限を受けるべき地位にある。また,被告は本件都市計画の廃止手続をとるべき義務を負っていないから,これをとらないことは何ら違法ではない。 (8) 外環の2に係る都市計画の廃止義務違反による不作為の違法な公権力の行使の有無(争点⑧)(原告X1)前記(5)の原告らの主張のとおり,外環の2に係る都市計画は,外環本線の構造形式が嵩上式から大深度地下方式に変更されたことに伴って重要な事実の基礎を欠くこととなった上,外環本線に係る都市計画との関係で一体性,総合性を欠くこととなり,外環の2に係る都市計画自体の必要性も認められないことから,被告は,外環の2に係る都市計画を早急に廃止すべき義務を負っている。 にもかかわらず,被告は,外環の2に係る都市計画を廃止せずにその効力を存続させているだけではなく,一部では事業化まで進めているところ,このような被告の行為は,外環の2に係る都市計画の廃止義務に違反する不作為の違法行為である。 特に被告は,一方で,承継前原告を含む住民に対して外環本線の地下化によって住居の移転の心配がなくなったかのような説明をしながら,他方で,外環の2を外環本線とは別個の計画として残存し得るという説明をして,実際には外環の2に係る都市計画を廃止することなく推し進めようとしており,このような被告の態度は,いわゆる二枚舌的態度というべきものであって,被告による外環の2に係る都市計画の廃止義務違反は極めて違法性が高いというべきである。 そ することなく推し進めようとしており,このような被告の態度は,いわゆる二枚舌的態度というべきものであって,被告による外環の2に係る都市計画の廃止義務違反は極めて違法性が高いというべきである。 そして,外環の2に係る都市計画が事業化されれば,承継前原告は,最終 的に自らが所有する本件不動産からの移転を余儀なくされることは確実であったことから,外環の2に係る都市計画を廃止しないことは,承継前原告との関係において違法な公権力の行使に該当する。 したがって,外環の2に係る都市計画を廃止せずに残存させる不作為そのものが,被告の承継前原告に対する違法な公権力の行使であることは明らかである。 (被告)本件都市計画決定は有効であって,被告は外環の2に係る都市計画を廃止すべき義務を負うことはなく,外環の2に係る都市計画を廃止しないことが裁量権の範囲の逸脱又は濫用に当たるわけでもない。被告は,平成19年外環本線変更決定以降も,外環の2に係る都市計画について,その必要性や在り方について広く意見を聴きながら検討を進めているのであって,被告に直ちに外環の2に係る都市計画を廃止すべき作為義務は発生していない。 したがって,原告X1の主張は,その前提を欠くものである。 (9) 承継前原告の損害(争点⑨)(原告X1)承継前原告は,外環の2に係る都市計画が廃止されないため,終の棲家と決めた愛着のある本件不動産を奪われるのではないかという不安を抱いて生活せざるを得なかった。また,それだけではなく,長年にわたって承継前原告を含む地域住民の努力によって作り出され,成長させてきた地域を,このような違法な都市計画によって分断,破壊されるおそれがあることも,耐え難い苦しみであった。さらに,本件都市計画決定に伴う都市計画法53条1項の規定する建築物の建築 出され,成長させてきた地域を,このような違法な都市計画によって分断,破壊されるおそれがあることも,耐え難い苦しみであった。さらに,本件都市計画決定に伴う都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限により,承継前原告は本件建物を自由に改築することさえできなくなっていた。 このように,承継前原告は,被告による外環の2に係る都市計画の廃止義務違反という不作為の違法行為により,本件土地に対する財産権(憲法29 条1項),本件土地に居住し続けるという居住の権利(憲法22条1項),違法な公権力の行使を受けずに平穏に生活する権利(憲法13条)を害されており,これによって被った承継前原告の精神的苦痛を償うための慰謝料は100万円を下ることがない。 (被告)外環の2に係る都市計画は承継前原告が所有していた本件土地の区域において事業化自体がされていなかったのであるし,本件都市計画決定に伴う都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限も,公共の福祉による制限であることからすると,承継前原告について,慰謝料の支払をもって償うべきほどの損害は発生していない。 (10) 都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限を理由とする損失補償の要否(争点⑩)(原告ら)ア都市計画法に基づく制限について損失補償をすべき場合憲法29条3項は,私有財産は,正当な補償の下に,これを公共のために用いることができると定めている。 この点,都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限は,都市計画自体の公益上の必要性が高いこと,収用されるまでの現在の利用は認められていること,土地が買収又は収用される際には,その土地が権利制限を受けていないものとして有する価額の補償を受けることができることなどから,原則として,社会的な受忍限度の範囲内のもの の利用は認められていること,土地が買収又は収用される際には,その土地が権利制限を受けていないものとして有する価額の補償を受けることができることなどから,原則として,社会的な受忍限度の範囲内のものであり,特別の犠牲には当たらず,損失補償は要しないと解されている。しかしながら,これが公共の利益を理由として正当化され,損失補償を必要とせずに権利者たる個人に対してその受忍を強いることできるのは,その制限等が都市計画の実現を担保するために必要不可欠であり,かつ,権利者に無補償での制限を受忍させるほどに合理的な理由がある場合に限られる。 したがって,① 制限が必要不可欠性を欠き違法である場合,すなわち,都市計画がその行政目的に即した意義を失い,当該都市計画の根拠とされた特定の公共的必要性が消滅している場合や,② 都市計画について,他の都市計画の目的を本質的に阻害する結果を招くため,その実施が事実上不可能な状態に至っている場合には,都市計画決定に基づく制限であることを理由に損失補償を否定することはできず,特別な犠牲としてその損失が当然に補償されるべきである。 イ本件都市計画決定に伴う都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限について損失補償がされるべきであること国及び地方公共団体は,都市の整備,開発その他都市計画の適切な遂行に努めなければならないとされており(同法3条1項),この「適切な遂行」には適時に事業に着手することも含まれるところ,都市計画の事業化には時間を要するとの一般論を前提としてもなお,本件都市計画決定がされてから40年以上にわたって事業に着手されることなく放置されているということは,本件都市計画決定に伴う同法53条1項の規定する建築物の建築の制限が量的に蓄積され続けることを意味すると同時に,本件都市計画 40年以上にわたって事業に着手されることなく放置されているということは,本件都市計画決定に伴う同法53条1項の規定する建築物の建築の制限が量的に蓄積され続けることを意味すると同時に,本件都市計画決定段階における外環の2に係る都市計画の必要性や実現可能性に関する計画権者の見通し,その後の計画存続の判断の合理性に対して極めて重大な疑問を投げかけるものであり,外環の2に係る都市計画の根拠とされた特定の公共的必要性が消滅していることを推認させるものである。 また,外環の2に係る都市計画がその行政目的や計画の必要性の大部分を依存していた外環本線に係る都市計画については,平成19年外環本線変更決定により,その構造形式が大深度地下方式に変更されており,これにより,外環の2に係る都市計画はその基礎となった重要かつ本質的な基礎事実を事実上喪失しており,本件都市計画決定の根拠とされた特定の公共的必要性が消滅していることは明らかである。 さらに,平成19年外環本線変更決定による外環本線に係る都市計画の変更の目的は,「沿道環境に配慮し,移転等の影響を極力小さくするため」であるところ,外環の2に係る都市計画は,上記のような目的と整合しないばかりか,この目的を達成不可能にするほど矛盾した内容である。 そうすると,外環の2に係る都市計画は,平成19年外環本線変更決定がされた後は,① その行政目的に即した意義を失い,都市計画決定の根拠とされた特定の行政的必要性が消滅しているばかりか,② 計画の実施が他の都市計画の目的を本質的に阻害する結果を招くためその実施が事実上不可能な状態に至っている。 そして,現に,本件都市計画決定がされているため,外環の2の区域内に本件土地を共有する原告らは,同項により本件土地上にある本件建物の建て替え等が制限されている。 事実 上不可能な状態に至っている。 そして,現に,本件都市計画決定がされているため,外環の2の区域内に本件土地を共有する原告らは,同項により本件土地上にある本件建物の建て替え等が制限されている。また,現在の建物の規模と同程度の規模及び構造の建物を再建築することが許可されるとはいっても,将来,土地建物が収用される可能性があるのであればそのような再建築を行うことを決断することはできないし,仮に建物を再建築したとしても,収用時に補償されるのは再建築後の経過年数を考慮した評価額となり,同程度の住環境の不動産を取得するには大幅に不足することからすると,本件都市計画決定に伴う承継前原告に対する土地利用上の制限の程度は軽微であるということはできない。さらに,本件都市計画決定がされていることにより,その事業化や土地収用を待たずに,本件不動産の取引価格が下落していることからすると,本件都市計画決定に伴う建築制限等が受忍限度を超えるに至っていることは明らかというべきである。 したがって,本件都市計画決定に伴って本件土地について建築物の建築の制限がされていることについて,損失補償がされるべきである。 (被告)都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限は,都市計画施設の 区域内にある不動産の所有権を有する者が当然に負担すべき内在的制約に属するものであるところ,都市計画の区域に属している土地の所有者は,同法54条に定める基準の範囲内で都道府県知事等の許可を得て,建築物を建築(建て替え)することも可能であることからすると,都市計画決定による権利制限の程度は収用等の場合と同視すべきほどに強度なものではなく都市計画決定に基づく建築については損失補償を要しない。 また,外環の2に係る都市計画が重要な事実の基礎を欠くこととなっていないことや, 制限の程度は収用等の場合と同視すべきほどに強度なものではなく都市計画決定に基づく建築については損失補償を要しない。 また,外環の2に係る都市計画が重要な事実の基礎を欠くこととなっていないことや,外環の2に係る都市計画が外環本線に係る都市計画の目的を本質的に阻害するものではないこと,外環の2の必要性が失われていないことは,前に述べたとおりである。 したがって,本件都市計画決定に伴って本件土地について建築物の建築の制限がされていることについて,損失補償は不要である。 (11) 承継前原告の損失(争点⑪)(原告ら)本件都市計画決定に係る都市計画施設である外環の2の計画区域内では,建物の建築(新築,改築,増築,移転)をしようとする場合には都知事の許可を必要とし,地階を有する建築物の建築は許可されない。これは,本件土地の所有者であった承継前原告にとってみると,本来は所有権の権能として保有していたはずの地下使用権を制限されており,その反面,将来的な収用,管理のために,被告が本件土地の地下を目的とする(地下)地上権類似の権利を設定して排他的にその使用(管理)をしているものと評価することができるから,本件都市計画決定に伴う建築制限等によって被った承継前原告の損失は,本件土地の地下の利用権ということになる。 そして,地下を利用することができないことによる土地の減価率は0.10であり,本件土地の都市計画制限のない通常の更地としての正常価格は2億1180万円であるから,補償されるべき損失は2118万円となる。 (被告)争う。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前提事実に加えて,証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実を認めることができる(各末尾括弧内記載の証拠等は,認定に主として用いたものである。)。 (1) 都計審に 裁判所の判断 1 認定事実前提事実に加えて,証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実を認めることができる(各末尾括弧内記載の証拠等は,認定に主として用いたものである。)。 (1) 都計審における審議ア昭和41年4月22日,第146回都計審が開催され,外環の2等に係る議案(第2044号),外環本線に係る議案(第2045号)及び外環本線の附属街路(昭和41年当時の表記は「付属街路」であったが,以下「外環附属街路」という。)等に係る議案(第2046号。以下,これらの3議案を併せて「外環関係3議案」という。)が一括して上程,審議され,いずれも継続審議となった。 上記の外環の2等に係る議案(第2044号)は,東京都における都市計画街路網の再検討を行った街路特別委員会の報告に基づいて,全体で2580kmの都市計画街路を1490kmに改めるものであり,この中に外環の2が含まれていた。上記の都計審において,被告の担当者は,外環の2等に係る議案(第2044号)について,「外郭環状線の2というのが追加してございます。