【DRY-RUN】主 文 本件各上告を棄却する。 理 由 検察官の上告趣意第一点について。 所論は採証法則違反、経験則違背、事実誤認の主張を出でないものであつて適法 な上告理
主 文 本件各上告を棄却する。 理 由 検察官の上告趣意第一点について。 所論は採証法則違反、経験則違背、事実誤認の主張を出でないものであつて適法 な上告理由に当らない。 同第二点について。 所論は事実誤認を前提とする単なる法令違反の主張であつて(引用の判例はいず れも公務員又は仲裁人がその職務に関し賄賂を收受した事案に関するものであつて、 本件におけるが如く、被告人がAから金員を受領したのは、被告人の大蔵大臣ある いは復金委員会々長たる自己の「職務に関し受領したものではない」事案には適切 を欠く)適法な上告理由に当らない。 被告人の上告趣意第一点について。 所論は、要するに被告人が国務大臣在任中、内閣総理大臣の同意なくして逮捕、 勾留され、接見禁止の処分を受けたのは憲法七五条に違反するものであり、かかる 違憲の処分によつて開始された一連の不法な身体拘束中に被告人を取調べた検事の 聴取書の如きは適法な証拠とはなり得ないものであるのに、これを適法な証拠とし て有罪の認定をした原判決は違法であるというにある。 しかし、原判決が証拠資料とした所論検事の聴取書は、(イ)昭和二三年九月三 〇日附聴取書と(ロ)同年一〇月二三目附聴取書との二通のみであること、そして 右(イ)の聴取書は被告人の経歴認定の資料とされており、(ロ)の聴取書は、大 蔵大臣である被告人がB(C株式会社等の社長)から融資斡旋の請託を受けて承諾 し、D銀行にその総裁Eを訪れた際、同総裁に対してC株式会社に対する融資の見 込について尋ね、更にF金庫理事長Gが大蔵大臣官邸を訪れた際、同理事長に対し - 1 - 右融資の実現について配慮されるよう依頼する等の尽力をした事実及びその尽力に 対する謝礼の趣旨で贈られることを知りながら右Bから本件金員等を受領した事実 の認定資 を訪れた際、同理事長に対し - 1 - 右融資の実現について配慮されるよう依頼する等の尽力をした事実及びその尽力に 対する謝礼の趣旨で贈られることを知りながら右Bから本件金員等を受領した事実 の認定資料とされていること原判文上明白であるが、被告人の経歴の点は、右(イ) の聴取書を除いても、第一、二審公判調書中被告人の各供述記載、総理庁官房人事 課長提出の「H履歴書送付の件」と題する書面添付の履歴書の記載その他原判決挙 示の各証拠により、又被告人が前記の如く受託收賄をした点は、右(ロ)の聴取書 を除いても、原審公判調書中被告人の供述記載、第一、二審公判調書中第一審相被 告人Bの被告人として又は証人としての各供述記載、第一、二審公判調書中証人G の各供述記載その他原判決挙示の各証拠により、いずれも十分認定することができ るのであるから、仮りに所論の如き違法ありとしても、原判決に影響を及ぼさない ものであつて、原判決を破棄すべきものとは認められない。 同第二、三点について。 所論はいずれも事実誤認の主張であつて適法な上告理由に当らない。 また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。 よつて刑訴施行法二条、三条の二、刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で 主文のとおり判決する。 昭和三七年一一月三〇日 最高裁判所第二小法廷 裁判長裁判官 池 田 克 裁判官 河 村 大 助 裁判官 奥 野 健 一 裁判官 山 田 作 之 助 裁判官 草 鹿 浅 之 介 - 2 - 裁判官 山 田 作 之 助 裁判官 草 鹿 浅 之 介 - 2 -
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