令和7年6月26日判決言渡 令和5年(行ケ)第10147号審決取消請求事件 口頭弁論終結日令和7年2月13日判決 原告 ツールゲンインコーポレイテッド 同訴訟代理人弁理士 井関勝守 金子修平 藤野香子 被告 ザリージェンツオブザユニバーシティオブカリフォルニア ユニバーシティオブヴィエナ Y 上記3名訴訟代理人弁護士 城山康文 岩瀬吉和 村上遼 同訴訟代理人弁理士 小野誠 坪倉道明 重森一輝 安藤健司 川嵜洋祐 同訴訟復代理人弁護士 篠崎慎一郎 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は、原告の負担とする。 3 この判決に対する上告及び上告受理の申立てのための付加期間を30日と定める。 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は、原告の負担とする。 3 この判決に対する上告及び上告受理の申立てのための付加期間を30日と定める。 事実及び理由 注)本判決において使用する主な略語は、別に本文中で定義するものを除き、次のとおりである。 本件特許発明の名称を「RNA依存性標的DNA修飾およびRNA依存性転写調節のための方法および組成物」とする特許(特許第6692856号。請求項の数111。令和2年4月17日設定登録) 本件明細書本件特許の願書に添付した明細書及び図面(甲33)本件発明本件特許の特許請求の範囲請求項1、2、6、15~19、21、22、25、28~30、33~36、45~48、51~53、56、65~70、73、76~84、95、96、99、100及び111に記載された発明 本件審決特許庁の令和5年8月30日付けの無効審判請求は成り立たない旨の審決パリ条約昭和50年条約第2号本件優先日平成24年5月25日第1優先基礎出願被告らが本件においてパリ条約に基づく優先権を主張して いる本件優先日を出願日とする米国における特許出願 第1出願書類第1優先基礎出願に係る特許出願書類(甲3、26、乙116)CRISPR/Cas9 システム Cas タンパク質(部位特異的修飾ポリペプチド)及びDNA標的化RNA(tracrRNA〔活性化RNA〕とcrRNA〔標的化RNA〕を含むもの)から構成される複合体により標的DNAを切断する仕組み。CRISPR/Cas システムも同じ。 第1 請求特許庁が無効2022- A〔活性化RNA〕とcrRNA〔標的化RNA〕を含むもの)から構成される複合体により標的DNAを切断する仕組み。CRISPR/Cas システムも同じ。 第1 請求特許庁が無効2022-800017号事件について令和5年8月30日にした審決を取り消す。 第2 事案の概要 1 事案の要旨本件は、原告の無効審判請求を不成立とした本件審決の取消訴訟である。争点は、本件審決が、特許権者の優先権主張を認め、拡大先願の無効理由を排斥したことについての認定判断の誤りの有無である。 2 特許庁における手続の経緯等 ⑴ 被告らは、本件特許の特許権者である。 本件特許に係る特許出願(特願2018-97369号)は、平成25年3月15日を国際出願日とする特許協力条約(PCT)による国際特許出願(特願2015-514015号)の一部を分割し、平成30年5月21日に新たな特許出願としたものである(パリ条約による優先権主張 ①平成2 4年5月25日米国〔第1優先基礎出願〕、②同年10月19日米国〔以下「第2優先基礎出願」という。〕、③平成25年1月28日米国〔以下「第3優先基礎出願」という。〕、④同年2月15日米国)。 ⑵ 原告は、令和4年2月25日、被告らを被請求人として、本件発明についての特許を無効とする旨の無効審判請求をし、特許庁は、これを無効202 2-800017号事件として審理した。 ⑶ 特許庁は、令和5年8月30日付けで無効審判請求は成り立たない旨の本件審決をし、その謄本は、同年9月7日原告に送達された。 ⑷ 原告は、令和5年12月28日、本件審決の取消しを求めて訴えを提起した。 3 特許請求の範囲の記載等 本件発明に係る特許請求の範囲請求項の記載は、別紙「特許 月7日原告に送達された。 ⑷ 原告は、令和5年12月28日、本件審決の取消しを求めて訴えを提起した。 3 特許請求の範囲の記載等 本件発明に係る特許請求の範囲請求項の記載は、別紙「特許請求の範囲の記載」のとおりである。 4 本件審決の理由の要旨⑴ 本件発明の優先日ア原告は、本件発明における、真核細胞中でのCRISPR/Cas9 システムによ る標的遺伝子の切断は、第1出願書類及び第2優先基礎出願の出願書類には記載されていないから、本件特許は、第1優先基礎出願及び第2優先基礎出願に基づく優先権主張の利益を享受することはできず、第3優先基礎出願の出願日である平成25年1月28日に出願したものとみなすべきであると主張する。 イしかし、第1出願書類(甲3)は、部位特異的DNAヌクレアーゼを操作するための2つの主要な技術に代わり得る新しい技術として、部位特異的修飾ポリペプチド及びDNA標的化RNAを含む複合体を提供することに主眼を置いたものであり、当該複合体の製造方法に加え、当該複合体が標的DNAを部位特異的に切断することも具体的データに基づき開示して いる。また、第1出願書類は、部位特異的修飾ポリペプチド及びDNA標的化RNAを含む複合体が、インビトロの細胞だけでなくインビボの細胞(例えば、真核細胞)内の標的DNAにも適用できることを開示しており、その適用の有用性とともに、その適用が当業者にとって周知の技術的手段を用いることで具現化することができることを開示しているといえる。し たがって、優先基礎発明を、植物細胞、動物細胞または単細胞真核生物等 の真核細胞内の標的DNAに適用することは、第1出願書類の全体の記載を総合することにより導かれる技術的事項であって、当該技 たがって、優先基礎発明を、植物細胞、動物細胞または単細胞真核生物等 の真核細胞内の標的DNAに適用することは、第1出願書類の全体の記載を総合することにより導かれる技術的事項であって、当該技術的事項を備える本件発明は、第1優先基礎出願に基づく優先権主張の利益を享受することができる。 ⑵ 無効理由1(拡大先願、甲1)及び無効理由2(拡大先願、甲2) 前記のとおり、本件特許は、第1優先基礎出願に基づく優先権主張の利益を享受することができるから、特許法29条の2の規定の適用に当たっては、第1優先基礎出願の出願日である本件優先日(平成24(2012)年5月25日)に出願されたものとみなされる。甲1出願の最初の優先基礎出願の出願日(同年12月12日)及び甲2出願の最初の優先基礎出願の出願日 (同年10月23日)は、いずれも本件優先日より後であるから、本件特許に対する関係では、特許法29条の2の「他の特許出願」には当たらない。 したがって、本件特許が特許法184条の13において準用する29条の2の規定により特許を受けることができない旨の原告の主張は、理由がない。 第3 審決取消事由等に係る当事者の主張 1 本件発明の優先日(争点1)について⑴ 原告の主張ア当業者とは「その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者」であって「請求項に係る発明の属する技術分野の出願時の技術常識を有する、①研究開発(文献解析、実験、分析、製造等を含む。)のための 通常の技術的手段を用いることができ、②材料の選択、設計変更等の通常の創作能力を発揮できるとの条件を備えた者として想定された者である。 そして、実施可能要件の趣旨及び意義からすると、当業者は、公開された特許発明を利用する者として想定されるから、 、設計変更等の通常の創作能力を発揮できるとの条件を備えた者として想定された者である。 そして、実施可能要件の趣旨及び意義からすると、当業者は、公開された特許発明を利用する者として想定されるから、そのレベルは、特許発明に係る技術を利用する可能性のある者を基準とすべきであり、本件の場合、 当業者の基準は、CRISPR/Cas9 システムを例えば遺伝子改変のための実験 ツールとして利用する分子生物学分野の一般的な研究者や学生等とすべきである。 また、技術常識は、当業者に一般的に知られている技術又は経験則から明らかな事項であり、周知性は、文献数だけでなく注目度も考慮して判断され、周知技術は、その技術分野において一般的に知られている技術(相 当多数の刊行物・ウェブページ等があり、業界に知れ渡り、例示の要がないほどよく知られているもの)、慣用技術は、よく用いられている周知技術である。そうすると、本件の場合、技術常識は、前記当業者に一般的に知られている技術又は経験則から明らかな事項をいい、最先端の研究開発をする限定的な研究者のみに知られている技術等はこれに該当しない。 イ本件特許が第1優先基礎出願に基づく優先権主張の利益を享受するためには、本件発明について、当業者が第1出願書類の明細書及び図面に記載された説明及び第1優先基礎出願の出願時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤等を要せずに実施することができる必要があり、さらには、本件発明が属する技術分野に鑑みて本件発明について代表的な実施例(後記) が出願書類に明確に示されている必要がある。 ウ本件の第1出願書類では、インビトロでのCRISPR/Cas9 システムによる部位特異的修飾ポリペプチド及びDNA標的化RNAを含む複合体の製造並びに 出願書類に明確に示されている必要がある。 ウ本件の第1出願書類では、インビトロでのCRISPR/Cas9 システムによる部位特異的修飾ポリペプチド及びDNA標的化RNAを含む複合体の製造並びに当該複合体による標的DNAに対する部位特異的切断等について、具体的データに基づいて開示されているが、真核細胞内でCRISPR/Cas9 シ ステムを適用する具体的な方法、態様、データ等は何ら記載されておらず、ライフサイエンス分野の発明である本件発明について、具体的な実施例等の記載もなく、実際に真核細胞で同システムを適用できるかは不明である。 真核細胞におけるCRISPR/Cas9 システムの適用は、本件優先日当時、当業者であっても、その出願書類の記載事項及び周知技術等に基づいて行うこ とはできず、仮に行うことができたとしても過度の試行錯誤を要するもの であった。 すなわち、真核細胞への適用についての当業者の実施可能性の研究状況については、被告らの米国特許消費者庁のPTAB のインターフェアランス手続NO.106,115 において、平成24(2012)年時点で、メダカ、ゼブラフィッシュ及びヒトを用いた実験で成功と述べたが(甲37 の22 頁。 なお、酵母、マウス及び植物の実験は行われず、線虫の実験は後に成功したとする。)、これらは、本件優先日時点では成功していない。ヒトの実験は、同年7月10日から同年10月11日までの実験は全て失敗している(甲42、44~48、50、58、59)。 このように、本件優先日時点において、当業者である本件特許の発明者 たちは、CRISPR/Cas9 システムを真核細胞において実施することができていなかったから、他の当業者も、第1出願書類の記載事項や周知技術等を用いても実施することが ある本件特許の発明者 たちは、CRISPR/Cas9 システムを真核細胞において実施することができていなかったから、他の当業者も、第1出願書類の記載事項や周知技術等を用いても実施することができないといえる。仮に実施することができたとしても、発明者らも複数回条件を変更しながらも失敗しており、本件優先日時点の周知技術や技術常識を採用したとしても、過度の試行錯誤を強い ることは明らかである。 エ-1 CRISPR/Cas9 システムの真核細胞への適用において必要とされる、❶プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM配列 protspaceradjacentmotif)、❷核局在化シグナル(NLS nuclearlocalizationsequence)、❸コドン最適化について、第1出願書類に明示的記載はなく、当業者が実施可能な 程度に記載されていると認めることはできない。すなわち、前記のとおり、本件における当業者及び技術常識を踏まえると、❶第1優先基礎出願には、図3C(GGG)のPAM配列を含む配列が示されているが、それがPAM配列であることはもちろん、第1優先基礎出願全体において、PAM配列に関する記載はない。また、本件優先日時点で、文献(乙15、19、 25)に、PAM配列が細菌の免疫システムにおける自己と非自己を区別す る役割に関わっていることが記載されたとしても、PAM配列が真核細胞内の標的DNA配列を切断するのに必要であることは、何ら記載されていないから、周知技術とはならず、当業者が技術常識として認識することができるものではない(乙15 の図4の記載は、PAM配列を必要とするのが切断工程か他の工程か明確ではない。仮に、切断工程において、PAM 配列が切断されるべき標的DNAか否かを区別する ることができるものではない(乙15 の図4の記載は、PAM配列を必要とするのが切断工程か他の工程か明確ではない。仮に、切断工程において、PAM 配列が切断されるべき標的DNAか否かを区別する因子と理解できたとしても、理解できるのは、最先端の研究をする研究者であり、上記当業者ではない。乙15 は、第1優先基礎出願のわずか5か月前に公開されたものであり、当業者に一般的に知られているとはいえない。)。第1優先基礎出願の出願時のPAM配列に関する知識では、PAM配列を認識するのが Cas9 タンパク質であるかどうか、さらにこれがPAM配列を認識することがどのようにしてターゲット配列の切断につながるのか、すなわち、PAM配列の認識とCas9 タンパク質による切断の間の関連性を導き出すのは困難である。 仮に、❶~❸が周知技術であったとしても、当業者がCRISPR/Cas9 シ ステムを真核細胞に適用することができるわけではない(当業者であれば、原核細胞で成功した技術であっても、これを真核細胞に適用するには多くの障壁が明白に存在し、原因不明の失敗も多く起こり得ることは理解している。)。仮に適用することができたとしても、❶~❸の技術の利用がCRISPR/Cas9 システムの真核細胞への適用の成功に単純につながるわけで はなく、当業者であっても過度の試行錯誤を要するものである。 エ-2 真核細胞に適用する場合の障壁としては、「RNAの分解」「構成及び複合体の形成と持続性」「毒性」「複雑な真核生物環境でのクロマチン結合DNA の作用の失敗」(甲38、40、41、43、48~53、54~57、60)がある。また、前記のとおり、本件発明の発明者らは、ヒトの実験において 失敗している。そうすると、真核細胞へのCRISPR/Ca 失敗」(甲38、40、41、43、48~53、54~57、60)がある。また、前記のとおり、本件発明の発明者らは、ヒトの実験において 失敗している。そうすると、真核細胞へのCRISPR/Cas9 システム導入にお いて、⒜RNAの分解、⒝折り畳みや複合体形成、⒞真核細胞における耐性、⒟共局在化、⒠クロマチンに係る障壁は、当業者であれば当然に生じると認識することができる事象である。本件発明の発明者らも、RNA分解や複合体形成に関する障壁等が存在することを認識し、意見を示しており、単なる一般的な可能性を示すものではない(真核細胞への CRISPR/Cas9 システム導入の障壁)。 オ実施例の必要性については、発明の技術分野や技術内容の困難性等から個別に判断されるべきである。本件発明は、ライフサイエンス分野に属し、発明の構成から得られる効果は予測し難いものであり、本件発明は、CRISPR/Cas9 システムといった本件優先日の時点においてパイオニア的技 術に係るものである。CRISPR/Cas9 システムの真核細胞への適用には、インビトロや原核細胞の場合とは異なり、種々の障壁等が存在し、当業者であってもこれを容易に実施することはできない。当業者が、類似の技術等を考慮して第1出願書類の明細書の記載内容から容易に変更等をして、CRISPR/Cas9 システムの真核細胞への適用をすることができると解される べきではない。 ⑵ 被告らの主張ア当業者は、PAM配列とCRISPR/Cas9 システムにおけるその重要な役割を明確に特定した乙20 をはじめ、PAM配列の必要性や役割を論じたレビュー論文を含む文献に容易にアクセスすることができたから、 CRISPR/Cas9 システムにより切断される の重要な役割を明確に特定した乙20 をはじめ、PAM配列の必要性や役割を論じたレビュー論文を含む文献に容易にアクセスすることができたから、 CRISPR/Cas9 システムにより切断される標的DNA配列がPAM配列に隣接しているべきことを理解していた。 イパリ条約4条A⑴、Hの文言及び趣旨からすると、優先権主張の効果を享受できるか否かは、優先権の効果を享受しようとする発明が、優先権の基礎となる出願に開示されているか否かを基準として判断すべきであり、 そして、発明が基礎出願に開示されているかを判断するに当たっては、特 許請求の範囲の文言だけでなく、基礎出願の明細書を含む出願書類全体に記載されている事項及び優先日当時の当業者の技術常識を参酌して実質的に出願書類全体に記載されているといえる事項に基づき判断すべきである。 ウ本件において、第1優先基礎出願は、本件優先日時点の当業者がCRISPR/Cas9 システムを真核細胞に適用するに当たって十分な説明、ツー ル及び方法の記述を含むものである。 また、原告の主張する本件優先日後の本件の発明者の実験に係る成功・失敗に関する事実や、そのことに関する発明者の主観は、優先権主張の利益を享受できるか否かの判断に影響しない。優先権主張の効果を享受するにあたり、実験に係る成功が必須となるものではないし、仮に発明者が特 定の実験に失敗したとしても、それを以て優先権主張の効果が認められなくなるわけではない。 さらに、本件の発明者以外の複数の研究グループは、本件の発明者の論文(乙12。平成24(2012)年6月28日ウェブ公開、同年8月17日掲載。第1優先基礎出願と同様の複合体を開示するもの)の公開後間 もなく、CRISPR/Cas9 システムを真核細胞に適用する 乙12。平成24(2012)年6月28日ウェブ公開、同年8月17日掲載。第1優先基礎出願と同様の複合体を開示するもの)の公開後間 もなく、CRISPR/Cas9 システムを真核細胞に適用することに成功したことを報告する論文原稿を科学誌に提出している(乙88、90、93、95、97、 99 等)。これらは、第1優先基礎出願及び乙12 の論文に記載されたCRISPR/Cas9 複合体並びに本件優先日の時点で真核生物における標的化遺伝子編集に利用されていた主要な技術(周知慣用技術であったZFN 及び TALEN を用いたゲノム編集に利用してきた市販の試薬、細胞株、ベクター。乙163、164)を使用するとともにメーカーのプロトコルに従っていた。本件の発明者も線虫、メダカ、ゼブラフィッシュ及びヒト(ヒトは平成24(2012)年10月31日以前)の細胞の実験で成功した(乙98、166)。このように、本件の発明者及びそれ以外の複数の研究グルー プが、発明者の論文(乙12)の刊行後短期間のうちに、ほぼ同時期に実 験に成功したことは、第1優先基礎出願に触れた当業者が、第1出願書類の記載及び周知慣用技術を適用して過度の試行錯誤を要することなく、CRISPR/Cas9 システムを真核細胞に適用可能であったことの客観的な証拠である。 エ-1 ❸コドン最適化については、発明者らが真核細胞におけるゲノム編 集実験でCas9 をコードする核酸として適用し、最終的に公開(乙98)され、本件特許のPCT出願の明細書でも記載されているものは、発明者が最初に設計したのと同一の❸コドン最適化であり、この点について試行錯誤を要したものではない。また、❷NLSについては、原告の指摘するメールの記載は、潜在的問題について意見を求めるものにすぎず、 者が最初に設計したのと同一の❸コドン最適化であり、この点について試行錯誤を要したものではない。また、❷NLSについては、原告の指摘するメールの記載は、潜在的問題について意見を求めるものにすぎず、❷ NLSの相対的な効率性は周知技術の一部であって当業者において通常想定される実験の範囲を出るものではないし、発明者らは、使用するNLSを変更しておらず、当初使用したSV40 のNLSが、最終的に乙98 で公開され、本件特許のPCT出願の明細書記載のゲノム編集実験でも使用されている。❷NLSも❸コドン最適化も、幾多の文献に示された本件優先 日当時の周知技術である(❸乙13、75、76、79~84、❷乙36、69、71~78、138~141)。❸コドン最適化は、コンピュータ上で利用することができる商用最適化ツールが提供され(乙81、180)、❷NLSの付与も、タンパク質の細胞核内への移送を容易にするために知られた特定の短いアミノ酸配列を付加するだけである(乙36、71)。さらに、❷NLSも❸ コドン最適化も、CRISPR/Cas9 システムの真核細胞への適用に必須のものでもないから、過度の試行錯誤を要するものではない。 エ-2 CRISPR/Cas9 システムが標的DNAを切断するためには、標的DNA配列の下流に❶PAM配列が必要であることについては、本件優先日当時の周知技術である。CRISPR/Cas9 システムは、DNA標的化セグメント が、標的DNAと配列特異的に塩基対合しCas9 ポリペプチドがDNAを 切断するという機序で作用するものであり、標的DNAを真核細胞内とする場合も、周知技術どおり標的DNA配列の下流にPAM配列が存在すべきことは、当業者にとって自明である。 元々、PAM配列の発見は平成 するという機序で作用するものであり、標的DNAを真核細胞内とする場合も、周知技術どおり標的DNA配列の下流にPAM配列が存在すべきことは、当業者にとって自明である。 元々、PAM配列の発見は平成19 年(乙22、24 の先行公開日)である。 PAM配列の必要性(PAM配列の存在意義、性質、具体的配列等)は本 件優先日前の多くの文献に示され、相互参照されていた。複数のレビュー論文や査読を経た科学論文は、切断対象となる標的DNAがPAM配列に隣接するものであることに言及し、PAM配列が「決定的に重要」などとしており(乙14~22、24、25、179、183~185)、PAM配列の役割が切断されるべき外来標的DNAと切断されるべきでない非標的DNAを区別 することは、原核生物の免疫システム(Ⅱ型CRISPR/Cas システム〔Cas9を含む。〕)における既知の内在的性質であった。したがって、PAM配列がDNA切断の必要条件であるという本件優先日当時の技術常識によれば、第1優先基礎出願(甲3)のイン・ビトロ実験図3Cに接した当業者は、Target DNA A~C のいずれにおいても、PAM配列に隣接する領 域が標的DNA配列となっていることを、PAM配列について明記されていなくても認識することができた。また、当業者は、本件発明のCRISPR/Cas9 システムを使用する際には、標的DNAの所在場所(細菌細胞、試験管、真核細胞)に関わらず、標的DNAを切断するためにPAM配列に隣接する標的配列部分を選択しなければならないことを理解してい た。CRISPR/Cas9 システムが真核細胞内で機能するかについても、DNA切断が環境に関係なく同じ化学反応であること、本件発明がDNAとRNAのハイブリダイゼーションという生物学の普 た。CRISPR/Cas9 システムが真核細胞内で機能するかについても、DNA切断が環境に関係なく同じ化学反応であること、本件発明がDNAとRNAのハイブリダイゼーションという生物学の普遍的原理に従うものであってあらゆる細胞種や生物で起こること、第1優先基礎出願の標的配列も真核生物のDNA配列とより相同性があること等から、真核細胞においての みPAM配列の存在の必要性に係る前提を疑う理由はなかった。仮に、当 業者が真核細胞においてPAM配列が必要になることにつき確信を持てなかったとしても、当業者は、PAM配列を有する配列と、有しない配列を標的とする1セットの実験を行えば容易に検証可能であったから、過度の負担とならない。 エ-3 次に、原告が主張する「真核細胞へのCRISPR/Cas9 システム導入の障 壁」については、当業者はそれらを現実の障害とは認識せず、せいぜい周知・慣用技術の適用によって容易に解決可能な仮想の障害にすぎない。原告が引用する、⒜発明者らによるメール、⒝発明者のインタビュー記事(甲60)、⒞ブロードとのインターフェアランス手続における被告らの提出証拠(甲40)も、いずれも第1出願書類の実施例に記載された緩衝 液中のCRISPR/Cas9 システムを真核細胞に適用する際に生じ得る事象の一般的・抽象的な可能性又は懸念を述べるにとどまり、具体的にこれらの事象が生じることが確認されたことを示すものではない。 オ実施例の要否について、本件発明には、机上の空論で構造式を作成できる新規な化学物質のような特殊性はない。本件発明は、細胞内で標的DN Aと接触させて標的DNAを切断するに当たり、その複合体の構成要素として必要な要素を特定した発明であるから、第1出願書類全体の記載 な化学物質のような特殊性はない。本件発明は、細胞内で標的DN Aと接触させて標的DNAを切断するに当たり、その複合体の構成要素として必要な要素を特定した発明であるから、第1出願書類全体の記載及び本件優先日当時の技術常識に照らして、本件発明が第1出願書類に開示されていたといえるかという基準で、優先権主張の可否を判断すれば足りる。 前記のとおり、第1出願書類には、当業者がCRISPR/Cas9 システムを真核 細胞に適用可能な程度の開示(本件発明に係る複合体を作製する実施例及びインビトロにおけるDNA切断の実施例の記載)がある。