平成26(行ウ)45 土地区画整理組合認可取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和元年11月19日 京都地方裁判所 棄却
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判決文本文46,578 文字)

主文 1 原告らの甲土地区画整理組合の事業計画の変更認可の取消請求に係る訴えを却下する。 2 原告Aを除く原告らの甲土地区画整理組合の設立認可の取消請求に係る訴えを却下する。 3 原告Aのその余の請求を棄却する。 4 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 亀岡市長が平成26年6月6日付けで甲土地区画整理組合に対してした同組 合の設立認可を取り消す。 2 亀岡市長が平成29年5月29日付けで甲土地区画整理組合に対してした同組合の事業計画の変更認可を取り消す。 第2 事案の概要 1 本件は,亀岡市長(処分行政庁)が,甲土地区画整理事業(以下「本件事業」 という。)の施行者である甲土地区画整理組合(以下「本件組合」という。)の設立認可の申請に対し,平成26年6月6日,設立の認可(以下「本件設立認可」という。)をし,また,本件組合に対し,平成29年5月29日,事業計画変更の認可(以下「本件変更認可」という。)をしたため,亀岡市の住民である原告らが,本件事業が施行される予定の地区(以下「本件予定地」という。)内 に市街化調整区域が含まれており,都市計画法(以下「都計法」という。)34条各号所定の事由はないから,本件設立認可及び本件変更認可は土地区画整理法(以下「法」という。)21条2項に違反するなどと主張して,被告に対し,本件設立認可及び本件変更認可の取消しを求める事案である。 2 関係法令の定め 別紙「関係法令の概要」のとおり 3 前提事実(顕著な事実,当事者間に争いのない事実並びに証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)当事者ア原告らは,いずれも京都府亀岡市の住民であり,本件予定地又はその周辺に居住する者らである(甲 な事実,当事者間に争いのない事実並びに証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)当事者ア原告らは,いずれも京都府亀岡市の住民であり,本件予定地又はその周辺に居住する者らである(甲10,25)。 イ亀岡市長は,被告の執行機関であり,京都府知事に代わって本件設立認可や本件変更認可をなす権限を有する者である。 ⑵ 南丹都市計画決定及び区域区分の変更ア京都府知事は,昭和46年12月28日,JR山陰本線亀岡駅の北側に位置する地区(乙地区)を含む地域を南丹都市計画区域として指定し,同 区域の整備,開発又は保全について都市計画(南丹都市計画)を決定した(昭和46年京都府告示第731号。乙14〈2枚目〉)。南丹都市計画に定められた区域区分において,乙地区は,市街化調整区域に区分された。 イその後,乙地区の土地区画整理事業の施行に向けた取組が着実に進められ,計画的な市街地整備の見通しが明らかとなったことなどから,京都府 知事は,平成26年1月24日,都計法21条1項及び同条2項が準用する同法18条1項に基づいて南丹都市計画に定める区域区分を変更し,乙地区を市街化調整区域から市街化区域へ編入した(以下「本件区域変更」という。)(平成26年京都府告示第25号。乙16〈2枚目〉)。 ⑶ 本件事業の概要等 ア本件事業の概要本件事業は,甲土地区画整理事業という名称で,亀岡市の玄関口に相応しい顔づくりと賑わいのある中心市街地形成の実現に向け,観光,交流,商業等の都市機能の集積を図るとともに,利便性と良好な自然環境や景観を生かした居住地の創造を図ることを目的とした都市計画事業の一環と して施行する土地区画整理事業である(甲3)。本件予定地の地権者は10 9名であり,減歩率は48.98パーセ 境や景観を生かした居住地の創造を図ることを目的とした都市計画事業の一環と して施行する土地区画整理事業である(甲3)。本件予定地の地権者は10 9名であり,減歩率は48.98パーセントである(甲3)。 イ本件予定地の地理的状況等本件予定地は,北側を一級河川曽我谷川,南側をJR山陰本線に挟まれた東西約1.0キロメートル,南北約0.4キロメートルの面積約17. 2ヘクタールの地区である(甲3,4の1ないし6)。本件予定地と前記南 丹都市計画における乙地区は,その大部分が重なっている(甲4の1ないし6,乙11の1,弁論の全趣旨)。 本件予定地内の水系はいずれも一級河川雑水川の流域であり,雑水川に排水されている(甲3)。曽我谷川と雑水川は,丹波山地東部の京都市a区b付近にその源を発し,蛇行しながら本件予定地の北部を流れる淀川水系 の桂川に支川として合流する。桂川は,その後,保津峡,嵐山,京都盆地等を通過し,鴨川,宇治川,木津川等と合流した後に淀川となって大阪湾に注ぐ一級河川である。 ウ本件組合の概要本件組合は,甲土地区画整理組合という名称で,本件事業を施行するた めに本件予定地の地権者らで構成された組合であり,亀岡市c町dに事務所を置いている。 本件設立認可亀岡市長は,平成26年6月6日,施行事業を本件事業とする平成26年5月2日付けの本件組合の設立認可の申請に対し,法14条1項に基づき設 立の認可(本件設立認可)をした(平成26年亀岡市指令都計第41号。平成26年亀岡市公告第24号。甲1,2)。これにより,本件事業については,本件組合が都市計画事業として施行することとなった(法3条の4,14条4項,都計法59条4項)。 ⑸ 本件変更認可 本件事業が進行する過程で,商業施 )。これにより,本件事業については,本件組合が都市計画事業として施行することとなった(法3条の4,14条4項,都計法59条4項)。 ⑸ 本件変更認可 本件事業が進行する過程で,商業施設を含む複合的な機能を有する専用球 技場である京都スタジアム(仮称)が本件予定地内に建設されることとなった。そのため,設計図,事業費等に変更が生じ,それに伴って地積や減歩率,資金計画等,事業計画の各項目を変更する必要が生じたことから(甲39の2〈変更理由書〉),本件組合は,平成29年4月21日,これらを内容とする事業計画の変更認可を申請した(甲39の1)。亀岡市長は,平成29年5 月29日,法39条1項に基づき上記申請に対し,事業計画の変更認可(本件変更認可)をした(平成29年亀岡市指令都計第22号。平成29年亀岡市公告第33号。甲37,38)。 4 争点⑴ 本件各訴えの適法性(本案前の争点) ア本件変更認可の処分性の有無(争点1-1)イ本件設立認可取消請求につき訴えの利益の有無(争点1-2)ウ本件各訴えにつき原告適格の有無(争点1-3)⑵ 本件各認可の適法性(本案の争点)ア施行地区内に市街化調整区域が存在することによる違法事由の有無(法 21条2項)(争点2-1)イ施行地区内に「市街地とするのに適当でない地域」が存在することによる違法事由の有無(法21条1項3号)(争点2-2)ウ都計法33条1項所定の災害防止措置を講じていないことによる違法事由の有無(法21条1項2号)(争点2-3) エ申請手続及び事業計画の決定手続が農地法に違反することによる違法事由の有無(法21条1項1号,2号)(争点2-4)オ申請手続が法18条(地権者らの同意)に違反することによる違法事由 エ申請手続及び事業計画の決定手続が農地法に違反することによる違法事由の有無(法21条1項1号,2号)(争点2-4)オ申請手続が法18条(地権者らの同意)に違反することによる違法事由の有無(法21条1項1号)(争点2-5) 5 当事者の主張 ⑴ 争点1-2(本件設立認可の取消しを求める訴えの利益の有無)について (被告の主張)本件変更認可は,本件設立認可の事業費の額を変更するなどして本件設立認可自体を変更するものである。したがって,本件設立認可は,本件変更認可がされることによって消滅したから,本件設立認可の取消しを求める原告らの訴えは,その対象を欠き,訴えの利益がない。 (原告らの主張)本件設立認可と本件変更認可は別個の処分であるから,本件変更認可によって本件設立認可は消滅せず,本件設立認可の取消しを求める訴えの利益は依然として存在する。 争点1-3(本件各訴えにつき原告適格の有無)について (原告らの主張)ア原告Aは,本件予定地内の土地を所有する者(地権者)であり,本件設立認可により法律上当然に組合員としての地位を取得させられ,組合に係る権利を取得すると共に本件組合の事業経費を分担する義務を負うことになる者である。 原告Aを除く原告らは,本件予定地の周辺で過去に浸水被害があった土地に居住する者らである。本件予定地は,洪水時に遊水池として機能しているところ,本件事業により本件予定地に盛土がされた場合には,本件予定地周辺の土地における洪水位が約4.2センチメートル上昇し,ピーク流量が毎秒22.9立方メートル増加し(本件変更認可によりさらに増加 すると考えられる),過去に床下浸水の被害を受けなかった者が床下浸水の被害を受け,又は床上ないし床下浸水の被害 昇し,ピーク流量が毎秒22.9立方メートル増加し(本件変更認可によりさらに増加 すると考えられる),過去に床下浸水の被害を受けなかった者が床下浸水の被害を受け,又は床上ないし床下浸水の被害を受けた者がより一層深刻な被害を受けるおそれがある。さらに,本件予定地周辺の遊水池についても開発が進み,盛土によって本件予定地周辺における上記水害被害を受ける危険性がさらに高められるおそれもある。したがって,原告Aを除く原 告らも,本件各認可によって,生命,身体,健康,財産に対する水害被害 を免れる利益を害される危険性が高められるから,本件各認可を争う法律上の利益を有する。 イ法は,都市計画事業として施行される土地区画整理事業の事業計画が災害の発生を防止するよう適正に定められなくてはならないこと(法6条8項),事業の施行認可がされた場合には,遅滞なく事業に関する詳細を公告 し,設計図書を公衆の縦覧に供すること(法9条3項,4項)を規定する。 また,都計法は,都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることを目的とし(同法1条),災害防止措置等を開発許可の基準としているところ(同法33条1項7号等),土地区画整理事業の施行として行う開発行為については,事業認可の過程において開発許可の基準に比肩する安全性が確保され ることから,開発許可を不要としている(同法29条1項5号)。 上記各規定に照らせば,都市計画事業として施行される土地区画整理事業の認可制度及び都計法の開発許可制度は,当該事業区域内の地権者のみならず,区域外の周辺住民らの生命,身体の安全,財産権等の重要な権利が災害等により侵害されるのを防ぐことを目的にしているということが できる。そして,原告Aを除く原告らの水害被害を免れる利益は,権利の性質上,一般的公益 生命,身体の安全,財産権等の重要な権利が災害等により侵害されるのを防ぐことを目的にしているということが できる。そして,原告Aを除く原告らの水害被害を免れる利益は,権利の性質上,一般的公益の中に吸収解消させるのではなく,個別的利益として保護すべきものであることは明らかである。 ウしたがって,原告ら全員につき原告適格が認められる。 (被告の主張) 原告Aを除く原告らについて原告適格がある旨の主張は争う。 ア原告らが過去に水害被害を受けた土地の居住者であるからといって,本件事業の施行により原告らが水害被害を受ける危険性が高まるということにはならない。原告Aを除く原告らについて,本件予定地の盛土により水害被害を受ける危険性が高まるおそれは,抽象的な可能性にすぎず,原 告Aを除く原告らについては,本件各認可により具体的な権利利益を侵害 されるおそれがあるとはいえない。 イ原告らが挙げる法及び都計法の各規定は,いずれも一般的かつ抽象的な規定にすぎず,これらの規定が,原告Aを除く原告らの上記水害被害を免れる利益について,一般的公益としての保護を超えて個別的利益としてもこれを保護する趣旨を含むものとは解されない。 ⑶ 争点2-1(施行地区に市街化調整区域が存在することによる違法事由の有無)について(原告らの主張)ア本件区域変更の違法性以下のとおり,乙地区には,「溢󠄀水,湛水,津波,高潮等による災害の発 生のおそれのある土地の区域」が含まれているから,乙地区は,本来,市街化区域とすることができないものであった。それにもかかわらず,乙地区の区域区分を市街化調整区域から市街化区域へと変更した本件区域変更は,都計法7条2項,同法施行令8条1項2号ロに反し,違法である。 市街化区域に含 できないものであった。それにもかかわらず,乙地区の区域区分を市街化調整区域から市街化区域へと変更した本件区域変更は,都計法7条2項,同法施行令8条1項2号ロに反し,違法である。 市街化区域に含まれない区域 都計法7条2項は,市街化区域について,「すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」であると規定し,同施行令8条1項2号ロは,「おおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」に「溢󠄀水,湛水,津波,高潮等による災害の発生のおそれのある土地の区域」は含まれないと規 定している。乙地区が「すでに市街地を形成している区域」に当たらないことは明らかであるが,以下のように「おおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」にも当たらない。 乙地区には水害の発生のおそれがあること乙地区は,周辺の河川が台風等により氾濫し洪水した際の貯水池,遊 水池になっており,その都度浸水や水没等の甚大な被害を生じていた。 実際に,亀岡市長が水防法に基づいて平成18年度に作成した亀岡市洪水ハザードマップ(以下「ハザードマップ」という。)において,乙地区の大部分が浸水想定区域として3メートルないし5メートルもの浸水が想定されている。 