平成18(行ク)30 執行停止申立

裁判年月日・裁判所
平成19年3月2日 名古屋地方裁判所 却下
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判決文本文17,334 文字)

- 1 -平成19年3月2日決定平成18年(行ク)第30号執行停止申立事件(本案事件・平成18年(行ウ)第66号保険医登録取消等処分取消請求事件)主文 本件申立てをいずれも却下する。 申立費用は申立人の負担とする。 理由 第1申立て 愛知社会保険事務局長が,申立人に対してした平成18年9月29日付け愛社局文発第3108号による保険医の登録を取り消す旨の処分は,本案判決が確定するまで,その効力を停止する。 愛知社会保険事務局長が,申立人の開設するAクリニックに対してした平成18年9月29日付け愛社局文発第3108号による保険医療機関の指定を取り消す旨の処分は,本案判決が確定するまで,その効力を停止する。 第2事案の概要本件は,歯科医師である申立人が,愛知社会保険事務局長が申立人に対してした保険医の登録の取消し及び申立人の開設する歯科医院(Aクリニック)に対してした医療機関の指定の取消し(これらを「本件各処分」という。)がいずれも違法であるとして,本件各処分の取消しを求める本案訴訟を提起したのに伴い,これらの処分の効力の停止を求めた事案である。 前提事実(争いのない事実及び各項掲記の疎明資料により一応認められる事実,なお,主要な専門用語の意味内容は別紙「専門用語」のとおり)( ) 当事者 申立人は,歯科医免許を有する者である。 愛知社会保険事務局長は,厚生労働大臣から委任を受け,保険医療機関の- 2 -指定の取消し及び保険医の登録の取消しを行うことのできる権限を有するものである(健康保険法80条,81条,204条1項,健康保険法施行令63条11号)。 相手方は,処分行政庁である愛知社会保険事務局長が所属する行政主体である。 ( ) 保険医の登録及び保険医療機関の指定 申立人は,平成7年6月27日,保 条1項,健康保険法施行令63条11号)。 相手方は,処分行政庁である愛知社会保険事務局長が所属する行政主体である。 ( ) 保険医の登録及び保険医療機関の指定 申立人は,平成7年6月27日,保険医の登録を受けた(疎乙11号証)。 申立人は,平成15年4月1日,「Aクリニック」の名称で診療所(本件診療所)を開設し,愛知社会保険事務局長から本件診療所につき保険医療機関の指定を受けた(疎乙11号証)。 ( ) 告知聴聞手続 愛知社会保険事務局長は,行政手続法に基づく聴聞を平成18年5月22日に開催する旨及び不利益処分の原因となる事実を記載した聴聞通知書を発送し,通知した期日において,申立人及び申立人の代理人弁護士が出席の上,聴聞手続を行った(疎乙13号証ないし15号証)。 ( ) 本件各処分 愛知社会保険事務局長は,申立人に対し,平成18年9月29日付愛社局文発第3108号により,下記の各理由を付して,健康保険法81条1号及び3号に基づき申立人の保険医の登録を取り消し,同法80条1号,2号,3号及び6号に基づき本件診療所に係る保険医療機関の指定を取り消した。 ア保険医登録の取消処分の理由(不正請求)(ア) 保険請求するに際して,無資格者(歯科助手)が行ったことを,自分が行ったものとして,診療録への不実記載を行い,保険医療機関に診療報酬を不正に請求させた。 (イ) 自由診療と保険診療を同時に行い,保険診療を行ったものとして,診- 3 -療録に不実記載を行い,保険医療機関に診療報酬を不正に請求させた。 (不当請求)(ア) 歯周疾患指導管理料,歯科口腔疾患指導管理料の算定要件を満たしていないにもかかわらず,保険医療機関に不当に請求させた。 (イ) 歯科衛生実地指導料の算定要件を満たしていないにもかかわらず,保険医療機関に診療報酬を不当 ,歯科口腔疾患指導管理料の算定要件を満たしていないにもかかわらず,保険医療機関に不当に請求させた。 (イ) 歯科衛生実地指導料の算定要件を満たしていないにもかかわらず,保険医療機関に診療報酬を不当に請求させた。 (ウ) 加圧根充の算定要件を満たしていないにもかかわらず,保険医療機関に診療報酬を不当に請求させた。 (エ) ティッシュコンディショニングの算定要件を満たしていないにもかかわらず,保険医療機関に診療報酬を不当に請求させた。 (オ) 除去の算定要件を満たしていないにもかかわらず,保険医療機関に診療報酬を不当に請求させた。 (カ) 平行測定の算定要件を満たしていないにもかかわらず,保険医療機関に診療報酬を不当に請求させた。 (キ) リテイナーの算定要件を満たしていないにもかかわらず,保険医療機関に診療報酬を不当に請求させた。 イ保険医療機関指定の取消処分の理由(不正請求)(ア) 無資格者(歯科助手)に診療行為を行わせ,診療報酬(歯周疾患指導管理料,P処,スケーリング,歯科衛生実地指導料,歯周基本検査,印象採得,装着料,研磨)を不正に請求していた。 (イ) 自由診療と保険診療を同時に行い,診療報酬(再診料,歯周疾患指導管理料,P処,スケーリング,歯科衛生実地指導料,処方料,調剤料,薬剤料,薬剤情報提供料,咬合調整,除去)を不正に請求していた。 (不当請求)(ア) 歯周疾患指導管理料,歯科口腔疾患指導管理料の算定要件を満たして- 4 -いないにもかかわらず,診療報酬を不当に請求していた。 (イ) 歯科衛生実地指導料の算定要件を満たしていないにもかかわらず,診療報酬を不当に請求していた。 (ウ) 加圧根充の算定要件を満たしていないにもかかわらず,診療報酬を不当に請求していた。 (エ) ティッシュコンディショニングの算定要件を満たしていない かかわらず,診療報酬を不当に請求していた。 (ウ) 加圧根充の算定要件を満たしていないにもかかわらず,診療報酬を不当に請求していた。 (エ) ティッシュコンディショニングの算定要件を満たしていないにもかかわらず,診療報酬を不当に請求していた。 (オ) 除去の算定要件を満たしていないにもかかわらず,診療報酬を不当に請求していた。 (カ) 平行測定の算定要件を満たしていないにもかかわらず,診療報酬を不当に請求していた。 (キ) リテイナーの算定要件を満たしていないにもかかわらず,診療報酬を不当に請求していた。 争点 ( ) 本件各処分により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるか(行 政事件訴訟法25条2項本文)。 ( ) 本案について理由がないとみえるか(同条4項)。 ( ) 公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるか(同項)。 争点に関する当事者の主張( ) 争点( ) 本件各処分により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があ るかについて(申立人の主張)ア本件診療所における診療収入のうち,保険診療収入の占める割合は,66%ないし80%であって,本件各処分により申立人は66%ないし80%の売上を確実に喪失する。また,患者は保険診療を受けることができない歯科医院を避けることは必然であるから,本件診療所の患者数は激減し,- 5 -あるいはほとんどなくなることが予想され,それに伴い自由診療収入も激減し,あるいはほとんどなくなることが予想される。 申立人は,本件診療所を開設するに当たり,銀行から約1億1000万円の融資を受けており,毎月の返済額は約160万円に上る。本件各処分により収入が激減すると,上記借入の返済は不可能となり,申立人ないし本件診療所は経済的に破綻する。 イこのような申立人ないし本件診療 の融資を受けており,毎月の返済額は約160万円に上る。本件各処分により収入が激減すると,上記借入の返済は不可能となり,申立人ないし本件診療所は経済的に破綻する。 イこのような申立人ないし本件診療所の経済的な破綻は重大な損害であり,これを避けるため緊急の必要がある。 (相手方の主張)ア保険医療機関の指定取消しの処分及び保険医の登録取消しの処分は,「国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする」健康保険制度を,適正に維持・運用する目的でなされるものであるから,本件各処分の効力を停止すべき場合は,適格性を欠く医療機関や医師が保険医療を継続するおそれがあることを踏まえても,なお社会通念上受忍させることのできないような重大な損害が申立人に発生する場合に限られるというべきである。 イ申立人は,銀行融資1億1000万円の返済が不可能になり,破産に追い込まれる可能性が大であるなどと主張するが,申立人の主張によれば,歯科医師が申立人のみであった本件診療所において,平成16年度には1億6958万9000円,平成17年度には1億9355万9000円という多額の収入を得てきたというのであるから,直ちに破産等の事態に至るかについては疑問がある。 また,本件各処分は,健康保険制度における保険医療機関や保険医としての診療を否定するだけのものであり,それ以上に,医療機関や歯科医師としての資格を剥奪したり,すべての診療の機会を奪うものではなく,申立人は,現に本件申立て以降も本件診療所において,歯科診療を行ってい- 6 -るものである。 ウ申立人の主張する損害の性質及び程度は,直接的には保険診療分にかかる収入の途が断たれるということに尽きているのであり,要するに収入の減少といった経済的利益を主張するにとどまっている。 そうであれば,本案において申立 損害の性質及び程度は,直接的には保険診療分にかかる収入の途が断たれるということに尽きているのであり,要するに収入の減少といった経済的利益を主張するにとどまっている。 そうであれば,本案において申立人の請求が認容され確定した後に,原状回復に替わる金銭賠償をもってこれを受忍させることは,損害の性質上可能であり,そうさせたとしても,その損害の程度は,社会通念上,本件各処分によって達成すべき行政目的を犠牲にして,仮に救済されるべきまでのものに至らないことが明らかである。 以上の諸点から,本件各処分がされたとしても直ちに「重大な損害」が生じるとはいえない。 ( ) 争点( ) 本案について理由がないとみえるかについて (相手方の主張)ア本件各処分の原因事実は,申立人が,診療録にそれぞれ不実の記載をして,①無資格者である歯科助手に診療行為を行わせて診療録に不実の記載をし,診療報酬を請求した,②自由診療と保険診療を同日に行い,診療報酬を請求した,③歯周疾患指導管理料,歯科口腔疾患指導管理料等の算定要件を満たしていないにもかかわらず,診療報酬を請求したなどといった不正請求及び不当請求の事実である。 そして,本件各処分は,処分要件の認定及び要件が存した場合の処分の選択に裁量が認められていることから,保険医療機関の指定ないし保険医の登録を取り消すかどうかについては,厚生労働大臣ないしその委任を受けた地方社会保険事務局長の合理的な裁量にゆだねられており,その裁量権の行使として行われた保険医療機関指定取消処分ないし保険医登録取消処分は,それが社会通念上著しく妥当性を欠いて裁量権を付与した目的を逸脱し,これを濫用したと認められる場合でない限り,違法とはならない- 7 -と解すべきである。 イ申立人は不正請求の事実をおおむね認めるものの,故意ではな く妥当性を欠いて裁量権を付与した目的を逸脱し,これを濫用したと認められる場合でない限り,違法とはならない- 7 -と解すべきである。 イ申立人は不正請求の事実をおおむね認めるものの,故意ではないことや些細な間違いであることを強調し,取消事由に該当しない旨主張する。 しかし,保険医療機関指定取消事由,保険医登録取消事由について,不正請求が故意に行われたことは要件とされていないから,その主張はそれ自体失当である。 また,以下のとおり,申立人の不正請求等の内容に照らせば,申立人に故意が認められることは明白であるし,内容的にも些細な間違いなどといえるものではない。 (ア) 申立人は,無資格者である歯科助手をして,歯周疾患指導管理,P処,スケーリング,歯科衛生実地指導,歯周基本検査,印象採得,装着及び研磨といった種々の診療行為を幅広く行わせていた。 (イ) 申立人は,混合診療に当たることが明白なものについても保険診療として請求をするなどの不正請求をした。 この点,申立人は,社会保険診療報酬請求制度に対する理解不足などのために誤って請求してしまったなどと主張するが,愛知社会保険事務局長は,申立人に対し,平成15年7月17日に新規指導を,平成16年1月22日に新規個別指導を実施しており,申立人は,社会保険診療請求制度を十分に理解していたはずである。 (ウ) 算定要件を満たさない保険請求の事例は複数種類に及び,それらの保険請求点数も決して小さくない。また,診療行為として医学的に不十分であるため算定要件を満たさないとされているものについても保険請求がなされているなどの事情から,これらの事例を,申立人が主張するように,些細な間違いと位置付けることは医学的に見て非常識である。 (申立人の主張)ア本件各処分は,以下のとおり,本件事案の内容に照らし,あまり いるなどの事情から,これらの事例を,申立人が主張するように,些細な間違いと位置付けることは医学的に見て非常識である。 (申立人の主張)ア本件各処分は,以下のとおり,本件事案の内容に照らし,あまりにも過- 8 -酷な処分であり,裁量権の範囲を大幅に逸脱する違法なものである。 (ア) 本件各処分は,申立人に対して数回にわたって行われた監査の結果に基づいて行われたものであると思料されるが,これらの監査によって判明した事実は,社会保険診療報酬支払基金に対する診療報酬請求に関し,架空請求や水増請求といった悪質なものではなく,単に申立人の社会保険診療報酬請求制度に対する理解の不十分さに起因する些細な間違いによるものだけであって,しかも,その金額も総計約50万円程度のものであるということである。 また,申立人は,監査に際して,個々の患者に対する詳細を記憶していなかったため,監査担当者からの質問に対して肯定的な回答をしてしまい,無資格者による診療行為と推測されてしまうような状況にあり,このように監査担当者の推測のみで不正請求とされた事例も複数存したことも事実である。 そして,このように無資格者によるものと推測された診療行為のほとんどがP処であったが,これを無資格者に行わせる利点がなく,そのほとんどを申立人自身が行っていた可能性が高い。このようにP処の相当数が不正請求ではないとすると,本件各処分の理由となった不正請求及び不当請求の大半が存在しなかったことになる。 (イ) 本件では,無資格者である歯科助手に診療行為を一部行わせたことがあることは事実である。 しかし,これらの事例は繁忙時に一部行わせたに止まるものである。 また,無資格者に行わせた場合であっても,申立人は,何ら指示監督もせずに無資格者の裁量に委ねていた訳ではなく,最初は必ず申立人が診察を しかし,これらの事例は繁忙時に一部行わせたに止まるものである。 また,無資格者に行わせた場合であっても,申立人は,何ら指示監督もせずに無資格者の裁量に委ねていた訳ではなく,最初は必ず申立人が診察をした上で,歯科助手の行うべき行為を指示し,その終了後には必ず確認をし,必要に応じて申立人による処置も行っていたのである。 以上によれば,歯科助手は申立人の指示監督の下,その手足として診- 9 -療行為を行っていたに過ぎず,実質的には申立人が行ったのと同視できるものである。 