また、仮に化学物質に関する特殊性を考慮したとしても、本件発明に係る複合体は現実に作成することができ、機能するものであることが実証されているから、本件発明が優先権主張の効果を享受することができることに変わりはない。 2 取消事由1(拡大先願・甲1)(争点2)について ⑴ 原告の主張 本件特許は、第1優先基礎出願に基づく優先権主張の利益を享受することができないから、特許法29条の2の規定の適用に当たっては、本件特許が第1優先基礎出願の出願日である本件優先日に出願されたものとみなされるべきではない。したがって、この点についての本件審決の判断には誤りがあ る。 ⑵ 被告らの主張争う。 3 取消事由2(拡大先願・甲2)(争点3)について⑴ 原告の主張 上記2⑴と同じ。 ⑵ 被告らの主張上記2⑵と同じ。 第4 当裁判所の判断 1 当裁判所は、本件審決に判断の誤りはなく、原告の請求は理由がないものと 判断する。その理由は、次のとおりである。 2 争点1(本件発明の優先日)について本件特許は、パリ の判断 1 当裁判所は、本件審決に判断の誤りはなく、原告の請求は理由がないものと 判断する。その理由は、次のとおりである。 2 争点1(本件発明の優先日)について本件特許は、パリ条約による優先権を主張しているところ、パリ条約4条A項は、いずれかの同盟国において正規に特許出願をした者に優先権を認めている。そして、同条H項は「優先権は、発明の構成部分で当該優先権の主張に係 るものが最初の出願において請求の範囲内のものとして記載されていないことを理由としては、否認することができない。ただし、最初の出願に係る出願書類の全体により当該構成部分が明らかにされている場合に限る。」旨規定している。すなわち、本件発明について、第1優先基礎出願に基づくパリ条約による優先権の主張が認められるかどうかは、特許請求の範囲だけではなく、実質 的にみて第1 出願書類の明細書を含む出願書類全体に記載されていると認めら れる事項に基づき判断すべきものである。仮に本件発明が第1出願書類全体の記載に本件優先日当時の当業者の技術常識を組み合わせたとしても当業者において実施することができなかった発明であると認められる場合は、本件発明は、第1出願書類の全体に記載されていた事項であるとは認められず、パリ条約による優先権の主張の効果は認められないというべきである。したがって、本件 発明が、実質的に第1出願書類の全体に記載されていると認められるためには、当業者が第1 出願書類の全体の記載及び本件優先日当時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤等を要さずに本件発明を実施することができたと認められる必要がある。 そこで、以上を踏まえて、検討する。 2-1 本件発明について⑴ 前記第2の3のとおり、本件発明に係る特許請求の範囲は、別紙 ずに本件発明を実施することができたと認められる必要がある。 そこで、以上を踏まえて、検討する。 2-1 本件発明について⑴ 前記第2の3のとおり、本件発明に係る特許請求の範囲は、別紙「特許請求の範囲の記載」のとおりである。 ⑵ 本件発明は、侵入する外来DNAを切断する原核生物の免疫システム(CRISPR/Cas9 システム)を利用し、DNA標的化RNA及びCas9 ポリペ プチドからなる複合体を真核生物細胞内の標的DNAに接触させることにより、標的DNAを切断する方法等の発明である。その概要は、別紙「本件発明の概要」記載のとおりである。本件明細書(甲33)には、「DNA標的化RNA」と「部位特異的修飾ポリペプチド」の複合体により標的DNAを切断することができること、使用する部位特異的修飾ポリペプチドがCas9 である場合、標的DNA内の部位特異的切断は、DNA標的化RNAと標的DNAの間の塩基対形成の相補性、および、標的DNA内のプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM配列)の両方によって決定される位置で起きること、PAM配列は、Cas9 の種類によって異なること、部位特異的修飾ポリペプチドは、核に標的化するための核局在化シグナル(NLS)を含み得ること、 部位特異的修飾ポリペプチドは、コドン最適化され得ること、実施例として、 ヒト細胞の標的部位における二重鎖DNA切断が確認されたこと等が開示されている。 2-2 第1出願書類の記載事項について⑴ 第1出願書類(甲3、乙116)には、別紙「第1出願書類の記載(抜粋)」のとおりの記載があり、これによれば、その記載事項の概要は、次の とおりである(以下、2-2における文中の[ ]内の数字は、第1出願書類の訳文(乙116)の段落番号を示し、 書類の記載(抜粋)」のとおりの記載があり、これによれば、その記載事項の概要は、次の とおりである(以下、2-2における文中の[ ]内の数字は、第1出願書類の訳文(乙116)の段落番号を示し、「図」は第1出願書類の図を指す。)。 ア背景近年、特定のDNA配列を標的とするように設計された操作されたヌク レアーゼ酵素は、細胞および生物全体の遺伝子操作のための強力なツールとしてかなりの注目を集めており、標的遺伝子の欠失、置換および修復、ならびにゲノムへの外因性配列(導入遺伝子)の挿入を可能にする。部位特異的DNAヌクレアーゼを操作するための2つの主要な技術が出現してきており、これらは両方とも、配列非特異的DNAエンドヌクレアーゼド メインが操作されたDNA結合ドメインに融合されるキメラエンドヌクレアーゼ酵素の構築に基づいている。しかし、それぞれの新しいゲノム遺伝子座を標的とするには、新しいヌクレアーゼ酵素の設計が必要であり、これらのアプローチは時間と費用の両方を必要とする([0001])。 イ解決しようとする課題 各新規な標的配列に対する新規なタンパク質の設計を必要としない様式で、標的DNA内の異なる位置へのヌクレアーゼ活性(または他のタンパク質活性)の正確な標的化を可能にする技術が、当該分野において必要とされている([0002])。 ウ課題を解決する手段 第1優先基礎出願の発明は、「標的DNA」を「DNA標的化RNA」 及び「部位特異的修飾ポリぺプチド」を含む複合体と接触させることにより、標的DNAを部位特異的に修飾するというものである(請求項54、概要[0003]、詳細な説明[0072]、方法[00155])。 エ発明を実 リぺプチド」を含む複合体と接触させることにより、標的DNAを部位特異的に修飾するというものである(請求項54、概要[0003]、詳細な説明[0072]、方法[00155])。 エ発明を実施するための形態(ア) 標的DNA 標的DNAは、動物細胞、植物細胞等の真核細胞の細胞内の染色体の一部であり得る(請求項58、61~69、目的の標的細胞[00165])。 (イ) DNA標的化RNADNA標的化RNAは、DNA標的化セグメント(標的DNA内の配 列に対し相補的なヌクレオチド配列を含む。)及びタンパク質結合セグメント(ハイブリダイズして二本鎖RNA(dsRNA)を形成する互いに相補的な2つのヌクレオチドの範囲を含む。)を含む。DNA標的化セグメントは、ハイブリダイゼーション(すなわち、塩基結合)を介して配列特異的な様式で標的DNAと相互作用することにより、「タン パク質結合セグメント」に結合した部位特異的修飾ポリペプチドを、標的DNA内の特定のヌクレオチド配列に導く([0073][0074][0076]、図1、[0004])。 また、DNA標的化RNAは、crRNA(標的化RNA。DNA標的化セグメント一本鎖と、タンパク質結合セグメントの二本鎖RNAの 半分を形成するヌクレオチドの伸長の両方を含む。)と、これに対応するtracrRNA(活性化RNA。タンパク質結合セグメントの二本鎖RNAの残りの半分を形成するヌクレオチドの範囲を含む。)を含んでおり、これらの2つのヌクレオチドが別個のRNA分子である二分子DNA標的化RNAと、2つのヌクレオチドがリンカーによって連結さ れた単一分子DNA標的化RNAがある([0078][0079][008 3] チドが別個のRNA分子である二分子DNA標的化RNAと、2つのヌクレオチドがリンカーによって連結さ れた単一分子DNA標的化RNAがある([0078][0079][008 3] [0087][0116]~[0119]、図1A、B、[0004])。 そして、さまざまな生物種のtracrRNAとそれに対応するcrRNAの二本鎖形成セグメントの各ヌクレオチド配列等を開示する([0009]~[0012]、図6~9)。 図1 (ウ) 部位特異的修飾ポリペプチド部位特異的修飾ポリペプチドは、ヌクレアーゼであり(請求項73~ 76)、例示的な天然の部位特異的修飾ポリぺプチドは、天然に存在するCas9 ポリペプチド(Cas9/Csnl エンドヌクレアーゼ)である([0091][0092])。これは、DNA標的化RNAと結合することにより、標的DNA内の特定の配列に向けられ、当該ポリペプチドが標的DNAを切断するヌクレアーゼ活性を示すものであるときは、部位特異的修飾 ポリペプチドは標的DNAを切断して二重鎖切断を生成する([008 9][0092][00157])。各種細菌由来のCas9 ポリペプチドのアミノ酸配列は開示されている([0096]図2、[0005]、図12[0015])。 (エ) DNA標的化RNAと部位特異的修飾ポリペプチドの細胞への導入方法 DNA標的化RNAと部位特異的修飾ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターにより、DNA標的化RNAと部位特異的修飾ポリペプチドを細胞に導入することができる。発現ベクターは、市販されているものを含め多数の適切なもの ペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターにより、DNA標的化RNAと部位特異的修飾ポリペプチドを細胞に導入することができる。発現ベクターは、市販されているものを含め多数の適切なものが当業者に知られており、宿主細胞に適合している限り、任意の他のベクターを使用することがで きる([00120]~[00124][00167]~[00170][00174])。 利用される宿主/ベクター系に依存して、プロモーターやエンハンサーエレメント等を含む適切な転写等エレメントのいずれかが、発現ベクターに使用され得る([00125]~[00128][00171][001 72][00176])。発現ベクターを宿主細胞に導入する方法は、感染、リポフェクション、エレクトロポレーションなど、当該技術分野において公知の方法を使用することができる([00129][00175])。 DNA標的化RNA、部位特異的修飾ポリペプチドを、RNAとして細胞に導入してもよい。核酸を細胞に導入するための周知の技術(マイ クロインジェクション、エレクトロポレーション等)によって、RNAとして細胞に導入され得る([00173][00174][00177])。 部位特異的修飾ポリペプチドは、ポリペプチドとして細胞に提供されてもよく、必要に応じて、生成物の溶解性を増大させるポリペプチドドメインに融合され得る。ポリペプチド浸透性ドメインに融合させて、細 胞による取り込みを促進してもよい([00115][00178][001 79])。 (オ) 遺伝子改変された細胞は、例えば、疾患を治療するため、または抗ウイルス、抗病原性、もしくは抗がん治療薬剤としての遺伝子治療等の目的で、農業における遺伝子改変生物の生産のために、または生物学的研究 遺伝子改変された細胞は、例えば、疾患を治療するため、または抗ウイルス、抗病原性、もしくは抗がん治療薬剤としての遺伝子治療等の目的で、農業における遺伝子改変生物の生産のために、または生物学的研究のために、被験体に移植され得る。被験体は、新生児、少年または 成人であり得る、哺乳類の被験体が特に興味深い([00198])。 オ実施例(ア) Streptococcuspyogenes のCas9 ポリペプチドと、3つの異なる標的DNA(A~C)に対して設計されたDNA標的化RNA(二分子DNA標的化RNA、単一分子DNA標的化RNA)の複合体により、切断緩 衝液中で、対応するいずれの標的DNAも切断が確認された([00248]~[00250]、図3A~C、[0006])。 図3 (イ) S.pyogenes、L.lnnocus、S.thermophilus のCas9 ポリペプチドが、同じDNA標的化RNAを利用して、切断緩衝液中で、標的DNAを切断したことが確認された([00252][0008]、図5A~B)図5 2-3 本件優先日当時における知見等⑴ ZFN、TALEN(従来技術)本件優先日以前の従来の遺伝子編集技術には、「ZFN(zinc-fingernucleases、ジンクフィンガーヌクレアーゼ)」「TALEN(Transcriptionactivator-likeeffectornucleases、 転写活性化因子エフェクターヌクレアーゼ)」 がある。こ フィンガーヌクレアーゼ)」「TALEN(Transcriptionactivator-likeeffectornucleases、 転写活性化因子エフェクターヌクレアーゼ)」 がある。これらは、特定のDNA配列を標的とするように設計され操作されたヌクレアーゼ酵素を利用するものであり、配列非特異的DNAエンドヌクレアーゼドメインが操作されたDNA結合ドメインに融合されることでキメラエンドヌクレアーゼ酵素が構築されることに基づいている。これらの技術においては、新しいゲノム遺伝子座を標的とする都度、新しいヌクレアーゼ 酵素の設計が必要となる(甲3、26)。ZFN、TALENなどの原核生物タンパク質及びシステムを標的DNAの切断のために真核生物の宿主細胞に導入するためのトランスフェクション技術は、本件優先日までには慣用的に使用されるに至っていた(乙2の2、27~29 頁)。これらの遺伝子編集技術は、本件優先日までに、ヒト由来の細胞やゼブラフィッシュの細胞に対し て適用されていた(乙87「PrecisiongenomeengineeringwithprogrammableDNA-nickingenzyeme(プログラム可能なDNAニッキング酵素による精密ゲノムエンジニアリング)GenomeResearchVol.22(7)・2012 年4月20 日Web公開」、乙89「High-frequencygenomeeditingusingssDNAoligonucleotideswithzinc-fingernucleases(ジンクフィンガーヌクレアーゼを含む ssDNA オリゴヌクレオチドを使用した高頻度ゲノム編集)NatureMethodsVol.8,NO.9・2011 年7月17 nucleases(ジンクフィンガーヌクレアーゼを含む ssDNA オリゴヌクレオチドを使用した高頻度ゲノム編集)NatureMethodsVol.8,NO.9・2011 年7月17 日Web 公開」、乙91「Efficientconstructionofsequence-specificTALeffectorsformodulatingmammaliantranscription(哺乳類の転写を調節するための配列特異的TALエフェクターの効率的な構築)NatureBiotechnologyVol.29(2)・2011 年1月19 日Web 公開」、乙94「Itrative cappedassembly:rapidandscalablesynthesisofrepeat-moduleDNAsuchasTAL effectorsfromindividualmonomers(反復キャップアセンブリ:個々のモノマーからの TAL エフェクターなどの反復モジュールDNAの迅速かつスケーラブルな合成)NuleicAcidsResearch, 2012,Vol.40,No.15・2012 年6月26 日Web 公開(論文受領は同年4月6日)」、乙96「TargetedgenedisruptioninsomaticzebrafishcellsusingengineeredTALENs(操作されたTALENを使用 した体細胞ゼブラフィッシュ細胞の標的遺伝子破壊)NatureBiotechnologyVol.29,No.8・2011 年8月」)。 ⑵ PAM配列本件優先日前に頒布等された文献には、PAM配列に関して、以下のような記載がある tureBiotechnologyVol.29,No.8・2011 年8月」)。 ⑵ PAM配列本件優先日前に頒布等された文献には、PAM配列に関して、以下のような記載がある。 ア乙15の1及び2・DevakiBhayaら「CRISPR/Cas9 SystemsinBacteriaandArchaea: VersatileSmallRNAsforAdaptiveDefenseandRegulation(細菌と古細菌におけるCRISPR/Cas9システム:適応的防御と制御のための汎用的小分子RNA)」(Annu. Rev. Genet.; Vol. 45, 273-97・2011年12月)同文献には、「成熟crRNAは、Cas9と一体になり、プロトスペーサー配 列のPAMのすぐ近傍で相同性駆動型切断を行うことにより、結合先の侵入性二本鎖DNAに干渉する(30)。プロトスペーサーの3’末端やPAMにおけるミスマッチにより、ファージやプラスミドはCRISPRによりコードされた免疫を回避することができる(24、30)」(281頁右欄13~20行目)、「実際に、スペーサー配列とプロトスペーサー配列が完全に合致し たとしても、PAMにおける変異は、CRISPRによってコードされる免疫を回避し得ることが実証されている(23、30、95)。」(286頁右欄「CRISPRInterference」19~23行目)、「したがって、いくつかの場合には、配列の相違によってもなお認識されることが許容され得るが、他の場合には、ウイルスゲノム中の単一ヌクレオチド変異によってCRISPRによ りコードされる防御が妨害され得る。鍵は、切断部位に対する潜在的なミ スマッチの位置に 許容され得るが、他の場合には、ウイルスゲノム中の単一ヌクレオチド変異によってCRISPRによ りコードされる防御が妨害され得る。鍵は、切断部位に対する潜在的なミ スマッチの位置にあるようである。切断部位から離れた突然変異は活性に影響を与えないが、PAMまたは切断部位のすぐ近くに存在するミスマッチは強い影響を有する(18、30、97)。」(287頁右欄20~30行目)、などの記載がある。これらによれば、PAM配列における変異・ミスマッチにより、CRISPRによりコードされる免疫が回避されることになるから、 PAM配列が標的DNAの切断に必要であることが開示されているということができる。 イ乙16・KiraS. Makarovaら「EvolutionandclassificationoftheCRISPR/Cas9systems (CRISPR/Cas9 システムの進化と分類)」(NatureReviewsMicrobiology; Vol. 9, 467-477・2011年5月9日Web公開) 同文献には、「II 型システムでは、crRNA と結合したCas9 は、侵入DNAをおそらく直接に標的とし、その過程にはPAMが必要である。」(468 頁右欄10~12 行目)との記載があり、図1において標的DNA(Proto-spacer)のすぐ側にPAM(赤色部分)が存在することが示されている。 同文献の図1 ウ乙19 の1及び2・PhilippeHorvath ら「CRISPR/Cas,theImmuneSystemof BacteriaandArchaea(C ウ乙19 の1及び2・PhilippeHorvath ら「CRISPR/Cas,theImmuneSystemof BacteriaandArchaea(CRISPR/Cas 細菌及び古細菌の免疫システム)」(Science; Vol. 327 (5962), 167-170・2010 年1 月8 日)同文献には、「プロトスペーサーに隣接するファージ配列の分析により、CRISPR モチーフ(13、16、18、19、33、34)またはプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)(35)と呼ばれる保存配列の存在が明らかになった。 ファージはまた、CRISPR モチーフ(18)を変異させることによってCRISPR/Cas システムを回避することができ、このことは、CRISPR モチーフがCRISPR によってコードされる免疫に関与することを示す。さらに、CRISPR モチーフ変異は、CRISPR スペーサー(34)が一致するにもかかわらず、ファージ耐性の喪失をもたらし得る。CRISPR 遺伝子座において このモチーフが存在しないことにより、システムが侵入する標的DNAに特異的に作用することが可能になり、宿主染色体に対する「自己免疫」応答を妨げる可能性が高い…」(169 頁右欄15~30 行目)との記載がある。 これによれば、PAM配列(CRISPR モチーフ)を変異させることによってCRISPR/Cas9 システムを回避することができ、PAM配列が CRISPR/Cas9 システムによる免疫効果(標的DNAの切断)を得るために必要な存在であることが開示されている。 エ乙21 の1及び2・RimantasSapranauskas ら「TheStreptococcustherm 効果(標的DNAの切断)を得るために必要な存在であることが開示されている。 エ乙21 の1及び2・RimantasSapranauskas ら「TheStreptococcusthermophilusCRISPR/CassystemprovidesimmunityinEscherichiacoli(ストレプトコッカス・サーモフィルスの CRISPR/Cas システムは大腸菌に免 疫を提供する)」(NucleicAcidsResearch; Vol. 39 (21), 9275-9282・2011 年 8 月3 日Web 公開)同文献には、「プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)の近傍または内部の変異によって、プラスミドがCRISPR でエンコードされた免疫から逃れることができることを示す。」(9275 頁「ABSTRACT」の17~21 行 目)との記載があり、同様にPAM配列がCRISPR/Cas システムによる免 疫効果(標的DNAの切断)を得るために必要な存在であることが開示されている。 オ乙24の1及び2・HélèneDeveauら「PhageResponsetoCRISPR-EncodedResistanceinStreptococcusthermophilus(ストレプトコッカス・サーモフィルスにおけるCRISPRコード耐性に対するファージ反応)」(Journalof Bacteriology; Vol. 190 (4), 1390-1400・2007年12月7日先行公開)同文献には、「興味深いことに、分析した20個の変異ファージのうちの7個は、プロトスペーサーに変異を有さなかったが、AGAA隣接配列に変異を有した。この配列 007年12月7日先行公開)同文献には、「興味深いことに、分析した20個の変異ファージのうちの7個は、プロトスペーサーに変異を有さなかったが、AGAA隣接配列に変異を有した。この配列は、S.thermophilusにおけるCRISPR1媒介性ファージ耐性において重要な役割を果たすようである。なぜなら、この配列内の 変異により、ファージはCRISPR1を介した抵抗を逃れることができる。」(1399頁右欄23~28行目)との記載があり、プロトスペーサーの隣接配列(PAM配列)の変異により、ファージがCRISPRを介した抵抗を逃れること(PAM配列が標的DNAの切断に必要であること)が開示されている。 カ乙25の1及び2・MichaelP. Ternsら「CRISPR-BasedAdaptiveImmuneSystems(CRISPRに基づく適応免疫システム)」(Curr. Opin. Microbiol.;Vol. 14 (3), 321-327・2011年6月)同文献には、「3. インベーダーサイレンシング ― crRNAはエフェクター複合体に組み込まれ、複合体を侵入核酸に導く(塩基対相互作用を介し て)。サイレンシングは、DNAまたはRNAレベルで起こり得、DNA標的化は、CRISPR-Casシステムの少なくとも一要素として標的DNAにおけるPAMを必要とする[4~9、26、51]。」(4頁4~7行目)、「DNAターゲティングシステムの場合、その経路が自身のCRISPR内の対応するスペーサー(侵入者のプロトスペーサーと一致する)をターゲテ ィングしないことが重要である。PAMは、自己と非自己を区別するため の1つのメカニズムを提供する。PAMは、いくつかの るスペーサー(侵入者のプロトスペーサーと一致する)をターゲテ ィングしないことが重要である。PAMは、自己と非自己を区別するため の1つのメカニズムを提供する。PAMは、いくつかの系によるサイレンシングに重要であり[6、7、51]、侵入DNA中のCRISPR-Casシステムによって認識されるPAMは、CRISPR中の、潜在的標的に隣接するリピート配列中には存在しない。」(4頁25~29行目)との記載があり、図1には、インベーダーサイレンシングにおいては、エフェクター複合体 がPAMを目印に外来核酸を認識し、切断することが示されている。これらによれば、侵入DNAの切断には、PAM配列が必要であり、PAM配列は自己と非自己を区別するメカニズムの一つであり、CRISPR中の潜在的標的に隣接するリピート配列中にはPAM配列が存在しないことが開示されている。 