なお,国土交通省の都市計画運用指針Ⅳ-1-3(以下「都市計画運 用指針」という。)は,ハザードマップにおける浸水想定区域は原則として居住誘導区域(市街化して居住を誘導させるべき区域)に含めないと規定している。 乙地区周辺の河川の治水対策が不十分であること被告は,乙地区周辺の桂川の氾濫を防止するため改修工事を行ってい るものの,平成21年度に第1段階としての当面計画の整備が概成したのみで治水対策が不十分であり, の治水対策が不十分であること被告は,乙地区周辺の桂川の氾濫を防止するため改修工事を行ってい るものの,平成21年度に第1段階としての当面計画の整備が概成したのみで治水対策が不十分であり,実際に平成25年の大型台風によって乙地区には浸水被害が生じている。被告は,第2段階としての暫定計画が進行していると主張するが,暫定計画の一部である保津峡の開削は着手の見通しがなく,事実上不可能である。 また,被告は,乙地区の排水先である雑水川を改修したと主張するが,下流の雑水川を改修したとしても,大規模な洪水が発生した場合には乙地区の洪水被害を防止できない。 イ本件設立認可の違法性本件区域変更は,上記のとおり違法であるから,当然に無効となる。 したがって,乙地区は市街化調整区域であり,本件予定地には市街化調整区域が編入されていることになる。よって,本件組合の設立認可をするためには,本件事業が都計法34条各号のいずれかに該当しなければならないところ(法21条2項),同各号に該当する事由はない。 仮に,本件区域変更が無効とはいえなくても,本件区域変更と本件設 立認可とは,乙地区を市街化調整区域から市街化区域に変更して商業, 住宅地域として開発するという共通の最終目的に向けた一連の行政行為であることが明らかであるから,本件区域変更における違法は,本件設立認可の違法事由となる。 したがって,本件設立認可は,法21条2項に違反するものとして,又は,本件区域変更の違法を承継するものとして,違法である。 (被告の主張)ア本件区域変更の適法性以下のとおり,乙地区には,「溢󠄀水,湛水,津波,高潮等による災害の発生のおそれのある土地の区域」が含まれているとはいえず,本件区域変更は適法である。 の主張)ア本件区域変更の適法性以下のとおり,乙地区には,「溢󠄀水,湛水,津波,高潮等による災害の発生のおそれのある土地の区域」が含まれているとはいえず,本件区域変更は適法である。 乙地区が災害の発生のおそれのある土地に該当しないこと原告らが主張するハザードマップは,平成21年度の桂川河川改修事業の当面計画の概成やその後の暫定計画の改修工事が反映されていない上,100年確率の大雨の際に予想される浸水区域と浸水深を表示したものであって,ハザードマップ上で浸水区域とされた区域が直ちに 「溢󠄀水,湛水,津波,高潮等による災害の発生のおそれのある土地の区域」に該当するわけではない。 また,そもそも,都市計画運用指針上の居住誘導区域と都計法上の市街化区域は一致するものではないが,都市計画運用指針は,浸水想定「区域の災害リスク等を総合的に勘案し,居住を誘導することが適当ではな いと判断される場合」にのみ,原則として居住誘導区域に含めないと規定しているにすぎず,浸水想定区域を原則として居住誘導区域に含めないなどとは規定していない。 乙地区周辺の河川の治水対策は十分であること大規模な河川改修事業を実施する場合には,治水安全度の確保の必要 性と都市開発の着手の必要性とのバランスが要求され,最低限必要な治 水安全度を確保した上で都市開発に着手し,その開発を進める中で更なる治水安全対策を講じていくのが合理的である。 平成10年に本件予定地付近を流れる桂川の上流域に位置する日吉ダムが建設されたことに加え,平成21年度に当面計画が概成した桂川の改修事業により毎秒1500立方メートルの流下能力のある10分 の1の治水安全度(対象地域の洪水に対する安全の度合いが10年に1回程度発生すると予想される大 成21年度に当面計画が概成した桂川の改修事業により毎秒1500立方メートルの流下能力のある10分 の1の治水安全度(対象地域の洪水に対する安全の度合いが10年に1回程度発生すると予想される大雨に耐えることができる規模であること)が確保されており,治水対策が不十分であるとはいえない。そもそも桂川の改修事業は,当面計画,暫定計画,基本計画と段階的に治水安全度を高めることが予定されており,平成22年度からは暫定計画によ り30分の1の治水安全度の確保に向けた工事も随時着手しているところであり,さらなる治水安全度の向上が進められている。さらに,被告は,京都府との間で乙地区における土地区画整理事業に伴う同地区周辺の河川の治水対策についての事前協議を行い,平成23年10月14日に支障がない旨の回答を得ている。 なお,乙地区の排水先は雑水川であるが,雑水川の流水能力は,50年に1度の雨量の流水にも対応できるよう改修済みである。 イ本件設立認可の適法性仮に,本件区域変更に原告の主張する違法事由があったとしても,それにより本件区域変更が直ちに無効となるものではない。 本件区域変更は乙地区の市街化を秩序的かつ計画的に行うことを目的としたものであり,本件設立認可は本件予定地の開発促進のための整備改善,利用増進を目的としたものであって,それぞれ異なる効果を目的とするものであるから,本件区域変更の違法が本件設立認可に承継されるとはいえない。 したがって,本件設立認可に原告らの主張する違法事由はなく,本件 設立認可は適法である。 ⑷ 争点2-2(施行地区に「市街地とするのに適当でない地域」が含まれることによる違法事由の有無)について(原告らの主張)ア前記⑶(原告らの主張)のとおり,乙地区は 設立認可は適法である。 ⑷ 争点2-2(施行地区に「市街地とするのに適当でない地域」が含まれることによる違法事由の有無)について(原告らの主張)ア前記⑶(原告らの主張)のとおり,乙地区は,台風等により周辺の河川 が氾濫し洪水した際の貯水池,遊水池になっており,甚大な被害を受けるおそれがあるところ,乙地区と大部分が重なる本件予定地にも同様のことがいえ,本件予定地は開発が抑制されるべき地域である。 また,前記⑵(原告らの主張)アのとおり,本件事業により本件予定地の洪水被害を回避するため盛土をした場合,洪水が発生すれば,これまで 本件予定地に遊水していた水が周辺地域に流出し,洪水位が上昇することになるから,本件予定地は,本件事業で盛土が行われることにより,周辺地域に対して洪水時の被害を悪化させるおそれのある地域である。 さらに,「市街地とするのに適当でない地域」には,農地として保全することが必要な地域が含まれるところ,本件予定地は元々農地であり,農地 の多面的機能として洪水防止機能があることから,上記のように遊水機能を有していた本件予定地は,農地として保全することが必要な地域に当たる。 イしたがって,本件予定地は,「市街地とするのに適当でない地域」に当たり,本件予定地を施行地区とする本件設立認可は,法21条1項3号に違 反する。 (被告の主張)ア本件予定地は,本件設立認可時点において都計法7条2項の市街化区域とされていた。 イ 「市街地とするのに適当でない地域」とは,風致地区や歴史的風土特別 保存地区,緑地保全地区,農地として保全することが必要な地域(農用地) 等を意味し,当該地域周辺の河川の治水対策の有無及び内容は,上記判断に影響を及ぼさない。仮に,それらを考慮するとしても, 存地区,緑地保全地区,農地として保全することが必要な地域(農用地) 等を意味し,当該地域周辺の河川の治水対策の有無及び内容は,上記判断に影響を及ぼさない。仮に,それらを考慮するとしても,前記⑶(被告の主張)のとおり,本件予定地周辺の河川については,改修工事等によって適切に治水対策が施されている。 ウ農地として保全することが必要な地域とは,農業振興地域等として保全 することが必要な地域という意味であり,農地が広範に存在することから当然に農地として保全することが必要な地域に当たるとはいえない。 エしたがって,本件予定地は,「市街地とするのに適当でない地域」に当たらず,原告らの主張する違法事由はない。 ⑸ 争点2-3(都計法33条1項所定の災害防止措置を講じていないことに よる違法事由の有無)について(原告らの主張)ア都計法29条1項5号が土地区画整理事業の施行として開発行為を行う場合に開発行為者が受けるべき同項柱書の開発許可を不要としたのは,都市計画上十分な監督の下に開発行為が行われることを法が予定している ためであるから,土地区画整理事業においては,実質的に都計法33条1項各号が規定する上記開発許可の基準を満たさなければならない。 イ本件事業は,前記⑶,⑷(原告らの主張)のとおり,甚大な水害被害を受けるおそれのある本件予定地における開発行為であるにもかかわらず,都計法33条1項7号等の災害防止措置が講じられていない。 したがって,本件事業計画の内容が法令に違反しているから,本件設立認可は,法21条1項2号に違反する。 (被告の主張)ア土地区画整理事業の施行として行う開発行為については,法によって都市計画上必要な規制が行われていることから,二重の規制を避けるべく, 都計 法21条1項2号に違反する。 (被告の主張)ア土地区画整理事業の施行として行う開発行為については,法によって都市計画上必要な規制が行われていることから,二重の規制を避けるべく, 都計法29条1項5号は,開発行為者が受けるべき同項柱書の開発許可を 不要としたものである。 イしたがって,土地区画整理事業において,都計法33条1項各号が規定する開発許可の基準を満たさなければならないとする原告らの主張には根拠がない。 ⑹ 争点2-4(申請手続及び事業計画の決定手続が農地法に違反することに よる違法事由の有無)について(原告らの主張)農地法上,農地の形状変更は,原則として,農業経営安定等,農地の改良目的によってしか行うことができない。農地である本件予定地について,地権者らの届出により農地法に基づく形状変更として盛土が行われているとこ ろ,地権者らは,当初から,農地の改良目的ではなく本件事業に流用する目的で上記盛土を行ったものであり,農地法に基づく改良行為を脱法的に利用した。 したがって,本件組合設立認可の申請手続,本件事業計画の決定手続又は内容が法令に違反しているから,本件設立認可は,法21条1項1号,2号 に違反する。 (被告の主張)ア農地法は,原告らの利益を保護することを目的とする法規ではない。行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)10条1項により,原告らは,原告らの利益とは無関係な法規の違反を主張して本件設立認可の取消しを 求めることはできない。 イ仮にこの点を措くとしても,本件予定地に盛土をしたのは,京都府が実施している桂川の改修事業で発生する大量の土砂を盛土に利用することにより,もって浸水被害を防ぎ,農業経営の安定化を図ることをも目的とするものであるから,農地法 本件予定地に盛土をしたのは,京都府が実施している桂川の改修事業で発生する大量の土砂を盛土に利用することにより,もって浸水被害を防ぎ,農業経営の安定化を図ることをも目的とするものであるから,農地法に基づく改良行為を脱法的に利用したとはい えない。 ⑺ 争点2-5(申請手続が法18条に違反することによる違法事由の有無)について(原告らの主張)ア土地区画整理組合が設立認可を受けるためには,事業の施行地区内の宅地の所有権者及び借地権者のそれぞれ3分の2以上の同意を受けなけれ ばならない(法14条1項,18条)。 イ本件予定地の所有権者及び借地権者らは,甲土地区画整理組合設立準備委員会や亀岡市まちづくり推進部から「地権者全員の同意書がないと組合は設立出来ない。」「組合設立の同意書がないと,市の固定資産税,都市計画税の軽減措置の申請が受理できない。」などと虚偽の説明を受け,錯誤に 陥り,本件組合の設立に同意したことから,この同意は民法95条により無効である。 したがって,上記3分の2以上の同意はなく,本件組合の申請手続は法令に違反しているから,本件設立認可は法21条1項1号に違反する。 (被告の主張) ア法18条は,本件予定地外に居住する者(地権者以外の者)らの利益とは無関係な法規であるから,行訴法10条1項により,原告Aを除く原告らは,法18条違反を理由に本件設立認可の取消しを求めることはできない。 イ地権者らが虚偽の説明を受けて本件組合の設立に同意した旨の原告らの 主張は否認する。甲土地区画整理組合設立準備委員会や亀岡市まちづくり推進部が,本件予定地の所有権者及び借地権者らに対して,虚偽の説明をした事実はない。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実 前提事実に 土地区画整理組合設立準備委員会や亀岡市まちづくり推進部が,本件予定地の所有権者及び借地権者らに対して,虚偽の説明をした事実はない。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実 前提事実に後掲各証拠及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事実が認めら れる。 南丹都市計画決定及び本件区域変更の経緯ア乙地区が特定保留に設定された経緯南丹都市計画の決定等京都府知事は,昭和46年12月28日,京都府都市計画地方審議会 において,同年3月に決定された第二次京都府総合開発計画に基づき,南丹都市計画区域で区域区分を行い,土地利用の方針や市街地の開発及び再開発の方針を定める議案が議決されたことを踏まえ(甲18〈3頁,119頁,218頁,219頁〉),南丹都市計画を決定した。京都府知事は,同計画の中で,乙地区を市街化調整区域に区域区分したが,同 地区の耕作者らは,同計画の進捗により同地区が将来市街化区域に編入されることを期待し,昭和58年度以降,同地区における土地区画整理事業の施行について検討を重ねた。昭和62年11月25日,乙地区の耕作者らの代表が,c 町自治会長及び亀岡市長に対し,関係耕作者らの同意を得たとして,乙地区における土地区画整理事業の推進を依頼する 要望書を提出した(乙10)。 