主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人竹内一男、同山口鉄四郎の上告理由についてある会社と他の会社とがいずれも同一の個人の支配する同族会社であつて、一方が他方に対し、無利息ないし通常の金融取引におけるより著しく低率の利息で金銭を貸付けた場合には、特段の事情がない限り、その貸付が無利息ないし著しく低率の利息である点を同族会社の行為又は計算の否認の規定(本件の場合、法人税法(昭和四〇年法律第三四号による改正前のもの)第三〇条)に基づいて否認することができるものと解されるのであるから、右貸付をした会社が、実際には同族会社であるために無利息ないし著しく低率の利息で貸付けたものであるのにかかわらず、会社の損益計算上は、税務実務上行われているいわゆる認定利息の取扱いに準じて、通常の金融取引と同程度の利息を未収利息として益金に計上し、その後の事業年度においてこれを貸倒損失として損金に計上した場合には、右貸倒処理は、同族会社であるためにされた不自然、不合理な租税負担の不当回避行為として、同族会社の行為又は計算の否認の規定に基づき、これを否認することができるものと解するのが、相当である。これと同旨の原審の判断は正当であつて、原判決に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官高辻正己裁判官天野武一- 1 -裁判官江里口清雄裁判官 辻正己裁判官天野武一- 1 -裁判官江里口清雄裁判官服部高顯裁判官環昌一- 2 -
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