同文献の図1 キ乙183・HélèneDeveauら「CRISPR/CasSystemandItsRoleinPhage-BacteriaInteractions(ファージと細菌の相互作用におけるCRISPR/Cas9シス テムとその役割)」(AnnuRevMicrobiol. 2010; 64: 475-493・2010年6月)同文献には、「PAM における変異は、S.thermophilus(25)に示されているように、ファージ耐性の損失をもたらす。…したがって、CRISPR遺伝子座にPAM が存在しないことは、自己免疫応答を回避する(43)。」(487頁11~20行目)、「3.CRISPR/Casシステムは、アダプテ ーションと干渉の少なくとも2つの段階に分けるこ 子座にPAM が存在しないことは、自己免疫応答を回避する(43)。」(487頁11~20行目)、「3.CRISPR/Casシステムは、アダプテ ーションと干渉の少なくとも2つの段階に分けることができる。」「5.PAMはメカニズムの両段階に不可欠である。」(488~489頁、SummaryPoints)との記載がある。これらによれば、PAM配列における変異は、 ファージ耐性の損失、自己免疫応答の回避(切断されない)をもたらし、PAM配列が、CRISPR/Casシステムの干渉(切断)に重要であることが開示されている。 ク乙184・AgnieszkaSzczepankowska「RoleofCRISPR/CasSystemintheDevelopmentofBacteriophageResistance (バクテリオファージ耐性の発現 におけるCRISPR/Casシステムの役割)」(AdvVirusRes. 2012; 82: 289-338・2012年)同文献には、「更なる研究は、これらの領域の単一点変異でさえ、CRISPR 防御機構を十分に損なうことができることを明らかにした(Deveauら2008年、Lillestolら2009年、Mojicaら2009年)。S.thermophilus で 同定されたプロトスペーサーの場合(Deveauら2008年)のように、PAM と関連したプロトスペーサーではCRISPR干渉から逃れるこの手段が観察されていることが言及されるべきである。」(318頁6~11行目)との記載があり、CRISPR防御機構、CRISPR干渉(切断)にPAM配列が関連していることが開示されている。 ケ文献(乙21の1及び2)記載のStreptococ 18頁6~11行目)との記載があり、CRISPR防御機構、CRISPR干渉(切断)にPAM配列が関連していることが開示されている。 ケ文献(乙21の1及び2)記載のStreptococcusthermophilusのCRISPR1、CRISPR3はともにタイプⅡCRISPR/Casシステム(Cas9が干渉とスペーサー獲得に関与している。)に属し、それぞれのPAM配列は、NNAGAAW及びNGGNGである(9276頁左欄11~29行目)。 また、文献(乙24の1及び2)記載のS.thermophilus株(22)由来の CRISPR1におけるPAM配列は、NNAGAAWである(1399頁右欄28~34行目)。 そして、文献(乙20・F. J. M. Mojicaら「ShortmotifsequencesdeterminethetargetsoftheprokaryoticCRISPRdefencesystem(短いモチーフ配列は原核生物CRISPR防御系の標的を決定する)」(Microbiology; Vol. 155 (3), 733-740・2009年3月)には、S. thermophilus のCRISPR-10におけるPAM 配列は、NGGNG であり、Streptococcuspyogenes、S. agalactiae及びListeriamonocytogenes のCRISPR-10 におけるPAM配列は、より短いモチーフ(NGG)であることが記載されている(736頁左欄下から5行目~右欄2行。なお、乙16 及び弁論の全趣旨によれば、「CRISPR-10」はII型CRISPR/Casシステムに対応するものである。)。。 このよう いる(736頁左欄下から5行目~右欄2行。なお、乙16 及び弁論の全趣旨によれば、「CRISPR-10」はII型CRISPR/Casシステムに対応するものである。)。。 このように、本件優先日前において、Cas9の種類によりPAM配列が異なることや、PAM配列の具体列が開示されていた。 ⑶ NLS、コドン最適化本件優先日前に頒布等された文献によれば、NLS又はコドン最適化に関して、以下のとおり認められる。 ア核局在化シグナル(NLS)本件優先日前の文献(乙36〔YannickDoyonら・NatureBiotechnology;Vol. 26 (6), 702-708及びSupplementaryInformation・2008年5月25日Web公開〕、乙69〔ClaudioMussolinoら・NucleicAcidsResearch; Vol. 39 (21),9283-9293・2011年8月3日Web公開〕、乙72〔LeafHuangら・Nonviral VectorsforGeneTherapy; Chapter 7, 139-142, 147-153・1999年。「…DNA にNLS を提供することにより、DNA 核輸送を増加させる」などの記載がある。〕、乙73〔AnnabethFieckら・NucleicAcidsResearch; Vol. 20 (7),1785-1791・1992年4 月〕、乙75 〔S. B. Primrose ら・PrinciplesofGeneManipulationandGenomics; SeventhEdition, 233- 235・2006年〕、乙76〔米 国特許商標庁・米国特許出願 nciplesofGeneManipulationandGenomics; SeventhEdition, 233- 235・2006年〕、乙76〔米 国特許商標庁・米国特許出願公開第2010/0076057号公報・2010年3月25日公開〕、乙77〔EdwardJ. Rebarら・NatureMedicine; Vol. 8 (12), 1427-1432・ 2002 年11 月4 日Web 公開〕、乙78 〔TomasCermak ら・NucleicAcidsResearch; Vol. 39 (12), e82, 1-11・2011年4月14日Web公開〕)によれば、本件優先日において、タンパク質を効率よく染色体が存在する核内へ輸送す るために、タンパク質に1つ以上の核局在化シグナル(NLS)を付加す る技術は、周知慣用技術であったことが認められる(乙2の2、29~31頁)。 なお、本件優先日後の文献(乙101 〔JohnA. Zuris ら・NatureBiotechnology; Vol 33 (1), 73-80及びSupplementaryInformation・2014年10月〕、乙145〔BinShenら・CellResearch; Vol. 23 (5), 720-723・2013年4月2 日Web公開〕、乙146〔日本国特許庁・特表2016-505256・2016年2月15日公表〕)によれば、NLSを有しなくてもCas9による標的DNAの切断(ゲノム編集)が可能であったことが報告されている。 イコドン最適化本件優先日前の文献(乙75 〔S. B. Primrose ら・PrinciplesofGene ManipulationandGenom とが報告されている。 イコドン最適化本件優先日前の文献(乙75 〔S. B. Primrose ら・PrinciplesofGene ManipulationandGenomics; SeventhEdition, 233- 235・2006年「発現宿主のために導入遺伝子を『コドン最適化』する」などの記載がある。〕、乙76〔米国特許商標庁・米国特許出願公開第2010/0076057号公報・2010年3月25日公開〕、乙79〔ClaesGustafssonら・TrendsinBiotechnology; Vol. 22 (7),346-353・2004年7月4日「コードされたタンパク質のアミノ酸配列を変更 することなく、宿主のコドン使用をより厳密に反映するように、標的遺伝子のまれなコドンを変更すること…を達成するための技術」などの記載がある。〕、乙80〔StaceyS. Pattersonら・J. Ind. Microbiol. Biotechnol.; Vol. 32(3), 115-123・2005年3月11日Web公開〕、乙81〔CRIIIら・GeneTherapy;Vol. 12 (10), 795-802・2005年4月〕、乙82〔HuirongGaoら・ThePlant Journal; Vol. 61 (1), 176-187・2009年11月9日Web公開〕、乙84〔VipulaK.Shuklaら・Nature; Vol. 459 (7245), 437-441及びSupplementaryInformation・2009年4月29日Web公開「植物での発現を最適化するように設計されたコドン利用パターンを含むように改変され…」などの記載がある。〕、乙180〔Ala ementaryInformation・2009年4月29日Web公開「植物での発現を最適化するように設計されたコドン利用パターンを含むように改変され…」などの記載がある。〕、乙180〔AlanVillalobosら・BMCBioinformatics; Vol.7 (285)・2006年6月6日〕) 等によれば、本件優先日当時において、外来遺伝子を宿主細胞内で効率よ く発現させるために、宿主細胞に応じてコドンを最適化する技術が利用されており、周知慣用技術であったことが認められる(乙2の2、31~32頁)。 なお、本件優先日後の文献(乙144〔TakuyaNakayamaら・Genesis: TheJournalofGeneticsandDevelopment; Vol. 51 (12), 835-843・2013年12月〕「2 つのCas9 バリエーション、一方は元々の細菌のコドンを利用したもの…、他方は哺乳類遺伝子に最適化されたコドンを代わりに利用する「ヒト化」Cas9…であって…これらの両方とも、ゼブラフィッシュのゲノムを編集することに成功した」などの記載がある。)によれば、コドン最適化をしなくてもゲノム編集が可能であったことが報告されている。 2-4 真核生物への適用本件発明者らが第1優先基礎出願に係るCRISPR/Cas9システムを刊行物(乙12・MartinJinek ら・Science; Vol. 337 (6096), 816-821 及びSupplementaryInformation・2012年6月28日)に発表した後、約半年余りのうちに、多くの研究者により、これを真核細胞に適用しゲノム編集をすることができたことが報 告された(乙88「Cas9RNAガイド rmation・2012年6月28日)に発表した後、約半年余りのうちに、多くの研究者により、これを真核細胞に適用しゲノム編集をすることができたことが報 告された(乙88「Cas9RNAガイドエンドヌクレアーゼを用いたヒト細胞における標的化ゲノム工学」〔SeungWooCho 、Jin-SooKim ら・NatureBiotechnology; Vol. 31 (3), 230-232及びSupplementaryInformation・2013年1月29日Web公開・ヒト細胞〕、乙90「RNA誘導エンドヌクレアーゼを用いてゲノムを改変するための方法および試薬」〔米国特許商標庁・米国仮特許出願番号第 61/734,256号明細書・2012年12月6日出願・ヒト細胞(KT562)〕、乙93「CRISPR関連哺乳類ゲノム工学」〔LeCong 、FengZhang ら・CRISPR-AssistedMammalianGenomeEngineering(Science誌への投稿原稿)・2012年10月5日・哺乳類〕、乙95「Cas9を介したRNAガイド型ヒトゲノム工学」〔PrashantMali、GeorgeM. Churchら・Science; Vol. 339 (6121), 823-826・2013年1月3日Web公開 ・ヒト細胞〕、乙97「CRSPR-Casシステムを使用したゼブラフィッシュの効率 的なゲノム編集」〔WoongYHwang、JKeithJoungら・NatureBiotechnology;Vol. 31 (3), 227-229及びSupplementaryInformation・2013年1月29日Web公開・ゼブラフィッシュ〕、乙98の1及び2「ヒト細胞で編集を ology;Vol. 31 (3), 227-229及びSupplementaryInformation・2013年1月29日Web公開・ゼブラフィッシュ〕、乙98の1及び2「ヒト細胞で編集を行うRNAプログラムゲノム」〔MartinJinekら・eLIFE; Vol. 2, e00471・2013年1月29日・ヒト細胞〕、乙99の1及び2「CRISPR/Casを用いた多重ゲノム工学」〔LeCong、Feng Zhangら・Science; Vol. 339 (6121), 819-823及びSupplementalMaterial・2013年1月3日Web公開・ヒト細胞・マウス細胞〕)。 2-5 検討⑴ 第1出願書類の開示内容ア前記2-2⑴のとおり、第1出願書類に開示された発明は、細胞及び生 物全体の遺伝子操作のため特定のDNA配列を標的とするように設計・操作されたヌクレアーゼを用いる方法である従来技術に代えて、各新規な標的配列ごとに新規なタンパク質(ヌクレアーゼ)の設計を要することなく、標的DNAへのヌクレアーゼ活性の正確な標的化を可能にするという課題を解決する技術を提供するものである(前記2-2⑴ア、イ参照)。 そして、課題解決手段として、「標的DNA」を、「DNA標的化RNA」及び「部位特異的修飾ポリぺプチド」を含む複合体と接触させることにより、標的DNAを部位特異的に修飾するという技術が開示されている(CRISPR/Cas9 システム。前記2-2⑴ウ参照)。 さらに、当該技術に関し、「標的DNA」が真核細胞の細胞内染色体で あり得ること、「DNA標的化RNA」には2つのセグメントがあり、「DNA標的化セグメント」は、標的DNA内の配列に対し相補的なヌクレオチド配列を含み、ハイ NA」が真核細胞の細胞内染色体で あり得ること、「DNA標的化RNA」には2つのセグメントがあり、「DNA標的化セグメント」は、標的DNA内の配列に対し相補的なヌクレオチド配列を含み、ハイブリダイズして標的DNAと相互作用することで部位特異的修飾ポリペプチドを標的DNAに導くものであり、「タンパク質結合セグメント」は、ハイブリダイズして二本鎖RNAを形成する互 いに相補的なヌクレオチドを含み、部位特異的修飾ポリペプチドと結合す るものであること、「部位特異的修飾ポリペプチド」は、天然の各種細菌由来のCas9 ポリペプチドアミノ酸配列であり、これが「DNA標的化RNA」の「タンパク質結合セグメント」と結合して複合体となり、「DNA標的化RNA」の「DNA標的化セグメント」の標的DNAとの前記ハイブリダイズにより、複合体が標的DNA内の特定の配列に導かれ、複合 体のCas9 ポリペプチドのヌクレアーゼ活性により、標的DNAを部位特異的に二重鎖切断することが開示されている(前記2-2⑴エ(ア)~(ウ)参照)。 そして、実施例においては、実施例1では、3つの異なる標的DNA(A~C)に、DNA標的RNA(DNA標的化セグメントとタンパク質 結合セグメントを含むもの)と部位特異的修飾ポリペプチド(S.pyogenes由来のCas9 ポリペプチド)を緩衝液中で複合体としたものを添加したところ、標的DNAを部位特異的に切断することができたこと(図3)、実施例2では、共通の標的DNAに、由来の異なるCas9 ポリペプチド及び共通のDNA標的化RNA(DNA標的化セグメントとタンパク質結合セ グメントを含むもの)を添加したところ、いずれも標的DNAの切断が示されたこと(図5)が、それぞれ実験結果に基づいて記載 び共通のDNA標的化RNA(DNA標的化セグメントとタンパク質結合セ グメントを含むもの)を添加したところ、いずれも標的DNAの切断が示されたこと(図5)が、それぞれ実験結果に基づいて記載されている(前記2-2⑴オ参照)。 このように、第1出願書類には、標的DNAを部位特異的に修飾するCRISPR/Cas9 システム(DNA標的化RNAと部位特異的修飾ポリペプチ ドの複合体)の構成と各構成要素の構造や作用、標的DNAの切断(二本鎖切断)に至る機序・仕組みについて具体的に記載されている。また、実施例により、複合体を作成し標的DNAを切断することができることも具体的に示されている。 イ他方、部位特異的DNAヌクレアーゼを操作するための主要な従来技術 には「ZFN」「TALEN」があるところ、前記2-3⑴のとおり、こ れらの技術に関する研究では、本件優先日前に既にヒト細胞等の真核細胞のDNAを標的とする遺伝子操作が研究・実施されていた(乙87、89、91、94、96)。第1出願書類においても、遺伝子改変された細胞の使用態様として、疾患治療・遺伝子治療等の目的や、農業における遺伝子改変された生物の生産や生物学的研究等の目的のために使用されることが 記載され、ヒトや哺乳類等に使用されることが述べられている(前記2-2⑴エ(オ))。 また、第1出願書類では、CRISPR/Cas9(DNA標的化RNAと部位特異的修飾ポリペプチド)を細胞内に導入する方法として、これらをコードするヌクレオチドを含む任意の発現ベクターを、公知の方法(感染、リポ フェクション、エレクトロポレーション等)で細胞に導入することができること、これらをRNAとして、周知の技術(マイクロインジェクション、エレクトロポレーション等) を、公知の方法(感染、リポ フェクション、エレクトロポレーション等)で細胞に導入することができること、これらをRNAとして、周知の技術(マイクロインジェクション、エレクトロポレーション等)で細胞に導入することができること、Cas9ポリペプチドは、必要に応じて生成物の溶解性を増大させるポリペプチドドメインを融合させたり、浸透性ドメインに融合させたりして、細胞によ る取り込みを促進してもよいことなど、発現ベクターやRNA、ポリペプチド等を細胞に導入する周知の技術的手段を使用することができることが、それぞれ具体的に記載されている(前記2-2⑴エ(エ))。 このように、第1出願書類においては、標的DNAを部位特異的に修飾するCRISPR/Cas9 システム(DNA標的化RNAと部位特異的修飾ポリペ プチドの複合体)について、これを細胞内に導入する方法等に関し従前からの周知の技術による方法を記載しているのみならず、CRISPR/Cas9 システムの適用対象についても、従来技術の適用対象を踏まえ、真核細胞が言及され、想定されていたということができる。 ウ以上のとおり、第1出願書類には、遺伝子操作に関する従来技術に代わ り得る技術を提供するものとして、標的DNAを部位特異的に修飾する CRISPR/Cas9 システム(DNA標的化RNAと部位特異的修飾ポリペプチドの複合体)の技術が開示され、その構成や、複合体の作成・細胞内への導入の方法(真核細胞に対するものを含む。)、その標的DNAの切断の機序が具体的に記載されている。 これらの記載によれば、第1出願書類には、CRISPR/Cas9 システムを真 核細胞内の標的DNAに適用するという技術的思想が開示され、本件優先日当時の周知技術と組み合わせれば されている。 これらの記載によれば、第1出願書類には、CRISPR/Cas9 システムを真 核細胞内の標的DNAに適用するという技術的思想が開示され、本件優先日当時の周知技術と組み合わせれば実施することが可能な程度に本件発明の具体的な説明が記載されていたものと認めるのが相当である。 ⑵ 原告の主張(PAM配列)についてア原告は、第1出願書類全体において、PAM配列に関する記載はなく、 本件優先日時点で、文献においても、PAM配列が真核細胞内の標的DNA配列を切断するのに必要であることは、何ら記載されていないから、周知技術とはならないなどと主張する。 イしかしながら、PAM配列に関しては、被告らが挙げる文献(乙15、19、25)を含め、本件優先日時点で多くの文献によって言及されており、 PAM配列が、細菌の免疫システムにおいて自己と非自己を区別するだけでなく、標的DNAの切断のプロセスに関係しており、標的DNAの切断のためには、標的DNAの配列の下流にPAM配列が存在することが必要であり、PAM配列が変異するとCRISPR/Cas システムによる標的DNAの切断に影響が出ることなどが開示されている(前記2-3⑵参照)。す なわち、細菌(原核生物)のCRISPR/Cas システムを利用したDNA切断にPAM配列が必要であることは、本件優先日当時、多くの文献に記載されており、当業者には周知であったということができる。 さらに、文献によれば、Cas9 の種類によりPAM配列が異なることや、PAM配列の具体列が開示されている。タイプⅡCRISPR/Cas システムに属 するS.thermophilus のCRISPR1、CRISPR3のPAM配列は、NNAGAAW 及びNGGNG、CRIS 示されている。タイプⅡCRISPR/Cas システムに属 するS.thermophilus のCRISPR1、CRISPR3のPAM配列は、NNAGAAW 及びNGGNG、CRISPR-10のPAM配列は、NGGNGであり、Streptococcuspyogenes、S. agalactiae 及びListeriamonocytogenes のCRISPR-10 のPAM配列は、より短いモチーフであるNGG であるとされる(前記2-3⑵ケ参照)。第1出願書類には、PAM配列について明示的に言及した部分はないものの、その実施例であるS.pyogenes のCas9 による切断緩衝液中の 実験を説明するために掲載された図3C(実施例1)及び図5B(実施例2)の標的DNAの配列は、いずれも各図中の非標的鎖と記載された鎖(ターゲッターRNAのDNA標的化セグメントと相補鎖を形成している部分の非標的鎖)の3’側にNGG を含むものであり、前記文献上の知見に整合する構造が示されている。したがって、Cas9の種類によりPAM配 列が異なることや、その具体的な配列も、本件優先日には明らかにされていた事項である。 CRISPR/Cas9システムは、自然界に存在する部位特異的修飾ポリペプチド(Cas9)の属性を利用し、標的のDNAを切断する仕組みである。本件優先日当時、同仕組みを利用してDNAを切断する場合に原核細胞におい てのみPAM配列が必要であり、真核細胞においては不要になると考えることが通常であったことを窺わせるような事情も見当たらない。そうすると、本件優先日当時、真核細胞において、CRISPR/Cas9システムを利用してDNAを切断する際も、標的DNA配列の下流にPAM配列が存在する必要があるということは、 事情も見当たらない。そうすると、本件優先日当時、真核細胞において、CRISPR/Cas9システムを利用してDNAを切断する際も、標的DNA配列の下流にPAM配列が存在する必要があるということは、当業者にとって容易に予測し、確認することが できた事項というべきである。 なお、原告は、PAM配列の認識とCas9タンパク質による切断の関連性を導き出すことはできないなどと主張する。しかし、前記のとおり、本件優先日前の文献上PAM配列の存在が知られていたのみならず、PAM配列の不存在又は変異が免疫効果(標的DNAの切断)を妨げるという関 連性が知られていたのであるから、CRISPR/Cas9システムにおいて標的D NAの切断を成功させるためにPAM配列の存在が必要であることを当業者において推認することが困難であったとは認められない。 また、原告は、本件における当業者は、CRISPR/Cas9システム自体を研究している者ではなく、同システムを遺伝子改変のための実験等に利用する分子生物学分野の一般的研究者、学生等を基準とすべきであることを前 提として、本件優先日当時、PAM配列の知見が当業者の技術常識であったということはできないなどと主張する。 しかしながら、CRISPR/Cas9システムを遺伝子改変のための実験等に利用しようとするのであれば、そのシステムの仕組みは重要な前提事項であるから、分子生物学分野の一般的研究者、学生等であっても、当該システ ムに関し既に公表され、一定期間を経過した文献を通じて得られる程度の知識は、通常の知識として有しているものと考えられる。このことは、本件優先日後、CRISPR/Casシステムを利用し、Cas9ヌクレアーゼによりヒト及びマウス細胞で遺伝子座の正確な切断をすることができ 識は、通常の知識として有しているものと考えられる。このことは、本件優先日後、CRISPR/Casシステムを利用し、Cas9ヌクレアーゼによりヒト及びマウス細胞で遺伝子座の正確な切断をすることができたことを明らかにした論文(乙99の1及び2「CRISPR/Casを用いた多重ゲノム工学」 2013年1月3日Web公開)の著者らが、その注22及び23において、それぞれ本件優先日前にPAM配列の存在について触れていた論文(乙24の1及び2,「ストレプトコッカス・サーモフィルスにおけるCRISPRコード耐性に対するファージ反応」(JournalofBacteriology;Vol.190(4),1390,2007年12月7日)及び乙20,「短いモチーフ配列は原核生物のCRISPR防御系システムの 標的を決定する 」(Microbiology;Vol.155(3),733,2009年3月))を引用していることからも窺うことができる。