これはのちほど申し上げます外郭環状線に関連ある道路でございます」と説明した。 上記の外環本線に係る議案(第2045号)は,東京都都市高速道路に外環本線を追加するものである。 上記の外環附属街路等に係る議案(第2046号)は,外環本線を作るに当たって,地元へのサービス道路として,外環本線の外側に片側の幅員6mの附属街路を作ることとし,これを都市高速道路附属街路に追加する ことなどを内容とするものであった。 (以上につき,甲47,乙13)イ昭和41年5月4日,第147回都計審が開催され,外環関係3議案が継続審議となった。(甲48)ウ昭和41年5月18日,第148回都計審が開催され,外環関係3議案が特別委員 47,乙13)イ昭和41年5月4日,第147回都計審が開催され,外環関係3議案が継続審議となった。(甲48)ウ昭和41年5月18日,第148回都計審が開催され,外環関係3議案が特別委員会に付議された。 上記の都計審において,被告の担当者は,外環本線と外環の2について,「関連街路,あるいは付属街路というようなものを設けまして,高速道路だけをつくるのではなしに,地元のサービスのできる道路とも合わせてつくるような計画を提案しておるわけでございます」などと説明した。 (以上につき,甲49,乙14)エ昭和41年5月23日,第1回東京都市計画地方審議会議第2044号ほか特別委員会(以下,同特別委員会を「2044号ほか特別委員会」という。)において,外環の2等に係る議案(第2044号),外環関係3議案についての説明がされた。(甲29)オ昭和41年5月26日,第2回2044号ほか特別委員会が開催された。 (甲51)カ被告首都整備局長は,昭和41年6月1日に開かれた衆議院建設委員会に参考人として招致された際,外環の2について「今回の外郭環状線を含みます周辺区の街路計画の改定作業というのは,全般的な,マクロ的な都市計画の改定作業の一番最後に残されたもの」であるとし,その改定作業の方法について「20年後,30年後の交通需要を推定いたしまして,各交通需要の発生時点ごとに,この交通需要を処理し得るような交通能力のある街路計画を立てる」ものであると説明し,周辺の交通状況について「交通調査の結果によりますと,環状6号線の外側の周辺区の交通需要は急激に増加いたしております。これは周辺部の市街化が急激に進んでおる のに比例してふえておるわけでございます。」と述べ,道路整備の必要性のある場所としては,「その各地区別に一番交通の発生 急激に増加いたしております。これは周辺部の市街化が急激に進んでおる のに比例してふえておるわけでございます。」と述べ,道路整備の必要性のある場所としては,「その各地区別に一番交通の発生地点に近いところに必要な幹線道路を補強する必要がある,こういう意味で環状6号,7号,8号ではどうしても足らない。この路線はそれぞれ必要な強化を講じますけれども,さらに環状8号線の外側に環状9号ともいうべき街路をどうしてももう一本はさむ必要がある。そうしてここにあわせて自動車専用道路をつくる必要がある,こういう判断をいたしたわけでございまして,住居専用地区の中を通らざるを得ないことになったわけでございます。」,「どうしても環状線をつくらなければならないとすれば,一番交通需要の発生地点につくるのが常識でございます。その発生地点は環状8号とその外側の武蔵野,三鷹地域にきめられておる環状線の間にある」などと説明した。(乙28)キ昭和41年6月3日,第3回2044号ほか特別委員会において,外環関係3議案が一括して採決され,いずれも原案に賛成する者が多数であった。(甲52)ク昭和41年6月6日第149回都計審において,外環関係3議案が一括して採決され,いずれも原案どおり賛成多数で可決された。(甲50,乙19)(2) 外環本線及び外環の2に係る昭和41年の各都市計画決定ア建設大臣は,昭和41年7月30日,旧都市計画法3条に基づき,別紙1都市計画目録記載2(1)のとおり,東京都世田谷区α1を起点とし,同区α2等を経由し,東京都練馬区α3埼玉県界を終点とする幅員23m(ただし,一部幅員が異なる区間がある。),延長約1万8060mの外環本線に係る都市計画決定をし,これを告示した(建設省告示第2430号)。 なお,旧都市計画法の規定上, 界を終点とする幅員23m(ただし,一部幅員が異なる区間がある。),延長約1万8060mの外環本線に係る都市計画決定をし,これを告示した(建設省告示第2430号)。 なお,旧都市計画法の規定上,都市計画決定の内容自体にはなっていな かったものの,外環本線の構造形式は嵩上式(高架式)とされていた。 (以上につき,前提事実(3)ア)イ建設大臣は,上記アの外環本線に係る都市計画決定がされた日と同じ昭和41年7月30日,旧都市計画法3条に基づき,別紙1都市計画目録記載1(1)のとおり,東京都世田谷区α4×番地を起点とし,東京都武蔵野市α5を経由し,東京都練馬区α6×番地を終点とする幅員40m(ただし,一部幅員の異なる区間がある。),延長約9650mの外環の2に係る都市計画決定をし,これを告示した(建設省告示第2428号)。(前提事実(3)イ)ウ上記イの外環の2を含む建設省告示第2428号の都市計画決定は,東京都内において過去に決定済みであった都市計画道路網について,おおむね東京23区の環状第6号線の外側の範囲を対象にして再検討を行った結果,全体で2580kmの都市計画道路を1490kmに改めるということを内容とするものであり,この際,既定の細道路については,その一部が補助線街路に組み入れられたが,大部分は市街地開発事業等に委ねることとして廃止された。(甲47,乙13,乙20,乙24,弁論の全趣旨)エ前記ア及びイの各都市計画決定がされた時点において,外環の2の経路は,外環本線の経路と重なっており,その幅員は,外環の2が40m,外環本線が23mであり,外環の2の方が外環本線よりも幅員が広く,外環の2の中に構造形式を嵩上式とする外環本線が包摂されるようになっていた。(甲7の4の2,甲22の3,甲23の3,甲24ないし2 ,外環本線が23mであり,外環の2の方が外環本線よりも幅員が広く,外環の2の中に構造形式を嵩上式とする外環本線が包摂されるようになっていた。(甲7の4の2,甲22の3,甲23の3,甲24ないし27,弁論の全趣旨)(3) 都市計画法の施行ア旧都市計画法は,現行の都市計画法が昭和44年6月14日に施行されたことにより,同日をもって廃止され(都市計画法附則1項,2項1号,都市計画法施行法1条,都市計画法の施行期日を定める政令),外環本線 に係る都市計画及び外環の2に係る都市計画は,都市計画法の規定による相当の都市計画とみなされた(都市計画法施行法2条)。(前提事実(4))イ臨時措置法の規定によって設けられた委任命令の一つである臨時特例は,旧都市計画法及び旧都市計画法施行令の特例を規定するものであったため,都市計画法施行令附則2条2号の規定により,都市計画法が施行された日と同日である昭和44年6月14日に廃止された。 (4) 都市計画の凍結建設大臣は,昭和45年10月9日の参議院建設委員会において,外環本線に係る都市計画を凍結する旨の発言をした。(甲11)(5) 外環本線及び外環の2に係る昭和61年の各都市計画変更決定ア東京都知事は,昭和61年1月21日,別紙1都市計画目録記載2(2)のとおり,外環本線に係る都市計画の変更決定をし,同日,同目録記載1(2)のとおり,外環の2に係る都市計画変更決定し,これらを告示した(東京都告示第56号)。(前提事実(5)ア,イ)イ上記アの外環本線に係る都市計画変更決定は,外環本線について,関越道から埼玉県境までの区間,延長約1160mについての構造形式を嵩上式から堀割式に変更するとともに,車線の数を4車線から6車線に変更し,両側に,植樹帯のほか地域のサービス道路,自 本線について,関越道から埼玉県境までの区間,延長約1160mについての構造形式を嵩上式から堀割式に変更するとともに,車線の数を4車線から6車線に変更し,両側に,植樹帯のほか地域のサービス道路,自転車道,歩行者道を設けたそれぞれ幅20mの環境施設帯を設置し,これに伴って,標準幅員を23mから64mに拡幅するというものであり,また,外環の2に係る都市計画変更決定は,外環の2について,外環本線の掘割式に変更された部分と重なり合う放射第7号線(通称「α7」)から補助第230号線までの区間約680mを廃止するというものであった。(甲24)なお,上記アの外環本線に係る都市計画変更決定において,外環本線の構造形式を基本的に嵩上式とすることが正式に都市計画の内容とされた。 (前提事実(5)ア) (6) 外環本線に係る都市計画の平成4年の変更決定被告は,平成4年6月1日,外環本線の関越道のインターチェンジ部分(東京都練馬区α8,同区α9間)の幅員を変更することとし,別紙1都市計画目録記載2(3)のとおり,外環本線に係る都市計画の変更決定をし,これを告示した(東京都告示第667号)。(前提事実(6))(7) 平成19年外環本線変更決定までの経緯ア建設省と被告は,平成6年11月に開催された第8回首都道路会議において,外環本線の整備について,地下構造を含めて引き続き検討を行うこととし,意見交換,検討の場を設けることを決定した。建設省と被告は,この決定を受けて設けられた「東京外かく環状道路懇談会」において,外環本線についての意見交換,検討を行った結果,道路構造や地上部の在り方等,今後地元との話合いを進めることができる計画案の見通しを得たとして,平成9年9月頃,外環本線の道路構造については,環境保全,まちづくり等の観点から,地下構造 行った結果,道路構造や地上部の在り方等,今後地元との話合いを進めることができる計画案の見通しを得たとして,平成9年9月頃,外環本線の道路構造については,環境保全,まちづくり等の観点から,地下構造(ボックス構造等)を有力な案とし,地域の利便性,まちづくりの観点から他の道路との接続や地上部の在り方などについて関係自治体等の意見を幅広く聞きながら計画の具体化を図っていくという方針で進めることを確認した。(乙2)イ国土交通省関東地方整備局と被告都市計画局は,平成13年4月,「東京外かく環状道路(関越道~東名高速)の計画のたたき台~幅広い議論のために~」と題するパンフレットを作成した。 上記パンフレットでは,外環本線に係る都市計画について,沿道環境への影響を考慮し,現計画を地下構造に変更するとした上,外環本線を地下化した場合の地上部の利用について,それぞれの地域の実情や地域の意向等に合わせて検討するため,公園や歩行空間を整備する場合,バス路線など公共交通を整備する場合,幹線道路を整備する場合,住宅,地域コミュニティを維持する場合の四つのメニューを示した。 (以上につき,甲14の1)ウ平成14年6月,外環本線について計画の構想段階から幅広く意見を聴くパブリック・インボルブメント(PI)方式で話し合うことを目的として,沿線の7区市の住民と区市の担当者,国土交通省と被告の担当者で構成するPI外環沿線協議会が設立され,平成16年10月までの間に42回の協議会,2回の現地視察等が実施された。(乙3)エ被告都市整備局は,平成17年1月,「外環の地上部の街路について」と題するパンフレットを作成し,その中で,外環の2について,「東京都では,改めて現在の都市計画の内容を地域の皆さんにお示しし,高速道路の外環を地下化した場合の地上 月,「外環の地上部の街路について」と題するパンフレットを作成し,その中で,外環の2について,「東京都では,改めて現在の都市計画の内容を地域の皆さんにお示しし,高速道路の外環を地下化した場合の地上部の取扱いについて,今後,皆さんの意見を聴きながら具体的な検討を進めてまいります。」とした上で,外環の2の取扱いについて,① 現在の都市計画の区域を活用して道路と緑地を整備,② 都市計画の区域を縮小して車道と歩道を整備,③ 代替機能を確保して都市計画を廃止という三つの考え方を示した。(乙6)オ被告及び多摩地域の関係28市町は,平成18年4月,多摩地域における都市計画道路を計画的,効率的に整備することを目的として,「多摩地域における都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)」(平成18年多摩整備方針)を策定,発表した。 平成18年多摩整備方針では,未着手の都市計画道路を対象とし,①交通処理機能の確保,② 都市間ネットワークの形成,③ バス交通を支える道路網の形成,④ 震災時における防災性の向上,⑤ 良好な居住環境地区の形成,⑥ 大気汚染物質及び温室効果ガスの排出抑制,⑦ 拠点整備やまちづくりへの貢献,⑧ 環境軸の形成の八つを「必要性の確認」の評価項目として,そのいずれかに当てはまるものを必要性のある道路として確認しているところ,外環の2は,これに当てはまるとして必要性が確認されたものの,今後10年間(平成18年度から平成27年度まで) において優先的に整備すべき路線には含まれておらず,「高速道路が地下化された場合に検討が必要な路線」とされていた。 (以上につき,甲40,乙7,乙26)カ被告は,平成18年6月2日,平成19年外環本線変更決定に先立って,当該決定に係る都市計画の案の縦覧を行ったが,この縦覧に係る図書の一つ とされていた。 (以上につき,甲40,乙7,乙26)カ被告は,平成18年6月2日,平成19年外環本線変更決定に先立って,当該決定に係る都市計画の案の縦覧を行ったが,この縦覧に係る図書の一つである都市計画の案の理由書では,外環本線に関する経緯や地域の状況,土木技術の進歩,環境への配慮などを総合的に勘案し,東名高速道路から関越自動車道までの区間について,構造形式を嵩上式から地下式に変更し,併せて,土地の適正かつ合理的な利用の促進を図るために立体的な範囲を定める等の都市計画変更を行うものであり,その際,起点から終点までの車線数を6車線とし,一方で,外環本線に沿って東八道路とのインターチェンジ以南でかつ東名高速道路とのジャンクション以北の地表部に設けることとしていたおおむね幅員6mの外環附属街路の道路計画を廃止するものとされていた。