また,申立人が,歯科助手に行わせていた診療行為は,すべて医療行為の中核をなすものではなく,いずれも補助行為に止まるものであり,専門知識を有する歯科医師の指示監督の下に行われていることから,無資格者による診療行為を禁止する法の範囲外のものであると評価できる。 (ウ) 本件各処分の理由とされている混合診療とは,保険診療と自由診療を同時に行うことを意味しており,診療報酬請求においては原則として禁止されているものであるが,混合診療の禁止自体は非現実的なものと解されており,一部認められる方向で改正され,かつ,専門医にあってもどのような場合が混合診療に該当するかが不明な場合も少なくない。 そして,本件において問題とされているのは,申立人の保険診療についての知識が不足していたため,誤って混合診療となってしまったものである。 (エ) 本件において,不当請求とされているものの中には,当該治療行為を行っていながら,たまたま診療録へ記載しなかったことに起因するものもあって,申立人の認識不足によるものである。 (オ) さらに,保険医登録の取消し及び保険医療機関の指定の取消しの通常の事案は,不正請求額が数百万円以上にのぼるものであるところ,愛知社会保険事務局長が指摘した申立人の診療報酬の不正請求の合計 。 (オ) さらに,保険医登録の取消し及び保険医療機関の指定の取消しの通常の事案は,不正請求額が数百万円以上にのぼるものであるところ,愛知社会保険事務局長が指摘した申立人の診療報酬の不正請求の合計額は50万3491円,不当請求の合計額は4万6455円にとどまる。 このような僅少な金額で本件各処分をするのはあまりに過酷であり,処分行政庁の裁量権の範囲を大幅に逸脱した違法な処分であることは明白である。 イ以上のとおり,本件においては,悪質な架空請求や水増請求はなく,申立人の社会保険診療報酬請求制度に対する理解の不十分さに起因する些細- 10 -な間違いによるものが処分理由になっているのであり,これに対して,本件各処分を課すのはあまりに過酷であり,処分行政庁の裁量権の範囲を逸脱するものである。 ( ) 争点( ) 公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるかについて (相手方の主張)本件は,申立人が診療録の不実記載等を行い,申立人経営に係る本件診療所が診療報酬の不正請求及び不当請求を多数回にわたって行った悪質な事案である。 なお,特筆すべきは,申立人は,本件診療所において,申立人一人のみが歯科医師であり,無資格者たる歯科助手が9人ないし10人もいるという状態の中で,1日100人もの患者を診療してきたということである。本件の監査において監査対象とされた患者は39名にすぎないが,その全員につき不正請求等の事実が確認されたのであって,これは,上記のような本件診療所の実態からの当然の帰結というべきである。したがって,医療保険制度の取扱いについて,申立人が著しく適格性を欠くことは明らかである。 このような悪質な事案において,本件各処分の効力の停止が認められることとなれば,処分行政庁に保険医療機関の指定及び保険医の登録に関する取消権限を付与 ,申立人が著しく適格性を欠くことは明らかである。 このような悪質な事案において,本件各処分の効力の停止が認められることとなれば,処分行政庁に保険医療機関の指定及び保険医の登録に関する取消権限を付与した趣旨が没却され,健康保険制度をはじめとする医療保険制度に対する国民の信頼を失わせることになるのは明らかであり,公共の福祉に重大な影響を及ぼす。 (申立人の主張)相手方の上記主張は争う。 第3当裁判所の判断 争点( ) 本件各処分により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要がある かについて( ) 本件につき,保険医療機関の指定取消処分及び保険医登録取消処分により - 11 -生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるか否かの判断に当たっては,損害の回復の困難の程度を考慮し,損害の性質及び程度並びに処分の内容及び性質をも勘案する必要がある(行政事件訴訟法25条3項)から,この観点に則して検討する。 ( ) 健康保険法は,労働者の業務外の事由による疾病,負傷若しくは死亡又は 出産及びその被扶養者の疾病,負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い,もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とし(1条),その保険給付の中核たる療養の給付は,厚生労働大臣の指定を受けた保険医療機関において行われ(63条3項),保険医療機関において健康保険の診察に従事する医師又は歯科医師は厚生労働大臣の登録を受けた保険医でなければならないこととされている(64条)。 保険医療機関及び保険医が健康保険制度の根幹を支える存在であることから,保険医療機関及び保険医が健康保険法その他医療保険各法が定める責務に背き,不正行為等をした場合には,厚生労働大臣は保険医療機関の指定を取消し,保険医の登録を取り消すことができる(80条,81条)。