そして、PAM配列に関する前記の文献の数及びその内容の具体性に照らせば、原告の主張するような者を当業者と解したとしても、本件優先日前に明らかにされていたPAM配列に関する知見を当業者にとっての周知技術又は技術常識として考慮することは妨 げられないというべきである。原告の主張は採用することができない。 ウ以上によれば、本件優先日において、CRISPR/Cas9システムにおけるPAM配列の存在及びその役割は当業者の技術常識の範疇に属するものであったと認めるのが相当であり、原告の主張を採用することはできない。 ⑶ 原告の主張(NLS、コドン最適化)についてア原告は、本件優先日時点で、NLS・コドン最適化は、周知技術ではな かったなどと主張する。 イしかしながら、前記のと ことはできない。 ⑶ 原告の主張(NLS、コドン最適化)についてア原告は、本件優先日時点で、NLS・コドン最適化は、周知技術ではな かったなどと主張する。 イしかしながら、前記のとおり、本件優先日において、タンパク質を効率よく染色体が存在する核内へ輸送するために、核局在化シグナル(NLS)を付加する技術が利用されていたことが認められるから、NLSは周知慣用技術であったというべきである(前記2-3⑶)。 また、前記のとおり、本件優先日において、外来遺伝子を宿主細胞内で効率よく発現させるために、宿主細胞に応じてコドンを最適化する技術が利用されていたことが認められるから、コドン最適化についても周知慣用技術であったというべきである(前記2-3⑶)。 なお、そもそも、NLSを有さず、又はコドン最適化を実施しなくても、 Cas9による標的DNAの切断(ゲノム編集)が可能であったことが認められるから、CRISPR/Cas9システムに必須の技術であったとはいい難い(前記2-3⑶)。 ウよって、本件優先日の時点で、CRISPR/Cas9システムにおいて、NLS及びコドン最適化は、必須の技術ではなかったが、いずれも、多くの文献 において実施が報告されており、CRISPR/Cas9システムにも応用可能な周知技術であったと認めるのが相当である。よって、原告の主張を採用することはできない。 ⑷ 原告の主張(真核細胞への適用)についてア原告は、本件発明者らは、本件優先日において、真核細胞への適用につ いて実験に成功しておらず、また、CRISPR/Cas9 システムを真核細胞に適 用する場合には、①RNAの分解(甲49~51)、②構成及び複合体の形成と持続性(甲48、49、52、53)、③毒 験に成功しておらず、また、CRISPR/Cas9 システムを真核細胞に適 用する場合には、①RNAの分解(甲49~51)、②構成及び複合体の形成と持続性(甲48、49、52、53)、③毒性(甲40、41、54)、④複雑な真核生物環境でのクロマチン結合DNAの作用の失敗(甲38、48、49、52、55、56、57、60)等の障壁があるから、過度の試行錯誤なく実施することができるものとはいえないなどと主張する。 イしかしながら、本件優先日時点で本件発明者らが実験に成功していなかったというだけで、第1出願書類における本件発明の開示が不十分になるわけではない。第1出願書類の記載に基づき、過度の試行錯誤を要するまでもなく、本件発明を実施することができると認められるのであれば、開示としては十分である。そもそも、生命科学の実験において、実験条件を 変えながら最適な条件を見つけることは通常の試行錯誤の過程であると考えられる。原告が指摘するメールの内容等は、いずれも通常の試行錯誤の過程における仮想的な可能性や懸念について意見交換等しているものにすぎず、それだけでは、当業者において、過度の試行錯誤を要するような障壁があったことを認めることは困難である。 むしろ、本件発明者らが第1優先基礎出願に係るCRISPR/Cas9 システムを刊行物(乙12・2012 年6 月28 日)に発表した後、2012 年10 月から 2013 年1 月までの短期間に、多くの研究者により、CRISPR/Cas9 システムを真核細胞に適用しゲノム編集ができたことが報告されたことが認められる(前記2-4参照)。このことは、当業者において、第1出願書類の記 載に基づき、過度の試行錯誤を要するまでもなく、本件発明を実施することができたことを ができたことが報告されたことが認められる(前記2-4参照)。このことは、当業者において、第1出願書類の記 載に基づき、過度の試行錯誤を要するまでもなく、本件発明を実施することができたことを示すものである。 ウそうすると、CRISPR/Cas9 システムの真核細胞への適用について、仮に、原告の指摘するような問題点があったとしても、過度の試行錯誤を要するものとはいえず、原告の主張を採用することはできない。 ⑸ 原告の主張(実施例の要否)について 原告は、本件発明は、ライフサイエンス分野の先駆的技術に係るものであって効果の予測が難しく、真核細胞への適用には種々の障壁等も存在するから、実施例のない第1出願書類の明細書の記載から、過度の試行錯誤を要することなくCRISPR/Cas9 システムの真核細胞への適用をすることができるとはいえないなどと主張する。 しかしながら、前記のとおり、第1出願書類には、CRISPR/Cas9 システムを真核細胞内の標的DNAに適用するという技術的思想が開示され、本件優先日当時の周知技術と組み合わせれば本件発明を実施することが可能な程度に具体的な記載がされていたと認められる以上、実施例の記載がなくても、なお、本件発明について本件優先日を出願日とする優先権の主張を認めるこ とは妨げられないというべきである。 原告の主張を採用することはできない。 ⑹ 以上によれば、本件発明は、第1出願書類全体の記載及び出願時の技術常識に基づき、実質的にみれば開示されていたというべきであり、本件特許に係る分割出願の対象となった国際特許出願がパリ条約4条C⑴の優先期間内 にされたものであることは当裁判所に顕著であるから、本件発明は、パリ条約4条A⑴により第1優 というべきであり、本件特許に係る分割出願の対象となった国際特許出願がパリ条約4条C⑴の優先期間内 にされたものであることは当裁判所に顕著であるから、本件発明は、パリ条約4条A⑴により第1優先基礎出願に基づく優先権主張の利益を享受することができるものと認められる。 3 取消事由1(拡大先願、甲1)、取消事由2(拡大先願、甲2)⑴ 原告は、本件発明は、出願日(第3優先基礎出願の出願日である平成25 年1月28日)前の外国語特許出願であって、その出願後に国際公開がされたPCT/US2013/074667(国際公開第2014/093622号、特表2016-501531号公報/甲1)の国際出願日(優先基礎出願の出願日平成24年12月12日)における国際特許出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、またこの出願時において、 その出願人が上記外国語特許出願の出願人と同一でもないから、特許法18 4条の13において準用する同法29条の2の規定により、特許を受けることができないと主張する(取消事由1)。 ⑵ また、原告は、本件発明につき、出願日(第3優先基礎出願の出願日である平成25年1月28日)前の外国語特許出願であって、その出願後に国際公開がされたPCT/KR2013/009488(国際公開第2014/ 065596号、特表2016-500003号公報/甲2)の国際出願日(優先基礎出願の出願日平成24年10月23日)における国際特許出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、またこの出願の時において、その出願人が上記外国語特許出願の出願人と同一でもないから、特許法184条の13において準用する同法29条の2の規定により、 特許を受けることができないと主張する(取消 この出願の時において、その出願人が上記外国語特許出願の出願人と同一でもないから、特許法184条の13において準用する同法29条の2の規定により、 特許を受けることができないと主張する(取消事由2)。 ⑶ しかし、前記のとおり、本件発明は、第1優先基礎出願に基づく優先権主張の利益を享受することができるから、特許法184条の13において準用する同法29条の2の規定の適用に当たっては、本件発明が本件優先日(平成24年5月25日)に出願されたものとして取り扱った本件審決の判断に 誤りはない。よって、原告の主張⑴、⑵は前提を欠き、甲1及び甲2に係る各国際特許出願は、いずれも本件発明との関係では、同条の「他の特許出願」に該当しないから、原告の前記各主張は、いずれも採用することができない。 第5 結論以上のとおり、本件審決に判断の誤りはなく、原告の請求は理由がないから、 主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第2部 裁判長裁判官 清水響 裁判官菊池絵理 裁判官頼晋一 (別紙)特許請求の範囲の記載【請求項1】標的DNAを修飾する方法であって、細胞内で該標的DNAを複合体と接触させることを含み、 該複合体は、(a)Cas9ポリペプチド並びに(b)DNA標的化RNAであって、(i)該標的DNA内の配列に対して相補的なヌクレ 該標的DNAを複合体と接触させることを含み、 該複合体は、(a)Cas9ポリペプチド並びに(b)DNA標的化RNAであって、(i)該標的DNA内の配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含むDNA標的化セグメント;および (ii)前記Cas9ポリペプチドと相互作用するタンパク質結合セグメントであって、該タンパク質結合セグメントは、ハイブリダイズして二本鎖RNA(dsRNA)を形成する、2つの相補的な一続きのヌクレオチドを含み、前記dsRNAは、tracrRNAおよびCRISPR RNA(crRNA)の相補的ヌクレオチドを含む、該タンパク質結合セグメント を含むDNA標的化RNAを含む複合体であり、該細胞は、植物細胞、動物細胞または単細胞真核生物であり、該細胞は、インビボのヒト細胞ではなく、ヒト生殖細胞ではなく、およびヒト胚細胞ではなく、 該修飾は標的DNAの切断である、前記標的DNAを修飾する方法。 【請求項2】前記細胞が動物細胞であり、該動物細胞が哺乳類細胞である、請求項1に記載の方法。 【請求項6】 前記標的DNAが染色体DNAである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。 【請求項15】前記接触が、(a)前記Cas9ポリペプチド又は前記Cas9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、および (b)前記DNA標的化RNAまたは前記DNA標的化RNAをコードする1つまたはそれ以上のDNAポリヌクレオチドを前記細胞に導入することを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。 【請求項16】前記Cas9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、および前記DNA標的化R NAをコ を前記細胞に導入することを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。 【請求項16】前記Cas9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、および前記DNA標的化R NAをコードする1つまたはそれ以上のDNAポリヌクレオチド:の1つまたはそれ以上が、組み換え発現ベクターである、請求項15に記載の方法。 【請求項17】前記組み換え発現ベクターが、ウイルスベクターである、請求項16に記載の方法。 【請求項18】 前記ウイルスベクターが、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターおよび単純疱疹ウイルスベクターからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。 【請求項19】前記組み換え発現ベクターが、プラスミドベクター、コスミドベクター、ミニサークル ベクター、ファージベクターおよびウイルスベクターからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。 【請求項21】前記Cas9ポリペプチドのアミノ末端に、タンパク質形質導入ドメインが共有結合的に連結されており、前記タンパク質形質導入ドメインは、前記Cas9ポリペプチドの前 記細胞の基質から小器官内への移行を促進する、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。 【請求項22】前記Cas9ポリペプチドのカルボキシル末端に、タンパク質形質導入ドメインが共有結合的に連結されており、前記タンパク質形質導入ドメインは、前記Cas9ポリペプチ ドの前記細胞の基質から小器官内への移行を促進する、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。 【請求項25】前記標的DNAが、非相同末端結合(NHEJ)修復機構により編集される、請求項1~24のいずれか一項に記 器官内への移行を促進する、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。 【請求項25】前記標的DNAが、非相同末端結合(NHEJ)修復機構により編集される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。 【請求項28】組成物であって、(a)Cas9ポリペプチド、または該Cas9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、並びに(b)DNA標的化RNA、または該DNA標的化RNAをコードする1つまたはそれ 以上のDNAポリヌクレオチドを含み、該DNA標的化RNAは、(i)標的DNA内の配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含む、DNA標的化セグメントであって、該標的DNAが植物細胞、動物細胞または単細胞真核生物内に存在するDNA標的化セグメント、および (ii)前記Cas9ポリペプチドと相互作用するタンパク質結合セグメントであって、該タンパク質結合セグメントは、ハイブリダイズして二本鎖RNA(dsRNA)を形成する2つの相補的な一続きのヌクレオチドを含み、前記dsRNAは、tracrRNAおよびCRISPR RNA(crRNA)の相補的ヌクレオチドを含む該タンパク質結合セグメント を含むDNA標的化RNAである、前記組成物であって、真核生物細胞内で、該標的DNAを、前記Cas9ポリペプチドと前記DNA標的化RNAを含む複合体と接触させることにより、前記Cas9ポリペプチドを標的DNAへと導くための組成物。 【請求項29】組成物であって、(a)Cas9ポリペプチド、または該Cas9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、並びに(b)DNA標的化RNA、または該DNA標的化RNAをコードする1つまたはそれ 物であって、(a)Cas9ポリペプチド、または該Cas9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、並びに(b)DNA標的化RNA、または該DNA標的化RNAをコードする1つまたはそれ 以上のDNAポリヌクレオチドを含み、該DNA標的化RNAは、(i)標的DNA内の18~25ヌクレオチド長の標的配列に対して、100%の相補性を有するヌクレオチド配列を含むDNA標的化セグメントであって、該標的DNAが植物細胞、動物細胞または単細胞真核生物内に存在するDNA標的化セグメント、および (ii)前記Cas9ポリペプチドと相互作用するタンパク質結合セグメントであって、該タンパク質結合セグメントは、ハイブリダイズして二本鎖RNA(dsRNA)を形成する2つの相補的な一続きのヌクレオチドを含み、前記dsRNAは、tracrRNAおよびCRISPR RNA(crRNA)の相補的ヌクレオチドを含む該タンパク質結合セグメント を含むDNA標的化RNAである、前記組成物。 【請求項30】組成物であって、(a)Cas9ポリペプチド、または該Cas9ポリペプチドをコードするポリヌクレ オチド、並びに(b)DNA標的化RNA、または該DNA標的化RNAをコードする1つまたはそれ以上のDNAポリヌクレオチドを含み、該DNA標的化RNAは、(i)標的DNA内の配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含む、DNA標的化セ グメントであって、該標的DNAが植物細胞、動物細胞または単細胞真核生物内に存在するDNA標的化セグメント、および(ii)前記Cas9ポリペプチドと相互作用するタンパク質結合セグメントであって、該タンパク質結合セグメントは、ハイブリダイ 細胞または単細胞真核生物内に存在するDNA標的化セグメント、および(ii)前記Cas9ポリペプチドと相互作用するタンパク質結合セグメントであって、該タンパク質結合セグメントは、ハイブリダイズして二本鎖RNA(dsRNA)を形成する2つの相補的な一続きのヌクレオチドを含み、前記dsRNAは、tracrR NAおよびCRISPR RNA(crRNA)の相補的ヌクレオチドを含む該タンパク質結合セグメントを含むDNA標的化RNAであり、以下の(A)~(D)(A)前記2つの相補的な一続きのヌクレオチドは、ハイブリダイズして8~15塩基対 または15~18塩基対を形成すること:(B)前記Cas9ポリペプチドのアミノ末端に、タンパク質形質導入ドメインが共有結合的に連結されており、前記タンパク質形質導入ドメインは、該Cas9ポリペプチドの細胞の基質から小器官内への移行を促進すること:(C)前記Cas9ポリペプチドのカルボキシル末端に、タンパク質形質導入ドメインが 共有結合的に連結されており、前記タンパク質形質導入ドメインは、前記Cas9ポリペプチドの細胞の基質から小器官内への移行を促進すること:(D)前記Cas9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、および前記DNA標的化RNAをコードする1つまたはそれ以上のDNAポリヌクレオチド:の1つまたはそれ以上が、ウイルス発現ベクターであること: の少なくとも一つの特徴を有する、前記組成物。 【請求項33】前記標的DNAが染色体DNAである、請求項28~32のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項34】 前記Cas9ポリペプチドのアミノ末端に、タンパク質形質導入ドメインが共有結合的に連結されており、前記タンパク質 ある、請求項28~32のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項34】 前記Cas9ポリペプチドのアミノ末端に、タンパク質形質導入ドメインが共有結合的に連結されており、前記タンパク質形質導入ドメインは、該Cas9ポリペプチドの細胞の基質から小器官内への移行を促進する、請求項28~33のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項35】 前記Cas9ポリペプチドのカルボキシル末端に、タンパク質形質導入ドメインが共有結合的に連結されており、前記タンパク質形質導入ドメインは、前記Cas9ポリペプチドの細胞の基質から小器官内への移行を促進する、請求項28~33のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項36】 前記Cas9ポリペプチドと前記DNA標的化RNAは、インビボのヒト細胞、ではない真核生物細胞中に存在する、請求項28~35のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項45】前記Cas9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、および前記DNA標的化RNAをコードする1つまたはそれ以上のDNAポリヌクレオチド:の1つまたはそれ以上 が、組み換え発現ベクターである、請求項28~44のいずれか一項に記載の組成物。 【請求項46】前記組み換え発現ベクターが、ウイルスベクターである、請求項45に記載の組成物。 【請求項47】前記ウイルスベクターが、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノ ウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターおよび単純疱疹ウイルスベクターからなる群から選択される、請求項46に記載の組成物。 【請求項48】前記組み換え発現ベクターが、プラスミドベクター、コスミドベクター、ミニサークルベクター、ファージベクターおよびウイルスベクターからなる群 択される、請求項46に記載の組成物。 【請求項48】前記組み換え発現ベクターが、プラスミドベクター、コスミドベクター、ミニサークルベクター、ファージベクターおよびウイルスベクターからなる群から選択される、請求項 45に記載の組成物。 【請求項51】DNA標的化RNA、または該DNA標的化RNAをコードするDNAポリヌクレオチドを含有する組成物であって、該DNA標的化RNAが (a)標的DNA内の標的配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含む、DNA標的化セグメントであって、該標的DNAが植物細胞、動物細胞または単細胞真核生物内に存在するDNA標的化セグメント、および(b)Cas9タンパク質と相互作用するタンパク質結合セグメントであって、該タンパク質結合セグメントは、ハイブリダイズして二本鎖RNA(dsRNA)を形成する2つ の相補的な一続きのヌクレオチドを含み、前記dsRNAは、tracrRNAおよびCRISPR RNA(crRNA)の相補的ヌクレオチドを含むタンパク質結合セグメントを含み、真核生物細胞内で、該標的DNAを、前記Cas9ポリペプチドと前記DNA標的化R NAを含む複合体と接触させることにより、前記Cas9ポリペプチドを標的DNAへと導くための組成物。 【請求項52】DNA標的化RNA、または該DNA標的化RNAをコードするDNAポリヌクレオチドであって、 該DNA標的化RNAが(a)標的DNA内の18~25ヌクレオチド長の標的配列に対して、100%の相補性を有するヌクレオチド配列を含むDNA標的化セグメントであって、該標的DNAが植物細胞、動物細胞または単細胞真核生物内に存在するDNA標的化セグメント、および(b 的配列に対して、100%の相補性を有するヌクレオチド配列を含むDNA標的化セグメントであって、該標的DNAが植物細胞、動物細胞または単細胞真核生物内に存在するDNA標的化セグメント、および(b)Cas9タンパク質と相互作用するタンパク質結合セグメントであって、該タンパ ク質結合セグメントは、ハイブリダイズして二本鎖RNA(dsRNA)を形成する2つの相補的な一続きのヌクレオチドを含み、前記dsRNAは、tracrRNAおよびCRISPR RNA(crRNA)の相補的ヌクレオチドを含むタンパク質結合セグメントを含む、前記DNA標的化RNA、または該DNA標的化RNAをコードするDNAポ リヌクレオチド。 【請求項53】DNA標的化RNA、または該DNA標的化RNAをコードするDNAポリヌクレオチドであって、該DNA標的化RNAが (a)標的DNA内の標的配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含む、DNA標的化セグメントであって、該標的DNAが植物細胞、動物細胞または単細胞真核生物内に存在するDNA標的化セグメント、および(b)Cas9タンパク質と相互作用するタンパク質結合セグメントであって、該タンパク質結合セグメントは、ハイブリダイズして二本鎖RNA(dsRNA)を形成する2つ の相補的な一続きのヌクレオチドを含み、前記dsRNAは、tracrRNAおよびCRISPR RNA(crRNA)の相補的ヌクレオチドを含むタンパク質結合セグメントを含み、以下の(A)および(B) (A)前記2つの相補的な一続きのヌクレオチドは、ハイブリダイズして8~15塩基対または15~18塩基対を形成すること:(B)前記DNA標的化RNAをコードするDNAポリヌ (A)前記2つの相補的な一続きのヌクレオチドは、ハイブリダイズして8~15塩基対または15~18塩基対を形成すること:(B)前記DNA標的化RNAをコードするDNAポリヌクレオチドが、ウイルス発現ベクターであること:の少なくとも一つの特徴を有する、前記DNA標的化RNA、または該DNA標的化RN AをコードするDNAポリヌクレオチド。 【請求項56】前記標的DNAが染色体DNAである、請求項51、54~55のいずれか一項に記載の組成物、または、請求項52~55のいずれか一項に記載のDNA標的化RNAもしくは該DNA標的化RNAをコードするDNAポリヌクレオチド。 