(乙46,弁論の全趣旨)キ国土交通省関東地方整備局と被告都市整備局は,平成18年6月,「東京外かく環状道路(関節道~東名高速間) これまでに頂いたご意見・ご提案と計画の具体化の検討等における考え方」と題する冊子を発表したが,そこでは,外環本線について,沿線地域での移転や地域の分断への影響などをできるだけ小さくするために,構想段階では,極力,大深度地下を活用することとしたこと,大深度地下方式は,地上にある建物の移転の必要がないため,地域分断を最小限に抑えることができること,高架構造では都市計画上のルート上の建物は全て移転が必要となるが,大深度地下方式とすることで,移転が必要となるのは開削ボックス区間の建物だけになることを説明した上,外環の2については,これまで,① 現在の都市計画の区域を活用して道路と緑地を整備,② 都市計画の区域を縮小して車道と歩道を整備,③ 代替機能を確保して都市計画を廃止という三 なることを説明した上,外環の2については,これまで,① 現在の都市計画の区域を活用して道路と緑地を整備,② 都市計画の区域を縮小して車道と歩道を整備,③ 代替機能を確保して都市計画を廃止という三つの考え 方を示して意見を聴いてきており,平成18年多摩整備計画においても,外環本線が地下化された場合,その必要性について検討する路線として位置付けられていることから,地域分断等が生じないよう配慮しつつ,外環本線と同様,周辺のまちづくりも含め,住民の意見を聴きながら取扱いについて検討を進めていくとしていた。(甲14の2)ク杉並区長は,平成18年10月10日付けで,東京都知事に対し,外環本線(世田谷区α2から練馬区α3までの間)の事業に係る環境影響評価準備書に対する意見を提出しているところ,その中で,「地上部の外環ノ2については,青梅街道IC周辺の交通量予測以外には今回の環境影響評価準備書の対象外としていますが,外環本体との関連が深いため,この取り扱いを保留したまま環境影響評価をし,事業を進めることには問題があります。地元住民や環境への影響が大きい外環ノ2については,地元住民及び当区の意見を十分に尊重するよう要望します。」としていた。(甲97)また,武蔵野市長は,平成19年1月10日頃,外環本線の構造形式を地下式とする都市計画変更案についての東京都知事からの意見照会に対する回答において,外環の2について,沿線地域の住環境保全の観点から,現時点ではその整備の必要性は認識しておらず,また,外環本線と一体のものとして,外環本線に係る都市計画の変更に伴って都市計画の変更が必要であり,廃止することを含め,計画の方向性,検討のプロセスを早急に明らかにするように求めていた。(甲19,弁論の全趣旨)ケ平成19年3月,第176回都計審 計画の変更に伴って都市計画の変更が必要であり,廃止することを含め,計画の方向性,検討のプロセスを早急に明らかにするように求めていた。(甲19,弁論の全趣旨)ケ平成19年3月,第176回都計審が開催され,外環本線の構造形式を基本的に嵩上式から地下式に変更し,車線数を6車線に変更することなどを内容とする都市計画の変更に係る議案が原案どおり可決された。 上記の都計審において,被告の担当者は,外環本線に係る都市計画の変更に係る議案は,沿道環境を保全し,移転等の影響を極力少なくするため, 構造形式を嵩上式から地下式に変更するものであると説明した上,外環の2について,高速道路である外環本線の収容空間を兼ねているものの,幹線道路ネットワークを構成する都市計画道路であり,高速道路の外環本線とは機能が異なると考えていることから,三つの検討の方向性を示して住民の意見などを聴いているが,外環本線の地下化とは別に検討すべきとの意見もあるため,併せて都市計画変更案を提出するということはせず,今後,外環本線に係る都市計画変更が決まれば,住民の意見を聞きながら,国及び関係区市と検討を進め,できるだけ早期に具体的な案を取りまとめていきたいなどと説明した。 (以上につき,乙8)(8) 外環本線に係る平成19年の都市計画変更決定(平成19年外環本線変更決定)ア被告は,平成19年4月6日,外環本線の構造形式を基本的に嵩上式から地下式に変更し,車線の数を6車線に変更することとし,別紙1都市計画目録記載2(4)のとおり,外環本線に係る都市計画の変更決定(平成19年外環本線変更決定)をし,これを告示した(東京都告示第588号)。 (前提事実(7))イ外環附属街路(東八道路以南,東名高速道路まで)は,外環本線が嵩上式であることを前提として,外環本 成19年外環本線変更決定)をし,これを告示した(東京都告示第588号)。 (前提事実(7))イ外環附属街路(東八道路以南,東名高速道路まで)は,外環本線が嵩上式であることを前提として,外環本線の建設によって分断された接道しない土地や利用できない土地が生じないよう沿道住民の利便に資することを目的として計画されたものであったため,外環本線の構造形式が嵩上式から地下式に変更されることにより,その機能が不要となったとして,平成19年外環本線変更決定と同時に,都市計画上廃止されることになったが,外環の2については,廃止や変更は行われなかった。(甲10の3,乙6,弁論の全趣旨)(9) 平成19年外環本線変更決定後の外環の2に関する事実経過 ア被告都市整備局は,平成19年8月,「外環の地上部の街路について」と題するパンフレットを作成し,その中で,同年4月に外環本線の構造形式を地下式に変更したことを踏まえ,改めて,現在の都市計画の内容を示し,地上部(外環の2)の取扱いについて,意見を聴きながら具体的な検討を進めるとした上で,外環の2の取扱いについて,① 現在の都市計画の区域を活用して道路と緑地を整備,② 都市計画の区域を縮小して車道と歩道を整備,③ 代替機能を確保して都市計画を廃止という三つの考え方を示した。(甲2)イ被告は,平成20年2月,「外環(東京外かく環状道路)関越道~東名高速間」と題するパンフレットを作成し,その中で,外環の地上部街路(外環の2)について,外環本線の構造形式を嵩上式から地下式に変更したことを踏まえ,今後,地上部街路(外環の2)についても,環境,防災,交通ネットワーク等の観点から,その必要性や整備の在り方などについて,広く意見を聴きながら検討を進めていくという考えを示した。(甲1)ウ被告都 後,地上部街路(外環の2)についても,環境,防災,交通ネットワーク等の観点から,その必要性や整備の在り方などについて,広く意見を聴きながら検討を進めていくという考えを示した。(甲1)ウ被告都市整備局は,平成20年3月,外環の2について,「外環の地上部の街路について検討の進め方」と題するパンフレットを作成し,その中で,平成19年外環本線変更決定において外環本線の構造形式が基本的に嵩上式から地下式に変更されたことを踏まえ,今後,環境,防災,交通,暮らしの四つの視点で,地上部街路(外環の2)の必要性や在り方について,広く意見を聴きながら検討を進め,都市計画に関する被告の方針をとりまとめていくという考えを示した。(乙9)エ被告は,外環の2に関する地域住民,地上部街路沿線町会,商店会等,区又は市,国土交通省との話合いの場として,沿線区市ごとに「外環の地上部街路に関する話し合いの会」(話し合いの会)を設置し,平成21年以降,武蔵野市,練馬区及び杉並区において,話し合いの会を開始し,それぞれ話し合いの会を複数回,実施している。(甲53の1及び2,甲1 46,甲147,甲150,甲168の1及び2,甲169の1ないし3,乙33ないし37,乙43,乙44)オ国土交通省関東地方整備局と被告都市整備局は,平成21年4月,「東京外かく環状道路(関越道~東名高速間)対応の方針」と題する冊子を発表し,その中で,外環の2のうちのα12JCT区間について整備する考え方を示した。(甲127)カ外環本線(関越道から東名高速道路までの区間16.2km)は,平成21年5月に事業化された。(甲93,乙47)国土交通大臣,X6株式会社及びX7株式会社は,平成25年11月8日付けで,外環本線について,大深度地下の公共的利用に関する特別措置 2km)は,平成21年5月に事業化された。(甲93,乙47)国土交通大臣,X6株式会社及びX7株式会社は,平成25年11月8日付けで,外環本線について,大深度地下の公共的利用に関する特別措置法に基づく使用認可申請書を所管大臣である国土交通大臣宛てに提出したが,上記申請書では,外環本線を大深度地下に建設する理由として,地上式の道路の場合と比較して,土地の改変をできる限り減らし,また,自動車からの排出ガス,騒音及び振動が沿道に与える影響を最小限に抑えることができること,大深度地下を使用し施工することにより,用地取得や区分地上権設定範囲を極力小さくすることができること,特に高度な土地利用が図られている東京都内の既成市街地部を通過するため,用地取得や区分地上権設定範囲を極力小さくして早期整備を図る必要があることが挙げられていた。(甲140の1ないし5)また,国土交通大臣,X6株式会社及びX7株式会社は,同日付けで,国土交通大臣及び東京都知事に対し,外環本線に係る都市計画事業承認及び認可申請書を提出したが,上記申請書では,外環本線に係る都市計画が平成19年において大深度地下を活用した立体的な都市計画とされたのは,沿線環境への配慮の観点から,市街地への影響が最小限になるよう配慮がされたものであるとされていた。(甲139の1ないし11)(10) 外環の2の一部事業認可等 ア被告は,平成24年7月18日,東京都練馬区α10×番から同区α11×番までの延長1000m,幅員48mないし78mの区間(その時点における外環の2のうち最北端に位置し,関越道のα12ジャンクションに隣接する区間。α12JCT区間)についての都市計画事業である「東京都市計画道路事業幹線街路外郭環状線の2」について,都市計画法59条2項に基づき,施行者と に位置し,関越道のα12ジャンクションに隣接する区間。α12JCT区間)についての都市計画事業である「東京都市計画道路事業幹線街路外郭環状線の2」について,都市計画法59条2項に基づき,施行者として,関東地方整備局長に対して都市計画事業の認可の申請をし,同年9月7日付けで認可を受け,同月27日に同法62条1項に基づく告示がされた(平成24年関東地方整備局告示第335号)。(前提事実(9)ア)被告は,上記都市計画事業の認可申請の理由について,「本整備により,外環道や関越インター,α7へのアクセス性が向上するなど,本地域の南北道路ネットワークが強化されるとともに,歩道や緑地帯の整備による良好な都市環境が創出される。また,延焼遮断帯として地域の防災性向上に寄与する」としていた。(甲107の1)イ武蔵野市長は,平成25年2月26日に開催された武蔵野市議会平成25年第1回定例会において,外環の2について,その必要性を認識しておらず,練馬区において部分的な工事着手があったことは極めて遺憾であると述べた。(甲157)ウ被告都市整備局は,平成26年1月,「練馬区おける外環の地上部街路についてあり方(複数案)」と題するパンフレットを作成し,その中で,外環の2のα7から青梅街道までの約3kmの区間(練馬3キロ区間)について,代替機能を確保して都市計画を廃止することは,既存道路の拡幅が必要となり,沿道の土地利用の状況などを考慮すると採用することは困難であると考えているとした上,地上街路の在り方(複数案)として,①車道,歩道,植樹帯を設置した道路(幅員18m),②車道,自転車道,歩道,植樹帯を設置した道路(幅員22m),③車道,自転車道,歩道, 植樹帯,緑地帯を設置した道路(幅員40m)の3案を示した。(甲135)なお, (幅員18m),②車道,自転車道,歩道,植樹帯を設置した道路(幅員22m),③車道,自転車道,歩道, 植樹帯,緑地帯を設置した道路(幅員40m)の3案を示した。(甲135)なお,練馬3キロ区間は,原告らが所有する本件不動産から,杉並区を間に挟み,約1.5km離れた場所に位置している。(甲32の1及び2,弁論の全趣旨)エ練馬区は,平成26年2月,「「外環の2」に関する今後の取組方針」と題する文書を公表したが,その中で,外環の2について,区内の南北交通に資する都市計画道路であるとともに,快適な都市環境の創出や延焼遮断帯の形成などの環境面,防災面などの観点からも重要な都市計画道路であると考えており,都市計画の取扱いを明確にした上で,早期に整備を図るように被告に要請していくとした上,その際には,車道は2車線(片側1車線)とすること,広幅員の歩道と自動車道を確保すること,延焼遮断帯としての機能が発揮できる幅員を確保すること,可能な限り緑化を図ることなどに配慮するように併せて被告に要請していくとした。(乙62)オ被告都市整備局は,平成26年5月14日,練馬3キロ区間について,幅員22mの道路への都市計画変更手続をすることなどを内容とする「外環の地上部街路(外環の2)の都市計画に関する方針」を発表し,これに基づき,都市計画変更素案を作成し,被告は,同年6月,「都市計画変更素案のあらまし」及び「練馬区における外環の地上部街路について・これまでの検討の総括」と題する各パンフレットを作成した。 上記の各パンフレットの説明によれば,外環の2のα7から青梅街道までの区間について,事業中のα12ジャンクション地域(α12JCT区間)及び(仮称)青梅街道インターチェンジの整備により地上部が改変される区間を除いて都市計画の区域を縮小 環の2のα7から青梅街道までの区間について,事業中のα12ジャンクション地域(α12JCT区間)及び(仮称)青梅街道インターチェンジの整備により地上部が改変される区間を除いて都市計画の区域を縮小し(縮小区間約2840m),車線数は2車線(片側1車線)とし,標準幅員は,道路の基本的な機能を確保した上で,歩行者,自転車,自動車の通行空間を構造的に分離可能な2 2mとするものとされているが,上記区間以南の青梅街道から東八道路までの区間(杉並,武蔵野,三鷹区間)については,引き続き,検討のプロセスに基づき,広く意見を聴きながら検討を進めるものとし,都市計画変更の対象外とされている。 (以上につき,甲153,甲154,乙64,乙65)カ被告は,平成26年9月19日,外環の2に係る都市計画について,練馬3キロ区間の幅員を22mにすることなどを内容とする都市計画(変更)案を公告し,同年10月3日までの2週間,公衆の縦覧に供した。(乙69)キ被告は,都計審の議を経た上,平成26年11月28日,外観の2の幹線街路放射第6号線から幹線街路放射第7号線までの区間(延長約4370m)の車線を2車線と決定すること,東京都練馬区α13から同区α10までの区間(延長約2840m。練馬3キロ区間)の幅員を22mに変更すること,同区α13,α14及びα15各地内に面積約5100㎡の交通広場を設置することとして,都市計画法21条1項に基づき,別紙1都市計画目録記載1(3)のとおり,外環の2に係る都市計画の変更決定をし,これを告示した(東京都告示第1573号)。(甲170,乙69,前提事実(9)イ)(11) その他ア本件都市計画決定に係る都市計画施設である外環の2の区域内にある原告らの所有する本件土地は,地積373.55㎡の宅地であり, 3号)。(甲170,乙69,前提事実(9)イ)(11) その他ア本件都市計画決定に係る都市計画施設である外環の2の区域内にある原告らの所有する本件土地は,地積373.55㎡の宅地であり,第1種低層住居専用地域に指定された地域にあり,建ぺい率は40%,容積率は80%とされており,第1種高度地区に指定された地域にあるため,10mの高度制限が課されているほか,最低敷地面積は120㎡とされ,建築基準法22条及び23条により屋根や外壁に不燃材料を使わなければならないとされている。(甲15の4,甲102,甲128) イ本件建物は,別紙2物件目録記載2のとおり,その構造は木造スレート葺2階建て,床面積は1階が96.39㎡,2階が52.65㎡である。 (甲16の3,甲129)ウ本件土地の周囲は,低層建物を主体とする古くからの住宅地であり,標準的な使用は,2階建て程度の中規模一般住宅,アパート等の敷地であり,やや古い住宅等が多い。(甲32の1,甲86,甲102,甲141,甲142,甲152)エ東京都知事は,本件都市計画決定に係る都市計画施設である外環の2の区域内において,都市計画法55条1項の規定による区域の指定は行っていない。(弁論の全趣旨)オ原告らは,本件不動産の譲渡を具体的に予定しているわけでも,外環の2の区域内にある本件土地において,建築物の建築を具体的に予定しているわけでもない。(弁論の全趣旨) 2 本件無効確認の訴えについて(1) 抗告訴訟の対象について原告らは,本件都市計画決定が抗告訴訟の対象となることを前提として,行政事件訴訟法3条4項所定の無効等確認の訴えとして,本件無効確認の訴えを提起している。 この点,抗告訴訟は,行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟であり,行政庁の処分その他公 ことを前提として,行政事件訴訟法3条4項所定の無効等確認の訴えとして,本件無効確認の訴えを提起している。 この点,抗告訴訟は,行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟であり,行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為を対象として,その効力等を争う訴訟である(行政事件訴訟法3条)。そして,ここでいう行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(以下「行政処分」ということがある。)とは,公権力の主体たる国又は地方公共団体が行う行為のうち,その行為によって,直接国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。 したがって,本件無効確認の訴えが適法であるためには,本件都市計画決 が,抗告訴訟の対象となる行政処分であること,すなわち,直接国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認められているものであることが必要となる。 (2) 都市計画事業に関する法令の定めア都道府県又は市町村が,道路等の都市施設(都市計画法11条1項)を都市計画事業(同法4条15項)として整備しようとする場合,まず,当該都市施設を定めた都市計画の案を作成し,これを公衆の縦覧に供した後(同法17条1項),都市計画審議会の議を経て都市計画を決定し(同法18条,19条),その旨の告示をする(同法20条1項)。都市計画決定がされた場合でも,都道府県又は市町村は,都市計画を変更する必要が生じたときなどは,都市計画変更の案を公衆の縦覧に供した後,都市計画審議会の議を経て都市計画を変更する旨の決定をする(同法21条)。そして,都道府県又は市町村が,当該都市施設に関する都市計画事業を施行する場合(同法59条),その段階で,当該都市計画事業について,収用又は使用の別を明らかにした事業地,設計の概要,事業施行期間及び資金 ,都道府県又は市町村が,当該都市施設に関する都市計画事業を施行する場合(同法59条),その段階で,当該都市計画事業について,収用又は使用の別を明らかにした事業地,設計の概要,事業施行期間及び資金計画という事業計画の基礎的事項を記載した申請書により都市計画事業の認可の申請をし(同法60条1項ないし3項),国土交通大臣又は都道府県知事の認可を受ける必要がある(同法59条)。国土交通大臣又は都道府県知事は,都市計画事業の認可をしたときは,遅滞なく,施行者の名称,都市計画事業の種類,事業施行期間及び事業地を告示するものとされており(同法62条1項),この認可の告示がされると,当該都市計画事業の施行者に対して事業地内の土地を収用し得る地位が付与される(同法70条1項,土地収用法第4章)。 イ都市施設に関する都市計画決定がされると,都市計画施設の区域内において建築物の建築をしようとする者は,原則として都道府県知事等の許可を受けなければならないが,政令で定める軽易な行為等については都道府 県知事等の許可を受けることを要しないとされている(都市計画法53条1項)。また,当該建築物が,階数が2以下で,かつ,地階を有せず,主要構造部が木造,鉄骨造,コンクリートブロック造その他これらに類する構造であって,容易に移転し,又は除去することができるものであると認められる場合等の一定の場合には,都道府県知事等は,同項の規定による許可の申請を許可しなければならないとされているが(同法54条),都市計画施設の区域内の土地でその指定したものの区域内において行われる建築物の建築については,許可をしないことができる(同法55条)。さらに,都道府県知事等(同条4項の規定により,土地の買取りの申出の相手方として公告された者があるときはその者。以下,同法56条1 る建築物の建築については,許可をしないことができる(同法55条)。さらに,都道府県知事等(同条4項の規定により,土地の買取りの申出の相手方として公告された者があるときはその者。以下,同法56条1項の適用に関しては同じ。)は,事業予定地内の土地の所有者から,同法55条1項によって建築物の建築が許可されないときはその土地の利用に著しい支障を来すこととなることを理由として,当該土地を買い取るべき旨の申出があった場合においては,特別の事情がない限り,当該土地を時価で買い取るものとされている(同法56条1項)。 ウ都市計画法55条4項の規定による公告があったときは,都道府県知事等(同項の規定により,同法57条2項本文の規定による届出の相手方として公告された者があるときはその者。以下,同条の適用に関しては同じ。)は,速やかに,国土交通省令で定める事項を公告するとともに,国土交通省令で定めるところにより,事業予定地内の土地の有償譲渡について,同法57条2項から4項までの規定による制限があることを関係権利者に周知させるため必要な措置を講じなければならない(同条1項)。上記の公告の日の翌日から起算して10日を経過した後に同法55条1項の規定による指定がされた区域内の土地を有償で譲り渡そうとする者は,原則として,当該土地,その予定対価の額及び当該土地を譲り渡そうとする相手方等を書面で都道府県知事等に届け出なければならない(同法57条 2項本文)。上記の届出があってから30日以内に都道府県知事等が届出をした者に対して届出に係る土地を買い取るべき通知をしたときは,当該土地について,都道府県知事等と届出をした者との間に届出書に記載された予定対価の額に相当する代金で,売買が成立したものとみなされる(同条3項)。 (3) 都市計画決定の処分性 知をしたときは,当該土地について,都道府県知事等と届出をした者との間に届出書に記載された予定対価の額に相当する代金で,売買が成立したものとみなされる(同条3項)。 (3) 都市計画決定の処分性についてアまず,原告らは,都市施設に関する都市計画決定がされると,都市計画施設の区域内において建築物の建築の制限や土地の有償譲渡の制限がされることをもって,都市計画決定に処分性が認められると主張する。 しかしながら,都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限は,都市計画施設の区域内において建築物の建築をしようとする者について,原則として建築物の建築についての都道府県知事等の許可を受けなければならないとするものであるところ,この制限は,特定の個人に向けられたものではなく,一般的に都市計画施設の区域内の建築行為を都道府県知事の許可にかからしめるという抽象的な効果を持つものにすぎないから,都市計画施設の区域内の土地所有者等の権利を直接的,具体的に制限するものとはいえない。また,同項ただし書1号により,政令で定める軽易な行為等については同項本文の規定する許可を受けることを要しないとされているほか,同法54条により,当該建築物が,階数が2以下で,かつ,地階を有せず,主要構造部が木造,鉄骨造,コンクリートブロック造その他これらに類する構造であって,容易に移転し,又は除去することができるものであると認められる場合等の一定の場合には,都道府県知事等は,同法53条1項の規定による許可の申請を許可しなければならないとされており,仮に同項の規定に違反した者がある場合でも,土地区画整理法76条4項の規定するような原状回復等の命令がされたり,同法140条の規定するような当該命令違反に対し刑罰が科されたりする仕組みにはなって いないことからして ある場合でも,土地区画整理法76条4項の規定するような原状回復等の命令がされたり,同法140条の規定するような当該命令違反に対し刑罰が科されたりする仕組みにはなって いないことからしても,都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限が課されることをもって,都市施設に関する都市計画決定が,直接当該都市計画施設の区域内の土地所有者等の権利義務を形成し,又はその範囲を確定するものと認めることはできない。さらに,都市施設に関する都市計画決定がされてから長期間が経過し,その結果,建築制限が長期間にわたって課されるという結果となったとしても,これは都市計画決定がされた後の事情にすぎず,同項の規定する建築物の建築の制限が,都市計画施設の区域内の土地所有者等の権利を直接的,具体的に制限するものとはいえないという上記判断を左右するものではない。しかも,同項の規定する建築物の建築の制限については,同項の規定する許可の申請に対して都道府県知事等による許否の判断がされることになるから,同項に基づいて建築物の建築の制限を受ける者に対する救済は,上記の許否の判断に係る処分に対する抗告訴訟の提起を認めれば足りると考えられる。 次に,同法57条の規定する土地の有償譲渡の制限についても,そもそもその効力は,都道府県知事によって同法55条1項の規定による区域の指定がされた場合に,当該区域内において生じるものであり(同法57条2項),都市計画決定がされることによって直ちに生じるわけではなく,上記の区域の指定について特段の要件が定められていないからといって,その指定によって生じる効力を都市計画決定自体から生じる効果であると解することはできないから,原告らの主張は失当である。 その他,原告らは,都市計画施設の区域内に土地を所有する者は,都市計画決定に伴う 指定によって生じる効力を都市計画決定自体から生じる効果であると解することはできないから,原告らの主張は失当である。 その他,原告らは,都市計画施設の区域内に土地を所有する者は,都市計画決定に伴う建築物の建築の制限や土地の有償譲渡の制限により,当該土地を他に売却しようとしても通常の取引の場合のように買手を見つけることが困難となるという制限を受けていると主張するが,現にこのような制限に伴う不利益があったとしても,これは上記の建築物の建築の制限等に端を発する事実上のものにとどまるというべきあり,このような不利益 があることをもって,都市施設に関する都市計画決定が,直接当該都市計各施設の区域内の土地所有者の権利義務を形成し,又はその範囲を確定するものであると認めることはできない。 そうすると,都市計画決定に伴って同法53条1項の規定する建築物の建築の制限や同法57条の規定する土地の有償譲渡の制限等が生じることをもって,都市施設に関する都市計画決定の処分性を認めることはできないというべきである。 