日吉ダムの竣工等平成10年3月,桂川の上流域に位置し,淀川流域の洪水被害の軽減を図ることを目的の1つとして平成4年以降建設が行われていた日吉ダムが竣工した。日吉ダムは,台風や豪雨の際,下流域での水害を防止 するため,貯水池の洪水調節容量を利用し,ダム地点の流入量1510立方メートル/秒のうち1360立方メートル/秒を貯留して,桂川に流れ込む水量を一時的に抑制し,安全な範囲で放流することにより,乙地 するため,貯水池の洪水調節容量を利用し,ダム地点の流入量1510立方メートル/秒のうち1360立方メートル/秒を貯留して,桂川に流れ込む水量を一時的に抑制し,安全な範囲で放流することにより,乙地区を含む桂川の下流域における洪水被害を軽減する機能を果たしている(乙13)。 推進委員会の発足 日吉ダムの竣工等により,乙地区における治水面の不安が解消される見通しが立ったことから,平成17年度には,同地区の地権者及び周辺住民が中心となって,同地区の街づくり構想(土地利用のイメージ)を議論する場として乙地区まちづくり推進委員会(以下「推進委員会」という。)が発足した。推進委員会は,平成19年9月から同年11月に かけてまちづくりワークショップを開催し,街の将来像を取りまとめた(甲16の2〈6頁〉)。 特定保留の設定昭和46年に南丹都市計画が決定された後,亀岡市都市計画審議会は,京都府が実施する都市計画基盤調査等を踏まえ,平成19年までの間に 4回にわたり,同計画の見直しを行った(甲15の1〈2頁〉)。 平成19年2月23日,亀岡市都市計画審議会は,上記計画の5回目の見直しとして,乙地区の区域区分を市街化調整区域から市街化区域に変更することについて審議した。しかし,この時点では,乙地区の計画的な市街地整備の見通しが明らかでなかったこと,昭和62年に策定さ れた桂川改修全体計画に基づく河川改修事業の第1段階である当面計画の整備が完了しておらず,同計画の目標とする治水安全度が確保されていなかったことなどから,市街化区域への編入は留保された。他方で,上記のとおり,地権者及び周辺住民らから成る推進委員会が発足したこと,桂川河川改修事業の当面計画の概成が平成21年度に予定されてい たことなどを踏ま ,市街化区域への編入は留保された。他方で,上記のとおり,地権者及び周辺住民らから成る推進委員会が発足したこと,桂川河川改修事業の当面計画の概成が平成21年度に予定されてい たことなどを踏まえて,亀岡市都市計画審議会は,乙地区を特定保留(計画的な市街地整備の見通しが明らかになり,一定の条件が整った時点で随時市街化区域に編入されることが予定される地区)に設定することを議決した(甲15の2〈14頁,19頁,29頁〉)。また,京都府都市計画審議会も,平成19年9月6日,亀岡市都市計画審議会と同様に, 乙地区を特定保留に設定することを議決した(甲19〈52頁〉)。 京都府知事は,同年11月13日,上記各審議会の議決を踏まえ,乙地区を特定保留に設定した(平成19年京都府告示第576号。乙15,甲14〈20頁,21頁〉)。また,同日告示された都計法6条の2第1項に基づく「南丹都市計画都市計画区域の整備,開発及び保全の方針」(南丹都市計画区域マスタープラン)では,乙地区について,土地区画 整理事業等による市街地整備の目標地区とし(甲58〈15頁〉),「農林漁業との調和を図りつつ,住宅地,商業・業務地として計画的な市街地整備の見通しが明らかになった時点において市街化区域に編入する」と規定することにより(同〈8頁〉),同地区が将来市街化区域に編入されることが担保されることとなった(甲14〈20頁,21頁〉)。 なお,被告は,平成24年11月,都計法18条の2第1項に基づき,南丹都市計画区域マスタープランに即して作成される「市町村の都市計画に関する基本方針」(亀岡市都市計画マスタープラン)を改定し,乙地区を亀岡市の中心都市拠点として位置づけ,市街地整備を推進する方針を決定した。 イ本件区域変更設立 市町村の都市計画に関する基本方針」(亀岡市都市計画マスタープラン)を改定し,乙地区を亀岡市の中心都市拠点として位置づけ,市街地整備を推進する方針を決定した。 イ本件区域変更設立準備委員会の発足平成20年には,乙地区の市街地整備を見据えて橋上化を進めてきたJR亀岡駅の新駅舎が開業し(甲16の2〈5頁〉),推進委員会によって,委員会内で議論された街づくり構想を確認・具体化するとともに 土地利用計画図の作成が行われた(乙11の1,11の2)。平成21年9月,推進委員会における議論を踏まえ,土地区画整理組合設立認可の準備を目的とした甲土地区画整理組合設立準備委員会(以下「設立準備委員会」という。)が発足し,土地利用計画の策定が進められることとなった(甲16の2〈7頁〉)。平成24年10月には,設立準備委 員会の業務代行者が決定された。 桂川河川改修事業乙地区の周囲に位置する桂川等の河川は,台風等による河川の氾濫や洪水が頻回に発生し,同地区はその度に水害被害を受けていた(甲13,乙12〈19頁〉,)。昭和62年,京都府は,桂川改修全体計画を策定し,これを基に桂川河川改修事業の第1段階としての当面計画,第2 段階としての暫定計画及び第3段階としての基本計画の各事業実施計画を策定した。当面計画の内容は後記のとおり(掘削工,築提工・堤防補強,護岸工等)であり,暫定計画では完成堤防の築造や高水敷の完成掘削等が予定され,基本計画では河床の完成切下げや保津峡の完成掘削等が予定された(乙9)。また,京都府は,平成15年に緊急対策特定 区間に設定されることとなる保津工区について,平成8年に改修工事に着手し,それ以降,重点整備の実施を進めた。 平成21年度には,予定されていた桂川河川改修事業 府は,平成15年に緊急対策特定 区間に設定されることとなる保津工区について,平成8年に改修工事に着手し,それ以降,重点整備の実施を進めた。 平成21年度には,予定されていた桂川河川改修事業の当面計画(第1段階)が概成した。その後,当面計画に基づき,桂川において,掘削工(河道を掘削して河川の流量を増加させる工事),築堤工・堤防補強 (堤防が存在しなかった箇所に堤防を築造し,又は既存の堤防を補強することにより,桂川の流量を増加させる工事),護岸工(堤防を保護するために,流路と堤防の間にコンクリートブロックを設置したり,植生をしたりする工事),高水敷の部分掘削(流路からあふれ出した洪水が流れる高水敷を掘削して河道断面を大きくすることによって,洪水時の 流量を増加させる工事)が実施されたほか,桂川の支川である鵜の川,西川等においても,支川処理として掘削工及び護岸工が行われた。当面計画が実施された結果,10分の1の治水安全度(1500立方メートル/秒の流下能力)が確保された(乙1〈7頁〉,9)。 さらに,平成22年度以降,暫定計画が目標とする概ね30分の1の 治水安全度の確保に向けた工事(上下流の整備状況に応じた段階的な高 水敷の掘削)も随時実施された(乙9)。 乙地区における農地の形状変更平成23年から平成25年にかけて,乙地区の地権者らは,台風等による浸水被害を防止し,農業経営の安定化を図るため,亀岡市農業委員会が策定した農地の形状変更指導要綱(乙7)に基づき,乙地区内の農 地の形状変更に係る届出を行い(乙5,甲6),同委員会がこれを受理したため(乙6,甲5),上記桂川河川改修事業で発生した土砂を利用し,農地の形状変更として嵩上げ(盛土)が行われた。 被告及び京都府による協議(雑水川河 を行い(乙5,甲6),同委員会がこれを受理したため(乙6,甲5),上記桂川河川改修事業で発生した土砂を利用し,農地の形状変更として嵩上げ(盛土)が行われた。 被告及び京都府による協議(雑水川河川改修工事)被告は,平成23年8月29日,河川管理者である京都府との間で, 乙地区の土地区画整理事業に伴う同地区周辺の河川の治水対策についての事前協議(以下「事前協議」という。)を行った。事前協議において,乙地区の流域である雑水川のJR嵯峨野線(山陰本線)より下流側(北側)においては50分の1の治水安全度が既に確保されていることが確認された(乙1〈7頁ないし13頁〉)。なお,雑水川全域の治水 対策について,農業用ため池の活用や流域対策等も検討されたが,実現可能で効果的な対策として河道改修が採用され,継続して改修されることも確認された(乙1〈7頁,42頁,43頁〉)。 京都府知事は,同年10月14日,事前協議を踏まえ,乙地区における土地区画整理事業の施行について,治水計画上特に支障がないと判断 した(3河第324号。乙2)。 平成25年台風18号による浸水被害等平成25年9月に襲来した台風18号により,乙地区は,発生確率が100分の1に相当する浸水被害を受けたが(甲8,26〈14頁〉),日吉ダムや桂川河川改修事業により亀岡地点で1メートル以上の水位 低下効果があったこと,昭和28年台風13号や昭和35年台風16号 の洪水時の浸水範囲と比較すると浸水範囲が軽減していることが確認された(甲13,乙12〈17頁,19頁〉)なお,昭和28年から日吉ダムが竣工した平成10年までの46年間において,乙地区における主要な浸水被害は11回発生していたが,平成10年以降,乙地区において発生した主要な浸水被害 頁,19頁〉)なお,昭和28年から日吉ダムが竣工した平成10年までの46年間において,乙地区における主要な浸水被害は11回発生していたが,平成10年以降,乙地区において発生した主要な浸水被害は,平成16年 台風23号及び上記平成25年台風18号の2回に留まる。 本件区域変更以上の経緯で,設立準備委員会の発足及びその後の進捗により土地区画整理事業による計画的な市街地整備の見通しが明らかになったことや,桂川河川改修事業の当面計画の概成等により治水安全度が向上した ことなどを踏まえて,京都府都市計画審議会は,平成25年11月26日,特定保留に設定されていた乙地区の市街化区域への編入について改めて審議を行った(甲14〈21頁〉)。同年5月23日,亀岡市が乙地区の住民を対象にした説明会を開催し,同月30日,亀岡市都市計画審議会が本件区域変更を行うことについて異議なく議決したこと(甲1 6の2〈21頁〉,甲17の2〈7頁〉),同年9月30日,京都府が国土交通省や環境省等の関係省庁と事前協議を行い,本件区域変更を行うことについて異存なしとの回答を得たこと(甲14〈22頁〉)などを受け,京都府都市計画審議会は,同年11月26日,乙地区の区域区分を市街化区域に変更することを可決した(甲14〈35頁〉)。 京都府知事は,平成26年1月24日,京都府都市計画審議会の上記議決等を踏まえ,都計法21条1項及び同条2項が準用する同法18条1項に基づいて,南丹都市計画を変更し,乙地区の区域区分を市街化調整区域から市街化区域に変更した(本件区域変更)。 ⑵ 本件設立認可の経緯及び本件事業の内容 ア本件設立認可の経緯 亀岡市都市計画審議会は,平成25年10月31日,設立準備委員会による土地利用計画の策定 (本件区域変更)。 ⑵ 本件設立認可の経緯及び本件事業の内容 ア本件設立認可の経緯 亀岡市都市計画審議会は,平成25年10月31日,設立準備委員会による土地利用計画の策定が進んで街づくりの実現に目途が立ったこと,平成24年10月には設立準備委員会の業務代行者が決定されたことなどを踏まえて,乙地区の土地区画整理事業の決定について審議し,これを異議なく可決した(甲17の1〈7頁〉,甲17の2〈7頁,8頁,24頁〉)。 本件組合の設立認可申請者は,法18条に基づく地権者及び借地権者の3分の2以上の同意を得るため,平成26年2月1日,地権者説明会を開催した。地権者説明会において,設立準備委員会が上記同意を得るための説明を行い,被告が市街化区域内の農地に係る固定資産税と都市計画税についての説明を行った。同年5月2日までに法18条に基づく地権者及び 借地権者の3分の2以上の同意が得られたことから,同日,本件組合の設立認可申請がされた。 その後,事業計画の縦覧,公告(法20条1項)等の手続を経て,亀岡市長は,同年6月6日,法14条1項に基づき本件組合の設立を認可した(本件設立認可)。 イ本件事業の内容本件事業は,亀岡市の都市機能の集積を図るとともに,利便性と良好な自然環境や景観を生かした居住地の創造を図ることを目的とした都市計画事業の一環として行われる土地区画整理事業であり,土地利用計画や人工計画に基づき,幹線道路や区画道路,街区公園や緑地を配置することな どを内容とする(前提事実⑶ア,甲3,甲17の1〈7頁〉)。 ⑶ 本件変更認可の経緯及び内容ア本件変更認可の経緯平成28年8月,被告は,京都府環境専門家会議等から天然記念物であるアユモドキの保全に係る要請を受け,商業施設を含 甲17の1〈7頁〉)。 ⑶ 本件変更認可の経緯及び内容ア本件変更認可の経緯平成28年8月,被告は,京都府環境専門家会議等から天然記念物であるアユモドキの保全に係る要請を受け,商業施設を含む複合的な機能を有 する施設である京都スタジアム(仮称)の建設用地を,当初予定していた 亀岡市e用地から本件予定地の東側部分に変更することを決定した(甲22の1,22の2,23,24。以下,この変更を「用地変更」という。)。 用地変更の結果,本件予定地における土地利用計画及び設計図の変更が必要となったことに加えて,事業進捗に伴う事業費の変更等も行う必要が生じたため(甲39の2〈変更理由書〉),本件組合は,平成29年4月2 1日,これらを内容とする事業計画の変更認可を申請した(甲39の1)。 亀岡市長は,同年5月29日,法39条1項に基づき上記事業計画の変更を認可した(本件変更認可)。 イ本件変更認可による事業計画の変更内容本件変更認可により,① 本件事業施行後の公共用地の地積が拡大し, 宅地の地積が縮小され(甲39の2〈5頁〉),② 減歩率は49.40パーセントとなり(同〈6頁〉),収入および支出が減少し(同〈10頁,11頁〉),③ 設計図(甲4の3,41)及び市街化予想図(甲4の6,40)が変更されるなどの事業計画の変更が生じたが,本件予定地に新たな施行地区が編入されるなど施行地区の変更はなかった(甲42)。 