【DRY-RUN】主 文 原判決中、一審原告A、同Bに関する部分を取消す。 右一審原告両名の各請求を棄却する。 右一審原告両名を除くその余の一審原告らの各控訴を棄却する。 訴訟費用中一審原告A、同Bと一審被告間に生
主文 原判決中、一審原告A、同Bに関する部分を取消す。 右一審原告両名の各請求を棄却する。 右一審原告両名を除くその余の一審原告らの各控訴を棄却する。 訴訟費用中一審原告A、同Bと一審被告間に生じた分は第一、二審を通じて右一審原告両名の負担とし、その余の一審原告らと一審被告間に生じた控訴費用は右一審原告らの負担とする。 事実 第一当事者の求める裁判(一審原告A、同B) 1 一審被告の各控訴を棄却する。 2 控訴費用は一審被告の負担とする。 (右一審原告両名を除くその余の一審原告ら) 1 原判決中一審原告A、同Bを除くその余の一審原告らに関する部分を取消す。 2 一審被告が、一審原告A、同Bを除くその余の一審原告らに対し、原判決添付別紙処分一覧表「処分年月日」欄記載の日付でなした同表「処分の種類及び程度」欄記載の各懲戒処分を取消す。 (一審被告)主文一、二、三項同旨一審原告A、同Bを除く、その余の一審原告らの控訴費用は、同一審原告らの負担とする。 第二当事者の主張次のとおり付加訂正するほか、原判決事実摘示と同一であるからこれを引用する。 (原判決の訂正) 1 原判決三二枚目表九行目に「ごみ処理については」とあるのを「ごみ処理を実施したことについては」と、同三五枚目裏三行目に「労働基本権が」とあるのを「労働基本権の制約が」と各改める。 (一審原告らの主張)一労働基準法の定める週一回の休日以上の休日(以下法定外休日という)も、法定内休日と同様、労働者との個別的合意がなければ、休日労働義務は発生せず、協約や就業規則の概括的、一般的休日労働義務の規定が存在しても、それは使用者が休日労働をさせうる場合のあることを確認したという意義を有する規定に過ぎないから、一審原告らが休日出勤命令に従わなかつたからといつて、出勤命 括的、一般的休日労働義務の規定が存在しても、それは使用者が休日労働をさせうる場合のあることを確認したという意義を有する規定に過ぎないから、一審原告らが休日出勤命令に従わなかつたからといつて、出勤命令違反の責を問われることはない。 二かりに、北九州市労務職員就業規則一四条二項が労務職員の年末休日出勤の根拠規定であると解されるとすれば、北九州市合併前の旧五市において各市の条例、就業規則、労働協約及び慣行によつて定められていた年末休日出勤に関する労働条件を一方的に労務職員の不利益に変更したものであるから、その限度で無効のものである。 三一審原告Cには年末休日出勤命令を拒否しうべき正当の事由があつた。 すなわち、下記記載の職員については、昭和四五年二月一二日一審原告ら所属組合は各記載の理由に基づいて福岡法務局北九州支局人権擁護委員会に救済の申し立てをなしたところ、懲戒処分の撤回がなされた。 <04741-001>ところで、一審原告Cは右Dの義弟であるので、Dと同様年末休日出勤命令を拒否しうべき正当の事由があつたというべきである。すなわち、一二月二八日はDの子である亡Eが危篤状態に陥り、同二九日に死亡し、三〇日に告別式があつた。同一審原告は見舞と葬式の準備参加ということで年末清掃の為に出勤できる状況にはなかつた。同一審原告所属の小倉南清掃事務所では出勤命令を手渡す際、出勤拒否の疎明を求めることもなかつたが、同一審原告の上司である第一係長のF係長が弔問に訪れ、市当局も本件当時当然知つていたものである。 (一審被告の主張)一本件就業規則は、合併前の門司市、小倉市、若松市、八幡市、戸畑市での労務職員の勤務条件が各市まちまちであつたのを北九州市発足に伴い統一したものであるが、北九州市と労務職員との勤務関係は、私法上の労働契約関係ではなく、公法 門司市、小倉市、若松市、八幡市、戸畑市での労務職員の勤務条件が各市まちまちであつたのを北九州市発足に伴い統一したものであるが、北九州市と労務職員との勤務関係は、私法上の労働契約関係ではなく、公法上の任用行為という行政行為に基づく勤務関係である。