イ次に,原告らは,都市施設に関する都市計画決定がされると,都市計画施設の区域内の土地の所有者等は,当該土地の収用を受ける地位に立たされるから,都市計画決定には処分性が認められると主張する。 この点,都市施設に関する都市計画決定は,都市施設の整備を目的とした都市計画事業の手続の一部を構成するものであり,都市計画決定がされることにより,抽象的には都市計画施設の区域内の土地が収用される可能性が生じることは確かである。また,上記アで説示したとおり,都市施設に関する都市計画決定については,将来の都市計画事業の円滑な実施を目的として,都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限等の効果が生じるものとされていることも確かである。 しかしなが 市施設に関する都市計画決定については,将来の都市計画事業の円滑な実施を目的として,都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限等の効果が生じるものとされていることも確かである。 しかしながら,都道府県又は市町村が道路等の都市施設を都市計画事業として整備しようとする場合には,まず,同法11条に基づいて都市計画において当該都市施設を定めた上で,具体的に事業を施行しようとする段階で,同法59条に基づいて都市計画事業の認可を得る必要がある。そして,都市計画事業においては,都市施設に関する都市計画決定がされた段階では,施行者に法的強制力をもった事業の施行権は付与されないため,都市計画施設の区域内の土地を当然に収用することができるわけではなく,都市計画事業の認可の申請の際に初めて,収用又は使用の別を明らかにした事業地,設計の概要,事業施行期間及び資金計画という事業計画の基礎 的事項が明らかにされ(同法60条1項ないし3項),都市計画事業の認可がされることにより,法的強制力をもった事業の施行権が付与され,事業地内の土地を収用することができるようになるのであり,この点で,土地区画整理事業において,事業計画決定がされると,施行者に法的強制力をもった事業の施行権が付与され,特段の事情がない限り,ほぼ確実に施行区域内の宅地の所有者等について換地処分が行われることになることとは異なっている。 このように,都市計画施設の区域内の土地所有者等は,都市計画決定がされたからといって,当然に都市計画事業の手続に従って土地の収用を受けるべき地位に立たされるとはいえないから,都市計画決定が,直接当該区域内の土地所有者等の権利義務を形成し,又はその範囲を確定するものと認めることはできない。 しかも,前記のとおり,都市計画事業を施行するためには,同法5 とはいえないから,都市計画決定が,直接当該区域内の土地所有者等の権利義務を形成し,又はその範囲を確定するものと認めることはできない。 しかも,前記のとおり,都市計画事業を施行するためには,同法59条の規定する都市計画事業の認可を受けることが必要となり,これによって事業地内の土地の収用を受けるべき地位に立たされる土地所有者等の救済は,都市計画事業の認可に対する抗告訴訟の提起を認めれば足りると考えられるから,具体的な施行時期も未定である都市計画決定の段階で抗告訴訟によってその違法性を争うことを認める必要はないというべきである。 ウこれに対し,原告らは,都市計画については都市計画事業の認可がされないまま土地の任意買収等によって事業が遂行されることがあるため,都市計画事業の認可に対する抗告訴訟において,都市計画決定が違法であるとして当該事業認可が違法であると判断されたとしても,その間に土地の任意買収等によって当該都市計画事業が遂行された結果,事業全体に著しい混乱をもたらすとして事情判決がされる可能性があるから,都市計画決定自体に対する抗告訴訟を認めなければ,土地の収用を受けるべき地位に立たされる都市計画施設の区域内の土地所有者等に対する実効的な権利救 済が図れないと主張する。 しかしながら,例えば,都市計画事業として土地区画整理事業が行われる場合,①都市計画決定,②事業計画決定を経て,③換地処分に至るところ,施行区域内の権利者は,仮に②の事業計画決定を対象とした抗告訴訟の提起が認められないとすると,換地処分等を対象とした抗告訴訟により同決定の適法性を争うしかなく,その訴訟において仮に違法が認められたとしても,事業全体に著しい混乱をもたらすとして事情判決がされる可能性も相当程度あるため,施行区域内の権利者の実効的な権利救済を り同決定の適法性を争うしかなく,その訴訟において仮に違法が認められたとしても,事業全体に著しい混乱をもたらすとして事情判決がされる可能性も相当程度あるため,施行区域内の権利者の実効的な権利救済を図るためには,事業計画決定がされた段階で,これに対する抗告訴訟の提起を認める必要性があるのに対し,都市施設に関する都市計画事業の場合には,①都市計画決定,②都市計画事業の認可を経て,③土地収用に至るところ,事業地内の土地所有者等は,②の都市計画事業の認可に対する抗告訴訟により都市計画決定の適法性を争うことができるのであり,この場合において,任意買収によって事業が遂行されていることなどを理由に事情判決をしなければならないような事態が一般的に想定し得るともいえないから,都市計画事業の認可に対する抗告訴訟を認めるだけでは事業地内の土地所有者等に対する実効的な権利救済が果たされないということはできない。 また,原告らは,都市計画決定について,本件都市計画決定のように一部事業認可がされた場合には類型的に事情判決がされる可能性が高いから,都市計画決定に対する抗告訴訟を認めなければ,都市計画施設の区域内の土地所有者等に対する実効的な権利救済が図れないと主張するが,そもそも,ある行政行為について処分性が認められるかどうかは,当該行政行為自体の客観的かつ抽象的な性質の問題であり,これは当該行政行為がされた時点で判断されるべきものであるから,当該行政行為がされた後の事情によって,処分性の有無が左右されると解することはできず,都市計画決定の後に一部事業認可がされたことにより,当該都市計画決定の処分性が 認められると解するのは困難というべきである。そして,このことは,都市計画の一部について,事業化を前提とした都市計画変更決定がされたような場合も同様で により,当該都市計画決定の処分性が 認められると解するのは困難というべきである。そして,このことは,都市計画の一部について,事業化を前提とした都市計画変更決定がされたような場合も同様である。 このように,都市計画事業の認可に対する抗告訴訟において事情判決をしなければならないような事態が一般的に想定し得るとはいえない以上,実効的な権利救済のために都市計画決定を抗告訴訟の対象として取り上げるのが合理的であるとはいえないし,仮に都市計画決定後に一部事業認可がされたり,事業化を前提とした都市計画変更決定がされたり,さらには,任意買収によって都市計画事業が進行したりして,これらの事情によって公法上の法律関係の確認の訴えに係る確認の利益が基礎付けられるというのであれば,これを活用することによってその実効的な権利救済を図ることも可能であることからすると,都市計画施設の区域内の土地所有者等に対する実効的な権利救済という点からも,都市計画決定の処分性を認める必要性を認めることはできないというべきである。 エその他,原告らは,都市施設に関する都市計画決定について,その内容が具体的であり,違法性の判断が可能であることを処分性が認められるべき根拠として主張するが,行政行為の処分性の有無は,その行為によって,直接国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認められているか,あるいは,実効的な権利救済のために当該行為を抗告訴訟の対象として取り上げるのが合理的であるかどうかによって判断されるべきものであり,原告らの主張する都市計画決定の内容の具体性等は,その処分性を直ちに基礎付けるものとは認められない。 (4) 小括以上によれば,本件都市計画決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらないから,行政事件訴訟法3条4項所定の抗 の具体性等は,その処分性を直ちに基礎付けるものとは認められない。 (4) 小括以上によれば,本件都市計画決定は,抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらないから,行政事件訴訟法3条4項所定の抗告訴訟である無効等確認の訴えの対象とすることはできず,本件無効確認の訴えは,その余の点につ いて判断するまでもなく,不適法なものというべきである。 3 本件義務付けの訴えについて原告らは,行政事件訴訟法3条6項1号所定のいわゆる非申請型の義務付けの訴えとして,本件都市計画の廃止手続の義務付けを求めているところ,前記2で判断したとおり,そもそも都市計画決定自体に処分性を認めることができない以上,都市計画を廃止する決定についてもまた,処分性を認めることができないというべきである。仮に原告らが求めるものが都市計画の「廃止手続」であったとしても,都市計画の廃止の手続自体に処分性を認めることができないことも明らかである。 そうすると,本件義務付けの訴えは,抗告訴訟の対象とならない行政庁の行為の義務付けを求めるものであり,その余の点について判断するまでもなく,不適法な訴えというべきである。 4 本件各法律関係確認の訴えについて(1) 公法上の法律関係に関する確認の訴えにおける確認の利益について原告らは,行政事件訴訟法4条所定の公法上の法律関係に関する確認の訴えとして,本件都市計画が違法であることの確認(請求の趣旨(3)),原告らが本件不動産について都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限を受けない地位にあることの確認(請求の趣旨(4)),及び,被告が本件都市計画の廃止手続をとらないことが違法であることの確認(請求の趣旨(5))を求めている。 この点,公法上の法律関係に関する確認の訴えは,民事訴訟における確認の訴えと同様, )),及び,被告が本件都市計画の廃止手続をとらないことが違法であることの確認(請求の趣旨(5))を求めている。 この点,公法上の法律関係に関する確認の訴えは,民事訴訟における確認の訴えと同様,即時確定の利益があること,すなわち,当事者間の紛争が確認判決によって即時に解決しなければならないほど切迫して成熟したものであることを必要とするのであり,即時確定の利益を欠く確認の訴えは,確認の利益を欠く不適法な訴えとなるものである。 (2) 本件各法律関係確認の訴えの確認の利益について ア上記の即時確定の利益の有無を本件各法律関係確認の訴えについて検討すると,以下の諸点に鑑みれば,本件各法律関係確認の訴えは即時確定の利益を欠くものというべきである。 (ア) 本件各法律関係確認の訴えにおいては,外環の2に係る本件都市計画が都市計画法13条1項の規定する都市計画基準に適合するかどうかが問題とされているところ,外環の2に係る都市計画は,平成19年外環本線変更決定において外環本線の構造形式が地下式に変更される前後から,その在り方についての検討が続けられており(認定事実(7),(9),(10)),その間に,外環の2のうち,α12JCT区間について都市計画事業の認可がされたり(認定事実(10)ア),練馬3キロ区間の幅員を変更する旨の都市計画変更決定がされたりしていることからすると(認定事実(10)キ),外環の2に係る本件都市計画は,現時点においても,その内容が変更される可能性が多分にあり,いまだ不確定な状態にあるということができる。 (イ) また,本件各法律関係確認の訴えのうち,本件都市計画が違法であることの確認請求(請求の趣旨(3))については,本件都市計画決定に係る都市計画施設である外環の2の区域内に本件土地を共有する原告らは, また,本件各法律関係確認の訴えのうち,本件都市計画が違法であることの確認請求(請求の趣旨(3))については,本件都市計画決定に係る都市計画施設である外環の2の区域内に本件土地を共有する原告らは,本件土地を事業地に含む都市計画事業の認可がされた段階で,これに対する抗告訴訟を提起し,その訴訟において本件都市計画の適法性を争うことができるのであり,それによって本件土地の収用という不利益を回避することができることからすると,単に本件都市計画決定がされているというだけでは,原告らについて事後の回復が困難な不利益が生じているとはいえず,本件都市計画の適法性を確認の訴えによって争う切迫した必要性があると認めることはできない。同様に,被告が本件都市計画の廃止手続をとらないことが違法であることの確認請求(請求の趣旨(5))についても,原告らは,本件土地を事業地に含む都市計画事 業の認可がされた段階で,これに対する抗告訴訟を提起し,その訴訟において,本件都市計画の廃止がされなかったことについて,最終的な都市計画決定ないし都市計画の適法性の問題として争うことができるのであり,それによって土地の収用という不利益を回避することができることからすると,単に本件都市計画決定がされている,あるいは本件都市計画の廃止手続がとられていないというだけでは,原告らについて,事後の回復が困難な不利益が生じているとはいえず,本件都市計画の廃止手続をとらないことの適法性を確認の訴えによって争う切迫した必要性があると認めることはできない。 (ウ) 一方,原告らが本件不動産について都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限を受けない地位にあることの確認請求(請求の趣旨(4))についても,単に建築物の建築について許可を要するというだけでは確認の利益を基礎付けるこ ついて都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限を受けない地位にあることの確認請求(請求の趣旨(4))についても,単に建築物の建築について許可を要するというだけでは確認の利益を基礎付けることができるような不利益があるとはいえないし,具体的に生じる可能性のある建築物の建築ができないという不利益についても,同項の規定する建築許可申請の不許可処分に対する抗告訴訟において,その不許可処分の適法性の前提となる本件都市計画決定の適法性を含めて争うことができると解されるから,単に本件都市計画決定に伴って同項の規定する建築物の建築の制限が課されているというだけでは,原告らについて事後の回復が困難な不利益が生じているとはいえない。しかも,原告らにおいては,本件土地において建築物の建築を具体的に予定しているわけではないこと(認定事実(11)オ)からすると,本件不動産について同項の規定する建築物の建築の制限を受けない地位にあるか否かを確認の訴えによって争う切迫した必要性があると認めることはできない。 (エ) その他,本件都市計画決定に伴う建築物の建築の制限等のため,本件不動産を他に売却しようとしても通常の取引の場合のような買手を見 つけることが困難になるという原告らの主張についても,仮にこのような事情があったとしても,それは本件都市計画決定に伴って事実上,一般的,抽象的に生じたものというべきであるし,事後の回復が困難な不利益であるとまでは認められない。 イこれに対し,原告らは,本件都市計画決定に係る都市計画施設である外環の2について,α12JCT区間の都市計画事業の認可がされたり,事業化を前提とした練馬3キロ区間の都市計画変更決定がされたりしたことにより,紛争の成熟性が高まったから,本件各法律関係確認の訴えについての確認の利益が 2JCT区間の都市計画事業の認可がされたり,事業化を前提とした練馬3キロ区間の都市計画変更決定がされたりしたことにより,紛争の成熟性が高まったから,本件各法律関係確認の訴えについての確認の利益が認められると主張する。 しかしながら,外環の2のうち,都市計画事業の認可がされたα12JCT区間は,外環の2の最北端に位置し,関越道のα12JCTに隣接する区間であり(認定事実(10)ア),また,都市計画変更決定がされた練馬3キロ区間は,原告らが所有する本件不動産から,杉並区を間に挟み,約1.5km離れた場所に位置していること(認定事実(10)ウ),上記都市計画変更決定に当たり,練馬3キロ区間以南の青梅街道から東八道路までの区間(杉並,武蔵野,三鷹区間)については,引き続き広く意見を聴きながら検討を進めることとされ,都市計画変更の対象外とされたこと(認定事実(10)オ)からすると,上記の都市計画事業の認可や都市計画変更決定がされたことにより,本件各法律関係確認の訴えについて,紛争の成熟性が高まり即時確定の利益が生じたと認めることはできない。 したがって,原告らの上記主張は採用することができない。本件各法律関係確認の訴えについて確認の利益があるとする原告らのその余の主張も,これまで説示したところに照らせば,いずれも採用することができない。 (3) 小括以上によれば,本件各法律関係確認の訴えは,確認の利益を欠くものとして,不適法な訴えというべきである。 5 本件国家賠償請求の訴えについて(1) 原告X1の主張する被告の違法行為原告X1は,外環の2に係る都市計画を早急に廃止すべき義務を負っているのにこれを廃止しないという被告の不作為の違法行為により,承継前原告において,精神的苦痛を被ったため,国家賠償法1条1項に基づき,慰 告X1は,外環の2に係る都市計画を早急に廃止すべき義務を負っているのにこれを廃止しないという被告の不作為の違法行為により,承継前原告において,精神的苦痛を被ったため,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料100万円の損害賠償請求権及びこれに対する遅延損害金請求権を有していたと主張する。 (2) 都市計画決定に関する行政庁の行為の違法性の判断基準都市計画法は,都市計画基準を設け(同法13条1項),都市計画一般につき,国土計画又は地方計画(公害防止計画を含む。)に適合すること,都市の健全な発展と秩序ある整備を図るために必要なものを一体かつ総合的に定めるべきこと,自然環境の整備又は保全に配慮すべきことなどを定めた上(同項柱書き),個別の都市計画についての規定を置いており,都市施設については,土地利用,交通等の現状及び将来の見通しを勘案して適切な規模で必要な位置に配置することにより円滑な都市活動を確保し,良好な都市環境を保持するように定めることなど(同項11号)を規定しているところ,これらの規定は,都市計画の目標となる事項や,策定に当たり考慮すべき要素を挙げるにとどまっており,そこから都市計画の内容を直ちに導き出すことは困難である。 そして,都市施設の規模,配置等に関する事項を定めるに当たっては,当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で,政策的,技術的な見地から判断することが不可欠であるといわざるを得ないことからすると,都市施設に関する都市計画の決定(都市計画を変更する決定を含む。)については,その内容について,行政庁の広範な裁量に委ねられているというべきであり,裁判所が当該決定の内容の適否を審査するに当たっては,当該決定が裁量権の行使としてされたことを前提として,その基礎とされた重要な 事実に誤認があること等によ ねられているというべきであり,裁判所が当該決定の内容の適否を審査するに当たっては,当該決定が裁量権の行使としてされたことを前提として,その基礎とされた重要な 事実に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合,又は,事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと,判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないこと等により,その内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるとすべきものと解するのが相当である。 都市計画決定の行政行為としての適法性自体が上記のように判断されることに加え,国家賠償法1条1項にいう「違法」とは,公務員が個別の国民に対して負担する職務上の法的義務に違背したことをいうことからすれば,都市計画を廃止しないという不作為が国家賠償法1条1項の適用上違法と評価されるためには,都市計画決定についての行政庁の広範な裁量を前提としてもなお,都市計画を廃止すべきことが明確に義務付けられるような事情がある場合に限られるものと解するのが相当である。 (3) 本件都市計画を廃止する義務の有無についてア原告らは,外環の2に係る都市計画決定がされてから長期間が経過していることのほか,① 平成19年外環本線変更決定において外環本線の構造形式が嵩上式から地下式に変更されたことにより,外環の2に係る都市計画が重要な事実の基礎を欠くに至ったこと,② 外環の2に係る都市計画が,平成19年外環本線変更決定において構造形式が地下式に変更された外環本線に係る都市計画と一体性,総合性を欠くに至ったこと,③ 外環の2が都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものではなく,適切な規模で必要な位置に配置されていない状態になっていることから,外環の2 る都市計画と一体性,総合性を欠くに至ったこと,③ 外環の2が都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものではなく,適切な規模で必要な位置に配置されていない状態になっていることから,外環の2に係る都市計画が都市計画法13条1項に違反しているとして,被告が外環の2に係る都市計画を廃止する義務を負うと主張する。 イしかしながら,まず,外環の2に係る都市計画決定から長期間が経過していることについては,そもそも都市計画事業は,その性質上,完了までに長期間を要するのはやむを得ないものである上,道路に関する都市計画 では,一般に,全体としての道路網の整備が必要とされ,全体と切り離して特定の街路又はその一部分のみの整備の必要性,合理性の有無を論ずることはできないから,特定の地域についてたまたま都市計画事業が長期間にわたって実施されない結果となったとしても,当該都市計画が合理性を欠くに至ったということはできない。また,本件都市計画決定がされて以降の経過に鑑みると(認定事実(4)以下),外環の2に係る都市計画の事業化には相当の時間を要することもやむを得ないというべきであり,外環の2に係る都市計画決定から現在までの間に長期間が経過していることをもって直ちに,都市計画の決定について広範な裁量権を有する被告において,外環の2に係る都市計画を廃止すべきことが義務付けられたと認めることはできない。 ウ次に,前記1の認定事実によれば,外環本線に係る都市計画と外環の2に係る都市計画が整合性を保ったものとして都市計画決定がされていたこと(認定事実(1),(2)),昭和61年に,外環本線に係る都市計画の変更に併せて外環の2に係る都市計画も変更されていること(認定事実(5)),多摩地区における都市計画道路を計画的,効率的に整備するために策定された ,(2)),昭和61年に,外環本線に係る都市計画の変更に併せて外環の2に係る都市計画も変更されていること(認定事実(5)),多摩地区における都市計画道路を計画的,効率的に整備するために策定された平成18年多摩整備方針では,外環の2は,高速道路が地下化された場合に検討が必要な路線とされていたこと(認定事実(7)オ)などからすると,外環本線と外環の2とは,その構造等において,事実上,一体のものとして計画されたものと認めるのが相当である。 しかしながら,その一方で,外環本線に係る都市計画と外環の2に係る都市計画は,別個の手続を経て決定されたものであり(認定事実(1),(2)),当然のことながら,法的に一体のものではない。また,自動車専用道路(都市高速道路)である外環本線と幹線街路である外環の2とは,そもそもその機能が異なること,外環の2に係る昭和41年の都市計画決定がされた当時の被告首都整備局長が,衆議院建設委員会において,外環 の2について,東京23区周辺の市街化に伴い急増する交通需要を契機とした同区域での道路交通網整備の検討の結果,都市計画街路とされたという趣旨の説明をしていること(認定事実(1)カ),その他,昭和61年の外環本線の変更に伴う外環の2の一部廃止は,外環本線が当該部分において堀割式とされ,外環本線の両側に地域のサービス道路等を設けたそれぞれ幅20mの環境施設帯が設置され,標準幅員が23mから64mに拡幅されたことを理由とするものであり,外環本線が地下化されたことによるものではないことなどすると(認定事実(5)),外環の2は外環本線の有していない独自の機能を有する道路であり,外環本線の構造形式が嵩上式から地下式に変更されたからといって,外環の2に係る都市計画が明らかに重要な事実の基礎を欠くに至ったと認めること の2は外環本線の有していない独自の機能を有する道路であり,外環本線の構造形式が嵩上式から地下式に変更されたからといって,外環の2に係る都市計画が明らかに重要な事実の基礎を欠くに至ったと認めることはできないし,都市計画の決定等について広範な裁量権を有する被告において,外環の2に係る都市計画を変更の余地もなく直ちに廃止すべきことが明確に義務付けられたと認めることはできない。 エさらに,前記1の認定事実によれば,外環本線の構造形式が嵩上式から地下化された理由が,環境や土地収用への配慮にあったこと(認定事実(7))は確かであるが,そもそも,外環本線の目的は,飽くまで,都市高速道路として(広域の)自動車交通に資するということにあり(前提事実(2),認定事実(1)),環境や土地収用への配慮は,外環本線の構造形式を変更した動機であって,構造形式が地下式に変更されたのは,外環本線の目的を実現するための手段が変更されたにすぎないことからすると,外環の2が従前の外環本線の区域と同じ区域の地上部に作られるからといって,外環の2に係る都市計画が,上記のような目的を有する外環本線に係る都市計画との関係で明らかに総合性,一体性を欠くものと認めることはできず,都市計画の決定等について広範な裁量権を有する被告において,外環の2に係る都市計画を直ちに廃止すべきことが明確に義務付けられたと認 めることはできない。 オ加えて,原告らが指摘するように,人口の減少等により,外環の2に求められる自動車交通の処理機能の低下を前提としても,道路に関する都市計画では,一般に,全体としての道路網の整備が必要とされ,全体と切り離して特定の街路又はその一部分のみの整備の必要性,合理性の有無を論ずることはできないものであるし,幹線道路は自動車交通以外にも様々な機能を担 般に,全体としての道路網の整備が必要とされ,全体と切り離して特定の街路又はその一部分のみの整備の必要性,合理性の有無を論ずることはできないものであるし,幹線道路は自動車交通以外にも様々な機能を担うものであることからすると(認定事実(7)オ),都市計画の決定等について広範な裁量権を有する被告において,外環の2に係る都市計画を変更の余地もなく直ちに廃止すべきことが明確に義務付けられたと認めることはできない。 カその他,被告において,外環の2に係る都市計画を廃止すべきことが明確に義務付けられたと認めるに足りる証拠はない。 (4) 小括以上によれば,被告において,外環の2に係る都市計画を廃止すべきことが明確に義務付けられたとは認められない以上,被告がこの義務を懈怠したという不作為の違法行為を認めることはできないから,その余の点について判断するまでもなく,原告X1の本件国家賠償請求の訴えに係る請求は理由がない。 