この取消 機関及び保険医が健康保険法その他医療保険各法が定める責務に背き,不正行為等をした場合には,厚生労働大臣は保険医療機関の指定を取消し,保険医の登録を取り消すことができる(80条,81条)。この取消処分は歯科医師の資格をも剥奪するものではないから,上記取消処分を受けた歯科医師や医療機関は,健康保険等を利用しない,いわゆる自由診療による患者を診察し,診療を提供することは差し支えないが,国民皆保険制度の下で,健康保険等を利用せずに自由診療によって受診する患者はまれな実態にあるから,保険医療機関指定取消処分及び保険医登録取消処分は当該保険医療機関及び当該保険医に対して重大な影響を及ぼす性質の処分であることはいうまでもないところである。 ( )ア本件診療所は保険医療機関の指定取消処分を受けたことにより,保険診 療収入(自己負担分を含む。)が途絶え,自由診療の患者も上記のとおりごく少数と推認されるから,申立人の収入が従前より大幅に減少するものと予測されるところ,申立人は,平成17年12月31日現在,本件診療- 12 -所開設資金として金融機関から融資を受けた約1億2775万円の借入債務があり(疎甲3号証),歯科衛生士等の従業員に対する給与その他の本件診療所の固定経費もあるから,本件各処分によってその経営が破綻する危険性があることは否定できない。その場合に申立人が被る損害は,金銭賠償による補填が全く不可能とはいえないとしても,その原状回復は極めて困難であると解されるから,上記の損害は本件各処分の効力の停止要件としての重大な損害に当たると解すべきである。 イ相手方は,保険医療機関の指定処分取消し及び保険医の登録取消しの各処分が,健康保険制度の適正な維持・運用に不可欠であることから,これらの処分の効力の停止決定における重大な損害は,適格性を欠く医 イ相手方は,保険医療機関の指定処分取消し及び保険医の登録取消しの各処分が,健康保険制度の適正な維持・運用に不可欠であることから,これらの処分の効力の停止決定における重大な損害は,適格性を欠く医療機関や医師が保険医療を継続するおそれがあることを踏まえた上,それでもなお社会通念上受忍させることのできないようなものに限られるべきであると主張するが,本件各処分によって申立人に生ずる損害は,前述したとおり,歯科医師としての業務の継続を現在及び将来にわたって著しく困難にするものと推認されるものであるから,このような損害が,公益上の利益との比較において,一概に劣後すべきものと解することはできず,それは上記の「重大な損害」に当たるものと認めるのが相当である。 ( ) したがって,申立人は,上記の重大な損害を避けるため緊急の必要がある と認められる。 争点( ) 本案について理由がないとみえるか否かについて ( ) 保険医療機関の指定取消処分及び保険医登録取消処分の適法性の判断基準 ア本件各処分の根拠法令である健康保険法80条柱書き,81条柱書きは,それぞれ各号のいずれかに該当する場合において指定ないし登録を取り消すことができる旨を定めている。 そして,保健医療機関による診療の内容又は診療報酬の請求について行う監査に関する基本的事項について定めた「保険医療機関等及び保険医等- 13 -の指導及び監査について」(平成12年5月31日保発第105号厚生省保険局長から都道府県知事,地方社会保険事務局長あて通知(本件通知)。 疎乙6号証の1)の別添2「監査要領」は,地方社会保険事務局等は,保健医療機関等の診療内容又は診療報酬の請求について,不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由がある場合などに監査を実施するものとし(同要綱第3参照) 監査要領」は,地方社会保険事務局等は,保健医療機関等の診療内容又は診療報酬の請求について,不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由がある場合などに監査を実施するものとし(同要綱第3参照),監査後における行政上の措置として,保健医療機関の指定や保険医等の登録の各取消処分並びに保健医療機関等又は保険医等に対する戒告及び注意を定め,これらの措置は,不正又は不当の内容により,以下の基準に従ってなされるものとしている(同要綱第6の1参照)。 (ア) 取消処分①故意に不正又は不当な診療を行ったもの②故意に不正又は不当な診療報酬の請求を行ったもの③重大な過失により,不正又は不当な診療をしばしば行ったもの④重大な過失により,不正又は不当な診療報酬の請求をしばしば行ったもの(イ) 戒告①重大な過失により,不正又は不当な診療を行ったもの②重大な過失により,不正又は不当な診療報酬の請求を行ったもの③軽微な過失により,不正又は不当な診療をしばしば行ったもの④軽微な過失により,不正又は不当な診療報酬の請求をしばしば行ったもの(ウ) 注意①軽微な過失により,不正又は不当な診療を行ったもの②軽微な過失により,不正又は不当な診療報酬の請求を行ったものイしたがって,不正又は不当な診療又は診療報酬の請求が,上記要綱に定- 14 -められた基準に達しないにもかかわらず,取消処分がなされた場合には,平等原則ないし比例原則に違反するものとして,その取消処分は違法というべきである。 ( ) 本件各処分の適法性の有無について ア一件記録によれば,以下の事実が一応認められる。 (ア) 申立人は,平成7年4月24日に医籍登録(登録番号第125604号)し,同年5月から歯科医院に勤務して歯科医師として稼働し,同年6月27日保険医として によれば,以下の事実が一応認められる。 (ア) 申立人は,平成7年4月24日に医籍登録(登録番号第125604号)し,同年5月から歯科医院に勤務して歯科医師として稼働し,同年6月27日保険医として登録された(疎乙14号証)。申立人は,平成15年3月,上記歯科医院を退職し,同年4月1日,本件診療所を開設し,保険医療機関としての指定を受けた(疎乙14号証)。 (イ) 健康保険法73条1項は,保健医療機関及び保険医は,厚生労働大臣の指導を受けなければならない旨規定するところ,同項に基づく指導は,本件通知の別添1「指導大綱」に基づいて実施されている。 指導大綱によれば,上記指導の形態は,集団指導,集団的個別指導,個別指導とされ(指導大綱第3参照),指導対象となる指定医療機関及び保険医の選定については,①新規指定の保健医療機関については,概ね1年以内にすべてを対象として集団指導を実施すること,②診療報酬明細書の1件当たりの平均点数が高い保健医療機関について,1件当たりの平均点数が高い順に選定された保険医療機関に対して集団的個別指導を実施すること,③支払基金等,保険者,被保険者等から診療内容又は診療報酬の請求に関する情報の提供があり,都道府県個別指導が必要と認められた保健医療機関等に対して個別指導を実施することなどとされている(指導大綱第4の2ないし4参照)。 そして,指導後の措置としては,「概ね妥当」「経過観察」「再指導」「要監査」が設けられており,このうち,「再指導」は,診療内容又は診療報酬の請求に関し,適正を欠く部分が認められ,再度指導を行- 15 -わなければ改善状況が判断できない場合になされる措置であり,不正又は不当が疑われ,患者調査が必要な場合には,速やかにこれを実施し,その結果を基に再指導を行うこととされ,患者調査の結果,不正又は -わなければ改善状況が判断できない場合になされる措置であり,不正又は不当が疑われ,患者調査が必要な場合には,速やかにこれを実施し,その結果を基に再指導を行うこととされ,患者調査の結果,不正又は著しい不当が明らかになった場合は再指導を行うことなく監査を実施するものとされている。また,「要監査」は,指導の結果,監査要件に該当すると判断された場合になされる措置であり,指導中に診療内容又は診療報酬の請求について,明らかに不正又は著しい不当が疑われる場合にあっては,指導を中止し,直ちに監査を行うことができるものとされている(指導大綱第7参照)。 (ウ) 申立人は,平成15年7月17日,新規指導を受けた後,平成16年1月22日に新規の個別指導を受け,再指導とされた。 また,同年9月22日には愛知県社会保険診療報酬請求書審査委員会の任意面接を受け,他の診療行為がなくて,P処のみの算定が多く,薬剤塗布の算定が多いこと,そして,本件診療所については,診療報酬請求が極めて多数に上っている状況であるにもかかわらず,歯科医師1名,歯科衛生士1名,歯科助手9名という人員構成からして,質の高い医療の提供がなされているとは解し難く,一人の歯科医師で診療をするにはあまりにも請求件数が多くて,適切な医療の提供がなされているとは認められないので,歯科医師の数を増やすなどして良質な医療の提供を心がけること,また,全体的にセット化された請求内容となっているので初期診断を適切に行い,個々の患者について診療方針を立てて診療に当たるべきことなどの指摘がなされ,申立人はこれらを了解した(疎乙7号証,11号証)。 同審査委員会は,同年10月12日,上記任意面接の状況等を,愛知県社会保険事務局に通知し,申立人に対し,指導を実施するよう要請した(疎乙7号証)。 - 16 -(エ た(疎乙7号証,11号証)。 同審査委員会は,同年10月12日,上記任意面接の状況等を,愛知県社会保険事務局に通知し,申立人に対し,指導を実施するよう要請した(疎乙7号証)。 - 16 -(エ) 申立人は,上記の指導等を受けたことから,平成17年1月22日以降,同年7月10日までの間に,順次,合計6名の非常勤歯科医師を雇用した(疎乙11号証)。 (オ) 上記要請を受けた処分行政庁は,同年2月7日,申立人に対する個別指導を実施したが,一日当たりの患者数が100名程に達しており,歯科医師一名で診療を行うことが困難な患者数であったことから,無資格者である歯科助手に診療の一部を行わせていることが疑われたため,調査を実施すべく個別指導を中断した(疎乙11号証)。 また,同年3月14日,愛知県に対し,本件診療所において,無資格者が診療行為等を行っているとの情報提供があったため,同年5月10日,豊橋市保健所が立入検査を実施したが,同検査では,上記情報に該当する事実は確認されなかった(疎乙11号証)。 