【請求項65】1つまたはそれ以上の核酸であって、(a)DNA標的化RNAをコードする、1つまたはそれ以上のヌクレオチド配列を含み、該DNA標的化RNAは、(i)標的DNA内の標的配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含むDNA標的化 セグメント、および(ii)Cas9ポリペプチドと相互作用するタンパク質結合セグメントであって、該タンパク質結合セグメントは、ハイブリダイズして二本鎖RNA(dsRNA)を形成する2つの相補的な一続きのヌクレオチドを含み、前記dsRNAは、tracrRNAおよびCRISPR RNA(crRNA)の相補的ヌクレオチドを含む該タンパク質結合 セグメントを含むDNA標的化RNAであり、前記1つまたはそれ以上のヌクレオチド配列は、真核生物細胞において機能的な1つまたはそれ以上のプロモーターに作動可能に連結しており、並びに、(b)Cas9ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、前記Cas9ポリ ペプチドをコードするヌクレオチド配列は、真 またはそれ以上のプロモーターに作動可能に連結しており、並びに、(b)Cas9ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であって、前記Cas9ポリ ペプチドをコードするヌクレオチド配列は、真核生物細胞において機能的なプロモーターに作動可能に連結している、ヌクレオチド配列、を含んでもよい、前記1つまたはそれ以上の核酸。 【請求項66】 前記核酸は1つまたはそれ以上の組み換え発現ベクターである、請求項65に記載の1つまたはそれ以上の核酸。 【請求項67】前記1つまたはそれ以上の組み換え発現ベクターが、1つまたはそれ以上のウイルスベクターである、請求項66に記載の1つまたはそれ以上の核酸。 【請求項68】前記1つまたはそれ以上のウイルスベクターが、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターおよび単純疱疹ウイルスベクターからなる群から選択される、請求項67に記載の1つまたはそれ以上の核酸。 【請求項69】前記1つまたはそれ以上の組み換え発現ベクターが、プラスミドベクター、コスミドベクター、ミニサークルベクター、ファージベクターおよびウイルスベクターからなる群から選択される、請求項66に記載の1つまたはそれ以上の核酸。 【請求項70】 前記Cas9ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が、前記Cas9ポリペプチドのアミノ末端またはカルボキシル末端に共有結合的に連結された、タンパク質形質導入ドメインをコードし、ここで、前記タンパク質形質導入ドメインは、前記Cas9ポリペプチドの前記真核生物細胞の基質から小器官内への移行を促進する、請求項65~69のいずれか一項に記載の1つまたはそれ以上の核酸。 コードし、ここで、前記タンパク質形質導入ドメインは、前記Cas9ポリペプチドの前記真核生物細胞の基質から小器官内への移行を促進する、請求項65~69のいずれか一項に記載の1つまたはそれ以上の核酸。 【請求項73】前記標的DNAが染色体DNAである、請求項65~72のいずれか一項に記載の1つまたはそれ以上の核酸。 【請求項76】キットであって、 (a)Cas9ポリペプチドまたは該Cas9ポリペプチドをコードする核酸、並びに(b)DNA標的化RNA、または該DNA標的化RNAをコードする1つまたはそれ以上の核酸を含み、前記DNA標的化RNAは、(i)標的DNA内の配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含むDNA標的化セグ メントであって、該標的DNAが植物細胞、動物細胞または単細胞真核生物内に存在するDNA標的化セグメント、および(ii)前記Cas9ポリペプチドと相互作用するタンパク質結合セグメントであって、該タンパク質結合セグメントは、ハイブリダイズして二本鎖RNA(dsRNA)を形成する2つの相補的な一続きのヌクレオチドを含み、該dsRNAは、tracrRN AおよびCRISPR RNA(crRNA)の相補的ヌクレオチドを含む該タンパク質結合セグメントを含むDNA標的化RNAであり、(a)および(b)は単一のまたは別々の容器中に存在する、前記キットであって、 真核生物細胞内で、該標的DNAを、前記Cas9ポリペプチドと前記DNA標的化RNAを含む複合体と接触させることにより、前記Cas9ポリペプチドを標的DNAへと導くためのキット。 【請求項77】キットであって、 (a)Cas9ポリペプチドまたは該Cas9ポリペプチド む複合体と接触させることにより、前記Cas9ポリペプチドを標的DNAへと導くためのキット。 【請求項77】キットであって、 (a)Cas9ポリペプチドまたは該Cas9ポリペプチドをコードする核酸、並びに(b)DNA標的化RNA、または該DNA標的化RNAをコードする1つまたはそれ以上の核酸を含み、前記DNA標的化RNAは、(i)標的DNA内の18~25ヌクレオチド長の標的配列に対して、100%の相補 性を有するヌクレオチドを含むDNA標的化セグメントであって、該標的DNAが植物細胞、動物細胞または単細胞真核生物内に存在するDNA標的化セグメント、および(ii)前記Cas9ポリペプチドと相互作用するタンパク質結合セグメントであって、該タンパク質結合セグメントは、ハイブリダイズして二本鎖RNA(dsRNA)を形成する2つの相補的な一続きのヌクレオチドを含み、該dsRNAは、tracrRN AおよびCRISPR RNA(crRNA)の相補的ヌクレオチドを含む該タンパク質結合セグメントを含むDNA標的化RNAであり、(a)および(b)は単一のまたは別々の容器中に存在する、前記キット。 【請求項78】キットであって、(a)Cas9ポリペプチドまたは該Cas9ポリペプチドをコードする核酸、並びに(b)DNA標的化RNA、または該DNA標的化RNAをコードする1つまたはそれ以上の核酸を含み、 前記DNA標的化RNAは、(i)標的DNA内の配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含むDNA標的化セグメントであって、該標的DNAが植物細胞、動物細胞または単細胞真核生物内に存在するDNA標的化セグメント、および(ii)前記Cas9 配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含むDNA標的化セグメントであって、該標的DNAが植物細胞、動物細胞または単細胞真核生物内に存在するDNA標的化セグメント、および(ii)前記Cas9ポリペプチドと相互作用するタンパク質結合セグメントであっ て、該タンパク質結合セグメントは、ハイブリダイズして二本鎖RNA(dsRNA)を形成する2つの相補的な一続きのヌクレオチドを含み、該dsRNAは、tracrRNAおよびCRISPR RNA(crRNA)の相補的ヌクレオチドを含む該タンパク質結合セグメントを含むDNA標的化RNAであり、 (a)および(b)は単一のまたは別々の容器中に存在する、前記キットであり、以下の(A)および(B)(A)前記Cas9ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、および前記DNA標的化RNAをコードする1つまたはそれ以上のDNAポリヌクレオチド:の1つまたはそれ 以上が、ウイルス発現ベクターであること:(B)前記Cas9ポリペプチドのカルボキシル末端またはアミノ末端に、タンパク質形質導入ドメインが共有結合的に連結されており、前記タンパク質形質導入ドメインは、前記Cas9ポリペプチドの細胞の基質から小器官内への移行を促進すること:の少なくとも一つの特徴を有する、前記キット。 【請求項79】前記標的DNAが染色体DNAである、請求項76~78のいずれか一項に記載のキット。 【請求項80】前記Cas9ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む前記核酸、および前記 DNA標的化RNAをコードするヌクレオチド配列を含む前記1つまたはそれ以上の核酸:の1つまたはそれ以上が、組み換え発現ベクターである、請求項76~79のいずれ 記核酸、および前記 DNA標的化RNAをコードするヌクレオチド配列を含む前記1つまたはそれ以上の核酸:の1つまたはそれ以上が、組み換え発現ベクターである、請求項76~79のいずれか一項に記載のキット。 【請求項81】前記組み換え発現ベクターが、ウイルスベクターである、請求項80に記載のキット。 【請求項82】前記ウイルスベクターが、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターおよび単純疱疹ウイルスベクターからなる群から選択される、請求項81に記載のキット。 【請求項83】 前記組み換え発現ベクターが、プラスミドベクター、コスミドベクター、ミニサークルベクター、ファージベクターおよびウイルスベクターからなる群から選択される、請求項80に記載のキット。 【請求項84】タンパク質形質導入ドメインが、前記Cas9ポリペプチドのアミノ末端またはカルボ キシル末端に共有結合的に連結されており、ここで、前記タンパク質形質導入ドメインは、前記Cas9ポリペプチドの細胞の基質から小器官内への移行を促進する、請求項76~83のいずれか一項に記載のキット。 【請求項95】患者の治療的な処置方法において用いるための、請求項28~64のいずれか一項に記 載の組成物、請求項52~64のいずれか一項に記載のDNA標的化RNA、請求項52~56、64のいずれか一項に記載の、前記DNA標的化RNAをコードするDNAポリヌクレオチド、請求項65~75のいずれか一項に記載の1つまたはそれ以上の核酸、または請求項76~94のいずれか一項に記載のキット。 【請求項96】 遺伝子改変された真核生物細胞であって、1つまたはそ ~75のいずれか一項に記載の1つまたはそれ以上の核酸、または請求項76~94のいずれか一項に記載のキット。 【請求項96】 遺伝子改変された真核生物細胞であって、1つまたはそれ以上の(a)DNA標的化RNAおよび/または該DNA標的化RNAをコードする核酸であって、該DNA標的化RNAは、(i)標的DNA内の配列に対して相補的なヌクレオチド配列を含むDNA標的化セグ メント、および(ii)Cas9ポリペプチドと相互作用するタンパク質結合セグメントであって、ハイブリダイズして二本鎖RNA(dsRNA)を形成する2つの相補的な一続きのヌクレオチドを含み、該dsRNAは、tracrRNAおよびCRISPR RNA(crRNA)の相補的ヌクレオチドを含む前記タンパク質結合セグメント を含む単一分子DNA標的化RNA、並びに、(b)前記Cas9ポリペプチドおよび/またはCas9ポリペプチドをコードする核酸を含む前記遺伝子改変された真核生物細胞であって、インビボのヒト細胞ではなく、ヒト生殖細胞ではなく、およびヒト胚細胞ではない、前記遺伝子改変された真核生物細胞。 【請求項99】前記標的DNAが前記真核生物細胞の染色体DNAである、請求項96~98のいずれか一項に記載の遺伝子改変された真核生物細胞。 【請求項100】タンパク質形質導入ドメインが、前記Cas9ポリペプチドのアミノ末端またはカルボ キシル末端に共有結合的に連結されており、ここで、前記タンパク質形質導入ドメインは、前記Cas9ポリペプチドの細胞基質から細胞小器官内への移行を促進する、請求項96~99のいずれか一項に記載の遺伝子改変された真核生物細胞。 【請求項111】 タンパク質形質導入ドメインは、前記Cas9ポリペプチドの細胞基質から細胞小器官内への移行を促進する、請求項96~99のいずれか一項に記載の遺伝子改変された真核生物細胞。 【請求項111】前記遺伝子改変された真核生物細胞が、インビボのヒト細胞ではない、請求項96~1 10のいずれか一項に記載の遺伝子改変された真核生物細胞。 以上 (別紙)本件発明の概要(下線部は、第1出願書類に記載のない部分である。また、【 】内の数字は、本件明細書の段落番号を指す。) 1 背景技術近年、特定のDNA配列を標的とするよう設計された改変ヌクレアーゼ酵素が、標的化された遺伝子欠失、遺伝子置換および遺伝子修復、並びに外来性配列(導入遺伝子)のゲノムへの挿入を可能にする、細胞および生物全体を遺伝子操作するための強力なツールとして、かなりの関心を集めている。部位特異的DNAヌクレアーゼを改変するた めの2つの主な技術が登場しており、それらは共に、配列非特異的DNAエンドヌクレアーゼドメインが改変DNA結合ドメインに融合されたキメラエンドヌクレアーゼ酵素の構築に基づいている。しかし、それぞれの新たなゲノム遺伝子座を標的とするには新規のヌクレアーゼ酵素の設計が必要であるが、このことから、これらのアプローチは多大な時間を要し且つ高価なものとなっている(段落【0005】)。 2 解決しようとする課題それぞれの新たな標的配列のために新たなタンパク質を設計する必要がない形で、ヌクレアーゼ活性(または他のタンパク質活性)を標的DNA内の異なる場所へ正確にターゲティングすることを可能にする技術が、この分野で必要とされている(段落【0007】)。 3 課題を解決す クレアーゼ活性(または他のタンパク質活性)を標的DNA内の異なる場所へ正確にターゲティングすることを可能にする技術が、この分野で必要とされている(段落【0007】)。 3 課題を解決する手段本件発明は「標的DNA」を、「DNA標的化RNA」及び「部位特異的修飾ポリペプチド」と接触させることにより、標的DNAを部位特異的に切断又は修飾するというものである(段落【0008】【0021】【0024】【0107】【0198】)。 4 発明を実施するための形態 ア標的DNA標的DNAは、標的部位(標的配列又は標的プロトスペーサーDNAともいう。)を含むDNAポリヌクレオチドであり、植物細胞、動物細胞等の真核細胞内の染色体DNA等であり得る(段落【0069】【0021】【0024】【0218】【0219】)。 標的部位は、DNA標的化RNA(後記)のDNA標的化セグメント(後記)が結合する標的DNA内に存在する核酸配列を指す。DNA標的化RNAに対し相補的でそれとハイブリダイズする標的DNA鎖は相補鎖と称され、相補鎖に対し相補的な(従ってDNA標的化RNAに対し相補的でない)標的DNA鎖は非相補鎖と称される(段落【0075】、図12参照)。 標的DNAの部位特異的切断は、部位特異的修飾ポリペプチド(後記)がCas9である場合、標的DNA内のプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)によって決定される位置で起こる。例えば、S.ピオゲネス由来のCas9が用いられる場合、非相補鎖のPAM配列は5’-XGG-3’であり、ここでXはあらゆるDNAヌクレオチドであり、Xは標的DNAの非相補鎖の標的配列のすぐ3’側である。従って、 相補鎖のPAM配列は5’-CCY-3’であり、ここでYはあらゆるDNA ここでXはあらゆるDNAヌクレオチドであり、Xは標的DNAの非相補鎖の標的配列のすぐ3’側である。従って、 相補鎖のPAM配列は5’-CCY-3’であり、ここでYはあらゆるDNAヌクレオチドであり、Yは標的DNAの相補鎖の標的配列のすぐ5’側である(段落【0075】【0200】図10)。様々な種に由来するCas9タンパク質は、標的DNA内に異なるPAM配列を必要とし得る(段落【0201】)。 イ DNA標的化RNA DNA標的化RNAは、DNA標的化セグメント(標的DNA内の配列に対し相補的なヌクレオチド配列を含む。)と、タンパク質結合セグメント(ハイブリダイズしてdsRNA二本鎖を形成する互いに相補的な2本のヌクレオチド鎖を含む。)の2つのセグメントを含む。DNA標的化セグメントは、ハイブリダイゼーションを介して配列特異的な様式で標的DNAと相互作用することにより、「タンパク質結合セグ メント」に結合した部位特異的修飾ポリペプチドを、標的DNA内の特定のヌクレオチド配列に導く(段落【0074】~【0076】【0108】【0109】【0113】、図1A、図1B)。 また、DNA標的化RNAは、crRNA(標的化RNA。DNA標的化セグメント一本鎖と、タンパク質結合セグメントのdsRNA二本鎖の半分を形成するヌクレ オチド鎖を含む。)と、これに対応するtracrRNA(活性化RNA。タンパク質結合セグメントのdsRNA二本鎖のもう半分を形成するヌクレオチド鎖を含む。)を含んでおり、これらの2つのヌクレオチドが別個のRNA分子である二分子DNA標的化RNAと、2つのヌクレオチドがリンカーによって連結された単一分子DNA標的化RNA(sgRNA)があ る(段落【0076】【0080】~【008 が別個のRNA分子である二分子DNA標的化RNAと、2つのヌクレオチドがリンカーによって連結された単一分子DNA標的化RNA(sgRNA)があ る(段落【0076】【0080】~【0082】【0114】【0121】【0156】~【0159】、図1A、図1B)。 そして、様々な種由来の tr acrRNAのヌクレオチド配列、crRNAの二本鎖形成セグメントのヌクレオチド配列を開示する(段落【0115】【0116】【0123】~【0125】 【0156】~【0159】、図6~9、【0033】の図6~9)。 ウ部位特異的修飾ポリペプチド部位特異的修飾ポリペプチド は、Cas9であり(段落【0021】【0132】【0136】【0200】)、DNA標的化RNAと結合することにより、標的DNA内の特定の配列に向けら 図1 れ、標的DNAを切断して二重鎖切断を起こす(段落【0129】【0132】【0200】)。そして、各種細菌由来のCas9ポリペプチドの具体的なアミノ酸配列を開示する(段落【0021】【0136】、図3B)。 部位特異的修飾ポリペプチドは、例えば、核に標的化するための核局在化シグナル(NLS)など、部位特異的修飾ポリペプチドの細胞内局在化を与え得る異種配列を 含む(段落【0209】)。 部位特異的修飾ポリペプチドはコドン最適化され得る。この種の最適化は当該技術分野において公知であり、同一のタンパク質をコードしたまま目的の宿主生物または細胞のコドン選択を模倣するために、外来性DNAの変異を必要とする。従って、コドンは変化されるが、コードされるタンパク質は変化されないままである(段落【0 210】)。 エ DNA標的化RNAと部位特異的修飾ポリペプチド に、外来性DNAの変異を必要とする。従って、コドンは変化されるが、コードされるタンパク質は変化されないままである(段落【0 210】)。 エ DNA標的化RNAと部位特異的修飾ポリペプチドの細胞への導入方法DNA標的化RNAと部位特異的修飾ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターにより、DNA標的化RNAと部位特異的修飾ポリペプチドを細胞に導入することができる。発現ベクターは、市販されているものを含め多数の適切な ものが当業者に知られており、宿主細胞に適合している限り、いかなる他のベクターを使用してもよい(段落【0160】~【0164】、【0221】~【0224】、【0228】)。使用される宿主/ベクター系に応じて、プロモーターやエンハンサーエレメント等、転写調節領域等を発現ベクターに用いてもよい(段落【0165】~【0168】【0225】【0226】【0230】)。発現ベクターを宿主細胞 に導入する方法は、感染、リポフェクション、エレクトロポレーションなど、当該技術分野において公知の方法を使用することができる(段落【0169】【0229】)。 DNA標的化RNA、部位特異的修飾ポリペプチドを、RNAとして細胞に導入してもよく、核酸を細胞に導入するための周知の技術(マイクロインジェクション、エ レクトロポレーション等)によって、RNAとして細胞に導入され得る(段落【0227】【0228】【0231】)。 部位特異的修飾ポリペプチドは、ポリペプチドとして細胞に提供されてもよく(段落【0217】【0232】)、所望により、産物の溶解性を増加させるポリペプチドドメインに融合してもよく、細胞による取り込みを促進するために、ポリペプチド 浸透性ドメインに融合されていてもよい(段落【0232】 232】)、所望により、産物の溶解性を増加させるポリペプチドドメインに融合してもよく、細胞による取り込みを促進するために、ポリペプチド 浸透性ドメインに融合されていてもよい(段落【0232】【0233】)。 オ遺伝子改変された細胞を、例えば、疾患を治療するための、または抗ウイルス治療剤、抗病原体治療剤、もしくは抗がん治療剤としての、遺伝子治療等の目的のために、農業における遺伝子改変生物の生産のために、または生物学的研究のために、対象に移植してもよい。対象は、新生児、若年、または成人であってもよい。哺乳類対象が 特に重要である(段落【0251】)。 5 実施例ア実施例1:標的DNAに修飾を作成するためのCas9の使用① 病原菌ストレプトコッカス・ピオゲネス由来のCas9ポリペプチド、crRNA及びtracrRNA(二分子DNA標的化RNA)により、crRNAと相補 的であるプロトスペーサー配列および本物のPAMを保有するプラスミドDNA又は短い線状dsDNA二本鎖を切断することができ、切断には、マグネシウムが必要であった(【0466】、【0468】、【0471】、【0472】、図10A、B、図17A~C、図18A)。 ② tracrRNA:crRNA(二分子DNA標的化RNA)に誘導されたCa s9によるプラスミドおよび短い線状dsDNAの双方の切断は部位特異的であり、プラスミドDNA切断は、PAMの塩基対3つ上流の位置で平滑末端をもたらし、短いdsDNA二重鎖内で、標的化RNAの標的結合配列に相補的であるDNA鎖(相補鎖)は、PAMの塩基対3つ上流の位置で切断され、非相補DNA鎖は、PAMの塩基対3~8個上流内の一つまたは複数部位で切断された(【0467】、 【0468】、【0473 であるDNA鎖(相補鎖)は、PAMの塩基対3つ上流の位置で切断され、非相補DNA鎖は、PAMの塩基対3~8個上流内の一つまたは複数部位で切断された(【0467】、 【0468】、【0473】、図10C~E、図19A~C)。 ③ tracrRNAの全長が部位特異的Cas9触媒性DNA切断に必要かどうかを決定するために、全長成熟(42ヌクレオチド)crRNA及び5’および3’末端で配列が欠如したtracrRNAの様々な切断形態を使用して再構成したCas9-tracrRNA:crRNA(二分子DNA標的化RNA)複合体を試 験したところ、天然配列のヌクレオチド23~48を維持するtracrRNAは、頑強な二重RNA誘導Cas9触媒性DNA切断を支援することができ(図12A、C、図23A、B)、tracrRNA存在下でのCas9触媒性切断は、3’末端で10個のヌクレオチドを欠如したcrRNAで引き起こされ得ることが示された(【0479】、【0481】、【0483】、図12A~C、図23A、B)。 ④ 様々な細菌種からのCas9オルソログを、S.ピオゲネスtracrRNA:crRNA(二分子DNA標的化RNA)誘導DNA切断を支援する能力に関して分析したところ、近縁種Cas9オルソログとは対照的に、遠縁種であるオルソログは切断反応では機能的ではなく、遠縁システム由来である、tracrRNA:crRNAによって誘導されるS.ピオゲネスCas9は、DNAを効率的に切断 できなかった(【0479】、【0484】、図24A、B)⑤ プロトスペーサー含有プラスミドDNAを分析し、およびCas9によって切断される能力を分析したところ、プロトスペーサーの5’末端で導入される点変異とは対照的に、PAMおよびCas9切断部位に近い領 プロトスペーサー含有プラスミドDNAを分析し、およびCas9によって切断される能力を分析したところ、プロトスペーサーの5’末端で導入される点変異とは対照的に、PAMおよびCas9切断部位に近い領域における変異を有するプロトスペーサー含有プラスミドでは、切断効率が低下し、標的化RNAとPAMに近 接する標的DNA部位との間の少なくとも一連の13の連続した塩基対が効率的な標的切断のために必要であった(【0480】、【0481】、図12D、E)。 ⑥ 複数のCRISPR/Casシステムで、PAM(27、29、32~34)と称される、自己対非自己の認識が外来性ゲノムに保存される短い配列モチーフが含まれることが示されている。PAMモチーフはほんの数個の塩基対の長さであり、 それらの正確な配列および位置はCRISPR/Casシステムの種類によって異なる(32)(括弧内数字は、いずれも、第1優先基礎出願の出願日前の以下の文献である。27. R. Sapranauskasetal., NucleicAcidsRes. 39, 9275 (2011).、29. H. Deveauetal., J. Bacteriol. 190, 1390 (2008).、32. F. J. M. Mojica,C. Diez-Villasenor, J. Garcia-Martinez, C. Almendros, Microbiology 155, 733 (2009).、33. L. A. Marraffini, E. J. Sontheimer, Nature 463, 568 (2010).、34. D. G. Sashital, B. Wiedenheft, J. A. Doudna, Mol. Cell 46, ntheimer, Nature 463, 568 (2010).、34. D. G. Sashital, B. Wiedenheft, J. A. Doudna, Mol. Cell 46, 606 (2012).)。 S.ピオゲネスにおいては、PAMのGGモチーフが、細菌細胞内におけるCRISPR/Cas9 によるプロトスペーサープラスミドDNA 除去に必要不可欠であり、また、tracrRNA:crRNA(二分子DNA標的化RNA)誘導Cas9に よるインビトロプロトスペーサープラスミド切断のために必要不可欠である。