6 本件損失補償の訴えについて(1) 原告X1の請求原告X1は,都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限を原因として本件土地の価格が2118万円下落しており,これが受忍限度を超えるものであったため,承継前原告において,憲法29条3項に基づいて2118万円の損失補償請求権を有していたと主張する。 (2) 損失補償の要否についてア承継前原告が所有していた本件不動産については,別紙1都市計画目録 記載1(1)の当初の都市計画決定の告示がされた昭和41年7月30日以降,建築基準法(昭和43年法律第101号による改正前のもの)による建築物の建築の制限が課されており,都市計画法が施行された昭和44年6月14日以降は,上記都市計画決定に係る都市計画が同法の規定による都市計画とみなされることになったため,同法 改正前のもの)による建築物の建築の制限が課されており,都市計画法が施行された昭和44年6月14日以降は,上記都市計画決定に係る都市計画が同法の規定による都市計画とみなされることになったため,同法53条1項の規定する建築物の建築の制限が課されていた。 イこの点,上記アのような建築物の建築の制限があるというだけでは,一般に当然に受忍すべきものとされる制限の範囲を超えて特別の犠牲を課せられたものということはできず,憲法29条2項を根拠として上記の制限による損失につき補償請求をすることはできないものと解されるところ,原告X1は,① 外環の2に係る都市計画が,その都市計画決定がされてから40年以上にわたって事業に着手されることなく放置されていること,② 平成19年外環本線変更決定において外環本線の構造形式が嵩上式から地下式に変更されたことにより,外環の2に係る都市計画はその基礎となった重要かつ本質的な基礎事実を事実上喪失し,その根拠とされた特定の公共的必要性が消滅したこと,③ 外環の2に係る都市計画は,外環本線の構造形式が地下式とされた目的と整合しないばかりか,この目的を達成することを不可能にするほど矛盾したものであることなどから,外環の2に係る都市計画は,少なくとも外環本線に関する変更決定がされた平成19年4月以降,決定自体がその行政目的に即した意義を失い,当該都市計画決定の根拠とされた特定の行政的必要性が消滅しているばかりか,これを実施することが他の都市計画の目的を本質的に阻害する結果を招くためその実施が事実上不可能な状態に至っているとして,外環の2に係る都市計画決定に伴って本件土地に課される都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限は,本件土地の所有者であった承継前原告に特別の犠牲を強いるものであるから,憲法29条3項に基 ,外環の2に係る都市計画決定に伴って本件土地に課される都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限は,本件土地の所有者であった承継前原告に特別の犠牲を強いるものであるから,憲法29条3項に基づき,損失補償が必要で あると主張する。 ウしかしながら,仮に都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限が長期間にわたった場合に損失補償が必要となるということがあり得るとしても,外環の2に係る都市計画決定がされてから承継前原告が死亡するまでの間の建築基準法(昭和43年法律第101号による改正前のもの)44条及び都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限は,昭和41年7月30日から平成21年▲月▲日までの約43年間であるところ,前記1の認定事実のとおり,① 本件土地の所在する地域は,都市計画により,第1種低層住居専用地域とされているため,建ぺい率は40%,容積率は80%となり,第1種高度地区とされているため,10mの高度制限があること(認定事実(11)ア),実際,本件不動産の周囲は,低層建物を主体とする古くからの住宅地であって,高度な土地利用が従来行われていた地域ではなく,また,現にそれが予定されている地域であるとは認められないこと(認定事実(11)ウ),② 本件土地の上に現に存在する本件建物は,木造2階建であって,これを改築するのには,同法53条1項ただし書1号,都市計画法施行令37条により,同項本文の規定する許可を受けることを要しないこと,③ 本件土地については,同法55条1項の規定による東京都知事による区域の指定がされておらず(認定事実(11)エ),上記のような本件建物と同程度の規模及び構造の建築物を再度建築することについては,同法54条3号により許可がされるものと考えられることなどからすると,本件土地に係る ておらず(認定事実(11)エ),上記のような本件建物と同程度の規模及び構造の建築物を再度建築することについては,同法54条3号により許可がされるものと考えられることなどからすると,本件土地に係る建築物の建築の制限が約43年という長期間にわたっていることを考慮に入れたとしても,本件土地についての同法53条1項の規定する建築物の建築の制限による不利益をもって,承継前原告の特別の犠牲ということはできないというべきである。 また,原告X1は,都市計画が意義を失っていたり,実現が不可能になっていたりする場合に,当該都市計画決定による建築物の建築の制限が土 地所有者等に特別の犠牲を課するものとして損失補償を要すると主張するが,仮に原告X1の主張を前提としたとしても,前記5(3)ウ,エにおいて説示したとおり,平成19年外環本線変更決定において外環本線の構造形式が嵩上式から地下式に変更されたからといって,外環の2に係る都市計画について,重要な事実の基礎を欠くことが明らかになったとか,外環本線に係る都市計画との一体性,総合性を欠くことが明らかになったとはいえず,外環の2に係る都市計画が,意義を失っているとか,実現が不可能になっているとは認められないというべきである。 エその他,原告X1は,損失補償を必要とする理由として,将来の収用の可能性による建築物の建築のちゅうちょや取引価格の下落を主張するが,これらについても,都市計画施設の区域内に位置する不動産の所有権を有する者は当然に負担すべき内在的制約であり,制限の程度は収用等の場合と同視すべきほどに強度なものではなく,一般的に当然に受忍すべきものとされる制限の範囲を超えて特別の犠牲を課せられたものであるとまで認めることはできない。 オそうすると,外環の2に係る都市計画決定がされてから承 に強度なものではなく,一般的に当然に受忍すべきものとされる制限の範囲を超えて特別の犠牲を課せられたものであるとまで認めることはできない。 オそうすると,外環の2に係る都市計画決定がされてから承継前原告が死亡するまでの間の本件不動産に関する建築基準法(昭和43年法律第101号による改正前のもの)44条及び都市計画法53条1項の規定する建築物の建築の制限によって生じた損失が,一般的に当然に受忍すべきものとされる制限の範囲を超えて特別の犠牲を課せられたものということは困難であるから,承継前原告は,直接憲法29条3項を根拠として上記の損失について補償を請求する権利を有していたものと認めることはできない。 (3) 小括以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告X1の本件損失補償の訴えに係る請求は理由がない。 第4 結論 よって,本件訴えのうち,原告らの本件無効確認の訴え(請求の趣旨(1)),本件義務付けの訴え(請求の趣旨(2))及び本件各法律関係確認の訴え(請求の趣旨(3)ないし(5))はいずれも不適法な訴えであるから,これらを却下し,原告X1の本件国家賠償請求の訴え(請求の趣旨(6))及び本件損失補償の訴え(請求の趣旨(7))に係る各請求はいずれも理由がないから,これらを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部 裁判長裁判官増田稔 裁判官齊藤充洋 裁判官佐野義孝 関係法令の定め 1 都市計画法(大正8年法律第36号)都市計画法(大正8年法律第36号。昭和42年法律第75号による改正前もの。以下「旧都市計画法」という。)3条は,都市計画,都市計画事業及 令の定め 1 都市計画法(大正8年法律第36号)都市計画法(大正8年法律第36号。昭和42年法律第75号による改正前もの。以下「旧都市計画法」という。)3条は,都市計画,都市計画事業及び毎年度執行すべき都市計画事業は,都市計画審議会の議を経て,主務大臣が決定をし,内閣の認可を受けなければならない旨規定していた。 2 建築基準法(昭和25年法律第201号)建築基準法(昭和43年法律第101号による改正前のもの)44条2項は,都市計画として決定して内閣の認可を受けた計画道路(同法42条1項4号に該当するものを除く。)内においては,次の①及び②に該当する建築物で,容易に移転し,又は除却することができるものでなければ,建築してはならない旨規定していた。 ① 階数が2以下で,かつ,地階を有しないこと。 ② 主要構造部が木造,鉄骨造,コンクリートブロック造その他これらに類する構造であること。 3 都市計画法(昭和43年法律第100号)(1) 都市計画法4条は,その5項において,同法において「都市施設」とは,都市計画において定められるべき同法11条1項各号に掲げる施設をいう旨,その6項において,同法において「都市計画施設」とは,都市計画において定められた同法11条1項各号に掲げる施設をいう旨,それぞれ規定している。 (2) 都市計画法6条1項は,都道府県は,都市計画区域について,おおむね5年ごとに,都市計画に関する基礎調査として,国土交通省令で定めるところにより,人口規模,産業分類別の就業人口の規模,市街地の面積,土地利用,交通量その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び将来の見通しについての調査を行うものとする旨規定している。 (3) 都市計画法11条は,その1項1号において,都市施設として道路を掲げ, そ の他国土交通省令で定める事項に関する現況及び将来の見通しについての調査を行うものとする旨規定している。 (3) 都市計画法11条は,その1項1号において,都市施設として道路を掲げ, その2項において,都市施設については,都市計画に都市施設の種類,名称,位置及び区域を定めるものとするとともに,面積その他政令で定める事項を定めるよう努めるものとする旨規定している。 (4) 都市計画法13条は,その1項柱書きにおいて,都市計画区域について定められる都市計画は,国土形成計画,首都圏整備計画,その他の国土計画又は地方計画に関する法律に基づく計画(当該都市について公害防止計画が定められているときは,当該公害防止計画を含む。)及び道路,河川,鉄道,港湾,空港等の施設に関する国の計画に適合するとともに,当該都市の特質を考慮して,同項1号ないし19号に掲げるところに従って,土地利用,都市施設の整備及び市街地開発事業に関する事項で当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るために必要なものを,一体的かつ総合的に定めなければならない旨,同項11号前段において,都市施設は,土地利用,交通等の現状及び将来の見通しを勘案して,適切な規模で必要な位置に配置することにより,円滑な都市活動を確保し,良好な都市環境を保持するように定める旨,同項19号において,同項1号から18号までの基準を適用するについては,同法6条1項の規定による都市計画に関する基礎調査の結果に基づき,かつ,政府が法律に基づき行う人口,産業,住宅,建築,交通,工場立地その他の調査の結果について配慮する旨,それぞれ規定している。 (5) 都市計画法14条1項は,都市計画は,国土交通省令で定めるところにより,総括図,計画図及び計画書によって表示するものとする旨規定している。 (6) 都市計画法 る旨,それぞれ規定している。 (5) 都市計画法14条1項は,都市計画は,国土交通省令で定めるところにより,総括図,計画図及び計画書によって表示するものとする旨規定している。 (6) 都市計画法15条1項は,一の市町村の区域を超える広域の見地から決定すべき地域地区として政令で定めるもの又は一の市町村の区域を超える広域の見地から決定すべき都市施設若しくは根幹的都市施設として政令で定めるものに関する都市計画等は都道府県が,その他の都市計画は市町村が定める旨規定している。 (7) 都市計画法17条は,その1項において,都道府県又は市町村は,都市計 画を決定しようとするときは,あらかじめ,国土交通省令で定めるところにより,その旨を公告し,当該都市計画の案を,当該都市計画を決定しようとする理由を記載した書面を添えて,当該公告の日から2週間公衆の縦覧に供しなければならない旨,その2項において,同条1項の規定による公告があったときは,関係市町村の住民及び利害関係人は,同項の縦覧期間満了の日までに,縦覧に供された都市計画の案について,都道府県の作成に係るものにあっては都道府県に,市町村の作成に係るものにあっては市町村に,意見書を提出することができる旨,それぞれ規定している。 (8) 都市計画法18条1項は,都道府県は,関係市町村の意見を聴き,かつ,都道府県都市計画審議会の議を経て,都市計画を決定するものとする旨規定している。 (9) 都市計画法19条1項は,市町村は,市町村都市計画審議会(当該市町村に市町村都市計画審議会が置かれていないときは,当該市町村の存する都道府県の都道府県都市計画審議会)の議を経て,都市計画を決定するものとする旨規定している。 (10) 都市計画法20条は,その1項において,都道府県又は市町村は,都市計画 は,当該市町村の存する都道府県の都道府県都市計画審議会)の議を経て,都市計画を決定するものとする旨規定している。 (10) 都市計画法20条は,その1項において,都道府県又は市町村は,都市計画を決定したときは,その旨を告示し,かつ,都道府県にあっては関係市町村長に,市町村にあっては都道府県知事に,同法14条1項に規定する図書の写しを送付しなければならない旨,その3項において,都市計画は,同条1項の規定による告示があった日から,その効力を生ずる旨,それぞれ規定している。 (11) 都市計画法21条は,その1項において,都道府県又は市町村は,都市計画区域又は準都市計画区域が変更されたとき,同法6条1項若しくは2項の規定による都市計画に関する基礎調査又は同法13条1項19号に規定する政府が行う調査の結果都市計画を変更する必要が明らかとなったとき,遊休土地転換利用促進地区に関する都市計画についてその目的が達成されたと認めるとき,その他都市計画を変更する必要が生じたときは,遅滞なく,当該都市計画を変 更しなければならない旨,その2項前段において,同法17条から18条まで及び19条及び20条の規定は,都市計画の変更(17条,18条2項及び3項並びに19条2項及び3項の規定については,政令で定める軽易な変更を除く。)について準用する旨,それぞれ規定している。 (12) 都市計画法53条1項は,その本文において,都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は,国土交通省令で定めるところにより,都道府県知事(市の区域内にあっては,当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない旨,そのただし書において,政令で定める軽易な行為(1号)等については,この限りでない旨,それぞれ 事(市の区域内にあっては,当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない旨,そのただし書において,政令で定める軽易な行為(1号)等については,この限りでない旨,それぞれ規定している。 (13) 都市計画法54条は,都道府県知事等は,同法53条1項の規定による許可の申請があった場合において,次のいずれかに該当するときは,その許可をしなければならない旨規定している。 ① 当該建築が,都市計画施設又は市街地開発事業に関する都市計画のうち建築物について定めるものに適合するものであること。 ② 当該建築が,同法11条3項の規定により都市計画施設の区域について都市施設を整備する立体的な範囲が定められている場合において,当該立体的な範囲外において行われ,かつ,当該都市計画施設を整備する上で著しい支障を及ぼすおそれがないと認められること。ただし,当該立体的な範囲が道路である都市施設を整備するものとして空間について定められているときは,安全上,防火上及び衛生上支障がないものとして政令で定める場合に限る。 ③ 当該建築物が次に掲げる要件に該当し,かつ,容易に移転し,又は除却することができるものであると認められること。 イ階数が二以下で,かつ,地階を有しないこと。 ロ主要構造部(建築基準法2条5号に定める主要構造部をいう。)が木造,鉄骨造,コンクリートブロック造その他これらに類する構造であること。 (14) 都市計画法55条は,その1項前段において,都道府県知事等は,都市計画施設の区域内の土地でその指定したものの区域又は市街地開発事業(土地区画整理事業及び新都市基盤整備事業を除く。)の施行区域(同法56条及び57条において「事業予定地」という。)内において行われる建築物の建築については,同法54条の規定に 域又は市街地開発事業(土地区画整理事業及び新都市基盤整備事業を除く。)の施行区域(同法56条及び57条において「事業予定地」という。)内において行われる建築物の建築については,同法54条の規定にかかわらず,同法53条1項の許可をしないことができる旨,その4項において,同条1項の規定する土地の指定をするときは,その旨を公告しなければならない旨,それぞれ規定している。 (15) 都市計画法56条1項は,都道府県知事等(同法55条4項の規定により,土地の買取りの申出の相手方として公告された者があるときは,その者)は,事業予定地内の土地の所有者から,同条1項本文の規定により建築物の建築が許可されないときはその土地の利用に著しい支障を来すこととなることを理由として,当該土地を買い取るべき旨の申出があった場合においては,特別の事情がない限り,当該土地を時価で買い取るものとする旨規定している。 (16) 都市計画法57条は,その1項において,市街地開発事業に関する都市計画についての同法20条1項(同法21条2項において準用する場合を含む。)の規定による告示又は市街地開発事業若しくは市街化区域若しくは区域区分が定められていない都市計画区域内の都市計画施設に係る同法55条4項の規定による公告があったときは,都道府県知事等(同項の規定により,同法57条2項本文の規定による届出の相手方として公告された者があるときは,その者。 以下この条において同じ。)は,速やかに,国土交通省令で定める事項を公告するとともに,国土交通省令で定めるところにより,事業予定地内の土地の有償譲渡について,同項から同条4項までの規定による制限があることを関係権利者に周知させるため必要な措置を講じなければならない旨,その2項本文において,前項の規定による公告の日の翌日から起算して10 償譲渡について,同項から同条4項までの規定による制限があることを関係権利者に周知させるため必要な措置を講じなければならない旨,その2項本文において,前項の規定による公告の日の翌日から起算して10日を経過した後に事業予定地内の土地を有償で譲り渡そうとする者(土地及びこれに定着する建築物その他の工作物を有償で譲り渡そうとする者を除く。)は,当該土地,そ の予定対価の額(予定対価が金銭以外のものであるときは,これを時価を基準として金銭に見積った額。以下この条において同じ。)及び当該土地を譲り渡そうとする相手方その他国土交通省令で定める事項を書面で都道府県知事等に届け出なければならない旨,その3項において,同条3項において,同条2項の規定による届出があった後30日以内に都道府県知事等が届出をした者に対し届出に係る土地を買い取るべき旨の通知をしたときは,当該土地について,都道府県知事等と届出をした者との間に届出書に記載された予定対価の額に相当する代金で,売買が成立したものとみなす旨,それぞれ規定している。 (17) 都市計画法59条は,その1項において,都市計画事業は,市町村が,都道府県知事(第一号法定受託事務として施行する場合にあっては,国土交通大臣)の認可を受けて施行する旨,その2項において,都道府県は,市町村が施行することが困難又は不適当な場合その他特別な事情がある場合においては,国土交通大臣の認可を受けて,都市計画事業を施行することができる旨,それぞれ規定している。 (18) 都市計画法62条1項は,国土交通大臣又は都道府県知事は,同法59条の認可又は承認をしたときは,遅滞なく,国土交通省令で定めるところにより,施行者の名称,都市計画事業の種類,事業施行期間及び事業地を告示し,かつ,国土交通大臣にあっては関係都道府県知 は,同法59条の認可又は承認をしたときは,遅滞なく,国土交通省令で定めるところにより,施行者の名称,都市計画事業の種類,事業施行期間及び事業地を告示し,かつ,国土交通大臣にあっては関係都道府県知事及び関係市町村長に,都道府県知事にあっては国土交通大臣及び関係市町村長に,同法60条3項1号及び2号に掲げる図書の写しを送付しなければならない旨規定している。 (19) 都市計画法65条1項は,同法62条1項の規定による告示又は新たな事業地の編入に係る同法63条2項において準用する同法62条1項の規定による告示があった後においては,当該事業地内において,都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物の建築その他工作物の建設を行い,又は政令で定める移動の容易でない物件の設置若しくは堆積を行おうとする者は,都道府県知事等の許可を受けなければならない旨規定して いる。 (20) 都市計画法70条1項は,都市計画事業については,土地収用法20条(同法138条1項において準用する場合を含む。)の規定による事業の認定は行なわず,都市計画法59条の規定による認可又は承認をもってこれに代えるものとし,同法62条1項の規定による告示をもって土地収用法26条1項(同法138条1項において準用する場合を含む。)の規定による事業の認定の告示とみなす旨規定している。 4 都市計画法施行法(昭和43年法律第101号)都市計画法施行法2条は,都市計画法の施行(昭和44年6月14日。都市計画法の施行期日を定める政令(昭和44年政令第157号)。)の際,現に旧都市計画法の規定により決定されている都市計画区域及び都市計画は,それぞれ都市計画法の規定による相当の都市計画とみなす旨規定している。 5 都市計画法施行令(昭和44年政令第 7号)。)の際,現に旧都市計画法の規定により決定されている都市計画区域及び都市計画は,それぞれ都市計画法の規定による相当の都市計画とみなす旨規定している。 5 都市計画法施行令(昭和44年政令第158号)(1) 都市計画法施行令(平成10年政令第331号による改正前のもの)6条は,その1項1号において,都市計画法11条2項の政令で定める事項として,道路については,種別及び車線の数(車線のない道路である場合を除く。)その他の構造とする旨,その2項において,同条1項の種別及び構造の細目は国土交通省令で定める旨,それぞれ規定している。 (2) 都市計画法施行令37条は,都市計画法53条1項1号の政令で定める軽易な行為は,階数が2以下で,かつ,地階を有しない木造の建築物の改築又は移転とする旨規定している。 なお,都市計画法施行令(平成元年政令第309号による改正前のもの)37条2項は,都市計画法53条1項ただし書の政令で定める軽易な行為は,階数が2以下で,かつ,地階を有しない木造の建築物の改築又は移転とする旨規定している。 6 都市計画法施行規則(昭和44年建設省令第49号) 都市計画法施行規則(平成10年建設省令第37号による改正前のもの)7条は, 都市計画法施行令6条2項の国土交通省令で定める種別及び構造の細目は,次の①及び②に掲げる種別及び構造について,それぞれ次のとおりとする旨規定している。 ① 道路の種別自動車専用道路,幹線街路,区画街路又は特殊街路の別② 道路の構造幅員並びに嵩上式,地下式,掘割式又は地表式の別及び地表式の区間において鉄道又は自動車専用道路若しくは幹線街路と交差するときは立体交差又は平面交差の別 7 許可認可等臨時措置法(昭和18年法律第76号。平成3年法律第79条による廃止前の の別及び地表式の区間において鉄道又は自動車専用道路若しくは幹線街路と交差するときは立体交差又は平面交差の別 7 許可認可等臨時措置法(昭和18年法律第76号。平成3年法律第79条による廃止前のもの。以下「臨時措置法」という。)臨時措置法1項は,「大東亜戦争ニ際シ行政簡素化ノ為必要アルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ法律ニ依リ許可,認可,免許,特許,承認,検査,協議,届出,報告等ヲ要スル事項ニ付左ニ掲グル措置ヲ為スコトヲ得」と規定し,同項1号において,「左ニ掲グル措置」の一つとして「許可,認可,免許,特許,承認,検査,協議,届出,報告等ヲ要セザルコトトスルコト」を掲げている。 8 都市計画法及同法施行令臨時特例(昭和18年勅令第941号。以下「臨時特例」という。)(1) 臨時特例(昭和42年政令第345号による改正前のもの)1条は,戦時行政特例法及び臨時措置法の規定に基づく都市計画法の特例並びに大東亜戦争中における都市計画法施行令の特例は,臨時特例の定めるところによる旨規定している。 (2) 臨時特例(昭和42年政令第345号による改正前のもの)2条1項1号は,旧都市計画法3条の規定による内閣の認可は要しない旨規定している。 9 日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律(昭和22年法律第72号)(1) 日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律2 条1項は,他の法律(同法1条の規定により法律と同一の効力を有する命令の規定を含む。)中「勅令」とあるのは「政令」と読み替えるものとする旨規定している。 (2) 日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律附則2項は,同法の施行に関して必要な事項は,政令でこれを定める旨規定している。 日本国憲法施行 旨規定している。 (2) 日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律附則2項は,同法の施行に関して必要な事項は,政令でこれを定める旨規定している。 日本国憲法施行の際現に効力を有する勅令の規定の効力等に関する政令(昭和22年政令第14号)日本国憲法施行の際現に効力を有する勅令の規定の効力等に関する政令1項は,日本国憲法施行の際,現に効力を有する勅令の規定は,昭和22年法律第72号1条に規定するものを除くほか,政令と同一の効力を有するものとする旨規定している。 以上
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