処分行政庁は,同年7月11日,本件診療所に対する個別指導を再開し,平成16年9月13日における100名程度の患者のカルテ等から診療内容等の確認をしたところ,混合診療を行っていたことが疑われたことから,患者調査を行うため,個別指導を中断した(疎乙11号証)。 その後,処分行政庁は,患者調査の結果,混合診療や無資格者によるスケーリングの事実が疑われたことから,本件診療所に対し,平成16年7月分から平成17年7月分までの期間の診療内容について,平成17年10月25日から平成18年3月14日までの間に前後7回にわたって監査を実施した(疎乙11号証)。 (カ) 処分行政庁は,上記監査の結果,本件診療所においては,①無資格者である歯科助手に歯周疾患指導管理,P処 日から平成18年3月14日までの間に前後7回にわたって監査を実施した(疎乙11号証)。 (カ) 処分行政庁は,上記監査の結果,本件診療所においては,①無資格者である歯科助手に歯周疾患指導管理,P処,スケーリング,歯科衛生実地指導,歯周基本検査,印象採得,装着,研磨などの診療行為を行わせ,診療報酬を不正に請求していた事実,②再診,歯周疾患指導管理,P処,スケーリング,歯科衛生実地指導,- 17 -処方,調剤,薬剤,薬剤情報提供,咬合調整,除去などについて自由診療と保険診療を同時に行い,診療報酬を不正に請求していた事実,③歯周疾患指導管理料,歯科口腔疾患指導管理料,歯科衛生実地指導料,加圧根充,ティッシュコンディショニング,除去,平行測定,リテイナーの算定要件を満たしていないにもかかわらず,診療報酬を不当に請求した事実,これらが多数回に及んで存在することを把握し,申立人及び本件診療所に対して,本件各処分をすることを相当と判断した(疎乙11号証)。 (キ) 処分行政庁は,平成18年5月22日,申立人に対する聴聞手続を実施した上,同年9月29日,本件各処分をした(疎乙14号証)。 イ以上の事実によれば,申立人は,平成15年7月17日,新規指定の医療機関を対象とする集団指導を受けた後,約6か月後の平成16年1月22日,新規の個別指導を受けて再指導相当とされ,平成17年2月7日には,愛知県社会保険診療報酬請求書審査委員会による任意面接を受けて,患者数の多さと本件診療所の人員構成の異常さから,診療内容の適正さに対する疑問や,無資格者による診療行為の疑問を指摘され,その後も処分行政庁による個別指導や監査が行われているところ,上記監査結果によれば,本件診療所においては無資格者による診療行為や混合診療などに基づく診療報酬の不正請求,算定要件を満た 問を指摘され,その後も処分行政庁による個別指導や監査が行われているところ,上記監査結果によれば,本件診療所においては無資格者による診療行為や混合診療などに基づく診療報酬の不正請求,算定要件を満たさない診療報酬請求が多数回にわたって行われていたことが確認され,しかも,そのような不正請求又は不当請求は,別紙集計結果一覧記載のとおり,監査対象となった患者39名全員について認められた上,それらの不正請求・不当請求が行われた時期も,上記の個別指導や任意面接,立入検査等が行われていた時期の前だけに止まらず,その途中から事後にまで及んでいるのであって,本件診療所においては,その開業当初から健康保険診療制度に従った診療行為が適正に行われておらず,その状況が常態化し,しかも,度重なる指導その他の- 18 -改善の働きかけを受けたにもかかわらず,それが容易に改善されなかったものと認められる。 申立人は,保険医として登録を受けた後,他の歯科医院で約8年間の勤務を経て本件診療所を開設しているのであって,その間に,健康保険診療制度の内容を十分に理解していたものと認められ,また,本件診療所開設後も,上記の指導等を受けて,それを再確認する機会が十分に与えられているから,上記の不正請求及び不当請求行為は故意に行われたものと認めるほかはなく,仮にそうでないとしても,少なくとも重大な過失によるものと認められる。したがって,上記各取消処分の基準を定めた監査要綱に照らせば,本件各処分が平等原則や比例原則に照らして違法と解すべきものとは認められず,これら本件各処分は適法になされたものというべきである。 ウ(ア) これに対して,申立人は,上記監査等によって判明した事実は架空請求や水増請求のような悪質なものではなく,単に申立人の社会保険診療報酬請求制度に対する理解の不十分 たものというべきである。 ウ(ア) これに対して,申立人は,上記監査等によって判明した事実は架空請求や水増請求のような悪質なものではなく,単に申立人の社会保険診療報酬請求制度に対する理解の不十分さに起因する些細な間違いによるものだけであって,その金額も総計約50万円程度のものであるから,これに対する本件各処分は,いずれも過酷にすぎると主張する。 しかし,前判示のとおり,申立人の保険医としての経歴や指導を受けた経過,そして,上記の不正請求及び不当請求の状況に照らせば,それが単に申立人の些細な間違いによるものであるなどと解することはできず,上記のとおり,十分な認識の下に,故意に,しかも,数次に及ぶ指導等に背いて,継続的に行われた悪質な行為と認めなければならない。 その不正請求及び不当請求に係る合計金額が比較的低額に止まるとの申立人の主張も,不正請求及び不当請求の経緯,態様の上記性質に照らすと,その金額の多寡によって本件各処分の当否の判断が左右されるべきものとは解されない。