すなわち、右労務職員の根幹をなす任用、分限、懲戒、服務等については、地方公務員法(以下地公法という)によつて定められ、地方公共団体の公共目的達成のため住民全体の奉仕者として勤務すべき公法上の特別の地位に立ち、当該地方公共団体の規律支配に服するものであつて、この点は、一般私企業における被用者が当事者対等を原則とする私的契約に基づき単に労働給付義務を負うだけの場合とは異なるものである。 従って、かゝる公法関係にある労務職員の勤務関係において、当該地方公共団体の長は、条例、労働協約、及び労働基準法の定めに反しない限り、就業規則の制定により勤務条件の決定を行うことができるのであつて、この就業規則には私企業における就業規則と異なり地方自治法により法的規範としての効力が与えられているのであり、旧五市の条例、就業規則、労働協約等に比し一部労務職員にとつて不利益変更の点が生じたとしても、北九州市の発足統一に伴い年末特別清掃業務を統一的に行う必要性に基づくものであり、本件就業規則をもつて不利益変更の限度で無効ということはできない。 二一審原告Cの主張するG、Dの件については、正当な理由で欠勤する旨本人達が届けたにもかかわらず、管理職員が看過していたことが懲戒処分をした後に判明したため、処分の取消しをして公正を期したものであり、一審原告ら所属の組合が人権擁護委員会に救済を申立てたからによるものではない。そして一審原告Cは、出勤命令に対し出勤出来ない事情の届出をしなかつたものであつて、同一審原告は個人的事情の有無 であり、一審原告ら所属の組合が人権擁護委員会に救済を申立てたからによるものではない。そして一審原告Cは、出勤命令に対し出勤出来ない事情の届出をしなかつたものであつて、同一審原告は個人的事情の有無にかかわらず組合闘争指令に基づいて、本件年末休日出勤を拒否したのである。このことは、同一審原告所属の小倉東清掃事務所でも届出があつた者に対し、欠勤を承認している事実からも窺うことができる。 第三証拠(省略) 理由 一一審原告らが、いずれも原判決添付別紙処分一覧表「被処分者」欄記載の各部局に所属する北九州市(以下「市」という)の地方公務員であり、一審被告は市長であつて一審原告らの任免権者であること、一審被告が一審原告らに対し同表の「処分年月日」欄記載の日付で「処分の根拠法規」欄記載の根拠法規に該当する「処分の理由」欄記載の理由があるとして「処分の種類及び程度」欄記載の各懲戒処分(以下「本件処分」という。)をしたことは当事者間に争いがない。 二一審原告らが自治労北九州職員労働組合、自治労北九州市現業評議会に所属する組合員であること及び昭和四四年一一月一三日の争議行為並びに同年一二月二九日ないし三一日の争議行為に至る経緯、その状況、態様等についての当裁判所の認定判断は、次のとおり、付加、訂正、削除するほか、原判決理由説示と同一であるから、原判決五一枚目表三行目から四行目の「成立に争いのない乙第一号証」以下同六一枚目表末行までを引用する。 1 原判決五五枚目表九行目の「終つた。」から同五六枚目表三行目までを「終つたが、一審原告Hを除く一審原告らは右ストライキ参加のため、前叙認定の時間、始業時間を経過するも出勤せず、各自の職場を放棄した。以上の事実を認めることができこれを左右するに足る証拠はない。右認定の事実によれば、市役所共闘の戦 原告らは右ストライキ参加のため、前叙認定の時間、始業時間を経過するも出勤せず、各自の職場を放棄した。以上の事実を認めることができこれを左右するに足る証拠はない。右認定の事実によれば、市役所共闘の戦術委員会で各組合組織の実情に応じ二九分以内の勤務時間内集会に変更したため、右一審原告らの職場離脱は二九分以内にとどまり業務運営に大きな影響は与えなかつたものの、右争議が公務員共闘の行う全国統一闘争の方針に従い多数の一審原告らが参加して一斉に職務の放棄をなしたものであるから、業務の正常な運営の阻害をなしたことは否定できない。」と改める。 2 同五七枚目表六行目の「各家庭」の前に「作業員の」を付加し、同六〇枚目表末行から同裏初行にかけて「約一五四〇名」とあるのを「約一四四五名」と改め、同裏末行の「七割以上」の前に「市当局は前叙のように」と付加する。 