さらに、プロトスペーサー2標的DNAに存在しない基準PAMの存在のために選択された、異なるcrRNA標的DNA対を使用した場合、PAMの双方のGヌクレオチドが効率的なCas9触媒性DNA切断のために必要であることを発見した(【0486】~【0488】、図13A、B、図26A~C)。 ⑦ crRNAの3’末端をtracrRNAの5’末端に融合させた単一キメラRNA(単一分子DNA標的化RNA)について、プラスミドDNA又は短いdsDNAを用いる切断アッセイによると、長いキメラRNA(単一分子DNA標的化RNA)は、Cas9触媒性DNA切断を誘導できたこと、及び、緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする遺伝子の一部分を標的とするよう操作した5つの異なる キメラ誘導RNA(単一分子DNA標的化RNA)により、インビトロでGFPコード配列を保有するプラスミドに対する有効性を試験したところ、5つ全てのキメラRNA(単一分子DNA標的化RNA)でプログラムされたCas9は正しい標的部位でプラスミドを効率よく切断したことが示されている(【0489】~【0493】、図1、図14A~C、図27A~C、図28A~D)。 子DNA標的化RNA)でプログラムされたCas9は正しい標的部位でプラスミドを効率よく切断したことが示されている(【0489】~【0493】、図1、図14A~C、図27A~C、図28A~D)。 イ実施例2:ヒト細胞でのRNAプログラムゲノム編集① HAエピトープ、核局在化シグナル(NLS)と融合したストレプトコッカス・ピオゲネスCas9をコードする配列をヒト発現のためにコドン最適化し、これを市販のpcDNA3.1由来ベクターに挿入し、CMVプロモーターの制御下で発現するCas9発現プラスミドとした。 ヒトクラスリン軽鎖(CLTA)遺伝子において、GGジヌクレオチドスペーサー隣接モチーフ(PAM)を3’に有する領域を、標的部位とするよう設計されたsgRNA(単一分子DNA標的化RNA)を市販の発現ベクターpSilincer2.1-U6puroに挿入し、U6プロモーターの制御下で発現するsgRNA発現プラスミドとした。 HEK293T細胞(ヒト細胞)を、推奨プロトコルで、市販のDNAトランスフェクション試薬(X-tremeGENE DNA Transfection ReagentまたはTurbofect Transfection Reagent)を用いて、上記Cas9発現プラスミド及びsgRNA発現プラスミドを形質移入したところ、Surveyorヌクレアーゼアッセイにより、標的部 位における二重鎖DNA切断が確認された。(【0495】~【0497】、【0499】、【0503】~【0505】、図29C、E)② Cas9発現プラスミドのみで形質移入した細胞から調製した可溶化物は、PAMおよびCLTA1 sgRNAに相補的である標的配列を含むプラスミドDNAを切断せず、可溶化物にインビトロ転写 、E)② Cas9発現プラスミドのみで形質移入した細胞から調製した可溶化物は、PAMおよびCLTA1 sgRNAに相補的である標的配列を含むプラスミドDNAを切断せず、可溶化物にインビトロ転写CLTA1 sgRNAが添加された際 は、強固なプラスミド切断が検知された。また、Cas9およびsgRNA発現プラスミドの双方で形質移入した細胞から調製された可溶化物は上記プラスミドの切断を支援する一方で、sgRNAをコードするプラスミドのみで形質移入した細胞からの可溶化物はそうでなかった。この結果は、HEK293T細胞におけるCas9機能のための制限因子はsgRNAの発現またはそのCas9への添加である ことを示す。(【0496】、【0502】、【0506】、【0507】、図30)以上 (別紙)第1出願書類の記載(抜粋)クレーム54. 以下を含む標的DNA における部位特異的修飾の方法:前記標的DNA を、以下を含む複合体と接触させる工程 (i) 標的DNA 中の配列に相補的なヌクレオチド配列を含むDNA 標的RNA、または、それをコードするDNA ポリヌクレオチドであって;および(ii) 部位特異的酵素活性を示す部位特異的修飾ポリぺプチド、または、それをコードするポリヌクレオチド。 … 58. 前記標的DNA が細胞内の染色体の一部である、請求項54 記載の方法。 …61. 前記細胞が真核単細胞生物である、請求項58 記載の方法。 62. 前記細胞が体細胞である、請求項58 記載の方法。 63. 前記細胞が生殖細胞である、請求項58 記載の方法。 64. 前記細胞が幹細胞である、請求項58 に記載の方法。 65. 前記細胞が植物細胞である、請求項58 項58 記載の方法。 63. 前記細胞が生殖細胞である、請求項58 記載の方法。 64. 前記細胞が幹細胞である、請求項58 に記載の方法。 65. 前記細胞が植物細胞である、請求項58 記載の方法。 66. 前記細胞が動物細胞である、請求項58 記載の方法。 67. 前記細胞が脊椎動物細胞である、請求項66 記載の方法。 68. 前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項67 記載の方法。 69. 前記細胞がヒト細胞である、請求項68 記載の方法。 …73. 前記酵素活性が前記標的DNA を修飾する、請求項54 に記載の方法。 74. 前記酵素活性が、ヌクレアーゼ活性、メチルトランスフェラーゼ活性、デメチラーゼ活性、DNA 修復活性、DNA 損傷活性、脱アミノ化活性、ジスムターゼ活性、アルキル 化活性、脱プリン活性、酸化活性、ピリミジンニ量体形成活性、インテグラーゼ活性、トランスポザーゼ活性、リコンビナーゼ活性、ポリメラーゼ活性、リガーゼ活性、ヘリカーゼ活性、フォトリアーゼ活性またはグリコシラーゼ活性である、請求項73 記載の方法。 75. 前記DNA 修飾酵素活性がヌクレアーゼ活性である、請求項74 記載の方法。 76. 前記ヌクレアーゼ活性が、標的DNA に二本鎖切断を導入する、請求項75 に記載の 方法。 …背景[0001]近年、特定のDNA 配列を標的とするように設計された操作されたヌクレアーゼ酵素は、細胞および生物全体の遺伝子操作のための強力なツールとしてかなりの注目を集め ており、標的遺伝子の欠失、置換および修復、ならびにゲノムへの外因性配列(導入遺伝子)の挿入を可能にする。部位特異的DNA ヌクレアーゼを操作するための2 つの主要な技術が出現してきており、これらは両方とも、配 遺伝子の欠失、置換および修復、ならびにゲノムへの外因性配列(導入遺伝子)の挿入を可能にする。部位特異的DNA ヌクレアーゼを操作するための2 つの主要な技術が出現してきており、これらは両方とも、配列非特異的DNA エンドヌクレアーゼドメインが操作されたDNA 結合ドメインに融合されるキメラエンドヌクレアーゼ酵素の構築に基づいている。しかし、それぞれの新しいゲノム遺伝子座を標的とするには、新しい ヌクレアーゼ酵素の設計が必要であり、これらのアプローチは時間と費用の両方を必要とする。さらに、どちらの技術も精度に限界があり、予測できないオフターゲット効果をもたらす可能性がある。 [0002]各新規な標的配列に対する新規なタンパク質の設計を必要としない様式で、標的 DNA 内の異なる位置へのヌクレアーゼ活性(または他のタンパク質活性)の正確な標的化を可能にする技術が、当該分野において必要とされている。本開示は、この必要性に対処する。 概要 [0003]本開示は、標的配列を含み、修飾ポリペプチドと共に、標的DNA および/または標的DNA に結合したポリペプチドの部位特異的修飾を提供するDNA 標的化RNA を提供する。本開示はさらに、修飾ポリペプチドを提供する。本開示はさらに、標的 DNA および/または標的DNA に結合したポリペプチドの部位特異的修飾の方法、ならびにその方法を実施するためのキットおよび組成物を提供する。 図面の簡単な説明[0004]図1A および1B は、それぞれ部位特異的修飾ポリペプチドおよび標的DNA と結合した2 つの例示的な本発明のDNA 標的化RNA の概略図を提供する。DNA 標的化RNAは、一本鎖「DNA 標的化セグメント」および二本鎖RNA の範囲を含む ポリペプチドおよび標的DNA と結合した2 つの例示的な本発明のDNA 標的化RNA の概略図を提供する。DNA 標的化RNAは、一本鎖「DNA 標的化セグメント」および二本鎖RNA の範囲を含む「タンパク質結 合セグメント」を含む。(A)DNA 標的化RNA は、2 つの別個のRNA 分子(「二重分子」または「2 分子」DNA 標的化RNA と呼ばれる)を含み得る。二分子DNA 標的化RNA は、「ターゲッター-RNA」および「アクチベーター-RNA」を含む。(B)DNA 標的化RNA は、単一のRNA 分子(「単一分子」DNA 標的化RNA と呼ばれる)を含むことができる。単一分子DNA 標的化RNA は、「リンカーヌクレオチド」を含む。 [0005]図2 は、Streptococcuspyogenes 由来のCas9/Csnl タンパク質のアミノ酸配列を示す。ドメイン1 と2 は、多くの異なる種のCas9/Csnl タンパク質の間でさまざまな程度に保存されている(図10-12 も参照)。ドメイン1 および2 の存在は、Cas9/Csnl タンパク質の特徴である。ドメイン1 は、RuvC エンドヌクレアーゼドメインを規定する Cas9/Csnl に存在する3 つのモチーフのうちの1 つである。描かれたドメイン2 は、RuvC エンドヌクレアーゼドメインおよびHNH エンドヌクレアーゼドメインのモチーフ 2 および3 の組み合わせである。 [0006]図3A~C は、部位特異的修飾ポリぺプチド(Streptococcuspyogenes のCas9/Csnl タンパク質によって例示される)による標的DNA 切断を示し、これは、DNA 標的化RNA によって誘導される。(A)放射性標識された標的DNA を spyogenes のCas9/Csnl タンパク質によって例示される)による標的DNA 切断を示し、これは、DNA 標的化RNA によって誘導される。(A)放射性標識された標的DNA を、組換えCas9/Csnl および種々のDNA 標的化RNA 種(示されるように)の存在下でインキュベートした。切断生成物は変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて分離し,ホスホイメージングにより可視化した。(B)Cas9/Csnl 部位特異的修飾ポリぺプチドと共に使用されるDNA 標 的化RNA の概略図。試験した単一分子DNA 標的化RNA(RNA キメラA)の1 つは効率的な標的DNA 切断を支持したが、試験した他の単一分子DNA 標的化RNA(RNA キメラB)は支持しなかったことに留意されたい。(C)DNA を標的とするRNA 配列およびDNA 標的の概略図。 [0007]図4 は、Cas9/Csnl 部位特異的修飾ポリペプチドおよびDNA 標的化RNA を用いて導入された二本鎖DNA 切断を介する標的DNA 編集を示す。 [0008]図5Aおよび5Bは、標的DNA切断を示す。図5A.種々の異なる種由来のCas9/Csnl部位特異的修飾ポリぺプチド(図12 の配列参照)およびDNA 標的化RNA を用いた、標 的DNA 切断。図3 と同じ条件下で標的切断を行った。この実験は、種々のCas9/Csnl 部位特異的修飾ポリぺプチドが、同じDNA 標的化RNA を利用し得ることを実証する。B.図5A で用いたDNA 標的RNA の模式図。 [0009]図6A~C はtracrRNA 配列を示す。図6A は、例示的な「tracrRNA」配列(対象 RNA に含めることができる「アクチベーター-R NA 標的RNA の模式図。 [0009]図6A~C はtracrRNA 配列を示す。図6A は、例示的な「tracrRNA」配列(対象 RNA に含めることができる「アクチベーター-RNA」)を示す。図6B は、類似の構造および高度に類似のCas9/Csnl 配列のCRISPR/Cas 遺伝子座に関連する選択されたtracrRNA オーソログ(AlignX、VectorNTI パッケージ、Invitrogen)の複数の配列アラインメントを提供する。黒い四角は共有されたヌクレオチドを表す。C.異なる構造のCRISPR/Cas 遺伝子座および密接に関連しないCas9/Csnl 配列に関連する選択された tracrRNA オーソログ(AlignX、VectorNTI パッケージ、Invitrogen)の複数の配列アラインメント。N.meningitidis とP.multocida のtracrRNA オーソログの配列の類似性に注意。黒い四角は共有されたヌクレオチドを表す。 [0010]図7A~C は、例示的なCRISPR(「ターゲッター--RNA」)配列を提供する。図 7A は、CRISPR 反復の二本鎖形成セグメントをコードする配列を含む例示的なDNA を示す(「ターゲッター‐RNA」図7B および7CC は、異なる構造および多様なCas9 配列の遺伝子座に関連する例示的なCRISPR 反復配列(AlignX、VectorNTI パッケージ、Invitrogen)の複数の配列アラインメントを提供する。黒い四角は共有されたヌクレオチドを表す。 [0011]図8A〜C は、CRISPR 反復の例示的な二本鎖形成セグメント(「ターゲッターRNA」)と、対応するtracrRNA オーソログの二本鎖形成セグメ ヌクレオチドを表す。 [0011]図8A〜C は、CRISPR 反復の例示的な二本鎖形成セグメント(「ターゲッターRNA」)と、対応するtracrRNA オーソログの二本鎖形成セグメント(「アクチベータ一RNA」)との配列アラインメントを提供する。上側の配列はCRISPR 反復コンセンサス配列であり、下側の配列はtracrRNA オーソログ配列の反復へのアニーリングである。 CRISPR 遺伝子座はII 型(Nmeni/CASS4)CRISPR/Cas 系に属する。命名法はCRISPRデータベース(CRISPRDB )に従っている。S. thermophilus のLMD-9 とW.succinogenes は、それぞれ2 つのII 型CRISPR 遺伝子座をもっていることに注意されたい。F. tularensissubsp. Novicida、Wsuccinogenes およびC. jejuniCRISPR 遺伝子座の中に2 つの可能なアンチリピートが見つかった。シーケンスの上位ペア: CRISPR リピートスペーサー配列の下流にあるアンチリピート;より低い配列対:CRISPR リピートスペーサー配列のリーダー配列内のアンチリピート。Cas9/Csnl 上流遺伝子のコード領域に,CRISPR 反復との相補性の低い反復配列(11 個のミスマッチ)が見いだされた。2つの可能なアンチリピート配列がR.rubrumCRISPR 遺伝子座内に見出された。シーケンスの上位ペア:反復スペーサー配列の下流のアンチリピート;下の対:cas1 の上流のアンチ リピート。 [0012]図9 A~G は、さまざまな生物種のtracrRNA(アクティベーターRNA)と crRNA(ターゲッター‐RNA)の配 ピート;下の対:cas1 の上流のアンチ リピート。 [0012]図9 A~G は、さまざまな生物種のtracrRNA(アクティベーターRNA)と crRNA(ターゲッター‐RNA)の配列を示す。ある程度の互換性が存在する;例えば、S.pyogenesCas9/Csnl タンパク質は、L.innocua 由来のtracrRNA およびcrRNA ととも に機能する。(I)は標準的ワトソン-クリック塩基対を示し、(・)はG-U ゆらぎ塩基対を示す。「可変20 nt」または「20 nt」は、標的DNA に相補的なDNA 標的化セグメントを表す。下の模式図は、ターゲッター‐RNA と活性化因子RNA の特徴を取り入れた単一分子のDNA 標的化RNA の設計を示している。A.化膿レンサ球菌(Streptococcuspyogenes 由来のCas9/Csnl タンパク質配列を図2 および12A に示す) B.Listeria innocua(Listeriainnocua 由来のCas9/Csnl タンパク質配列は、図12B に示される)C.Streptoccusmutans(Streptoccusmutans 由来のCas9/Csnl タンパク質配列は、図12C に示される)。 D.Streptoccusthermophilus 遺伝子座1(またはA)(Streptoccusthermophilus 遺子座1(またはA)由来のCasWCsnl タンパク質配列を図12D に示す)。 E.Streptoccusthermophilus 遺伝子座2(またはB)(Streptoccusthermophilus 遺伝子 座2(またはB)由来のCas9/Csnl タンパク質配列を図12E に示す)。F.髄膜炎菌(N philus 遺伝子座2(またはB)(Streptoccusthermophilus 遺伝子 座2(またはB)由来のCas9/Csnl タンパク質配列を図12E に示す)。F.髄膜炎菌(Neisseriameningitides 由来のCas9/Csnl タンパク質配列を図12F に示す)G.Pasteurellamultocida(Pasteurellamultocida 由来のCas9/Csnl タンパク質配列を図12G に示す)。 [0015]図 12A-V は、種々の種(例えば、Streptococcuspyogenes、Listeriainnocua、Streptoccusmutans、Streptoccusthermophilus 遺伝子座 1(またはA)、Streptoccusthermophilus 遺伝子座 2 (または B )、Neisseriameningitides 、Pasteurellamultocida など)由来のCas9/Csnl タンパク質のアミノ酸配列を提供する。 詳細な説明[0072]本開示は、標的化配列を含み、修飾ポリペプチドと共に、標的DNA および/または標的DNA に結合したポリペプチドの部位特異的修飾を提供するDNA 標的化RNA を提供する。本開示はさらに、修飾ポリペプチドを提供する。本開示はさらに、標的DNAおよび/または標的DNA に結合したポリペプチドの部位特異的修飾の方法、ならびにその 方法を実施するためのキットおよび組成物を提供する。 核酸DNA 標的化RNA[0073]本開示は、関連ポリペプチド(例えば、部位特異的修飾ポリペプチド)の活性 を標的DNA 内の特異的標的配列に向けるDN する。 核酸DNA 標的化RNA[0073]本開示は、関連ポリペプチド(例えば、部位特異的修飾ポリペプチド)の活性 を標的DNA 内の特異的標的配列に向けるDNA 標的化RNA を提供する。本発明のDNA標的化RNA は、第1 のセグメント(本明細書では「DNA 標的化セグメント」または「DNA 標的化配列」とも呼ばれる)および第2 のセグメント(本明細書では「タンパク質結合セグメント」または「タンパク質結合配列」とも呼ばれる)を含む。 DNA 標的化RNA のDNA 標的セグメント[0074]対象のDNA 標的化RNA のDNA 標的セグメントは、標的DNA 中の配列に相補的であるヌクレオチド配列を含む。換言すれば、対象DNA 標的化RNA のDNA 標的化セグメントは、ハイブリダイゼーション(すなわち、塩基対合)を介して配列特異的な様式で標的DNA と相互作用する。このように、DNA 標的化セグメントのヌクレオチド 配列は変化し得、そしてDNA 標的化RNA および標的DNA が相互作用する標的DNA 内の位置を決定する。対象のDNA 標的化RNA のDNA 標的セグメントは、標的DNA 内の任意の所望の配列にハイブリダイズするように修飾され得る(例えば、遺伝子工学によって)。 DNA 標的化RNA のタンパク質結合セグメント[0076]対象DNA 標的化RNA のタンパク質結合セグメントは、部位特異的修飾ポリペプチドと相互作用する。本発明のDNA 標的化RNA は、結合したポリペプチドを、上記のDNA 標的化セグメントを介して標的DNA 内の特定のヌクレオチド配列に誘導する。対象のDNA 標的化RNA のタンパク質結合セグメントは、互いに相補的である2 つのヌ 合したポリペプチドを、上記のDNA 標的化セグメントを介して標的DNA 内の特定のヌクレオチド配列に誘導する。対象のDNA 標的化RNA のタンパク質結合セグメントは、互いに相補的である2 つのヌク レオチドの範囲を含む。タンパク質結合セグメントの相補的なヌクレオチドはハイブリッド形成して二本鎖RNA 二本鎖(dsRNA)を形成する(図1A および1B 参照)。 [0077]いくつかの実施形態において、本発明のDNA 標的化RNA は、2 つの別個のRNA分子(RNA ポリヌクレオチド)を含み、本明細書では、「二重分子DNA 標的化RNA」 または「2 分子DNA 標的化RNA」(図1A)と呼ばれる。他の実施形態において、本発明のDNA 標的化RNA は、単一のRNA 分子(単一のRNA ポリヌクレオチド)であり、本明細書中では「単一分子DNA 標的化RNA」と呼ばれる(図1B)。特に明記しない限り、用語「DNA 標的化RNA」は、単一分子DNA 標的化RNA および二重分子DNA 標的化RNA の両方を指して、包括的である。 [0078]本発明の二分子DNA 標的化RNA は、2 つの別個のRNA 分子を含む。本発明の二分子DNA 標的RNA の2 つのRNA 分子の各々は、2 つのRNA 分子の相補的ヌクレオチドがハイブリダイズじてタンパク質結合セグメントの二本鎖RNA 二本鎖を形成するように、互いに相補的であるヌクレオチドの伸長を含む(図1A)。 [0079]本発明の単一分子DNA 標的化RNA は、互いに相補的であり、ハイブリダイズしてタンパク質結合セグメントの二本鎖RNA 二本鎖(dsRNA 二本鎖)を形成する介在ヌクレオチド(「リンカー」または「リンカーヌクレオチド」)によって共有結合 、互いに相補的であり、ハイブリダイズしてタンパク質結合セグメントの二本鎖RNA 二本鎖(dsRNA 二本鎖)を形成する介在ヌクレオチド(「リンカー」または「リンカーヌクレオチド」)によって共有結合的に連結された2 つのヌクレオチド範囲(ターゲッター‐RNA およびアクチベーターRNA)を含 み、その結果、ステム-ループ構造が生じる(図1B)。ターゲッター‐RNA とアクティベーターRNA は、ターゲッター‐RNA の3'末端とアクティベーターRNA の5’末端を介して共有結合することができる。あるいは、ターゲッター‐RNA とアクティベーターRNA は、ターゲッター‐RNA の5'末端とアクティベーターRNA の3'末端を介して共有結合することができる。 [0083]例示的な二分子DNA 標的化RNA は、crRNA 様(CRISPRRNA または「ターゲッター‐ RNA」またはcrRNA 反復)分子および対応するtracrRNA 様(トランス作用CRISPRRNAまたは「活性化因子RNA」またはtracrRNA)分子を含む(図1A参照)。 crRNA 様分子(ターゲッター-RNA)は、DNA 標的化RNA のDNA 標的化セグメント (一本鎖)と、 DNA 標的化RNA のタンパク質結合セグメントのdsRNA 二本鎖の半分を形成するヌクレオチドの伸長(「二本鎖形成セグメント」)の両方を含む。対応するtracrRNA 様分子 (アクティベーター-RNA)は、DNA 標的化RNA のタンパク質結合セグメントのdsRNA 二本鎖の残りの半分を形成するヌクレオチドの範囲(二本鎖形成セグメント)を含む(図1A 参照)。言い換えれば、crRNA 様分子のヌクレオチドの伸長は、 tracrRNA 様分子のヌ sRNA 二本鎖の残りの半分を形成するヌクレオチドの範囲(二本鎖形成セグメント)を含む(図1A 参照)。言い換えれば、crRNA 様分子のヌクレオチドの伸長は、 tracrRNA 様分子のヌクレオチドの伸長と相補的であり、これとハイブリダイズして、DNA 標的化RNA のタンパク質結合ドメインのdsRNA 二本鎖を形成する。したがって、それぞのcrRNA 様分子は、対応するtracrRNA 様分子を有すると言える。crRNA 様分子はさらに、一本鎖DNA 標的セグメントを提供する。したがって、crRNA 様分子とtracrRNA 様分子は(対応する対として)ハイブリッド形成してDNA 標的化RNA を形 成する(図1A 参照)。所与のcrRNA またはtracrRNA 分子の正確な配列は、RNA 分子が見出される種に特徴的である。様々なcrRNA とtracrRNAs が個別に、また対応する相補的な対で図6-9 に示されている。二重分子DNA 標的化RNA は、任意の対応するcrRNA およびtracrRNA 対を含むことができる。 [0087]例示的な単一分子DNA 標的化RNA は、ハイブリダイズしてdsRNA 二本鎖を形成するヌクレオチドの2 つの相補的な伸長を含む。いくつかの実施形態において、単一分子DNA 標的化RNA(または伸長をコードするDNA)のヌクレオチドの2 つの相補的伸長のうちの1 つは、少なくとも25 個の連続するヌクレオチドの伸長にわたって、図6、8、および9 に示されるアクチベーター—RNA(tracrRNA)分子のうちの1 つと約60%超同 一である。例えば、単一分子DNA 標的化RNA(または伸長をコードするDNA)のヌクレオチドの2 つの相補的な伸長のうちの1 つは、少なくと racrRNA)分子のうちの1 つと約60%超同 一である。