【DRY-RUN】主 文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事 実 控訴代理人は「原判決を取消す、被控訴人が徳島中央青果株式会社の取締役たる こと
主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 控訴代理人は「原判決を取消す、被控訴人が徳島中央青果株式会社の取締役たることを解任する」との判決を求め、被控訴代理人は主文同旨の判決を求めた。 当事者双方の事実上の主張は、次の事実を附加する外、之と牴触しない範図で原判決事実摘示と同一であるから、これを引用する。 控訴代理人の主張事実。(一)控訴人は六月前より引続き徳島中央青果株式会社の発行済株式の総数の百分の三以上に当る株式を有する。(二)昭和二七年五月一八日の株主総会の決議は実質的に見ると被控訴人解任の議題が否決されたものである。(三)原判決事実中控訴人の主張として「仮に右規定に該当しないとしても尚理論的に解任の請求が理由あるものであることを主張する」とある部分を撤回する。(四)更に被控訴人には次の非違事実がある。(イ)昭和二七年五月一八日の株主総会で控訴人外三名が取締役として補欠選任され、内三名は同年六月二日にその登記を受けたが、控訴人の登記は漸く翌年一月二四日に為されたもので、これは会社責任者たる被控訴人の法令違反の行為である。(ロ)右補欠選任は、辞任した取締役Aと外三名の補充であるが、登記の記載によるとAが辞任したのは同年で六月一日であるから、登記を真実とすると辞任前に取締役を選任したことになり、もしその選任前に辞任していたとすると虚偽の登記をしたことになり、何れにしても責任者たる被控訴人の非違事実である。なお同年一一月二八日の役員会議事録によると、被控訴人が取締役Aの辞任届出を報告し予ての約束通り之を受諾した旨の記載があり、役員会議事録、登記簿、株主総会の議事録との間にくいちがいがあつて、何か不正な策動があるようである。(ハ)被控訴人は原審で勝訴して益々横 Aの辞任届出を報告し予ての約束通り之を受諾した旨の記載があり、役員会議事録、登記簿、株主総会の議事録との間にくいちがいがあつて、何か不正な策動があるようである。(ハ)被控訴人は原審で勝訴して益々横暴となり、昭和二七年旧盆踊に八万円で浴衣を買入れたり、毎月二十万円以上の売上げがあれば酒を出したりして社費を濫費し、或は百万円の増資を企て自己の勢力拡張に熱中している。 被控訴代理人の主張事実。(一)控訴人主張の右(一)の事実は争わない。 (二)株主総会では控訴人主張の解任議案は上程されず、別案として議長の案が上程されたのである。前者は役員の不正不法行為を理由としてその該当者を対象とし、後者は理由を特定せず、且つ全役員を対象とするもので、全く相違する。 (三)控訴人主張の右(四)の事実中登記の点は認めるが、控訴人取締役就任登記がおくれたのは、控訴人が就任受諾書を出さなかつた為で、その受諾書提出後間もなく登記した。Aの辞任登記はその辞任書の取扱に疑義があつたのでおくれたものである。なおこの点に仮に違法の事実があつたとしても解任事由となる程の重大な事実ではない。その他の控訴人主張の(四)の事実を否認する。また本件株主総会以後の事実を本訴の原因として附加することは失当である。 証拠として、控訴代理人は、甲第一ないし第十三号証(内八、九、十号証は各一、二)を提出し、原審証人B、Cの証言を援用し、乙第四号証を不知と述べ、尓余の乙号各証の成立を認め、同第二号証を援用した。被控訴代理人は乙第一号証の一、二、第二、四号証、第三号証の一、二、三を提出し、原審証人D、当審証人E、F、Aの証言を援用し、甲第八、九号証の各一、二中郵便官署作成部分の成立を認めその他の部分を不知と述べ、尓余の甲号各証の成立を認めた。 理由 <要旨>商法二五七条 証人E、F、Aの証言を援用し、甲第八、九号証の各一、二中郵便官署作成部分の成立を認めその他の部分を不知と述べ、尓余の甲号各証の成立を認めた。 理由 <要旨>商法二五七条三項の訴は裁判所の解任判決により直に取締役解任の効果を発生させる形成の訴であつて、少</要旨>数株主が会社と取締役との間に存する委任関係の解消を求めるものであるから、その委任関係の当事者たる会社と取締役とを共同の被告として訴を提起しなければならないものと解すべきである。 けだし形成の訴の正当な被告は法律に特別の規定のない以上当該判決による形成作用を受くべき法律関係の主体、もしくはその法律関係について管理権を有するものであることを要するところ、取締役は会社の機関であると同時に会社との間に委任契約上の法律関係を有するものと解すべきであるからである(商法第二五四条第三項)。しかのみならず商法二六七条二項、同法二七二条等には株主が「会社の為」権利を行使する旨明定されているのに同法二五七条三項にはことさらその趣旨の文言が除かれているところから見ても後者の場合少数株主が会社に代つて解任権を行使するものと解することは困難であるから、その訴の当事者から会社を除外すべき理由はない。本訴は取締役だけを被告として提起したもので失当であるから棄却を免れない。原判決の帰結は相当であるから、民訴法三八四条九五条八九条を適用して主文の通り判決する。 (裁判長判事前田寛判事太田元判事森本正)
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