三一審原告I、同J、同H、同A、同Bの個別的違法行為(一審原告Iについては抗弁(三)1②の事実、同Jについては抗弁(三)2②の事実、同Hについては抗弁(三)3①の事実、同Aについては抗弁(三)4①の事実、同Bについては抗弁(三)5①の事実)について、 1 一審原告I、同J、同Hの右の各違法行為についての当裁判所の認定判断は原判決がその理由において説示するところと同一であるから、原判決七五枚目裏八行目から同七七枚目裏一二行目までを引用する。当審における証拠調の結果によるも右認定判断を左右するに足るものはない。 2 一審原告A、同Bについて当審証人Kの証言により真正に成立したことの認められる乙第一九号証、原審及び当審証人K、当審証人Lの各証言によると、一審原告A、同Bは、いずれも前記引用にかゝる原判決認定の昭和四四年一一月一三日の争議行為当時、北九州市職員として建設局門司建設事務所失業対策課に所属してい び当審証人K、当審証人Lの各証言によると、一審原告A、同Bは、いずれも前記引用にかゝる原判決認定の昭和四四年一一月一三日の争議行為当時、北九州市職員として建設局門司建設事務所失業対策課に所属していたが、右争議行為に際し、同日午前五時三〇分頃、門司区役所宿直室横裏門入口にピケを張り、同区役所管理職K、同Lらが登庁して来た職員を誘導するため同入口から外に出ようとしたのに、外開きの同入口扉を外側から他の組合員三、四名の者とともに、もたれかゝつたり、尻で押し返したりして妨害し、前記Kが開けてくれるように呼びかけてもこれに応ぜず、登庁して来た三名の職員の入庁を阻止したことが認められる。右認定に反する原審における一審原告B、同A各本人尋問の結果は前掲証拠と対比し措信することができない。他に右認定を左右するに足る証拠はない。 四以上認定したところによれば、一審原告I、同J、同H、同A、同Bの前叙認定の各行為は、いずれも、地方公営企業労働関係法(以下地公労法という)一一条一項、地公法三〇条、三二条、三三条、三五条に違反し、同法二九条一項一号から三号の懲戒事由に該当するものであり、また、その余の一審原告らの各行為は地公労法一一条一項、地公法三〇条、三二条、三三条、三五条に違反し、同法二九条一項一号二号に該当するものというべきである。 五一審原告らは本件年末休日出勤拒否は争議行為ではなく正当な行為である、かりにそうでないとしても年末出勤命令は不当労働行為であり無効である旨主張するが、右主張はいずれも失当であつて採用の限りではない。 その理由は、原判決の右主張についての理由説示(原判決六一枚目裏三行目から六八枚目表末行まで)のうち、同六一枚目裏三行目から同六二枚目表末行までを次の(1)のとおり変更し、同六七枚目表八行目と九行目の間に次の(2)を付加するほ いての理由説示(原判決六一枚目裏三行目から六八枚目表末行まで)のうち、同六一枚目裏三行目から同六二枚目表末行までを次の(1)のとおり変更し、同六七枚目表八行目と九行目の間に次の(2)を付加するほか、原判決の理由説示のとおりであるからこれを引用する。(但し、同六四枚目裏四行目に「手末休日」とあるのを「年末休日」と訂正する。)当審における新たな証拠調の結果によつても右引用にかかる原判決の認定判断を左右するに足りない。 (1) 一審原告ら単純労務職員は一般職に属する地方公務員であって、その勤務関係の根幹をなす任用、分限、懲戒、服務等については地公法の規定が適用されているから、単純労務職員の勤務関係は、基本的には公法上の関係というべきである。 ただ、単純労務職員には地公労法及び地方公営企業法(以下地公企法という。)三七条ないし三九条が準用され(地公労法附則四項)地公法二四条ないし二六条の適用がなく、給与の種類と基準のみが条例で定めなければならないとされている(地公企法三八条四項)ことからすれば、地公企法はその他の勤務条件については条例等に反しない限り当該地方公共団体の長の定める就業規則若しくは当該地方公共団体の長と労働組合との間で締結される労働協約により規律することを予定しているものと解される。