2 争点1-1(本件変更認可の処分性の有無)について⑴ 土地区画整理組合の設立認可の処分性について本件変更認可(法39条1項)の処分性を検討するに先立ち,まず,土地区画整理組合の設立認可(法14条1項)が抗告訴訟の対象となる行政処分に該当するかどうかについて検討する。 ア土 て本件変更認可(法39条1項)の処分性を検討するに先立ち,まず,土地区画整理組合の設立認可(法14条1項)が抗告訴訟の対象となる行政処分に該当するかどうかについて検討する。 ア土地区画整理事業の手続に伴う法的効果法14条1項に基づく土地区画整理組合の設立認可は,事業計画の違法事由の有無を審査した上で行われ(法21条1項2号),同認可をもって組合が施行区域の土地について施行する土地区画整理事業について都計法59条4項に規定する都市計画事業の認可とみなされる(法1 4条4項)。したがって,法14条1項に基づく土地区画整理組合の設 立認可は,① 土地区画整理組合を成立させ,これに土地区画整理事業を施行する権限を付与する効果と併せて,② 当該土地区画整理事業計画を認可により確定する効果をも有するものということができる。 上記のとおり,法14条1項に基づく組合の設立認可は,当該組合の施行地区内の宅地所有権者等をすべて強制的にその組合とする公法上 の法人たる土地区画整理組合を成立させ(法21条4項,22条,25条1項),これに土地区画整理事業を施行する権限を付与する効力を有するものであるから,抗告訴訟の対象となる行政処分であると解するのが相当である(最高裁昭和57年(行ツ)第128号同60年12月17日第三小法廷判決・民集39巻8号1821頁参照)。 また,事業計画を認可により確定する効力を有するという側面からみても,以下のとおり,法14条1項に基づく土地区画整理組合の設立認可には処分性があると解するのが相当である。 土地区画整理組合を設立しようとする者は,定款及び事業計画を定め,その設立について都道府県知事の認可を受けなければならない(法14 条1項)。都道府県知事は,同申請があ するのが相当である。 土地区画整理組合を設立しようとする者は,定款及び事業計画を定め,その設立について都道府県知事の認可を受けなければならない(法14 条1項)。都道府県知事は,同申請があった場合,定款又は事業計画の内容が法令に違反していることなど法21条1項各号に該当する事実の有無を審査した上,該当事実があると認めるとき以外はその認可をしなければならず(法21条1項),設立を認可した場合は,遅滞なく,組合の名称,事業施行期間及び施行地区その他国土交通省令で定める事項 を公告し,かつ,施行区域の土地について施行する土地区画整理事業については,国土交通大臣及び関係市町村長に施行地区及び設計の概要を表示する図書を送付しなければならない(法21条3項)。この公告がされると,換地処分の公告がある日まで,施行地区内において,土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは 建築物その他の工作物の新築,改築若しくは増築を行い,又は政令で定 める移動の容易でない物件の設置若しくはたい積を行おうとする者は,都道府県知事の許可を受けなければならず(法76条1項2号),これに違反した者がある場合には,都道府県知事は,当該違反者又はその承継者に対し,当該土地の原状回復等を命ずることができ(同条4項),この命令に違反した者に対しては刑罰が科される(法140条)。この ほか,施行地区内の宅地についての所有権以外の権利で登記のないものを有し又は有することとなった者は,書面をもってその権利の種類及び内容を施行者に申告しなければならず(法85条1項),施行者は,その申告がない限り,これを存しないものとみなして,仮換地の指定や換地処分等をすることができることとされている(同条5項)。 また,土地区画 申告しなければならず(法85条1項),施行者は,その申告がない限り,これを存しないものとみなして,仮換地の指定や換地処分等をすることができることとされている(同条5項)。 また,土地区画整理事業の事業計画は,施行地区(施行地区を工区に分ける場合には施行地区及び工区),設計の概要,事業施行期間及び資金計画という当該土地区画整理事業の基礎的事項を一般的に定めるものであるが(法16条,6条1項),事業計画において定める設計の概要については,設計説明書及び設計図を作成して定めなければならず,このう ち,設計説明書には,事業施行後における施行地区内の宅地の地積(保留地の予定地積を除く。)の合計の事業施行前における施行地区内の宅地の地積の合計に対する割合が記載され(これにより,施行地区全体でどの程度の減歩がされるのかが分かる。),設計図(縮尺1200分の1以上のもの)には,事業施行後における施行地区内の公共施設等の位置及び形状 が,事業施行により新設され又は変更される部分と既設のもので変更されない部分とに区別して表示されることから(土地区画整理法施行規則6条),事業計画が認可されると,当該土地区画整理事業の施行によって施行地区内の宅地所有者等の権利にいかなる影響が及ぶかについて,一定の限度で具体的に予測することが可能になる。そして,土地区画整理事 業の事業計画については,いったんその認可の公告がされると,特段の事 情のない限り,その事業計画に定められたところに従って具体的な事業がそのまま進められ,その後の手続として,施行地区内の宅地について換地処分が当然に行われることになる。前記の建築行為等の制限は,このような事業計画の決定に基づく具体的な事業の施行の障害となるおそれのある事態が生ずることを防ぐために法的 ,施行地区内の宅地について換地処分が当然に行われることになる。前記の建築行為等の制限は,このような事業計画の決定に基づく具体的な事業の施行の障害となるおそれのある事態が生ずることを防ぐために法的強制力を伴って設けられている のであり,しかも,施行地区内の宅地所有者等は,換地処分の公告がある日まで,その制限を継続的に課され続けるのである。 そうすると,施行地区内の宅地所有者等は,都市計画事業の認可とみなされる組合設立認可がされることによって,前記のような規制を伴う土地区画整理事業の手続に従って換地処分を受けるべき地位に立たされ るものということができ,その意味で,その法的地位に直接的な影響が生ずるものというべきであり,事業計画の決定に伴う法的効果が一般的,抽象的なものにすぎないということはできない。 したがって,法14条1項に基づく土地区画整理組合の設立認可は,土地整理事業計画を認可により確定するという側面からみても,施行地 区内の宅地の所有者等の法的地位に直接的な影響を及ぼすものとして,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たると解するのが相当である(最高裁平成17年(行ヒ)第397号同20年9月10日大法廷判決・民集62巻8号2029頁参照)。 イ小括 以上のとおり,法14条1項に基づく土地区画整理組合の設立認可は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるというべきである。 ⑵ 事業計画の変更認可の処分性についてア事業計画の変更認可の処分性について検討する。 施行者である土地区画整理組合は,事業計画を変更しようとする場合 は,その変更について都道府県知事の認可を受けなければならないとされている(法39条1項)。 しかしながら,組合の設立認可後に事業計画の変更があっても,それ 計画を変更しようとする場合 は,その変更について都道府県知事の認可を受けなければならないとされている(法39条1項)。 しかしながら,組合の設立認可後に事業計画の変更があっても,それが新たな施行地区の編入を伴うものでない場合には,事業計画の変更認可によって,組合の構成員とされその法的地位に直接的な影響を受ける こととなる宅地所有権者等が新たに生じるものではなく,また,既に組合の構成員とされている宅地所有権者等の法的地位が変動したり新たな制約が課されたりするものでもない。法が,前記組合の設立認可の申請に必要な宅地所有権者等の3分の2以上の同意(法18条,19条1項)について,事業計画の変更認可申請の場合には,新たに施行地区と なるべき区域があるときに限って必要としているのも(法39条2項),為等の制限や宅地等の処分制限について,組合設立認可の公告又は「施行地区の変更を含む」事業計画の変更についての認可の公告があった日以降に生じると規定しており(法76条1項2号),この規定に照らし ても,新たな施行地区の編入を伴わない事業計画の変更認可については,それが公告されても,それによって上記のような制限や組合の構成員となること等の法的効果が新たに生ずることはなく,組合の設立認可によって生じた効果が残存する状態にあると解するのが相当である。 以上のとおり,組合の設立認可によって,施行地区内の宅地所有権者 等は,組合の構成員としての地位に立たされるとともに前記⑴のような制限を伴う土地区画整理事業の手続に従って換地処分を受けるべき地位に立たされるものであるが,その後,新たな施行地区の編入を伴わない事業の変更認可がされたとしても,そのことだけでは宅地所有権者等に新たな法的効果が及ぶことはない。 イし を受けるべき地位に立たされるものであるが,その後,新たな施行地区の編入を伴わない事業の変更認可がされたとしても,そのことだけでは宅地所有権者等に新たな法的効果が及ぶことはない。 イしたがって,新たな施行地区の編入を伴わない事業計画の変更認可は, 原則として,施行地区内の宅地所有権者等の法的地位や権利義務に直接的な影響を及ぼすものとはいえないから,変更後の事業計画が当初の事業計画と同一性を欠き,実質的には新たな事業計画と評価されるなどの特段の事情がある場合を除き,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たらないと解するのが相当である。 ⑶ 本件変更認可の処分性について以上を前提として本件変更認可について検討すると,前記認定事実⑶イのとおり,本件変更認可に係る事業計画の変更は,用地変更に伴うものであるが,本件予定地に新たな施行地区が編入されるなど施行地区の変更はない。 また,変更内容をみても,本件事業施行後の公共用地の地積の拡大と宅地の 地積の縮小,減歩率の変更,収入および支出の減少,設計図及び市街化予想図の変更等にすぎず,変更後の事業計画が当初の事業計画とは同一性を欠き,実質的には新たな事業計画であると評価されるような事情の存在も認められない。 以上によれば,本件変更認可は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たら ないというべきである。よって,原告らによる本件変更認可の取消請求に係る訴えは,不適法である(行訴法3条2項)。 3 争点1-2(本件設立認可の取消しを求める訴えに係る訴えの利益の有無)について⑴ 被告は,本件設立認可が本件変更認可によって消滅しているため,本件設 立認可の取消しを求める訴えは,その対象を欠き,訴えの利益がないなどと主張する。しかしながら,前記2に判示したところに ⑴ 被告は,本件設立認可が本件変更認可によって消滅しているため,本件設 立認可の取消しを求める訴えは,その対象を欠き,訴えの利益がないなどと主張する。しかしながら,前記2に判示したところに照らせば,本件設立認可の効力は,本件変更認可後も存続していると解するのが相当であるから,被告の上記主張は,採用することができない。 よって,本件設立認可の取消しを求める訴えにつき,訴えの利益がないと いうことはできない。争点1-2に関する被告の主張は,理由がない。 4 争点1-3(本件設立認可の取消しを求める訴えに係る原告適格の有無)について⑴ 判断枠組み行訴法9条1項にいう当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益 を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうと解すべきであり,当該処分を定めた行政法規が,不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には,このような利益もここにいう法律上保護された利益に当たり,当該処分によりこ れを侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者は,当該処分の取消訴訟における原告適格を有するものというべきである。 そして,処分の相手方以外の者について上記の法律上保護された利益の有無を判断するに当たっては,当該処分の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく,当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮される べき利益の内容及び性質を考慮し,この場合において,当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては,当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び 並びに当該処分において考慮される べき利益の内容及び性質を考慮し,この場合において,当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては,当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌し,当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘 案すべきである(同条2項参照)(最高裁平成16年(行ヒ)第114号同17年12月7日大法廷判決・民集59巻10号2645頁参照)。 以下,施行地区内の宅地の所有者(地権者)である原告Aと周辺地域の居住者であるその余の原告らとに分けて,本件設立認可の取消しを求める原告適格の有無について検討する。 ⑵ 原告Aの原告適格について ア組合の設立認可により土地区画整理組合が成立すると,事業施行地区内の宅地所有権者等は,すべて強制的にその組合員となり(法25条1項),組合員として,組合役員及び総代の選挙権,被選挙権及びその解任請求権(法27条3項,7項,37条1項,4項),総会及びその部会の招集請求権(法32条3項,35条3項),総会及びその部会における議決権(法3 4条1項,35条3項),組合の事業又は会計の状況の検査の請求権(法125条2項),総会,その部会及び総代会における議決等の取消の請求権(同条7項)等の権利を有するとともに,組合の事業経費を分担する義務を負うこととなる(法40条)。したがって,土地区画整理組合の成立に伴い法律上当然に上記のような組合員たる地位を取得させられることとな る事業施行地区内の宅地所有権者等は,当該組合の設立認可処分の効力を争うにつき法律上の利益を有すると解するのが相当である(最高裁昭和5 然に上記のような組合員たる地位を取得させられることとな る事業施行地区内の宅地所有権者等は,当該組合の設立認可処分の効力を争うにつき法律上の利益を有すると解するのが相当である(最高裁昭和57年(行ツ)第128号同60年12月17日第三小法廷判決・民集39巻8号1821頁参照)。 イしたがって,本件事業の施行地区である本件予定地内の宅地の所有権者 である原告Aは,本件設立認可の取消しを求める訴えにつき原告適格を有する。 ⑶ 原告Aを除く原告らの原告適格についてア原告Aを除く原告らは,本件事業に係る施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者でも,同施行地区内において土地の形質の変更又 は建築物その他の工作物の新築,改築若しくは増築等を行おうとする者でもなく,本件設立認可に係る効力を受けるものではないから,本件設立認可の効力の観点から,本件設立認可により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者に該当するということはできない。 イもっとも,本件設立認可の根拠となる法及び都計法の規定が,本件設立 認可において考慮されるべき利益について,不特定多数の者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解されるのであれば,このような利益も「法律上保護された利益」に当たるのであって,本件設立認可によりこれを侵害され又は必然的に侵害されるお それのある者は,本件設立認可の取消訴訟における原告適格を有することになる。以下,この観点から検討する。 根拠法令の趣旨及び目的法は,施行区域の土地についての土地区画整理事業は都市計画事業として施行することとし(法 認可の取消訴訟における原告適格を有することになる。以下,この観点から検討する。 根拠法令の趣旨及び目的法は,施行区域の土地についての土地区画整理事業は都市計画事業として施行することとし(法3条の4第1項),土地区画整理組合を設立し ようとする者は,事業計画を定めて都道府県知事の設立認可を受けなければならないと定めるところ(法14条1項),上記事業計画においては,環境の整備改善を図り,交通の安全を確保し,災害の発生を防止し,その他健全な市街地を造成するために必要な公共施設及び宅地に関する計画が適正に定められていなければならないとされ(法16条1項,6条 8項),また,事業計画は,土地区画整理事業に関する都市計画に適合して定めなければならないとされている(法16条1項,6条10項)。 そして,関係法令である都計法は,都市の健全な発展と秩序ある整備を図り,もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とし(同法1条),都市計画の基本理念として,健康で文化的な都 市生活を確保すべきことを定めている(同法2条)。土地区画整理事業については,事業の名称及び施行区域のほか,公共施設の配置及び宅地の整備に関する事項を都市計画に定めるものとし(都計法12条1項1号,3項),都市計画区域について定められる都市計画は,当該都市の特質を考慮して,土地利用,都市施設の整備及び市街地開発事業に関する事項 で当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを,一体 的かつ総合的に定めなければならず(同法13条1項柱書),この場合においては,当該都市における自然的環境の整備又は保全に配慮しなければならないとしており,中でも,地区計画については,公共施設の整備,建築物の建築その他の土地利用の現状及び 3条1項柱書),この場合においては,当該都市における自然的環境の整備又は保全に配慮しなければならないとしており,中でも,地区計画については,公共施設の整備,建築物の建築その他の土地利用の現状及び将来の見通しを勘案し,当該区域の各街区における防災,安全,衛生等に関する機能が確保され,か つ,その良好な環境の形成又は保持のためその区域の特性に応じて合理的な土地利用が行われることを目途として,当該計画に従って秩序ある開発行為,建築又は施設の整備が行われるように定めることとしている(同項14号柱書)。そして,都市計画区域について定められる都市計画は,当該都市の住民が健康で文化的な都市生活を享受することができる ように,住宅の建設及び居住環境の整備に関する計画を定めなければならないとしている(同条2項)。また,都市計画の案を作成しようとする場合において必要があると認められるときは,公聴会の開催等,住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとし(同法16条1項),都市計画を決定しようとする旨の公告があったときは,関係市町村 の住民及び利害関係人は,縦覧に供された都市計画の案について意見書を提出することができるものとしている(同法17条1項,2項)。 以上のことからすれば,土地区画整理組合の設立認可の根拠となる法及び都計法は,土地の合理的かつ健全な市街地の造成を図るだけではなく,災害等により施行区域及びその周辺に居住する住民に健康又は生活 環境に係る被害が生ずることを防止し,もって健康で文化的な都市生活を確保し,良好な生活環境を保全することも,その趣旨及び目的とするものであると解される。 本件設立認可において考慮されるべき利益の内容及び性質本件設立認可がされることにより,本件事業の施行に起因して水害そ 生活環境を保全することも,その趣旨及び目的とするものであると解される。 本件設立認可において考慮されるべき利益の内容及び性質本件設立認可がされることにより,本件事業の施行に起因して水害そ の他の災害による健康又は生活環境への被害が深刻化するものと仮定 した場合,そのような被害を直接的に受けるのは,施行区域である本件予定地の周辺の一定範囲の地域に居住する住民に限られ,その場合,その被害の程度は,居住地が本件予定地に接近するにつれて増大するものと考えられる。また,このような事業の施行に係る本件予定地の周辺に居住する住民が,当該地域に居住し続けることにより上記の被害を反復, 継続して受けるものと仮定した場合,その被害は,これらの住民の健康や生活環境に極めて重大な影響を与えかねないものである。 土地区画整理組合の設立認可に関する法及び都計法の規定は,その趣旨及び目的に鑑みて,違法な土地区画整理組合の事業の施行に起因して水害等の災害による被害の深刻化が仮に生ずるのであれば,それによっ て健康又は生活環境に係る著しい被害を受けないという具体的利益を保護しようとするものであると解されるところ,前記のような被害の内容,性質,程度等に照らせば,この具体的利益は,一般的公益の中に吸収解消させることが困難なものであるということができる。 組合の設立認可の根拠となる法 令である法及び都計法の規定の趣旨及び目的,これらの規定が土地区画整理組合の設立認可の制度を通して保護しようとしている利益の内容及び性質等を考慮すれば,法及び都計法は,これらの規定を通じて,都市の健全な発展と秩序ある整備を図るなどの公益的見地から土地区画整理組合の施行する土地区画整理事業を規制するとともに,違法な土地区画整 理の事業の ば,法及び都計法は,これらの規定を通じて,都市の健全な発展と秩序ある整備を図るなどの公益的見地から土地区画整理組合の施行する土地区画整理事業を規制するとともに,違法な土地区画整 理の事業の施行に起因して水害等の被害が仮に深刻化するのであれば,それにより健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある個々の住民に対して,そのような被害を受けないという利益をそれが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解するのが相当である。したがって,当該土地区画整理事業 の施行地区の周辺に居住する住民のうち,当該事業の施行に起因して水 害等の被害が仮に深刻化した場合にそれによる健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は,当該市街地再開発組合の設立認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として,その取消訴訟における原告適格を有するものというべきである。 そこで,原告Aを除く原告らが,本件事業が施行されることにより水 害等の災害の発生又は深刻化による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがあるか否かについてみるに,本件事業に関する都市計画の内容及び本件組合の事業計画の内容に照らして,上記原告らがこのような被害を直接的に受けるおそれがある事実は,本件全証拠によってもこれを認めるに足りない。以下,上記原告らの主張に沿って具 体的に検討する。 上記原告らは,本件事業が施行され,遊水池である本件予定地に盛土がされることにより,遊水機能が失われるため,洪水時に本件予定地周辺の水位やピーク流量が増加するなどと主張する(甲21〈21頁〉,26〈2頁〉)。しかし,原告らの上記主張は,平成28年の用地変更前の計画, すなわち,本件スタジア ため,洪水時に本件予定地周辺の水位やピーク流量が増加するなどと主張する(甲21〈21頁〉,26〈2頁〉)。しかし,原告らの上記主張は,平成28年の用地変更前の計画, すなわち,本件スタジアムが亀岡市e用地に建設されることを前提とし,その際の盛土の影響について京都府が行った氾濫解析(甲12)を根拠とするところ,上記解析の結果を直ちに用地変更後の本件予定地における本件事業施行の際の盛土による影響としてみることはできない上,上記氾濫解析は,100年に1度発生する確率の洪水を想定したものであっ て(甲12〈4-15頁〉),洪水時に原告らが主張するような水位及びピーク流量の増加が現実に発生するおそれが高いとはいえない。しかも,後記5のとおり,本件予定地周辺では,継続的に河川改修工事等の治水対策が行われており,上記解析後も治水安全度の向上が図られている。 上記原告らは,また,本件予定地のような遊水池の盛土による埋立て が一度許容されると,将来にわたって遊水池の開発が加速し,他の遊水池 も埋め立てられることにより,さらに水害被害が深刻化するなどとも主張するが,このような抽象的,間接的な懸念をもって,本件事業が施行されることにより健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがあるということはできない。 よって,上記原告らの主張は,いずれも採用することができない。そ の他,上記原告らについて,本件事業の実施によって水害等の災害の発生又は深刻化による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがあると認めるべき事情はない。 ウしたがって,原告Aを除く原告らは,本件設立認可により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれ のある者に該当するということがで るべき事情はない。 ウしたがって,原告Aを除く原告らは,本件設立認可により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれ のある者に該当するということができず,本件設立認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者ではない。 ⑷ 小括以上より,本件設立認可の取消しを求める訴えにつき,原告Aは原告適格を有するが,その余の原告らは原告適格を有しないから,上記原告らによる 本件設立認可の取消しを求める訴えは,不適法というべきである。 5 争点2-1(施行地区内に市街化調整区域が存在することによる違法事由の有無)について⑴ 本件区域変更の違法性まず,本件予定地に含まれる乙地区を市街地調整区域から市街化区域に変 更した本件区域変更の違法性の有無について判断する。 ア判断枠組み区域区分に関する都市計画の決定の根拠となる都計法及びその関係法令は,都市計画について,健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと等の基本理念の下で(都計法2条),都市計画区域につい て無秩序な市街化を防止し,計画的な市街化を図るため必要があるときは, 都市計画に,市街化区域と市街化調整区域との区分を定めることができるとする(同法7条1項柱書)。この区域区分は,当該都市の発展の動向,当該都市計画区域における人口及び産業の将来の見通し等を勘案して,産業活動の利便と居住環境の保全との調和を図りつつ,国土の合理的利用を確保し,効率的な公共投資を行うことができるように定めることとされてい る(同法13条1項2号)。また,市街化区域は,既に市街地を形成している区域に加え,おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域(以下「新市街地」という。)