なお,上記監査は,特定の期間における患者の一- 19 -部を抽出して実施されたものであり,そのすべての対象者に不正・不当請求が認められたことからすれば,本件診療所における不正・不当請求は,これに止まるものではないと推認されてもやむを得ないというべきである。 (イ) 申立人は,無資格者による診療行為とされたものの多くの部分は,監査に十分対応できなかった結果,監査担当者の推測によって判断されたものであり,P処などについては,実際には自分が行っているなどとも主張し,聴聞報告書(疎乙15号証)には,これに沿う申立人の供述記載もあるが,申立人は,平成17年10月25日から平成18年3月14日までの間,7回にわたって弁護士立会の下で実施された監査において,P処,スケーリング,清 15号証)には,これに沿う申立人の供述記載もあるが,申立人は,平成17年10月25日から平成18年3月14日までの間,7回にわたって弁護士立会の下で実施された監査において,P処,スケーリング,清掃,指導,インレー印象,支台築造,メタルコア装着,歯冠修復物装着,研磨等を歯科助手に行わせたことがあることを認めていること(疎乙11号証)に照らし,その主張はたやすく採用することができない。 また,申立人は,診療行為の一部を歯科助手に行わせたことがあるとしても,それは限定的なものであることに加え,すべて申立人が指示監督していたから,実質的には申立人が行ったのと同視できるなどと主張するが,歯科診療行為が患者の身体に及ぼす危険性の性質,程度に照らせば,申立人の上記主張に理由がないことは明らかというべきである。 ( ) 以上に検討したとおり,本件各処分が違法になされたものとは認められず, 適法な処分と解されるから,本件申立ては,執行停止の消極的要件である「本案について理由がないとみえるとき」に該当するものというほかない。 結論 そうすると,本件申立ては,その余の点について判断するまでもなく理由がなく,これを却下すべきであるから,主文のとおり決定する。 - 20 -平成19年3月2日名古屋地方裁判所民事第9部中村直文裁判長裁判官前田郁勝裁判官片山博仁裁判官- 21 -(別紙)専門用語◆歯周疾患指導管理料(P指導料)歯周疾患に罹患している患者に対し,計画的な歯科医学的管理を行い,プラークコントロール,栄養,日常生活等に係る療養上必要な指導管理を行った場合に月1回に限り算定できる指導管理料◆歯科口腔疾患指導管理料(老人保健対象者のP指導料)高齢患者又はその家族に対し,次に掲げる指導管理を行った場合,月1回 活等に係る療養上必要な指導管理を行った場合に月1回に限り算定できる指導管理料◆歯科口腔疾患指導管理料(老人保健対象者のP指導料)高齢患者又はその家族に対し,次に掲げる指導管理を行った場合,月1回に限り算定できる指導管理料・歯周疾患に罹患している患者に対するプラークコントロール等の療養上必要な指導管理・口腔の状態,口腔の生理的減退等について高齢者の心身の特性を踏まえた療養上必要な指導管理◆歯科衛生実地指導料齲触又は歯周疾患に罹患している患者に対し,主治の歯科医師の指示に基づき,歯科衛生士が,次に掲げる指導を15分間以上実施した場合に算定できる指導料・歯及び歯肉等口腔状況の説明・プラークチャートを用いたプラークの付着状況の指摘及び患者自身によるブラッシングを観察した上でのプラーク除去方法の指導・家庭において特に注意すべ療養指導歯科医師は歯科衛生士に患者の療養上必要な指示を十分行うとともに,歯科衛生士に行った指示内容等の要点を診療録に記載する。 ◆加圧根充(加圧根管充填)アピカルシート又はステップの形成及び根管壁の滑沢化(根管形成)が行われた- 22 -根管の根尖孔外に根管充填材を溢れ出させずに加圧しながら気密に根管充填を行うこと◆テッシュコンディショニング合わない入れ歯などが原因で歯肉の粘膜が圧迫されて痛んでいるような場合,入れ歯が歯肉と密着する部分に,弾力・粘着力のある柔らかい調整材などを使用して,歯肉の粘膜の回復を図る処置◆平行測定ブリッジの支台歯(土台になっている歯)の形成に当たり,平行になっているかどうかを模型を用いて測定すること◆リテイナーブリッジの作成過程において,支台歯の保護,支台歯,隣在歯及び対合歯の移動防止並びに歯周組織の保護のため,歯冠形成完了後ブリッジ装着までの間,暫定的に装着される 型を用いて測定すること◆リテイナーブリッジの作成過程において,支台歯の保護,支台歯,隣在歯及び対合歯の移動防止並びに歯周組織の保護のため,歯冠形成完了後ブリッジ装着までの間,暫定的に装着されるもの◆P処(歯周疾患の処置)歯周疾患において,歯石を除去した後,状況に応じて患部を消毒したりする処置◆スケーリング歯面に付着したプラーク,歯石,その他の沈着物を機械的に除去すること◆歯周基本検査歯周ポケット測定,歯の同様度,プラークの付着状況,歯肉の炎症状態の検査等,歯周病の診断に必要な検査- 23 -(別紙)集計結果一覧表(省略)

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