例えば、単一分子DNA 標的化RNA(または伸長をコードするDNA)のヌクレオチドの2 つの相補的な伸長のうちの1 つは、少なくとも25 個の連続するヌクレオチドの伸長にわたって、図6、8 および9 に示されるtracrRNA 配列の1 つに対して、約65%超同一であり、約70%超同一であり、約75%超同一であり、約80%超同一であり、約85%超同一であり、約90%超同一であり、約95%超同一であり、約98%超同一であり、 約99%超同一であり、または100%同一である。 部位特異的修飾ポリぺプチド[0089]本発明のDNA 標的化RNA および本発明の部位特異的修飾ポリペプチドは、 複合体を形成する。DNA 標的化RNA は、(上記のように)標的DNA の配列に相補的なヌク レオチド配列を含むことによって、複合体に標的特異性を提供する。複合体の部位特異的修飾ポリペプチドは部位特異的活性を提供する。換言すれば、部位特異的修飾ポリぺプチドは、DNA 標的化RNA の少なくともタンパク結合セグメント(上記)との結合により、DNA 配列(例えば、染色体配列または染色体外配列、例えば、エピソーム配列、小環状配列、ミトコンドリア配列、クロロプラスト配列など)に誘導される。 [0091]ある場合には、部位特異的修飾ポリペプチドは、天然に存在する修飾ポリぺプチドである。他の場合において、部位特異的修飾ポリペプチドは、天然に存在するポリペプチドではない(例えは、以下に議論するようなキメラポリペプチド、または修飾された天然に存在するポリペプチド、例えば、突然変異、欠失、挿入)。 [0092]例示的な天然の部位特異的修飾ポリぺプチドは、天然 えは、以下に議論するようなキメラポリペプチド、または修飾された天然に存在するポリペプチド、例えば、突然変異、欠失、挿入)。 [0092]例示的な天然の部位特異的修飾ポリぺプチドは、天然に存在するCas9/Csnl エンドヌクレアーゼの非限定的かつ非網羅的なリストとして、図12 に提供される。これらの天然に存在するポリペプチドは、本明細書に開示されるように、DNA 標的化RNA に結合し、それによって標的DNA 内の特定の配列に向けられ、標的DNA を切断して二本鎖切 断を生成する。本発明の部位特異的修飾ポリペプチドは、RNA 結合部分および活性部分の2 つの部分を含む。いくつかの実施形態において、本発明の部位特異的修飾ポリぺプチドは、(i)DNA 標的化RNA と相互作用するRNA 結合部分を含み、ここで、DNA 標的化RNA は、標的DNA 中の配列に相補的なヌクレオチド配列を含む;および(ii)部位特異的酵素活性(例えば、DNA メチル化に対する活性、DNA 切断に対する活性、ヒストン アセチル化に対する活性、ヒストンメチル化に対する活性など)を示す活性部分を含み、ここで、酵素活性の部位は、DNA 標的化RNA によって決定される。 例示的な部位特異的修飾ポリぺプチド[0096]いくつかの場合において、部位特異的修飾ポリペプチドは、図2 に示される Cas9/Csnl アミノ酸配列のアミノ酸7〜166 または731-1003.または図12 に示されるアミノ酸配列のいずれかにおける対応するドメインに対して、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。 少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。 [00115]コンジュゲートは、「タンパク質形質導入ドメイン」またはPTD(CPP-細胞浸透性ぺプチドとしても知られる)を含み得、これは、脂質二重層、ミセル、細胞膜、細胞小器官膜、 または小胞膜の横断を容易にするポリペプチド、ポリヌクレオチド、炭水化物、または有機もしくは無機化合物を指し得る。別の分子に結合したPTD は、小さな極性分子から大きな高分子および/またはナノ粒子に及ぶことができ、例えば、細胞外スペース から細胞内スペースへ、またはサイトゾルから細胞小器官内へ、膜を横切る分子を容易にする。いくつかの実施形態において、PTD は、外因性ポリペプチド(例えば、部位特異的修飾ポリぺプチド)のアミノ末端に共有結合される。いくつかの実施形態において、PTD は、外因性ポリペプチド(例えば、部位特異的修飾ポリペプチド)のカルボキシル末端に共有結合される。いくつかの実施形態において、PTD は、核酸(例えば、DNA 標的化 RNA、DNA 標的化RNA をコードするポリヌクレオチド、部位特異的修飾ポリぺプチドをコードするポリヌクレオチドなど)に共有結合される。例示的なPTD は、限定されるものではないが、最小のウンデカペプチドタンパク質形質導入ドメイン(YGRKKRRQRRR を含むHIV-1TAT の残基47-57 に対応する);配列番号は、細胞への侵入を指示するのに十分な数のアルギニンを含むポリアルギニン配列(例えば、3、4、 5、6、7、8、9、10、または10-50 のアルギニン)をN0;//);する;VP2 ;配列番号は、細胞への侵入を指示するのに十分な数のアルギニンを含むポリアルギニン配列(例えば、3、4、 5、6、7、8、9、10、または10-50 のアルギニン)をN0;//);する;VP22 ドメインを含む (Zenderetal.(2002) CancerGeneTher. 9 ⑹:489-96);ショウジョウバエのAntennapedia タンパク質の形質導入ドメイン(Noguchietal.(2003)52(7):1732- 173 7)、 短縮型ヒトカルシトニンぺプチド(Trehinetal.(2004)Pharm. Research21:1248- 1256);ホリリシン(Wenderetal.(2000) Proc. Natl. Acad. Sci.USA 97: 13003'13008 ); RRQRRTSKLMKR ( 配列番号:/ ); トランスポータGWTLNSAGYLLGKINLKALAALAKKIL(配列番号:/);KALAWEAKLAKALAKALAKHLAKALAKALKCEA (配列番号:/ ); およびRQIKIWFQNRRMKWKK(配列番号:/)。例示的なPTD は、限定されるものではないが、YGRKRKRQRRR(配列番号:/)、RKKRKRQRRR(配列番号:/);3 個のアルギニン残基 から50 個のアルギニン残基までのアルギニンホモポリマー;例示的なPTD ドメインアミノ酸配列は、限定されるものではないが、以下のいずれかを含む:YGRKKRRQRRR(配列番号 ://);RKKRRQRR(配列番号:2));YARAARQARA(配列番号://);)THRLPRRRRRR(配列番号://);および GGRRARRRRRR(配列番号 RRQRRR(配列番号 ://);RKKRRQRR(配列番号:2));YARAARQARA(配列番号://);)THRLPRRRRRR(配列番号://);および GGRRARRRRRR(配列番号://))。いくつかの実施形態において、PTD は、活性化可能なCPP(ACPP)である(Aguileraetal. (2009)CollomBiol(Camb)June;l(5-6):371-381)。ACPP は、切断可能なリンカーを介して対応するポリアニオン(典型的にはGlu9 またはE9)に連結されたポリカチオン性CPP(典型的にはArg9 またはR9)を含み、これは、正味の電荷をほぼ0に減少させ、それによって細胞への接着および取り込みを阻害する。リンカーが切断されると、ポリアニオンが放出され、ポリアルギニンおよびその固有の接着性が局所的に露出され、 それによってACPP が「活性化」されて膜を横断する。 例示的なDNA 標的化RNA[00116]いくつかの実施形態において、適切なDNA 標的化RNA は、2 つの別個のRNAポリヌクレオチド分子を含む。2 つの別個のRNA ポリヌクレオチド分子のうちの第1 の 分子(アクチベーター-RNA)は、図6A~C に示されるヌクレオチド配列のいずれか1 つに対して、少なくとも25 個の連続するヌクレオチドの伸長にわたって、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。2 つの別個のRNA ポリヌクレオチド分 子の第2 のもの(ターゲッター‐RNA)は、図7A~C に示されるヌクレオ %、または100%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。2 つの別個のRNA ポリヌクレオチド分 子の第2 のもの(ターゲッター‐RNA)は、図7A~C に示されるヌクレオチド配列のいずれか1 つに対して、少なくとも12 個の連続するヌクレオチドの範囲にわたって、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%のヌクレオチド配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。 [00117]いくつかの実施形態において、適切なDNA 標的化RNA は、単一のRNA ポリヌクレオチドであり、図6A〜C に示されるヌクレオチド配列のいずれかに対して、 少なくとも25 個の隣接ヌクレオチドの範囲にわたって、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なく とも約99%、または100%のヌクレオチド配列同一性を有する第1 のヌクレオチド配列と、図7A~C に示されるヌクレオチド配列のいずれか1 つに対して、少なくとも12 個の隣接ヌクレオチドの範囲にわたって、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約 98%、少なくとも約99%、または100%のヌクレオチド配列同一性を有する第2 のヌクレオチド配列とを含む。 [00118]いくつかの実施形態において、DNA 標的化RNA は二分子RNA 標的化RNA であり、ターゲッター‐RNA は、その5'末端で標的DNA に相補的であるヌクレオチドの伸長に連結された配列5'GUUUUAGAGCUA-3' NA 標的化RNA は二分子RNA 標的化RNA であり、ターゲッター‐RNA は、その5'末端で標的DNA に相補的であるヌクレオチドの伸長に連結された配列5'GUUUUAGAGCUA-3'を含む。いくつかの実施形態において、DNA 標的化RNA は、二重分子DNA 標的化RNA であり、アクチベーター‐RNA は、配列5'UAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCG-3'を含む。 [00119]いくつかの実施形態において、DNA 標的化RNA は、単一分子RNA であり、 その5' 末端で標的に相補的であるヌクレオチドの伸長に連結された配列5'-GUUUUAGAGCUA-リンカー-UAGCAAGUUAAAAUAAGGCUAGUCCG-3'を含む (こ こで、「リンカー」は、任意のヌクレオチド配列を含み得る任意のリンカーヌクレオチド配列を意味する)。単一分子DNA 標的化RNA のリンカーは、約3 ヌクレオチド〜約100ヌクレオチドの長さを有することができる。例えば、リンカーは、約3 ヌクレオチド(nt)~約90 nt、約3 ヌクレオチド(nt)~約80 nt、約3 ヌクレオチド(nt) ~約70 nt、約3 ヌクレオチド(nt) ~約60 nt、約3 ヌクレオチド(nt)~約50 nt、約3 ヌクレオチド(nt) ~約40 nt、約3 ヌクレオチド(nt) ~約30 nt、約3 ヌクレオチド(nt) ~約20 nt、または約3 ヌクレオチド(nt) ~約10nt の長さを有することができる。いくつかの実施形態において、リンカーは、約3 nt から約5 nt、約5 nt から約10 nt、約10 nt から約 15 nt、約15 nt から約20 nt、約20 nt から約25 nt、約25 nt から において、リンカーは、約3 nt から約5 nt、約5 nt から約10 nt、約10 nt から約 15 nt、約15 nt から約20 nt、約20 nt から約25 nt、約25 nt から約30 nt、約30 nt から約35 nt、約35 ntから約40 nt、約40nt から約50 nt、約50 nt から約60 nt、 約60 nt から約70 nt、約 70 nt から約80 nt、約80 nt から約90 nt、または約90 nt から約100 nt の長さを有する。いくつかの実施形態において、単一分子DNA 標的化RNA のリンカーは4 nt である。 DNA 標的RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドをコードする核酸[00120]本開示は、対象のDNA 標的化RNA および/または対象の部位特異的修飾ポリぺ プチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。いくつかの実施形態において、本発明のDNA 標的化RNA コード核酸は、発現ベクター、例えば組換え発現ベクターである。 [00121]いくつかの実施形態において、本発明の方法は、標的DNA と接触させること、 またはDNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む1 以上の核酸を細胞(または細胞の集団)に導入することを含む。 いくつかの実施形態において、標的DNA を含む細胞はインビトロである。いくつかの実施形態において、標的DNA を含む細胞はインビボである。DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む適切な核酸は、発 現ベクターを含み、ここで、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリぺプチ 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む適切な核酸は、発 現ベクターを含み、ここで、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリぺプチドをコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターは、「組換え発現ベクター」である。 [00122]いくつかの実施形態において、組換え発現ベクターは、ウイルス構築物、例えば、組換えアデノ随伴ウイルス構築物(例えば、米国特許第7078387 号参照)、組換えアデ ノウイルス構築物、組換えレンチウイルス構築物、組換えレトロウイルス構築物などである。 [00123]適切な発現ベクターとしては、ウイルスベクター(例えば、ワクシニアウイルスに基づくウイルスベクター;ポリオウイルス;アデノウイルス(例えば、Li ら、Invest OpthaknolVisSci 35:2543 2549、1994;Borras ら、GeneTher 6:515 524、1999;LiandDavidson、PNAS 92:7700 7704、1995;Sakamoto ら、HGeneTher 5:10881097、 1999;WO 94/12649、WO 93/03769;WO 93/19191;WO 94/28938;WO95/11984 および WO 95/00655 を参照のこと);アデノ随伴ウイルス(例えば、Alietal.,HumGeneTher 9:81 86,1998, Flanneryetal., PNAS 94:6916 6921, 1997; Bennett etal., InvestOpthalmolVisSci 38:2857 2863, 1997; Jomaryetal., GeneT 6921, 1997; Bennett etal., InvestOpthalmolVisSci 38:2857 2863, 1997; Jomaryetal., GeneTher 4: 683 690, 1997, Rollingetal., HumGeneTher 10:641 648, 1999; Alietal., HumMolGenet 5:591 594, 1996; SrivastavainWO 93/09239, Samulskietal., J. Vir.(1989)63:3822-3828; Mendelsonetal., Viral.(1988)166:154-165; andFlotteetal.,PNAS (1993)90:10613- 10617);SV40;単純ヘルペスウイルス;ヒト免疫不全ウ イルス(例えば、Miyoshi ら、PNAS 94:10319 23、1997;Takahashi ら、JViral73:7812 7816、1999);レトロウイルスベクター(例えば、マウス白血病ウイルス、脾壊死ウイルス、ならびにレトロウイルス、例えば、ラウス肉腫ウイルス、ハーベイ肉腫ウイルス、トリ白血病ウイルス、レンチウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルス、および乳房腫瘍ウイルス)などが挙げられるが、これらに限定されない。 [00124]多くの適切な発現ベクターが当業者に公知であり、多くが市販されている。以下のベクターは、真核生物宿主細胞のための例として提供される:pXTl 、 pSG5(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG、およびpSVLSV40(Pharmacia)。しかしながら、宿主細胞と適合性がある限 細胞のための例として提供される:pXTl 、 pSG5(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG、およびpSVLSV40(Pharmacia)。しかしながら、宿主細胞と適合性がある限り、任意の他のベクターを使用することができる。 [00125]利用される宿主/ベクター系に依存して、構成的および誘導性プロモーター、転写エンハンサーエレメント、転写ターミネータ—などを含む多くの適切な転写および翻訳制御エレメントのいずれかが、発現ベクターにおいて使用され得る(例えば、Bitter ら(1987)MethodsinEnzymology,153:516-544 参照)。 [00126]いくつかの実施形態において、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、制御要素、例えば、プロモーターなどの転写制御要素に作動可能に連結される。転写制御要素は、真核細胞、例えば哺乳動物細胞;または原核細胞(例えば細菌細胞または古細菌細胞)のいずれかにおいて機能的であり得 る。いくつかの実施形態において、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、原核細胞および真核細胞の両方において、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の発現を可能にする複数の制御要素に作動可能に連結される。 [00127]適切な真核生物プロモーター(真核細胞において機能するプロモーター)の非限定的な例には、サイトメガロウイルス(CMV)前初期、単純ヘルペスウイルス(HSV)チミジンキナーゼ、初期および後期SV40 レトロウイルス由来の長末端反復配列(LTR)、およびマウスメタロチオ 限定的な例には、サイトメガロウイルス(CMV)前初期、単純ヘルペスウイルス(HSV)チミジンキナーゼ、初期および後期SV40 レトロウイルス由来の長末端反復配列(LTR)、およびマウスメタロチオネイン-1 由来のものが含まれる。適切なベクターおよびプロモーターの選択は、十分に当業者の範囲内である。発現ベクターはまた、翻訳開始のための リボソーム結合部位および転写ターミネーターを含んでもよい。発現ベクターはまた、発現を増幅するための適切な配列を含み得る。発現ベクターはまた、部位特異的修飾ポリペプチドに融合され、それによってキメラポリぺプチドを生じるタンパク質タグ(例えば、 6 xHis タグ、ヘマグルチニンタグ、緑色蛍光タンパク質など)をコードするヌクレオチド配列を含み得る。 [00128]いくつかの実施形態において、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、誘導性プロモーターに作動可能に連結される。一部の実施形態において、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリぺプチドをコードするヌクレオチド配列は、構成的プロモーターに作動可能に連結される。 [00129]核酸を宿主細胞に導入する方法は当技術分野で公知であり、任意の公知の方法を用いて、核酸(例えば、発現構築物)を幹細胞または前駆細胞に導入することができる。 適切な方法は、例えば、感染、リポフレクション、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、ポリエチレンイミン(PEI)媒介トランスフェクション、DEAE-デキスト ラン媒介トランスフェクション、リポソーム媒介トランスフェクションなどを含む。 方法[00155]本開示は、標的DNA および/または標的DNA 結合ポリペプチドを DEAE-デキスト ラン媒介トランスフェクション、リポソーム媒介トランスフェクションなどを含む。 方法[00155]本開示は、標的DNA および/または標的DNA 結合ポリペプチドを修飾するための方法を提供する。一般に、本発明の方法は、標的DNA を、DNA 標的化RNA および部 位特異的修飾ポリペプチドを含む複合体(「標的化複合体」)と接触させることを含む。 [00156]上記のように、本発明のDNA 標的化RNA および本発明の部位特異的修飾ポリペプチドは、複合体を形成する。DNA 標的化RNA は、標的DNA の配列に相補的なヌクレオチド配列を含むことによって、複合体に標的特異性を提供する。複合体の部位特異的修 飾ポリペプチドは部位特異的活性を提供する。いくつかの実施形態において、本発明の複合体は、標的DNA を修飾し、例えば、DNA 切断、DNA メチル化、DNA 損傷、DNA 修復などをもたらす。他の実施形態において、本発明の複合体は、標的DNA に結合した標的ポリぺプチド(例えば、ヒストン)を修飾し、例えば、ヒストンメチル化、ヒストンアセチル化などをもたらす。標的DNA は、例えば、インビトロでの裸のDNA、インビト ロでの細胞中の染色体DNA、インビボでの細胞中の染色体DNA などであり得る。 [00157]ある場合には、部位特異的修飾ポリペプチドは、DNA 標的化RNA と標的DNAとの間の相補性領域によって規定される標的DNA 配列において標的DNA を切断するヌクレアーゼ活性を示す。ヌクレアーゼ活性は標的DNA を切断して二本鎖切断を生じる。 これらの切断は次の2 通りの方法、非相同末端結合と相同的修復(図4)で細胞によって修復される。非相同末端結合(NHEJ) を示す。ヌクレアーゼ活性は標的DNA を切断して二本鎖切断を生じる。 これらの切断は次の2 通りの方法、非相同末端結合と相同的修復(図4)で細胞によって修復される。非相同末端結合(NHEJ)では、二本鎖切断は切断末端が互いに直接連結することによって修復される。そのため、新しい核酸材料は部位に挿入されないが、いくつかの核酸材料は失われ、欠失を生じ得る。相同性指向性修復では、切断された標的DNA配列に相同性を有するドナーポリヌクレオチドが、切断された標的DNA 配列の修復のた めの鋳型として使用され、その結果、ドナーポリヌクレオチドから標的DNA へ遺伝情報が伝達される。そのため、新しい核酸材料を部位に挿入/コピーすることができる。ある場合には、標的DNA を対象ドナーポリヌクレオチドと接触させる。ある場合には、対象ドナーポリヌクレオチドが対象細胞に導入される。NHEJ および/または相同性指向性修復による標的DNA の修飾は、例えば、遺伝子補正、遺伝子置換、遺伝子タグ付け、導入 遺伝子挿入、ヌクレオチド欠失、遺伝子破壊、遺伝子突然変異などをもたらす。 目的の標的細胞[00165]上記の適用のいくつかにおいて、本発明の方法は、インビトロおよび/またはエキソビボおよび/またはインビトロで、有糸分裂細胞または分裂後細胞においてDNA 切断 およびDNA 修飾を誘導するために(例えば、個体に再導入され得る遺伝子改変された細胞を生成するために)使用され得る。DNA 標的化RNA は、標的DNA にハイブリダイズすることによって特異性を提供するので、開示された方法における対象の有糸分裂細胞および/または分裂後細胞は、任意の生物由来の細胞(例えば、細菌細胞、古細菌細胞、単細胞真核生物の細胞、植物細胞、動物細胞、無脊椎動物の 特異性を提供するので、開示された方法における対象の有糸分裂細胞および/または分裂後細胞は、任意の生物由来の細胞(例えば、細菌細胞、古細菌細胞、単細胞真核生物の細胞、植物細胞、動物細胞、無脊椎動物の細胞(例えば、ショウジョウバ エ、刺胞動物、棘皮類、線虫など)、脊椎動物の細胞(例えば、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)、哺乳類の細胞齧歯類の細胞、ヒトの細胞など)を含み得る。任意のタイプの細胞(例えば、幹細胞、例えば、胚性幹細胞(ES)細胞、誘導多能性幹(iPS)細胞、生殖細胞;体細胞、例えば、線維芽細胞、造血細胞、ニューロン、筋細胞、骨細胞、肝細胞、膵臓細胞など)が対象であり得る。細胞は、確立された細胞株由来であってもよ いし、または初代細胞であってもよく、ここで、「初代細胞」、「初代細胞株」、および「初代培養物」は、本明細書において、被験体に由来し、培養物の限られた数の継代(すなわち、分裂)の間インビトロで増殖させた細胞および細胞培養物を指すために互換的に使用される。