とするものとした てい る(同法13条1項2号)。また,市街化区域は,既に市街地を形成している区域に加え,おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域(以下「新市街地」という。)とするものとした上で(同法7条2項),新市街地を定める技術的基準につき,一定の市街化することが不適当な土地の区域等を原則として除く旨の除外事由を定めるほかは(同法施行令8 条1項2号)特段の要件等を示していない。これらのことからすると,市街化区域と市街化調整区域の区分等に関する事項を定めるに当たっては,当該都市計画区域に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で,政策的,技術的な見地から判断することが不可欠であるといわざるを得ない。そうすると,このような判断は,これを決定する行政庁の広範な裁量に委ねら れているものというべきであって,裁判所が区域区分に関する都市計画の決定又は変更の内容の適否を審査するに当たっては,当該決定又は変更が裁量権の行使としてされたことを前提として,その基礎とされた重要な事実に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合,又は,事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと,判断の過程において 考慮すべき事情を考慮しないことなどによりその内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるものと解するのが相当である(最高裁平成16年(行ヒ)第114号同18年11月2日第一小法廷判決・民集60巻9号3249頁参照)。 イ検討 前記認定事実によれば,① 乙地区は,昭和46年に南丹都市計画決定がなされた当初は,桂川等の周辺河川の氾濫による洪水被害を頻回に受けていたことなどもあり,市街化調整区域として区域区分されたが 前記認定事実によれば,① 乙地区は,昭和46年に南丹都市計画決定がなされた当初は,桂川等の周辺河川の氾濫による洪水被害を頻回に受けていたことなどもあり,市街化調整区域として区域区分されたが,同地区の耕作者らは,都市計画の進捗次第で同地区が市街化区域に編入されることを期待し,土地区画整理事業の推進を依頼する要望書を提出 するなどしていたこと,② 平成10年には,桂川の上流域に位置して淀川流域の洪水被害の軽減を図ることを目的の1つとする日吉ダムが竣工し,乙地区における治水面の不安が解消される目処が立ったことから,平成17年度には同地区の地権者及び周辺住民が中心となってまちづくり推進委員会が発足したこと,③ 京都府は,昭和62年に桂川改 修全体計画を策定し,これを基に当面計画(第1段階),暫定計画(第2段階)及び基本計画(第3段階)から成る事業実施計画を定めた上,同計画に従って,掘削工,築提工・堤防補強,護岸工等の工事を順次実施し,平成21年度には当面計画が概成して10分の1の治水安全度が確保されたこと,④ 亀岡市都市計画審議会及び京都府都市計画審議会は, 平成19年,南丹都市計画の見直しとして乙地区を市街化区域に変更することをそれぞれ審議したが,その時点では同地区の市街地整備の見通しが明らかでなく,当面計画の整備も完了していなかったことから,同変更は留保されたものの,平成21年度に当面計画の概成が予定されていたことなどを見据えて同地区を特定保留に設定することを議決し,京 都府知事は,同年11月13日,上記各議決を受けて乙地区を特定保留に設定したこと,⑤ 同日告示された南丹都市計画区域マスタープラン(都計法6条の2第1項)では,乙地区について土地区画整理事業等による市街地整備の見直し地区とされ,計画的な市 受けて乙地区を特定保留に設定したこと,⑤ 同日告示された南丹都市計画区域マスタープラン(都計法6条の2第1項)では,乙地区について土地区画整理事業等による市街地整備の見直し地区とされ,計画的な市街地整備の見通しが明らかになった時点で市街化区域に編入すると規定されたこと,⑥ 平成 21年1月,推進委員会の議論を踏まえ,土地区画整理組合設立認可の 準備を目的とした設立準備員会が発足し,土地利用計画の策定が奨められたこと,⑦ 亀岡市長は,平成23年,京都府との間で治水対策に関する事前協議を行って乙地区の雑水川流域の治水対策等について確認し,京都府は,事前協議の結果を踏まえ,同地区における土地区画整理事業の施行について治水計画上特に支障がないと判断したこと,⑧ 京 都府都市計画審議会は,土地区画整理事業による計画的な市街地整備の見通しが明らかになったことや,桂川河川改修事業の当面計画の概成等により治水安全度が向上したことなどを踏まえて,平成25年11月26日,特定保留に設定されていた乙地区を市街化区域に変更することにつき審議を行い,これを可決したこと,⑨ 京都府知事は,平成26年 1月24日,京都府都市計画審議会の上記議決等を踏まえ,乙地区の区域区分を市街化調整区域から市街化区域に変更する旨の本件区域変更を行ったこと,以上の事実が認められる。 上記の事実経緯に鑑みれば,乙地区については,昭和46年に南丹都市計画が決定されて以降,耕作者らないし地権者ら及び周辺住民らから, 都市計画事業の進捗次第で市街化区域への編入を求める要望が繰り返し提出され,同地区の発展に向けた活動が継続されていたが,京都府知事は,周辺河川の治水対策が必要な地区と認識していたことから,直ちには同地区を市街化区域に編入することをせず,ま を求める要望が繰り返し提出され,同地区の発展に向けた活動が継続されていたが,京都府知事は,周辺河川の治水対策が必要な地区と認識していたことから,直ちには同地区を市街化区域に編入することをせず,まずは周辺河川の治水対策を継続実施することとし,その結果,平成21年には桂川改修全体 計画の第1段階である当面計画が10年以上かけてようやく概成し,桂川の治水安全度が10分の1に向上したことや,それ以降も暫定計画による治水安全度の確保に向けた工事等が順次実施されていること,平成23年の事前協議の結果,同地区における土地区画整理事業の施行について,治水計画上特に支障がないと判断されたことなどを踏まえ,さら には,京都府都市計画審議会が特定保留に設定されていた同地区を市街 化区域に変更することを可決したことをも受けて,平成26年1月24日に本件区域変更を行ったものであって,京都府知事による本件区域変更の判断は,乙地区の発展の動向や将来の街づくりの見通し等を考慮するとともに,同地区周辺の河川につき長年にわたって実施されてきた治水対策の進展状況やその効果を慎重に検討し,亀岡市都市計画審議会や 京都府都市計画審議会の審議をも経て行われたものであって,その内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものということはできない。 これに対し,原告Aは,① ハザードマップでは,乙地区の大部分につき3メートルないし5メートルの浸水が想定されており,このような地区は,都市計画運用指針上,居住誘導区域(市街化して居住を誘導さ せるべき区域)に含まないとされていること,② 乙地区周辺の河川に対する治水対策が行われたにもかかわらず,平成25年台風18号により,同地区は浸水被害を受けたことなどを根拠として,乙地区には,原則として市街化区域 含まないとされていること,② 乙地区周辺の河川に対する治水対策が行われたにもかかわらず,平成25年台風18号により,同地区は浸水被害を受けたことなどを根拠として,乙地区には,原則として市街化区域から除外されるべき「溢󠄀水,湛水,津波,高潮等による災害の発生のおそれのある土地の区域」(都計法施行令8条1項2 号ロ)が含まれるから,本件区域変更は違法であるなどと主張する。 しかしながら,上記①について,原告Aが主張するハザードマップは,100年に1度発生する確率の大雨を想定したものである上,平成18年度に作成されたものであって,平成21年に概成した桂川改修事業の当面計画による効果が反映されていない。また,そもそも,都市計画運 用指針上の居住誘導区域と都計法上の市街化区域とはその概念を異にし,居住誘導区域に含まれないことから当然に市街化区域に編入すべきでないなどということはできないが,この点を措くとしても,ハザードマップ上の浸水想定区域が直ちに居住誘導区域に含まれないというわけではなく,都市計画運用指針は,当該区域の災害リスク等を総合的に 勘案し,居住を誘導することが適当ではないと判断される場合に,原則 として居住誘導区域に含めないとしているにすぎないものと解される。 したがって,乙地区にハザードマップ上の浸水想定区域が含まれることのみを根拠として,同地区が原則として市街化区域から除外されるべき「溢󠄀水,湛水,津波,高潮等による災害の発生のおそれのある土地の区域」に当たるということはできない。 また,上記②について,乙地区は,平成25年台風18号により浸水被害を受けているけれども,同台風は,発生確率が100分の1に相当する極めて異例なものであったところ,それにもかかわらず,亀岡地区では周辺河川の治水対 いて,乙地区は,平成25年台風18号により浸水被害を受けているけれども,同台風は,発生確率が100分の1に相当する極めて異例なものであったところ,それにもかかわらず,亀岡地区では周辺河川の治水対策により1メートル以上の水位低下効果が確認され,洪水時の浸水範囲も過去の台風襲来時と比較して軽減されていた ことが認められ,乙地区の周辺河川における長年の治水対策の効果が確認されたというべきである。そして,それ以降も桂川河川改修事業を始めとする治水対策が継続して実施されていることをも勘案すれば,乙地区が平成25年台風18号により浸水被害を受けたことのみをもって,同地区が「溢󠄀水,湛水,津波,高潮等による災害 の発生のおそれのある土地の区域」に当たるということはできない。 したがって,原告Aの上記主張は,いずれも理由がない。 ウ小括以上によれば,本件区域変更に関する京都府知事の判断が,重要な事実の基礎を欠き又は判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないなど 社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかであるとはいえず,その他,同判断に裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したと評価すべき事情があるとは認められない。 よって,本件区域変更に原告Aの主張する違法事由はない。 ⑵ 上記のとおり,本件区域変更は適法であるから,本件区域変更が違法であ ることを前提として,施行地区に市街化調整区域が存在することを理由に本 件設立認可の違法をいう原告Aの主張は,その余の点につき判断するまでもなく,理由がない。 6 争点2-2(施行地区に「市街地とするのに適当でない地域」が含まれることによる違法事由の有無〈法21条1項3号〉)について⑴ 判断枠組み 法は,土地計画整理事業について,健全な市街地の造成を 2-2(施行地区に「市街地とするのに適当でない地域」が含まれることによる違法事由の有無〈法21条1項3号〉)について⑴ 判断枠組み 法は,土地計画整理事業について,健全な市街地の造成を図り,もって公共の福祉の増進に資することを目的とし(法1条),都市計画区域内の土地について,公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図る等の基本理念の下で(法2条1項),土地区画整理事業に関する規定を設けている。法は,土地区画整理組合の設立については都道府県知事の認可を受けなければならない と定めるが(法14条1項),他方で,都道府県知事は,同申請があった場合は,施行地区に市街化調整区域が編入されている場合を除き(法21条2項),法21条1項各号の事由のいずれかに該当する事実があると認めるとき以外は,その認可をしなければならないとしており,認可を原則として同項各号所定の除外事由を定めるほかは,特段の要件等を示していない。そして,同 項3号は,除外事由の1つとして「市街地とするのに適当でない地域」と規定するけれども,同規定の内容は極めて抽象的であって,具体的な判断基準等を定めた規定もない。これらのことからすると,法14条1項に基づく土地区画整理組合の設立認可に当たり,法21条1項3号が除外事由とする「市街地とするのに適当でない地域」に該当するか否かの判断は,都道府県知事 が,当該都市計画事業として施行される土地区画整理事業に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で,政策的,技術的な見地から行うことが不可欠であるといわざるを得ない。このような判断は,これを決定する行政庁の広範な裁量に委ねられているものというべきであって,裁判所が同号の自由に該当するか否かの都道府県知事の判断の適否を審査するに当たっては,当該判 断が裁量権 ような判断は,これを決定する行政庁の広範な裁量に委ねられているものというべきであって,裁判所が同号の自由に該当するか否かの都道府県知事の判断の適否を審査するに当たっては,当該判 断が裁量権の行使としてされたことを前提として,その基礎とされた重要な 事実に誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合,又は,事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと,判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないことなどによりその内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるものと解するのが相当である。 