地公労法七条によれば単純労務職員の労働条件については職員に団体交渉権や労働協約締結交渉権が認められているけれども、これらの職員の権利は当該地方公共団体の長が本来的に有する勤務条件決定権限に一定限度で制約を加え得るものにすぎず、職員に右の権利があることから直ちに当該地方公共団体の長の勤務条件に個々の職員の同意を要するものと解することはできない。したがつて、単純労務職員の勤務関係において、当該地方公共団体の長は、条例、労働協約及び労働基準法(以下労基法 に当該地方公共団体の長の勤務条件に個々の職員の同意を要するものと解することはできない。したがつて、単純労務職員の勤務関係において、当該地方公共団体の長は、条例、労働協約及び労働基準法(以下労基法という)の定めに反しない限り就業規則の制定により勤務条件の決定を行うことができ、右就業規則には私企業における就業規則と異なり地方自治法により法的規範としての効力が与えられているものというべきである。 ところで労基法三二条には労働時間の制限、同三五条には週休制による休日(法定内休日)についての定めがある。一審原告らは労基法に定める労働時間を超える労働(以下法外超過労働という)、法定内休日労働を義務づけるためには、単に同法三六条の協定並びに就業規則の定めのみでは足りず個々の労働者のその都度の同意が必要であるとし、この理は同法の範囲内で所定労働時間を超える労働(以下法内超過労働という)及び同法に定める週一回以上の休日(以下法定外休日という)においても同様であると主張する。 なるほど、法外超過労働、法定内休日労働の場合に三六協定に加えて、就業規則ないし協約に残業又は法定内休日労働を義務づける規定があるとき、このような事前の包括的同意から個々の労働者の意思に反しても残業又は法定内休日労働を義務づけうるとすれば、それは恒常的、継続的な残業又は法定内休日労働に道を開くことを意味し、同法三二条、三五条の趣旨を脱法するものといわざるを得ない。したがつて残業又は法定内休日労働を義務づける就業規則の規定は同法三二条三五条に違反する限度で無効となるから八時間を超える残業、或は法定内休日労働を使用者から申し込まれても、個々の労働者がその都度その同意を与えた場合のみ労働契約上の残業義務、法定内休日労働義務が生じると解される。 しかし法内超過労働、法定外休日労働の場合 或は法定内休日労働を使用者から申し込まれても、個々の労働者がその都度その同意を与えた場合のみ労働契約上の残業義務、法定内休日労働義務が生じると解される。 しかし法内超過労働、法定外休日労働の場合には、就業規則ないし協約で残業義務、或は法定外休日労働の義務づけ規定を設けても同法三二条、三五条違反とはならず、労働条件の基礎となりうるものと解される。そして法内超過労働、法定外休日労働について就業規則ないし労働協約において、日時、労働内容、労働すべき者が具体的に定まつている場合には、命令権者の休日出勤命令を待つまでもなくそのとおりの休日労働義務が生じるが、概括的一般的な労働義務が定められているに過ぎぬときは、命令権者の出勤命令によつて法内超過労働、法定外休日労働義務が具体化するというべきである。もつとも、かかる一般的概括的な法内超過労働法定外休日労働規定がある場合に個々の労働者の義務を全面的に肯定すれば事実上所定労働時間制の建前を崩し恒常的な超過労働、法定外休日労働を容認する結果となり同法一五条の労働条件明示義務違反の疑問も生じる。したがつてこのような場合には労働者にも法内超過労働、法定外休日労働を拒否しうる場合のあることは承認さるべきであるが労働者が法内超過労働、法定外休日労働を免れるためには出勤命令を受けた後、右労働を拒否しうべき正当事由の存在について当局に告知することが必要であると解すべきである。そしていかなる場合に労働者の拒否が正当とされるかは、基本的には、超過労働、法定外休日労働を命じた当局側の必要性と労働者の拒否事由の合理性との利益衡量によつて判断すべきものと考える。 (2) 控訴人は就業規則一四条二項が労務職員の年末出勤の根拠規定であると解されるとすれば、北九州市合併前の旧五市における各市の条例、就業規則、各市と組合間に締結さ によつて判断すべきものと考える。 (2) 控訴人は就業規則一四条二項が労務職員の年末出勤の根拠規定であると解されるとすれば、北九州市合併前の旧五市における各市の条例、就業規則、各市と組合間に締結された労働協約及び慣行によつて定められた年末出勤の労働条件を一方的に労務職員の不利益に変更したものであるから、その限度で無効である旨主張する。 なるほど、原本の存在及び成立に争いのない甲第七〇ないし第七二号証、第七四、第七五号証によれば、旧五市の労務職員の年末年始の勤務関係は各条例により「勤務を要しない日」または「特別休暇」と定められていたことが認められるけれども、成立に争いのない甲第六一号証の二、三、当審証人Mの証言により真正に成立したことの認められる同第六一号証の一及び同証人の証言によると、北九州市当局は旧五市合併後の昭和三八年一〇月頃、北九州市職員のうち地公法五七条にいう単純な労務に雇用される者の就業規則案を市職労に提示し、市職労と種々折衝を重ねたうえ、昭和三九年五月二五日本件就業規則を定めたものであつて、前叙のとおり、地方公共団体の長が労務職員の勤務条件につき就業規則を定めることができ、法規範としての効力が付与されているものである以上、旧五市の労務職員との勤務関係を比較した場合、勤務条件の規定に多少の差異がみられるものの、本件就業規則が北九州市そのものの条例、労働協約及び労基法に違反しているものではないから、本件就業規則の規定中旧五市の条例に比較し労務職員の勤務条件に劣る部分が無効である旨の右主張は採用し難い。 六一審原告らは、地公労法一一条一項は憲法二八条に違反し無効である。かりに地公労法一一条一項が憲法二八条に違反しないとしても憲法二八条に適合するように限定解釈がなさるべきであると主張する。しかし、非現業国家公務員の争議行為を一 一項は憲法二八条に違反し無効である。かりに地公労法一一条一項が憲法二八条に違反しないとしても憲法二八条に適合するように限定解釈がなさるべきであると主張する。しかし、非現業国家公務員の争議行為を一律全面的に禁止した国家公務員法(昭和四〇年法律第六九号による改正前のもの)九八条五項が合憲であることを判示した最高裁判所昭和四八年四月二五日大法廷判決(刑集二七巻四号五四七頁)同五二年一二月二〇日第三小法廷判決(民集三一巻七号一一〇一頁)非現業地方公務員の争議行為を一律全面的に禁止した地公法三七条一項が合憲であることを判示した同裁判所昭和五一年五月二一日大法廷判決(刑集三〇巻五号一一七八頁)現業国家公務員及び公共企業体等職員の争議行為を一律全面的に禁止した公共企業体等労働関係法一七条一項が合憲であると判示した同裁判所昭和五二年五月四日大法廷判決(刑集三一巻三号一八二頁)同五三年七月一八日第三小法廷判決(民集三二巻五号一〇三〇頁)同五六年四月九日第一小法廷判決(民集三五巻三号四七七頁)の趣旨は、前記国家公務員法九八条五項、地公法三七条一項及び公共企業体等労働関係法一七条一項と同旨の規定である地公労法一一条一項の解釈にも妥当するものであつて別異に解すべきではないと判断する。従つて地公労法一一条一項は憲法二八条に違反しないし、また、その合憲性につきいわゆる限定解釈をなすべきではなく、単純労務に雇傭される一般職に属する地方公務員に対しても、一切の争議行為を禁止しているものと解するのが相当である。 そうだとすると、地公労法一一条一項を憲法二八条に適合するように限定解釈をなすべきことを前提に、本件各争議行為が地公労法一一条一項に該当しない旨の一審原告らの主張は採用の限りではなく、本件一一月一三日及び一二月二九日から三一日までの各争議行為はいずれも同条項で 定解釈をなすべきことを前提に、本件各争議行為が地公労法一一条一項に該当しない旨の一審原告らの主張は採用の限りではなく、本件一一月一三日及び一二月二九日から三一日までの各争議行為はいずれも同条項で禁止された争議行為に該当するものというべきである。 七一審原告Cは前記二九日から三一日までの出勤命令を拒否しうべき個人的な正当事由があつた旨主張するので判断する。 