例えば、一次培養物は、0 回、1 回、2 回、4 回、5 回、10 回、または15 回継代された培養物であるが、発症段階を通過するには十分な回数ではない。典型的には、 本発明の一次細胞株は、インビトロで10 継代未満維持される。 DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドをコードする核酸[00167]いくつかの実施形態において、本発明の方法は、標的DNA と接触させること、またはDNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはドナー ポリヌクレオチドをコードするヌクレオチド配列を含む1 以上の核酸を細胞(または細胞の集団)に導入することを含む。DNA 標的化RNA および/または部位特 修飾ポリペプチドおよび/またはドナー ポリヌクレオチドをコードするヌクレオチド配列を含む1 以上の核酸を細胞(または細胞の集団)に導入することを含む。DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリぺプチドをコードするヌクレオチド配列を含む適切な核酸は、発現ベクターを含み、ここで、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターは、「組換え発現ベクター」である。 [00168]いくつかの実施形態において、組換え発現ベクターは、ウイルス構築物、例えば、組換えアデノ随伴ウイルス構築物(例えば、米国特許第7078387 号参照)、組換えアデノウイルス構築物、組換えレンチウイルス構築物などである。 [00169]適切な発現ベクターは、ウイルスベクター(例えば、ワクシニアウイルスに基づくウイルスベクター;ポリオウイルス;アデノウイルス(例えば、Lietal., InvestOpthalmolVisSci 35:2543 2549, 1994; Borrasetal., GeneTher 6:515 524, 1999;LiandDavidson, PNAS 92:7700 7704, 1995; Sakamotoetal.,HGeneTher 5:10881097, 1999; WO 94/12649, WO 93/03769; WO 93/19191; WO 94/28938; WO 95/11984 andWO 95/00655 を参照のこと);アデノ随伴ウイルス(例えば、Alietal.. HumGeneTher 9:81 86,1998, Flanneryetal., PNAS 94:6916 6921 を参照のこと);アデノ随伴ウイルス(例えば、Alietal.. HumGeneTher 9:81 86,1998, Flanneryetal., PNAS 94:6916 6921, 1997; Bennettetal.,InvestOpthalmolVisSci 38:2857 2863, 1997; Jomaryetal.. GeneTher 4:683 690,1997, Rollingetal., HumGeneTher 10:641 648, 1999; Alietal., HumMolGenet5:591 594, 1996; SrivastavainWO 93/09239, Samulskietal., J. Vir.(1989)63:3822- 3828 ; Mendelsonetal., Viral.(1988)166 :154-165 ; andFlotteetal., PNAS(1993)90:10613- 10617); SV40;単純ヘルペスウイルス;ヒト免疫不全ウイルス(例えば、Miyoshietal., PNAS 94:10319 23,1997; Takahashietal.,JViral 73:78127816,1999);レトロウイルスベクター(例えば、マウス白血病ウイルス、脾壊死ウイルス、ならびにレトロウイルス、例えば、ラウス肉腫ウイルス、ハーベイ肉腫ウイルス、トリ 白血病ウイルス、レンチウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルス、および乳腺腫瘍ウイルス)などを含むが、これらに限定されない。 [00170]多くの適切な発現ベクターが当業者に公知であり、多くが市販されている。以下のベクターは、真核 骨髄増殖性肉腫ウイルス、および乳腺腫瘍ウイルス)などを含むが、これらに限定されない。 [00170]多くの適切な発現ベクターが当業者に公知であり、多くが市販されている。以下のベクターは、真核生物宿主細胞のための例として提供される:pXTl、pSG5(Stratagene)、 pSVK3、pBPV、pMSG、およびpSVLSV40(Pharmacia)。しかしながら、宿主細胞と適合性がある限り、任意の他のベクターを使用することができる。 [00171]いくつかの実施形態において、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリぺプチドをコードするヌクレオチド配列は、制御要素、例えば、プロモーターなどの転 写制御要素に作動可能に連結される。転写制御要素は、真核細胞、例えば哺乳動物細胞、または原核細胞(例えば細菌細胞または古細菌細胞)のいずれかにおいて機能的であり得る。 いくつかの実施形態において、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、原核細胞および真核細胞の両方において、DNA標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の 発現を可能にする複数の制御要素に作動可能に連結される。 [00172]利用される宿主/ベクター系に依存して、構成的および誘導性プロモーター、転写エンハンサーエレメント、転写ターミネーターなどを含む多くの適切な転写および翻訳制御エレメントのいずれかが、発現ベクターにおいて使用され得る(例えば、Bitter ら (1987)MethodsinEnzymology,153:516-544 参照)。 [00173]いくつかの実施形態において、DNA 標的化RNA は、RNA とし itter ら (1987)MethodsinEnzymology,153:516-544 参照)。 [00173]いくつかの実施形態において、DNA 標的化RNA は、RNA として直接提供され得る。そのような場合、DNA 標的化RNA は、直接的な化学合成によって産生されてもよく、またはDNA 標的化RNA をコードするDNA からインビトロで転写されてもよい。 DNA テンプレートからRNA を合成する方法は、当該技術分野において周知である。いくつかの場合において、DNA 標的化RNA は、RNA ポリメラーゼ酵素(例えば、T7 ポリメラーゼ、T3 ポリメラーゼ、SP6 ポリメラーゼなど)を用いてインビトロで合成される。 一旦合成されると、RNA は、標的DNA に直接接触してもよく、または核酸を細胞に導入するための周知の技術(例えば、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、 トランスフェクションなど)のいずれかによって細胞に導入されてもよい。 [00174]十分に開発されたトランスフェクション技術を用いて、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリぺプチドおよび/またはドナーポリヌクレオチドをコードするヌクレオチドを細胞に提供することができる;例えば、AngelandYanik(2010) PLoS ONE 5(7):ell756、ならびにQiagen から市販されているTransMessenger(登録商標)試薬、Stemgent からのStemfect(商標)RNA トランスフェクションキット、およびMirusBioLLC からのTransIT(登録商標)-mRNA トランスフェクションキットを参照されたい。Beumeretal.(2008)も参照。亜鉛フィン フェクションキット、およびMirusBioLLC からのTransIT(登録商標)-mRNA トランスフェクションキットを参照されたい。Beumeretal.(2008)も参照。亜鉛フィンガーヌクレアーゼを胚に直接注入することによる、ショウジョウバエの効率的な遺伝子ターゲティング。PNAS 105 (50):19821-19826。あるいは、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリぺプチドおよび/またはキメラ部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはドナーポリヌクレオチドをコードする核酸を、DNA ベクター上に提供することができる。核酸を標的細胞に導入するのに有用な多くのベクター、例えばプラスミド、コスミド、ミニサークル、ファージ、ウイルスなどが利用可能である。核酸を含むベクターは、例えば、 プラスミド、 ミニサークルDNA、ウイルス(例えば、サイトメガロウィルス、アデノウイルスなど)のようにエピソームとして維持されてもよいし、または例えば、レトロウイルス由来ベクター(例えば、MMLV、HIV-1、ALV など)のように相同組換えまたはランダム組込みによって標的細胞ゲノムに組み込まれてもよい。 [00175]ベクターは、対象細胞に直接提供されてもよい。言い換えれば、ベクターが細胞によって取り込まれるように、細胞を、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはキメラ部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはドナーポリヌクレオチドをコードする核酸を含むベクターと接触させる。エレクトロポレーション、塩化カルシウムトランスフエクション、マイクロインジェクション、およびリポフエクシ ョンのような、プラスミドである核酸ベクターと細胞を接触させる方法は、当技術分野 させる。エレクトロポレーション、塩化カルシウムトランスフエクション、マイクロインジェクション、およびリポフエクシ ョンのような、プラスミドである核酸ベクターと細胞を接触させる方法は、当技術分野において周知である。ウイルスベクター送達のために、細胞を、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはキメラ部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはドナーポリヌクレオチドをコードする核酸を含むウイルス粒子と接触させる。 レトロウイルス、例えばレンチウイルスは、本発明の方法に特に適している。一般に使用 されるレトロウイルスベクターは、「欠損」であり、すなわち、生産的感染に必要なウイルスタンパク質を産生することができない。むしろ、ベクターの複製にはパッケージング細胞系での増殖が必要である。目的の核酸を含むウイルス粒子を生成するために、核酸を含むレトロウイルス核酸は、パッケージング細胞株によってウイルスキヤプシドにパッケージングされる。異なるパッケージング細胞株は、キャプシドに取り込まれる異なるエン ベロープ蛋白(エコトロピック、両異種栄養性または異種栄養性)を提供し、このエンベロープ蛋白は、細胞に対するウイルス粒子の特異性を決定する(マウスおよびラットに対してはエコトロピック;ヒト、イヌおよびマウスを含むほとんどの哺乳動物細胞型に対しては両異方性;およびマウス細胞を除くほとんどの哺乳動物細胞型に対しては異方性)。 適切なパッケージング細胞株を使用して、細胞がパッケージングされたウイルス粒子によ って標的化されることを確実にし得る。再プログラミング因子をコードする核酸を含むレトロウイルスベクターをパッケージング細胞株に導入する方法、およびパッケージング株によって生成されるウイルス粒子を収集する方法は、当 ることを確実にし得る。再プログラミング因子をコードする核酸を含むレトロウイルスベクターをパッケージング細胞株に導入する方法、およびパッケージング株によって生成されるウイルス粒子を収集する方法は、当技術分野において周知である。 [00176] DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはキメ ラ部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはドナーポリヌクレオチドをコードする核酸を対象細胞に提供するために使用されるベクターは、典型的には、対象核酸の発現、すなわち転写活性化を駆動するための適切なプロモーターを含む。換言すれば、目的の核酸は、プロモーターに機能的に連結される。これは、遍在的に作用するプロモーター、例えば、CMV-β-アクチンプロモーター、または特定の細胞集団において活性であるか、またはテ トラサイクリンのような薬物の存在に応答するプロモーターのような誘導性プロモーターを含むことができる。転写活性化により、転写は標的細胞の基礎レベルよりも少なくとも約10 倍、少なくとも約100 倍、より通常は少なくとも約1000 倍増加することが意図される。さらに、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはキメラ部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはドナーポリヌクレオチドを対象細胞 に提供するために使用されるベクターは、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはキメラ部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはドナーポリヌクレオチドを取り込んだ細胞を同定するために、標的細胞中の選択可能なマーカーをコードする核酸配列を含み得る。 [00177]本発明のDNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドお 細胞を同定するために、標的細胞中の選択可能なマーカーをコードする核酸配列を含み得る。 [00177]本発明のDNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはキメラ部位特異的修飾ポリぺプチドは、代わりに、DNA と接触するために使用され得るか、またはRNA として細胞に導入され得る。RNA を細胞に導入する方は当技術分野で公知であり、例えば、直接注射、トランスフェクション、またはDNA の導入に使用される任意の他の方法を含み得る。 [00178]本発明の部位特異的修飾ポリペプチドは、代わりに、ポリペプチドとして細胞に提供されてもよい。このようなポリペプチドは、必要に応じて、生成物の溶解度を増大させるポリペプチドドメインに融合され得る。ドメインは、規定されたプロテアーゼ切断部位、例えば、TEV プロテアーゼによって切断されるTEV 配列を介してポリぺプチドに連 結され得る。リンカーはまた、1 つ以上の柔軟な配列、例えば1〜10 個のグリシン残基を含んでもよい。いくつかの態様において、融合タンパク質の切断は、生成物の溶解度を維持する緩衝液中で、例えば、0.5-2M の尿素の存在下で、可溶性を増加させるポリぺプチドおよび/またはポリヌクレオチドの存在下などで行われる。関心のあるドメインは、エンドソーム分解性ドメイン(例えば、インフルエンザHA ドメイン);および産生を補助 する他のポリペプチド(例えば、IF2 ドメイン、GST ドメイン、GRPE ドメインなど)を含む。ポリペプチドは、改良された安定性のために処方され得る。例えば、ペプチドはPEG 化されてもよく、ここで、ポリエチレンオキシ基は血流中の寿命を延長する。 [00179]さらにまたは別法として、本発明の部 チドは、改良された安定性のために処方され得る。例えば、ペプチドはPEG 化されてもよく、ここで、ポリエチレンオキシ基は血流中の寿命を延長する。 [00179]さらにまたは別法として、本発明の部位特異的修飾ポリペプチドをポリぺプチド 浸透性ドメインに融合させて、細胞による取り込みを促進してもよい。多くの浸透性ドメインが当技術分野で公知であり、ペプチド、ペプチド模倣物、および非ペプチド担体を含む本発明の非組み込みポリペプチドにおいて使用され得る。例えば、浸透性ペプチドは、ぺネトラチンと呼ばれる、Drosophilamelanogaster 転写因子 Antennapaedia の第3 アルファヘリックスに由来し得、これは、アミノ酸配列 RQIKIWFQNRRMKWKK を含む。 別の例として、浸透性ぺプチドは、HIV-1 tat 塩基性領域アミノ酸配列を含み、これは、例えば、天然に存在するtat タンパク質のアミノ酸49〜57 を含み得る。他の浸透性ドメインは、ポリアルギニンモチーフ、例えば、HIV-1 rev タンパクのアミノ酸34〜56 の領域、ノナアルギニン、オクタアルギニンなどを含む。(例えば、Futakietal.(2003)CurrProteinPeptSci. 2003 Apr; 4(2): 8796; andWenderetal.(2000)Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A 2000 Nov. 21;97(24):13003- 8; publishedU.S. Patentapplications 20030220334; 20030083256; 20030032593; and 20030022831,(本明細書において、トランスロケーションぺプチドおよびぺプ applications 20030220334; 20030083256; 20030032593; and 20030022831,(本明細書において、トランスロケーションぺプチドおよびぺプトイドの教示については、参照により具体的に組み込まれる)。ノナ-アルギニン(R9)配列は、特徴づけられているより効率的なPTD の1 つである(Wenderetal. 2000; Uemuraetal.2002)。融合が なされる部位は、ポリペプチドの生物学的活性、分泌または結合特性を最適化するために選択され得る。最適な部位は、日常的な実験によって決定される。 [00198]このようにして遺伝子改変された細胞は、例えば、疾患を治療するため、または抗ウイルス、抗病原性、もしくは抗がん治療薬としての遺伝子治療などの目的で、農業 における遺伝子改変された生物の生産のために、もしくは生物学的研究のために、被験体に移植され得る。被験体は、新生児、少年、または成人であり得る。特に興味深いのは哺乳類の被験体である。本発明の方法で処理することができる哺乳動物種には、イヌ科の動物およびネコ、ウマ、ウシ、ヒツジなど、ならびに霊長類、特にヒトが含まれる。動物モデル、特に小さな哺乳類、例えばネズミ、ウサギ目などを実験的研究に使用することがで きる。 [00201]本発明の他の局面において、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはドナーポリヌクレオチドは、細胞DNA をインビボで修飾するために使用され、これもまた、例えば、疾患を治療するために、または抗ウイルス、抗病原性、 もしくは抗がん治療薬として、農業における遺伝子改変された生物の生産のために、または生物学的研究のために、遺伝子治療 れ、これもまた、例えば、疾患を治療するために、または抗ウイルス、抗病原性、 もしくは抗がん治療薬として、農業における遺伝子改変された生物の生産のために、または生物学的研究のために、遺伝子治療などの目的のために使用される。これらのインビボ態様において、DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリぺプチドおよび/またはドナーポリヌクレオチドは、個体に直接投与される。DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはドナーポリヌクレオチドは、ペプチド、低分 子および核酸を被験体に投与するための当技術分野における多くの周知の方法のいずれかによって投与され得る。DNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはドナーポリヌクレオチドは、種々の処方物に組み込まれ得る。より具体的には、本発明のDNA 標的化RNA および/または部位特異的修飾ポリペプチドおよび/またはドナーポリヌクレオチドは、適切な薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤との組み合 わせによって、薬学的組成物に処方され得る。 実施例1:[00248] StreptococcuspyogenesCas9/Csnl エンドヌクレアーゼの配列に基づく組換えDNA 標的化ポリぺプチドを、大腸菌において異種的に発現させ、当技術分野における標 準的な手順に従って、アフィニティー、イオン交換およびゲル濾過クロマトグラフィーエ程の組み合わせによって精製した。 タンパク質を溶出し、20mMHEPES 7.5 150mM 塩化カリウムおよびImMTCEP 中に保存した。 標的化RNA は、標準的なプロトコルに従って、化学合成(二重分子DNA 標的化RNA の ターゲティング部分およびアクチベーター部 mM 塩化カリウムおよびImMTCEP 中に保存した。 標的化RNA は、標準的なプロトコルに従って、化学合成(二重分子DNA 標的化RNA の ターゲティング部分およびアクチベーター部分について)またはT7 RNA ポリメラーゼ(単一分子DNA 標的化RNA)を用いるインビトロ転写のいずれかによって得られた。 個々の一本鎖の化学合成により標的DNA を得た。 次いで、標準的な手順に従って、T4ポリヌクレオチドキナーゼおよび[γ-32P]- ATP を使用して、その5'末端でストランドの1つ(DNA-標的化RNA 中の標的化グ配列に相補的なストランド)を[32P]-標識した。 次 いで、等モル量の2 本のDNA 鎖を混合し、95°C に3 分間加熱し、室温まで徐冷することによって、2 本の鎖をアニールした。 [00249]DNA 切断は、20mMHEPESpH7.5、l00mM 塩化カリウム、5mM 塩化マグネシウム、1mM ジチオスレイトールおよび5 %(v/v)グリセロールを含有する切断緩衝液 中で、上記DNA-標的化ポリぺプチド(最終濃度500nM)を、DNA-標的化RNA(濃度500nM)および標的DNA(10 nM)と共に、総容量10 マイクロリットルでインキュベートすることによって行った。 二重分子DNA-標的化RNA によって誘導される反応については、DNA-標的化ポリぺプチドへの添加の前に、ターゲッター-RNA およびアクチベーターRNA を等モル量で混合し、95°C に1 分間加熱し、室温まで徐冷することによってア ニールした。 DNA-標的化RNA/ポリぺプチド複合体を、切断緩衝液中で室温で15 分間インキュベートすることによって組み立てた。 次いで、集合した複合体を標 室温まで徐冷することによってア ニールした。 DNA-標的化RNA/ポリぺプチド複合体を、切断緩衝液中で室温で15 分間インキュベートすることによって組み立てた。 次いで、集合した複合体を標的DNAに添加し、37°C で1 時間インキュベートした。20 マイクロリットルのホルムアミドクエンチ緩衝液(ホルムアミド中、5% グリセロール、1mMEDTA、0.025% ドデシル硫酸ナトリウム)の添加によって反応をクエンチし、続いて12%ポリアクリルアミド、7M 尿 素変性ゲル上で分離した。切断生成物を、標準的な手順に従ってリンイメージングにより可視化した。 [00250]結果を図3 および5 に示す。 [00251] 図3A〜C は、部位特異的修飾ポリぺプチド(Streptococcuspyogenes のCas9/Csnl 蛋白質によって例示される)による標的遺伝子の切断を示す。 (A)放射性標識された標的DNA を、 Cas9/Csnl および種々のDNA 標的化RNA 種(示されるように)の存在でインキュベートした。 切断産物を変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて分離し、ホスホイメージングにより可視化した。 (B)Cas9/Csnl 部位特異的修 飾ポリぺプチドと共に使用されるDNA 標的化RNA の模式図。 試験した単一分子DNA標的化RNA(RNA キメラA)の一方は効率的な標的DNA 切断を支持したが、他方の試験した単一分子DNA 標的化RNA(RNA キメラB)は支持しなかった。 (C)DNA 標的化RNA 配列およびDNA 標的の模式図。 [00252] 図5A および5B は、標的DNA 切断を示す。図5A.種々の異なる種由来の Cas9/Csnl 部位特異的修飾ポリ NA 標的化RNA 配列およびDNA 標的の模式図。 [00252] 図5A および5B は、標的DNA 切断を示す。図5A.種々の異なる種由来の Cas9/Csnl 部位特異的修飾ポリぺプチド(図12 の配列参照)およびDNA 標的化RNA を用いた、標的DNA 切断。図3 と同じ条件下で標的切断を行った。この実験は、種々のCas9/Csnl 部位特異的修飾ポリぺプチドが、同じDNA 標的化RNA を利用し得ることを実証する。 B.図5A で用いたDNA 標的RNA の模式図。
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