検討ア前記のとおり,乙地区は,平成26年1月24日の本件区域変更によって市街化区域に編入されているところ,本件区域変更は適法であるから,亀岡市長が本件設立認可を行った同年6月6日時点において,本件予定地は同地区を含めて市街化区域であり,優先的かつ計画的に市街化を図るべ き区域であったといえる。本件予定地が「市街地とするのに適当でない地域」に該当しないとした亀岡市長の判断は,乙地区を含む本件予定地の発展の動向や将来の街づくりの見通し,本件予定地周辺の河川の治水対策の進展状況やその効果等を踏まえてされたものであって,その判断内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものということはできない。 イこれに対し,原告Aは,① 乙地区を含む本件予定地は,周辺の河川が氾濫し洪水が発生した時の遊水池となっており,本件事業によって本件予定地に盛土がされれば,本件予定地に遊水していた水が周辺地域に流出し,同地域に居住する住民に対する水害被害を悪化させるおそれがある,②本件予定地は元々農地であり,上記のような洪水防止機能を有する農地を 盛土がされれば,本件予定地に遊水していた水が周辺地域に流出し,同地域に居住する住民に対する水害被害を悪化させるおそれがある,②本件予定地は元々農地であり,上記のような洪水防止機能を有する農地を 保全すべきことは食料・農業・農村基本法3条の規定から明らかであるなどとして,本件予定地は「市街地とするのに適当でない地域」に当たるなどと主張する。 しかしながら,上記①については,本件予定地が,周辺地域との関係で,周辺河川の氾濫の際の遊水池として機能していた事実は認められるとし ても,前記5に判示したとおり,日吉ダムの竣工や桂川河川改修事業等に よる本件予定地周辺の河川の治水対策が行われたことにより,河川の氾濫により本件予定地に流入する水量は明らかに減少している上,将来にわたる継続的な治水対策により,さらなる減少が予想される。また,本件事業が行われなかった場合と比較して,本件事業が行われたことによる周辺地域の水位及びピーク流量の増加の有無及び程度を明らかにする証拠はな く,原告Aの主張するおそれは飽くまで抽象的な懸念にとどまる。これらのことからすれば,上記①についての原告Aの主張は,採用することができない。 また,上記②については,法21条1項3号にいう「市街地とするのに適当でない地域」に該当するか否かを判断するに当たり,食料・農業・農 村基本法3条の規定やその趣旨を考慮すべきものとは解されないから,上記②についての原告Aの主張も,採用することができない。 その他,本件設立認可に当たり,法21条1項3号該当事由が存在しないとした亀岡市長の判断について,重要な事実の基礎を欠き又は判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないなど社会通念に照らし著しく妥 当性を欠くことが明らかであるというべき事情は見 が存在しないとした亀岡市長の判断について,重要な事実の基礎を欠き又は判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないなど社会通念に照らし著しく妥 当性を欠くことが明らかであるというべき事情は見当たらない。 ウ以上によれば,亀岡市長の上記判断に裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したと評価すべき事情があるとは認められない。 よって,争点2-2に関する原告Aの主張は,理由がない。 7 争点2-3(都計法33条1項所定の災害防止措置を講じていないことによ る違法事由の有無〈法21条1項2号〉)について⑴ 原告Aは,土地区画整理事業を施行する場合,その事業内容が都計法33条1項各号の基準を満たさなければ事業計画の内容が法令に違反している(法21条1項2号)ことになると主張する。 ⑵ しかしながら,都計法は,都市計画区域等における開発行為を許可制とし た上(都計法29条1項柱書),その許可基準を定めるところ(都計法33条 等),土地区画整理事業の施行として行う開発行為については,都計法に定める許可が不要とされている(都計法29条1項5号)。これは,同一の開発行為について,都市計画事業について規定する都計法と,土地区画整理事業について規定する法とにより,二重の開発規制が行われることを避けるため,都市計画事業として施行される土地区画整理事業(法3条の4)については, 専ら法による規制に服させることとし,都計法による開発行為の規制は適用しないこととしたものと解される。 したがって,土地区画整理事業として開発行為を行う本件事業においては,都計法による開発行為の規制の適用はなく,都計法33条各号の基準を満たす必要はないから,原告Aの上記主張は,採用することができない。 ⑶ よって,争点2-3に関する原告Aの 事業においては,都計法による開発行為の規制の適用はなく,都計法33条各号の基準を満たす必要はないから,原告Aの上記主張は,採用することができない。 ⑶ よって,争点2-3に関する原告Aの主張は,理由がない。 8 争点2-4(申請手続及び事業計画の決定手続が農地法に違反することによる違法事由の有無〈法21条1項1号,2号〉)について⑴ 原告Aは,本件予定地の地権者らが農地の改良目的ではなく本件事業に流用する目的で農地の形状変更として盛土をしたことは,脱法行為であって農 地法に違反すると主張する。 しかしながら,本件予定地の地権者らが農地の形状変更を行ったのは,土地の嵩上げにより水害被害を軽減するためでありを経営する耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大という農地法の目的(同法1条)に反するものではない。その他,原告Aの上記主張を認めるに 足りる証拠はない。 ⑵ よって,争点2-4に関する原告Aの主張は,理由がない。 9 争点2-5(申請手続が法18条に違反することによる違法事由の有無〈法21条1項1号〉)について⑴ 原告Aは,設立準備委員会や亀岡市まちづくり推進部が「地権者全員の同 意書がないと組合は設立できない。」「組合設立の同意書がないと,市の固定 資産税,都市計画税の軽減措置の申請が受理できない。」などと虚偽の説明を行い,これによって本件予定地の所有権者及び借地権者らによる本件組合の設立に係る同意を得たから,この同意は錯誤(民法95条)により無効となり,法18条の要件を満たさないと主張する。 ⑵ しかしながら,原告Aの上記主張の根拠となる証拠としては,設立準備委 員会名義の「固定資産税,都市計画税の軽減措置の申請にあたっての注意事項」と題する書面があるのみで(甲7の2),同 る。 ⑵ しかしながら,原告Aの上記主張の根拠となる証拠としては,設立準備委 員会名義の「固定資産税,都市計画税の軽減措置の申請にあたっての注意事項」と題する書面があるのみで(甲7の2),同書面のみでは設立準備委員会が上記のような説明をしたと認めるに足りず,その他,同事実を認めるに足りる証拠はない。また,亀岡市まちづくり推進部による虚偽の説明についても,これを認めるに足りる証拠はない。 ⑶ よって,争点2-5に関する原告Aの主張は,理由がない。 まとめ以上によれば,亀岡市長による本件設立認可は適法である。したがって,原告Aの本件設立認可取消請求は,理由がない。 第4 結語 以上の次第で,原告らの本件変更認可取消請求に係る訴え及び原告Aを除く原告らの本件設立認可取消請求に係る訴えは,訴訟要件を欠き不適法であるから,これらをいずれも却下することとし,原告Aの本件設立認可取消請求は,理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。 京都地方裁判所第3民事部 裁判長裁判官増森珠美 裁判官佐藤彩香 裁判官牛島 賢 (別紙)関係法令の概要 1 土地区画整理法⑴ 1条(この法律の目的) この法律は,土地区画整理事業に関し,その施行者,施行方法,費用の負担等必要な事項を規定することにより,健全な市街地の造成を図り,もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。 ⑵ 2条(定義)ア 1項 この法律において「土地区画整理事業」とは,都市計画区域内の土地について,公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため,この法律で定めると 目的とする。 ⑵ 2条(定義)ア 1項 この法律において「土地区画整理事業」とは,都市計画区域内の土地について,公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため,この法律で定めるところに従って行われる土地の区画形質の変更及び公共施設の新設又は変更に関する事業をいう。 イ 8項 この法律において「施行区域」とは,都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第十二条第二項の規定により土地区画整理事業について都市計画に定められた施行区域をいう。 ⑶ 3条(土地区画整理事業の施行)2項宅地について所有権又は借地権を有する者が設立する土地区画整理組合は, 当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる。 ⑷ 3条の4(都市計画事業として施行する土地区画整理事業)第1項施行区域の土地についての土地区画整理事業は,都市計画事業として施行する。 ⑸ 6条(事業計画) ア 8項事業計画においては,環境の整備改善を図り,災害の発生を防止し,その他健全な市街地を造成するために必要な公共施設及び宅地に関する計画が適正に定められていなければならない。 イ 10項 事業計画は,公共施設その他の施設又は土地区画整理事業に関する都市計画が定められている場合においては,その都市計画に適合して定めなければならない。 ⑹ 14条(設立の認可)ア 1項 第3条第2項に規定する土地区画整理組合(以下「組合」という。)を設立しようとする者は,七人以上共同して,定款及び事業計画を定め,その組合の設立について都道府県知事の認可を受けなければならない。 イ 4項組合が施行区域の土地について施行する土地区画整理事業については,第 1項に 上共同して,定款及び事業計画を定め,その組合の設立について都道府県知事の認可を受けなければならない。 イ 4項組合が施行区域の土地について施行する土地区画整理事業については,第 1項に規定する認可をもつて都市計画法第59条第4項に規定する認可とみなす。 ⑺ 16条(事業計画及び事業基本方針)1項第6条の規定は,第14条第1項の事業計画について準用する。 ⑻ 18条(定款及び事業計画又は事業基本方針に関する宅地の所有者及び借地 権者の同意)第14条第1項に規定する認可を申請しようとする者は,定款及び事業計画又は事業基本方針について,施行地区となるべき区域内の宅地について所有権を有するすべての者及びその区域内の宅地について借地権を有するすべての者のそれぞれの3分の2以上の同意を得なければならない。 ⑼ 19条(借地権の申告) ア 1項前条に規定する同意を得ようとする者は,あらかじめ,施行地区となるべき区域の公告を当該区域を管轄する市町村長に申請しなければならない。 イ 2項市町村長は,前項に規定する申請があつた場合においては,政令で定めると ころにより,遅滞なく,施行地区となるべき区域を公告しなければならない。 ⑽ 20条(事業計画の縦覧及び意見書の処理)ア 1項都道府県知事は,第14条第1項に規定する認可の申請があった場合においては,政令で定めるところにより,施行地区となるべき区域を管轄する市 町村長に,当該事業計画を2週間公衆の縦覧に供させなければならない。 イ 2項当該土地区画整理事業に関係のある土地若しくはその土地に定着する物件又は当該土地区画整理事業に関係のある水面について権利を有する者(以下「利害関係者」という。)は,前項の規定により縦覧に供された 当該土地区画整理事業に関係のある土地若しくはその土地に定着する物件又は当該土地区画整理事業に関係のある水面について権利を有する者(以下「利害関係者」という。)は,前項の規定により縦覧に供された事業計画につ いて意見がある場合においては,縦覧期間満了の日の翌日から起算して2週間を経過する日までに,都道府県知事に意見書を提出することができる。 ウ 3項都道府県知事は,前項の規定により意見書の提出があつた場合においては,その内容を審査し,その意見書に係る意見を採択すべきであると認めるとき は,第14条第1項に規定する認可を申請した者に対し事業計画に必要な修正を加えるべきことを命じ,その意見書に係る意見を採択すべきでないと認めるときは,その旨を意見書を提出した者に通知しなければならない。 ⑾ 21条(設立の認可の基準等及び組合の成立)ア 1項 都道府県知事は,第14条第1項に規定する認可の申請があつた場合にお いては,次の各号のいずれかに該当する事実があると認めるとき以外は,その認可をしなければならない。 1号申請手続が法令に違反していること。 2号 定款又は事業計画若しくは事業基本方針の決定手続又は内容が法令に違反していること。 3号市街地とするのに適当でない地域又は土地区画整理事業以外の事業によって市街地とすることが都市計画において定められた区域が施行地区に編 入されていること。 4号土地区画整理事業を施行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に施行するために必要なその他の能力が十分でないこと。 イ 2項 前項の規定にかかわらず,都道府県知事は,都市計画法第7条第1項の市街化調整区域と定められた区域が施行地区 礎及びこれを的確に施行するために必要なその他の能力が十分でないこと。 イ 2項 前項の規定にかかわらず,都道府県知事は,都市計画法第7条第1項の市街化調整区域と定められた区域が施行地区に編入されている場合においては,当該区域内において土地区画整理事業として行われる同法第4条第12項に規定する開発行為が同法第34条各号のいずれかに該当すると認めるときでなければ,第14条第1項に規定する認可をしてはならない。 