その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第二六号証の一ないし一一、成立に争いのない甲第二七号証ないし第二九号証、当審における右一審原告本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によると、Dの子Eは、昭和四四年一二月二八日危篤状態に陥り、同月二九日に死亡し、同月三〇日その告別式が行われたこと、一審被告は、Dに対しても本件年末休日出勤命令を拒否したことを理由に昭和四五年一月三一日、一旦、懲戒処分をなしたが、同人からは子の死亡を理由に出勤できない旨の申し出があつていたのに一審被告の管理職員がこれを看過していたことが判明したとして、同年二月九日右懲戒処分を取り消したこと、右一審原告はDの義弟で、死亡したEは同一審原告の妻の甥に当たるが、同一審原告は当局に出勤できない旨申出ることをしなかつたことが認められる。ところで、職員が法定外休日労働を免れるためには出勤命令を受けた後、右労働を拒否しうべき正当事由の存在を当局に告知することが必要であること前叙のとおりであるところ、右一審原告は所属職場の分会役員としての地位にあつたためか、Dとは異なり、当局に右事情の届出をなして休日出勤義務免除を受けないまま二九日から三一日まで欠勤したのであるから、本件年末出勤命令を拒否したものと評価されてもやむを得ないものというべきである。 八ところで一審原告らは、一審被告が一審 して休日出勤義務免除を受けないまま二九日から三一日まで欠勤したのであるから、本件年末出勤命令を拒否したものと評価されてもやむを得ないものというべきである。 八ところで一審原告らは、一審被告が一審原告らに対してなした本件処分は懲戒権を濫用したものである旨主張する。 裁判所が懲戒処分の適否を審査するにあたつては懲戒権者と同一の立場にたつて懲戒処分をすべきであつたかどうか、又いかなる処分を選択すべきであつたかを判断し、その結果と懲戒処分とを比較してその軽量を論ずべきものではなく、懲戒権者の裁量権の行使に基づく処分が社会観念上著るしく妥当を欠き裁量権を濫用したと認められる場合に限り違法であると判断すべきである。(最高裁判所第三小法廷判決・民集三一巻七号一一〇一頁参照)ところで前叙認定の事実によると、昭和四四年一二月二九日から三一日までの組合側の年末休日出勤拒否のために、年末清掃事業の実施については、市当局が清掃事業局以外の部局からの管理職員の投入と民間業者への委託を余儀なくされ、これによつてごみの収集については最悪の事態は避けられたとしても、し尿の収集が相当遅延したため市民生活に迷惑を及ぼしたことは軽視できないものがあるところ、一審原告I、同Jが清掃事務所長が所属の作業員らに対し、勤務命令につき説明し、出勤できない者についてはその事由を疎明するよう説明しているのに、これを妨害し、右勤務命令に従わないよう呼びかけた行為は、同一審原告らに年末休日には労使の合意なしには出勤義務が存在しないという意識があつたにしても、極めて不当な行為であるというべきであり、その余の職場放棄、無断欠勤した行為をも併せ考えれば、同一審原告らに対し一審被告がなした停職一月間の懲戒処分は社会観念上著しく妥当を欠くものとはいえないし、また、その余の一審原告らに対してな あり、その余の職場放棄、無断欠勤した行為をも併せ考えれば、同一審原告らに対し一審被告がなした停職一月間の懲戒処分は社会観念上著しく妥当を欠くものとはいえないし、また、その余の一審原告らに対してなされた給与日額二分の一の減給ないし戒告も同様、社会観念上著しく妥当を欠くものとはいえないものであり、本件各処分が懲戒権者に付与された目的を逸脱した濫用のものと認めるに由ないものというべきである。 九以上の次第で、一審被告が一審原告らに対してなした本件各懲戒処分はすべて適法というべきである。よつて、原判決中、一審原告A、同Bの各請求を認容した部分は失当であるから一審被告の控訴に基づきこれを取消して同一審原告らの各請求を棄却し、その余の一審原告らの本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき、民訴法九六条、八九条、九三条、九五条を適用して主文のとおり判決する。 (裁判官西岡徳寿松島茂敏前川鉄郎)
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