ウ 3項都道府県知事は,第14条第1項に規定する認可をした場合においては,遅滞なく,国土交通省令で定めるところにより,組合の名称,事業施行期間,施行地区その他国土交通省令で定める事項を公告し,かつ,施行区域の土地について施行する土地区画整理事業については,国土交通大臣及び関係市町 村長に施行地区及び設計の概要を表示する図書を送付しなければならない。 エ 6項市町村長は,政令で定めるところにより,第3項の図書を当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。 ⑿ 24条(設立の費用の負担)組合の設立に関する費用は,その組合の負担とする。 ⒀ 25条(組合員)1項組合が施行する土地区画整理事業に係る施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者は,すべてその組合の組合員とする。 ⒁ 39条(定款又は事業計画若しくは事業基本方針の変更)ア 1項 組合は,定款又は事業計画若しくは事業基本方針を変更しようとする場合においては,その変更について都道府県知事の認可を受けなければならない。 この場合において,組合がその申請をしようとするときは,国土交通省令で定めるところにより,施行地区又は新たに施行地区となるべき区域を管轄する市町村長を経由して行わなけ の認可を受けなければならない。 この場合において,組合がその申請をしようとするときは,国土交通省令で定めるところにより,施行地区又は新たに施行地区となるべき区域を管轄する市町村長を経由して行わなければならない。 イ 2項第18条の規定は新たに施行地区となるべき区域がある場合における事業計画又は事業基本方針の変更についての認可を申請しようとする組合について,第19条の規定はこの項において準用する第18条に規定する同意を得ようとする組合及び新たに施行地区となるべき区域の公告があつた場合にお ける借地権の申告について,第20条の規定は事業計画の変更(政令で定める軽微な変更を除く。)について前項に規定する認可の申請があつた場合について,第21条第1項,第2項及び第6項の規定は前項に規定する認可の申請があつた場合又は同項に規定する認可をした場合について準用する。この場合において,第18条及び第19条中「施行地区となるべき区域」とある のは「新たに施行地区となるべき区域」と,第20条第1項中「施行地区と なるべき区域」とあるのは「施行地区及び新たに施行地区となるべき区域」と,第21条第6項中「第3項」とあるのは「第39条第4項」と読み替えるものとする。 ⒂ 40条(経費の賦課徴収)1項組合は,その事業に要する経費に充てるため,賦課金として参加組合員以外 の組合員に対して金銭を賦課徴収することができる。 ⒃ 76条(建築行為等の制限)1項次に掲げる公告があった日後,第103条第4項の公告がある日までは,施行地区内において,土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物その他の工作物の新築,改築若しくは増築を行い, 又は政令で定める移動の容易でない物件の設置若し 行地区内において,土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物その他の工作物の新築,改築若しくは増築を行い, 又は政令で定める移動の容易でない物件の設置若しくは堆積を行おうとする者は,国土交通大臣が施行する土地区画整理事業にあっては国土交通大臣の,その他の者が施行する土地区画整理事業にあっては都道府県知事の許可を受けなければならない。 ア 2号 組合が施行する土地区画整理事業にあっては,第21条第3項の公告又は事業計画の変更についての認可の公告イその余の号(略) 2 都市計画法⑴ 1条(目的) この法律は,都市計画の内容及びその決定手続,都市計画制限,都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより,都市の健全な発展と秩序ある整備を図り,もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。 ⑵ 2条(都市計画の基本理念) 都市計画は,健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこ と並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定めるものとする。 ⑶ 4条(定義)ア 1項この法律において「都市計画」とは,都市の健全な発展と秩序ある整備を 図るための土地利用,都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画で,次章の規定に従い定められたものをいう。 イ 2項この法律において「都市計画区域」とは次条の規定により指定された区域をいう。 ウ 12項この法律において「開発行為」とは,主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。 ⑷ 5条(都市計画区域)ア 1項 都道 ウ 12項この法律において「開発行為」とは,主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。 ⑷ 5条(都市計画区域)ア 1項 都道府県は,市又は人口,就業者数その他の事項が政令で定める要件に該当する町村の中心の市街地を含み,かつ,自然的及び社会的条件並びに人口,土地利用,交通量その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して,一体の都市として総合的に整備し,開発し,及び保全する必要がある区域を都市計画区域として指定するものとする。 イ 3項都道府県は,前2項の規定により都市計画区域を指定しようとするときは,あらかじめ,関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴くとともに,国土交通省令で定めるところにより,国土交通大臣に協議し,その同意を得なければならない。 ⑸ 6条の2(都市計画区域の整備,開発及び保全の方針)第1項 都市計画区域については,都市計画に,当該都市計画区域の整備,開発及び保全の方針を定めるものとする。 ⑹ 7条(区域区分)ア 1項都市計画区域について無秩序な市街化を防止し,計画的な市街化を図るた め必要があるときは,都市計画に,市街化区域と市街化調整区域との区分(以下「区域区分」という。)を定めることができる。 イ 2項市街化区域は,すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とする。 ウ 3項市街化調整区域は,市街化を抑制すべき区域とする。 ⑺ 12条(市街地開発事業)ア 1項都市計画区域については,都市計画に,次に掲げる事業を定めることがで きる。 1号土地区画整理法(昭和二十九 すべき区域とする。 ⑺ 12条(市街地開発事業)ア 1項都市計画区域については,都市計画に,次に掲げる事業を定めることがで きる。 1号土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)による土地区画整理事業 その余の号(略) イ 2項市街地開発事業については,都市計画に,市街地開発事業の種類,名称及び施行区域を定めるものとするとともに,施行区域の面積その他の政令で定める事項を定めるよう努めるものとする。 ウ 3項 土地区画整理事業については,前項に定めるもののほか,公共施設の配置 及び宅地の整備に関する事項を都市計画に定めるものとする。 ⑻ 13条(都市計画基準)ア 1項都市計画区域について定められる都市計画は,国土計画又は地方計画に関する法律に基づく計画(当該都市について公害防止計画が定められていると きは,当該公害防止計画を含む。)及び道路,河川等の施設に関する国の計画に適合するとともに,当該都市の特質を考慮して,次に掲げるところに従って,土地利用,都市施設の整備及び市街地開発事業に関する事項で当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを,一体的かつ総合的に定めなければならない。この場合においては,当該都市における自然的環境 の整備又は保全に配慮しなければならない。 2号区域区分は,当該都市の発展の動向,当該都市計画区域における人口及び産業の将来の見通し等を勘案して,産業活動の利便と居住環境の保全との調和を図りつつ,国土の合理的利用を確保し,効率的な公共投資を行う ことができるように定めること。 14号地区計画は,公共施設の整備,建築物の建築その他の土地利用の現状及び将来の見通 りつつ,国土の合理的利用を確保し,効率的な公共投資を行う ことができるように定めること。 14号地区計画は,公共施設の整備,建築物の建築その他の土地利用の現状及び将来の見通しを勘案し,当該区域の各街区における防災,安全,衛生等に関する機能が確保され,かつ,その良好な環境の形成又は保持のためそ の区域の特性に応じて合理的な土地利用が行われることを目途として,当該計画に従って秩序ある開発行為,建築又は施設の整備が行われることとなるように定めること。 その余の号(略)イ 2項 都市計画区域について定められる都市計画は,当該都市の住民が健康で文 化的な都市生活を享受することができるように,住宅の建設及び居住環境の整備に関する計画を定めなければならない。 ⑼ 18条(都道府県の都市計画の決定)1項都道府県は,関係市町村の意見を聴き,かつ,都道府県都市計画審議会の議を経て,都市計画を決定するものとする。 ⑽ 21条(都市計画の変更)ア 1項都道府県又は市町村は,都市計画区域が変更されたとき,その他都市計画を変更する必要が生じたときは,遅滞なく,当該都市計画を変更しなければならない。 イ 2項第18条の規定は,都市計画の変更について準用する。 ⑾ 29条(開発行為の許可)1項都市計画区域において開発行為をしようとする者は,あらかじめ,国土交通省令で定めるところにより,都道府県知事の許可を受けなければならない。た だし,次に掲げる開発行為については,この限りでない。 ア 5号土地区画整理事業の施行として行う開発行為イその余の号(略)⑿ 33条(開発許可の基準)1項 都道府県知事は,開発許可の申請が については,この限りでない。 ア 5号土地区画整理事業の施行として行う開発行為イその余の号(略)⑿ 33条(開発許可の基準)1項 都道府県知事は,開発許可の申請があった場合において,当該申請に係る開発行為が,次に掲げる基準に適合しており,かつ,その申請の手続がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反していないと認めるときは,開発許可をしなければならない。 ア 7号 地盤の沈下,崖崩れ,出水その他による災害を防止するため,開発区域内 の土地について,地盤の改良,擁壁又は排水施設の設置その他安全上必要な措置が講ぜられるように設計が定められていること。 イその余の号(略)⒀ 34条前条の規定にかかわらず,市街化調整区域に係る開発行為については,当該 申請に係る開発行為及びその申請の手続が同条に定める要件に該当するほか,当該申請に係る開発行為が次の各号のいずれかに該当すると認める場合でなければ,都道府県知事は,開発許可をしてはならない。 ⒁ 59条(施行者)4項国の機関,都道府県及び市町村以外の者は,事業の施行に関して行政機関の 免許,許可,認可等の処分を必要とする場合においてこれらの処分を受けているとき,その他特別な事情がある場合においては,都道府県知事の認可を受けて,都市計画事業を施行することができる。 3 都市計画法施行令8条(都市計画基準)1項 区域区分に関し必要な技術的基準は,次に掲げるものとする。 ⑴ 1号既に市街地を形成している区域として市街化区域に定める土地の区域は,相当の人口及び人口密度を有する市街地その他の既成市街地として国土交通省令で定めるもの並びにこれに接続して現に市街化しつつある土地の区域とするこ している区域として市街化区域に定める土地の区域は,相当の人口及び人口密度を有する市街地その他の既成市街地として国土交通省令で定めるもの並びにこれに接続して現に市街化しつつある土地の区域とするこ と。 ⑵ 2号おおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域として市街化区域に定める土地の区域は,原則として,次に掲げる土地の区域を含まないものとすること。 アロ 溢(いっ)水,湛(たん)水,津波,高潮等による災害の発生のおそれのある土地の区域イその余について(略) 4 食料・農業・農村基本法3条(多面的機能の発揮) 国土の保全,水源のかん養,自然環境の保全,良好な景観の形成,文化の伝承等農村で農業生産活動が行われることにより生ずる食料その他の農産物の供給の機能以外の多面にわたる機能については,国民生活及び国民経済の安定に果たす役割にかんがみ,将来にわたって,適切かつ十分に発揮されなければならない。 5 農地法1条(目的)この法律は,国内の農業生産の基盤である農地が現在及び将来における国民のための限られた資源であり,かつ,地域における貴重な資源であることにかんがみ,農地を農地以外のものにすることを規制するとともに,農地を効率的 に利用する耕作者による地域との調和に配慮した農地についての権利の取得を促進し,及び農地の利用関係を調整し,並びに農地の農業上の利用を確保するための措置を講ずることにより,耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図り,もって国民に対する食料の安定供給の確保に資することを目的とする。 に対する食料の安定供給の確保に資することを目的とする。

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